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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C04B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C04B
管理番号 1016608
異議申立番号 異議1999-70543  
総通号数 12 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-05-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-02-22 
確定日 1999-12-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2787528号「コンクリート充填鋼枠セグメント」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2787528号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 1、手続の経緯
特許第2787528号の請求項1〜3に係る発明は、平成4年10月15日に特許出願され、平成10年6月5日にその特許の設定登録がなされたものである。
これに対して、城川明子より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内に訂正請求がなされたものである。
2、訂正の適否
2-1、訂正の内容
本件訂正請求書における訂正の内容は、本件特許明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものである。
すなわち、特許請求の範囲の減縮を目的として、
▲1▼訂正事項(ア)、請求項1の「最大骨材寸法が鋼枠の鋼材間隔又は鋼材のかぶり厚さの1/3ないし1/5」を「最大骨材寸法が、鋼枠の鋼材間隔を基準としてその1/3、又は鋼材のかぶり厚さを基準としてその1/5」と訂正する。
さらに、明りょうでない記載の釈明を目的として、
▲2▼訂正事項(イ)、明細書中の記載における「最大骨材寸法が鋼枠の鋼材間隔又は鋼材のかぶり厚さの1/3ないし1/5」(本件特許公報第2頁第4欄段落【0012】)を「最大骨材寸法が、鋼枠の鋼材間隔を基準としてその1/3、又は鋼材のかぶり厚さを基準としてその1/5」と訂正する。
2-2、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張変更の存否
上記訂正事項(ア)は、「最大骨材寸法」を限定するものであり、かっこの事項は明細書に記載(本件特許公報第2頁第4欄第29〜33行)されているから、特許請求の範囲の減縮に該当し、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものではなく、新規事項の追加にも該当しない。
また、上記訂正事項(イ)は特許請求の範囲の減縮を目的とする上記訂正事項(ア)の訂正に伴うものであり、減縮された請求項1の記載と明細書の記載を整合させるために、明りょうでない記載を行うことを目的とする訂正に該当する。
2-3、独立特許要件
2-3-1、訂正発明
本件訂正明細書の請求項1〜3に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】鋼枠内にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼枠セグメントにおいて、上記コンクリートが、水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び微粉末の混和材を原料とし、細骨材率が45〜55%、水/(セメント+混和材)比が25〜35%、スランプフローが55cm〜75cm、空気量が1.5〜3.0%となるように配合したもので、最大骨材寸法が、鋼枠の鋼材間隔を基準としてその1/3、又は鋼材のかぶり厚さを基準としてその1/5(但し、20mmを越えたときは20mm)であることを特徴とするコンクリート充填鋼枠セグメント。
【請求項2】コンクリートには、スランプフロー保持時間を調整するため微量のセルロース系増粘剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート充填鋼枠セグメント。
【請求項3】コンクリートの単位水量が175Kg/m3以下である請求項1又は2に記載のコンクリート充填鋼枠セグメント。」
2-3-2、引用刊行物の記載内容
当審が先に通知した取消理由通知に引用された刊行物1(「コンクリート工学年次論文報告集」社団法人日本コンクリート工学協会、Vol.14,No.1,第119〜124頁(1992年5月20日))には、「鋼コンクリート系サンドイッチ構造におけるコンクリートの充填性能に関する基礎研究」が記載されており、特に次の事項が記載されている。
(a)「鋼殻の内部にコンクリートを充填する鋼コンクリート系サンドイッチ構造に、流動性に優れ、締固め不要コンクリートを用いると、締固め作業をするための開孔が不要になるとともに、一箇所からのコンクリート打設量を飛躍的に増大させることができる。従って、設計・施工上より合理的な鋼コンクリート系サンドイッチ構造の追求が可能になる」(第119頁第2〜5行)
(b)「しかしながら、鋼殻、及びその内部に設置されるダイヤフラム・ウエブ等の補強材の形状・寸法、並びに用いるコンクリートのフレッシュな状態での特性がコンクリートの充填性能に与える影響は未だ定量的に解明されていない。」(第119頁第8〜10行)
(c)「図-1に示す二重鋼殻構造の小型モデルを用い、コンクリートの充填性実験を行った。使用した型枠は、底版が鋼板、側版と上板がアクリル製でできており、両端(貯蔵槽と越流部)以外は四方を型枠で閉鎖されている。補強材の影響を調べるために、中央部に直径125mmの開孔を有するダィャフラムを200mmピッチで9箇所設置したケース・・・」(第119頁第19〜27行)
(d)コンクリートの使用材料は、第120頁の表-1に、セメント(普通ポルトランドセメント)、混和材(高炉スラグ微粉末)、細骨材(山砂(S))、粗骨材(硬質砂岩砕石(G)、比重2.70g/cm3FM=6.65)、混和剤(ナフタリン系高性能AE減水剤)であることが記載されている。
(e)「高性能AE減水剤の添加量は、コンクリートのスランプフロー値が50〜80cmの範囲で変化するように調整した(表2)。」(第120頁7〜11行).
(f)コンクリートの配合は、第120頁の表-2に、細骨材率(s/a)が49%で、水結合材比(W/C)が32〜40%で、Airが2.4%で、コンクリートの水量(W)が179〜199Kg/m3であることが示されている。
同じく刊行物2(「コンクリート工学年次論文報告集」社団法人日本コンクリート工学協会、Vol.13,No.1,第875〜1880頁(1991年6月10日))には、「スラグ系締固め不要コンクリートの基礎特性と充填性実験」が記載されており、特に次の事項が記載されている。
(g)「充填性に優れた、所謂締固め不要コンクリート〔1〕は、コンクリート工事の省力化を図るうえで、また、二重鋼殻函体等、閉鎖断面を有する鋼コンクリート合成構造用コンクリート〔2〕として極めて有効であると考えられる。」(第875頁第2〜4行)
(h)「・・・モルタルの流動性向上させるための混合剤として変性リグニン、アルキルスルホン酸系の高性能AE減水剤を使用した。」(第875頁第23〜26行)
(i)コンクリートの使用材料は、第877頁の表-4に、セメント、スラグ微粉末、細骨材、粗骨材(大井川産川砂利、比重2.65 FM=6.78)、高性能AE減水剤(変性リグニン、アルキルスルホン酸系)からなることが示されている。
(j)締固め不要コンクリートの配合は、第877頁の表-5に、水結合材比(W/C)が32.0%、細骨材率(s/a)が49.4%、コンクリートの水量(W)が179Kg/m3高性能AE減水剤2.60%であることが示されている。
(k)スランプフロー値は、第877頁の図-4に初期の値が70であることが示されている。
同じく刊行物3(「鋼コンクリートサンドイッチ構造設計指針(案)」社団法人土木学会第1、2、23、67頁(平成4年7月20日))には、「鋼コンクリートサンドイッチ構造設計指針」が記載されており、特に次の事項が記載されている。
(l)「本指針における鋼コンクリートサンドイッチ構造とは鋼板とそれにはさまれたコンクリートが一体となって挙動する合成構造である。」(第1頁解説欄)
(m)第1頁解説図1.1.1には、上下の鋼板と、せん断補強鋼板で囲まれた空間にコンクリートが充填され、該コンクリートが補剛材で補強された鋼コンクリートサンドイッチ構造が示されている。
(n)「充填に用いるコンクリートは流動性と材料分離抵抗性に優れ、施工に当たっては締固めを必要としないものでなければならない。」(第67頁下から第7〜5行)。
同じく刊行物4(特開平3-45544号公報)には、コンクリート配合組成物が記載されており、特に次の事項が記載されている。
(i)「セメント、骨材、水、セルロース系またはアクリル系増粘剤、高性能減水剤、AE剤および消泡剤を含み、かつスランプフロー値:45〜65cmおよび空気含有量:4〜6容量%を有するコンクリート配合組成物」(請求項1)
2-3-3、対比・判断
訂正後の請求項1に係る発明(以下、訂正発明という。)と刊行物1〜4に記載の発明を対比する。
訂正発明は、鋼枠内にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼枠セグメントに関する発明であり、分説すると以下の点を構成要件としている。
▲1▼鋼枠内にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼枠セグメントにおいて、
▲2▼上記コンクリートが、水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び微粉末の混和材を原料とし、
▲3▼細骨材率が45〜55%、
▲4▼水/(セメント+混和材)比が25〜35%、
▲5▼スランプフローが55cm〜75cm、
▲6▼空気量が1.5〜3.0%となるように配合したもので、
▲7▼最大骨材寸法が、鋼枠の鋼材間隔を基準としてその1/3、又は鋼材のかぶり厚さを基準としてその1/5(但し、20mmを越えたときは20mm)であることを特徴とするコンクリート充填鋼枠セグメント。
換言すれば、訂正発明は、鋼枠内にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼枠セグメントにおいて、コンクリートを特定の原料とし(上記構成要件▲2▼)、特定の細骨材率とし(上記構成要件▲3▼)、特定の水/(セメント+混和材)比とし(上記構成要件▲4▼)、特定のスランプフロー値とし(上記構成要件▲5▼)、特定の空気量とし(上記構成要件▲6▼)、特定の最大骨材寸法とする(上記構成要件▲7▼)こと、すなわち上記構成要件▲1▼〜▲7▼の全てを有機的に結合することにより明細書記載の効果を奏するというものである。
これに対して、刊行物1には、ダイヤフラムにより補強された底板が鋼製である鋼枠内にコンクリートが充填され、該コンクリートが水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び微粉末の混和材を原料とし、細骨材率が49%で、水結合材比(W/C)が32〜40%で、スランプフロー値が50〜80cmで、空気量が2.4%であることが記載されており、これらは上記構成要件▲1▼〜▲6▼に相当すると云えるが、最大骨材寸法については何も記載も示唆もされていない。
また、刊行物2には、鉄筋コンクリート構造物のモデルにおいて、コンクリートが、水、セメント、紬骨材、粗骨材、混和剤及び微粉末の混和材を原料とし、細骨材率が49.4%で、水結合材比が32.0%で、スランプフロー値が70cmであることが記載されており、これらは上記構成要件▲1▼〜▲5▼に相当すると云えるが、空気量や最大骨材寸法については何も記載も示唆もされていない。
また、刊行物3には、鋼コンクリートサンドイッチ構造については記載されているが、コンクリートの原料、細骨材率、水/(セメント+混和材)比、スランプフロー値、空気量、最大骨材寸法については何も記載も示唆もされていない。
また、刊行物4は、セルロース系の増粘剤について記載されているにすぎない。
上記のように、刊行物1〜4には上記構成要件▲1▼〜▲6▼の一部が単に記載されているのみであって、上記構成要件▲7▼も含めてこれらを有機的に結合することは示唆されていないから、刊行物1〜4に記載の発明を組み合わせて訂正発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得るものであるとすることはできない。
また、訂正後の請求項2、3に係る発明は、訂正発明を引用してなるものであるから、訂正発明と同様の理由により、刊行物1〜4に記載の発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるとすることはできない。
2-3-4、まとめ
以上のとおり、訂正後の請求項1〜3に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2〜4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3、特許異議申立てについて
3-1、申立ての理由の概要
特許異議申立人は、証拠方法として甲第1〜4号証を提出し、請求項1に係る発明の特許は甲第1号証に記載された発明であるか、請求項1〜3に係る発明の特許は甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号、第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。
3-2、甲号各証の記載内容
甲第1〜3号証は、それぞれ上記刊行物1〜3と同じ。
甲第4号証(「化学大辞典9」共立出版株式会社第588〜589頁(昭和54粘11月10日))には、リグニンについて記載されている。
3-3、本件発明
本件請求項1〜3に係る発明は、上記2-3-1において摘記したとおりのものである。
3-3-1、特許法第29条第1項第3号について
上記2-3-3で述べたように、甲第1号証には、最大骨材寸法については何も記載も示唆もされていない。
したがって、請求項1に係る発明は甲第1号証に記載された発明とすることはできない。
なお、最大骨材寸法について特許異議申立人は甲第1号証に記載された発明の粗骨材の比重とFM値が、請求項1に係る発明の実施例における粗骨材のそれらと数値が近いので、甲1号証に記載された発明の粗骨材の大きさと請求項1に係る発明の粗骨材の大きさは実質的に一致する旨主張しているが、FM値の定義からみて最大骨材寸法を定義するものとは云えないから、比重とFM値の一致から、最大骨材寸法の一致までは云えない。
3-3-2、特許法第29条第2項について
甲第1〜3号証については、上記2-3-3で述べたとおりであり、甲第4号証についてはリグニンについて記載されているだけであるから、上記2-3-3で述べた理由で、請求項1に係る発明は、甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到し得るものであるとすることはできない。
請求項2、3に係る発明は、請求項1に係る発明を引用してなるものであるから、請求項1に係る発明と同様の理由により、甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるとすることはできない。
4、むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、本件請求項1〜3に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1〜3に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
コンクリート充填鋼枠セグメント
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼枠内にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼枠セグメントにおいて、上記コンクリートが、水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び微粉末の混和材を原料とし、細骨材率が45〜55%、水/(セメント+混和材)比が25〜35%、スランプフローが55cm〜75cm、空気量が1.5〜3.0%となるように配合したもので、最大骨材寸法が、鋼枠の鋼材間隔を基準としてその1/3、又は鋼材のかぶり厚さを基準としてその1/5(但し、20mmを越えたときは20mm)であることを特徴とするコンクリート充填鋼枠セグメント。
【請求項2】
コンクリートには、スランプフロー保持時間を調整するため微量のセルロース系増粘剤が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート充填鋼枠セグメント。
【請求項3】
コンクリートの単位水量が175Kg/m3以下である請求項1又は2に記載のコンクリート充填鋼枠セグメント。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、コンクリートを振動締め固めをしなくとも鋼枠内にムラなく密実に充填することができる、コンクリート充填鋼枠セグメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の普通コンクリートは次のようにして仕様が決定されていた。
▲1▼ コンクリートの打設作業性の指標はスランプ値で示されている。
▲2▼ コンクリートの配合設計では施工性によりスランプ値が決定される。
▲3▼ スランプ値は細骨材率(s/a)が一定であれば単位水量により決まる。
▲4▼ コンクリート強度は水/セメント比(W/C)で決まる。
【0003】
従って、施工性を良くするため、スランプ値を大きくすると水量(W)が多くなり、また必要なコンクリート強度を確保するためにセメント量(C)が多くなる。水、セメント(ペースト分)が多くなると、骨材が分離しやすくなる(同一強度とした場合)のに加え、収縮率が大きくなり、ひび割れが生ずるなどの問題が発生する。一方、スランプ値を大きくすれば材料分離を起こす。
【0004】
また、従来の例えばRC造に使用されているようなコンクリートの場合、最大骨材寸法は最小鉄筋間隔の2/3以下で、空気量は4.0%程度であったので、これを鋼枠に充填する場合には、締め固めをしないと鋼枠内に充分に充填できず、締め固めが過剰となると材料分離が生ずるとかブリージング率が高いとか気泡の発生が多いとか、特に鋼材に孔があるとその回りで分離した骨材が凝集するなどという問題があった。
【0005】
一方、振動締め固めが不要なコンクリートとしては特開平3-45544号公報に開示のものがある。これは、増粘剤、高性能減水剤、AE剤を添加することにより、水/セメント比(W/C)をほとんど変えずに流動性を高め、スランプフロー値を45cm〜65cmとし、また増粘剤及びAE剤の影響による空気量の増加を抑えるため、消泡剤を添加して空気量を4〜6%としたものである。
【0006】
しかし、これには次のような問題点がある。
(1)コンクリートの配合の考えは普通コンクリートに準じ、施工性を高めるための手段として多量の増粘剤、高性能減水剤、AE剤を用いただけで、強度上は普通コンクリートとほぼ同じである。
【0007】
(2)水/セメント比(W/C)が50%以上と大きいため、コンクリートの収縮性は従来のコンクリートと同様である。
【0008】
(3)鋼材の特性を有効に活用するために必要な高強度(400Kgf/cm2以上)のコンクリートが作れない。
【0009】
(4)空気量が4〜6%と多いため、鋼材との合成構造では鋼材面に空気層が発生し不良となり、また地下の深い場所でのコンクリートの打設では空気が圧縮されて体積が減少する。
【0010】
(5)増粘剤などの混和剤を多量に使用するため、その影響によりコンクリートの凝結時間が長い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、コンクリートを振動締め固めしなくとも、鋼枠の鋼材間、鋼材のかぶり部分及び隅々まで万遍なくかつ密実に充填することができるに加え、充分なコンクリート強度を発現でき、しかもブリージングや材料分離や空気による影響などが少ないコンクリート充填鋼枠セグメントを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンクリート充填鋼枠セグメントで用いるコンクリートは、振動締め固めしなくとも鋼枠内に充填できるようにするため、最大骨材寸法が、鋼枠の鋼材間隔を基準としてその1/3、又は鋼材のかぶり厚さを基準としてその1/5(但し、20mmを越えたときは20mm)で、水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤及び微粉末の混和材を、次のようになるように配合したものである。
【0013】
▲1▼ スランプフロー55cm〜75cm、空気量1.5〜3.0%、水/セメント比50%以下とする。
▲2▼ スランプフロー保持時間を調整するため微量のセルロース系増粘剤を添加する。
▲3▼ 細骨材率を45〜55%とする。
▲4▼ 水/(セメント+混和材)比を25〜35%とする。
▲5▼ 単位水量を175Kg/m3以下とする。
【0014】
【作用】
本発明で使用するコンクリートは、鋼枠内に締め固めることなくしかも充填性良く充填することを意図しているもので、そのため、最小充填幅に対する最大骨材寸法を実験結果から次のように決定した。すなわち、図1に示すように鋼枠の鋼材1と鋼材1との間隔L1を基準とする場合には、最大骨材寸法D1はその1/3、図2に示すように鋼材2のかぶり厚さL2を基準とする場合にはその1/5に決め、これ以下の寸法の骨材を使用する。但し、鋼材間隔L1又は鋼材のかぶり厚さL2より求めた最大骨材寸法が20mmを越えたときは、最大骨材寸法を20mmとする。
【0015】
また、コンクリートの粘性調整のために微粉末の混和材を使用する。すなわち、微粉末の混和材を使用することにより、水/セメント比(W/C)を変化させないで(50%以下)、見掛けのW/C、つまり水/(セメント+混和材)比を小さくしてコンクリートに適切な粘性を与えることで、強度を低下させずに流動性及び鋼枠への充填性を確保する。そして、該混和材と水、セメント、細骨材、粗骨材、混和剤との配合比を、次のような配合設計手法及び手順に従って決定する。
【0016】
1)水及びセメントの単位量の決定
従来の普通コンクリートの配合設計では、コンクリート施工に必要なスランプを確保するために、先ず単位水量が決められ、設計コンクリート強度を達成するに必要なW/Cの関係からセメント量を決定していた。
【0017】
本発明で用いるコンクリート(以下、本コンクリートと記す)の場合には、図3に示すコンクリート強度σとC/Wとの関係から、設計強度に対応するC/Wを求め、単位水量Wと単位セメント量Cを決定する。すなわち、本コンクリートでは、後述のように混和剤によって必要なスランプフロー値を決定するため、スランプフローに関係なく単位水量を決定する。例えば、単位水量W=160〜175Kg/m3程度とする。
【0018】
2)混和材の決定
本コンクリートでは、施工性を確保するのに必要な材料分離抵抗性を保持するため、混和材としてブレーン比表面積2500cm2/g以上の微粉末を添加する。その混和材の添加量は、図4に示すようなL形ボックスを使用した次のような充填性試験(以下、L形ボックス試験と記す)から決定する。L形ボックス3は、上面が開口した垂直ボックス4及び水平ボックス5とをL形に連設し、これら両ボックス4・5の連通口6に鉄筋を模した複数本の邪魔棒7を、充填対象の構造物から選定した所定の間隔(例えば50mm)で垂直又は水平に設け、該連通口6を堰板7aで開閉できるようにしたものである。
【0019】
このL形ボックス試験の方法は、堰板7aを閉じた状態で垂直ボックス4内にコンクリートを入れてから堰板7aを開き、コンクリートを自重により連通口6を通じて水平ボックス5へ移動させる。充分な充填性能を有するコンクリートであれば、垂直ボックス4から水平ボックス5へ全て移動するが、硬いコンクリートや軟らかい分離し易いコンクリートでは、邪魔棒7の部分でコンクリートが閉塞する。垂直ボックス4内にコンクリートが残った場合には、そのコンクリート面と垂直ボックス4の上面との間の高さをもって指標値とする。従って、最適値は、垂直ボックス4内のコンクリート面と水平ボックス5へ移動したコンクリート面とが同じ高さで面一となる場合である。
【0020】
L形ボックス試験の最適値と水/(セメント+混和材)比との関係は次のとおりである。
いま、設計強度からW/Cが決定されたと考えると、そのW/Cのコンクリートで、混和剤によりスランプフローを所定の範囲(例えば60〜70mm)に調整したコンクリートに対し、L形ボックス試験を実施し、邪魔棒7の隙間を全通すれば、条件を満足することになる。L形ボックス試験の指標値と水/(セメント+混和材)比との関係は実験から図5に示す如くで、水/(セメント+混和材)比が25〜35%の範囲内にL形ボックス試験の最適値が存在する。
【0021】
混和材を除いたW/Cを考えた場合、W/Cが25〜35%の範囲では一般のコンクリートでも圧縮強度600〜1000Kgf/cm2程度の強度が得られるが、このような高強度の必要がない場合に、多量のセメントを使用することは不経済であるばかりでなく、温度ひび割れなどの問題が生ずる。
【0022】
そこで、本発明では、W/Cを変えずに、つまり見掛けのW/Cを例えば50以下の範囲に維持したまま、微粉末の混和材を使用して粘性を調整する。例えば、設計強度が240Kgf/cm2のコンクリートを考えた場合、これに対応するW/Cのコンクリートをスランプフロー値60cmとすると、材料分離を生じ、またL形ボックス試験でも閉塞を生ずる。この現象は、流動性に必要なスランプフローに対してモルタル部の粘性が不足することにより発生する。そこで、本発明は、W/Cは変化させずに、見掛けのW/C、つまり水/(セメント+混和材)比を小さくして適切な粘性を与える手段として、微粉末の混和材を使用するものである。
【0023】
従って、本発明では、混和材の量は設計強度により異なることになる。換言すると、従来において混和材を使用する場合には、セメント重量に対する比率で混和材の添加率を決めていたのに対し、本発明では、強度とは別に粘性の面から見掛けのW/Cを下げる目的で混和材の添加量を決定する。
【0024】
3)細骨材率(s/a)の決定
L形ボックス試験の結果、s/aは材料分離抵抗性に大きく関係する。L形ボックス試験の指標値とs/aの関係は図6に示すようになる。最適なs/aは骨材の産地などにより変化するが、45〜55%の範囲内にある。
【0025】
4)第1の混和剤の決定
第1の混和剤としては、例えば一般に広く使用されている高性能AE減水剤を用いる。混和剤の添加量とスランプフローの関係は一つの実験によれば図7に示すようになった。この関係は、セメントの種類や混和剤の材質などにより異なるので、使用するセメントと混和剤の組み合わせにより実験から求める。同図の場合、混和剤はスランプフロー値が60〜70cmの範囲になるように選定する。なお、同図において横軸の混和剤量は(セメント+混和材)に対する重量%を示す。
【0026】
5)第2の混和剤の決定
スランプフロー保持時間(コンクリートを製造して現場に打設するまでの時間)を調整するため、第2の混和剤として微量のセルロース系増粘剤を添加する。セルロース系増粘剤は従来の水中不分離性コンクリートでも、また前出の特開平3-45544号公報に開示のコンクリートでも用いられているが、本発明では使用の目的が異なる。すなわち、水中不分離性コンクリートではコンクリート1m3に対し2.0Kgf〜3.0Kgf、特開平3-45544号公報では400〜750g/m3の多量の増粘剤を用いることにより、材料分離抵抗性を付加している。
【0027】
これに対し、本発明では、材料分離抵抗性は上記のように微粉末の混和材で確保するため、セルロース系増粘剤はスランプフロー保持時間を調整する目的のみから使用する。そのため添加量も0〜100g/m3と微量とし、図8に示す関係からその添加量を決定する。なお、この関係は、セメントや混和材やセルロース系増粘剤の種類により違うので、各材料の組み合わせにより試験で求める。
【0028】
【実施例】
以下、本発明で用いるコンクリートの一例及びその性能を従来例と比較しながら説明する。
表1は本実施例で使用した材料を示す。この表において、低発熱セメント(3成分系)は、本実施例と後述のように比較するため使用した超流動コンクリートのための材料である。
【0029】
【表1】

【0030】
表2に▲1▼から▲6▼の6種類の配合例を示す。このうち▲3▼から▲6▼までが本発明の実施例で、▲1▼は比較のための超流動コンクリートの一般的な配合、▲2▼は普通コンクリートの一般的配合を示す。
【0031】
【表2】

【0032】
<流動性の保持特性>
表2に示した▲3▼から▲6▼の本実施例のコンクリートの流動保持特性を確認するため、▲1▼の超流動コンクリートと同様の試験練りを行い、経過時間とスランプフローの関係を求めた。図9にその関係を示す。この結果、次のことを確認した。
(1)本実施例では、練り上り時のスランプフローは全て55cm〜75cmの目標範囲内であった。
(2)本実施例では、1時間30分程度まではスランプフロー60cmを保持した。
【0033】
<コンクリート強度試験>
▲3▼から▲6▼の本実施例のコンクリートと▲1▼の超流動コンクリート及び▲2▼の一般的な普通コンクリートについて圧縮強度試験を行った。図10にその試験結果を示す。この結果から次のことを確認した。
(1)本実施例の場合、セメント量が同程度であれば、▲1▼及び▲2▼に比較して早期に強度が発現し、しかも最終強度も高く、▲2▼の普通コンクリートに比べて50%以上の高強度を示した。
【0034】
<加圧ブリージング試験>
加圧ブリージング試験は、練り上ったコンクリートの加圧ブリージング率を測定することにより、ポンプ圧送や加圧時におけるコンクリートの脱水による施工性の低下を知ることができると同時に、コンクリート中の余剰水も知ることができる。この試験によりコンクリートの材料分離抵抗性を想定することができる。すなわち、加圧ブリージング率が大きいと、ポンプ圧送や加圧時の材料分離が生じ施工性が低下する。
【0035】
図11に上記▲1▼と▲3▼〜▲6▼のコンクリート、及び▲7▼として普通コンクリートに流動化剤を添加した一般的な流動化コンクリート(表2にその配合を示す)の加圧ブリージング試験結果を示す。この結果から次のことが確認された。
(1)▲7▼の流動化コンクリートに比較して本実施例のコンクリートの加圧ブリージング率は1/3程度に改良され、コンクリート打設時の材料分離抵抗性は改善されている。従って、ブリージングによるコンクリート表面のあばたの発生が少なくなるため、鋼材との付着性を大きく改善できる。
(2)本実施例のコンクリートは▲1▼の超流動コンクリートと比較しても同程度の加圧ブリージング率であった。
【0036】
<充填性能試験>
前述のL形ボックス試験を行い、目視確認した。図12はその試験状態を示す図である。また、図13はスランプフローの試験状態を示す図である。このような試験の結果、本実施例のコンクリートは、材料の分離が無くしかもコンクリートの流動によって鋼枠に良好に充填できることが確認された。
【0037】
<空気量の測定>
上記▲1▼の超流動コンクリート、及び▲3▼〜▲6▼の本実施例のコンクリートについて空気量を測定した。その測定結果を表3に示す。この結果、本実施例は目標空気量1.5〜3.0%の範囲内であることを確認した。
【0038】
【表3】

【0039】
次に、上記のようなコンクリートを使用する本発明の鋼枠セグメントについて説明する。
<シールドトンネル覆工用鋼枠セグメントヘの適用例>
図14及び図15はシールドトンネル覆工用鋼枠セグメントを製作するため、湾曲した鋼枠8内にコンクリートを充填する状態を示す。この鋼枠8は、湾曲した外面を鋼板で閉じ、内面を開口させたものである。実験例として、充填厚さが中央部で132mm、端部で100mm、幅が705mm、外周長が1410mmの鋼枠8を作り、その開口面を鋼製蓋板9で閉じ、コンクリート充填用ホッパ10から蓋板9の充填口11を通じて表4に示すような本発明の実施例のコンクリートを自重による流動圧力で鋼枠8内に充填した。図16はその充填状態を示す図、図17はこのようにコンクリート充填して得られたシールドトンネル覆工用鋼枠セグメントを示す。
【0040】
【表4】

【0041】
一方、図18は、上記と同様の鋼枠にバイブレータを使用してコンクリートを振動により締め固めながら充填する状態を示し、図19は振動締め固め充填して得られたシールドトンネル覆工用鋼枠セグメントを示す。このような比較実験結果から、次のことを確認した。
【0042】
(1)本実施例のコンクリートの場合、自然落下のみで鋼枠内に良好に流動充填でき、バイブレータによる締め固めは不要であった。
(2)従来の普通コンクリートでは、自然充填が困難で、人力により打設した場合には仕上げ作業が必要であり、またバイブレータで振動締め固めした場合には、図19に示すように表面があばた状になったが、本実施例のコンクリートを流動充填した場合には、図17に示すように表面仕上がりが極めて良好であった。
この結果、従来は人力により行われていたコンクリート打設作業の機械化・自動化が可能となる。
【0043】
<鋼枠を用いた場所打ちコンクリート覆工工法への適用例>
図20に示すような覆工用鋼枠12を使用する。この鋼枠12は、H型鋼で矩形枠の四辺を構成し、その内側面(トンネル内面側)を鋼製止水プレート13で閉じ、該止水プレート13にコンクリート充填孔14を設け、また枠内に補強部材14を設けたものである。この鋼枠12の多数個を図21に示すようにシールド掘進機15のテール部内で円形に組み立て、鋼枠12の1個1個について、コンクリート充填孔14から本実施例のコンクリートを注入充填し、図22に示すように鋼材とコンクリートとが合成されたトンネル覆工構造とするものである。図23から図25にその充填例を示す。
【0044】
図23に示すように、シールド掘進機15のテール部内で鋼枠12を組み立て、図24に示すようにコンクリート打設孔14を通じてコンクリートポンプから表4に示したコンクリートを充填した。この場合、充填最小厚さは100mmであったので、コンクリートの最大骨材寸法を20mmとした。また、図25に示すように、シールド掘進機15の掘進に伴い発生するテールボイドに、シールド掘進機15の推進と並行して、表5に示すコンクリートを充填孔16を通じてコンクリートポンプ16から加圧充填した。この場合、テールボイドの最小厚さが25mmであったので、最大骨材寸法を25×(1/5)=5mmとした。図26はかかる実験例において、シールド掘進機の内部を示し、図27はテールボイドヘの充填状態を示す。
【0045】
【表5】

【0046】
<鋼製連壁への適用例>
図28及び図29に示すように、継手部を有する鋼製リブと鋼製壁板とによる連壁用鋼枠内に表4に示したコンクリートを充填した。図30及び図31はそのコンクリート硬化後の状態を示す。
【0047】
【発明の効果】
上述した実施例及び実験例から、本発明によれば次のような特長があることが確認できた。
▲1▼充填性能試験、スランプフロー試験及び実証試験の結果から、鋼材と鋼材の間、及び鋼材のかぶり部分に、振動締め固めしなくとも、しかも隅々まで万遍なくかつ密実に充填することができる。
【0048】
▲2▼単位セメント量が同じであれば、従来の普通コンクリートの1.5倍以上の強度を発現できる。
▲3▼設計強度が同じであれば、従来の普通コンクリートに比較して単位セメント量を20〜30%削減することができ、経済的である。
【0049】
▲4▼水/セメント比は、一般の普通コンクリートが50%以上であるのに対し、本発明では見掛けの水/セメント比を25〜35%程度にしている。この結果、加圧ブリージング率が小さく、収縮の小さいコンクリートにできる。
▲5▼加圧ブリージング率が小さいため、ポンプ圧送や加圧時における施工性が良好である。
【0050】
▲6▼振動締め固めが不要であるに加え、加圧ブリージング率及び空気量が共に小さいので、あばたの発生が非常に少なくなり、鋼材との付着性能を大きく改善できるとともに、表面仕上がりも良く、仕上げ作業の削減により作業性も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明で使用するコンクリートの最大骨材間隔を決めるに当たり、鋼枠の鋼材と鋼材との間隔を基準とすることを示す図である。
【図2】
コンクリートの最大骨材間隔を決めるに当たり、鋼材のかぶり厚さを基準とすることを示す図である。
【図3】
コンクリート強度と水/セメント比の関係を示すグラフである。
【図4】
充填性試験に使用するL形ボックスの斜視図である。
【図5】
L形ボックス試験の指標値と水/(セメント+混和材)比との関係を示すグラフである。
【図6】
L形ボックス試験の指標値と細骨材率の関係を示すグラフである。
【図7】
混和剤の添加量とスランプフローの関係を示すグラフである。
【図8】
セルロース系増粘剤の添加量とスランプフロー保持時間の関係を示すグラフである。
【図9】
本発明で使用するコンクリートと従来のコンクリートとのスランプフローの経時変化の試験結果を示すグラフである。
【図10】
同じく圧縮強度試験結果を示すグラフである。
【図11】
加圧ブリージング試験結果を示すグラフである。
【図12】
L形ボックス試験状態を示す斜視図である。
【図13】
スランプフロー試験状態を示す斜視図である。
【図14】
シールドトンネル覆工用鋼枠へ本発明の実施例のコンクリートを自重充填する状態を示す一部切欠した側面図である。
【図15】
同上の断面図である。
【図16】
同上の充填実験においてコンクリート充填状態を示す斜視図である。
【図17】
同実験によって得られたシールドトンネル覆工用鋼枠セグメントを示す斜視図である。
【図18】
シールドトンネル覆工用鋼枠ヘバイブレータを使用して振動により締め固めながら充填する状態を示す斜視図である。
【図19】
同上の締め固めにより得られたシールドトンネル覆工用鋼枠セグメントを示す斜視図である。
【図20】
場所打ちコンクリート覆工用鋼枠の斜視図である。
【図21】
同上の場所打ちコンクリート覆工用鋼枠を使用してシールド掘進機によりシールドトンネルを施工する状態を示す斜視図である。
【図22】
同上の断面図である。
【図23】
同上の場所打ちコンクリート覆工用鋼枠の組み立て状態を示す図である。
【図24】
同鋼枠ヘコンクリートを充填する状態を示す図である。
【図25】
同鋼枠の外側のテールボイドヘのコンクリートの加圧充填状態を示す図である。
【図26】
図21の工法の実験においてシールド掘進機内を示す斜視図である。
【図27】
同上の実験においてテールボイドヘの充填状態を示す斜視図である。
【図28】
鋼製連壁工法の実験例のコンクリート充填前の状態を示す側面図である。
【図29】
同上の斜め上から見た図である。
【図30】
同上の実験においてコンクリート硬化後の状態を示す上面図である。
【図31】
同上の表面図である。
【符号の説明】
8 鋼枠
9 鋼製蓋板
10 コンクリート充填用ホッパ
11 充填口
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第2787528号発明の明細書を、本件訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりに、すなわち、特許請求の範囲の減縮を自的として、
▲1▼訂正事項(ア)、請求項1の撮大骨材寸法が鋼枠の鋼材間隔又は鋼材のかぶり厚さの1/3ないし1/5」を「最大骨材寸法が、鋼枠の鋼材間隔を基準としてその1/3、又は鋼材のかぶり厚さを基準としてその1/5」と訂正する。
さらに、明りょうでない記載の釈明を目的として、
▲2▼訂正事項(イ)、明細書中の記載における「 最大骨材寸法が鋼枠の鋼材間隔又は鋼材のかぶり厚さの1/3ないし1/5」(本件特許公報第2頁第4欄段落【0012】)を「最大骨材寸法が、鋼枠の鋼材間隔を基準としてその1/3、又は鋼材のかぶり厚さを基準としてその1/5」と訂正する。
異議決定日 1999-12-09 
出願番号 特願平4-301550
審決分類 P 1 651・ 113- YA (C04B)
P 1 651・ 121- YA (C04B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 板橋 一隆大工原 大二  
特許庁審判長 石井 勝徳
特許庁審判官 野田 直人
能美 知康
登録日 1998-06-05 
登録番号 特許第2787528号(P2787528)
権利者 松本 嘉司 帝都高速度交通営団 西武建設株式会社 新日本製鐵株式会社 株式会社間組
発明の名称 コンクリート充填鋼枠セグメント  
代理人 原田 信市  
代理人 原田 信市  

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