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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G11B
管理番号 1007248
異議申立番号 異議1998-71226  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-06-02 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-03-10 
確定日 1999-06-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2652941号「光ディスク装置」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2652941号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2652941号の請求項1〜請求項3に係る発明は、平成5年11月19日に特許出願され、平成9年5月23日にその特許の設定の登録がなされ、その後、異議申立人森幸一により特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間である平成10年9月14日に訂正請求がなされた後訂正拒絶理由が通知され、訂正拒絶理由通知に対して異議意見書が提出されたものである。
2.訂正の適否について
〔2-1〕訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。
▲1▼訂正事項a
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1〜請求項3中の「ピット列或いはグルーブエリアを有する光ディスク」を、「ピット列及びグルーブエリアを有する光磁気ディスク」と訂正する。
▲2▼訂正事項b
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1中の「フオーカスサーボして得られる前記光ディスクからの反射光を検出する検出手段と、」を、「フォーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、」と訂正する。
▲3▼訂正事項c
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項2及び請求項3中の「フオーカスサーボして得られる前記光ディスクからの反射光を偏光し検出する検出手段と、」を、「フォーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、」と訂正する。
▲4▼訂正事項d
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1〜請求項3中の「該検出手段の検出信号の和信号から得られた信号と」を、「該検出手段の検出信号の和信号の高周波信号のレベルと」と訂正する。
▲5▼訂正事項e
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1中の「前記光ディスクを再生する」を、「前記光磁気ディスクを再生する」と訂正する。
▲6▼訂正事項f
誤記の訂正を目的として、特許請求の範囲の請求項3中の「トラッキングサーボの極性及を切り換える」を、「トラッキングサーボの極性を切り換える」と訂正する。
▲7▼訂正事項g
誤記の訂正を目的として、図面中図1を、訂正請求書に添付の訂正図面図1のとおり、すなわち図1中のダイオード15の極性を逆とする訂正を行う。
▲8▼訂正事項h
明りょうでない記載の釈明を目的として、発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載に整合させる。
〔2-2〕訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
▲1▼訂正事項aについて
上記訂正事項aは、特許明細書の特許請求の範囲に記載された「ピットエリア或いはグルーブエリアを有する光ディスク」を、より下位概念である「ピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスク」に限定しようとするものである。特許明細書の段落【0002】には「CDより低い反射率の光ディスクでピット列エリアとグルーブエリアから成るオーバライト可能なディスク」との記載、同段落【0004】には「光ディスク上のピットエリアとグルーブエリアの検出を行うためには・・・」との記載、同段落【0007】には「その目的は光ディスク上のピットエリアかグルーブエリアかを判別することによって・・・」との記載、及び、同段落【0012】には「光ディスク内のピットエリアかグルーブエリアかの判別は、……簡単に行うことができる。」との記載がある。したがって、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項aは、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
▲2▼訂正事項bについて
上記訂正事項bは、特許明細書の特許請求の範囲に記載された「反射光を検出する検出手段」を、より下位概念である「反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段」に限定しようとするものである。特許明細書の段落【0008】並びに図1及び図3に、光ディスクによる反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出することの記載がある。したがって、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項bは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
▲3▼訂正事項cについて
上記訂正事項cは、特許明細書の特許請求の範囲に記載された「反射光を偏光し検出する検出手段」を、より下位概念である「反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段」に限定しようとするものである。特許明細書の段落【0008】並びに図1及び図3に、光ディスクによる反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出することの記載がある。したがって、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項cは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
▲4▼訂正事項dについて
上記訂正事項dは、特許明細書の特許請求の範囲に記載された「該検出手段からの検出信号の和信号から得られた信号と」を、より下位概念である「該検出手段からの検出信号の和信号の高周波信号のレベルと」と限定しようとするものである。特許明細書の段落【0008】及び図1に、検出信号はコンデンサ、抵抗を介して加算され、加算された和信号はダイオードとコンデンサによりピークホールドして得た高周波信号のレベルと基準電圧が比較されることの記載がある。したがって、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項dは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
▲5▼訂正事項eについて
上記訂正事項eは、特許明細書の特許請求の範囲に記載された「光ディスク」を、より下位概念である「光磁気ディスク」に限定しようとするものである。この訂正は、上記訂正事項aに関連してなされるものであり、特許明細書の段落【0002】にCDより低い反射率の光磁気ディスクでピット列エリアとグルーブエリアから成るオーバライト可能なディスクについての記載がある。したがって、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項eは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
▲6▼訂正事項fについて
上記訂正事項fは、特許明細書に記載された特許請求の範囲に記載された「トラッキングサーボの極性及を切り換える」を、「トラッキングサーボの極性を切り換える」と誤記の訂正をしたものである。特許明細書の段落【0009】に、「トラッキングエラー信号の極性を切り換える」の記載がある。したがって、この訂正は、誤記の訂正を目的とするものである。
また、上記訂正事項fは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
▲7▼訂正事項gについて
上記訂正事項gは、本件特許の図面中図1に記載された判別回路の信号をピークホールドするために使われるダイオード15の極性の方向についての誤記を訂正するものである。特許明細書の段落【0008】に、「信号cはダイオード15,16とコンデンサー18によりピークホールドされ信号dが得られる。」の記載があり、ピークホールドの機能を有するためにはダイオード15のアノード側が接地される必要があるから、図1のダイオード15の極性の記載が誤記であることは当業者であれば容易に理解できるものである。したがって、この訂正は、誤記の訂正を目的とするものである。
また、上記訂正事項gは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
▲8▼訂正事項hについて
上記訂正事項hは、特許請求の範囲の記載の訂正に伴い、これに整合させて発明の詳細な説明を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
また、上記訂正事項hは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
〔2-3〕独立特許要件
(本件発明)
訂正明細書の請求項1〜請求項3に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1〜請求項3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、「本件発明1」〜「本件発明3」という。)
「【請求項1】ピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクを再生する光ディスク装置において、フオーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出信号の和信号の高周波信号のレベルと予め決められたレベルとを比較し前記検出したエリアがピットエリアかグルーブエリアかを判別する判別手段と、ディスクの回転を制御する回転制御手段と、前記判別手段の判別出力に基づいて前記回転制御手段を切り換えて前記光磁気ディスクを再生する手段を具備することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】ピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクを再生する光ディスク装置において、フオーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出信号の和信号の高周波信号のレベルと予め決められたレベルとを比較し前記検出したエリアがピットエリアかグルーブエリアかを判別する判別手段と、ディスクの回転を制御する回転制御手段と、前記判別手段の判別出力に基づいてトラッキングサーボの極性及び前記回転制御手段を切り換えて再生する手段を具備することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】ピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクを再生する光ディスク装置において、フオーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出信号の和信号の高周波信号のレベルと予め決められたレベルとを比較し前記検出したエリアがピットエリアかグルーブエリアかを判別する判別手段と、該判別手段の判別出力に基づいてトラッキングサーボの極性を切り換える切り換え手段及びディスクの回転をEFMCLV制御或いはウオブリングCLV制御に切り換えて再生する手段を具備することを特徴とする光ディスク装置。」
(刊行物に記載された発明)
当審において通知した取消理由で引用した刊行物1及び刊行物2には、それぞれ次の発明が記載されている。
刊行物1(特開平4-259918号公報)
普通の再生専用の光ディスクCD、或いはウオブリングされたグルーブを有する記録可能な光ディスクR-CDを再生する光ディスク装置において、フォーカスサーボがオンしたとき得られる前記光ディスクからの反射光を検出する光ピックアップ3と、該光ピックアップの検出信号に基づいて得られたRF信号の有無を判別し、普通のCDかR-CDかを判別するピークホールド回路等からなるRF信号有無検出回路24と、光ディスクの回転を制御するEFM-CLVサーボ、ウオブルサーボと、前記RF信号有無検出回路の判別出力に基づいて前記サーボを切り換えて前記光ディスクを再生する手段を具備することを特徴とする光ディスク装置。(特に、第4頁右欄〜第5頁左欄及び図面参照。)
刊行物2(特開平4-103074号公報)
再生専用の光ディスク、或いはウオブリングされたグルーブを有する光磁気ディスクを再生する光ディスク装置において、フォーカスサーボして得られる前記光ディスクからの反射光をウオーラストンプリズム307で偏光し検出する光学ヘッド30と、該光学ヘッドの検出信号の出力XとYの和信号から得られた信号と予め決められたスレッショールド値VT1、VT2とを比較し前記検出したディスクが再生専用光ディスクか光磁気ディスクかを判別する手段と、ディスクの回転を制御するサーボ制御回路32と、前記判別手段の判別出力に基づいてトラッキングエラー信号の極性及びサーボ制御回路をスイッチ回路SW2で切り換えて再生する光ディスク装置。(第1、8〜12図、及びそれに関する説明参照。)
(対比・判断)
【本件発明1について】
本件発明1と上記刊行物1及び刊行物2に記載された発明とを対比する。刊行物1に記載された発明は、通常の再生専用光ディスク(CD)とウオブリングされたグルーブを有する記録可能な光ディスク(R-CD)とを迅速に判別しうるものであるが、本件発明におけるように一枚のディスク内にピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクについてピット列エリアとグルーブエリアを識別するものではない。また、検出手段に関しては、刊行物1に記載された発明においては光ディスクの反射光であるRF信号を検出するものであり、本件発明1におけるように光磁気ディスクからの反射光を偏光してトラッククロス信号を検出するものではない。さらに、判別手段に関しても、刊行物1に記載された発明においては検出手段が検出したRF信号の有無を判別して通常のCDかR-CDかを判別するRF信号有無検出回路であり、本件発明1におけるようにトラッククロス信号に含まれる高周波信号のレベルによって同一の光磁気ディスク内にあるピット列エリアかグルーブエリアかを判別するものではない。
上記刊行物2に記載された発明は、再生専用の光ディスクとウオブリングされたグルーブを有する光磁気ディスクを識別して再生するものであるが、本件発明1におけるように、一枚のディスク内にピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクについてピット列エリアとグルーブエリアを識別して再生するものではない。また、刊行物2に記載された発明における検出信号の和信号から得られた信号は、光ディスクの反射率の違いによりディスクの種別を識別する信号であり、一枚のディスク内にピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクについてピット列エリアとグルーブエリアを識別する信号ではない。
上記刊行物1及び刊行物2に記載された発明を組み合わせても、本件発明1における一枚のディスク内にピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクについてピット列エリアとグルーブエリアを判別して回転制御手段を切り換えることは出てこない。
したがって、本件発明1は、上記刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
【本件発明2について】
本件発明2は、本件発明1に対して判別手段の判別出力に基づいて回転制御手段のみならずトラッキングサーボの極性を切り換えるものである点を付加したものであるから、本件発明1が上記刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない以上、本件発明2が、上記刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない
【本件発明3について】
本件発明3は、本件発明1に対して判別手段の判別出力に基づいてトラッキングサーボの極性を切り換える手段を付加するとともに、回転制御の切り換えを具体的にEFMCLV制御或いはウオブリングCLV制御に切り換えるものであるとしたものであるから、本件発明1が上記刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない以上、本件発明3が、上記刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない
したがって、本件発明1〜本件発明3は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
〔2-4〕むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する第126条第2-4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議申立てについて
〔3-1〕申立の理由の概要
申立人森幸一は、特許明細書の請求項1〜請求項3に係る発明は、甲第1号証(取消理由で通知した上記刊行物1)、及び甲第2号証(取消理由で通知した上記刊行物2)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、特許を取り消すべき旨を主張している。
〔3-2〕判断
本件発明1〜本件発明3は、上記〔2-3〕(本件発明)において示したとおりのものである。また、甲第1号証、及び甲第2号証に記載された発明は、上記〔2-3〕(刊行物に記載された発明)において示したとおりのものであるから、本件発明1〜本件発明3は、上記〔2-3〕(対比・判断)において示したように甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
〔3-3〕むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1〜本件発明3についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1〜本件発明3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
光ディスク装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】ピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクを再生する光ディスク装置において、フォーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出信号の和信号の高周波信号のレベルと予め決められたレベルとを比較し前記検出したエリアがピットエリアかグルーブエリアかを判別する判別手段と、ディスクの回転を制御する回転制御手段と、前記判別手段の判別出力に基づいて前記回転制御手段を切り換えて前記光磁気ディスクを再生する手段を具備することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】ピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクを再生する光ディスク装置において、フォーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出信号の和信号の高周波信号のレベルと予め決められたレベルとを比較し前記検出したエリアがピットエリアかグルーブエリアかを判別する判別手段と、ディスクの回転を制御する回転制御手段と、前記判別手段の判別出力に基づいてトラッキングサーボの極性及び前記回転制御手段を切り換えて再生する手段を具備することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】ピット列エリア及びグルーブエリアを有する光磁気ディスクを再生する光ディスク装置において、フォーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、該検出手段の検出信号の和信号の高周波信号のレベルと予め決められたレベルとを比較し前記検出したエリアがピットエリアかグルーブエリアかを判別する判別手段と、該判別手段の判別出力に基づいてトラッキングサーボの極性を切り換える切り換え手段及びディスクの回転をEFMCLV制御或いはウオブリングCLV制御に切り換えて再生する手段を具備することを特徴とする光ディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光ディスク装置で取り扱う光磁気ディスクに対応した光ピックアップの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクを利用した装置が種々提案されている。特に、MD(ミニディスク)装置やCD(コンパクトディスク)装置があり、MD(ミニディスク)装置ではCD(コンパクトディスク)と同じ反射率でピット列から成る再生専用のディスクとCDより低い反射率の光磁気ディスクでピット列エリアとグルーブエリアから成るオーバライト可能なディスクを取り扱えるようになっている。
【0003】
MD装置では種々のディスクを取り扱うためその光ピックアップを制御するためのサーボ回路はCD装置に比べ複雑になっている。一つにはディスクの回転制御回路はディスクエリアがピット列の場合は、CD装置で知られるようにピット信号をディスク回転の検出信号として行うEFMCLV制御を行い、またディスクエリアがグルーブエリアの場合は、グルーブが22.05KHz周期でウオブリングしている。これを利用して常にディスク回転が行われている時22.05KHzの信号を抽出できるようにしたW-CLV制御が行われている。二つにはピットエリアとグルーブエリアにおいてトラッキングエラー信号の極性が異なるため正しくトラッキングサーボをかけ信号読み出しを行うためトラッキングエラー信号の極性を切り換えるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスク装置に於いて、光磁気ディスク上のピットエリアとグルーブエリアの検出を行うためには、ディスク回転制御をEFMCLVまたはW-CLVのどちらかを選択する必要がありCLVのモードを間違えて行うとディスク回転が高速回転になりコントロールができなくなってしまう欠点があり、またピットエリアとグルーブエリアの検出を行うためにはトラッキングサーボを閉じて信号の読み出しを行わなければならずトラッキングサーボの極性を間違えてサーボを閉じるとディスク回転を行うための信号の抽出が正しくできなくなり、ディスク回転が高速回転になりコントロールできなくなってしまう欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ピットエリアとグルーブエリアとを検出する検出回路の出力に基づいてディスク回転制御とトラッキングサーボ回路の制御を行うことにより安定した光ピックアップのサーボ制御を行うものである。
【0006】
【実施例】
本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1において、半導体レーザ3より光ビームを発生させ、対物レンズ2から光磁気ディスク1にレーザ光を照射することにより光磁気ディスク1からの戻り光によりフォーカスサーボとトラッキングサーボをかける。この時光磁気ディスクのエリアがピットエリアかグルーブエリアかは光磁気ディスク1による戻り光が対物レンズ2,偏光ビームスプリッタ4を介してフォトディテクタ5及び6に導かれ、フォトディテクタ5及び6は4分割検出器であり光磁気ディスク1からの戻り光量の強度分布を検出し、その検出値A,B,C,D及びA’,B’,C’,D’をそれぞれプリアンプ9にて加算し、それぞれトラッククロス信号として信号aと信号bを得ることから判別することができる。
【0007】
ここで本発明においては、信号aと信号bはピットエリアとグルーブエリア判別回路33を通すことにより検出する。判別回路33の出力においてピットエリアとグルーブエリアのどちらかの判別を論理レベルの“H”か“L”で検出することができ、その目的は光ディスク上のピットエリアかグルーブエリアかを判別することによってディスク回転制御とトラッキングサーボ制御を安定に行う光ディスク装置を得ることにある。
【0008】
図3(A)に示す如く、図1に示した判別回路33の信号波形について示す。フォーカスサーボが閉じていてトラッキングサーボがOFFしている時モータ8で駆動される光磁気ディスク1において光ピックアップ7による光ビームの位置がグルーブエリアの場合、プリアンプ9の出力にはディスクのトラッククロス信号として信号a及び信号bが得られる。信号a及び信号bは、増幅器13にコンデンサ10a及び10bと抵抗11a及び11bの直列回路を介して加算され、抵抗12により帰還され一定の増幅度を得て信号cを得る。信号cはダイオード15,16とコンデンサ18によりピークホールドされ信号dが得られる。ここで比較値である基準電圧19により信号dは信号fの比較値と比較されコンパレータ20により信号gを出力する。この時信号gは“H”レベルとなりマイコン21へ入力する。
【0009】
マイコン21はグルーブエリアであることを検知し、信号jを出力する。信号jにより図2に示したアナログスイッチ24を切り換えることによりウオブリング信号処理回路23からの出力を選択することで、光磁気ディスク1の回転制御をウオブリングCLVモード(W-CLV)にすることで光磁気ディスク1の回転制御を正しく行うことができる。また信号jによりアナログスイッチ24を切り換えることによりトラッキングエラー信号の極性を切り換え、トラッキングサーボを行うので、信号の読み出しが正しく行われ、光磁気ディスク1の再生をすることができる。
【0010】
同様にピットエリアの場合について説明する。図3(B)に示す如くピットエリアの場合、信号a信号bが得られ増幅器13を通すことにより信号cが得られる。これをダイオード16とコンデンサ18で構成するピークホールド回路により信号dを得る。この時信号dは比較値である基準電圧19において信号fと比較することによりコンパレータ20を通して信号gを得る。
【0011】
この時信号gはグルーブエリアとは逆の“L”レベルとなりマイコン21へ入力する。マイコン21はピットエリアであることを知り信号jを出力する。信号jにより図2に示したアナログスイッチ24及びアナログスイッチ28を切り換えることにより前記した回路出力とは異なる信号をつまり図2(a)に示すようにEFM信号処理回路22かウオブリング信号処理回路23かの信号を選択することでディスク回転制御を正しくコントロールすることができる。また3ビームトラッキング方式の場合図2(b)に示すように先行ビームEと後方ビームFを差動増幅器26に加えこの出力と反転出力とをスイッチ28で切り換え位相補償29を介し増幅器30からトラッキングコイル31に出力されトラッキングされる。
【0012】
以上のように光磁気ディスク1内のピットエリアかグルーブエリアかの判別は、フォーカスサーボが入って直ちに信号dを生成することにより、基準電圧19と比較して簡単に行うことができる。また製造メーカ等の違いで光磁気ディスク1の信号dのレベルが異なる場合には、基準電圧19をそれに応じて所定のレベルに変えて設定し、光磁気ディスク1のピットエリアとグルーブエリアを判別し、この判別結果に基づいてトラッキングサーボ及びスピンドルサーボを切り換えて制御をすることで安定した再生を行うことができる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ディスク装置によれば、フォーカスサーボONで光磁気ディスクからの反射光を検出する検出器の検出信号の和信号から得られた信号と予めレベル設定したレベルと比較してピットエリアかグルーブエリアかを判別する簡単な構成で、ディスク回転制御及びトラッキングサーボを切り換えることにより、どちらのエリアの場合でも直ちに再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例を示す図。
【図2】
ブロック図。
【図3】
波形を示す図。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク
2 対物レンズ
3 半導体レーザ
4 偏光ビームスプリッタ
5,6 フォトディテクタ
7 光ピックアップ
8 モータ
9 プリアンプ
10,14,18 コンデンサ
11,12,17 抵抗
13,25,26,27,30 増幅器
15,16 ダイオード
19 基準電圧
20 コンパレータ
21 マイコン
22 EFM信号処理回路
23 ウオブリング信号処理回路
24,28 アナログスイッチ
29 位相補償回路
31 トラッキングコイル
【図面】
【図1】

【図2】

【図3】

 
訂正の要旨 〔訂正の要旨〕
▲1▼訂正事項a
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1〜請求項3中の「ピット列或いはグルーブエリアを有する光ディスク」を、「ピット列及びグルーブエリアを有する光磁気ディスク」と訂正する。
▲2▼訂正事項b
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1中の「フオーカスサーボして得られる前記光ディスクからの反射光を検出する検出手段と、」を、「フォーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、」と訂正する。
▲3▼訂正事項c
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項2及び請求項3中の「フオーカスサーボして得られる前記光ディスクからの反射光を偏光し検出する検出手段と、」を、「フォーカスサーボして得られる前記光磁気ディスクからの反射光を偏光し、トラッククロス信号を検出する検出手段と、」と訂正する。
▲4▼訂正事項d
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1〜請求項3中の「該検出手段の検出信号の和信号から得られた信号と」を、「該検出手段の検出信号の和信号の高周波信号のレベルと」と訂正する。
▲5▼訂正事項e
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1中の「前記光ディスクを再生する」を、「前記光磁気ディスクを再生する」と訂正する。
▲6▼訂正事項f
誤記の訂正を目的として、特許請求の範囲の請求項3中の「トラッキングサーボの極性及を切り換える」を、「トラッキングサーボの極性を切り換える」と訂正する。
▲7▼訂正事項g
誤記の訂正を目的として、図面中図1を、訂正請求書に添付の訂正図面図1のとおり、すなわち図1中のダイオード15の極性を逆とする訂正を行う。
▲8▼訂正事項h
明りょうでない記載の釈明を目的として、発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載に整合させる。
異議決定日 1999-05-24 
出願番号 特願平5-314122
審決分類 P 1 651・ 121- YA (G11B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 菅澤 洋二  
特許庁審判長 片岡 栄一
特許庁審判官 三友 英二
今井 義男
登録日 1997-05-23 
登録番号 特許第2652941号(P2652941)
権利者 日本コロムビア株式会社
発明の名称 光ディスク装置  
代理人 林 實  
代理人 林 實  
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