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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C23C |
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管理番号 | 1013868 |
審判番号 | 審判1998-388 |
総通号数 | 11 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1993-10-19 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-01-05 |
確定日 | 2000-05-16 |
事件の表示 | 平成4年特許願第35202号「プラズマ反応装置及び薄膜形成方法」拒絶査定に対する審判事件(平成5年10月19日出願公開、特開平5-271949)について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
〔一〕 本願は、平成4年(1992)2月21日の出願であって、平成8年8月20日付けの手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の記載は、下記のとおりである。 「【請求項1】 反応性ガス用入口および基板支持体を有する真空チャンバを備えるプラズマ反応装置であって、 異なる所定高周波数で少なくとも2つの成分を有する少なくとも2つの複合高周波波形を発生する波形シンセサイザーを有し、 広帯域高周波出力増幅器を介して、前記支持体領域内の反応性ガスからプラズマを形成し異なる周波数成分を有する高周波出力を結合する為に、前記シンセサイザーが前記チャンバに結合される、プラズマ反応装置。 【請求項2】 前記反応性ガス用入口はガスマニフォールド電極であり、前記基板支持体は電極になっており、前記高周波波形は前記電極を横切って結合される、請求項1記載のプラズマ反応装置。 【請求項3】 前記電極は互いに平行に離間している、請求項2記載のプラズマ反応装置。 【請求項4】 上記チャンバに接続された第1高周波周波数は13.56MHzであり、上記チャンバに接続された第2高周波周波数は400kHzである、請求項1記載のプラズマ反応装置。 【請求項5】 反応性ガスから形成されたプラズマより、プラズマ反応チャンバ内の基板上に膜を堆積する方法であって、 処理すべき基板を含むプラズマ反応チャンバ内に反応性プロセスガスを導入する工程と、 高周波出力をプロセスガスに結合する為、波形シンセサイザーによって発生される少なくとも2つの高周波周波数で上記チャンバに結合することにより、上記プロセスガスをプラズマ状態に励起する工程と、 を備える方法。 【請求項6】 前記反応性ガスはガスマニフォールド電極を介して導入され、前記基板は支持電極上に支持される、請求項5の方法。 【請求項7】 前記電極は、互いに平行で離間されている、請求項6記載の方法。 【請求項8】 上記チャンバに結合される第1高周波周波数は13.56MHzであり、上記チャンバに結合される第2高周波周波数は400kHzである、請求項5記載の方法。」 以下では、上記請求項1から同8までの各請求項の構成の発明を、請求項番号に対応して、本願発明1から本願発明8という。 〔二〕 本願明細書の詳細な説明の項の記載 (イ) 【発明が解決しようとする課題】 「【0003】しかし、上記従来の化学気相堆積装置では、複数の独立した高周波源を用いなければならず、又、独立した高周波源を使用しているために、夫々の高周波の周波数の相対振幅を調整することが難しかった。又、このような複数の個々の高周波源を使用するため、それらの発生する高周波の位相固定が難しく、ドリフトや不安定性の問題を有している。 【0004】そこで、本発明は、上記課題を解決し、印加すべき高周波の周波数の調整が容易でかつ、その周波数の変更が容易にできるプラズマ反応装置及びこれを利用した薄膜形成方法を提供することを目的とする。」 (ロ) 【作用】【0007】 「本発明は、上記のように、波形シンセサイザーを使用して、互いに異なる複数の高周波を発生させ、プラズマを生成させている。そのため、高周波の周波数の調整及び相対振幅等の調整がプログラムを変更するだけで容易に行うことができ、また、印加すべき高周波の複雑な波形形成、印加すべき高周波間の位相調整が、シンセサイザーのプログラムを変更するだけに容易に実現できる。」 (ハ) 【0012】【実施例】の一部 「本実施例で使用する波形シンセサイザー5は、どの様な複雑なパターンを有する高周波波形を生成するようにプログラム可能な波形シンセサイザーであり、これは、ヒューレットパッカード社のような会社より商業的に容易に入手可能である。」 (ニ) 【0014】【実施例】の一部 「従来の装置のような個々の高周波源の代りにこのようなシンセサイザーを使用することにより、従来では、個々の高周波源をそれぞれの周波数に対して設けなければ実現不可能であるような多くの異なった周波数成分を有するより複雑な波形を単にプログラムを作成することにより容易に生成することができる。又、このシンセサイザーを利用することにより、周波数成分間で出力比率を変更できるパルス波形または波形の生成が容易となり、このような波形はいくつかのCVDプロセスに対して有用である。これらの複雑な波形は波形シンセサイザーを用いることにより容易に実現できる。また、このような波形シンセサイザーを用いることにより、周波数成分間の位相関係を固定することが可能となる。」 〔三〕 引例の記載 なお、引例の表示の冒頭に「*」印をつけたものは、拒絶査定の備考に参考として引用された引例である。 A.「物理学辞典」、株式会社培風館、1984年9月30日(初版)、1992年5月20(改訂版)発行、897頁(「シンセサイザー」の項) 基準水晶発振器、周波数逓倍器及び周波数逓降器を用いて、最小の分割周波数を単位としてあらゆる周波数(通常、1Hz〜5GHz)がディジタル的に設定できることが記載されている。 B.(1) *特開昭56-45760号公報 (イ) 特許請求の範囲 「 反応ガスの励起用電源として、周波数の異なる複数の電源を用いて該反応ガスを励起し、被処理基板上に所望の皮膜を形成することを特徴とする気相成長方法。」 (ロ) (1頁右下欄、11ないし18行) 「 ところで、該プラズマCVD装置に印加する電源周波数は400〔KHz〕、13.56〔MHz〕、27〔MHz〕などと法律で定められた周波数が用いられているが、これらの周波数の中で比較的低い周波数と高い周波数とでは沈積物の生成状態を異にし、低い周波数では良質の膜がえられるが、沈積速度がおそいのが欠点であり、高い周波数では沈積速度は速いが膜質が良くないという問題がある。 本発明はこのような問題点を解消せしめ、作業能率が良くてしかも良質の被膜を形成せしめることを目的とし、放電励起用電源として異なる周波数の電源を同時に印加して行うプラズマCVD法を提案するものである。」 (ハ) (2頁右上欄、8行〜同左下欄、1行) 「 本発明では高い周波数電源と低い周波数電源とから電力を同時に印加させるもので、第2図にその印加法を図示している。 図において、例えば周波数13.56〔NHz〕の発振電源11から5〔MHz〕以下の周波数をカットするハイパス・フィルタ12を通じて対向電極に5〔W〕の電力を印加し、同じく周波数400〔KHz〕の発振電源13から1〔MHz〕以上の周波数をカットするローパス・フィルタ14を通して同じく電極に25〔W〕の電力を印加して、二つの周波数を重ね合わせた放電を起こさせる。 そうすると上記の両方の周波数の短所を打ち消して、長所のみ取り出した状態を得ることが出来る。」 B.(2) *実開昭63-50877号公報 (イ) 実用新案登録請求の範囲 「 平行平板型プラズマ気相成長装置において、試料4を保持し、ヒータ5と絶縁膜9により絶縁された下部電極3と高周波発振器B、7とを接続し、 且つ、上部電極2と他の高周波発振器A、6とを接続し、 前記の二つの高周波発振器6,7が異なる周波数を有することを特徴とする気相成長装置。」 (ロ) (図面の簡単な説明)の一部 「 第1図は本考案による実施例の気相成長装置の側断面 第2図は本考案による実施例のSiH4とNH3とN2の混合ガスで成長したシリコン窒化膜(SiN)のストレスの変化を示す図」 B.(3) *特開平1-298171号公報 (イ) 特許請求の範囲 「1.筒構造を有する筒構造体内に被形成面を有する基体を配設し、前記筒構造体の開口部の一方及び他方に一対の同一形状の電極を有し、前記一対の電極はマッチングコイルの一端及び他端と連結して互いに対称または対称に近い交番電圧を印加せしめるとともに、前記筒構造体は接地レベルまたは電気的に浮いた構造を有し、前記マッチングコイルの接地レベルにある中点と、ホルダまたは基体の第3の電極との間に第2の交番電圧を印加することにより、前記筒構造内に導入された反応性基体をプラズマ化せしめ、反応生成物を前記基体上に成膜せしめることを特徴とする薄膜形成方法。 2.特許請求の範囲第1項において、交番電圧は高周波電界よりなり、さらに第3の電極には第2の交番電圧に加えて負の100〜500Vの直流バイアスを重ね合わせられたカソードを構成したことを特徴とする薄膜形成方法。 3.特許請求の範囲第1項において、互いに離間して平行または概略平行に第3の電極を構成するホルダを複数ケ配設せしめ、導体ホルダの裏面に絶縁膜を介して接して基体を配設することにより、基体の表面に反応生成物の被膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。 4.特許請求の範囲第1項において、基体は外部加熱を行うことなしに反応生成物の被膜が形成されることを特徴とする薄膜形成方法。」 (ロ) 「発明の利用分野」の一部(1頁右下欄) 「本発明はスパッタ効果を伴わせつつ成膜させるプラズマ気相反応方法であって、かつ一度に多量の基体上に被膜形成を行う気相反応方法に関する。」 (ハ)「問題を解決すべき手段」(2頁左下欄、3行) 「そして第1の交番電圧を1〜50MHzのグロー放電の生じやすい周波数とし、さらに第2の交番電圧を1〜500KHzの反応性気体に運動エネルギーを与えやすい周波数として印加する。さらにこの第2の交番電圧の一方とマッチングコイルの中点とはともに接地レベルにあり、即ち第2の交番電圧の出力側には負の直流の自己バイアスが重畳して印加される。すると第1の交番電圧により活性化した気体を自己バイアスにより基体上に加速し、さらに基体上での不要のチャージアップした電荷を第2の交番電圧により除去する。かくして表面にも被膜形成を行い得るようにしたものである。」 (ニ) (実施例)の一部(3頁左下欄、4〜16行) 「電源系(40)には二種類の交番電圧が印加できるようになっている。第1の交番電圧は1〜100MHz例えば13.56MHzの高周波電源(15)よりマッチングトランス(16)に至る。このマッチングトランスは、対称型または概略対称型の出力を有し、一端(4)および他端(4´)は一対の第1及び第2の電極(3)(3´)にそれぞれ連結されている。またトランスの出力側中点(5)は接地レベルに保持され、第2の1〜500KHz例えば50KHzの交番電圧(17)が印加されている。そしてその出力は、ホルダ(1´-1´)、(1´-2´)、・・・(1´-n´)即ち(1´)または基体(1)を構成する第3の電極(2)に連結されている。・・・。 ・・・。かかる空間において0.5〜5KW(単位面積あたり0.3〜3W/cm2)例えば1KWの高周波電界を加える。さらに第2の交番電圧により交流バイヤスの印加により、被形成面上に-200〜-600V(例えばその出力は500W)の負自己バイアス電圧が印加されており、この負の自己バイアス電圧により加速された反応性気体を基体上でスパッタしつつ成膜し、かつ緻密な膜とすることができた。」 B.(4) *特開平3-204925号公報 (イ) 特許請求の範囲 「(1)減圧可能な容器内にプラズマを発生させ、該プラズマ中で被処理物の処理を行うように構成されたプラズマプロセス用装置において、 前記容器内に対向するように設けられた夫々平板状に形成された第1及び第2の電極と、少なくとも前記プラズマに対して安定な材料から成り前記第1の電極状を覆うように設けられる保護部材と、前記第2の電極上に被処理物を取り付けるための保持手段と、前記第1の電極に接続される第1の高周波電源と、前記第2の電極に接続される第2の高周波電源と、前記容器内に所望のガスを導入するためのガス供給手段とを少なくとも備え、前記第1の高周波電源の周波数が前記第2の高周波電源の周波数より高いことを特徴とするプラズマプロセス装置。」 (ロ) 〔産業上の利用分野〕 「 本発明は、各種のプラズマプロセス、例えばリアクティブイオンエッチング(RIE)、プラズマ化学気相堆積(PCVD)等を行うために用いられる装置に関する。」 (ハ) 〔発明が解決しようとする課題〕の一部(2頁左下欄、9〜15行) 「 しかし、従来の装置においては、高周波電力を大きくすると、電極の自己バイアスも大きくなり、同時にプラズマ電位も高くなる。その結果、基板には、この大きな自己バイアスとプラズマ電位の差の電圧によって加速された大きなエネルギーを有するイオンが照射される。従って、下記のような問題を生じさせる。」 (ニ)〔発明が解決しようとする課題〕の一部(3頁左下欄、13〜18行) 「 すなわち、従来の装置においては、プラズマ密度、すなわちイオン照射量及び照射イオンエネルギーを夫々独立にかつ直接的に制御することができず、前記励起活性種源ガスの圧力、流量、高周波電力等の条件を適宜組合わせて間接的に制御せざるを得ない。」 (ホ) 〔発明が解決しようとする課題〕の一部(3頁右下欄、12〜19行) 「 本発明は、基板(基体)に損傷や表面汚染を与えることなく、基板のエッチングや基板上への成膜が行え、しかも、チャンバや電極等の構造は同一であるに拘わらず、導入するガスやプラズマ励起周波数を変えることにより、エッチングや成膜にも応用可能であり、生産性に優れるとともに、低価格で高性能なプラズマプロセス用装置を提供することを目的とする。」 (ヘ) 〔作用〕の一部(4頁右上欄、1行〜同右下欄、1行) 「 例えば、RIE装置に用いる場合には、被処理物としての例えば被エッチング薄膜を形成した基板を容器内の第2の電極上に取付け、該容器内を減圧して所定のガス供給手段から前記被エッチング薄膜に応じ、塩素系ガス、フッ素系ガス、これらの混合ガス等を導入する。そして、第1の電極には第1の周波数(100〜250MHz)の高周波電力を供給して電極間にプラズマを発生させ、前記第2の電極には前記第1の周波数より低い第2の周波数(10〜50MHz)の高周波電力を供給し、第2の電極の自己バイアスを制御する。すなわち、第1の電極に供給される第1の周波数の高周波電力により、発生するプラズマ密度や基板に照射されるイオン照射量を制御する。 一方、第2の電極に供給される第2の周波数の高周波電力によりその自己バイアスにより、基板表面に入射するイオンのエネルギーを制御する。第1の電極に供給される高周波電力はプラズマを発生させる役割を担うからその電力は通常大きい。しかし、周波数を高くしてあるから第1の電極の負の自己バイアスは十分小さくできる。したがって、第1の電極に照射されるイオンエネルギーは十分小さくなって、表面がスパッタされることがなく、基板表面は汚染されない。第2の電極に誘起される負の自己バイアスは、基板表面に照射されるイオンエネルギーを最適値に制御するから、損傷、汚染の問題はもちろん伴わない。 また、PCVD装置に用いる場合には、被処理物たる堆積膜を形成すべき基板を前記第2の電極上に保持させる。前記第1の周波数と第2の周波数との大小関係は前記RIE装置の場合と同様に設定する・・・。 さらに、従来技術では基盤表面の損傷、汚染の問題が不可避であるレジストアッシャーにも適用できる。」 B.(5) *特開昭57-19034号公報 (イ) 特許請求の範囲 「 反応ガス導入口と排気口とを有する減圧された反応管内に所定の周波数で励起されるプラズマ発生部を設けて成膜用の反応領域とした気相成長装置において、前記反応領域の反応ガス導入口側に前記周波数と異なる周波数で別のプラズマ発生領域を配設したことを特徴とする気相成長装置。」 (ロ) (1頁右下欄、14行〜2頁左上欄、12行) 「 ところでこのような装置で成長されるSi3N4膜の膜質は反応ガスの純度及びガス混合比や高周波電力等に依存するが、その他周波数にも大きく影響される。すなわち低い周波数(たとえば400KHz)においては、Si3N4膜の張力ストレスが小さく膜にクラックを生じにくいけれども下地との密着性が悪く耐湿性に劣るという問題がある。一方周波数が高い場合(たとえば13.56MHz)には耐湿性に優れているけれどもクラックが生じやすいという問題がある。 そこで膜質の良いSi3N4膜を得る1つの手段として高周波電源5の周波数を成膜途中でたとえば13.56MHz→400KHz→13.56MHzというように複数回変えながら成膜する方法も提案されているが、このような方法では周波数の変更に伴いマッチングの補正も高周波電力等もそれぞれの周波数に適したものに精度よく制御しなければならず、装置や成膜工程の複雑化は避けられない。」 (ハ) (2頁左下欄、6行〜同右下欄、5行) 「 このような構成において、反応領域7のプラズマ発生用電極5a、5bにウェハを取り付けるとともに排気口3から排気して反応管1内を減圧する。そして反応ガス導入口から反応管1内に反応ガスを導入し、プラズマ発生用電極11、12間に流入せしめて、それら電極間に印加された高周波電界によりプラズマ発生領域9でプラズマを発生し、反応ガスをあらかじめ高周波電源10の周波数で励起してから反応領域7に流入せしめる。そしてさらにあらかじめ励起された反応ガスを反応領域7において引続きプラズマ発生用電極5a、5b間に印加される高周波電源6の周波数で励起してウェハ8表面に薄膜を成長させるのである。この際高周波電源10および5における周波数、高周波出力などを互いに異なった条件で選択設定することにより、従来反応領域7のプラズマ発生用電極5a、5b間に印加する高周波電源6の周波数を成膜途中で変更した場合と実質的に同様の効果が得られる。その結果膜質の良い薄膜をウェハB表面に成長させることができるのである。」 C.(1) 特開平1-14996号公報 (イ) 特許請求の範囲 「1.プラズマ反応処理を行うプラズマ反応装置において、プラズマをパルス電力を用いてパルス的に生成し、少なくともアフターグロープラズマを用いることを特徴とするプラズマ反応装置。 2.上記パルス電力のパルスの幅、周期、振幅及び個数を任意に設定する手段を具備することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のプラズマ反応装置。 3.上記プラズマを、上記パルスの幅、周期、振幅の少なくとも1つが異なる2種類以上の上記パルス電力と、該各パルス電力のパルスの個数との組合せにより生成することを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載のプラズマ反応装置。 4.上記パルス電力として、直流、高周波、マイクロ波の少なくとも1つを用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載のプラズマ反応装置。」 (ロ) 〔作用〕(2頁左下欄) 「 上記のように、プラズマをパルス電力を用いてパルス的に生成し、パルス電力を印加した後、パルス電力を印加せず上記パルス電力の印加により 形成されたアクティブプラズマが自然に減衰する期間に形成されるアフターグロープラズマでは、上記従来技術の弱プラズマに比べ、非常に豊富なラジカル等の中性粒子やフォトン(主に紫外線)の源として作用する。また、この期間はパルス電力による電界が存在しないので、この電界による試料のダメージ(欠陥)等の問題がなくなる作用を有する。さらに、上記アクティブプラズマも上記従来技術の強プラズマに比べ、非線形効果により、より高電離、高密度、高エネルギーのイオン等の荷電粒子として作用し、種々の反応を助長する効果がある。 従って、上記アクティブプラズマとアフターグロープラズマとを、印加パルス電力のパルスの幅、周期、振幅及び個数を用いると共に、適当に組み合わせて制御することによるパルスの幅-周波数-振幅-個数組合せ変調方式により、上記物理量等を時間的、空間的に広範かつ任意に制御できる。」 (ハ) 〔実施例〕(実施例1の一部)(3頁左上欄、1〜13行) 「・・・。第1図は、プラズマ発生用電力としてマイクロ波(1〜100GHz)を用いたときの基本構成を示す図である。第1図において、1はマグネトロン、クライストロン、ジャイラトロン等のマイクロ波発振器、2はパルスを出力する高圧電源、・・・、10は電気回路で構成され、パルスの幅、周期および個数制御装置、11は電気回路で構成されたパルスの振幅制御装置である。」 (ニ) 〔実施例〕(実施例2の一部)(3頁左下欄、13行〜同20行) 「 別の実施例を第4図に示す。本実施例は、プラズマ発生用電力として、高周波(rf)電力または直流電力を用いた場合の基本構成と出力波形の2例(第3図も可)を示す。100は高周波発振器(直流動作のときは直流パルス発生器)、2は高圧電源(パルス出力)、10はパルスの幅、周期および個数制御装置、11はパルスの振幅制御装置、12は電極を示す。」 (ホ) 第3図には、パルス周期、パルス幅、パルス振幅及びパルス数を変更した例が、第4図には、出力波形の例として、連続波の周波数変調した例及び振幅変調した例が示されている。 C.(2) *特開平3-47969号公報 (イ) 特許請求の範囲 「1.真空状態に排気された反応容器内に原料ガスを供給し、該反応容器の中央部に配置されて電気的に大地電位にある支持体を加熱しながら該支持体と対向して設置された電極に高周波電力を印加して該電極と前記支持体との間にグロー放電を生じさせ、両者間をプラズマ状態にして前記原料ガスを分解して前記支持体の表面にアモルファスシリコン膜を形成する化学気相成長式アモルファスシリコン膜作成装置において、前記支持体表面に直接高周波電流を流してグロー放電を生じさせ、該支持体表面におけるプラズマ濃度を増大して薄膜形成速度を上昇させる前記高周波電源とは別系統の高周波電源およびマッチング回路が設けてあることを特徴とするアモルファスシリコン膜作成装置。」 (ロ) 〔作用〕 「 本発明のアモルファスシリコン膜作成装置では支持体表面にアモルファスシリコン膜を形成する場合、薄膜形成速度を上昇させるため通常の高周波電源の他にこれとは別系統の高周波電源系を設け、この別系統の高周波電源より支持体表面に直接高周波電流を流して表面付近にグロー放電を生じさせるようにしているので、このグロー放電と従来の高周波電源によるグロー放電とによって支持体表面のプラズマ濃度を増加して薄膜形成速度を上昇させることができる。」 (ハ) 〔実施例〕の一部(2頁右下欄、13〜18行) 「 この状態で高周波電源11を稼働しマッチング回路12より回路の同調をとりながら電極2より大地間に高周波電力を印加し、同時に別系統の高周波電源17を稼働してマッチング回路18により回路の同調をとりながら抵抗19を通して支持体3の表面に直接高周波電流を流した。」 (ニ) 〔実施例〕の一部(3頁左上欄1〜11行) 「 高周波電源11より電力が印加されると第3図に示す装置の場合と同様に電極2と支持体3の間にグロー放電が生じて支持体3の近辺がプラズマ化される。ついで高周波電極17より電力が印加されると支持体3の表面にグロー放電が生じて表面付近がプラズマ化される。この場合、両電源の位相は一致させる。このようにして支持体3の近辺は両高周波電源12及び17よりの電力印加によりプラズマ濃度が大幅に増大するので、このプラズマ濃度の増大により薄膜形成速度が飛躍的に上昇することになる。」 C(3) *特開昭60-62113号公報 (イ) 特許請求の範囲 「1.1気圧以下の減圧状態に保持された反応容器と、該反応容器に反応性気体を供給する系と、不要反応生成物またはキャリアガスを真空排気する排気系とを具備したプラズマ気相反応装置において、前記反応容器内に設けられた前記反応性気体を前記供給手段より前記排気手段に導く筒状空間を有し、該空間内に前記基板を配設するとともに、前記基板表面に概略平行に第1の電界と、該第1の電界に直交または概略直交して第2の電界とを供給する手段を有してなる該基板上に被膜を形成することを特徴とするプラズマCVD装置。 2.特許請求の範囲第1項において、筒状空間内に配設された基板を囲んで、第1の電界を発生させる一対の第1の電極と、該電界に直交または概略直交した第2の電界を発生させる一対の第2の電極を具備するとともに、前記第1の電極と第2の電極における該電極の裏面側は絶縁物フードより覆われて設けられたことを特徴とするプラズマCVD装置。 3.特許請求の範囲第1項において、第1の電界と第2の電界は同一周波数とし、リサージュ波形を有せしめたことを特徴とするプラズマCVD装置。 4.1気圧以下の減圧状態に保持された反応容器と、該反応容器に反応性気体を供給する系と、不要反応生成物またはキャリアガスを真空排気する排気系とを具備したプラズマ気相反応装置において、前記反応容器内に設けられた前記反応性気体を前記供給手段より前記排気手段に導く筒状空間を有し、該空間内に前記基板を配設するとともに、前記基板表面に概略平行に第1の電界と、該第1の電界に直交または概略直交して第2の電界とを供給する手段を有するとともに、前記空間と前記第1または第2の電極間には網または多孔状導体のグリッドが配設されたことを特徴とするプラズマCVD装置。」 (ロ) (3頁右上欄、14行〜同左下欄、6行) 「 このため本発明はかかる膜厚の不均一性を防ぎ四角形の被形成面のすべての周辺部、中央部も所定の厚さに対しその厚さのバラツキが±5%以内とするため、電極を2対とし、それぞれの対をなす電極を互いに直交する方向に電気エネルギを供給することを特徴としている。 即ち、前記した第1の電界に直交または概略直交(以下単に直交という)して第2の電界を供給せしめて、端部での電束密度が小さくなることを防いだ。さらに本発明はこれら2つの電極から基板の被形成面が電気的に浮いた(フローティング)電位とすることにより、プラズマエネルギが被形成面をスパッタする程度を軽減せしめた。」 (ハ) (5頁右上欄、1〜14行) 「 さらにこの穴(42)の間にはプラズマ放電用の負電極(23)を有し、これはリード(49)を経て電気エネルギ供給用の発振器(21)(10KHz〜50MHz例えば13.56MHzまたは30KHz 10W〜1KW)に至っている。他方の正の端子(22)は排気手段(47)のフード上に設けられて網目状または多孔状の正電極(25)に接続されている。 また第2の発振器(85)(10KHz〜50MHz 例えば13.56MHzまたは30KHz 10W〜1KW)により図面において前後方向に第2の電界が発生するように電極(72)、(82)を具備せしめた。この2対の電極により、同一周波数とすると、リサージュパターンを有せしめ、周辺部まで均一な被膜を作ることができるようになった。」 (4) 特開昭63-42115号公報 (イ) 特許請求の範囲 「1.大気より減圧状態に保持された反応室内に被膜作成用反応性基体を導入し、該反応性基体に誘導エネルギを加え、分解または活性化し被膜を作成する方法において、一対の平行平板電極間に複数枚の被膜形成用基板を該電極に対し垂直に配設し、前記電極間に高周波電力を振幅変調した高周波電力を加えて、前記反応性基体を分解または活性化せしめ前記基板上に被膜を作成することを特徴とする被膜作成方法。 2.特許請求の範囲第1項において、前記高周波電力を振幅変調する回数は5秒間に1回以上であることをことを特徴とする被膜作成方法。 3.特許請求の範囲第1項において、前記高周波電力を振幅変調する変調度は50%以下であることを特徴とする被膜作成方法。」 (ロ) 〔実施例〕の一部(3頁右上欄、8〜12行) 「 次に、上下の平行平板電極(21)間に13.56MHzの高周波電力を印加し、プラズマ放電は上下の電極フード(18)及び基板支持トレー(24)の側面にて構成される空間中に閉じこめられ、反応質(13)の内壁まで達していない。」 (ハ) 〔実施例〕の一部(3頁右上欄、17行〜同左下欄、7行) 「 この電極間に印加する高周波電力は振幅変調されており、その回数は1〜5秒に一回で、変調度は最大で50%であった。・・・。 本実施例においては、高周波出力MAX時100WMIN時60Wで約20分間非単結晶珪素半導体を基板上に約5000Aの厚さに形成した。この場合300mm×400mmの大きさの基板にて±5%の膜厚分布に入ることができた。」 D. 特開平1-140723号公報 (イ) 特許請求の範囲 「1.誘電体物質で形成されて内部に処理対象の試料が配置され、ガス導入口と真空排気口が開口する真空容器と、この真空容器の周囲に配置され、真空容器に向けてマイクロ波を放射するマイクロ波放射アンテナと、このマイクロ波放射アンテナにマイクロ波を導入するマイクロ波伝送手段とを備えたマイクロ波によるプラズマ処理装置。」 (ロ) 産業上の利用分野(1頁左下欄) 「 本発明は、半導体基板あるいは薄膜デバイスなどをプラズマ処理し、特にレジストの除去を行うためのマイクロ波によるプラズマ処理装置に関する。」 (ハ) 作用(2頁右上欄、17行〜同左下欄、4行) 「 上記構成により、真空容器の周囲に設けたマイクロ波放射アンテナが、真空容器の形状に影響されることなく、マイクロ波を真空容器に向けて放射するので、マイクロ波が真空容器内に効率よく導入される。このため、真空容器内に配置した試料のレジストが、放射されたマイクロ波により真空容器のガス中に生ずるプラズマによって、均一に高速で除去される。」 〔四〕 判断 第一 本願明細書の特許請求の範囲の請求項1の構成の発明(以下では、本願発明1という。)について (1) 相違点 上記〔三〕B.(1)〜同(5)及び同C(1)〜同(4)にあげた引例には、「反応性ガス用入口および基板支持体を有する真空チャンバを備えるプラズマ反応装置」が記載され、このうちのB.の引例には、「異なる所定高周波数」の高周波を使用する、基板上に被膜を形成するためのプラズマ反応装置の発明が記載されていると認められる(なお、本願明細書にも、複数の独立した高周波源を用いる化学気相堆積装置は従来から知られていると記載されている。)。 しかしながら、本願発明1は、上記請求項1の A.「異なる所定高周波数で少なくとも2つの成分を有する少なくとも2つの複合高周波波形を発生する」波形シンセサイザー、及び B.広帯域高周波出力増幅器を 利用する点では、上記各引例に記載されている発明と相違していると認められる。 (2) 上記(1)A.の相違点について (イ) 上記〔三〕B.(1)〜同(5)〔ただし、同(2)を除く。〕及び〔三〕C.の諸引例によれば、従来から、複数の高周波を印加するに際して、種々の調整をする必要があることが認識されていたものと認められる。すなわち、 (α) 特開昭56-45760号公報{上記〔三〕(1)B.の引例}には、「例えば周波数13.56〔NHz〕の発振電源11から5〔MHz〕以下の周波数をカットするハイパス・フィルタ12を通じて対向電極に5〔W〕の電力を印加し、同じく周波数400〔KHz〕の発振電源13から1〔MHz〕以上の周波数をカットするローパス・フィルタ14を通して同じく電極に25〔W〕の電力を印加して、二つの周波数を重ね合わせた放電を起こさせる」と、「上記の両方の周波数の短所を打ち消して、長所のみ取り出した状態を得ることが出来る」{上記〔三〕B.(1)(ハ)参照}とされ、 (β) 特開平3-204925号公報{上記〔三〕B.(4)の引例}には、「前記励起活性種源ガスの圧力、流量、高周波電力等の条件を適宜組合わせて間接的に制御せざるを得ない。」{〔三〕B.(4)(ニ)}とされ、さらに、「導入するガスやプラズマ励起周波数を変えることにより、エッチングや成膜にも応用可能であり、生産性に優れる」プラズマプロセス用装置を提供するされ{同(ホ)}、 (γ) 特開昭57-19034号公報{上記〔三〕B.(5)(ロ)及び同(ハ)を参照}には、 (i)「膜質の良いSi3N4膜を得る1つの手段として高周波電源5の周波数を成膜途中でたとえば13.56MHz→400KHz→13.56MHzというように複数回変えながら成膜する方法も提案されているが、このような方法では周波数の変更に伴いマッチングの補正も高周波電力等もそれぞれの周波数に適したものに精度よく制御しなければならず、装置や成膜工程の複雑化は避けられない。」とされ、また、(ii)上記引例の特許請求の範囲に記載されている発明に関連して、「この際高周波電源10および5における周波数、高周波出力などを互いに異なった条件で選択設定することにより、従来反応領域7のプラズマ発生用電極5a、5b間に印加する高周波電源6の周波数を成膜途中で変更した場合と 実質的に同様の効果が得られる。その結果膜質の良い薄膜をウェハB表面に成長させることができるのである。」とされ、 (δ) 特開平1-14996号公報{上記〔三〕C.(1)(ニ)及び同(ホ)を参照}には、 「上記アクティブプラズマとアフターグロープラズマとを、印加パルス電力のパルスの幅、周期、振幅及び個数を用いると共に、適当に組み合わせて制御することによるパルスの幅-周波数-振幅-個数組合せ変調方式により、上記物理量等を時間的、空間的に広範かつ任意に制御できる」と、また、パルス化されているとはいえ、高周波を周波数変調した例や振幅変調した例が示され、 (ε) また、特開平3-47969号公報{上記〔三〕C.(2)(ニ)参照}には、 「高周波電源11より電力が印加されると・・・支持体3の近辺がプラズマ化される。ついで高周波電極17より電力が印加されると支持体3の・・・表面付近がプラズマ化される。この場合、両電源の位相は一致させる。このようにして支持体3の近辺は両高周波電源12及び17よりの電力印加によりプラズマ濃度が大幅に増大するので、このプラズマ濃度の増大により薄膜形成速度が飛躍的に上昇することになる。」 とされているのであるから、 (ζ) 以上(α)から(ε)までの各例によれば、複数の高周波を使用する公知のプラズマ反応装置において、複数の高周波を印加する際に、それらの高周波の周波数の異同にかかわらず、それらの高周波をたがいに調整する必要があることは、従来から知られていたことであり、本願発明によってはじめて提起された課題であるとは認められない。 (2)(ロ) ところで、当業者は、複数の高周波のそれぞれの周波数、相対振幅や位相等を設定し、あるいは固定する必要がある場合には、そのような機能を有する汎用の機器を必要に応じて使用するものと認められるから、引例1に記載されている波形シンセサイザー{上記〔三〕A.の引例によれば、波形シンセサイザー自体は、高周波発生器として汎用の機器であり、その機能は周知であるものと認められる。}を使用することは、当業者ならば、容易にできることであると認められる。 なお、審判請求人は、審判請求の理由でも、波形シンセサイザー及びその機能自体が周知であることを認めている{上記〔二〕(ハ)参照}。 (2)(ハ) 本願出願人は、本願発明1の「少なくとも2つの成分を有する少なくとも2つの複合高周波波形を発生する波形シンセサイザー」はプログラマブルであるから、上記の調整が容易にできると主張している{上記〔二〕(ロ)を参照}が、これは上記シンセサイザーの特徴として周知であると認められるし、また、一方では、本願発明1のプラズマ反応装置の能力が上記シンセサイザー自体ではなく、どのようなプログラムを採用するかに依存していることを示しており、シンセサイザーを利用しさえずれば、本願発明1が所期の目的を達するというものではないことを示してもいると認められる。 なお、本願明細書には、本願発明1のプラズマ反応装置を望ましいように動作させるための技術的知識に基づいたプログラムが具体的に説明されているわけではないし、また、特許請求の範囲の各請求項のいずれにおいても、そのようなプログラムが構成要件とされているわけでもない。 (2)(ニ) そして、上記〔二〕(イ)の【0003】によれば、それぞれの高周波の周波数の相対振幅を調整することが難しく、また、それらの発生する高周波の位相固定が難しく、ドリフトや不安定性の問題を有していると記載されているが、波形シンセサイザーを使用した結果、単に複数の高周波発生器を使用したのでは不可能な微妙な調整が可能となり、そのために、本願発明1が基板上の被膜の膜質がどのように改良されたかについては、格別具体的に説明されているわけではない。 (2)(ホ) 以上によれば、上記相違点A.は、当業者が必要に応じてできる工夫にすぎないと認められる。 (3) 上記(1)B.の相違点について また、本願発明1で使用する広帯域増幅器も、上記シンセサイザーをプラズマ反応装置に使用するからには、当業者ならば、必要に応じてできることにすぎないと認められる。 (4) なお、本願発明1で、「前記シンセサイザーが前記チャンバに結合される」際に使用することができる電磁カプラの例も、上記〔三〕D.にあげた引例に記載されており、当業者が必要に応じて使用できるものと認められる。 また、本願明細書には、電磁カプラについて具体的な説明はなく、上記電磁カプラは、単に高周波をプラズマ反応室に印加するために必要に応じて使用される技術手段を採用した意義しかないと認められる。 (5) 本願発明1は、本願明細書の請求項1に記載された波形シンセサイザー及び広帯域高周波増幅器を使用することによって、予想外の効果を奏したものとは認められない。 なお、当審は、本件審判請求人に、平成11年8月30日の面接において、波形シンセサイザーを使用すると、製品の品質において、具体的にどのような改善がされたのかについて説明を求めたが、請求人は、波形シンセサイザを使用することによって解決される可能性がある事柄を列挙するだけで、格別具体的な結果を示さなかった。 (6) したがって、本願発明1は、上記〔三〕A.からD.までに列挙した各引例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。 第二 本願明細書の特許請求の範囲の請求項2から同8までの各請求項の構成の発明も、本願発明1にさらに格別の工夫を付加したものとは認められない。 そうすると、上記各発明もまた、上記〔三〕A.から〔三〕D.までに列挙した各引例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。 〔五〕 したがって、本願明細書の特許請求の範囲の請求項1から同8までの各請求項の構成のいずれの発明も、特許法第29条第2項の規定によって、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-12-03 |
結審通知日 | 1999-12-21 |
審決日 | 1999-12-03 |
出願番号 | 特願平4-35202 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(C23C)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山本 一正 |
特許庁審判長 |
吉田 敏明 |
特許庁審判官 |
能美 知康 森竹 義昭 |
発明の名称 | プラズマ反応装置及び薄膜形成方法 |
代理人 | 山田 行一 |
代理人 | 寺崎 史朗 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 塩田 辰也 |