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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1030263
審判番号 審判1999-16322  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-01-06 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-10-08 
確定日 2000-10-27 
事件の表示 平成 5年特許願第146518号「スロットマシンのドア構造」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 1月 6日出願公開、特開平 7- 594]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 本願は、平成5年6月17日の出願であって、請求項の数2からなり、その請求項1に係る発明は、平成11年10月8日付手続補正書により適法に補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。
「スロットマシンの前面に開閉自在に設けられたドア本体と、このドア本体の端縁部に形成された保持部に着脱自在に取り付けられた左右別体の装飾用の縁取り部材とからなるスロットマシンのドア構造において、
前記縁取り部材の各々は、光透過性樹脂の成形品からなり、ドア本体もしくは各縁取り部材に組み込まれた光源により内面側から照明されることを特徴とするスロットマシンのドア構造。」
これに対して、原査定の拒絶の理由で引用された実願昭63-95846号(実開平2-17177号)のマイクロフィルム(以下「刊行物1」という。)には、
「装置本体が内蔵されるキャビネットに支持枠を枢着すると共に、このキャビネットに前面ドアを前記支持枠を介して取外し可能に取付けた・・・スロットマシン。」(実用新案登録請求の範囲)であって、
「第5図に示すように、前面が開口したキャビネットaに枢着部bを設けると共に、キャビネットaの前面開口部を覆う前面ドアcに接続部dを設け、この接続部dに着脱可能に係着することにより、複数種類の前面ドアcを任意に選択して前記キャビネットaに取付けることができる」(第2頁第11〜17行)こと、
「スロットマシンの・・・キャビネット1の前面開口部2に取付けられる前面ドアを上下に分割し、上部ドア(前面ドア)3と下部ドア4とを形成している。上部ドア3は合成樹脂製の外装枠5と操作パネル6とからなる。」(第4頁第7〜12行)こと、
「キャビネット1の前面開口部2の上部において、前記上部ドア3が取付け可能な口字状の支持枠15を前記キャビネット1に枢着している。この支持枠15は・・・一側において蝶番16により開閉回動可能に支持されている。支持枠15には、第2図に示すように、上部ドア3を取付けるネジ17を挿通する複数の挿通孔18が設けられている。又上部ドア3の外装枠5には、これら挿通孔18に合致し前記ネジ16に螺合するの取付穴19が設けられている。」(第5頁第3〜12行)こと、
「上部ドア3を支持枠15を介してキャビネット1に開閉可能に取付けることができる。従って、スロットマシンの・・・キャビネット1はそのままで、第4図に示すように、外観意匠の異なる上部ドア3に交換することによって新台に交換したのと同様の効果を顧客に与えることができる。」(第6頁第6〜12行)ことが、図面とともに記載され、また、第2図の記載から上記「外装枠5」と「支持枠15」とが「ネジ17」によって着脱自在に取付られていることが、当業者において明らかである。
同じく、原査定の拒絶の理由で引用された実願平2-107356号(実開平4-65590号)のマイクロフィルム(以下「刊行物2」という。)には、
「本考案のゲーム機機筺は・・・函体とその函体の前面に一側を蝶着した開閉前枠とからなり、前記開閉前枠に上下数段の透明板を固定し、その各透明板の裏面に模様、文字、記号等の模様を現した透光性絵柄板と、その絵柄板を背後から照明する照明灯装置を設け」(第3頁第8〜13行)たことが記載されており、また第1図等に記載されたものが「スロットマシン」であることが、当業者において明らかである。
本願請求項1に係る発明(以下「前者」という)と、上記刊行物1記載の技術(以下「後者」という。)とを対比すると、後者の「支持枠15」「外装枠5」は、前者の「ドア本体の端縁部に形成された保持部」「縁取り部材」にそれぞれ相当する。また、後者の第1,2図の記載、及び、上記「外観意匠の異なる上部ドア3に交換することによって新台に交換したのと同様の効果を顧客に与えることができる。」という記載から、後者の「外装枠5」が「装飾」機能を持つことが当業者において明らかな事項である上、この点は、審判請求人も認めている事項(審判請求書第3頁第8〜9行)であり、両者は、
「スロットマシンの前面に開閉自在に設けられたドア本体と、このドア本体の端縁部に形成された保持部に着脱自在に取り付けられた装飾用の縁取り部材とからなるスロットマシンのドア構造において、前記縁取り部材は、樹脂の成形品からなるスロットマシンのドア構造。」の点で一致し、以下の点で相違している。
「装飾用の縁取り部材」が、前者は『左右別体とされ、各々光透過性であり、ドア本体もしくは各縁取り部材に組み込まれた光源により内面側から照明される』ものであるのに対し、後者は『略口字状の一体物とされ、光透過性ではなく、内部に光源を有していない』ものである点。
上記相違する点について検討する。
縁取り部材を、左右別体とするか一体物とするかは、装飾部位や製作上の都合等を考慮して当業者が適宜選択し得る設計事項にすぎない。
また、刊行物2には上記のとおり、スロットマシンにおいて、透光性の装飾部材(絵柄板)の内側に光源(照明灯装置)を設け装飾部材を内面側から照明することが記載されており、該技術を縁取り部材に適用して「光源により内面側から照明される縁取り部材」とすることに格別の技術的意義は認められず、当業者が必要に応じ適宜なし得る設計変更にすぎない。そして、上記前者がそのような構成を採用したことによる効果にも格別のものがあるとはいえない。
従って、本願請求項1に係る発明は上記刊行物1,2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2に係る発明について検討するまでもなく、本願は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2000-08-09 
結審通知日 2000-08-25 
審決日 2000-09-05 
出願番号 特願平5-146518
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神 悦彦  
特許庁審判長 山田 忠夫
特許庁審判官 吉村 尚
藤井 靖子
発明の名称 スロットマシンのドア構造  
代理人 小林 和憲  

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