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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 E06B |
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管理番号 | 1020102 |
異議申立番号 | 異議1998-75065 |
総通号数 | 14 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-05-21 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-10-14 |
確定日 | 2000-06-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2740909号「框組体のガラス取付構造」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2740909号の特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第2740909号の請求項1に係る発明は、平成6年10月31日に特許出願され、平成10年1月30日にその特許権の設定の登録がなされ、その後、その請求項1(全請求項)に係る発明の特許について日本建鐵株式会社より特許異議の申立がなされ、当審において、その請求項1(全請求項)に係る発明の特許について取消理由通知がなされたところ、特許異議意見書が提出されたものである。 2.本件発明 本件特許第2740909号に係る発明は、特許明細書(特許査定時の明細書)及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。 【請求項1】 内向凹部24を有する上框1と内向凹部34を有する下框2と内向凹部44を有する左右の縦框3,3を、各框の端面を90度以外の角度として突き合せ連結して框組体4とし、 この框組体4の四周連続した内向凹部24,34,44にガラス5を面外方向一側シール材8と面外方向他側シール材9により取付けた框組体のガラス取付構造において、 前記各框における少なくとも1つの框を框本体6と押縁7を連結したものとし、 その框本体6は面内方向に向う第1の面Aと面外方向に向う第2の面BによりほぼL字状となった内面6bを有し、その第2の面Bには第1・第2係合受片15,16が面外方向に間隔を置いて有するものとなり、 前記押緑7は縦板20と横板21でほぼ鉤形状で、その横板21には第1・第2係合片22,23が面外方向に間隔を置いて有し、この押縁7は框組体6に対して面内方向内側から外側に移動して面外方向他側に向けて移動することで第1・第2係合片22,23が第1・第2係合受片15,16に係合して框本体6に連結するものとし、 前記框本体6の端面6aを相対向した2つの框の端面における面内方向外側寄りに接し、前記押縁7の端面7aを相対向した2つの框の端面における面内方向内側寄りに接し、 前記押縁7の縦板20が前記相対向した2つの框の内向凹部とガラス5との間に挿入可能で、横板21がガラス5と框本体6の第2の面Bとの間に挿入可能としたことを特徴とする框組体のガラス取付構造。 3.異議申立ての理由の概要 特許異議申立人 日本建鐵株式会社は、証拠方法として、甲第1号証(実開平5ー12588号公報)を提出し、本件特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、甲第1号証に基づき当業者が容易になしえた発明であるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきである旨主張している。 なお、甲第1号証の図4を拡大し参照数字を補足した図が、甲第2号証として提出され、甲第1号証の図4に示す構造において押縁を分解して示した図が、甲第3号証として提出されている。 4.刊行物に記載の発明 特許異議申立人が甲第1号証として提出した実開平5ー12588号公報、及び、先の当審の取消理由通知において刊行物として引用した実願平3-67294号(実開平5ー12588号)のCD-ROM(以下、これらを「刊行物」という。)には、框組体のガラス取付構造に関して、次のような発明が記載されているものと認められる。 「内向凹部を有する上框5と内向凹部を有する下框6と内向凹部を有する左右の縦框8,9を、各框の端面を90度以外の角度として突き合せ連結して框組体とし、 この框組体の四周連続した内向凹部にガラスを面外方向一側シール材と面外方向他側シール材により取付けた框組体のガラス取付構造において、 前記各框における少なくとも1つの框を框本体と押縁を連結したものとし、その框本体は面内方向に向う第1の面と面外方向に向う第2の面によりほぼL字状となった内面を有し、その第2の面には第1・第2係合受片が面外方向に間隔を置いて有するものとなり、 前記押緑は縦板と横板でほぼ鉤形状で、その横板には第1・第2係合片が面外方向に間隔を置いて有し、この押縁は框組体に対して面内方向内側から外側に移動して面外方向他側に向けて移動することで第1・第2係合片が第1・第2係合受片に係合して框本体に連結するものとした框組体のガラス取付構造」 5.対比、判断 本件請求項1に係る発明と、刊行物に記載の発明とを対比すると、刊行物の発明の「上框5」、「下框6」、及び「縦框8,9」は、それぞれ本件請求項1に係る発明の「上框1」、「下框2」、及び「縦框3,3」に相当するから、両発明は、 「内向凹部を有する上框と内向凹部を有する下框と内向凹部を有する左右の縦框を、各框の端面を90度以外の角度として突き合せ連結して框組体とし、 この框組体の四周連続した内向凹部にガラスを面外方向一側シール材と面外方向他側シール材により取付けた框組体のガラス取付構造において、 前記各框における少なくとも1つの框を框本体と押縁を連結したものとし、その框本体は面内方向に向う第1の面と面外方向に向う第2の面によりほぼL字状となった内面を有し、その第2の面には第1・第2係合受片が面外方向に間隔を置いて有するものとなり、 前記押緑は縦板と横板でほぼ鉤形状で、その横板には第1・第2係合片が面外方向に間隔を置いて有し、この押縁は框組体に対して面内方向内側から外側に移動して面外方向他側に向けて移動することで第1・第2係合片が第1・第2係合受片に係合して框本体に連結するものとした框組体のガラス取付構造」という点で構成が一致するが、 刊行物には、 本件請求項1に係る発明が採用した、 「前記框本体6の端面6aを相対向した2つの框の端面における面内方向外側寄りに接し、前記押縁7の端面7aを相対向した2つの框の端面における面内方向内側寄りに接し、 前記押縁7の縦板20が前記相対向した2つの框の内向凹部とガラス5との間に挿入可能で、横板21がガラス5と框本体6の第2の面Bとの間に挿入可能とした」という構成はもちろん、それを示唆する記載もない。 そして、この構成には技術的意義が認められるから、本件請求項1に係る発明が刊行物に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとは認められない。 6.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び提出した証拠方法によっては、本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2000-06-05 |
出願番号 | 特願平6-266706 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
Y
(E06B)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 五十幡 直子 |
特許庁審判長 |
佐田 洋一郎 |
特許庁審判官 |
小野 忠悦 宮崎 恭 |
登録日 | 1998-01-30 |
登録番号 | 特許第2740909号(P2740909) |
権利者 | ワイケイケイアーキテクチュラルプロダクツ株式会社 |
発明の名称 | 框組体のガラス取付構造 |
代理人 | 佐藤 嘉明 |
代理人 | 高橋 邦彦 |
代理人 | 浜本 忠 |