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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) H04M
管理番号 1013933
審判番号 審判1995-28109  
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1983-11-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 1995-12-27 
確定日 2000-04-13 
事件の表示 上記当事者間の特許第1582766号発明「異常通報装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第1582766号発明の明細書の特許請求の範囲第1項に記載された発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 I、手続きの経緯
本件第1582766号特許は、昭和57年5月24日に出願され、昭和63年7月26日に出願公告(特公昭63-037549号)された後、平成2年4月27日に設定の登録(発明の数2)がなされたものである。
請求人は、本件特許の明細書の特許請求の範囲第1項に記載された発明(以下、本件第1の発明と言う。)は、甲第1号証(米国特許第4、284、849号明細書、1981年8月18日特許、以下第1引用例という。)に記載された発明と同一又は甲第1号証、甲第2号証(特開昭57-69964号公報、昭和57年4月30日公開、以下、第2引用例という。)、甲第3号証(米国特許第4、086、434号明細書、1978年4月25日特許、以下、引用例3という。)、甲第4号証(特公昭53-34880号公報、昭和53年9月22日公告、以下、引用例4という。)、甲第5号証(特開昭54-151396号公報、昭和54年11月28日公開、以下、引用例5という。)記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることが出来たものであり、特許法第29条第1項第3号又は同法同条第2項の規定により特許を受けることが出来ないものであるから、本件特許は同法第123条第1項第1号により、無効とすべきである主張した。これに対し、被請求人は、平成8年4月30日付で訂正請求書及び答弁書(証拠として乙第1号証(イ):甲第1号証の第2及び3欄、乙第1号証(ロ):甲第I号証の第98欄、乙第2号証:特公昭53-37549号公報)を提出し、本件無効審判の請求は成り立たないとされるべきであると主張した。更に、これに対し、請求人は弁駁書において、訂正請求は不適法であり、仮に訂正請求が適法であっても本件特許は依然として無効とすべきであると主張する。
II、訂正の可否
被請求人は、前記訂正請求書において、「話中検出手段とその他の構成要件との関係」が不明瞭であったこと」(以下、被請求人の主張▲1▼という。)、及び、「話中であっても前記発呼要請情報を検出すると話中回線を強制的に解放するの意味が不明瞭であった」(以下、被請求人の主張▲2▼という。)ので、特許法第123条第2項第3号の明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書中特許請求の範囲の第1項及び第2項において、「前記発呼要請情報に応答して前記回線閉結手段を異常通報装置側へ切り換えるとともに一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に解放する回線開放手段」とあるのを、「前記発呼要請情報を検出する手段の発呼要請情報に応答して前記回線閉結手段を異常通報装置側へ切り換えるとともに前記話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、前記計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放する回線開放手段」と訂正した。
請求人は、これに対し、本件訂正請求は、何が不明瞭であったかが明確にされておらず、その上、訂正請求の通り訂正されても本件特許請求の範囲の記載は依然として不明瞭であるとし、具体的に、被請求人の主張▲1▼における「その他の構成要件」とは如何なる構成であるか不明であり(以下、請求人の主張▲1▼という。)、被請求人の主張▲2▼に対し、「話中であっても」は文言解釈上「非話中も話中であっても」と解釈されるべきところ、本件訂正は話中の回線を強制的に解放する「回線解放手段」に限って行われるものであり、非話中時の通報のための構成については何等訂正するものではなく、本件特許の特許請求の範囲は依然として不明瞭であり(以下、請求人の主張▲2▼という。)、訂正後の「前記話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、前記計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止する」の記載では、電話回線が話中になった後に発呼要請情報が発生した場合、計時手段が起動するのは、話中になった時点か発呼要請情報が発生した時点か不明であり、又、「計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止する」のは、明細書の実施例によれば発呼要請情報の検出と話中の検出とによるものであるのに係わらず、この点が不明瞭であり(以下、請求人の主張▲3▼という。)、本件訂正の「話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、」なる文言を特許請求の範囲に追加することは、前記「話中であっても」の意味を「強制的に開放」することに限定しようとするものであり、非話中時の実施例の構成に対応する各構成要件(A)〜(d2)(請求人の付した記号を採用した)の存在意義を排除し、非話中時に監視局と回線接続するという要件を削除するものであるから、本件訂正は特許請求の範囲を変更乃至拡張するものに他ならない。しかも、本件訂正は、異常事態が発生した場合に話中及び非話中に拘わらず「発呼要請情報の警備本部への迅速かつ確実な通報を行い得るようにすることにある」ところの本件特許の第1の発明の目的を、話中の場合に迅速かつ確実な通報を行い得るようにすることに変更するものであり、かかる訂正は本件特許の第1の発明に目的を変更するものである。(請求人の主張▲4▼)
そこで、請求人の主張について検討するに、請求人の主張▲1▼について、「回線解放手段」が強制的に解放するのは話中の回線であり、回線の話中を検出するのは「話中検出手段」であるから、他の構成要件とは「回線開放手段」であることは明らかであり、請求人の主張▲2▼について、「非話中も話中であっても」行われるのは、「監視局と回線接続することにより発呼要請情報を監視局へ通報すること」であることは明らかであるから、「話中検出手段」と「回線開放手段」との関係を明瞭にするだけの訂正で充分であり、非話中時の構成について訂正する必要はない。請求人の主張▲3▼について、電話回線が話中になった後に発呼要請情報が発生した場合、計時手段が起動する時点は、必ずしも明確ではないが、本件発明の目的が「異常通報」であるこからして発呼要請情報が発生した時点以後であることは明らかであり、かつ、本件第1の発明の構成が「計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放する」のであるから、計時手段が起動する時点を明示する必要はない。請求人の主張▲4▼について、「前記話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、」という訂正は、「話中検出手段」と「回線開放手段」との関係を明瞭にしたものであって、「話中であっても・・・・・前記発呼要求情報を監視局へ通報する」ことに変わりなく、上記訂正は明瞭でない記載の釈明に相当する。
従って、本件訂正は、特許法第134条第2項第3号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第134条第5項により準用する特許法第126条第2項の規定に違反するものでもなく、適法な請求である。
III、引用例1、3の記載
引用例1には、第1図、第56図、第62図の説明として、「このシステムはさらに、火災警報状態および保安(例えば、強盗)警報状態の監視など、個人の健康管理に特定的および直接的には関係しないながらも保安の見地から重要な他の誓報状態を監視する機能を有する。」(明細書第9欄第44〜49行)、「火災、保安侵害(例えば、強盗)、またはその他の警報状況を検出する複数のセンサを、それらのセンサの瞬時オンオフ状態を読み取るために使用されるバッファ16に直結することができる。これらの様々なセンサを第1の火災センサ(FIRE SENSOR NO.1)、第2の火災センサ(FIRE SENSOR NO.2)、第1の保安センサ(SECURITY SENSOR NO.1)、および第2の保安センサ(SECURITY SENSOR NO.2)として図1に示す。図1には示していないが、センサSの直結バーンヨンを、上述のrf形とは異なり、バッファ16またはその他の類似のバッファに結合することもできる。以下で詳しく論じるように、バッファ16に結合された様々な直結センサの状態が中央処理装置CPUによって迅速に判定され、どれか1つの直結センサの状態が警報状態を示す場合、警報シーケンスが開始される。」(明細書第11欄第44〜65行)「警報シーケンスは、バッファ16に接続された直結センサ(例えば、保安または火災、あるいはその両方)が警報状態を示す状態である場合に中央処理装置CPUによって開始することもできる。このために、中央処理装置CPUは、バッファ16に頻繁にかつ周期的に問合せを行い、直結センサによって生成された警報状態を検出するようにプログラムされている。」(明細書第18欄第15〜22行)「中央処理装置CPUは、情報シーケンスでの中央通信センターCCCとの通信を確立する際に、データ伝送回路30と共働するように構成されており、このデータ伝送回路30はモデム増幅器・フィルタ回路32を介して、中央処理装置CPUとインターフェースをとり、また電話機TL並びに電話会社交換局(C.0.)および中央通信センターCCCへの標準電話回線とのインタフェースをとる。中央通信センターCCCとの通信を開始する際に、データ伝送回路30は、中央処理装置CPUによってボート0のビット位置0ないし2に生成された信号の制御下でダイヤリング・シーケンスを実行するように構成されている。このダイヤリング・シーケンスは、前述のように、(a)電話回線を補捉(seize)するステップ、具体的には、電話回線から電話機TLを電気的に切り離すことによって捕捉するステップと、(b)ダイヤリング動作で使用される直流(dc)ダイヤリ・ループをデータ伝送回路30内に確立するステップと、(C)電話会社交換局(C.0.)に関連する標準ダイヤル・トーン期間を超える所定の期間の後に、中央通信センターCCCの電話番号に従ってデータ伝送回路30内に確立されたdcループをメークおよびブレークすることによってダイアリング動作を実行するステップとを含む。」(明細書第67欄第16〜40行)、「図29に示したSTART分岐動作は、上述のダイヤリング・シーケンスに備えて、データ伝送回路80の所定の構成要素、具体的には図56に示した短絡リレーKIおよびダイヤル・リレーK2の初期化から開始する。」(明細書第68欄68行〜第69欄第14行)、「ダイヤル・リレーK2は、ダイヤング動作に備えて励磁状態になる。」(明細書第69欄第47〜48行)、「図30に示したD-0分岐動作で、最初に行われる動作は、電話機TLが電話回線から電気的に切り離されるように、図56に示したデータ伝送回路30内のライン・リレーK3を励磁状態すなわち「オン」状態に操作する動作である。従って、この動作は進行中のいかなる通話またはその他のオフフック状態(例えば、ハンドセットが不注意によりオフフックになった状態など)を終結させ、それにより警報シーケンスが優先するように働く。」(明細書第69欄第57〜65行)「ライン・リレーK3の巻線に印加され、それによってこのリレーは励磁状態すなわち「オン」状態になる。次いで、前述のSECONDSレジスタからカウント5を減じて、DELAY TIME OUTと呼ばれるスクラッチバッドレジスタにこのカウントを記入することによって5秒の期間または遅延が確立される。この5秒の期間は、ダイヤリング動作のために電話回線を捕捉するのに十分な時間を確保するうえで望ましい。」(明細書第70欄第4〜11行)、「ダイヤル・トーンが得られるように電話回線を短絡することによって、電話回線を捕捉する。この後者の動作は、短絡リレーKIを励磁状態すなわち「オン」状態に操作し、ダイヤル・リレーK2を非励磁状態すなわち「オフ…状態に操作することによって行われる。」(明細書第70欄34〜39行)、「SECONDSレジスタらカウント5を減じて、このカウントを前述のようにDELAY TIME OUTレジスタに印加することによって、別の5秒間隔が確立される。」(明細書第70欄第50〜54行)、「2種類のメッセージの送信におけるデータ伝送回路30の使用法の主な違いは、警報メッセージが常に、すなわち電話機TLが使用されていても、使用されていなくても、データ伝送回路30を介して結合されるのに対し、セルフチェックメッセージがデータ伝送回路30を介して結合されるのは、電話機TLが使用されていないときだけであることである。電話機TLのこの後者の状態は、オン/フック条件によって示され、電話機TLの状態を反復的にサンプリングすることにって判定される。以下で詳しく説明するように、リンキング電圧が存在していても、存在していなくても行われる、このような反復サンプリング動作の結果を使って、システム中の他のセンサの使用状況と同じ意味で、電話機TLの使用状況を監視活動として示すこともできる。」(明細書第96欄第63行〜第97欄第11行)、「データ伝送回路1の出力端子137は、中央処理装置CPUのボート1のビット位置6に直結され、電話機TLの状態すなわち電話機TLがオンフック状態であるか、それともオフフック状態であるかを中央処理装置CPUに示すために使用される。電話機TLの2つの可能な状態におけるオン/フックからオフ/フックヘの遷移およびオフ/フックからオンノフックヘの遷移は、中央処理装置CPUによって出力端子137で検出することもでき、これはまた電話機TLの使用状況を示すので、監視された活動の1つとして中央処理装置CPUによって使用することもできる。」(明細書第97欄第29〜35行)、「電話状態監視回路140は、後に詳述するが、チップ端子とリング端子T,Rの電圧を検査し、検査時の端子T,R間の電圧が、オンフック状態又はオフフック状態に相当する値により、対応する第1又は第2出力信号を出力端子137に供給する。」(第97欄第58〜66行)、「データ送信シーケンス、すなわちセルフチェックシーケンスまたは警報シーケンスでの図56のデータ伝送回路30の使用法は以下のとおりである。データ送信シーケンスが実行されるときは、前記TELEPHONEルーチンに関して論じた制御信号が、中央処理装置CPUのボート0のビット位置0および1で生成され、反転増幅器12および13によって反転され、図62(C)および図62(E)に示した波形を有する制御信号が生成される。図62(C)の制御信号は、短絡リレーKIの励磁状態を制御するために使用され、図62(E)の制御信号は、ライン・リレーK3の励磁状態を制御するために使用される。短絡リレーKIは、図62(C)の制御信号に応答して作動し、スイチSWIおよび他の同様なスイッチSW3を第1の位置から第2の位置へ作動させるように励磁される。ライン・リレーK3は、図62(E)の制御信号に応答して作動し、前述のスイッチLSを第1の位置から第2の位置へ作動させるように励磁される。スイッチSWIを第1の位置から第2の位置へ作動させることは、抵抗R80およびキャパシタンスCI6をチップ端子およびリング端子T、Rから切り離し、すなわち結合を解除するように働き、スイッチSW3およびLSを第1の位置から第2の位置へ作動させることは、チップ端子Tとりング端子Rの間に連続dcループを確立するように働く。このループは、チップ端子Tから、第2の位置にあるスイッチSW3、第1の位置にあるスイッチSW4(図56に図示)、および第2の位置にあるスイッチLSを通って、リング端子Rへ延びる。スイッチLSを第1の位置から第2の位置へ作動させることは、チップ端子Tおよびリング端子Rから電話機TLを切り離し、すなわち結合を解除するようにも働く。この後者の場合には、加入者が電話機TLを使用しようとしても沈黙が続くばかりであり、すなわち加入者はダイヤル・トーンも得られないので、データ送信シーケンスが進行中であり、かつ加入者は呼出し開始を若干待つべきであることが、加入者に知らされる。上述のようにチップ端子Tとりング端子Rの間にdcループが確立された後、標準ダイヤル・トーンが電話回線を介して電話交換局から受信され、dcループに印加される。このダイヤルトーンは、所定の期間、たとえば短絡リレーK1(図62(C)参照)が作動してから5秒以内に発生するものであり、通常の電話シーケンスの一部である。しかし、本例においては、このダイヤル・トーンはうまくシステムによって無視される。上述の5秒のダイヤル・トーン期間の後およびその後約6秒ないし12秒の期間にわたって、中央処理装置CPUによってボート0のビット位置2で生成され、かつ反転増幅器14によって図62(D)に示した形に反転されたダイヤリング・パルスを使用して、ダイヤル・リレーK2の励磁が制御される。前述のように、このようなダイヤリング・パルスは、警報ンーケンスの場合は主電話番号または副電話番号に、あるいはセルフチェックシーケンスの場合は主電話番号に対応する。典型的には速度が10パルス/秒のダイヤリング・バルスは、ダイヤル・リレーK2をこのダイヤリング・パルス・レートで励磁と非励磁とにして、交換局に対する前述のdcループと直列接続された、関連するスイッチSW4を該ダイヤリング・パルス・レートで第1の位置と第2の位置の間で作動させる。」(明細書第105欄第4行〜第106欄第1行)との記載がある。
引用例3には、「第1図」、「第4A図」、「4D図」とその説明に、「本発明の他の態様によると、緊急状態報告が、火災検知入力または煙検知入力の盗難警報機入力を受信する手段を含むことができ、システムはメモリに記憶されている電話番号から適切な警察署または消防署を呼び出すことによって応答する。メモリからの読み出しによって、緊急事態に遭遇した家の装置の所在地の自動報告も伝われる。」(明細書第3欄第3〜12行)、「参照番号44によって示されている他の1組の4本の入力線が、他のマルチブレクサ回路45に送られる。この4本の入力線は、緊急状態検出用の鞍点閉型のセンサに接続するものである。たとえば、低水圧、停電、盗難警報、および火災検知器用のセンサに接続することができる。これらのデータ線の選択を制御するために、データ・プロセッサからのデータ選択回線29がマルチプレクサ45に接続している。マルチブレクサ45の出力端子からデータ・トランク46が他のマルチプレクサ47の入力端子に接続している。」(明細書第5欄第19〜29行)、「電話通信およびこれによるデータ送信の確立は、ブータ・プロセッサによって以下のように制御される。8ビット・データ出力13は、データ選択回線35による制御が可能なように接続されたデマルチプレクサ回路101にデータ・トランク100を介して接続される。デマルチプレクサ回路101は、データ・トランク102を通ってトーン発生器103に至るデータ経路、またはデータ・トランク104を通ってパルス発生器回路105に至るデータ経路を選択する。トーン発生器103からの出力は、接続線106によってスイッチング回路107に接続され、パルス発生器105の出力は、接続線108によってスイッチ回路107に接続される。スイッング回路107は、データ選択回線35の制御の下に動作し、接続線111を介してトーン発生器またはパルス発生器のスイッチ112との接続を交互に制御し、最終的には電話回線との接続を制御する。スイッチ112は、データ選択線34の制御の下に動作し、データ・プロセッサおよびトーン発生器またはパルス発生器からデータを送信し、あるいは電話回線からデータを受信して線113を介してトーン検出回路114に送る。スイッチ112は、信号線113を介して電話回線スイッチまたはオフ・フック制御機構116に接続される。回線スイッチ116は、呼出しを開始するオフ・フック信号と、電話接続を終了するオン・フック信号を実際上制御するデータ選択線33による制御が可能なように接続される。もちろん、緊急状況で割込みが許容されることを除き、家の居住者による電話の通常の手動動作が回線スイッチ116によって影響を受けることはない。(明細書第6欄第25〜54行)、「同様に、出力端子13からの出力を使用してトーンを発生したり、または非トーン電話交換で使用するパルス列を発生することができる。呼出しを開始するには、データ選択線33が回線スイッチ116に「リフト・フック」を送り、このシステムを電話回線に結合する。スイッチ112が送信に設定され、デマルチブレクサ101とスイッチ107が、所与の設置システムに合わせてトーン発生器またはパルス発生器で使用するようにセットアップされる。次に、電話番号の連続数字のデータがトーン発生器103またはパルス発生器105のいずれか選択された方に渡される。トーン発生器103の場合、トーン発生器103が接続線106に接続された出力で電話システムによるダイヤルのトーンを発生することがでるように、プータをコード化行および列データで表すことができる。あるいは、パルス発生器105を使用する場合は、パルス発生器105はその入力端子に渡されたコード化数字に応答して、接続線108でパルス列出力を供給する。このようにして、電話番号の連続数字がダイヤル出力され、したがって電話接続が確立される。次にスイッチ112が切り替わって信号経路を電話回線から接続線113を介してトーン検出器114に接続する。それと同時に、マルチプレクサ回路86が選択されて接続線87からデータ・プロセッサにデータが渡される。電話接続が確立されると、呼び出された中央局の協調装置がハンドシェーク信号と呼ばれる確認応答信号を送出し、それが装置114で検出され、その受信が接続線87を介してデータ・プロセッサの入力端子に渡される。接続の確立の確認が受信されると、データ・プロセッサは次にトーン発生器103を選択し、任意の必要なデータ形式で場所識別データと計器読取り値または緊急メッセージ信号などを中央局に送信する。送信完了時、遠隔装置はメッセージの終わり信号を送信し、中央局コンピュータがそれに確認応答する。最終確認応答を受信すると、マイクロプロセッサ10はフックを元に戻し、電話接続を切断する。」(明細書第7欄3〜42行)、「ステップ161ないし164のうちのいずれかで結果が肯定的であったために点Aへの分岐が行われた場合)発呼サイクルが開始される。ステップ200で電話回線がチェックされ.回線が使用中であるかどうかが調べられる。使用中である場合、その使用中の呼か装置設定の家からのものであると仮定すると、回線は使用者から捕捉(seize)される。ステップ202で、回線切替えが起動され、ステップ203で、ダイヤル・トーンが受信できるように、所定の時間間隔、たとえば3秒間、待機する。次いでステップ204ないし207で、ステップ161ないし164のうちのどれで呼出しサイクルが開始されたかに応じて、消防署、警察署、電力会社、または水道会社がダイヤルされ、フロー経路はこれらに対応してそれぞれ、実線、破線、点線、およびセンターラインで示されている。」(明細書第9欄第47〜60行)との記載がある。
IV、本件第1発明と引用例1に記載のものとの比較
前記IIにおいて検討したとおり、本件第1の発明は、訂正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。
「1.電話回線を利用して異常情報、警備モード情報等の発呼要請情報を監視局へ通報する異常通報装置において、前記電話回線の話中を検出する話中検出手段と、前記発呼要請情報を検出する検出手段と、回線を閉結する回線閉結手段と、前記監視局を呼び出すダイヤルパルス発生手段と、前記ダイヤルパルス発生手段からのダイヤルパルスを停止する時間を設定する計時手段とを有し、前記発呼要請情報を検出する手段の発呼要請情報に応答して前記回線閉結手段を異常通報装置側へ切り換えるとともに前記話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、前記計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放する回線開放手段とを備え、話中であっても前記発呼要請情報を検出すると話中回線を強制的に開放した後、前記監視局と回線接続することにより前記発呼要請情報を前記監視局へ通報するようにしたことを特徴とする異常通報装置。」
被請求人は、乙第1号証(イ)、乙第2号証(なおこれは、本件特許の公告時の明細書である。)をもとに、引用例1の発明の火災警報情報等の通報は年配者等の特定対象者の健康管理のための観察に副次的ないし付随的なものであり、本件発明の電話回線の利用は、異常通報装置を直接の対象とするものである。(以下、被請求人の主張▲3▼という。)、又、乙1号証(ロ)をもとに、引用例1の「電話状態監視回路140」は、年配者等の特定人の電話機TL使用状況を検出するものであり、本件発明の「話中検出手段」に相当するものではないから、引用例1は、「話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、前記計時手段が設定し一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放するものではない(以下、被請求人の主張▲4▼という。)、と主張する。
そこで、上記被請求人の主張を検討すると、被請求人の主張▲3▼について、引用例1のものも副次的であっても火災警報を通報している以上異常通報装置であることの変わりはなく、又、被請求人の主張▲4▼について、第1引用例のものも、「第1、第2の火災センサー等のセンサー及びバッファーからの信号によりリレーK3のスイッチLSを遠隔制御装置側に切り換え、中央処理装置CPU内のSECONDSレジスタが設定した一定時間だけリレーK1の接点SW3をオフ,リレーK2の接点SW4をオンにするものであり、該一定時間、回線は直流的に遮断状態、即ち回線は強制的に開放される」ものであるから、引用例1のものも本件発明の「回線開放手段」を有するものである。
そこで、両者を比較すると、引用例1の「中央通信センター」は本件発明の「監視局」に相当し、同じく、「第1、第2の火災センサー等のセンサー及びバッファー」は「検出手段」に、「リレーK3のスイッチLS]は「回線閉結手段」に、「リレーK2のスッチSW4」は「ダイヤルパルス発生手段」に、「中央処理装置CPU内のSECONDSレジスタ」は「計時手段」に相当し、両者は、電話回線を利用して異常情報、警備モード情報等の発呼要請情報を監視局へ通報する異常通報装置において、前記発呼要請情報を検出する検出手段と、回線を閉結する回線閉結手段と、前記監視局を呼び出すダイヤルパルス発生手段と、前記ダイヤルパルス発生手段からのダイヤルパルスを停止する時間を設定する計時手段とを有し、前記発呼要請情報を検出する手段の発呼要請情報に応答して前記回線閉結手段を異常通報装置側へ切り換えるとともに、前記計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放する回線開放手段とを備え、話中であっても前記発呼要請情報を検出すると話中回線を強制的に開放した後、前記監視局と回線接続することにより前記発呼要請情報を前記監視局へ通報するようにしたことを特徴とする異常通報装置である点で一致し、引用例1のものには、電話回線の話中を検出する話中検出回路を設けることは明示されていない点で相違する。
V、本件第1の特許発明と引用例1の発明との相違点に対する判断
引用例3には、火災検出器接点が閉じとたき電話回線が使用中であるかを調べ、使用中であれば、使用者から回線を捕捉し回線切換を起動し、使用中でなければ通常の電話と同様に、異常を通報することが記載されているから、引用例3のものも本件発明の「話中検出手段」を有するものである。
そして、引用例1と引用例3は本件第1発明と同じ異常通報装置という技術分野に属するものであり、さらに、引用例1の「電話状態監視装置」は前記したように「話中検出」をするとは明示されてはいないが、その実施例によれば話中を検出できることは明らかであるから、引用例1における「電話状態監視装置」を引用例3のように「話中検出手段」として本件第1の発明のようにすることに格別の推考力を要するものとは認められない。
したがって、本件第1発明は、甲第1及び2号証に記載されたものから当業者が容易に発明をすることが出来たものであるから、特許報第29条第2項の規定により特許を受けることが出来ない。
VI、むすび
以上のとおりであるから、本件第1発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反して成されたものであり、同法第123条第1項第1号の規程により無効とすべきものである。
よって、結論の通り審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
異常通報装置
(57)【特許請求の範囲】
1.電話回線を利用して異常情報、警備モード情報等の発呼要請情報を監視局へ通報する異常通報装置において、
前記電話回線の話中を検出する話中検出手段と、
前記発呼要請情報を検出する検出手段と、
回線を閉結する回線閉結手段と、前記監視局を呼び出すダイヤルパルス発生手段と、前記ダイヤルパルス発生手段からのダイヤルパルスを停止する時間を設定する計時手段とを有し、前記発呼要請情報を検出する手段の発呼要請情報に応答して前記回線閉結手段を異常通報装置側へ切り換えるとともに前記話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、前記計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放する回線開放手段とを備え、
話中であっても前記発呼要請情報を検出すると話中回線を強制的に開放した後、前記監視局と回線接続することにより前記発呼要請情報を前記監視局へ通報するようにしたことを特徴とする異常通報装置。
2.電話回線を利用して異常情報、警備モード情報等の発呼要請情報を監視局へ通報する異常通報装置において、
前記電話回線の話中を検出する話中検出手段と、
前記発呼要請情報を検出する検出手段と、
前記発呼要請情報を回線開放前に被呼者に通報する音声メッセージ送出手段と、
回線を閉結する回線閉結手段と、前記監視局を呼び出すダイヤルパルス発生手段と、前記音声メッセージ送出手段を所定時間起動し、前記所定時間経過後、前記ダイヤルパルス発生手段からのダイヤルパルスを停止する時間を設定する計時手段とを有し、前記発呼要請情報を検出する手段の発呼要請情報に応答して前記回線閉結手段を異常通報装置側へ切り換えるとともに前記話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、前記計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放する回線開放手段とを備え、
話中であっても前記発呼要請情報を検出すると音声メッセージ送出後話中回線を強制的に開放した後、前記監視局と回線接続することにより前記発呼要請情報を前記監視局へ通報するようにしたことを特徴とする異常通報装置。
【発明の詳細な説明】
本発明は、電話回線を利用して異常情報または警備モード情報を監視局すなわち警備本部に自動的に通報する異常通報装置に関する。
従来の異常通報装置においては、異常の発生時、例えば火災の発生、泥棒等の侵入、または他の異常時に異常通報装置の取付けられた加入者側の電話器が話中の場合には異常情報を迅速に警備本部に通報することができなかつた。従つて従来の異常通報装置では話中に異常事態が発生した場合、特に火災が発生した場合あるいは非常押釦を押した場合に電話回線が開放されるまで異常通報を保留せねばならずその保留された時間中に被害が拡大する可能性がある。また、加害者が通報を阻害する意図をもつて故意に回線を使用状態にさせ、その間に加害行為を行うことにより被害を生ずる危険性もあつた。
本発明は上述の問題点を解決するために提案されるものであり、その目的とするところは、電話回線を利用して異常情報または警備モード情報を警備本部に自動的に通報する異常通報装置において発呼要請時に電話回線が話中であつても発呼要請情報を警備本部に通報することができ、発呼要請情報の警備本部への迅速かつ確実な通報を行い得るようにすることにある。
本発明は、この目的を達成するために、話中の検出手段と、発呼要請情報の検出手段と、発呼要請情報検出に応答して回線を強制的に開放する手段と、該強制的に開放された回線を通して監視局へ呼出信号を送出する自動呼出手段とを具備し、発呼要請情報が検出されたとき該電話回線を通して該検出された発呼要請情報を監視局へ通報するようにした異常通報装置が提供され、本発明はまた、話中の検出手段と、発呼要請情報検出手段と、発呼要請を被呼者に通報する音声メッセージを送出する手段と、発呼要請情報検出に応答して該音声メッセージを送出した後に回線を強制的に開放する手段と、該強制的に開放された回線を通して監視局へ呼出信号を送出する自動呼出手段とを具備し、発呼要請情報が検出されたとき該電話回線を通して該検出された発呼要請情報を監視局へ通報するようにした異常通報装置、が提供される。
以下、本発明の実施例を図面に従つて詳細に説明する。
第1図は、本発明の一実施例を示すブロック図である。同図において、本発明による異常通報装置は、警備モードの設定と火災、侵入等の異常を感知する発呼要請情報検出手段である感知手段1、該感知手段1の信号に基づいて判定と起動信号を送出する判定起動手段2、回線が空の状態か着信中か話中かを識別し起動信号を送出する識別手段3、回線が話中であれば作動する話中検出手段4、回線が着信中であれば作動する着信信号検出手段5、前記識別手段3からの起動信号に基づいて電話回線を強制的に開放し警備本部にダイヤルパルス信号を送出し警備本部を呼出す自動呼出手段を有する回線開放手段6、極性反転検出手段の反転検出に応答して発生した異常の種類または切替操作器11により設定された警備モードを警備本部に符号化して送出する応答手段7、およびオフフックにより電流の向きすなわち極性の反転を検出し反転信号を送出する極性反転検出手段8により構成される。
前記感知手段1は、例えば警備開始または警備解除の切替が加入者が所持する所定のカードの挿入および抜取により作動する切替操作器11とこの情報を読取り警備状態を設定する警備状態設定回路12、および超音波、赤外線、あるいはリードスイッチ、マイクロスイッチ等を用いた火災検出、侵入検出等を行なう各種の異常感知器13a,13b…13nと該異常感知器の信号の所定のレベル以上を検出し信号を送出する検出回路14a,14b,…14nにより構成される。
本発明の異常通報装置の動作を以下に詳細に述べる。
感知手段1内の切替操作器11に加入者の所持する所定のカードの挿入時または抜取時に警備状態設定回路12により該所定のカードが読取られ判定起動手段2内の判定部21および起動スイッチ22を経て回線開放手段6により送出された信号により、警備本部(図示せず)では当該異常通報装置の取付けられた場所が警備開始時間になつたことを知る。警備解除の場合も同様にカードの挿入時または抜取時により送出される信号により警備本部は当該設置場所が警備解除中であることを知る。但し火災と非常通報の場合には警備解除中であつても判定起動手段2の判定部21は動作し警備本部に異常通報し得るようになつている。また、判定部21においては警備解除中における侵入の検出では起動信号を起動スイッチ22に出力しないようになつている。
はじめに電話回線が空の状態において異常事態が発生した場合の動作について述べる。例えば侵入を感知する感知手段1の異常感知器13a,13b…13nのいずれかで異常を感知すると判定起動手段2に信号が送られ警備時間中であるか警備解除中であるかの判別後警備時間中であれば起動スイッチ22から高レベルの信号が識別手段3のアンドゲートG2,G3の各々の一方の入力に送出される。一方電話回線L1,L2は空の状態であるから話中検出手段4のリレーOHおよび着信信号検出手段5のリレーRGは作動せず従つて識別手段3のアンドゲートG1の2つの入力はいずれも高レベルとなりその出力も高レベルとなる。従つてアンドゲートG3の2つの入力はいずれも高レベルとなりその出力も高レベルとなるが、アンドゲートG2は一方の入力とアンドゲートG1の出力との間にインバータ31が挿入されているのでその出力は低レベルとなり出力しない。アンドゲートG3の高レベルの出力によつて回線開放手段6のダイヤルパルス発生回路61が作動し、回線閉結リレーA、ダイヤルパルスリレーDI、およびシャントリレーDSが作動しリレーAの接点a1,a2、リレーDIの接点di、およびリレーDSの接点dsがオンすることによつて直流閉結ループL1-a1-di-ds-a2-L2が形成される。しかる後ダイヤルパルス発生回路61によつてあらかじめ記憶されている所定のダイヤルパルス信号(例えば警備本部の電話番号)がダイヤルパルスリレーDIの接点diを作動させることにより前記直流閉結ループを通して警備本部にダイヤルされる。警備本部からはこのダイヤルパルス信号に応答して極性反転検出回路8が作動し反転リレーCの接点cが切替り同時に応答手段7の情報用信号選択スイッチ回路71が作動し信号発生回路72からあらかじめ該信号発生回路に記憶されている異常感知器の異常の種類に対応した信号の組合せによる各種のコード化された異常情報が電話回線L1,L2を通して警備本部に送出され、これにより警備本部は発生した異常の種類を知る。しかる後反転リレーCの接点cは復旧し前記直流閉結ループは開放される。
次に電話回線L1,L2が話中の場合の動作を説明する。前述のように感知手段1の異常感知器が異常を感知すると判定起動手段2によつて高レベルの起動信号が識別手段3に送出される。話中検出手段4のリレーOHは話中であるため作動しその接点ohがオンし識別手段3のアンドゲートG1の一方の入力は低レベルとなるが、着信信号検出手段5は作動していないためその接点rgはオフとなりアンドゲートG1の他方の入力は高レベルとなる。従つて識別手段3のアンドゲートG1の出力は低レベルとなり、アンドゲートG2の一方の入力とアンドゲートG1の出力との間にはインバータ31が挿入されているのでアンドゲートG2の2つの入力はいずれも高レベルとなりその出力も高レベルとなる。一方アンドゲートG3の2つの入力は各々低レベルおよび高レベルとなりその出力は低レベルとなり出力しない。アンドゲートG2の高レベルの出力により回線開放手段6のタイマー62が作動し同時に回線閉結リレーAが作動する。タイマー62はダイヤルパルスリレーDIの動作を一定時間例えば3秒以上停止させるためのものであり、リレーDIのオフとリレーAのオンが一定時間継続することにより話中回線が開放される。タイマー62の動作終了後ダイヤルパルスリレーDIおよびシャントリレーDSがオンするように設定されており、この時間の経過後直流閉結ループL1-接点a1-接点di-接点ds-接点a2-L2が形成されリレーDIの接点diによりダイヤルパルス信号が警備本部に送出され以後の動作は前述したものと同様となる。
第2図は本発明の他の実施例としての異常通報装置を示す図であり、音声メッセージ送出回路9を回線開放手段6とリレーCの接点cの間に挿入したものである。該音声メッセージ送出回路9は回線閉結リレーAがオンすると同時にオンし被呼者に対して異常が発生した旨の音声メッセージを所定の時間だけ自動的に送出しその後一定時間例えば3秒以上リレーAがオンしリレーDIが動作せず、この場合話中回線が開放され、その後接点a1が切替りダイヤルパルスリレーDIが作動してその接点diによりダイヤルパルス信号を警備本部に送出するようになつている。これにより被呼者は突然話中を中断されることなく音声メッセージを受けて異常の発生を知り話中が中断したことを知る。
なお本発明の実施例にあたつては話中電話回線の強制的開放を行うことになるが、このような操作が制度上許容されることが前提となるものであることはいうまでもない。また実施例においてはダイヤル方式について説明しているが言うまでもなくプッシュホン方式にも適用可能である。更に発呼要請情報を警備モード情報および異常情報として説明しているが警備モード情報または異常情報のみであつてもよい。また応答手段7より警備本部へ発呼要請情報を符号化して送出しているが音声メッセージを送出してもよい。さらに応答手段7は極性反転により起動されるが、警備本部から応答信号を送出させこの信号を検出することにより該応答手段7を起動させるようにしてもよい。
本発明によれば、話中であつても異常の発生を警備本部に通報することができるので警備レベルが向上しまた故意に回線を話中にしてその間に被害を加える様な危険性がなくなり災害予防にも有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例としての異常通報装置を示すブロック図、
第2図は、本発明の他の実施例としての異常通報装置を示すブロック図である。
(符号の説明)
1…感知手段、 11…切替操作器、
12…警備状態設定回路、 13a〜13n…異常感知器、
14a〜14n…検出回路、 2…判定起動手段、
21…判定部、 22…起動スイッチ、
3…識別手段、 31…インバータ、
G1,G2,G3…アンドゲート、 4,41…話中検出手段、
5,51…着信信号検出手段、 6…回線開放手段、
61…ダイヤルパルス発生回路、 62…タイマー、
A…回線閉結リレー、 DI…ダイヤルパルスリレー、
DS…シャントリレー、 7…応答手段、
71…情報用信号選択スイッチ回路、 72…信号発生回路、
8…極性反転検出回路。
【図面】






 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第1582766号の明細書中特許請求の範囲の第1項及び第2項において、「前記発呼要請情報に応答して前記回線閉結手段を異常通報装置側へ切り換えるとともに一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放する回線開放手段」とあるのを、明りょうでない記載の釈明を目的として「前記発呼要請情報を検出する手段の発呼要請情報に応答して前記回線閉結手段を異常通報装置側へ切り換えるとともに前記話中検出手段が電話回線の話中を検出した場合に、前記計時手段が設定した一定時間だけダイヤルパルスを停止することにより話中の回線を強制的に開放する回線開放手段」と訂正する。
審理終結日 1997-04-30 
結審通知日 1997-06-10 
審決日 1997-06-20 
出願番号 特願昭57-86505
審決分類 P 1 122・ 121- ZA (H04M)
最終処分 成立  
特許庁審判長 松田 昭重
特許庁審判官 谷川 洋
酒井 伸芳
登録日 1990-10-22 
登録番号 特許第1582766号(P1582766)
発明の名称 異常通報装置  
代理人 西山 雅也  
代理人 美勢 克彦  
代理人 石田 敬  
代理人 土屋 繁  
代理人 宇井 正一  
代理人 松本 重敏  
代理人 鈴木 康夫  
代理人 石田 敬  
代理人 戸田 利雄  
代理人 戸田 利雄  
代理人 西山 雅也  
代理人 土屋 繁  
代理人 宇井 正一  

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