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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1031815
異議申立番号 異議1998-75714  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1991-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-11-24 
確定日 2000-10-30 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2757024号「わらび餅」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2757024号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2757024号の請求項1〜4に係る発明についての出願は、平成1年6月20日に特許出願され、平成10年3月13日に特許の設定登録がされ、その後、その特許について異議申立人 野一色辰芳により特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年8月12日に訂正請求(後日取り下げ)がなされた後、再度取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年8月18日に訂正請求がされたものである。
2.訂正の適否
本件訂正請求は、本件特許明細書を、訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。
1)訂正の内容
(イ)特許請求の範囲を
「【請求項1】甘藷澱粉を主原料にしたものにおいて、主原料澱粉中に置換度が0.01〜0.2の、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を10〜30%、カルボキシメチル化馬鈴薯澱粉を10〜15%、コハク酸エステル化馬鈴薯澱粉を10〜20%、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化トウモロコシ澱粉を10〜20%、またはエピクロルヒドリン架橋アセチル酸化小麦澱粉を10〜20%配合してなる わらび餅。」と訂正する。(請求項2〜4は削除)
(ロ)本件特許明細書第2頁19〜20行(本件公報第2頁左欄第3行)の「エチレンオキシドプロピレンオキシド」を「エチレンオキシド、プロピレンオキシド」と訂正する。
2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
前記訂正(イ)は、主原料の澱粉、化工澱粉の化工方法、化工澱粉の原料および添加量についてそれぞれ特定のものに限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮に相当する。
前記訂正(ロ)は、誤記の訂正に相当する。
そして、前記(イ)の訂正は願書に添付した明細書に記載された範囲内のものである。
さらに訂正(イ)、(ロ)は、実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものではない。
3)独立特許要件の判断
訂正後の請求項1に係る発明は、後記「3.特許異議申立について」の項に示したとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
4)以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項および同条第3項で準用する特許法第126条第2〜4項の規定が、平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定によりなお従前の例とされることから適用される、平成5年特許法第126条第1項ただし書き、第2項および第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議申立について
1)異議申立人の主張
異議申立人は、本件特許明細書は、特許法第36条第3,4項に規定する要件を満たしておらず(以下、理由1という)、また本件特許発明は、下記甲第1、2号証に記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり(以下、理由2という)、本件発明の特許は特許法第113条第2号に該当するので取り消されるべきものである旨主張する。

甲第1号証:二国二郎監修「澱粉科学ハンドブック」(第39〜42頁、第 496〜498頁、第510〜512頁、504〜505頁、5 01〜503頁、1977年7月20日、株式会社朝倉書店発行)
甲第2号証:O.B.Wurzburg,M.S.「Modified Starches:Properties and Uses」(p.68,p.94 CRC Press Inc.1986年発行)
2)理由1について
異議申立人は、本件特許明細書の特許請求の範囲請求項1の記載は、その外延が不明瞭であり、結果的に、実施例で支持されない、ないし、所期の効果を奏しない部分を含む旨主張し、その理由として(a)「澱粉を主原料にしたもの」との記載があるが、本件発明の課題である「冷蔵中の澱粉の老化」は、甘藷澱粉を原料としているためであり、しかも、実施例がすべて「甘藷澱粉」であることからこの記載は不明確であること、(b)「化工澱粉」の語は、本件明細書に明示されていない「エーテル化、エステル化、架橋化、低分子処理化」澱粉以外に、デキストリン、α澱粉なども含まれ、概念的に広すぎること、(c)「化工澱粉を配合」と記載されているが、配合量の下限および上限が規定されておらず、不明である。よって、本件特許明細の記載は不備である旨主張している。
しかしながら、前記訂正請求により、前記(a)、(b)、および(c)に係る点は訂正された。そして、上記訂正に係る明細書には、不明瞭な点は見あたらない。
よって、異議申立人の主張は採用できない。
3)理由2について
(i)訂正発明
訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、訂正発明という)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された前記のとおりのものである。
(ii)甲号各証の記載内容
(甲第1号証)
甲第1号証には、澱粉ノリの老化について、澱粉自体、例えば甘藷、馬鈴薯、トウモロコシ、小麦等由来の各澱粉の老化(糊化澱粉が時間とともに自発的に天然澱粉のように水に不溶性の状態に変化すること)の程度は、温度、水、pH等の種々の因子により異なるものであること、それらの分子構造により差違があること、天然の澱粉ノリは冷蔵に適しておらず、解凍時に老化して離水しやすい、ところが、モチ質の澱粉に微量のモノリン酸エステルを導入し、微量のリン酸で架橋を行うと、冷蔵特性を向上させることができること(第39〜42頁)、化工澱粉には、化学的変性、物理的変性、酵素的変性があり、前記化学的変性には、分解と誘導体があり、該誘導体には、架橋澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、グラフト共重合体が示され、誘導体には、常温・糊化・溶解、加熱不溶(疎水化)、保水・粘弾性、電気特性、乳化保護コロイド、耐老化性、耐薬品、機械性……(中略)……等があることが示されている(第496〜497頁)。具体的には、酸化澱粉は、安定した老化性の少ない糊液の提供が可能であること、アメリカではスターチゼリーなどの食品工業でも賞用されている旨(第504〜505頁)、酢酸澱粉溶液は、電気的に中性で、冷却してもゲル化せず透明で耐老化性を示すことが、又その用途には米国FDA(US Food Drug Administration)ではアセチル化基2.5%までのものが認可されているので保存食品の増粘、保形剤として広く利用される旨が(第504〜505頁)、リン酸モノ澱粉エステルは、耐老化性と高い保水性を利用して種々の食品に単独または他の多糖類や澱粉質とともに、増粘と保形安定の目的に用途をもち、特に、保存、冷凍食品に適しジエステル化を複合すれば高圧調理品に効果が大きいこと(第510〜512頁)が記載されている。
(甲第2号証)
甲第2号証には酢酸澱粉とその他の有機エステルと題して、種々の特性を有し(澱粉の分散性と安定性の増強等)、澱粉の低度の化学変性は、澱粉の適用を拡大すること、トウモロコシ、馬鈴薯及びタピオカ澱粉は、冷蔵時長期保存に対し不安定であるのに対し、酢酸澱粉は、安定性と透明性(低温安定性)に優れていることが記載されている(第66〜71頁)。
また、ヒドロキシプロピル澱粉は、組成物における貯蔵安定性、冷凍/解凍安定性、貯蔵安定性(cold storage stability)、冷水膨潤性、再成形性を改善させる。ヒドロキシプロピル置換度、架橋度(架橋する場合)、そして原料澱粉の持つ特性のバランスを最適とすることにより、これらの製品の機能物性を最良とすることができる。一般的に、化学変性は、原料澱粉の本来有する特性を増大(増強)させるように注意深く調整される。ヒドロキシプロピル基は親水性であり、澱粉粒への導入は、澱粉粒を維持して内部構造を弱くし又は広げる。この結合強度の低下は、糊化温度に反映する。・・・ヒドロキシプロピル基の置換度の増大に従って、糊化温度は、製品が膨潤する温度にまで低下する。・・・ヒドロキシプロピル置換澱粉は冷めると増粘するが、再加熱により元の粘土及び透明な状態に戻る。・・・変性澱粉のこの特性は冷凍/解凍安定性及び冷蔵安定性においても明らかである。ここではヒドロキシプロピルの親水性が冷凍/解凍サイクルにおいて離水ないし相分離させない。ヒドロキシプロピル澱粉の架橋は澱粉糊の粘度を安定させ適度な軽い口当たり特性(a desired short textured property)を付与する。水で膨れたしかし完全な澱粉粒は、レオロジー特性を維持する殆どの食用澱粉用途において望ましい。一般に、加熱条件が厳しいと、より高い架橋度が要求される。しかし、それぞれの場合において、ヒドロキシル置換度と架橋度との間に最適な度合いとバランスが存在する。置換度や架橋度を微妙に調整することにより澱粉製品を非常に特別な使用条件に適合するように仕立てることが可能となる、と記載されている(第94〜95頁)。
(iii)対比・判断
わらび餅は適度の弾力性と透明度とを有し涼感を誘うため古くから夏に食べるものとして親しまれているが、本来冷やして食べるものであり、通常甘藷澱粉を原料としているため、冷蔵中に澱粉の老化に伴う硬化現象と白色不透明を来たし、わらび餅の美観および食感が低下してしまうという難点があり、そのため長時間保存することができず、食前数時間ごろに冷やすのが通常であり、低温保存しておいて広域にわたって販売しようとしても不可能であり、又、大量生産することもできないという欠点があった。このような欠点を解決するため、タピオカ澱粉を配合することが提案されているが(特開昭55-13048号公報参照)未だ十分な効果が得られていない。
そこで、本件訂正発明は、上記課題を解決するため、前記のように、甘藷澱粉を主原料としたものにおいて、特定の置換度を有する特定の化工澱粉を、該上記特定の化工澱粉それぞれを特定量、主原料澱粉中に配合すること、すなわち、置換度が0.01〜0.2の、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を10〜30%、カルボキシメチル化馬鈴薯澱粉を10〜15%、コハク酸エステル化馬鈴薯澱粉を10〜20%、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化トウモロコシ澱粉を10〜20%、またはエピクロルヒドリン架橋アセチル酸化小麦澱粉を10〜20%配合することを採用したものである。
これに対し、甲第1号証には、澱粉の老化は、由来する澱粉の種類により、温度、水、pH等により異なることについて、また、化工澱粉には、澱粉を化学的変性、物理的変性等により多岐にわたる種々のものがあること、これら種々の化工澱粉は、元の澱粉の化学的、物理的、電気的物性等において改質されることが記載されているものの、澱粉の冷蔵特性を向上することに関しては、安定した老化性の少ない糊液としうるのは酸化澱粉であり、電気的に中性で、冷却してもゲル化せず耐老化性を示し、この一部のものは米国で保存食品の増粘、保形剤として利用されているものは、酢酸澱粉溶液であり、耐老化性、保水性を有し、増粘と保型安定の目的に用途をもち、保存、冷凍食品に適するものはリン酸モノ澱粉エステルであることが示されているのであり、これらの化合物は、本件訂正発明に係るヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉、カルボキシメチル化馬鈴薯澱粉、コハク酸エステル化馬鈴薯澱粉、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化トウモロコシ澱粉、またはエピクロルヒドリン架橋アセチル酸化小麦澱粉化工澱粉のいずれとも異なるものである。
次に、甲第2号証には、ヒドロキシプロピル澱粉は、冷蔵安定性があり、食用澱粉製品に適合すること、ヒドロキシプロピル基導入の種々の影響(物理化学的特性、軽い口当たり)が記載されている。
ところで、澱粉、化工澱粉の性質は、その由来、化工の種類、置換基、置換度、使用される条件等によって差があるから、ほとんどが澱粉成分からなる製品は、使用する澱粉(化工澱粉を含む)が異なることによる製品への影響が大きいと認められるところ、わらび餅は、ほとんど澱粉成分からなる食品であり、特に、その独特の食感、美観が要求されるものである。
しかるに、甲第2号証には、上述の老化防止効果等の一般的記載はあるものの、わらび餅独特の食感・美観が維持できるかどうかを類推できる記載はないから、ヒドロキシプロピル化澱粉がわらび餅に適用可能なものかどうかも不明であり、さらに、いかなる由来のヒドロキシプロピル化澱粉のどのくらいの置換度のものをどの程度配合すればよいのかも不明である。
そうしてみると、甘藷澱粉を主成分とするわらび餅に特定のヒドロキシプロピル化澱粉の特定の置換度のものを特定量配合する本件構成を当業者が直ちに想到し得たとすることはできない。
さらに、甲第1、2号証に記載の発明を組み合わせても本件訂正発明を想到するには無理がある。
そして、本件訂正明細書特に表-1には、前記特定の置換度、前記特定の化工澱粉を、甘藷澱粉にそれぞれ特定量配合せしめて、冷蔵24時間後には、ゲル強度、白色度(-は、透明性を表す)、食感において非常に良好であることが、さらに冷蔵48時間後においてもいずれも良好である旨記載されている。すなわち、本件訂正発明は、冷蔵庫や室温に長期放置しても、わらび餅特有のやわらかさ、食感、透明性を保持することのできる、甲第1,2号証から予期できない効果を奏するものと認められる。
4.まとめ
以上のことから、特許異議申立の前記理由及び提出された証拠方法によっては、本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことはできない。
又、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
わらび餅
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 甘薯澱粉を主原料としたものにおいて、主原料澱粉中に置換度が0.01〜0.2の、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を10〜30%、カルボキシメチル化馬鈴薯澱粉を10〜15%、コハク酸エステル化馬鈴薯澱粉を10〜20%、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化トウモロコシ澱粉を10〜20%、またはエピクロルヒドリン架橋アセチル酸化小麦澱粉を10〜20%配合してなるわらび餅。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は食感が良好でかつ冷蔵保存しても、澱粉のいわゆる老化現象による硬化を来たさないわらび餅に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、わらび餅は甘薯澱粉を原料としているため、冷蔵中に澱粉の老化に伴う硬化現象と白色不透明化を来たし、美感および食感が低下してしまう。
特開昭55-13048号公報には、タピオカ澱粉を配合することにより上記課題を解決する旨提案されているが、未だ十分な効果が得られない。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、冷蔵庫や室温で長期放置しても、製造直後のやわらかさ、食感、透明性を保持することのできるわらび餅を見出したものである。
すなわち、本発明は主原料澱粉中に馬鈴薯、甘薯、トウモロコシ、モチトウモロコシ、高アミローストウモロコシ、小麦、米、タピオカおよびサゴから得られる澱粉を、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびモノクロル酢酸等のエーテル化剤、無水酢酸、酢酸ビニル、無水マレイン酸、無水コハク酸、1-オクテニル無水コハク酸、オルトリン酸、ポリリン酸、メタリン酸塩等のエステル化剤、エピクロルヒドリン、オキシ塩化リン、ポリリン酸塩、メタリン酸塩、アジピン酸およびアクロレイン等の架橋剤、硝酸、塩酸、硫酸等の酸、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素等の酸化剤によって、エーテル、エステル化、架橋化、低分子処理化またはこれらの方法を組み合わせて得られる化工澱粉を主原料澱粉中に少なくとも3%以上、好ましくは10%以上配合してわらび餅を得ることを特徴とする。
本発明に用いられる化工澱粉のエーテル化、エステル化の置換度(無水グルコース残基1モル当りの置換度D.S.モル)は0.005〜0.3好ましくは0.01〜0.2のものが好適に用いられる。
本発明に用いられる化工澱粉の糊化開始温度(15%澱粉スラリーを調整し、ブラベンダーアミログラフにおいて粘度の増加開始温度を意味する。)は、45〜75℃、好ましくは50〜65℃のものが好適に用いられる。
【0004】
【作用】
本発明のわらび餅は、主原料澱粉中に化工澱粉を配合しているので、わらび餅の経時変化が非常に少なくなり、食感の低下がほとんどない。
【0005】
【実施例】
実施例1
甘薯澱粉200〜140g、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉(試料1:置換度0.06)またはカルボキシメチル化馬鈴薯澱粉(試料2:置換度0.05)0〜60gを水910mlに分散懸濁させ、加熱しながら十分に混練し、澱粉が十分糊化した後成形箱に流し込み、水で冷却した後細断することによりわらび餅960gを得た。
【0006】
実施例2
実施例1の化工澱粉に代えて、コハク酸エステル化馬鈴薯澱粉(試料3:置換度0.05)を用いて実施例1と同様にしてわらび餅を得た。
【0007】
実施例3
実施例1の化工澱粉に代えて、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化トウモロコシ澱粉(試料4:置換度0.10)、エピクロルヒドリン架橋アセチル酸化小麦澱粉(試料5:置換度0.12)を用いて実施例1と同様にしてわらび餅を得た。
【0008】
実施例4
実施例1〜3で得たわらび餅のゲル強度、白色度、食感を冷蔵(3℃)後5、24、48時間後に測定した。
ゲル強度の測定は、レオメーター(不動工業(株)製)にて、感圧軸φ8mm球型、テーブルスピード30cm/minの条件でゲルを破断し測定した。
白色度は、目視で観察した。-は白色化していないことを表わし+の記号が増えるにつれて白色度が大きいことを意味する。
食感はパネラーがわらび餅を食したときの柔らかさ、弾力性等を総合評価し、良いものから順に◎(非常に良好)、○(良好)、△(少し劣る)、×(劣る)と表示した。
以上のゲル強度、白色度、食感の結果を表1〜3に示す。
【0009】
【表1】

【0010】

【0011】
【表3】

【0012】
【効果】
実施例に示したように本発明のわらび餅は、化工澱粉を配合しているので、冷蔵保存してもそのゲル強度の変化は少なく、白色化しにくく、食感が劣化するのを防ぐ効果がある。
 
訂正の要旨 (3)訂正事項
a.特許請求の範囲に記載された
「【請求項1】澱粉を主原料としたものにおいて、化工澱粉を配合してなるわらび餅。
【請求項2】該化工澱粉がエーテル化エステル化、架橋化、低分子処理化またはこれらの方法を組み合わせて得られたものである請求項1記載のわらび餅。
【請求項3】該化工澱粉が、馬鈴薯、甘薯、トウモロコシ、モチトウモロコシ、高アミローストウモロコシ、小麦、米、タピオカおよびサゴから得られる澱粉を化工したものである請求項1または2記載のわらび餅。
【請求項4】該化工澱粉を主原料澱粉中に3%以上好ましくは10%以上配合してなる請求項1記載のわらび餅。」を
「【請求項1】甘薯澱粉を主原料としたものにおいて、主原料澱粉中に置換度が0.01〜0.2の、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉を10〜30%、カルボキシメチル化馬鈴薯澱粉を10〜15%、コハク酸エステル化馬鈴薯澱粉を10〜20%、リン酸架橋ヒドロキシプロピル化トウモロコシ澱粉を10〜20%、またはエピクロルヒドリン架橋アセチル酸化小麦澱粉を10〜20%配合してなるわらび餅。」と訂正する。
b.出願当初明細書第2頁第19〜20行目(特許公報第2頁左欄第3行目)に記載した「エチレンオキシドプロピレンオキシド」を「エチレンオキシド、プロピレンオキシド」と訂正する。
異議決定日 2000-10-06 
出願番号 特願平1-157331
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A23L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 植野 浩志  
特許庁審判長 田中 倫子
特許庁審判官 佐伯 裕子
大高 とし子
登録日 1998-03-13 
登録番号 特許第2757024号(P2757024)
権利者 日澱化學株式会社
発明の名称 わらび餅  
代理人 青山 葆  
代理人 田中 光雄  
代理人 田中 光雄  
代理人 青山 葆  

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