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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H01F
管理番号 1023998
異議申立番号 異議1998-74069  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1989-10-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-08-14 
確定日 2000-07-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2716064号「磁性リボン及び磁心」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 
理由 【1】手続の経緯
本件特許第2716064号の請求項1ないし6に係る発明についての出願は、昭和63年4月11日に出願され、平成9年11月7日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、その請求項1ないし4に係る発明の特許について特許異議申立人高橋喜美夫より特許異議の申し立てがなされ、その指定期間内である平成11年1月5日に訂正請求がされた後、訂正拒絶理由通知がなされ、それに対して平成11年12月21日に手続補正書が提出されたものである。

【2】訂正の適否についての判断
ア.訂正請求に対する補正の適否について
1.(補正の内容)
特許権者は、特許請求の範囲の減縮を目的として、訂正請求書に記載した訂正事項を上記手続補正書に記載した訂正事項に補正することを求めるものであるところ、その訂正事項についての補正の内容は、
・訂正請求書に記載した訂正事項:
『特許請求の範囲の請求項1,5,及び6にかかる記載
「1.非磁性体であり、かつ絶縁性を有する無機物からなる微粉を少なくとも一面に付着させたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
5.前記無機物は五酸化二アンチモンからなることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の磁性リボン。
6.前記無機物は五酸化二アンチモンからなることを特徴とする特許請求の範囲第3項または第4項記載の磁心。」
を、
「1.非磁性体であり、かつ絶縁性を有する無機物からなる微粉を少なくとも一面に付着させ、この微粉がスペーサとして空気層を形成するようにしたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
5.非磁性体であり、かつ絶縁性を有する五酸化二アンチモンからなる微粉を少なくとも一面に付着させたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
6.不活性ガス雰囲気中において、300℃〜500℃の温度で0.5〜5時間焼鈍した特許請求の範囲5項記載の磁性リボン。」と訂正する。』
を、
・手続補正書に記載した訂正事項:
『特許請求の範囲の請求項1,2,3および4を削除する。
また、特許請求の範囲の請求項5および6にかかる記載
「(5)前記無機物は五酸化二アンチモンからなることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の磁性リボン。
(6)前記無機物は五酸化二アンチモンからなることを特徴とする特許請求の範囲第3項または第4項記載の磁心。」
とあるのを
「(1)非磁性体であり、かつ絶縁性を有する五酸化二アンチモンからなる微粉を少なくとも一面に付着させたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
(2)不活性ガス雰囲気中において、300℃〜500℃の温度で0.5〜5時間焼鈍した特許請求の範囲1項記載の磁性リボン。」と訂正する。』
と補正しようとするものである。
2.(判断)
上記補正は、訂正請求書に記載した訂正の要旨に係る事項であると認められる「1.非磁性体であり、かつ絶縁性を有する無機物からなる微粉を少なくとも一面に付着させ、この微粉がスペーサとして空気層を形成するようにしたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
5.非磁性体であり、かつ絶縁性を有する五酸化二アンチモンからなる微粉を少なくとも一面に付着させたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
6.不活性ガス雰囲気中において、300℃〜500℃の温度で0.5〜5時間焼鈍した特許請求の範囲5項記載の磁性リボン。」という訂正事項のうち、「1.非磁性体であり、かつ絶縁性を有する無機物からなる微粉を少なくとも一面に付着させ、この微粉がスペーサとして空気層を形成するようにしたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。」という訂正事項を削除するものであるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。
したがって、上記手続補正書による補正は、平成6年改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第131条第2項の規定に適合する。
イ.訂正の内容
上記手続補正書による補正により、特許権者の求めている訂正の内容は、以下のとおりのものとなる。
『特許請求の範囲の請求項1,2,3および4を削除する。
また、特許請求の範囲の請求項5および6にかかる記載
「(5)前記無機物は五酸化二アンチモンからなることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の磁性リボン。
(6)前記無機物は五酸化二アンチモンからなることを特徴とする特許請求の範囲第3項または第4項記載の磁心。」
とあるのを
「(1)非磁性体であり、かつ絶縁性を有する五酸化二アンチモンからなる微粉を少なくとも一面に付着させたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
(2)不活性ガス雰囲気中において、300℃〜500℃の温度で0.5〜5時間焼鈍した特許請求の範囲1項記載の磁性リボン。」と訂正する。』
ウ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記の訂正は、従前の特許請求の範囲の請求項1ないし4、および請求項6を削除し、従前の請求項5を単に記載形式を変更して、二つの請求項に分割して新たな請求項1及び請求項2としたものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではなく、訂正後の特許請求の範囲に記載された発明が出願の際独立して特許を受けることができるものである。
エ.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、平成6年改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第2-4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

【3】特許異議の申立てについての判断
本件の請求項1ないし4に係る発明は、訂正の結果削除され、特許異議の申し立ての対象が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
磁性リボン及び磁心
(57)【特許請求の範囲】
(1) 非磁性体であり、かつ絶縁性を有する五酸化二アンチモンからなる微粉を少なくとも一面に付着させたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
(2) 不活性ガス雰囲気中において、300℃〜500℃の温度で0.5〜5時間焼鈍した特許請求の範囲1項記載の磁性リボン。
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は磁性リボンおよびその磁性リボンを用いて形成した磁心に関する。
〔従来の技術〕
磁性リボンを巻回しあるいは積層して磁心を形成した場合、リボン層間の絶縁が悪いと、リボン層間を流れる渦電流が生じ、渦電流損失の増大により全体の鉄損(磁損)が増大する。この傾向はとくに高周波の場合に顕著である。そして、透磁率の周波数特性が悪く100KHz以上ではメリットのある利用は期待できない。
そこで、従来は、リボン層間の絶縁を良好にするため、リボン層間に非磁性物質からなる絶縁層を設けることが行われ、その一手段としてリボン表面に一様な絶縁膜を形成して、上記問題の解決を図ろうとしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、磁性リボンとしてアモルファス磁性リボンを製造する場合、400℃前後で焼鈍することが行われるが、このような焼鈍が行われると、絶縁膜とリボンとの線膨張係数の違い、すなわち、ほとんどの場合、絶縁膜の線膨張係数の方がアモルファスリボンのそれより大きいので、リボンに圧縮応力が生じ、磁歪の逆効果により磁気特性が劣化する。
また、400℃前後の焼鈍に耐える絶縁膜としては、材料的に限られるという問題もあり、さらに、絶縁膜を設けると磁心を構成した場合、磁性体の充填率(占積率)が低下し、結果として磁心の大型化を招いてしまう。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、占積率の低下を最小限にしてリボン層間の絶縁性を確保して、磁気特性のよい磁性リボンおよび磁心を提供することを技術的課題とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、その理論的前提として、まず、次のような点に着目してなされた。
すなわち、先に述べたように、磁性リボンによる磁心の製造にさいしては、絶縁膜を介在させるのが一般的で、当業者間ではいかに絶縁性能の良い絶縁膜材料を見い出すかが最大の関心事になっている。
しかし、観点を変えてみると、このような絶縁膜が無い場合でも層間に空気層があれば、それが絶縁層となって、渦電流を防ぎ、しかも、できるだけ占積率を大きくできる。
そこで、本発明では、このような空気層を確保するために、非磁性体であり、かつ、絶縁性を有する無機物からなる微粉を少なくとも一面に付着させて磁性リボンとし、また、これを巻回もしくは積層して磁心とした。
そして、本発明では、当初の目的として空気層を確保するために前記微粉を付着させたが、微粉をリボンの少なくとも一面に、まんべんなく密に付着させた場合も考えられる。この場合には空気層を確保するという意味は無くなり、微粉自体が絶縁層として作用することとなるが、この場合も微粉により空気層を確保する場合と同様の効果を得られる。従って、本発明は、微粉を粗に付着させる場合、または、密に付着させる場合のいずれをも含む広い概念である。
〔作用〕
以下、本発明の作用を述べ、さらに具体的な解決手段について説明する。
本発明では、無機物からなる微粉を少なくとも一面に付着させて磁性リボンとしたので、この磁性リボンを巻回し、あるいは、積層して磁心とした場合、微粉がスペーサとなって、リボンによる各層間に空気層が形成される。
これに対し、微粉をリボンの少なくとも一面に、まんべんなく密に付着させた場合は、前記のように微粉自体が絶縁層として作用する。
ここで、本発明における磁性リボンとは、磁性体の薄帯であり、磁性体材料としては、遷移金属中のFe,Co,Ni等の強磁性元素単体、あるいは強磁性元素同士の合金、特性改善を図るために加えられる非強磁性元素と強磁性元素との合金、フェライト、パーマロイ、アモルファス合金等を例示できる。アモルファス金属としては、Fe-B,Fe-B-C,Fe-B-Si,Fe-B-Si-C,Fe-B-Si-Cr,Fe-Co-B-Si,Fe-Ni-Mo-B等のFe系、Co-B,Co-Fe-Si-B,Co-Fe-Ni-Mo-B-Si,Co-Fe-Ni-B-Si,Co-Fe-Mn-BrBi,Co-Fe-Mn-Ni,Co-Mn-Ni-B-Si等のCo系等を例示できる。
このような磁性リボンに付着される無機物の微粉としては、非磁性体であり、かつ、絶縁性を有することが条件となる。微粉が磁性体であり、また、導電性を有すると、磁気特性に悪影響を与えたり、渦電流が流れやすくなったりするからである。
また、本発明で使用する無機物としては、▲1▼ガラス(けい酸ナトリウム)、雲母(アルミノけい酸アルカリ塩、フィロけい酸アルカリ塩)、炭化ケイ素、硫酸カルシウム半水塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等に代表される自然状態で安定な無機物質、▲2▼酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、二酸化スズ、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、五酸化アンチモン等の金属酸化物、▲3▼前記▲2▼に例示される素材の他、ペロブスカイト、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩、チタン酸塩、ニオブ,タンタル,タングステン酸塩等の復酸化物からなるセラミックス、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム焼結体、窒化ホウ素、窒化ホウ素マグネシウム、窒化ホウ素複合体、窒化ケイ素、窒化ケイ素ランタン、サイアロン等の窒化物、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素アルミニウム、炭化ホウ素アルミニウム、炭化チタン等の炭化物、二ホウ化チタン、六ホウ化カルシウム、六ホウ化ランタン等のホウ化物で例示されるセラミックス素材を単体、もしくは複合して形成したセラミックスを例示できる。これらの中では、五酸化二アンチモンが好適である。
これら無機物の微粉の粒径についてみると、微粉をリボンにまんべんなく付着させて絶縁層とする点を考慮すると、微粉の粒径は小さくてもよいが、小さくすることは製造を困難にする要因となる。一方、余り大きいとリボンで磁心を形成した場合、リボン間の間隙の幅が大きくなりすぎて磁性体の占積率が小さくなる。このような理由から、微粉の粒径は10nm〜2μmであるのが望ましい。
また、微粉の付着量はリボンの単位面積(1cm2)当り、微粉が10-6cm3〜2×10-4cm3、さらに好適には、3×10-6cm3〜10-5cm3となる量だけ付着するようにするとよい。この付着量を単位面積当りの微粉重量に換算すると、微粉の素材の比重によりその値が変わるが、五酸化二アンチモンの場合、3.8×10-6g/cm2〜7.6×10-4g/cm2、さらに好適には1.1×10-5g/cm2〜3.8×10-5g/cm2である。
微粉の付着手段は、この微粉を水あるいはトルエン等の揮発性有機溶媒中に分散し、この溶液をリボン表面に塗布した後、強制的もしくは自然に乾燥して微粉をリボンに付着させる。この溶液の濃度で前記リボンヘの付着量が決定する。すなわち、五酸化二アンチモンの場合、総量に対し、0.1〜30重量%の比率でコロイド状に分散させるとよい。この範囲内にあって3重量%程度でも効果があり、占積率の低下はほとんどなく、磁気特性も劣化しない。ここで、溶液の塗布膜の厚さは10μm以下であることが、上記付着量を決定する上で好ましい。また、溶媒の蒸発には溶媒に応じて乾燥炉を使用し100℃以下で乾燥するとよい。
ところで、磁性リボン、とりわけアモルファスリボンは、必要に応じて歪取りのために、窒素等不活性ガス雰囲気中において、300〜500℃の温度で、0.5〜5時間焼鈍するとよい。この焼鈍は、リボンを巻回あるいは積層して磁心とした後に行ってもよいし、リボンの状態のままで行ってもよい。とりわけ、キュリー点よりも10〜50℃高い温度で焼鈍するとき、高周波での特性のよいものが得られる。なお、焼鈍は磁場中で行ってもよいし、無磁場で行ってもよい。
そして、巻回もしくは積層したアモルファス磁心を焼鈍する場合、リボン間の微粉は、粉体であるがゆえに線膨張ということが磁心に影響を与えない。むしろ、アモルファスリボンの収縮に伴う応力を吸収するという作用を奏する。
以上のことを踏まえて本発明にかかる磁心を製造する方法を述べる。
まず、磁性リボン、微粉の溶液を用意し、各種塗布方法により磁性リボンの少なくとも一面に微粉溶液を塗布し、溶媒を乾燥させる。得られた微粉付き磁性リボンを、張力をかけて巻回し、トロイダル型の磁心を得る。最後に、必要に応じて歪取りの焼鈍を行う。なお、巻同時にかける張力は0.05〜2kgが好ましい。
一方、積層型の磁心を製造する場合は、微粉付きリボンを所定形状に切断し、積層して磁心とするが、必要に応じて行う焼鈍は積層の前に行ってもよいし、積層して磁心を形成してから行ってもよい。
以上のように、微粉を付着させた磁性リボンが巻回または積層されて得られた磁心は、前記磁性リボンの巻回層間に微粉が介在された構造となり、巻回層間に空気層または絶縁層が適切に確保されるため、磁気特性に優れたものとなる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
第7図に示した装置で、アライド社製のアモノレファスリボン(1a),2605S-2(Fe78-B13-Si9,(原子%)10mm幅)を順送りで五酸化二アンチモンのコロイド溶液(2)中に浸し、引き上げる際に一対のバーコータ(3)ではさんで余分な溶液を落し、温風乾燥機(4)で温風を当てて乾燥しつつ微粉付きリボン(1b)を巻取った。五酸化二アンチモンのコロイド溶液(2)はトルエンを溶媒とし、トルエン97重量%に対し、五酸化二アンチモンを3重量%分散させたものである。
次に、第8図に示したように、微粉付きリボン(1b)をローラ(5)を介して順送りし、最終段で張力をかけつつ巻回し、アモルファス製磁心(6)を形成した。そして、同寸法の磁心を複数形成し、そのそれぞれを窒素雰囲気のもと、435℃で2時間焼鈍した。
得られた各磁心のB-H特性、鉄損の周波数特性、透磁率の周波数特性を測定した。B-H特性は、10エルステッド(Oe)の磁界を印加した場合と、1エルステッド(Oe)の磁界を印加した場合の2つの場合について測定した。
また、トルエン70重量%に対し、五酸化アンチモンを30重量%分散させたコロイド溶液を塗布し、同様の測定をした。各実施例の詳細な条件は以下の通りである。
▲1▼実施例1(3重量%溶液)
(a) 磁心;上記の磁性リボンを巻回したトロ イダルコア
内径=23.00mm
外径=37.00mm
高さ=10.00mm
質量=42.00g
素材の密度=7.18g/m3
体積 =5.850×10-6(m3)
有効断面積=6.207×10-5(m2)
平均磁路長=9.425×10-2(m)
占積率=88. 67%(全体積に対するリ ボンの占める比率)
磁性リボン巻同時の張力=0.8kg
(b) 塗布したコロイド溶液;
有機溶媒=トルエン 97重量%
微粉 =五酸化二アンチモン 3重量%
(c) 結果
*B-H特性;第1図に示す
*鉄損の周波数特性;第2図に示す
コアに巻いた1次巻線の巻数は5、2次 巻線の巻数は10である。
*透磁率の周波数特性;第3図に示す
コアに巻いた1次巻線の巻数は10
測定磁界=5mOe
測定電流=2.65173mA
▲2▼実施例2(30重量%溶液)
(a) 磁心;上記の磁性リボンを巻回したトロ イダルコア
内径=23.00mm
外径=37.00mm
高さ=10.00mm
質量=25.57g
素材の密度=7.18g/m3
体積 =3.561×10-6(m3)
有効断面積=3.779×10-5(m2)
平均磁路長=9.425×10-2(m)
占積率=53.98%
磁性リボン巻同時の張力=0.8kg
(b) 塗布したコロイド溶液;
有機溶媒=トルエン 70重量%
微粉 =五酸化二アンチモン 30重量%
(c) 結果
*B-H特性;第4図に示す
*鉄損の周波数特性;第5図に示す
コアに巻いた1次巻線の巻数は5、2次 巻線の巻数は10である。
*透磁率の周波数特性;第6図に示す
コアに巻いた1次巻線の巻数は10
測定磁界=5mOe
測定電流=2.65173mA
以上の結果から、実施例のものでは、ヒステリシスがより線形に近く、また、鉄損についても全体的に低く、とくに高周波部分での上昇を低く押さえることができる。200kHzまでほぼ一定の透磁率が得られた。
〔発明の効果〕
本発明では、前記構成としたので、とりわけ、10kHz以上の周波数での磁気特性を改善でき、また、占積率をできるだけ大きくできて、磁心の小型化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の第1の実施例の磁気特性を示したグラフ図で、第1図はB-H特性、第2図は鉄損の周波数特性、第3図は透磁率の周波数特性である。第4図〜第6図は本発明の第2の実施例の磁気特性を示したグラフ図で、第4図はB-H特性、第5図は鉄損の周波数特性、第6図は透磁率の周波数特性である。また、第7図は微粉の付着処理装置を示した概略図、第8図はトロイダル型の磁心の製造手段を示した図である。
 
訂正の要旨 【訂正の要旨】
特許請求の範囲の請求項1,2,3および4を削除する。
また、特許請求の範囲の請求項5および6にかかる記載
「(5)前記無機物は五酸化二アンチモンからなることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の磁性リボン。
(6)前記無機物は五酸化二アンチモンからなることを特徴とする特許請求の範囲第3項または第4項記載の磁心。」
とあるのを
「(1)非磁性体であり、かつ絶縁性を有する五酸化二アンチモンからなる微粉を少なくとも一面に付着させたアモルファス金属からなる磁性リボンであり、前記微粉の付着量が単位面積(cm2)当たり10-6cm3〜2×10-4cm3であることを特徴とする磁性リボン。
(2)不活性ガス雰囲気中において、300℃〜500℃の温度で0.5〜5時間焼鈍した特許請求の範囲1項記載の磁性リボン。」と訂正する。
異議決定日 2000-06-30 
出願番号 特願昭63-88694
審決分類 P 1 652・ 121- XA (H01F)
最終処分 決定却下  
特許庁審判長 祖父江 栄一
特許庁審判官 岩本 正義
西川 一
登録日 1997-11-07 
登録番号 特許第2716064号(P2716064)
権利者 日本ケミコン株式会社
発明の名称 磁性リボン及び磁心  
代理人 松倉 秀実  
代理人 松倉 秀実  
代理人 遠山 勉  
代理人 遠山 勉  
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