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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H05K
管理番号 1003899
異議申立番号 異議1998-75059  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1991-09-04 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-10-12 
確定日 1999-07-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2740682号「電子部品搭載装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2740682号の特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2740682号は、平成1年12月28日の特許出願に係り、平成10年1月23日にその特許の設定登録がされ、その後、高松万里から特許異議の申立てがなされたので、当審より特許取消理由を通知したところ、その指定期間内である平成11年4月15日に訂正請求書が提出されたものである。
2.訂正の内容
(1)訂正事項イ
特許請求の範囲の請求項1について、
「電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、
前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部品搭載移動体と、
各前記部品動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段とを有し、
前記2組の画像認識手段は、基板搬送コンベアの走行経路を挟んで前記部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に夫々配置され、
各前記部品搭載移動体は、夫々対応する前記画像認識手段により電子部品保持状態を検出し、且つ、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退して部品搭載作業を行うことを特徴とする電子部品搭載装置。」

「電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、
前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部品搭載移動体と、
各前記部品搭載移動体の各移動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段と前記作業ヘッドの吸着ノズルを着脱する2組の吸着ノズル交換器を有し、
前記2組の画像認識手段は、基板搬送コンベアの走行経路を挟んで前記部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に夫々配置され、
各前記部品搭載移動体は、夫々対応する前記吸着ノズルの交換と前記画像認識手段による電子部品保持状態の検出を行い、且つ、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退して部品搭載作業を行うことを特徴とする電子部品搭載装置。」
と訂正する。
(2)訂正事項ロ
上記特許請求の範囲の訂正の訂正内容に整合するように明細書の「発明の詳細な説明」の欄の〔発明の要点〕及び〔発明の効果〕の項を全文訂正明細書記載のとおりに訂正する。
3.訂正の適否についての判断
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正(1)は、電子部品搭載装置の構成に吸
着ノズル交換器を追加することにより、当該装置の構成を更に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮に相当する。
上記訂正(2)は、明細書の「発明の詳細な説明」の欄の〔発明の要点〕及び〔発明の効果〕の項の記載を、上記訂正(1)に対応するようにしたものであって、明りょうでない記載の釈明に該当する。
そして、これら訂正(1)乃至(2)は、いずれも新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでない。(2)独立特許要件についての判断
(本件発明)
訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項を構成とする発明(以下、本件発明という。)は、前記「(1)訂正事項イ」の項において記載したとおりのものである。
(取消理由の概要)
前記取消理由の概要は、本件特許に係る発明は、下記の刊行物1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
刊行物1:特開昭63-178596号公報
(特許異議申立人が提出した甲第1号証)
刊行物2:特開昭62-281495号公報
(同じく甲第2号証)
(引用例の記載事項)
刊行物1には、チップ部品装着装置として、「基台上に形成された作業ステーションの両側に平行に設置した2本の固定レールと、作業ヘッドを摺動可能に支持するガイドレールとこの作業ヘッドをガイドレールに沿って駆動する送り装置とを備えたヘッド支持部材とを有し、このヘッド支持部材の両端部を前記固定レールに支持させるとともに、基台に設置した送り装置にヘッド支持部材を連結して前記固定レールに沿って移動可能としたものにおいて、2つのヘッド支持部材を前記固定レールに両端部を支持させて設置する」(特許請求の範囲)ものが記載され、さらに、「この作業ステーション14は矩形状になっており、その長手方向は前記コンベア12の移送方向(以下X軸方向という)に一致している。そして、この作業ステーション14の長辺に沿う両側には、後から説明する部品供給部16が配置されている。」(第2頁右下欄第8行目〜第12行目)こと、及び「図中31は吸着ノズルであり、図示しない真空ポンプに連結されている。また、32は修正アームで、これら修正アームを閉動することによって、吸着ノズルによって吸着されたチップ部品の吸着位置の修正を行う。」(第3頁左下欄第8行目〜第12行目)ことが記載されている。
また、刊行物2には、部品実装装置として、「マウントヘッドを有しXY軸方向に可動する第1および第2の可動アームを立体的に交叉させながら上記部品トレイ内の部品を把持してプリント基板に順次実装する実装手段と、上記第1および第2の可動アームの回転軌跡上に設けられたマウントヘッドに対する部品の把持状態を観測する第1の観測手段」(特許請求の範囲)を具備したものが記載され、さらに、「主制御装置には第1および第2の視覚装置4、5が接続されている。そして、視覚装置4には架台に上向きに設置されたテレビカメラ6が接続され、視覚装置5には架台に下向きに設置されたテレビカメラ7が接続されている」(第2頁左下欄第17行目〜右下欄第1行目)こと、「いま、プリント基板19は正規の位置B0にあり、マウントヘッド9がプリント基板19上の点P0に位置T1の電気部品を装着したとする。この時他のマウントヘッド8は次の電気部品を吸着把持してテレビカメラ6上の所定位置に移動し、視覚装置4によって電気部品の把持位置の測定をしている。」(第3頁右上欄第2行目〜第8行目)ことが記載されている。
(対比と判断)
刊行物1に記載されたものにおいて、その「作業ステーション」、「作業ヘッドを摺動可能に支持するガイドレールと、この作業ヘッドをガイドレールに沿って駆動する送り装置」及び「ヘッド支持部材」は、それぞれ本件発明でいうところの「部品搭載作業領域」、「作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段」及び「ヘッド支持体」に相当しており、さらに「修正アーム」はこれに吸着されたチップ部品の吸着位置の修正を行うものであり、「部品位置修正装置」ということができるから、これらのことと刊行物1の特許請求の範囲及び上記摘示個所の記載から、刊行物1には、次の構成を備える電子部品搭載装置が記載されているといえる。
「電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、
前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部搭載移動体と、部品位置修正装置とを有し、
各前記部品搭載移動体は、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退して部品搭載作業を行う電子部品搭載装置。」
また、刊行物2に記載されたものにおいて、その「マウントヘッド」、「マウントヘッドを有しXY軸方向に可動する可動アーム」は、それぞれ本件発明でいうところの「作業ヘッド」、「部品搭載移動体」に相当するものであり、また、マウントヘッドが部品トレイ内の部品を把持してプリント基板に順次実装する際の、部品トレイの位置は「部品供給位置」であり、プリント基板のあるの領域は「部品搭載作業領域」であり、さらに、「観測手段」あるいは「テレビカメラ」と「視覚装置」は、作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する「画像認識手段」であるから、これらのことと刊行物2の特許請求の範囲及び摘示個所の記載を総合すると、刊行物2には次の構成を備える電子部品搭載装置が記載されているといえる。
「2組の部品搭載移動体と、前記部品搭載移動体の移動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する画像認識手段とを有し、前記画像認識手段は、部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に配置され、前記部搭載移動体は、前記画像認識手段により電子部品保持状態を検出し、且つ、前記部品搭載作業領城に対して交互に進退して部品搭載作業を行うことにより、片方の部品搭載移動体が画像認識を行なう間に他方の搭載移動体で部品搭載作業を行なうことができ、比較的長い時間を要する画像認識時間をキャンセルできる電子部品搭載装置」
そこで、本件発明と刊行物1、2に記載された発明とを対比すると、本件発明が、2組の部品搭載移動体の各移動領域に、作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段と作業ヘッドの吸着ノズルを着脱する2組の吸着ノズル交換器を有する構成を不可欠なものとしているのに対し、刊行物1には、そのような構成については記載されておらず、また、刊行物2には、2組の部品搭載移動体の共通する移動領域に1組の画像認識手段を設けることが記載されているが、2組の画像認識手段と2組のノズル交換器を設けることは記載されていない。しかも、2組の部品搭載移動体を有する電子部品搭載装置において、前記のように2組の画像認識手段と2組の吸着ノズル交換器を設けることが周知技術であるとも認められない。そして、本件発明は、前記の構成を有することにより、他種類の電子部品を画像認識方式により搭載位置を補正しつつ高速且つ高精度で搭載可能となることに加えて、一方がノズル交換を実施している間に他方が搭載処理をできるためロス時間が更に短縮でき、多数の電子部品を基板上に迅速且つ整然と搭載する部品搭載に要する総時間が一層大幅に短縮することができるという訂正明細書に記載された顕著な作用効果を奏するものである。
したがって、本件発明は、取消理由で引用した刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることができない。
また、他に本件発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由及び証拠方法を発見しない。
よって、本件発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではない。
(むすび)
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書及び同条第3項で準用する同法第126条第2乃至4項の訂正に関する規定が、平成6年法律第116号付則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされることから適用される、平成5年改正特許法第126条第1項ただし書、第2乃至3項の規定に適合するので、本件訂正は認められるものである。
4.特許異議の申立てについての判断
(1)申立ての理由の概要
特許異議申立人は、前記刊行物1、2であるところの甲第1、2号証を提出し、本件特許に係る発明は甲第1、2号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであって、本件発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである旨の主張をしている。
(2)判断
しかしながら、本件特許明細書の特許請求の範囲は、前述のとおり訂正されることとなり、本件訂正後の発明については、前記「3.訂正の適否についての判断」の「(2)独立特許要件についての判断」の項に記載したのとおり、特許異議申立人が提出した証拠から容易に発明をすることができたものとすることができない。
5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電子部品搭載装置
(57)【特許請求の範囲】
電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、
前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部品搭載移動体と、
各前記部品搭載移動体の各移動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段と前記作業ヘッドの吸着ノズルを着脱する2組の吸着ノズル交換器を有し、
前記2組の画像認識手段は、基板搬送コンベアの走行経路を挟んで前記部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に夫々配置され、
各前記部品搭載移動体は、夫々対応する前記吸着ノズルの交換と前記画像認識手段による電子部品保持状態の検出を行い、且つ、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退して部品搭載作業を行うことを特徴とする電子部品搭載装置。
【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕
本発明は、チップ状電子部品を基板に搭載する電子部品搭載装置に関するものである。
〔従来技術とその問題点〕
従来、プリント基板上にIC、抵抗、コンデンサ等の多数のチップ部品を高速且つ高精度で自動搭載することを企図した電子部品搭載装置として、次の様なX-Y移動方式の搭載装置がよく知られている。 部品搭載を行なう作業ステーションを挟んで、一対のガイドレールを敷設し、このガイドレール間に搭載ヘッドを支持する支持体を摺動自在に架設してある。搭載ヘッドは、例えばエア吸引法等により電子部品を吸着保持する吸着ノズルを備えている。各支持体は、搭載ヘッドをガイドレールと直角方向に摺動自在に支持している。即ち、搭載ヘッドは、支持体に沿った方向(X方向とする)とガイドレールに沿った方向(Y方向とする)の2次元に亘り自在に移動可能に支持されている。
部品搭載を行なう場合は、搭載ヘッドが部品供給部から搭載すべき部品を吸着ノズルでピックアップした後、X-Y2次元方向に迅速に移動して作業ステーションに位置決めされたプリント基板上の部品搭載位置へ進出し、ピックアップした電子部品を載置(プレース)する。電子部品の載置が終ったら、再度部品供給位置に戻り、次に搭載すべき電子部品のピックアップに移る。この様な一連の動作を繰り返し、多種類の電子部品をプリント基板上に搭載する。
上述の一連の動作において、電子部品をピックアップする際に、電子部品に対する吸着ノズルの吸着位置がずれる場合がある。従来、その吸着位置のズレを補正する方法として、チャック爪による機械的方法が採用されていた。この方法は、吸着ノズル周囲四方にチャック爪を配設し、この4個のチャック爪により電子部品を均等に把持して吸着位置を補正するものであり、補正精度に難点がある。近年は、電子部品の吸着位置を高精度で補正する為、画像認識による光学的方法を採用する場合が多い。この方法は、吸着ノズルで部品を吸着した状態をカメラで撮像し、その画像をコンピュータで演算処理して吸着位置のズレを検出し、これに基づき搭載位置を補正するものである。この画像処理による搭載位置補正方法は、極めて高い精度で部品を搭載できる反面、画像処理に比較的長い時間を要するという欠点がある。又、処理速度の早い画像処理装置を採用すれば、その設備費が大幅にアップする。
〔発明の目的〕
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、多種類の電子部品を保持位置を正確に補正し短時間且つ高精度で搭載可能な電子部品搭載装置を提供することを目的とする。
〔発明の要点〕
本発明は、上記目的を達成する為、電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部品搭載移動体と、各前記部品搭載移動体の各移動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段と前記作業ヘッドの吸着ノズルを着脱する2組の吸着ノズル交換器を有し、前記2組の画像認識手段と吸着ノズル交換器は、基板搬送コンベアの走行経路を挟んで前記部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に夫々配置され、各前記部品搭載移動体は、夫々対応する前記吸着ノズルの交換と前記画像認識手段による電子部品保持状態の検出を行い、且つ、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退して部品搭載作業を行うことを要点とするものである。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の実施例について、第1図及び第2図に基づき詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例としての電子部品搭載装置を示す平面図で、第2図はその立面図である。第1図で、装置基台1上の中央を図中横方向(以下、X方向と言う)に延在させて、プリント基板を搬送する基板搬送コンベア2を、水平に敷設してある。基板搬送コンベア2は、両側に一対のレール2a,2aを平行に敷設し、一対の搬送ベルト2b,2bを夫々各レール2a上を走行可能に張設して成る。これら搬送ベルト2b,2bは、適所に配置した基板搬送モータ3により駆動される。部品を搭載すべきプリント基板Pbは、両側部を夫々搬送ベルト2b,2bに支持され、その回動と共にレール2a,2aにガイドされつつ図中右側から矢印T方向に沿って搬送されてくる。
基板搬送コンベア2の走行経路で装置基台1上の略中央には、電子部品の搭載を行なう作業ステーションWsを設定してある。この作業ステーションWsは、両サイドをレール2a,2aで、基板搬送方向Aに対して前端と後端を位置決めピン4a,4bて、夫々規定されている。両位置決めピン4a,4bは、夫々回動自在に支承してあり、例えばエアシリンダ(不図示)等の駆動手段により回動されて先端を基板搬送経路中に進出させ、搬送ベルト2b,2bにより搬送されてきたプリント基板Pbを停止させる。
作業ステーションWsを挟んでその前方と後方の各装置端部には、夫々、基板搬送コンベア2を跨がせて固定台5a,5bを設置してある。各固定台5a,5bは、基板搬送方向(X方向)と直角の方向(以下、Y方向と言う)に延在させて固設してある。これら固定台5a,5b上には、一対のガイドレール6a,6bを敷設してある。これらガイドレール6a,6bは、Y方向に延存する様に、固定台5a,5bの各内側(作業ステーションWs側)側面に沿わせて敷設してある。
一対のガイドレール6a,6b間には、2個の移動台7A,7Bを、夫々、摺動自在に架設してある。これら各移動台7A,7Bは、後述する様に、装置奥側(図中上側)と手前側(同下側)の各所定領域を往復移動する。各移動台7A,7Bは、その両端部を各ガイドレール6a,6bに夫々一対の滑り軸受け8,8を介して摺動自在に外挿してある。この場合、各移動台7A,7Bの端部に介装した各1対の滑り軸受け8,8間の間隔については、一方の間隔D1を他方の間隔D2より大きく設定してある。その理由については、移動台7A,7Bの各駆動手段との関係で後程説明する。各移動台7A,7B上には、その長手方向(X方向)に沿ってX軸ボールネジ9,9を夫々設置してある。各X軸ボールネジ9の一端には、カップリング10を介してサーボモータ11を連結してある。又、各X軸ボールネジ9に平行に、ガイドロッド12を敷設してある。このガイドロッド12は、本例では2個の搭載ヘッド13,13を備えたヘッドユニットUhを、摺動自在に支持している。各搭載ヘッド13には、第2図に示す様に、電子部品をエア吸着する吸着ノズル13aを垂直方向に向けて装着してある。各ヘッドユニットUhは2個の搭載ヘッド13,13を取付け板14で一体移動可能に結合して成り、この取付け板14をガイドロッド12に摺動自在に外挿してある。取付け板14は、X軸ボールネジ9に往復直進移動可能に設置した送り台15に結合してある。送り台15とX軸ボールネジ9は、X軸ボールネジ9に螺合させたナット部材16を介して連結してある。
サーボモータ11を作動させてX軸ボールネジ9を正逆両方向に回転させれば、送り台15とヘッドユニットUhを一体にガイドロッド12に沿って往復直進移動させることができる。この場合、ボールネジは、ネジとナットの間の摩擦抵抗が小さく、且つバックラッシュを容易に除去できる特性を備えているから、搭載ヘッド13の高速移動及び高精度位置決めが可能となる。
前述した一対の前後固定台5a,5b上には、夫々、ガイドレール6a,6bに平行にY軸駆動ボールネジ17a,17bを設置してある。一対のY軸駆動ボールネジ17a,17bは、夫々、前後固定台5a,5b上の各基板搬送コンベア2上方領域(中央領域)から一方の端部迄の約3/5に当たる領域に亘り敷設してある。この場合、一対のY軸駆動ボールネジ17a,17bは、夫々、前後固定台5a,5b上の各中央領域から互いに反対側の各端部へ延在させてある。本例では、基板搬送方向Tに対して前方側に設置するY軸駆動ボールネジ17aを前固定台5a上の奥側領域に、後方側に設置するY軸駆動ボールネジ17bを後固定台5b上の手前側領域に、夫々延在させてある。そして、これらY軸駆動ボールネジ17a,17bの各中央側端部には、夫々、カップリング18a,18bを介してY軸駆動サーボモータ19a,19bを連結してある。
一方、前後固定台5a,5bの各内側面には、夫々、Y軸従動ボールネジ20a,20bを設置してある。この場合、前方側に設置するY軸従動ボールネジ20aを後方側のY軸駆動ボールネジ17bに、後方側に設置するY軸従動ボールネジ20bを前方側のY軸駆動ボールネジ17aに、夫々平行に対向させて延在敷設してある。そして、装置手前側で対向するY軸従動ボールネジ20aとY軸駆動ボールネジ17bの各装置手前側端部には、夫々、歯付きプーリ21a,21bを固着してある。各歯付きプーリ21a,21bの下方には、第2図に示す様に、2個の歯付きプーリを同軸並設してなる中継プーリ21c,21dを回転自在に設置してある。そしてこれら2個の歯付きプーリ21a,21bと2個の中継プーリ21c,21d間に歯付きベルト22a,22b,22cを巻架して、両ボールネジ20a,17bを同期回転可能に連結してある。この様に両ボールネジ20a,17b間の駆動伝達経路を下方に迂回させることにより、装置手前側から後述する部品供給カセット26等の部材の着脱を容易に実施することができる。装置奥側で対向するY軸駆動ボールネジ17aとY軸従動ボールネジ20b間も、同様に歯付きプーリ23a,23b等を介して歯付きベルト24c等により同期回転可能に連結してある。
而して、装置奥側で対向するY軸駆動ボールネジ17aとY軸従動ボールネジ20bは奥側移動台7A、の両端部に、装置手前で対向するY軸従動ボールネジ20aとY軸駆動ボールネジ17bは手前側移動台7Bの両端部に、夫々、ナット部材25を介して螺合連結してある。この場合、各Y軸駆動ボールネジl7a,17bは、夫々、移動台7A,7Bの各端部の内、前述した滑り軸受け8,8の間隔を大間隔DIに設定した方の端部に連結してある。
従って、Y軸駆動ボールネジ17bに連結したY軸駆動モータ19bを作動させれば、歯付きベルト22a〜22cで連結したY軸駆動ボールネジ17bとY軸従動ボールネジ20aが同期回転し、手前側の移動台7Bとこれに支持された一対の搭載ヘッド13,13等から成る長尺状のヘッド移動体HBがガイドレール6a,6bに沿ったY方向に移動する。この場合、ヘッド移動体HBは、Y軸駆動ボールネジ17bとY軸従動ボールネジ20aが対向延存する領域、即ち、基体1上方の前述した作業ステーションWsを含む手前側約3/5領域を自在に往復移動する。一方、装置奥側ヘッド移動体HAも、同様に、Y軸駆動モータ19aの作動と共にY軸駆動ボールネジ17aとY軸従動ボールネジ20bが同期回転し、作業ステーションWsを含む奥側の約3/5領域を自在に往復移動する。従って、両ヘッド移動体HA,HBの各移動領域は、装置中央部の作業ステーションWsを含む端部領域(基板搬送経路上方領域)で重なり合っている。
ところで、ヘッド移動体HA,HBを片側のみから駆動力を作用させて往復直進移動させことも可能であるが、本発明においては、上述の様に両側から駆動力を作用させる構成となっている。その理由は、次の通りである。
各ヘッド移動体HA,HBは、一対の搭載ヘッド13,13を所定方向(X方向)に移動自在に支持し、且つ駆動手段等の種々の部材を移動台7A,7B上に支持させて成る為、全体的に自ずと長尺状で大重量となる。その様なヘッド移動体HA,HBを片側端部のみから駆動力を加えて移動させれば、慣性モーメントが大きい為に、特に始動時や停止時における各ヘッド移動体HA,HBの反駆動側端部の振動が激しくなる。その為、一方の例えばヘッド移動体HA自体の位置決め精度が低下するだけでなく、その振動がガイドレール6a,6bを介して他方にも伝わり、他方のヘッド移動体HBの位置決め精度も低下させる。
そこで,本発明においては、上述した様に、ヘッド移動体HA,HBの各両端に夫々駆動手段としてのボールネジ17a,20b及びボールネジ17b,20aを連結し、各両端部から略均等に直進駆動力を作用させる。これにより、長尺且つ大重量のヘッド移動体HA,HBをも、振動させず円滑にY方向に移動させ正確に位置決めすることができる。
又、各ヘッド移動体HA,HBの振動の発生を更に安定的に抑制する為、本例では、駆動側の滑り軸受け8,8間隔D1を、従動側の滑り軸受け間隔D2より大きく設定してある。これにより、ヘッド移動体HA,HBを駆動する両側のボールネジ17a,20b及び17b,20aの各動作タイミングがずれた場合等においても、ヘッド移動体HA,HBの振動を効果的に抑制することができる。その結果、ヘッド移動体HA,HBの高精度な位置決めを安定して実施できる。
更に、例えば手前側のヘッド移動体HBで説明すると、各ボールネジ20a,17bを、ヘッド移動体HBの両端を支持する一対のガイドレール6a,6bに対し、共に同じ後側(基板搬送方向Tに対して)に近接させて敷設してあるから、ヘッド移動体HBに直進駆動力が作用することにより加わる曲げモーメントが小さくなる。これにより、ヘッド移動体HBにおける移動台7B等の剛性を軽減することができ、装置の小型軽量化を促進できる。
基体1上で、基板搬送コンベア2を挟んでその奥側と手前側の各基台端部に近い位置には、部品供給部FA,FBを夫々設定してある。各部品供給部FA,FBには、夫々、多数の部品供給カセット26A,26Bを並列にセットしてある。部品供給カセット26A,26Bは、共に、例えば直方体形状のチップ部品を等間隔に埋設した供給テープをリールに巻回して収納したものである。各部品供給カセット26A,26Bには、夫々同一の電子部品を収納してあり、多数の部品供給カセット26A,26Bを並設することにより、多種類の電子部品を多量に準備しておくことができる。この場合、電子部品の種類(部品供給カセット)の順列組合せは、可及的に短時間で効率良く部品供給できる様に最適設定してある。本例では、手前側の部品供給位置FBに大型電子部品を収納する部品供給カセット26Bを、奥側の部品供給位置FAに小型電子部品を収納した部品供給カセット26Aをセットしてある。部品を供給する場合は、具備する送り機構により間欠的に供給テープをリールから繰り出し、ピックアップ位置Ppにおいて下降してきた搭載ヘッド13の吸着ノズル13a(第2図)によりピックアップさせる。
装置奥側と手前側の各部品供給位置FA,FBと基板搬送コンベア2間には、夫々、各1対の画像認識用カメラ27A,27A及び27B,27Bと、吸着ノズル交換器28A,28Bを設置してある。各画像認識用カメラ27A〜27Bは、搭載ヘッド13の吸着ノズル13aに吸着された電子部品を撮像し、その画像をコンピュータで演算処理して吸着位置のズレを検出する。この検出データは図示しない中央制御部に送られ、その電子部品をプリント基板Pbに搭載する際の位置補正に用いられる。本例では、各ヘッド移動体HA,HBに夫々2個の搭載ヘッド13,13を並設してあるから、それに対応して2個づつの画像処理用カメラ27A,27A及び27B,27Bを各所定位置に並設してある。
吸着ノズル交換器28A,28Bは、夫々、多数の収納ピットを並列に形成し、これら収納ピット多種類の吸着ノズル13aを挿脱自在に保持して交換に備えるものである。上述した画像認識用カメラ27A〜27B及び吸着ノズル交換器28A,28Bの設置位置は、電子部品の総搭載時間を可及的に短縮できる様に最適設定してある。
上記電子部品交換装置における全ての駆動手段、即ちX軸駆動モータ11、11、Y軸駆動モータ19a,19b、各基板コンベア駆動用モータ3、搭載ヘッド13の昇降用及び吸着用エアシリンダ(不図示)、部品供給テープの送り機構等と、画像処理用カメラ27A〜27Bは、図示しない電子部品交換装置の中央制御部に接続されており、その中央制御部から予め設定されているプログラムに基づく最適制御信号が各駆動手段に出力され、電子部品が効率良く短時間で正確にプリント基板Pb上に搭載される。その部品搭載動作の基本的なパターンを、以下に説明する。
先ず、例えば奥側搭載ヘッド13により電子部品をピックアップするとする。一対の搭載ヘッド13、13を備えたヘッドユニットUhを、Y軸駆動モータ19aとX軸駆動モータ11を作動させてX方向に移動させつつY方向にも移動させ、ピックアップすべき部品の部品供給カセット26Aにおけるピックアップ位置Pp上方に停止させる。次いで、ヘッドユニットUhを下降させて2個の目的部品を同時吸着させた後上昇させる。尚、部品供給カセット26Aの配列の関係から2個の目的部品を同時吸着できない場合は、ヘッドユニットUhをX方向に移動させて1個づつ吸着する。
次に、吸着位置ズレを検出する為、目的部品を吸着したヘッドユニットUhを画像処理用カメラ27A上方に移動し、部品吸着状態の画像認識を行なう。画像認識により検出された吸着位置データは中央制御部に送られる。奥側のヘッドユニットUhが部品吸着状態の画像認識を行なっているとき、手前側のヘッドユニットUhが、手前側の部品供給カセット26Bから奥側ヘッドユニットUhと同様の動作で2個の搭載すべき電子部品をピックアップする。
奥側ヘッドユニットUhは、部品の画像認識を終えたら、作業ステーションWs上の部品の載置(プレース)を行なうべきプレース位置に移動する。この際、中央制御部で前段階の画像認識工程で得られた吸着位置ズレデータに基づきヘッドユニットUhの停止位置が補正され、ヘッドユニットUhが補正された適正プレース位置に正確に停止する。作業ステーションWsには、基板搬送コンベア2の回動と共にプリント基板Pbが搬送され、所定位置に位置決めされている。位置決めが終了したヘッドユニットUhは、直ちに下降し、プリント基板Pb上の所定位置に2個の電子部品をプレースする。
奥側ヘッドユニットUhによる部品プレースが終了したら、次いで手前側ヘッドユニットUhによる部品のプレースを実施する。この際、前述した様に、各ヘッド移動体HA,HBの移動範囲が作業ステーションWsを含む中央領域で重なりあっている為、ヘッド移動体HA,HB同士が衝突する虞がある。本例では、各Y軸駆動モータ19a,19bにエンコーダ部を設けておき、このエンコーダ部からのパルス信号を中央制御部でカウントして各ヘッド移動体HA,HBの位置を把握している。そして、その位置データに基づき両ヘッド移動体HA,HBの相対位置を確認しつつ各Y軸駆動モータ19a,19bを駆動制御し、ヘッド移動体HA,HB同士の作業ステーションWs上での衝突を防止している。
部品のプレースを終え作業ステーションWsから退避した奥側ヘッドユニットUhは、新たに搭載すべき電子部品をピックアップする為、再度部品供給位置FAに向う。ここで、次に搭載する電子部品が吸着ノズル13aを交換する必要がある場合は、ヘッドユニットUhを吸着ノズル交換器28A上方に移動させ、吸着ノズル13aの交換を行なう。この場合、先ず、使用した吸着ノズル13aを決められた収納ピットへ収納した後、新たな吸着ノズルを装着する。吸着ノズル13aの着脱は、ヘッドユニットUhを昇降させることにより自動的に実施される構成となっている。
部品供給位置FAに戻った奥側ヘッドユニットUhは、新たな電子部品のピックアップを開始する。この時、手前側ヘッドユニットUhは、プリント基板Pb上への部品プレースを実施している。以降、2個のヘッドユニットUh,Uhが同様の動作を繰り返し、プリント基板Pb上に電子部品が整然且つ迅速に搭載されて行く。
以上の様に、1個のプリント基板Pbに対し、2個のヘッドユニットUh,Uhにより、両側から画像認識方式により搭載位置を補正しつつ交互に電子部品を搭載するから、1個のヘッドユニットUhで搭載する場合に比べて約半分に搭載時間が短縮される。従って、画像認識による搭載位置補正方法を採用することにより、1個の電子部品搭載時間は増加するが、総搭載時間ではその増加分が略キャンセルされ、従来のチャック爪による機械的吸着位置補正方法を採用した場合と略同一となる。
又、各ヘッドユニットUhの移動領域に吸着ノズル交換器28A,28Bを夫々配設してあるから、各ヘッドユニットUhにおける吸着ノズル13aの交換を互いに独立して実施させることができる。従って、一方のヘッドユニットUhが吸着ノズル13aの交換を実施するタイミングや頻度を、他方のヘッドユニットUhの搭載動作との関係を配慮して最適に設定することにより、吸着ノズルの交換を実施することによる部品搭載時間の増加を、最小限に抑えることができる。
尚、本発明は、上記の特定の実施例に限定されるべきものでなく、本発明の技術的範囲において種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、ヘッドユニットUhを移動させる為の駆動手段は、モータとボールネジの組合せに限らず、モータの回転力をピニオンとラックにより直進運動に変換する機構等の種々の駆動変速機構を採用可能である。
又、ガイドレール6a,6b等の直進案内手段は必ずしも必要ではなく、ボールネジ等の駆動手段の剛性を増強することにより省略することも可能である。
加えて、本発明は、プリント基板をコンベア等により直線的に連続搬送するのではなく、作業ステーションへ基板を吸着ヘッド等により間欠搬送する方式の場合にも適用できる。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明した様に、本発明によれば、夫々が電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドを備える2組の搭載移動体を設け、これら搭載移動体を部品搭載領域に対して両側から交互に進退させるから、多数の電子部品を基板上に迅速且つ整然と搭載することができ、部品搭載に要する総時間が大幅に短縮される。そして、各搭載移動体の移動領域に、部品保持状態を撮像してその画像から保持位置のズレを検出する画像認識手段を夫々設置するから、片方の搭載移動体が画像認識を行なう間に他方の搭載移動体で部品搭載を実施することができる。従って、比較的長い時間を要する画像認識時間をキャンセルでき、1組の搭載移動体で従来の機械的な部品保持位置補正方法により部品搭載を行なう場合と略同時間で部品搭載を実施可能となる。よって、多種類の電子部品を画像認識方式により搭載位置を補正しつつ高速且つ高精度で搭載可能となることに加えて、一方がノズル交換を実施している間に他方が搭載処理をできるためロス時間が更に短縮でき、多数の電子部品を基板上に迅速且つ整然と搭載する部品搭載に要する総時間が一層大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例としての電子部品搭載装置を示す平面図、第2図は上記電子部品搭載装置の立面図である。
1……基台
2……基板搬送コンベア
5a,5b……固定台
6a,6b……ガイドレール
7A,7B……移動台
8……滑り軸受け
9……X軸ボールネジ
11……X軸駆動モータ
12……ガイドロッド
13……作業ヘッド
13a……吸着ノズル
17a,17b……Y軸駆動ボールネジ
19a,19b……Y軸駆動モータ
20a,20b……Y軸従動ボールネジ
21a,21b,23a,23b……歯付きプーリ
21c,21d……中継プーリ
22a〜22c,24c……歯付きベルト
25……ナット部材
26A,26B……部品供給カセット
27A,27B……画像認識用カメラ
28A,28B……吸着ノズル交換器
Pb……プリント基板
HA,HB……ヘッド移動体
Uh……ヘッドユニット
Ws……作業ステーション
Pp……ピックアップ位置
 
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)訂正事項イ
特許請求の範囲の請求項1について、
「電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、
前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部品搭載移動体と、
各前記部品搭載移動体の各移動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段とを有し、
前記2組の画像認識手段は、基板搬送コンベアの走行経路を挟んで前記部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に夫々配置され、
各前記部品搭載移動体は、夫々対応する前記画像認識手段により電子部品保持状態を検出し、且つ、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退し
て部品搭載作業を行うことを特徴とする電子部品搭載装置。」

「電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、
前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部品搭載移動体と、
各前記部品搭載移動体の各移動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段と前記作業ヘッドの吸着ノズルを着脱する2組の吸着ノズル交換器を有し、
前記2組の画像認識手段は、基板搬送コンベアの走行経路を挟んで前記部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に夫々配置され、
各前記部品搭載移動体は、夫々対応する前記吸着ノズルの交換と前記画像認識手段による電子部品保持状態の検出を行い、且つ、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退して部品搭載作業を行うことを特徴とする電子部品搭載装置。」
と訂正する。
(2)訂正事項ロ
上記特許請求の範囲の訂正の訂正内容に整合するように明細書の「発明の詳細な説明」の欄の〔発明の要点〕の項の
「本発明は、上記目的を達成する為、電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺動自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部品搭載移動体と、各前記部品搭載移動体の各移動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段とを有し、前記2組の画像認識手段は、基板搬送コンベアの走行経路を挟んで前記部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に夫々配置され、各前記部品搭載移動体は、夫々対応する前記画像認識手段により電子部品保持状態を検出し、且つ、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退して部品搭載作業を行うことを要点とするものである。」
を、
「本発明は、上記目的を達成する為、電子部品に対し昇降し該電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドと、前記作業ヘッドを摺勅自在に支持して往復移動させるヘッド駆動手段と、前記作業ヘッドと前記ヘッド駆動手段を一体移動可能に支持するヘッド支持体と、前記ヘッド支持体を部品供給位置と部品搭載作業領域との間を進退自在に移動させる支持体駆動手段とを有する電子部品搭載装置において、前記作業ヘッド、前記ヘッド駆動手段、前記ヘッド支持体から成る2組の部品搭載移動体と、各前記部品搭載移動体の各移動領域に、前記作業ヘッドの電子部品保持状態を撮像して保持位置を検出する2組の画像認識手段と前記作業ヘッドの吸着ノズルを着脱する2組の吸着ノズル交換器を有し、前記2組の画像認識手段は、基板搬送コンベアの走行経路を挟んで前記部品供給位置と前記部品搭載作業領域との間に夫々配置され、各前記部品搭載移動体は、夫々対応する前記吸着ノズルの交換と前記画像認識手段による電子部品保持状態の検出を行い、且つ、前記部品搭載作業領域に対して両側から交互に進退して部品搭載作業を行うことを要点とするものである。」
と訂正し、同じく〔発明の効果〕の項の
「以上、詳細に説明した様に、本発明によれば、夫々が電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドを備える2組の搭載移動体を設け、これら搭載移動体を部品搭載領域に対して両側から交互に進退させるから、多数の電子部品を基板上に迅速且つ整然と搭載することができ、部品搭載に要する総時間が大幅に短縮される。そして、各搭載移動体の移動領域に、部品保持状態を撮像してその画像から保持位置のズレを検出する画像認識手段を夫々設置するから、片方の搭載移動体が画像認識を行なう間に他方の搭載移動体で部品搭載を実施することができる。従って、比較的長い時間を要する画像認識時間をキャンセルでき、1組の搭載移動体で従来の機械的な部品保持位置補正方法により部品搭載を行なう場合と略同時間で部品搭載を実施可能となる。よって、多種類の電子部品を画像認識方式により搭載位置を補正しつつ高速且つ高精度で搭載可能となる。」

「以上、詳細に説明した様に、本発明によれば、夫々が電子部品を着脱自在に保持可能な作業ヘッドを備える2組の搭載移動体を設け、これら搭載移動体を部品搭載領域に対して両側から交互に進退させるから、多数の電子部品を基板上に迅速且つ整然と搭載することができ、部品搭載に要する総時間が大幅に短縮される。そして、各搭載移動体の移動領域に、部品保持状態を撮像してその画像から保持位置のズレを検出する画像認識手段を夫々設置するから、片方の搭載移動体が画像認識を行なう間に他万の搭載移動体で部品搭載を実施することができる。従って、比較的長い時間を要する画像認識時間をキャンセルでき、1組の搭載移動体で従来の機械的な部品保持位置補正方法により部品搭載を行なう場合と略同時間で部品搭載を実施可能となる。よって、多種類の電子部品を画像認識方式により搭載位置を補正しつつ高速且つ高精度で搭載可能となることに加えて、一方がノズル交換を実施している間に他方が搭載できるためノズル交換のロス時間を短縮でき、これにより多数の電子部品を基板上に迅速且つ整然と搭載する部品搭載に要する総時間をより一層大幅に短縮することができる。」
と訂正する。
異議決定日 1999-05-26 
出願番号 特願平1-344024
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H05K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中川 隆司青木 俊明  
特許庁審判長 酒井 雅英
特許庁審判官 鳥居 稔
中村 朝幸
登録日 1998-01-23 
登録番号 特許第2740682号(P2740682)
権利者 カシオ計算機株式会社 山形カシオ株式会社
発明の名称 電子部品搭載装置  
代理人 阪本 紀康  
代理人 阪本 紀康  

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