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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B28B
管理番号 1009036
異議申立番号 異議1998-73659  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-07-27 
確定日 2000-01-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2705002号「パルプモード化粧型枠の製造方法」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2705002号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
特許出願 平成5年10月8日
(優先権主張日:平成4年10月12日、日本)
設定登録 平成9年10月 9日
(特許第2705002号)
特許公報発行 平成10年1月26日
特許異議の申立て 平成10年7月27日
(申立人 河 田 浩 史)
取消理由通知 平成11年4月14日
意見書,訂正請求書 平成11年7月15日
訂正拒絶理由通知 平成11年10月4日
意見書、手続補正書(訂正請求書)
平成11年12月3日
II.訂正の要旨
1.訂正請求に対する補正の適否について
平成11年12月3日付け「手続補正書(訂正請求書)」は、平成11年7月15日付けの訂正請求書第2頁第の訂正事項(2)で訂正された【特許請求の範囲】の【請求項1】及び【請求項2】のうち【請求項2】を削除し、同じく訂正事項(5)で訂正された【発明の詳細な説明】の段落【0008】を削除するものであるから、訂正請求書の要旨を変更するものではなく、特許法第120条の4第3項において準用する同法第131条第2項の規定に適合する。
2.訂正の内容
2.1 訂正事項(1)
特許明細書の発明の名称を「パルプモールド化粧型枠の製造方法」に訂正する。
2.2 訂正事項(2)
特許明細書の【特許請求の範囲】の【請求項1】及び【請求項3】を削除すると共に、【請求項2】の番号を繰り上げて【請求項1】に訂正する。
2.3 訂正事項(3)
特許明細書の段落【0006】を削除する。
2.4 訂正事項(4)
特許明細書の段落【0007】の記載中、冒頭の「また」(特許公報第3欄第36行)を「【課題を解決するための手段】」に訂正する。
2.5 訂正事項(5)
特許明細書の段落【0008】を削除する。
2.6 訂正事項(6)
特許明細書の段落【0009】を削除する。
2.7 訂正事項(7)
特許明細書の段落【0010】の「さらに、」(同公報第4欄第1行)を削除する。
2.8 訂正事項(8)
特許明細書の段落【0012】の「熱収縮性フィルムが接合されているか、又は」(同公報第4欄第12行)を削除する。
III.訂正の適否に対する判断
1.訂正の目的、新規事項、拡張・変更
1.1 訂正事項(1)について
上記訂正事項(1)は、特許明細書の発明の名称が「パルプモード化粧型枠の製造方法」となっていたが、特許明細書の他の部分では全て「パルプモールド」と記載されているから、「パルプモールド化粧型枠の製造方法」の誤記であることは明らかであるので、誤記の訂正の相当し、また、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
1.2 訂正事項(2)について
上記訂正事項(2)は、特許明細書の特定の請求項の削除とそれに伴う残余の請求項の番号の繰り上げであるから、特許請求の範囲の減縮に相当し、また、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
1.3 訂正事項(3)〜(8)について
上記訂正事項(3)〜(8)は、上記訂正事項(2)で特許請求の範囲が訂正されて、熱収縮性のフィルム及び熱型プレスを使用したパルプモールド化粧型枠の製造方法が訂正後の発明に含まれなくなったことに伴い、発明の詳細な説明をこれに整合するように訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当し、また、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
2.独立特許要件
2.1 訂正明細書に記載された発明
訂正明細書に記載された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
【請求項1】パルプスラリーをモールドして凹凸模様を形成したパルプモールド化粧型枠の製造方法において、パルプスラリーを凹凸模様のある抄型で抄取って凹凸模様のある本体を作り、その本体に熱可塑性樹脂を含浸させたことを特徴とするパルプモールド化粧型枠の製造方法。」(以下、「本件訂正発明」という。)
2.2 取消理由の概要
平成11年4月14日付けの取消理由の概要は、次のとおりである。
本件特許の請求項1〜3に係る発明は、下記引用例1〜6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、該発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

引用例1:特開平2-48903号公報 (甲第1号証に該当)
引用例2:王子製紙株式会社編「紙・パルプの実際知識第4版」東洋経済新報社、昭和62年7月16発行、第32〜39頁(甲第2号証に該当)
引用例3:実願昭46-78017号(実開昭48-33842号)のマイクロフィルム(甲第3号証に該当)
引用例4:実願昭63-103556号(実開平2-24908号のマイクロフィルム(甲第4号証に該当)
引用例5:実願昭62-4248号(実開昭63-80105号)のマイクロフィルム(甲第5号証に該当)
引用例6:特開昭63-176130号公報(甲第6号証に該当)
2.3 取消理由についての判断
2.3.1 各引用例の記載
(引用例1)
上記引用例1には、「紙製面板及びその製造方法」の発明に関し、
(1-1)「たとえば護岸構築のために用いるコンクリートブロックの正面を成型するために従来から面板(パレット)が用いられている。」(第1頁左下欄第18行〜同頁右下欄第1行)、
(1-2)「この発明にかかる紙製面板及びその製造方法の一実施例を図面にもとずいて述べると、1は紙で形成した面板本体であり、この面板本体1の全体的形状は成形するコンクリートブロック2の形状によって異なるが、要するに従来一般に用いられていたものと変るところがない。・・・(中略)・・・3は面板本体1の型面に形成した凹凸形状であり、この凹凸形状3は、成型せんとするコンクリートブロック2の正面に形成するための凹凸形状に対応した形状に形成してある。・・・(中略)・・・また前記の紙製面板4を製造するためには、基本的には一般の製紙方法によればよいのであるが、製紙工程とは一般には次の通りである。すなわちパルプをパルパー(解離機)に入れ、その後、リファイナー(叩解機)⇒ジョルダン(精砕機)⇒チェスト⇒スクリーン(精選機)⇒抄紙機(ワイヤーパート⇒プレスパート⇒ドライパート⇒カレンダーパート)の順を経るのであるが、前記抄紙機のプレスパートで必要とする形状、すなわち前記凹凸形状3を付すようにするのである。」(第2頁右上欄第9行〜同頁左下欄第13行)、
との記載がある。
(引用例2)
上記引用例2には、長網抄紙機(図2.7)に関し、「プレスパートはワイヤーパートで形成された水分約80%の湿紙をフェルトの上にのせ、上下にロールを組み合わせた2〜4組のプレスで機械的に加圧して50〜60%の水分まで搾水する。ここでは、できるだけ多く搾水し、次のドライヤーパートでの蒸気使用量を節減することが重要である。搾水を容易にするため、プレスはストーンロール(花崗岩)とサクションロール又は溝付きロールが組み合わされている。」(第35頁末行〜第36頁第5行)、
との記載がある。
(引用例3)
上記引用例3には、「コンクリート型枠」の考案に関し、
(3-1)「基材1の表面に、コンクリートとは離型性良好なフェノール樹脂、ポリエチレン樹脂などの合成樹脂含浸紙2を熱硬化性樹脂系接着剤層3を介して一体に圧着重合せしめると共に、該基材1の表面に装飾を兼ねた任意凹凸模様4を一体に形成したことを特徴とするコンクリート型枠。」
(実用新案登録請求の範囲)、
(3-2)「製造法(1)m2当り50g重量の紙にジリアルフタレート樹脂を含浸させ乾燥させたものを12m/m厚のラワン合板表面に乗せ、木目模様の凹凸を付けたアルミニウム板を乗せて、温度122℃〜133℃加圧力8〜15kg/cm2で3〜15分間ホットプレスで熱圧すると合板表面には耐アルカリ性、離型のよい、耐久性のある木目模様4の型枠合板が製造される。」(第3頁第19行〜第4頁第6行)、
との記載がある。
(引用例4)
上記引用例4には、「コンクリート表面の模様形成体」の考案に関し、
(4-1)「任意形状の図柄を打ち抜いた厚紙製枠心の表面に熱可塑性のプラスチックフィルムを真空密着包装により被着したことを特徴とするコンクリート表面の模様形成体。」(実用新案登録請求の範囲)、
(4-2)「第5図ないし第8図において、41は枠心であり図柄として多数の溝42が平行に打ち抜き成形されている。・・・(中略)・・・43は打ち抜き成形した後、枠心41に裏打ちした台紙、44は熱収縮性を備えたプラスチックフィルムからなり一端を開口した袋体である。収縮包装法によりプラスチックフィルム製の袋体44を枠心41に被着するには袋体44に枠心41を収納し(第5図、第6図)、真空ポンプを使って袋体44内部を減圧すると共に袋体44の開口部を溶断し、シールする(第7図)。ついで袋体44を加熱すると袋体44が収縮して第8図に示すように枠心41及び台紙43に密着し模様形成体40が形成される。」(第11頁第8行〜第12頁第6行)、
との記載がある。
(引用例5)
上記引用例5には、「コンクリート型枠用模様形成部材」の考案に関し、
(5-1)「厚手の紙から任意形状の多数の中空部を打ち抜いて形成した枠心と、該枠心の裏面に前記中空部を塞ぐべく裏打ちした平板からなり、全体にパラフィン、シリコン、フェノール樹脂等の耐水物質を塗布又は浸透させたことを特徴とするコンクリート型枠用模様形成部材。」(実用新案登録請求の範囲第1項)、
(5-2)「この枠心2の裏面に平板3を裏打ちして模様形成部材4を構成する。平板3としては、板紙、バルカナイズドファイバ、ベニヤ薄板あるいはプラスチック板などを使用し、接着剤を使い、あるいは熱溶着することにより枠心2の裏面に接合し中空部6をふさぐ。枠心2に平板3を裏打ちした後、全体にパラフィン、シリコン、フェノール樹脂等の耐水性物質を塗布または浸透させる。このように耐水処理を施すことによりコンクリート模様形成部材4の離型性および水密性が良くなるとともにコンクリートに含まれる水分によって厚手の紙でできた枠心2が型崩れするのを防止できる。」(第6頁第15行〜第7頁第9行)、
との記載がある。
(引用例6)
上記引用例6には、「深絞り紙製容器の製造方法」の発明に関し、
(6-1)「木材パルプと合成樹脂とによるシートを原料として、熱プレス成形によって、先ず紙製容器の底部のみを最初に成形し、次に上縁部を成形し、最後に紙製容器胴体部を成形することを特徴とする深絞り紙製容器の製造方法。」(特許請求の範囲第1項)、
との記載がある。
2.3.2対比・判断
上記引用例1には、抄紙機のプレスパートで凹凸模様を付与する紙製の面板すなわち化粧型枠の製造方法が記載されているが、この抄紙機のプレスパートは、上記引用例2の記載を参照すれば、ワイヤーパートで形成された湿紙をフェルトの上にのせ、上下にロールを組合わせたプレスで機械的に加圧して搾水すると共に凹凸模様を付与する工程であるから、本件訂正発明の構成要件である、パルプモールド化粧型枠の製造に際し「パルプスラリーを凹凸模様のある抄型で抄取って凹凸模様のある本体を作る」工程とは明確に相違している。
また、上記引用例3には、熱硬化性樹脂を含浸させた紙を凹凸模様を付けたアルミニウム板に乗せて熱圧して凹凸模様のあるコンクリート型枠を製造方法が、上記引用例4には、適当な形状の凹凸模様を形成した厚紙製枠心に熱可塑性プラスチックフィルムを真空蒸着包装により被着するコンクリート表面の模様形成体が、上記引用例5には、厚手の紙から任意形状の多数の中空部を打ち抜いて形成した枠心の裏面に平板を裏打ちした後に耐水性樹脂を塗布ないしは含浸させるコンクリート型枠用模様形成部材の製造方法が、また、上記引用例6には木材パルプと合成樹脂とによるシートから深絞り紙製容器を製造する方法が記載されているにすぎない。
してみると、上記引用例1〜6のいずれにも、本件訂正発明の構成要件である、パルプモールド化粧型枠の製造に際し「パルプスラリーを凹凸模様のある抄型で抄取って凹凸模様のある本体を作る」ことが示唆されているとは認められない。
そして、本件訂正発明は、かかる点を構成要件とすることにより、その本体に熱可塑性樹脂を含浸させることと相まって、「パルプスラリーからモールドを作るので、最初に型を作っておけば大量生産でき、紙を積層する場合に比べて抄紙、打ち抜き、積層等の工程が不要となり生産性が向上する。」、「熱可塑性樹脂の含浸も容易に実施でき樹脂層によって耐水性および強度が向上し、さらに、打設コンクリートからの剥離性を向上することができる。」、「パルプスラリーを抄型から抄取って直接モールドするので、曲線や局面部分が形成でき、細かい凹凸模様を形成することができる。」、「パルプスラリーで作るので、焼却、切断、加工が容易であり、使用後の破棄が簡単である。」(段落【0024】参照)、という明細書記載の効果を奏するものと認められる。
したがって、本件訂正発明は、上記引用例1〜6に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできないから、独立特許要件を備えているものと認める。
3.訂正の認否
したがって、上記「III.1.」及び「III.2.3.2」に述べたように、上記訂正は特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する同法第126条第2項から第4項までの規定にそれぞれ適合するものであるから、当該訂正を認める。
IV.特許異議の申立についての判断
1.申立理由の概要
申立人は、証拠として甲第1号証(特開平2-48903号公報、上記引用例1に該当)、甲第2号証(王子製紙株式会社編「紙・パルプの実際知識 第4版」東洋経済新報社、昭和62年7月16発行、第32〜39頁、上記引用例2に該当)、甲第3号証(実願昭46-708017号(実開昭48-33842号)のマイクロフィルム、上記引用例3に該当)、甲第4号証(実願昭63-103556号(実開平2-24908号)のマイクロフィルム)、上記引用例4に該当)、甲第5号証(実願昭62-4048号(実開昭63-80105号)のマイクロフィルム、上記引用例5に該当)及び甲第6号証(特開昭63-176130号公報、上記引用例6に該当)を提出し、本件特許の特許請求の範囲の請求項1〜3に係る発明は、甲第1〜6号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、該発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである旨を主張している。
2.当審の判断
2.1 本件発明
上記「III.3.」で述べたように、上記訂正を認めるので、本件特許の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、上記「III.2.1」に摘記した訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのもの(以下、「本件発明」という。)である。
2.2 申立理由についての判断
申立人の申立理由及びその申立理由で引用された甲第1〜6号証は、それぞれ当審における取消理由通知で通知した理由及び証拠として引用した引用例1〜6と同じであるから、上記「III.2.4」で述べたのと同様の理由により、本件発明は、甲第1〜6号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
V.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
パルプモールド化粧型枠の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】パルプスラリーをモールドして凹凸模様を形成したパルプモールド化粧型枠の製造方法において、パルプスラリーを凹凸模様のある抄型で抄取って凹凸模様のある本体を作り、その本体に熱可塑性樹脂を含浸させたことを特徴とするパルプモールド化粧型枠の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パルプスラリーをモールドして凹凸模様を形成したパルプモールド化粧板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート擁壁用の化粧型枠に関し、特開平2-74728号公報には、ポリオレフィン樹脂の特殊繊維化物を主材とし、これに植物繊維及びガラス繊維を混合し、湿式抄造法により抄きあげたシートを、予備加熱後、冷型プレス成形した型枠が示され、実開平4-28729号公報には、合成樹脂発泡体からなる型枠が示されている。」
【0003】
上記の従来の型枠は、主材が合成樹脂なので、廃棄処理が面倒であり、打設コンクリートの表面余剰水の逃げ道がなく、コンクリート表面強度が弱い。
また、実開平2-24908号公報、および実開昭50-65947号公報には、紙に凹凸模様を形成して表面に樹脂層を設けた型枠に関する技術が、そして、実開昭63-80105号公報、実公昭49-012205号公報、および実開昭48-33842号公報には、紙に凹凸模様を形成して樹脂を含浸あるいは混入した型枠に関する技術が開示されている。
しかし、これらの公知技術は、段ボール、板紙等を使用したものであるので、深絞りができず、あるいは大きさによって裁断の無駄が生じ、裁断屑がでる等の加工上の問題がある。
【0004】
本発明は、廃棄、処理が簡単で、打設コンクリートの表面強度を向上するパルプモールド化粧型枠を提供することを目的としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は加工が簡単で工数を必要とせず、また廃棄処理が容易で打設コンクリートの表面強度を向上できるパルプモールド化粧型枠の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】 削除
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、パルプスラリーをモールドして凹凸模様を形成したパルプモールド化粧型枠の製造方法において、パルプスラリーを凹凸模様のある抄型で抄取って凹凸模様のある本体を作り、その本体に熱可塑性樹脂を含浸させてある。
【0008】 削除
【0009】 削除
【0010】
本発明の実施に際して、含浸させる熱可塑性樹脂としてはワックスが好ましく、またワックスとしてはパラフィンワックス又はポリエチレンワックスが好ましい。その際にその熱可塑性樹脂をコーティングしてもよい。
【0011】
ワックスを含浸させるには、ワックスを溶融させて、その溶融したワックス内に本体を浸漬さてせてもよく、或いは溶融してワックスを本体にシャワー状に吹付けてもよい。
【0012】
【作用効果の説明】
本発明では、パルプ材をモールドするので、使用後の廃棄、処理が容易である。そして本体には熱可塑性樹脂が含浸されているので、耐水性や強度を増すことができる。このフィルムや含浸した熱可塑性樹脂はコンクリート面からの剥離性を向上させることができる。
【0013】
本体はパルプスラリを抄取る公知の手段を適用でき、その際に抄型に凹凸模様をつければ、抄取りと同時に模様が形成でき、工数が節約できる。
【0014】
また、フィルムの接着と凹凸模様の形成とを同時に行うことができ、やはり工数が節約される。
【0015】
さらに、熱可塑性樹脂を含浸させた後に熱型プレスで凹凸模様を形成すると圧縮強度が向上する。
【0016】
【実施例】
以下図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0017】
図1および図2は、本発明に従って製造したパルプモールド型枠の一例を示し、全体を符号1で示すパルプモールド化粧型枠の本体2には、図示の例では自然石模様の凹部3a〜3i・・・と、輪郭状の凸部4a〜4i・・・とが形成され、これらの表面は、樹脂層を構成する多孔性で熱収縮性のフィルム5(図3)で覆われている。
【0018】
次に、この図1および図2に示すパルプモールド化粧型枠1の製造方法を説明する。
まず、パルプスラリーを抄型で吸引して抄取ることによって本体2を製造する。次いで、その本体2の表面にフィルム5を載置し、凹凸模様を形成した雄型7を用いて、モールド金型6と雄型7を有する熱型プレスにより本体2をプレス成形すると同時にフィルム5を接着する。
このようにして例えば自然石のような細かな凹凸模様のあるパルプモールド型枠を得ることができる。
【0019】
また本発明では、モールドを凹凸模様のある抄型で抄取って本体2に凹凸模様を形成し、これに熱可塑性樹脂例えばワックスを含浸させて製造する。このようにすれば、プレス工程を省略できる。
【0020】
図4は本発明のパルプモールド化粧型枠の製造方法を示し、図3に関して説明したようにモールドを抄取って本体を作り、そして前述のようにワックスを含浸させてから、ワックスを含浸させた本体9はモールド金型6および雄型7によってプレス加工してモールドの形状を形成する。この場合、フィルムを積層したものよりも圧縮強度が向上する。
【0021】
このようにして作ったパルプモールド化粧型枠を用いてコンクリートを流し込むと図5に示すように凹凸に応じて例えば自然石模様のコンクリートパネル8が得られる。
【0022】
以上のように本発明によれば、簡単に凹凸模様のあるパルプモールド化粧型枠を得ることができ、例えば自然石模様のコンクリートパネルを手軽に作ることができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、下記のすぐれた効果を奏する。
【0024】
(a) パルプスラリーからモールドを作るので、最初に型を作っておけば大量生産でき、紙を積層する場合に比べて抄紙、打ち抜き、積層等の工程が不要となり生産性が向上する。
(b) フィルムの接着又は熱可塑性樹脂の含浸も容易に実施でき、丈夫でコンクリートの剥離性のよい型枠が得られる。
(c) パルプスラリーを抄型から抄取って直接モールドするので、曲線や曲面部分が形成でき、細かい凹凸模様を形成することができる。
(d) フィルムの接着と凹凸模様の形成とを同時で行うこともでき、工程が少ない。
(e) パルプスラリーで作るので、焼却、切断、加工が容易であり、使用後の廃棄が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明により製造したパルプモールド化粧型枠の一例を示す平面図。
【図2】
図1のA-A線矢視断面図。
【図3】
本発明の一例を説明する側断面図。
【図4】
本発明の他の例を示す側断面図。
【図5】
本発明を実施した型枠で得られたコンクリートパネルを示す平面図。
【符号の説明】
1・・・パルプモールド化粧型枠
2・・・本体
3a、3b・・・凹部
4a、4b・・・凸部
5・・・フィルム
6・・・モールド金型
7・・・雄型
8・・・コンクリートパネル
9・・・本体
 
訂正の要旨 1.訂正事項(1)
誤記の訂正を目的として、特許明細書の発明の名称を「パルプモールド化粧型枠の製造方法」に訂正する。
2.訂正事項(2)
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許明細書の【特許請求の範囲】の【請求項1】及び【請求項3】を削除すると共に、【請求項2】の番号を繰り上げて【請求項1】に訂正する。
3.訂正事項(3)
明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書の段落【0006】を削除する。
4.訂正事項(4)
明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書の段落【0007】の記載中、冒頭の「また」(特許公報第3欄第36行)を「【課題を解決するための手段】」に訂正する。
5.訂正事項(5)
明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書の段落【0008】を削除する。
6.訂正事項(6)
明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書の段落【0009】を削除する。
7.訂正事項(7)
明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書の段落【0010】の「さらに、」(同公報第4欄第1行)を削除する。
8.訂正事項(8)
明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書の段落【0012】の「熱収縮性フィルムが接合されているか、又は」(同公報第4欄第12行)を削除する。
異議決定日 1999-12-24 
出願番号 特願平5-252676
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B28B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 三崎 仁  
特許庁審判長 酒井 正己
特許庁審判官 新居田 知生
能美 知康
登録日 1997-10-09 
登録番号 特許第2705002号(P2705002)
権利者 王子製紙株式会社
発明の名称 パルプモード化粧型枠の製造方法  
代理人 高橋 敏邦  
代理人 高橋 敏邦  
代理人 高橋 敏忠  
代理人 高橋 敏忠  
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