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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 B60R
管理番号 1038867
審判番号 審判1999-7730  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-03-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-05-06 
確定日 2001-06-11 
事件の表示 平成 6年特許願第232240号「自動車用物品収容ホルダ」拒絶査定に対する審判事件〔平成 8年 3月19日出願公開、特開平 8- 72619、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 【1】手続の経緯・本願発明
本願は、平成6年8月31日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成11年01月18日付けの手続補正書により補正された明細書と出願当初の図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という)
「筒状形態をなして伸縮可能に形成され、収縮状態においては自身の上部に形成された開口部から飲料容器の少なくともほぼ下半分を収容し、その収縮状態の下端部が飲料容器の下端部に対応し、収縮状態の上端部が飲料容器の高さ方向の中間部に対応し、その収縮状態の内周面の上端から下端にわたって飲料容器の外周面に近接することにより飲料容器を倒れないように保持する一方、伸長状態においては長くされた筒状空間に傘が収容とされるホルダ本体と、
そのホルダ本体の下部に一体的に形成され、該ホルダ本体の収縮状態においてはそのホルダ本体とともに有底筒状体を形成し、前記収縮状態のホルダ本体の内周面と対向するように収容される前記飲料容器の下端を自身の底部で支持する一方、該ホルダ本体の伸長状態においては収容される前記傘の先端を前記底部で下側から支持するとともに、その傘からの水滴を受ける水滴溜めとされる底部容器体と、
前記ホルダ本体の収縮状態において、飲料容器の重量によっても前記ホルダ本体の上部に対して前記底部容器体を離間させず、そのホルダ本体の伸長を阻止して前記ホルダ本体の収縮状態の長さを不変に維持する収縮状態維持手段と、
前記ホルダ本体を自動車室内の取付対象物に取り付けるための取付部と、
を備えたことを特徴とする自動車用物品収容ホルダ。」
【2】原査定の理由
一方、原査定の拒絶の理由の概要は、本願発明は、実願昭63-38593号(実開平1-141145号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献」という)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、というものである。
【3】引用文献
引用文献には、本願発明と関連する技術事項として、次の事項が記載されている。
(1)「第1図中、2は本考案の飲料容器支持具を示し、例えば合成樹脂等により、挿入部4、胴部6及びくびれ部8から構成される。」(公報第3頁第5行〜第7行)
(2)「挿入部4は第1図及び第2図に示すように本体部4a、フランジ部4b、リング4c及び掛止片4dより構成されている。本体部4aは傘10及びコップ等の飲料容器12が挿入可能な開口径を有する筒状に形成されている。」(公報第3頁第8行〜第12行)
(3)「胴部6は第1図〜第4図に示すようにして側面部6aと底部6bより構成されている。側面部6aは、断面直径が下方へいくほど漸減する円錐状かつ蛇腹状に形成されている。この側面部6aは第3図及び第4図に示すように傘10を収納した際に伸長して傘10を収納保持可能な長さで形成されている。この側面部6aの下方端部には底部6bを設け、傘10及び水が下へ落下しないように形成されている。」(公報第3頁第20行〜第4頁第8行)
(4)「くびれ部8は第1図〜第4図に示すように挿入部4と胴部6の間に形成され、第2図のように傘10が通過可能にかつコップ等の飲料容器12を支持可能に開口の内側に突出して形成されている。」(公報第4頁第9行〜第12行)
(5)「挿入部4は車内に掛止できる掛止片4dを有し、胴部6は収納する傘10の長さに合わせて伸縮自在であるとともに、挿入部4と胴部6の中間のくびれ部8によってコップ等の飲料容器12支持可能に形成されるものである。」(公報第4頁第14行〜第18行)
(6)「本実施例では挿入部4の下にくびれ部8を設ける構成としたが、くびれ部8がない構成としても良い。」(公報第5頁第19行〜第6頁第1行)
【4】当審の判断
上記の記載事項からみて明らかなように、引用文献には、筒状形態をなして伸縮可能に形成され、収縮状態で飲料容器を支持し、伸長状態で傘を収容すると共に、底部において傘からの水滴を下に落とさないようにした飲料容器支持具(自動車用物品収容ホルダ)、が記載されていることは認められる。
しかしながら、引用文献において、「本実施例では挿入部4の下にくびれ部8を設ける構成としたが、くびれ部8がない構成としても良い。」という事項が記載されているからといっても、図面第2図に示された、飲料容器12と側面部6aから底部6bにかけての胴回りの大小関係を参酌して、「側面部6aは、断面直径が下方へ行くほど漸減する円錐状…に形成されている。」という記載事項をみれば、側面部6aから底部6bにかけての部分は、伸長状態の傘を収容することを目的としてその形状が定められているものとみるのが相当であり、飲料容器12は、『くびれ部8』の有無に拘わらず、挿入部4側で支持されるものであって、底部6bにおいて支持されることが記載されているとは認められない。
そうすると、引用文献には、本願発明の構成に欠くことができない「収縮状態のホルダ本体の内周面と対向するように収容される飲料容器の下端を自身の底部で支持する」という事項が記載されているということはできないし、しかも、本願発明は、この事項によって、飲料容器をホルダ全体で保持することになり、より安定した状態での支持を可能にしているから、この事項が単なる設計上の微差であるということもできない。
そして、更に、引用文献の他の記載事項を精査しても、本願発明の構成に欠くことができない事項ある「ホルダ本体の収縮状態において、飲料容器の重量によっても前記ホルダ本体の上部に対して底部容器体を離間させず、そのホルダ本体の伸長を阻止して前記ホルダ本体の収縮状態の長さを不変に維持する収縮状態維持手段を備えた」という事項に相当する構成も見出すことはできないし、この事項は、伸縮可能なホルダ本体の下部に一体的に形成された底部に飲料容器の重量が加わることから生ずる問題を解決する対策であるから、引用文献に記載された飲料容器支持具のように、飲料容器が挿入部4にて支持され、伸縮自在な胴部6側(底部6b含む)では支持されないものの場合には、この対策は何等要求されないものであり、何等認識されていない技術事項というべきであるから、引用文献に記載されたものが、このような収縮状態維持手段に相当する構成乃至機能を有しているとすることはできない。
したがって、本願発明は、引用文献に記載された発明であるとすることはできない。
【5】むすび
以上のとおりであるから、原査定の理由によって本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2001-05-22 
出願番号 特願平6-232240
審決分類 P 1 8・ 113- WY (B60R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大島 祥吾  
特許庁審判長 蓑輪 安夫
特許庁審判官 刈間 宏信
溝渕 良一
発明の名称 自動車用物品収容ホルダ  
代理人 菅原 正倫  
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