• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A46B
管理番号 1026292
審判番号 審判1999-18640  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-12-02 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-11-18 
確定日 2000-09-19 
事件の表示 平成 9年特許願第166469号「ブラシ部の角度調整可能な歯ブラシ」拒絶査定に対する審判事件[平成10年12月 2日出願公開、特開平10-313945]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成9年5月20日の出願であって、請求項1に係る発明乃至請求項3に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1乃至請求項3に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明は次のとおりのものである。
「【請求項1】ブラシ部並びに握り柄部が独立供給される形態の歯ブラシであって、ブラシ部の支持背面ほぼ中央に接合部材を有し、かつ握り柄部のほぼ先端部分に接合受け部材を有し、両接合部材を組み合わせかつ適度に緊着することにより、歯槽あるいは口腔及び手首の成す回転力により歯ブラシ部を0ないし180度の所望の角度に調整可能とすることを特徴とする歯ブラシ。」
2.引用例記載の事項
原査定の拒絶の理由に引用された本出願前に頒布された刊行物である実願昭48ー24767号(実開昭49-123070号)のマイクロフィルム(以下、「引用例」という)には、図面とともに、「それぞれ独立している本体(1)と手でもつ部分(2)をねじ(3)でとめて本体(1)と手でもつ部分(2)が、180度の範囲((A)の方向に90度、(B)の方向に90度)で回転し、任意の角度で使用できる回転式ハブラシ。」(実用新案登録請求の範囲)であること、「これを図面について説明すれば奥の歯をみがく時には、本体(1)のブラシ(4)全体を歯にあて手でもつ部分(2)を(A)または(B)の方向に動かし最も適した角度で使用する。前の歯の時は本体(1)のブラシ(4)全体を歯にあて(A)または(B)の方向(手でもつ部分(2)を左手で持った時は(A)の方向、右手で持った時は(B)の方向)に90度動かし手で持つ部分(2)を上下することにより簡単に磨くことができる。」(第1頁13〜20行)ことが記載されている。
3.対比
本願の請求項1に係る発明と引用例に記載されたものを対比すると、引用例に記載された「本体(1)」、「手でもつ部分(2)」、「ハブラシ」は、それぞれ、本願の請求項1に係る発明の「ブラシ部」、「握り柄部」、「歯ブラシ」に相当する。また引用例に記載された「それぞれ独立している本体(1)と手でもつ部分(2)」の点からみて、引用例に記載されたものも、本願の請求項1に係る発明同様、「ブラシ部並びに握り柄部が独立供給される形態」とされていること、引用例に記載された「本体(1)と手でもつ部分(2)をねじ(3)でとめて本体(1)と手でもつ部分(2)が、180度の範囲(・・・(略)・・・)で回転し、」の点並びに第1図及び第2図からみて、引用例に記載されたものも、本願の請求項1に係る発明同様、「ブラシ部の支持背面ほぼ中央に接合部材を有し、かつ握り柄部のほぼ先端部分に接合受け部材を有し、両接合部材を組み合わせかつ適度に緊着する」ようにされていることは、明らかである。
以上のことから本願請求項1に係る発明と引用例に記載されたものは、
「ブラシ部並びに握り柄部が独立供給される形態の歯ブラシであって、ブラシ部の支持背面ほぼ中央に接合部材を有し、かつ握り柄部のほぼ先端部分に接合受け部材を有し、両接合部材を組み合わせかつ適度に緊着することにより、回転力で歯ブラシ部を所望の角度に調整可能とした歯ブラシ。」
の点で一致し、次の点で相違する。
本件の請求項1に係る発明は、歯槽あるいは口腔及び手首の成す回転力により歯ブラシ部を0ないし180度の所望の角度に調整可能としているのに対し、引用例に記載されたものは、歯及び手のなす回転力により、(A)の方向に90度、(B)の方向に90度の180度の所望の角度にで調整可能としている点。
4.判断
上記相違点について検討する。
引用例に記載されたブラシ部は握り柄部に対して任意の角度に回転できるようにされており、これを本願の請求項1に係る発明のように歯ブラシ部を0ないし180度の所望の角度に調整可能にすることは、当業者であれば適宜なし得る程度のことにすぎないというべきであり、また、歯をみがく際、歯ブラシ部を歯槽あるいは口腔にあて、手首を使ってみがくことは、普通に行なわれる行為であるから、引用例に記載されたものから、上記相違点であげた本願の請求項1に係る発明を特定する事項のようにすることは、当業者であれば、容易になし得ることである。
なお、本願の請求項1に係る発明の効果も、引用例に記載された事項から予測し得る程度のものであって、格別なものではない。
5.むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2000-07-10 
結審通知日 2000-07-21 
審決日 2000-08-01 
出願番号 特願平9-166469
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A46B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平岩 正一稲村 正義土田 嘉一  
特許庁審判長 大槻 清寿
特許庁審判官 原 慧
岡田 和加子
発明の名称 ブラシ部の角度調整可能な歯ブラシ  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ