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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B01J
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B01J
管理番号 1024272
異議申立番号 異議1998-71154  
総通号数 15 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-07-14 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-02-25 
確定日 2000-07-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2644377号「酸素-吸収性ラベル」の請求項1乃至17に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2644377号の請求項1乃至8に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
本件特許2644377号は、平成3年12月6日(優先日1991年1月7日米国)に特許出願され、平成9年5月2日にその特許の設定登録がなされたものである。
これに対し、三菱瓦斯化学株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内の平成11年1月4日に訂正請求がなされたが、この訂正請求に対し平成11年5月18日付けで訂正拒絶理由通知を兼ねた取消理由通知がなされたところ、平成11年1月4日付け訂正請求書が取り下げられ、平成11年12月8日付けで再度訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正事項
この訂正請求は、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正及び特許請求の範囲の減縮に伴う明りょうでない記載の釈明を目的として、本件特許明細書を次のとおり訂正するものである。
(i)「特許請求の範囲」の欄
特許請求の範囲の減縮を目的として、次のとおり訂正請求されている。
訂正事項(1):「1.複数の酸素-吸収性ラベルと、該ラベルの各々が剥離可能に接着固定されているウェブの集合体であって、該各ラベルはベースシート、該ベースシートに固定され、該ベースシートとの間の空間を区画するガス透過性カバーシートおよび前記空間の中に封入された酸素-吸収性材料の層と吸水性紙の層からなり、前記酸素吸収性材料の層と吸水性紙の層とは重なり合い、かつ実質上、それらの間に何の材料も介さずに互いに直接接し、また前記層の一つが実質上それらの間に何の材料も介さずに前記カバーシートに直接隣接しており、かつ前記層の他がベースシートに隣接しており、前記カバーシートは前記空間の外側にあってかつ前記酸素-吸収性材料を含まない境界域に沿う第1の接着剤層により前記該ベースシートに接着固定されており、前記第1の接着剤層が前記空間内に延びて前記他の層を前記ベースシートに接着固定しており、また第2の接着剤層が前記ウェブに前記ラベルを剥離可能に接着固定するため、かつ前記ラベルを前記ウェブから剥離して他の物に前記ラベルを接着固定するために前記第1の接着剤層とは反対側のベースシートに具備されている前記集合体。
2.前記カバーシートがポリエチレン、ポリプロピレン、EVA、ポリエチレンテレフタレート、サーリン、紙、コート紙、またはそれらのラミネートからなる群から選択される請求項1記載の集合体。
3.前記各ラベルが0.114mm(4.5ミル)と2.096mm(82.5ミル)の間の厚みを有する請求項1又は2に記載の重合体。
4.前記各ラベルが0.279mm(11ミル)と1.041mm(41ミル)との間の厚みを有する請求項3記載の重合体。
5.前記吸水性紙の層が前記カバーシートと、前記酸素-吸収性材料の層との間に配置されている請求項1記載の集合体。
6.前記酸素-吸収性材料が粒状形態である先行する請求項のいずれか一つに記載の集合体。
7.前記酸素-吸収性材料がマトリックス中に埋めこまれている請求項1〜5のいずれか一つに記載の集合体。
8.前記酸素-吸収性材料が粒状鉄と粒状電解質材料の混合物である先行する請求項のいずれか一つに記載の集合体。」
(ii)「発明の詳細な説明」の欄
誤記の訂正と明りょうでない記載の釈明を目的として、次のとおり訂正請求されている。
訂正事項(2):明細書2頁3行〜10行に「この発明は、〜に関する」とあるを「この発明は.複数の酸素-吸収性ラベルと、該ラベルの各々が剥離可能に接着固定されているウェブの集合体であって、該各ラベルはベースシート、該ベースシートに固定され、該ベースシートとの間の空間を区画するガス透過性カバーシートおよび前記空間の中に封入された酸素-吸収性材料の層と吸水性紙の層からなり、前記酸素吸収性材料の層と吸水性紙の層とは重なり合い、かつ実質上、それらの間に何の材料も介さずに互いに直接接し、また前記層の一つが実質上それらの間に何の材料も介さずに前記カバーシートに直接隣接しており、かつ前記層の他がベースシートに隣接しており、前記カバーシートは前記空間の外側にあってかつ前記酸素-吸収性材料を含まない境界域に沿う第1の接着剤層により前記該ベースシートに接着固定されており、前記第1の接着剤層が前記空間内に延びて前記他の層を前記ベースシートに接着固定しており、また第2の接着剤層が前記ウェブに前記ラベルを剥離可能に接着固定するため、かつ前記ラベルを前記ウェブから剥離して他の物に前記ラベルを接着固定するために前記第1の接着剤層とは反対側のベースシートに具備されている前記集合体に関する。」と訂正する。
訂正事項(3):明細書2頁下から6行〜3頁1行に「図4は〜示す部分平面図である。」とあるを削除する。
訂正事項(4):同3頁2行に「図11」とあるを「図4」と訂正する。
訂正事項(5):同3頁4行に「図12は、図11の」とあるを「図5は、図4の」と訂正する。
訂正事項(6):同3頁6行に「図13」とあるを「図6」と訂正する。
訂正事項(7):同3頁8行に「図14は、図13の」とあるを「図7は、図6の」と訂正する。
訂正事項(8):同3頁16行〜末行に「この点に関して、〜使用できるだろう。」とあるを削除する。
訂正事項(9):同4頁12行〜16行に「ウェブ10〜ことができる。」とあるを削除する。
訂正事項(10):同4頁19行〜22行に「シート13も〜することができる。」とあるを削除する。
訂正事項(11):同5頁下から4〜3行に「成分のメッシュサイズは、同じである。」を削除する。
訂正事項(12):同8頁1行〜13頁5行に「この発明の〜次の実施例がつくられた。」とあるを削除する。
訂正事項(13):同13頁16行〜15頁4行に「実施例2〜を有していた。」とあるを削除する。
訂正事項(14):同16頁1行に「表V」とあるを「表II」と訂正する。
訂正事項(15):同16頁9行〜12行の図7および図5の欄を削除する。
訂正事項(16):同17頁11行〜16行に「しかしながら、〜有用である。」とあるを削除する。
訂正事項(17):同17頁下から3行に「図7の態様で又は図1〜6の他の」とあるを「図1〜3の」と訂正する。
訂正事項(18):同17頁末行に「マトリクスとばらの粒状体の組合わせ」とあるを「ばらの粒状体」と訂正する。
訂正事項(19):同18頁9行に「図1〜7」とあるを「図1〜3」と訂正する。
訂正事項(20):同18頁9行〜11行に「示したが、〜範囲内にある。」とあるを「示している。」と訂正する。
訂正事項(21):同18頁11〜23行に「そこで、〜分離できる。」とあるを削除する。
訂正事項(22):同19頁1行〜8行に「いるが、ラベルを〜固定することができる。」とあるを「いる。」と訂正する。
訂正事項(23):同19頁14行に「図11」とあるを「図4」と訂正する。
訂正事項(24):同19頁16行に「図11〜14とあるを「図4〜7」と訂正する。
訂正事項(25):同19頁10行〜11行に「図11と図12」とあるを「図4と5」に訂正する。
訂正事項(26):同19頁19行に「上記の適当な手段で」とあるを削除する。
訂正事項(27):同19頁下から6行に「図13と14」とあるを「図6と7」と訂正する。
訂正事項(28):同19頁下から2行〜20頁2行に「さきの説明は〜することができる。」とあるを削除する。
訂正事項(29):平成8年4月12日付手続補正書3頁(4)項において、「「第2の接着剤層14」と訂正する。」とあるを「「第1の接着剤層14」と訂正する。」に訂正する。
訂正事項(30):「Fig.4」、「Fig.5」、「Fig.6」、「Fig.7」、「Fig.8」、「Fig.9」及び「Fig.10」を削除する。
訂正事項(31):「Fig.11」を「Fig.4」に、「Fig.12」を「Fig.5」に、「Fig.13」を「Fig.6」に、「Fig.14」を「Fig.7」に、それぞれ訂正する。
2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項(1)は、特許請求の範囲の減縮に該当する。また、上記訂正事項(2)乃至訂正事項(31)は特許請求の範囲の減縮に伴う明りょうでない記載の釈明又は誤記の訂正に該当するものであり、しかも、いずれの訂正事項も特許明細書に記載した事項の範囲内でなされたものであるから新規事項の追加に該当せず、また当該訂正によって実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
2-3.独立特許要件の判断
(本件訂正発明)
本件訂正明細書の請求項1乃至8に係る発明(以下、「訂正発明1乃至8」という)は、平成11年12月8日付け訂正請求書に添付された訂正明細書の上記2-1.(i)に示す請求項1乃至8に記載された事項により特定されるとおりのものである。
(引用刊行物)
当審が平成11年5月18日付けの訂正拒絶理由を兼ねた取消理由通知において引用した刊行物1乃至8には、それぞれ次の事項が記載されている。
引用例1:特開昭55-116434号公報
(イ)「すなわち本発明は両面接着テープをはりつけた紙、プラスチックシート等の基材に脱酸素剤を付着させ、ついで表面被覆シートを接着して被覆された脱酸素剤を製造する方法である。」(第1頁右欄第5行乃至第8行)
(ロ)「第1図中、2は剥離紙の一部3を剥離するための爪である。3の剥離紙が離れ、両面接着テープ12の一方の面が表面に現われた状態を第3図A、Bに示す。・・・両面接着テープ12の表面に落下した脱酸素剤13は、接着テープにより基板11に付着する。・・・次に表面を覆う表層材(表面被覆シート)7を圧着ロール8により押しつけることにより、粘着剤12により表層材と基材とを固定すると第6図の如く、脱酸素剤シートが製造される。これを切断機9にて切断したものが10(第7図にその詳細断面図を示す)である。勿論用途によっては、切断しないままのシートを巻き取るか或いは折り畳む状態でも使用しうる。」(第1頁右欄第18行乃至第2頁上段左欄第19行)
(ハ)「また包装するための袋の内側に接着して使用することもできる。」(第2頁上段右欄第7行及び第8行)
引用例2:特開平2-71814号公報
(イ)「本発明は脱酸素剤に関し、実用性に優れた脱酸素方式による品質保持剤に関する。」(第1頁右欄第10行及び第11行)
(ロ)「すなわち本発明は、ガス不透過性フィルムの中に脱酸素材料層を包装することを特徴とする脱酸素剤である。・・・使用時に剥離しやすい表面のガス不透過製フィルムを取り除くことによりはじめて脱酸素剤としての機能を発揮することを見出した。更に、その基材面に粘着性物質を形成し、必要とされる場所、例えばコンテナや包装容器内部等に容易に張り付けるようにすることによって、その応用・適用範囲は一挙に拡大することを見出し、本発明に至った。」(第2頁上段右欄第2行乃至下段左欄第2行)
引用例3:特開平1-111606号公報
(イ)「本発明は、・・・例えば脱酸素剤や乾燥剤などいわゆる不可食薬剤を誤食できないように包装する食品の製袋充填方法及びその装置に関する。」(第2頁下段左欄第19行乃至右欄第3行)
(ロ)「粘着剤層付き別添袋の成形手段Bは受けローラ13とこれに対向配設した圧着ローラ14と、食品用の両面粘着テープ15を前記ローラ13、14間に繰り出す両面粘着テープ繰り出しローラ16と、両面粘着テープ15の剥離ライナ15aを巻取る剥離ライナ巻取りロール17と・・・シュート22とを有して成る。」(第4頁下段左欄第15行乃至右欄第6行)
引用例4:実願昭63-88644号(実開平2-10569号)のマイクロフィルム
「裏面に接着剤層(2)を具備させた製品ラベル(C)、(C)が所定の間隙部分(S)を有して剥離紙(3)の表面に多数連続するように並設させたラベル連続体において、剥離紙(3)の表面上における製品ラベル(C)間の間隙部分(S)に、一連番号を刻設したラベル連続体」(第1頁実用新案登録請求の範囲の項)
引用例5:実願昭54-13272号(実開昭55-115582号)のマイクロフィルム
(イ)「通気性フィルム(5)の表面に、脱酸素剤、乾燥剤、殺菌剤、防腐剤、生長抑制剤の如き保存剤の薄い層(4)を形成した保存剤付シート」(第1頁実用新案登録請求の範囲の項)
(ロ)「本考案はフィルムの表面に保存剤の層を形成した保存剤付シートであって包装袋、箱容器の所定位置に予め接着して使用出来、」(第2頁第15行乃至第17行)
引用例6:特公昭54-476号公報
「まず、酸素の吸収速度・量の増加および取扱いの面から有効なものとしては、活性炭、活性アルミナ、・・・微粉シリカゲル、」(第2頁第4欄第37行乃至第40行)
引用例7:特開平2-72851号公報
(イ)「本発明は食品の腐敗、変質、劣化を防止するフィルム状脱酸素剤に関する。」(第1頁左欄第17行及び第18行)
(ロ)「脱酸素剤組成物がフィルム中に分散されてなる熱可塑性樹脂フィルムを延伸してなる脱酸素剤組成物含有微多孔フィルム」(第1頁特許請求の範囲の項)
引用例8:実願昭63-74140号(実開平1-177183号)のマイクロフィルム
(イ)「袋、容器内の酸素や水分、包装材や内容物から発生する臭気の除去は重要である。」(第1頁第19行乃至第2頁第1行)
(ロ)「熱可塑性樹脂に鉄粉及び食塩を配合してなる脱酸素シートと、紙に塩化カルシウムを分散してなる吸湿シートと、熱可塑性樹脂または紙に活性炭又はゼオライトを配合してなる脱臭シートとを積層してなる封入用シート」(第1頁実用新案登録請求の範囲の項)
(ハ)「封入用シートは酸素バリア性の高い包装袋を容器内に入れて使用する。脱酸素シート、脱臭シート及び吸湿シートの表面より酸素、臭気及び水分がそれぞれ吸収される。」(第3頁第19行乃至第4頁第2行)
(二)「これらの積層は熱ラミネート加工、粘着接着剤によるはり合わせ、又はスキンパック包装などにより行われる。」(第3頁第9行乃至第12行)
(対比・判断)
(i)本件訂正発明1について
引用例1には、「脱酸素剤」に関し、「両面接着テープをはりつけた紙、プラスチックシート等の基材に脱酸素剤を付着させ、ついで表面被覆シートを接着して被覆された脱酸素剤」(上記引用例1(イ)参照)の発明(以下、「引用例1発明」という)が記載されていると云える。
そこで、本件訂正発明1と引用例1発明とを対比すると、本件訂正発明1は、少なくとも「ベースシートとガス透過性カバーシートとで区画する空間が酸素-吸収性材料の層と吸水性紙の層からなる」点で上記引用例1発明と相違するから、上記引用例1に記載された発明であるとすることはできない。
また、引用例1発明の基材11について検討すると、引用例1の脱酸素剤の製造法に関する上記(ロ)の記載、すなわち「次に表面を覆う表層材(表面被覆シート)7を圧着ロール8により押しつけることにより、粘着剤12により表層材と基材とを固定すると第6図の如く、脱酸素剤シートが製造される。」や「これを切断機9にて切断したものが10(第7図にその詳細断面図を示す)である。勿論用途によっては、切断しないままのシートを巻き取るか或いは折り畳む状態でも使用しうる。」の記載に徴すれば、引用例1の「脱酸素剤シート」はその基材11と一体的なものであり、またその用途に供される場合でも、個別に切断されて第7図の形状の、いわゆる基材11と一体形状で供されるか又は切断されずに基材11と一体のシート形状のまま供されるものと解するのが相当である。
そうであるならば、引用例1発明の「脱酸素剤」は、その一体不可分の「基材11」に、本件訂正発明1の「第2の接着剤層」に相当する構成を有しないから、本件訂正発明1の「ラベル」とは別異のものと云うべきである。
この点に関し、引用例1の上記(ハ)には「袋の内側に接着して使用することもできる。」との記載があり、この記載から、引用例1発明も「基材11」を剥離して袋の内側に接着することができるものであると解する余地もありうるが、しかしながら、引用例1の他の記載をみるに、そのように解すべきとする何らの根拠も見当たらない。むしろ、上述したとおり、引用例1発明は「基材11」と一体で使用に供されるものと解するのが相当であるから、上記(ハ)の記載は、基材11に接着剤を付けて袋の内側に貼ることを単に示唆しているだけと解すべきであり、基材11を剥離することをも示唆していると解することには無理があると云うべきである。
してみると、引用例1には、「ラベル」を「ウェブ」に剥離可能に接着固定するという技術思想については何ら記載又は示唆するところがないから、本件訂正発明1は、上記引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることもできない。
次に、引用例2乃至8について検討すると、これら証拠にも、「ベースシートとガス透過性カバーシートとで区画する空間が酸素-吸収性材料の層と吸水性紙の層からなる酸素-吸収性ラベル」であって、この「ラベル」を「ウェブ」に剥離可能に接着固定するという技術思想については何ら記載又は示唆するところがないから、本件訂正発明1は、上記引用例1乃至8に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることもできない。
(ii)訂正発明2乃至8について
本件訂正発明2乃至8は、請求項1を引用した記載形式であるから、上記(i)の理由と同様、上記引用例1乃至8に記載された発明であるとすることはできないし、また上記引用例1乃至8に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともすることができない。
したがって、本件訂正発明1乃至8は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
2-4.むすび
以上のとおり、上記訂正は、平成6年改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議申立てについて
(異議申立ての理由)
特許異議申立人は、証拠方法として、甲第1号証乃至甲第10号証を提出して、本件請求項1乃至17に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、また甲第1号証、甲第3号証及び甲第5号証のいずれかに記載の発明と周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明の特許は特許法第29条第1項第3号又は同条第2項に違反してなされたものであり、取り消されるべきものであると主張している。
(証拠の記載内容)
甲第1号証:上記引用例1と同じである。
甲第2号証:「接着便覧第15版」(株)高分子刊行会、1987年」8月20日、第132頁乃至第137頁、第158頁及び第159頁
「粘着面」、「はく離ライナー」及び「両面粘着テープ」の用語の説明がある。
甲第3号証:上記引用例2と同じである。
甲第4号証:上記引用例3と同じである。
甲第5号証:上記引用例4と同じである。
甲第6号証:上記引用例5と同じである。
甲第7号証:上記引用例6と同じである。
甲第8号証:上記引用例7と同じである。
甲第9号証:米国特許第5116660号審判請求理由書
甲第10号証:米国特許第5686161号明細書
「しかしながら、両方の特許においてマトリックスは酸素吸収剤を埋め込んでおり、そしてこれによりこれら酸素吸収剤の機能を遮断している。」(第1欄第34行乃至37行)
(当審の判断)
甲第2号証以外の証拠については、上記2-3.の項で述べたとおりであり、また上記甲第2号証も、「両面粘着テープ」等に関する内容だけであるから、本件訂正発明1乃至8は、上記甲第1号証に記載された発明であるとすることはできないし、また甲第1号証乃至甲第8号証に記載された発明と周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともすることができない。
したがって、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。

4.むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、本件発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
酸素-吸収性ラベル
【発明の詳細な説明】
発明の背景
この発明は、酸素-吸収性化合物を含むラベル及び複数の該ラベルを含むウェブに関する。
酸素-吸収が要求される食品、医療品あるいは類似の各種の応用分野において、酸素-吸収は、一般に酸素吸収性パケットを酸素が吸収されるべき容器内に固定されずにばらで配置することにより行われている。これは、パケットが容器内容物と混合されたときしばしば望ましいことではなかった。4,769,175号特許で示されているように食品または他の商品の容器の内壁に確実に固定することができるシート状酸素除去剤が利用できることも公知である。
発明の要約
この発明の一つの目的は、高速連続ベース上に生産することができ、かつ高速連続ベース上のベース容器に適用することができ、効率的に酸素を吸収する酸素吸収性材料の薄層を含む酸素-吸収性ラベル構造を提供することである。
この発明の他の目的は、効率的な手段でラベル中へ水分を吸引するように一体化された酸素吸収性化合物の配列を含む酸素吸収性ラベルを提供することである。
この発明の他の目的は、容器の内容物に影響されることによっても、また含まれる鉄の酸化によってもしみ又は変色を起こさない容器の内側にしっかり付着するための酸素の吸収性ラベルを提供することである。
この発明のさらに別の目的は、その中の成分の配列の故に、極めて効率的かつ簡易な方法で組み立てられる酸素-吸収性ラベルを提供することである。
さらにこの発明の別の目的は、通常のラベル-貼付機を使用してラベルの取扱を容易にするための酸素-吸収性ラベルの複数を含むウェブを提供することである。
この発明の他の目的と付随的な利点は以下の記述から容易に理解されるであろう。
この発明は、複数の酸素-吸収性ラベルと、該ラベルの各々が剥離可能に接着固定されているウエブの集合体であって、該各ラベルはベースシート、該ベースシートに固定され、該ベースシートとの間の空間を区画するガス透過性カバーシートおよび前記空間の中に封入された酸素-吸収性材料の層と吸水性紙の層からなり、前記酸素吸収性材料の層と吸水性紙の層とは重なり合い、かつ実質上それらの間に何の材料も介さずに互いに直接接し、また前記層の一つが実質上それらの間に何の材料も介さずに前記カバーシートに直接隣接しており、かつ前記層の他がベースシートに隣接しており、前記カバーシートは前記空間の外側にあってかつ前記酸素-吸収性材料を含まない境界域に沿う第1の接着剤層により前記該ベースシートに接着固定されており、前記第1の接着剤層が前記空間内に延びて前記他の層を前記ベースシートに接着固定しており、また第2の接着剤層が、前記ウェブに前記ラベルを剥離可能に接着固定するため、かつ前記ラベルを前記ウェブから剥離して他の物に前記ラベルを接着固定するために、前記第1の接着剤層とは反対側のベースシートに具備されている前記集合体を提供する。
この発明の種々の態様は、明細書の以下の部分を添付の図面を参照して読めばより一層理解されよう。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の複数の酸素-吸収性ラベルを含むウェブの部分平面図である。
図2は、図1の2-2線に実質的に沿った部分断面図で、本発明の酸素吸収性ラベルの一態様を示している。
図3は、図2と同様で、第2の態様を示す図である。
図4は、壁に固定された本発明の改善された酸素吸収性ラベルを有する容器の正面図である。
図5は、図4の容器の壁に貼付された酸素-吸収性ラベルを示す部分拡大図である。
図6は、びんの口に固定された安全シール上に貼付された本発明の酸素-吸収性ラベルを示す部分断面図である。
図7は、図6の矢印14-14の方向に実質的に描かれた図、安全シール上に貼付されたラベルを示す。
好ましい態様の説明
説明のためのものだが、この発明のラベルの全ての態様は可撓性であり、高速連続ベース上に生産することができ、また高速連続ベース上の容器に応用することができる。特定の態様では印刷技術によって製造することもでき、すべての態様は、酸素-吸収性成分の薄層を利用するので高度に効率的である。
さらなる説明のためのものだが、この発明の酸素-吸収性ラベルは、低水分又は高水分雰囲気での利用が意図される。
図1において、この発明の複数の可撓性酸素-吸収性ラベル11を含むウェブ10が示されている。各々のラベル11はウェブ10に適当な感圧性接着剤とすることができる1〜2ミルの第2の接着剤の層12により固定されており、各ラベル11がそこから取りはずせるようにそのウェブは剥離紙からつくられている。
接着剤12は、厚さ1〜5ミル、好ましくは2〜3ミルの適当な紙又は可撓性プラスチックフィルムからつくることができるベースシート13の下側を形成する。可撓性ベースシート13は水分又は蒸気不透過性でも、またもし水分がそれを劣化しないならば吸水性であってもよい。もしラベルがホットメルト接着剤又は熱シール性重合体によりそのベース容器に付着されるならば層12はこうした物質から形成することができ、また層12は適当な接着剤の付加的な層又は点のような適当な手段によりウェブ10に剥離できるように固定することができる。
ベースシート13の上面は別の第1の接着剤14の層を含んでおり、この接着剤は接着剤フィルム12と同じタイプと厚さでよく、上記したようなホットメルト接着剤又は熱シール性重合体とすることができる。
接着剤の種々の方式は、制限はなく、感圧性接着剤、ホットメルト接着剤、コールドグルー及び触媒作用による硬化樹脂を含むことができる。さらに、接着剤による又は上記した他の方法によるシールは、フルコート又はパターンコートでもよい。
可撓性表面シート15は、ベースシート13に第1の接着剤層14により固定され、この固定は、前記粒状酸素-吸収性材料を含む空間の外側にあって、前記粒状酸素-吸収性材料を含まない境界域に沿う周縁部17でおきる。制限するものではなく、例としてあげると、表面シート15、は微小な目打ちがあってもなくてもよい油及び水不透過性紙、コート紙、又はポリエチレン、ポリプロピレン、EVA又はポリエチレンテレフタレート、サーリン等のプラスチックフィルム、紙、又はそれらのラミネートからつくられる。これらは酸素ガスが透過するが液体の水は透過しないように蒸気及びガス透過性である。
さらに、油及び水不透過性であることにより、表面シート15は、しみがつかず、したがって耐変色性で使用中に外観が見苦しくなることがない。
このしみは、ラベル中に含まれる鉄の酸化によるかラベルが配置された容器内容物との接触による。表面シートは厚さ5と7ミルの間とすることができ、より好ましくは1と5ミルの間、最も好ましくは3〜4ミルである。
表面シート15は、周縁部17においてベースシート13に付着することによりその中に酸素-吸収性成分19を封入する。図2の成分は、二種の乾燥反応剤、鉄20と固体電解質塩21を含んでいる。鉄は、水素還元鉄でも電解還元鉄でも、あるいは化学的に還元された鉄でもよく、大きな反応性を付与する。
鉄は、金属性酸素-吸収剤として好ましいものではあるが、他の金属も使用できることも理解されよう。これらについて制限されるものではないが例示すると、アルミニウム、銅、亜鉛、チタン、マグネシウム及び錫などである。しかしながら、これらは鉄が有する酸素-吸収量をもっていない。
また、元素又は部分酸化形態で使用できる他の元素は、ナトリウム、マンガン、よう素、いおう及びりんである。しかしながら、これらもまた鉄程有効ではない。
塩は、塩化ナトリウム、又は他の適当な食品に適合する塩で、制限するものでないが、硫酸ナトリウム、塩化カリ、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム及び塩化マグネシウムを含んでいる。
非食品製品に対しては、他の非-食品適合性塩が使用できる。乾燥反応剤、すなわち鉄及び塩は48と325メッシュの間であり、2〜12ミル好ましくは4〜8ミルの厚さに配置することができる。乾燥反応剤20及び21は接着剤層14の表面に接着して縁部17の内部に保持される。乾燥反応剤20と21の層が十分に薄い場合には、それらはシート13と15の間の位置に保持され、そしてこの薄さは約12ミルよりも小さい。換言すれば、粒状材料は、特にラベルがその容器ベースに接着されるとき隆起を形成しない実質的な層のままである。
シート13と15の表面の荒さも又粒状材料がその層形状の外に滑ることを防ぐことができる。粒状材料は、底部シート13上の連続した間欠ベース上に自動機械により配置することができる。シート22も自動機械により配置することができる。
表面シート15の内部にさらに包含されるのは、必要によりサイズされ、及び/又はコートされた吸取り紙又は乾燥剤からなる吸収剤シート22である。紙シートは、またその中に電解質とともに作ることもできる。シリカゲルを含み、等級名称SG-146によって同定されMultiform Desiccants Inc.の製品である乾燥剤紙は、使用することができる。吸取り紙又は乾燥剤紙の機能は、表面シート15を通して透過する酸素を吸収するために鉄が必要とする基本的電解作用を開始するために固体電解質と結合するように表面シート15を通して水分を吸収することである。吸収剤シートは、4と15ミルの間の厚さ、より好ましくは8と10ミルの間の厚さとすることができる。
種々の成分の前述の寸法は、組み合わせで考慮されるとき、ラベル11は、9.5と46ミルの間の厚さの外側範囲、18と31ミルの間の厚さの中間範囲、及び20と30ミルの間の厚さの内側範囲を有することがわかる。種々の層の厚さは、変えることができ、とくに吸取り紙及び/又は鉄及び塩の厚さは要求される吸収量に依存する。
図3において、この発明の第2態様11aが開示されている。ラベル11aは、図2のラベルの成分と同一の成分を有し、それゆえにこれらの成分は、図2関連してなされたように、詳細にそれらを記述する必要のない等しい数値により表示されるであろう。図2と3の態様の間のわずかな差異は、図2のように吸収剤シート22が乾燥反応剤20と21の上ではなくそれらの下にあることである。この態様においては粒状材料20と21の次に14のような接着剤層がない。図2に勝る図3の態様の利点は、吸収剤シートがラベルが位置する雰囲気から水分を吸引することにより、水分をまず粒状材料20と21を通して通行させるが、それにより反応を促進するということである。
他方、図3の態様に勝る図2の態様の利点は、吸収剤シート22が顆粒状又は粉末材料20、21をベースシート13と表面シート15の組立体の間の位置に保持することである。
シート22は、自動機械により底部シート13の上に位置することができ、そして粒状材料も又、自動機械により配置することができる。図2及び3のラベルに対する種々の寸法は、上記に示されており、拡大された範囲が次の表に示されている。

実施例1
図3に示されたタイプのラベルは、表面シートとして4.5ミル厚の耐油、グリース性紙と60%に調整された水分を含む9ミル厚のシリカゲル含浸紙を用いてつくられた。
200メッシュの塩化ナトリウム電解質の1.5重量%を混和した100メッシュの電解鉄が8ミル厚にシリカゲル紙の上に層形成され、感圧性接着剤の1ミルで両側を被覆された4.5ミル厚の紙がベースシートとして使用された。
完成されたラベルは約28ミル厚で反応剤域は約2×2”そして約0.68gの鉄を含んでいた。このラベルは、空気雰囲気の密閉された500cc容器の内壁に接着され、19時間でこの容器から99.98%より多い酸素を除去した。
よく知られているように、100ccの酸素を除去するために要求される鉄の化学量論的等量は0.325gである。どの系でもこの量の倍数が吸収されるべき酸素の量と反応速度に依存して使用される。また反応速度は鉄が配置される仕方に依存する。
さらに詳細には、鉄がパケット中に顆粒又は粒状の鉄を含むバルク形態で包含されたとき、24時間で100ccの酸素を吸収するのに0.85gが要求され、一方、鉄と塩の厚さが8ミルであるラベルの層として配置された時は、24時間で100ccの酸素を吸収するのに0.67gが要求されることが観察された。要求される鉄の量が少ないのは、それが薄層に分散されているので酸素に対する粒状鉄の露出面がより大きくなるという事実によるものである。
ラベルフォーマット中の酸素吸収性材料の比較的薄層を利用する有効性は、以下の表に説明されている。
表のカラム1は、種々の図面の形態で示されるラベルのタイプを表示する。また、各ラベルは電解作用を行うに十分な水分を含んでいた。
カラム2は、ラベル内の反応領域のサイズを表示する。
カラム3は、100メッシュ又はより微細な鉄のグラムでの重量を表示する。
カラム4は、水分活性材料を含む酸素-吸収性材料(Fe)のミルでの厚さを表示する。
カラム5は、酸素の立方センチメーターでのラベルの理論酸素-吸収量を表示する。
カラム6は、24時間でラベルにより吸収された酸素の立方センチメーターを表示する。
カラム7は、ラベルにより極限的に吸収された酸素の立方センチメーターでの合計量を表示する。

ラベル中の、電解作用を行うために要求される塩化ナトリウムの量は、使用される鉄の重量の2%と2.5%の間にある。
しかし、塩化ナトリウムの量は、実際には臨界的ではない。要求される電解作用を生起させるに十分な量が必要なだけである。この点において、約3.5%以上では反応速度に増加がみられず、また1%以下では反応速度の低下が観察されるが反応は生起する。もし、塩化ナトリウム以外の塩が使用されるならば、その重量は塩化ナトリウムの重量の化学量論量となる。
酸素吸収ラベルが乾燥環境にあるときは、酸素-吸収反応のために存在する鉄の重量で約30%と100%の間、好ましくは約40と80%の間、最も好ましくは40%と60%の間の水分を供給しなければならない。
個別の反応式において要求される水の実際の量は、反応に寄与すると見込まれる環境中の水の量に依存する。すなわち、環境が乾燥していれば全ての水が要求され、湿っていればわずかな水が要求されるということが理解されよう。
付言すると、前述の環境の下で使用される感水性材料の量もその水分含量及びその水親和性に依存する。
実例を上げると、望ましい状態を考慮すれば水分は好ましくは鉄と電解質を含む酸素-吸収性混合物中の鉄の重量の40〜60%の間の量存在することが望ましい。また、吸水性吸取り紙の一定量が水分としてそれ自体の重量の30〜35%を保持することができるということを考慮すると、水分として鉄の重量の40〜60%を供給するには鉄の重量の約1.5倍で湿った吸取り紙を使用することが必要である。
ラベル中に有効に採用される他の酸素-吸収系がある。制限するものではないが実例をあげると、このような系としては次のようなものがある。
粒状チオ硫酸ナトリウムと粒状水酸化カルシウムと粒状電解質塩の混合物は、次の反応にしたがって酸素を吸収する。
2Na2S2O4+2Ca(OH)2+3O2→2Na2SO4+
2CaSO4+2H2O
さらに、粒状アスコルビン酸と粒状電解質塩は、次の反応にしたがって酸素を吸収するために使用できる。
アスコルビン酸+O2→デヒドロアスコルビン酸+H2O
各前記2種の酸素-吸収系は、図1〜3のどの態様においても使用することができる。それらにおいていずれの成分もマトリクスで使用されるかばらの粒状体で使用される。
前記の2種の系は、また、単独で又は酸化可能な金属塩と組合わせて使用することができる。ある種のフェノール化合物は十分容易に酸化されるので有用である。これらの中には、カテコール、ハイドロキノン及びピロガロールがある。
ラベルフォーマットに生物学的系を使用することも可能である。酵素による酸素-吸収性反応は、適当な基質と組み合わせてグルコースオキシダーゼやアルコールオキシダーゼを利用するものを包含する。また好気性有機体もそれらが正常に呼吸を通して酸素を消費するので、ラベルフォーマットに使用することができ、イーストはこのカテゴリーに属すると信じられている。
図1〜3に関連する上記説明は、ウェブから分離できるラベルを示している。
上記したすべてのラベルは、自動機械により連続ベース上に形成することができ、また自動機械により貼付することもできるということが特にまた留意されるべきである。さらに、すべての態様は、高度に効率的な方式で酸素を吸収する酸素-吸収性材料の薄層を有し、また、このような薄層はさらにラベル自体を比較的薄くさせるのに助けとなる。また、上記の個別の態様では、ラベルをベースにすなわち他のものに、たとえば容器の内側に固定するための接着剤12を含むものとして説明されている。これに関連して、ラベルを容器のようなそのベースにしっかりと固定することは、ラベルを容器の構成部分とさせることによりラベルが容器内容物と混じるのを阻止することを再度強調する。
この発明のすべてのラベルの適応性は安心を高め、安心して製造、取扱い及び他の物への貼付ができることが特に留意されるべきである。さらには他の物が例えば図4の袋のような可撓性容器である場合にもラベルはその容器とともにたわみ、したがってそれらの良好な接触が維持される。
この発明のどの態様の代表的使用方法も図4〜7に示されている。図4と5におけるパッケージ40にはその内壁41に貼付されたラベルLを有していることが示されている。
上に示したように、ラベルLは、壁41に貼付されてさきの態様又はその変形例とすることができる。ラベルLは袋が形成される前に、すなわち袋の材料がまだストリップの状態にある間に壁41に貼付され、袋製造後その内側の部分となる。ラベルLは同じ方法で箱型容器の内側に固定できることも理解されよう。
図6と7において、ラベルLの他の利用法が示されている。これに関連してラベルは、びん44の口43に固定された安全シール42の下側に接着固定される。安全シール42とその貼付ラベルLは瓶の口に適用される半組み合わせを構成する。
この発明の好ましい態様を開示してきたが、この発明はそれらに制限されるものではなく、次の請求の範囲内でそれらとは別に具体化することができることは理解されよう。
(57)【特許請求の範囲】
1.複数の酸素-吸収性ラベルと、該ラベルの各々が剥離可能に接着固定されているウエブの集合体であって、該各ラベルはベースシート、該ベースシートに固定され、該ベースシートとの間の空間を区画するガス透過性カバーシートおよび前記空間の中に封入された酸素-吸収性材料の層と吸水性紙の層からなり、前記酸素吸収性材料の層と吸水性紙の層とは重なり合い、かつ実質上、それらの間に何の材料も介さずに互いに直接接し、また前記層の一つが実質上それらの間に何の材料も介さずに前記カバーシートに直接隣接しており、かつ前記層の他がベースシートに隣接しており、前記カバーシートは前記空間の外側にあってかつ前記酸素-吸収性材料を含まない境界域に沿う第1の接着剤層により前記該ベースシートに接着固定されており、前記第1の接着剤層が前記空間内に延びて前記他の層を前記ベースシートに接着固定しており、また第2の接着剤層が、前記ウェブに前記ラベルを剥離可能に接着固定するため、かつ前記ラベルを前記ウェブから剥離して他の物に前記ラベルを接着固定するために、前記第1の接着剤層とは反対側のベースシートに具備されている前記集合体。
2.前記カバーシートがポリエチレン、ポリプロピレン、EVA、ポリエチレンテレフタレート、サーリン、紙、コート紙、またはそれらのラミネートからなる群から選択される請求項1記載の集合体。
3.前記各ラベルが0.114mm(4.5ミル)と2.096mm(82.5ミル)の間の厚みを有する請求項1又は2に記載の集合体。
4.前記各ラベルが0.279mm(11ミル)と1.041mm(41ミル)との間の厚みを有する請求項3記載の集合体。
5.前記吸水紙の層が前記カバーシートと、前記酸素-吸収性材料の層との間に配置されている請求項1記載の集合体。
6.前記酸素-吸収性材料が粒状形態である先行する請求項のいずれか一つに記載の集合体。
7.前記酸素-吸収性材料がマトリックス中に埋めこまれている請求項1〜5のいずれか一つに記載の集合体。
8.前記酸素-吸収性材料が粒状鉄と粒状電解質材料の混合物である先行する請求項のいずれか一つに記載の集合体。
【図面】







 
訂正の要旨 訂正の要旨
本件訂正の要旨は、本件特許第2644377号発明の明細書を平成11年12月8日付け訂正請求書に添付された全文訂正明細書のとおり、すなわち特許請求の範囲の減縮、明りょうでない記載の釈明及び誤記の訂正を目的として、次の訂正事項(1)乃至訂正事項(31)のとおりに訂正するものである。
(i)「特許請求の範囲」の欄
訂正事項(1):「1.複数の酸素-吸収性ラベルと、該ラベルの各々が剥離可能に接着固定されているウェブの集合体であって、該各ラベルはベースシート、該ベースシートに固定され、該ベースシートとの間の空間を区画するガス透過性カバーシートおよび前記空間の中に封入された酸素-吸収性材料の層と吸水性紙の層からなり、前記酸素吸収性材料の層と吸水性紙の層とは重なり合い、かつ実質上、それらの間に何の材料も介さずに互いに直接接し、また前記層の一つが実質上それらの間に何の材料も介さずに前記カバーシートに直接隣接しており、かつ前記層の他がベースシートに隣接しており、前記カバーシートは前記空間の外側にあってかつ前記酸素-吸収性材料を含まない境界域に沿う第1の接着剤層により前記該ベースシートに接着固定されており、前記第1の接着剤層が前記空間内に延びて前記他の層を前記ベースシートに接着固定しており、また第2の接着剤層が前記ウェブに前記ラベルを剥離可能に接着固定するため、かつ前記ラベルを前記ウェブから剥離して他の物に前記ラベルを接着固定するために前記第1の接着剤層とは反対側のベースシートに具備されている前記集合体。
2.前記カバーシートがポリエチレン、ポリプロピレン、EVA、ポリエチレンテレフタレート、サーリン、紙、コート紙、またはそれらのラミネートからなる群から選択される請求項1記載の集合体。
3.前記各ラベルが0.114mm(4.5ミル)と2.096mm(82.5ミル)の間の厚みを有する請求項1又は2に記載の重合体。
4.前記各ラベルが0.279mm(11ミル)と1.041mm(41ミル)との間の厚みを有する請求項3記載の重合体。
5.前記吸水性紙の層が前記カバーシートと、前記酸素-吸収性材料の層との間に配置されている請求項1記載の集合体。
6.前記酸素-吸収性材料が粒状形態である先行する請求項のいずれか一つに記載の集合体。
7.前記酸素-吸収性材料がマトリックス中に埋めこまれている請求項1〜5のいずれか一つに記載の集合体。
8.前記酸素-吸収性材料が粒状鉄と粒状電解質材料の混合物である先行する請求項のいずれか一つに記載の集合体。」
(ii)「発明の詳細な説明」の欄
訂正事項(2):明細書2頁3行〜10行に「この発明は、〜に関する」とあるを「この発明は.複数の酸素-吸収性ラベルと、該ラベルの各々が剥離可能に接着固定されているウェブの集合体であって、該各ラベルはベースシート、該ベースシートに固定され、該ベースシートとの間の空間を区画するガス透過性カバーシートおよび前記空間の中に封入された酸素-吸収性材料の層と吸水性紙の層からなり、前記酸素吸収性材料の層と吸水性紙の層とは重なり合い、かつ実質上、それらの間に何の材料も介さずに互いに直接接し、また前記層の一つが実質上それらの間に何の材料も介さずに前記カバーシートに直接隣接しており、かつ前記層の他がベースシートに隣接しており、前記カバーシートは前記空間の外側にあってかつ前記酸素-吸収性材料を含まない境界域に沿う第1の接着剤層により前記該ベースシートに接着固定されており、前記第1の接着剤層が前記空間内に延びて前記他の層を前記ベースシートに接着固定しており、また第2の接着剤層が前記ウェブに前記ラベルを剥離可能に接着固定するため、かつ前記ラベルを前記ウェブから剥離して他の物に前記ラベルを接着固定するために前記第1の接着剤層とは反対側のベースシートに具備されている前記集合体に関する。」と訂正する。
訂正事項(3):明細書2頁下から6行〜3頁1行に図4は〜示す部分平面図である。」とあるを削除する。
訂正事項(4):同3頁2行に「図11」とあるを「図4」と訂正する。
訂正事項(5):同3頁4行に「図12は、図11の」とあるを「図5は、図4の」と訂正する。
訂正事項(6):同3頁6行に「図13」とあるを「図6」と訂正する。
訂正事項(7):同3頁8行に「図14は、図13の」とあるを「図7は、図6の」と訂正する。
訂正事項(8):同3頁16行〜末行に「この点に関して、〜使用できるだろう。」とあるを削除する。
訂正事項(9):同4頁12行〜16行に「ウェブ10〜ことができる。」とあるを削除する。
訂正事項(10):同4頁19行〜22行に「シート13も〜することができる。」とあるを削除する。
訂正事項(11):同5頁下から4〜3行に「成分のメッシュサイズは、同じである。」を削除する。
訂正事項(12):同8頁1行〜13頁5行に「この発明の〜次の実施例がつくられた。」とあるを削除する。
訂正事項(13):同13頁16行〜15頁4行に「実施例2〜を有していた。」とあるを削除する。
訂正事項(14):同16頁1行に「表V」とあるを「表II」と訂正する。
訂正事項(15):同16頁9行〜12行の図7および図5の欄を削除する。
訂正事項(16):同17頁11行〜16行に「しかしながら、〜有用である。」とあるを削除する。
訂正事項(17):同17頁下から3行に「図7の態様で又は図1〜6の他の」とあるを「図1〜3の」と訂正する。
訂正事項(18):同17頁末行に「マトリクスとばらの粒状体の組合わせ」とあるを「ばらの粒状体」と訂正する。
訂正事項(19):同18頁9行に「図1〜7」とあるを「図1〜3」と訂正する。
訂正事項(20):同18頁9行〜11行に「示したが、〜範囲内にある。」とあるを「示している。」と訂正する。
訂正事項(21):同18頁11〜23行に「そこで、〜分離できる。」とあるを削除する。
訂正事項(22):同19頁1行〜8行に「いるが、ラベルを〜固定することができる。」とあるを「いる。」と訂正する。
訂正事項(23):同19頁14行に「図11」とあるを「図4」と訂正する。
訂正事項(24):同19頁16行に「図11〜14とあるを「図4〜7」と訂正する。
訂正事項(25):同19頁10行〜11行に「図11と図12」とあるを「図4と5」に訂正する。
訂正事項(26):同19頁19行に「上記の適当な手段で」とあるを削除する。
訂正事項(27):同19頁下から6行に「図13と14」とあるを「図6と7」と訂正する。
訂正事項(28):同19頁下から2行〜20頁2行に「さきの説明は〜することができる。」とあるを削除する。
訂正事項(29):平成8年4月12日付手続補正書3頁(4)項において、「「第2の接着剤層14」と訂正する。」とあるを「「第1の接着剤層14」と訂正する。」に訂正する。
訂正事項(30):「Fig.4」、「Fig.5」、「Fig.6」、「Fig.7」、「Fig.8」、「Fig.9」及び「Fig.10」を削除する。
訂正事項(31):「Fig.11」を「Fig.4」に、「Fig.12」を「Fig.5」に、「Fig.13」を「Fig.6」に、「Fig.14」を「Fig.7」に、それぞれ訂正する。
異議決定日 2000-06-22 
出願番号 特願平4-503327
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B01J)
P 1 651・ 113- YA (B01J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 野田 直人服部 智  
特許庁審判長 沼沢 幸雄
特許庁審判官 山田 充
能美 知康
登録日 1997-05-02 
登録番号 特許第2644377号(P2644377)
権利者 マルチソーブ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
発明の名称 酸素-吸収性ラベル  
代理人 小松 秀岳  
代理人 旭 宏  
代理人 加々美 紀雄  
代理人 田中 克郎  
代理人 小松 秀岳  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 旭 宏  
代理人 加々美 紀雄  
代理人 大賀 眞司  

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