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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G03D 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 G03D |
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管理番号 | 1012341 |
異議申立番号 | 異議1999-70312 |
総通号数 | 10 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-03-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-01-29 |
確定日 | 2000-02-02 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2780769号「写真感光材料処理装置」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2780769号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第2780769号の請求項1〜4に係る発明は、平成6年9月13日に特許出願され、平成10年5月15日にその特許の設定がされ、その後異議申立人富士写真フィルム株式会社により特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年7月15日に訂正請求がされた後、訂正拒絶理由が通知され、訂正拒絶理由に対して手続補正書が提出されたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 平成11年11月15日付けで提出された手続補正書による補正は、訂正請求書の要旨を変更するものではなく、特許法第120条の4第3項において準用する同法第131条第2項の規定に適合する。そして、この手続補正された訂正請求書による訂正は、以下の訂正事項より成る。 ▲1▼.訂正事項a 特許明細書の特許請求の範囲における、 「【請求項1】現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えてなることを特徴とする写真感光材料処理装置。 【請求項2】前記ガイド幅同期機構が前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段に連結されてなる請求項1記載の写真感光材料処理装置。 【請求項3】前記ガイド幅同期機構が、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギヤからなるガイド幅同期手段と、当該ピニオン軸に連結される駆動手段とからなる請求項1または2記載の写真感光材料処理装置。 【請求項4】前記ガイド幅同期機構におけるガイド幅同期手段と、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段とが凹凸結合により分離可能とされてなる請求項1、2または3記載の写真感光材料処理装置。」を 「【請求項1】現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ 前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする写真感光材料処理装置。 【請求項2】現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と凹凸結合により分離可能に連結される、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段と、該ピニオンギアに連結される駆動手段とからなり、 前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、かつ 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアと前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段との結合により行なわれ、 前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする写真感光材料処理装置。」と訂正する。 ▲2▼.訂正事項b (i)【0006】の8行の「備えてなる」を「備えており、該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ 前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうる」と訂正する。 (ii)【0007】の1〜2行の「前記ガイド幅同期機構が……連結されている。」を削除する。 (iii)【0008】の1〜2行の「前記ガイド幅同期機構が、……なっている」を 「また本発明の写真処理装置は、現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と凹凸結合により分離可能に連結される、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段と、該ピニオンギアに連結される駆動手段とからなり、 前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、かつ 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアと前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段との結合により行なわれ、 前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうろことを特徴としている」と訂正する。 (iv)【0009】の1〜2行の「前記ガイド幅同期機構における……とされている。」を削除する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無 訂正事項aについて; 訂正後の請求項1は、訂正前の請求項1に対して、「該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうる」事項を更に特定したものであるが、実質的には、請求項2を引用した請求項4に係る発明に対して、ガイド幅同期機構が「ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段」からなることを限定すると共に、「前記ガイド幅同期機構におけるガイド幅同期手段と、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段とが凹凸結合」なる構成事項を具体化して、「前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうる」と特定するもので、特許請求の範囲の減縮に該当する。 そして、ガイド幅同期機構が「ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段」からなることは、願書に添付した明細書における請求項3,発明の詳細な説明における段落【0008】,段落【0025】に記載されており、「前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうる」との構成事項は、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明における段落【0027】,段落【0033】及び図1の記載内容から直接的且つ一義的に導き出せる事項である。 更に、「前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうる」との事項は、訂正前の請求項4で特定された「前記ガイド幅同期機構におけるガイド幅同期手段と、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段とが凹凸結合により分離可能とされてなる」との事項に対する一つの作用形態を特定したもので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 訂正後の請求項2は、訂正後の請求項1における、「ガイド幅同期手段」を「複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段」とし、「ガイド幅同期手段を駆動させる駆動手段」を「該ピニオンギアに連結される駆動手段」とし、「前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており」を「前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており」とし、「前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み」を「前記ガイド幅同期機構における幅調整機構における幅調整用ラックギアと前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段との結合により行なわれ、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み」とするもので、訂正後の請求項1の特定を更に具体化して限定したものであるから、訂正後の請求項1と同様に特許請求の範囲の減縮に該当すると共に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、上記請求項2における具体化された構成事項は、願書に添付した明細書に記載されており、請求項2の特定に新規事項は存在しない。 したがって、上記訂正事項aは、全体的にも、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、且つ実質的に特許請求の範囲を拡張するものでも変更するものでもない。 訂正事項bについて; 訂正事項bは、上記訂正事項aに伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるためのもので、明りょうでない記載の釈明に該当する。 また、訂正事項bの訂正内容は、上記訂正事項aで検討したように、新規事項の追加に該当せず、且つ実質的に特許請求の範囲を拡張するものでも変更するものでもない。 (3)独立特許要件についての判断 [訂正発明] 平成11年11月15日付けで提出された手続補正書により補正された訂正請求書の訂正の趣旨は特許第2780769号の明細書を当該請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであるが、その訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1,2に係る発明は、その訂正明細書及び図面の記載からみて、その請求項1,2に記載のとおりの以下のものと認める。 「【請求項1】現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ 前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする写真感光材料処理装置。 【請求項2】現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と凹凸結合により分離可能に連結される、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段と、該ピニオンギアに連結される駆動手段とからなり、 前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、かつ 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアと前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段との結合により行なわれ、 前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする写真感光材料処理装置。」 [引用刊行物] これに対して、当審が通知した訂正拒絶理由で引用した下記の刊行物には、以下の事項が記載されている。 刊行物1: 「サービスマニュアル/フジミニラボチャンピオン、プリンタープロセサー、SUPER FA-250 PP1250V、SUPER FA-270 PP1820V、SUPER FA-251 PP1251S、SUPER FA-271 PP1821S」(平成4年6月30日特許庁資料館受入) 刊行物2:特開平1-205165号公報 上記刊行物1には、写真感光材料処理装置であって、現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備え、このガイド幅同期機構に駆動手段(「ペーパー幅ガイドモーター」)を設けたものが記載されている。 上記刊行物2には、以下の事項が記載されている。 a.「本発明は、帯状の感光材料を焼付露光した後、これを複数の処理槽に案内して現像処理する写真焼付・処理装置等で用いられる写真処理装置に係り、特に、複数の処理槽内に感光材料を案内するためのラックの縁ガイド幅を容易に変更することのできる写真処理装置に関する。」(第1頁右下欄第4〜9行) b.「第6図に示されるように写真焼付・処理装置は、…(中略)…、焼き付けられたカラーペーパー1を現像処理するプロセス部4と、現像処理したペーパー1を乾燥する乾燥部5と、…(中略)…を備えている。」(第1頁右下欄第11〜19行) c.「前記プロセス部4は、現像処理の各処理液が入れられた複数の処理槽7a〜7eと、これら各処理槽7a〜7e内に着脱自在に吊り下げられ、処理槽7a〜7eの処理液内に露光済のカラーペーパー1を案内するための案内ラック8a〜8eとから構成されている。 前記各案内ラック8a〜8eは、…(中略)…、これらガイドローラ11a,11b間でカラーペーパー1の両側縁を案内する一対の縁ガイド12a,12bと、この縁ガイド12a,12bをカラーペーパー1の幅に応じてその幅方向に移動させるガイド幅変更手段14とを備えている。」(第1頁右下欄第20行〜第2頁左上欄第17行) d.「しかしながら、従来の写真焼付・現像装置にあっては、各ラック毎にガイド幅変更手段が設けられており、メンテナンス等のためにラックを処理槽から取り外した場合、縁ガイドの幅を元に戻すことを忘れて変更されたままラックが処理槽内にセットされることもある。このような場合、戻したラックの縁ガイドの幅が他のラックのそれよりも大きいときには、カラーペーパーをガイドローラに案内することができず、また、逆のときには、この縁ガイド位置でカラーペーパーが詰まってしまう。 また、使用するカラーペーパーの幅が変更される場合には、全てのラックに対して縁ガイド幅の変更操作が必要になり、面倒であるという問題点がある。 本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、縁ガイド幅の戻し忘れを確実に防止すると共に、各ラックの縁ガイド幅を同時に調整することのできる写真処理装置を提供することを目的としている。」(第2頁右上欄第15行〜同頁左下欄第15行) e.「第1図は、ラックの縁ガイド12a,12bと、これらを移動するためのガイド幅変更手段30の概略構成を示す斜視図である。…(中略)…、この駆動ギヤ31に噛合するように中間ギヤ32がラックの縁部に軸支され、この中間ギヤ32の下部軸端には嵌合突起33を備えた雄形嵌合部材34が設けられている点である。…(中略)…。 処理槽側には、前記ラックが処理槽内に装着される時に、このラックの雄形嵌合部材34に嵌合する処理槽側雌形嵌合部材36がブラケット39を介し取り付けられている。この雌形嵌合部材36と前記雄型嵌合部材34により、特許請求の範囲の請求項でいう規制手段が構成されることになる。雌形嵌合部材36の上端部には、前記嵌合突起33が嵌合する切欠き37が形成されている。また、この雌形嵌合部材36の下部軸端には、ベベルギヤ38が固着されている。 また、処理槽の上部には、各処理槽間に渡って共通回動軸32が軸架されている。この共通回動軸32には、各ラックの回動軸17にトルクを伝達するために前記ベベルギヤ38に噛合する共通回動軸側ベベルギヤ40が取り付けられている。 前記共通回動軸32には、モータ50の駆動軸が連結されている。」(第3頁左上欄第11行〜同頁左下欄第1行) f.「次に、本実施例の作用を説明する。メンテナンス等によりラックが処理槽から取り出され、その後ラックを処理槽に戻す場合に、ラックの縁ガイド12a,12bが移動されたときには、この縁ガイド12a,12bの移動に伴い雄形嵌合部材34の嵌合突起33の位置も変更されることになる。このため、この縁ガイド幅状態でラックを処理槽内に戻そうとするときは、嵌合突起33と雌形嵌合部材36の嵌合切欠き37との位置が合わなくなる。従って、嵌合部材34,36を嵌合することができず、ラックを処理槽内に正規の状態で戻すことができなくなる。 この場合には、ラックの幅変更ダイヤル15を回動することにより、縁ガイドがラック取り外し前の位置となるようにする。これにより、嵌合突起33と嵌合切欠き37との位置が合うようになり、嵌合部材34,36が嵌合される。このように嵌合部材34,36が嵌合することにより、全てのラックの縁ガイド12a,12bが統一された同一位置に位置することになる。この後に、共通回動軸32をカラーペーパー1の幅信号に基づいた所定の量だけ回転することにより、各ラックの縁ガイド12a,12bをカラーペーパー1の幅に対応して一斉に変更することができる。従って、カラーペーパー1の幅を変更する場合でも、各ラックの縁ガイド幅を同時に変更することができる。」(第3頁左下欄第13行〜同頁右下欄第19行) 上記刊行物2に記載のものは、上記a,bの記載事項から明らかなように、「現像済みの写真フィルムに記載されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置」であるといえる。 また、上記刊行物2に記載のものは、現像部(「プロセス部4」)における写真感光材料を案内するためのラックにそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側部を案内する一対の「縁ガイド12a,12b」の間隔を調整しうる「ガイド幅変更手段30」を備えており、そのガイド幅変更手段30のあいだに、「各ラックの縁ガイド幅を同時に調整する」(上記dの記載事項参照)機構(「共通回動軸32」,「ベベルギア38,40」等)を備えているといえる。 更に、上記刊行物2における「各ラックの縁ガイド幅を同時に調整する」機構は、ガイド幅変更手段30における連結手段である「雄形嵌合部材34」と分離可能に連結される「雌形嵌合部材36」と、該「雌形嵌合部材34」を駆動させる「モータ50」とからなる(上記eの記載事項参照)。 また、上記刊行物2に記載のものでは、現像部におけるラックを処理槽へ戻す場合に、「全てのラックの縁ガイド12a,12bが統一された同一位置に位置する」(上記fの記載事項参照)ようにするものである。 [対比・判断] (請求項1について) 上記の訂正明細書の請求項1に係る発明と上記刊行物1に記載のものとを比較すると、両者は、「現像済みの写真フィルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えて」いる点で一致し、以下の点で相違している。 相違点;訂正明細書の請求項1に係る発明が、「該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうる」ことを特定しているのに対して、上記刊行物1に記載のものでは、ガイド幅同期機構が駆動手段を有する点の記載はあるものの、他の特定については記載されていない点。 上記相違点について検討する。 上記刊行物2における「ラック」,「縁ガイド12a,12b」,「ガイド幅変更手段30」,「各ラックの縁ガイド幅を同時に調整する」機構,「モータ50」,「同一位置に位置する」は、現像部(「プロセス部4」)内における構成事項であるか、現像部と乾燥部との間の構成事項であるかの違いはあるものの、訂正明細書の請求項1に係る発明における「ラック部」,「ガイド」,「ガイド幅変更機構」,「ガイド幅移動を同期させるガイド幅同期機構」,「駆動手段」,「同調させうる」に、それぞれ相当しているといえる。また、上記刊行物2における「雌形嵌合部材36」は凹部を有する「ガイド幅同期手段」であるといえ、「ガイド幅変更手段30」が「雄型嵌合部材34」を有することは、ガイド幅変更機構における連結手段が、凹部に嵌まり込む凸状片を有していることに該当している。 してみると、上記刊行物2には、「現像済みの写真フィルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構における連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ前記ガイド幅同期手段が凹部を有しており、前記ガイド幅変更機構における連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、前記ラック部の或るガイド幅を他のガイド幅に、ラック部の装置本体への装填により同調させうる写真感光材料処理装置」が記載されているといえる。 しかしながら、上記訂正明細書の請求項1に係る発明では、ガイド幅変更機構における連結手段を「スライド連結手段」とすることと、この「スライド連結手段」と分離可能に連結されるガイド幅同期手段が、「傾斜部が形成された凹部」を有することとが特定されており、これらの特定は、上記刊行物1,2に記載されていない事項である。 そして、上記の特定は、ガイド幅同期機構にガイド幅同期手段の移動負荷となる駆動手段を設けていることを特定していることと相俟って、「前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうる」ことを可能にする具体構成事項を形成しているといえることから、単なる凹凸嵌合結合における慣用手段であるとして無視することのできない事項である。 そうしてみると、訂正明細書の請求項1に係る発明は、上記刊行物1及び刊行物2の組み合わせからは得られない上記の特定事項を有しており、これによって、微細な調整を要さず、乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させることを可能にするものであるから、上記刊行物1,2の記載から当業者が容易に発明をすることができるものとはいえない。 よって、訂正明細書の請求項1に係る発明は、上記刊行物1,2の存在に関わらず、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 (請求項2について) 訂正明細書の請求項2に係る発明は、「(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無」の中で示したように、訂正明細書の請求項1に係る発明の特定を更に具体化して限定したものであって、上記刊行物1,2に記載されていない「該ガイド幅同期機構が、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と凹凸結合により分離可能に連結される、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段と、該ピニオンギアに連結される駆動手段とからなり、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており」との特定事項を有しているので、上記訂正明細書の請求項1に係る発明と同様に、上記刊行物1,2の記載から当業者が容易に発明をすることができるものとはいえない。 よって、訂正明細書の請求項2に係る発明は、上記刊行物1,2の存在に関わらず、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 (4)むすび 以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する特許法第126条第2〜4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立てについての判断 (1)申立の理由の概要 申立人富士写真フイルム株式会社は、 甲第1号証:「ミニラボチャンピオンのサービスマニュアル」 甲第2号証:甲第1号証の11-7頁の「幅可変駆動系」の説明書 甲第3号証:特開平1-205165号公報 甲第4号証:実願昭60-199658号のマイクロフィルム を提出して、 訂正前の本件請求項1〜3に係る発明は、上記甲第1号証に記載された発明であり、また、訂正前の本件請求項4に係る発明は、上記甲第1号証と上記甲第2号証とに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項或いは同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとして、本件特許は取り消されるべき旨主張している。 (2)本件発明 本件請求項1,2に係る発明は、上記2.において述べたように適法に訂正された訂正明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1,2に記載されたとおり(上記2.(3)[訂正発明]参照)のものである。 (3)甲号各証 甲第1号証; 上記甲第1号証は、平成4年6月30日に、特許庁資料館に整理番号「A89」として受け入れられたものであって、本件特許の出願前に日本国内で頒布された刊行物に該当する。 上記甲第1号証には、写真感光材料を現像処理する現像部と、現像処理された写真感光材料を乾燥する乾燥部と、乾燥後に1枚ずつにカットするカット部とから成るプリンタープロセサーが記載されており、更に具体的に以下の事項が記載されている。 11-4頁には、幅可変系が示され、左側が乾燥部で右側が処理部で、乾燥部には一対のガイドが1組設けられ、処理部には6層分のガイド対が設けられている。 11-5頁には、処理ラックの構成が示されている。 11-6頁には、プロセサー駆動系として、処理ラックの駆動、乾燥部の駆動、ペーパー搬送について示されている。 11-7頁には、幅可変駆動系が示されている。 11-8頁には、プロセサー駆動系として、プロセサー駆動モーター駆動タイミング、プロセサー駆動モーター停止タイミングについて示されている。 11-9,11-10頁には、ペーパー幅ガイド動作フローが示されている。 11-49頁には、幅可変駆動系の分解図が示されている。 12-18頁の右側には、乾燥部に設けられた軸継手が示されている。この軸継手は周辺に2個の半円形をした溝が形成され、これに11-49頁の軸継に設けた2個のピンが着脱自在に挿入される。 12-21頁の左側に、一対のペーパー幅ガイドが示されている。 甲第2号証; 甲第1号証の11-7頁の図を彩色し、部材に番号を付したものである。 甲第3号証; 上記2.(3)「刊行物2」の記載内容を参照。 甲第4号証; 第1頁第15〜18行に、「本考案は、特に異なるサイズの長尺写真感光材料を搬送しながら乾燥するに当たり写真感光材料の両側縁部を案内する一対のガイド用V形案内部片の幅を調整自在となし、」と記載されている。また、第2図には、軸2に回転によって、離反又は近接する一対のガイド用V形案内部片9,10が示されている。 (4)当審の判断 本件請求項1,2に係る発明と上記甲第1〜3号証との対比・判断は、上記2.(3)[対比・判断]で検討したとおりである(「刊行物1」が甲第1,2号証、「刊行物2」が甲第3号証に対応する。)。これに対して、上記甲第4号証に記載された上記の事項を付加して検討しても、上記甲第4号証には、ガイド幅変更機構の具体構成が示されているにすぎないから、これによって上述の判断が変更されることはない。 してみると、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1,2に係る発明が上記甲第1号証に記載された発明と同一であるとも、上記甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができた発明であるともいえない。 したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 写真感光材料処理装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ 前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする写真感光材料処理装置。_ 【請求項2】 現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と凹凸結合により分離可能に連結される、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段と、該ピニオンギアに連結される駆動手段とからなり、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、かつ 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアと前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段との結合により行なわれ、 前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする写真感光材料処理装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は写真感光材料処理装置(以下、写真処理装置という)に関する。さらに詳しくは、写真処理装置の現像部などに搬送される写真感光材料(以下、印画紙という)の幅を確実に案内させることができる写真処理装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来の写真処理装置は、図2に示すように、マガジン101にロール状に巻回されている印画紙Sを引き出したあと、露光機構102により現像済写真フイルムFの画像を前記印画紙Sに焼き付けるための焼付部103と、該焼付部103により焼き付けられた印画紙Sを各種処理層内を通過させて現像処理するための現像部104と、該現像部104により現像処理された印画紙Sを乾燥するための乾燥部105と、該乾燥部105により乾燥された印画紙Sの写真プリントPを画像ごとに分離するプリントカット部106とから構成されている。そして、前記現像部104と乾燥部105には、印画紙Sを案内して搬送させるための液中ラック107と乾燥ラック108が設置されている。また、当該ラック107、108のそれぞれには、たとえば印画紙Sの両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を、たがいに逆向きのねじが形成される送りねじ軸により調整しうるガイド幅変更手段が備えられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前記液中ラック107と乾燥ラック108にそれぞれガイド幅変更手段を備え付けていることから、駆動モータなどの部品が多くなり、設備コストが高くなりやすいという問題がある。また印画紙Sの幅寸法に応じて、前記送りねじ軸を回転させて一対のガイド幅を個々に調整(設定)しなければならない。 【0004】 その結果、保守、点検作業がやっかいになりやすいとともに、前記液中ラック107と乾燥ラック108の設定に間違いが生じやすく、たとえば乾燥ラック108におけるガイド幅が正規の設定値より狭いばあい、液中ラック107から乾燥ラック108への印画紙Sの乗り移りができなくなって、印画紙Sがつまってしまうという問題がある。 【0005】 本発明は、叙上の事情に鑑み、印画紙の搬送を案内するラックのガイド幅の設定が確実に行なえるとともに、メンテナンスが容易であり、しかも安価な写真処理装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明の写真処理装置は、現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ 前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする。 【0007】 また、本発明の写真処理装置は、現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と凹凸結合により分離可能に連結される、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段と、該ピーオンギアに連結される駆動手段とからなり、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、かつ 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアと前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段との結合により行なわれ、 前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴としている。 【0008】 【作用】 本発明の写真処理装置によれば、ガイド幅同期機構により、液中ラック部と乾燥ラック部におけるガイド幅変更機構のガイドの間隔を、それぞれ同期して移動させることができる。そのため、各ラック部におけるガイド幅の設定を間違えることはない。 【0009】 また、ガイド幅変更機構がガイド幅同期機構に凹凸結合により分離可能とされているため、液中ラック部と乾燥ラックを装置本体に装填するだけで、それぞれのガイドの間隔を設定値に同調させることができる。 【0010】 【実施例】 以下、添付図面に基づいて本発明の写真処理装置を説明する。 【0011】 図1は、本発明の写真処理装置に使用されるガイド幅同期機構の一実施例を示す概略斜視図である。 【0012】 まず本発明の写真処理装置は、現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた印画紙を各種処理槽内を通過させて現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された印画紙を乾燥するための乾燥部とから構成されている。 【0013】 前記現像部の各処理槽内および前記乾燥部には、図1に示すように、印画紙Sを案内して搬送させるための液中ラック部1と乾燥ラック部21が設置されている。 【0014】 そして、この液中ラック部1には、立設する一対の側板2a、2b間に設けられるガイド幅変更手段3と該ガイド幅変更手段3に第1の伝達軸4を介して連結される第1のスライド連結手段5とからなるガイド幅変更機構Aが備え付けられている。 【0015】 前記ガイド幅変更手段3は、一対の側板2a、2bに架設され、かつ両側にたがいに逆向きの雄ねじ6a、6bが刻設される送りねじ軸7と、該送りねじ軸7の雄ねじ6a、6bに螺合されるナット8a、8bと、該ナット8a、8bに取り付けられる断面くの字状をした一対のガイド9a、9bとから構成されている。送りねじ軸7を正回転および逆回転させることにより、前記一対のガイド9a、9bの間隔(ガイド幅)を広くしたり、狭くしたりして、印画紙Sの幅寸法にあわせるように調整することができる。 【0016】 前記第1のスライド連結手段5は、ラックギア10から構成されている。 【0017】 前記第1の伝達軸4は、前記液中ラック部1内に回転自在に立設されており、下部には前記送りねじ軸7に形成されるベベルギア11に噛み合うベベルギア12が形成され、上部には前記ラックギア10に噛み合うピニオンギア13が形成されている。この第1の伝達軸4により、前記第1のスライド連結手段5の水平運動を前記ガイド幅変更手段3に回転運動として伝えることができる。 【0018】 一方、前記乾燥ラック部21には、前記液中ラック部1と同様なガイド幅変更手段3と該ガイド幅変更手段3に第2の伝達軸24を介して連結される第2のスライド連結手段25とからなるガイド幅変更機構Bが備え付けられている。 【0019】 前記第2のスライド連結手段25は、一辺に凸状片27と他辺に歯28が形成されてなるスライドラックギア29と、一端に前記歯28に噛み合うピニオンギア30と他端にべベルギア31が形成されてなる回転軸32とから構成されている。 【0020】 前記第2の伝達軸24は、前記乾燥ラック部21内に回転自在に立設されており、下部には前記送りねじ軸7に形成されるベベルギア11に噛み合うベベルギア33が形成され、上部には前記回転軸32のベベルギア31に噛み合うベベルギア34が形成されている。 【0021】 本発明の写真処理装置は、前記現像部および乾燥部におけるガイド幅変更機構A、Bのあいだに、該ガイド幅変更機構A、Bにより前記印画紙Sの両幅側縁を案内する一対のガイド9a、9bの幅移動を同期させるためのガイド幅同期機構Cを備えていることを特徴としている。 【0022】 前記ガイド幅同期機構Cは、前記ガイド幅変更機構A、Bにおける第1のスライド連結手段5および第2のスライド連結手段25にそれぞれ連結されている。 【0023】 前記ガイド幅同期機構Cは、ガイド幅同期手段43と該手段43を駆動させるための駆動手段44とから構成されている。 【0024】 前記ガイド幅同期手段43は、2個のピニオンギア45a、45bが形成されているピニオン軸45と、前記ピニオンギア45a、45bにそれぞれ噛み合わされている幅調整用ラックギア46、47とから構成されている。 【0025】 前記幅調整用ラックギヤ46は、前記ラックギア10が嵌め込まれる矩形切欠48を有するスライド板49に連結されるとともに、装置本体の静止部材、たとえばガイド幅を規制するものにスライド自在に案内支持されている。また、前記ラックギア46の上端に形成される長孔溝50には、ラックギア46の許容範囲外の移動を制限するためのストッパーピン51が嵌まり込んでいる。一方、前記ラックギア47は、前記第2のスライド連結手段25におけるスライドラックギア29の凸状片27が挟まり込むための凹部52が形成されるとともに、前述と同様に静止部材にスライド自在に案内支持されている。 【0026】 前記駆動手段44は、幅変更モータ53と、過負荷による各部品の損傷を防止するためのフリクションユニット54と、前記ピニオン軸45を延長させた出力軸55に連結される検出板56aとセンサー56bからなる検出器56と、前記フリクションユニット54および出力軸55を連結させるウォーム57およびウォームホイール58とから構成されている。 【0027】 つぎに本発明の写真処理装置におけるガイド幅同期機構Cの動作を説明する。 【0028】 まず図2に示される写真フイルムFの画像が焼き付けられる印画紙Sの幅情報と、図1に示される検出器56からえられる現在のガイド幅位置とを比較することにより、幅変更モータ53の回転方向を判断したうえで回転させる。 【0029】 たとえば、液中ラック部1および乾燥ラック部21におけるガイド幅変更手段A、Bの一対のガイド9a、9bの間隔を広げるばあい、前記幅変更モータ53の回転により、出力軸55とピニオン軸45を図1中に示すa方向に回転させる。これにより、前記モータ53の回転運動は、ピニオンギア45aとラックギア46によってスライド板49およびラックギア10の直線運動に変えられる。液中ラック部1において、この直線運動は、第1の伝達軸4により再度回転運動に変換され、送りねじ軸7を回転駆動し、一対のガイド9a、9bを図1中に示すb方向に広げる。その結果、印画紙Sはガイド9a、9bにより確実に案内されて、つまりなどの支障が生じない。 【0030】 他方、乾燥ラック部21においても、前記幅変更モータ53の回転により、該モータ53の回転運動は、ピニオンギア45bとラックギヤ47によって第2のスライド連結手段25の直線運動に変えられる。この直線運動は、第2の伝達軸24により再度回転運動に変換され、送りねじ軸7を回転駆動し、一対のガイド9a、9bを図1中に示すb方向に広げる。その結果、前記液中ラック部1から搬送される印画紙Sは、乾燥ラック部21のガイド9a、9bにより確実に乗り移るとともに、案内される。 【0031】 本発明の写真処理装置においては、ガイド幅同期機構Cと液中ラック部1におけるガイド幅変更機構Aとが、スライド板49の矩形切欠48とラックギヤ10とによる凹凸結合にされている。また、同様にガイド幅同期機構Cと乾燥ラック部21におけるガイド幅変更機構Bとが、ラックギヤ47の凹部52と第2のスライド連結手段25の凸状片27による凹凸結合にされている。したがって、液中ラック部1と乾燥ラック部21は、それぞれ前記装置の現像部と乾燥部に装填するだけで、あらかじめ備え付けられているガイド幅同期機構Cと連結させることができるため、一対のガイド幅を搬送される印画紙の設定値に正確に同期させることができる。また、前記装填ののち、洗浄や点検作業のために、簡単に液中ラック部1または乾燥ラック部2を取り外すことができるので、大変便利である。 【0032】 【発明の効果】 以上のとおり、本発明の写真処理装置によれば、現像部および乾燥部のラック部におけるガイド幅変更機構のあいだに、それぞれの一対のガイドを同時に動かして、同期させるためのガイド幅同期機構を備えたことにより、液中ラック部と乾燥ラック部のガイド幅の設定を間違えることがない。そのため、印画紙のつまりや外れなどのトラブルを防止することができ、安定した印画紙の搬送が可能である。 【0033】 また、前記ガイド幅同期機構は、2個のピニオンギヤが形成されるピニオン軸と2個の幅調整ラックギヤとからなるガイド幅同期手段と、幅変更モータと検出器とからなる駆動手段とから構成されるので、部品数が少なく、かつ構造が簡単なため、設備コストが安価である。 【0034】 さらに、現像部の液中ラック部と乾燥部の乾燥ラック部は、それぞれスライド連結手段により、前記ガイド幅同期機構への着脱ができる。そのため、液中ラック部と乾燥ラック部を装置本体に装填するだけで、一対のガイド幅が設定値に同調できることから、メンテナンスや作業性などが向上する。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の写真処理装置に使用されるガイド幅同期機構の一実施例を示す斜視図である。 【図2】 写真処理装置の一例を示す説明図である。 【符号の説明】 1 液中ラック部 9a、9b ガイド 21 乾燥ラック部 A、B ガイド幅変更機構 C ガイド幅同期機構 S 印画紙 |
訂正の要旨 |
▲1▼.訂正事項a 特許明細書の特許請求の範囲における、 「【請求項1】現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えてなることを特徴とする写真感光材料処理装置。 【請求項2】前記ガイド幅同期機構が前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段に連結されてなる請求項1記載の写真感光材料処理装置。 【請求項3】前記ガイド幅同期機構が、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギヤからなるガイド幅同期手段と、当該ピニオン軸に連結される駆動手段とからなる請求項1または2記載の写真感光材料処理装置。 【請求項4】前記ガイド幅同期機構におけるガイド幅同期手段と、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段とが凹凸結合により分離可能とされてなる請求項1、2または3記載の写真感光材料処理装置。」を特許請求の範囲の減縮を目的として、 「【請求項1】現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする写真感光材料処理装置。 【請求項2】現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と凹凸結合により分離可能に連結される、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段と、該ピニオンギアに連結される駆動手段とからなり、 前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、かつ 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアと前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段との結合により行なわれ、 前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうることを特徴とする写真感光材料処理装置。」と訂正する。 ▲2▼.訂正事項b (i)【0006】の8行の「備えてなる」を明りょうでない記載の釈明を目的として、「備えており、該ガイド幅同期機構が、前記それぞれのガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と分離可能に連結されるガイド幅同期手段と、該ガイド幅同期手段を駆動させるための駆動手段とからなり、かつ 前記ガイド幅同期手段が、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうる」と訂正する。 (ii)【0007】の1〜2行の「前記ガイド幅同期機構が……連結されている。」を明りょうでない記載の釈明を目的として、削除する。 (iii)【0008】の1〜2行の「前記ガイド幅同期機構が、……なっている」を明りょうでない記載の釈明を目的として、 「また本発明の写真処理装置は、現像済みの写真フイルムに記録されている画像が焼き付けられた写真感光材料を現像処理するための現像部と、該現像部により現像処理された写真感光材料を乾燥するための乾燥部とを少なくとも備えてなる写真感光材料処理装置であって、前記現像部と乾燥部における写真感光材料を案内するためのラック部にそれぞれ設けられる、写真感光材料の両幅側縁を案内する一対のガイドの間隔を調整しうるガイド幅変更機構のあいだに、前記ガイドの幅移動を同期させるガイド幅同期機構を備えており、 該ガイド幅同期機構が、前記ガイド幅変更機構におけるスライド連結手段と凹凸結合により分離可能に連結される、複数の幅調整用ラックギアとピニオンギアからなるガイド幅同期手段と、該ピニオンギアに連結される駆動手段とからなり、 前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアが、傾斜部が形成された凹部を有しており、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段が、前記凹部に嵌まり込む凸状片を有しており、かつ 前記液中ラック部を装置本体に装填したのち、前記乾燥ラック部を装置本体に装填する際、 前記ガイド幅同期機構における幅調整用ラックギアと前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構におけるスライド連結手段との結合により行なわれ、 前記凸状片が凹部の傾斜部に案内されて嵌まり込み、前記乾燥ラック部のガイド幅変更機構が駆動することにより、 前記乾燥部における乾燥ラック部のガイド幅を前記現像部における液中ラック部のガイド幅に同調させうろことを特徴としている」と訂正する。 (iv)【0009】の1〜2行の「前記ガイド幅同期機構における……とされている。」を明りょうでない記載の釈明を目的として、削除する。 |
異議決定日 | 1999-12-15 |
出願番号 | 特願平6-219134 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YA
(G03D)
P 1 651・ 121- YA (G03D) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 藤田 年彦 |
特許庁審判長 |
酒井 進 |
特許庁審判官 |
小橋 立昌 水垣 親房 |
登録日 | 1998-05-15 |
登録番号 | 特許第2780769号(P2780769) |
権利者 | ノーリツ鋼機株式会社 |
発明の名称 | 写真感光材料処理装置 |
代理人 | 佐木 啓二 |
代理人 | 朝日奈 宗太 |
代理人 | 朝日奈 宗太 |
代理人 | 佐木 啓二 |
代理人 | 小林 和憲 |