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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 D04D |
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管理番号 | 1032250 |
異議申立番号 | 異議2000-73437 |
総通号数 | 17 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-02-03 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-09-13 |
確定日 | 2001-01-24 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3018838号「リストバンドおよびリストバンドプリンター」の請求項1〜9に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3018838号の請求項1〜9に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.本件特許第3018838号の発明〔平成5年7月20日出願、平成12年1月7日設定登録(請求項の数10)〕は、特許明細書の記載からみて、特許請求の範囲請求項1〜10に記載されたとおりのものと認める。 2.特許異議申立人は、請求項1〜9に係る発明(以下、本件発明という。)は、甲第1号証(特開平5-162286号公報)、甲第2号証[実願昭58-129546(実開昭60-36069)のマイクロフィルム]、甲第3号証(特開平4-343801号公報)及び甲第4号証(特開平5-77557号公報)に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであると主張している。 3.甲第1号証には、主として染料を布帛に付着させる印字ヘッド部と該染料が付着した布帛を加熱する加熱部を有することを特徴とする布帛用プリンター(特許請求の範囲請求項1)が記載され、「本発明は、・・・詳しくは、・・・布帛用ラベルプリンターに関する。」(第1欄第27〜29行)、「本発明でいう布帛とは、・・・、ポリエステル系やポリアミド系やポリアクリロニトリル系等の合成繊維、・・・等からなる織物、編み物、不織布等を指し、・・・。使用される布帛としては、単繊維繊度0.001デニール以上1デニール以下の極細繊維から主としてなる布帛を用いると、プリント鮮明性の点で好ましく・・・。」(第3欄第34〜45行)、「本発明をバーコード布帛ラベルに応用した例について説明する。布帛として、0.06デニールの極細ポリエステルフィラメント繊維からなる高密度布帛に、・・・、テープ状にカットしたものを用意した。プリント方式は、熱転写方式である。まず、サーマルヘッド6により布帛テープ20の表面にサーマルリボン21の染料が仮付着される。」(第4欄第9〜17行)との記載がなされ、 甲第2号証には、動物の身体の一部に巻きつけて動物を識別するための可撓性を有する帯状シートからなる識別票であって、識別票表面には識別用文字やマークが付され、裏面には貼着用の接着部が部分的に設けられており、さらに識別票端部には剥離防止用の丸みが付けられていることを特徴とする動物識別票(実用新案登録請求の範囲第1項)が記載され、第1図とともに「この実施例の識別票10は、ポリプロピレンシートに和紙がサッドイッチされた合成紙や不織布、あるいは伸縮性を有するシート状ゴム等からなる薄いシートを、所定の長さに切断して製造したものである。」(第5頁第5〜10行)との記載がなされ、 甲第3号証には、腕に着脱可能なバンド部材に、バーコード表示部が設けられていることを特徴とするバーコード付きリストバンド(特許請求の範囲請求項1)が記載され、バーコード表示部2dを備え、係止孔15dにて環状に形成されたリストバンドDの記載(第3欄第36行〜第4欄第3行及び図7、8参照)及び「バンド部材は、形状記憶プラスチックで形成されたものに限らず、表面が軟質塩化ビニル樹脂等のプラスチックで被覆された帯状鋼で形成されたものであってもよい。」(第4欄第30〜33行)との記載がなされ、 甲第4号証には、昇華性もしくは蒸発性の染色剤を含有した感熱溶融転写インクリボンを用い、サーマルプリンタにより、離型性の基材の上にホットメルト樹脂を積層してなる転写媒体に図柄を形成した後、該転写媒体と布帛を密着して加熱し、該図柄を布帛に転写した後、該転写媒体を剥離することを特徴とする熱溶融転写法(特許請求の範囲請求項1)が記載されていることが認められる。 しかしながら、甲第1〜4号証には、本件発明の構成要件である「主として単繊維繊度0.0001〜1デニールのポリエステル極細繊維からなる布帛」より構成されてなるリストバンド(請求項1〜3)、又はそのためのリストバンドプリンター(請求項4〜9)については、記載も示唆もなされていないものと認められる。 すなわち、甲第1号証には、本件発明に係る前記布帛を用いたラベルが記載されているに過ぎないし、甲第2〜4号証には、該布帛に関する記載はなされていない。 そして、本件発明は、前記事項を構成要件とすることにより明細書に記載されたとおりの効果を奏し得たものと認められるから、本件発明は、甲第1〜4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。 4.また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2001-01-05 |
出願番号 | 特願平5-178848 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
Y
(D04D)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 菅野 あつ子 |
特許庁審判長 |
石橋 和美 |
特許庁審判官 |
仁木 由美子 蔵野 雅昭 |
登録日 | 2000-01-07 |
登録番号 | 特許第3018838号(P3018838) |
権利者 | 東レ株式会社 |
発明の名称 | リストバンドおよびリストバンドプリンター |