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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B62M
管理番号 1039014
審判番号 審判1999-18477  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-06-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-11-25 
確定日 2001-06-16 
事件の表示 平成 2年特許願第299936号「自動2輪車のユニットスイング式エンジン」拒絶査定に対する審判事件〔平成 4年 6月22日出願公開、特開平 4-173492、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.本願は、平成 2年11月 7日の出願であって、その請求項1及び2に係る発明は、平成11年12月27日付けの手続補正書によって補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのものであると認める。
「【請求項1】
エンジンと、内部にVベルト変速装置と発進クラッチとミッション機構を収容する動力伝導ケ-スとを一体化したものであって、この動力伝導ケ-スは、クランクケ-スに一体に連接されて後方に延設する一方、開放部を車体幅方向外方に向け、その後部の反開放部側に後輪を軸支したケ-ス本体と、前記後輪の軸受部と対峙したケ-ス本体の開放部側に装着したミッションドライブシャフト、アイドルシャフトおよびリアアクスルシャフトならびに減速歯車群とからなるミッション機構をケ-ス本体に液密に覆うミッションカバ-と、ケ-ス本体前部のエンジンクランク軸端に装着したドライブプ-リとケ-ス本体後部の前記ミッションドライブシャフト端に装着したドリブンプ-リと発進クラッチとを覆うケ-スカバ-とを備え、前記ミッション機構を構成するミッションドライブシャフト、アイドルシャフト、リアアクスルシャフトは、一方をケ-ス本体で軸支し他方をミッションカバ-の軸受部で軸支するとともに、前記ケ-ス本体の内面に開放側に向って突出した補強リブを形成した自動2輪車のユニットスイング式エンジンにおいて、前記ケ-ス本体の外壁で車両平面視クランク軸とミッションドライブシャフトとの間であって前記後輪のタイヤ側部と対峙したケ-ス本体外壁の平担部を基準壁面Fとした時、前記ケ-ス本体とミッションカバ-とによって収納配置されたミッション機構を構成する減速歯車群の主要部が前記基準壁面Fよりも車体幅方向の後輪側に位置するようにケ-ス本体のミッション機構収納部を車体幅方向において後輪側に偏位させるとともに、前記ケ-ス本体の開放部側から覆うミッションカバ-と上記ケ-ス本体との合せ面Dを前記基準壁面Fよりも車体幅方向外方であって基準壁面F寄りとした位置に設け、さらに前記ケ-ス本体の開放側に向って突出した補強リブの車体幅方向外方端面Eと前記ミッションカバ-の車体幅方向外方端面Gとを前記ミッションドライブシャフトに装着したドリブンプ-リと前記合せ面Dとの間であって上記ドリブンプ-リに近接させた状態で前記ミッションカバ-の端面Gと前記補強リブの端面Eを車体幅方向でほぼ同じ位置としたことを特徴とする自動2輪車のユニットスイング式エンジン。
【請求項2】
前記ミッションカバ-の軸受部のうち、前記ミッションドライブシャフトの軸受部を他の軸受部より前記車体幅方向外方のドリブンプ-リ側に偏位させたことを特徴とする請求項1記載の自動2輪車のユニットスイング式エンジン。」
即ち、本願の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る発明(以下、「本願発明」という)は、「前記ケ-ス本体の開放側に向って突出した補強リブの車体幅方向外方端面Eと前記ミッションカバ-の車体幅方向外方端面Gとを前記ミッションドライブシャフトに装着したドリブンプ-リと前記合せ面Dとの間であって、上記ドリブンプ-リに近接させた状態で前記ミッションカバ-の端面Gと前記補強リブの端面Eを車体幅方向でほぼ同じ位置としたこと」を構成の一部とするものである。
2.これに対して、原査定の拒絶理由に引用された実願昭59-78131号(実開昭60-188690号)のマイクロフィルム(以下、「引用例」という)は、「エンジンと、内部にVベルト変速装置と発進クラッチとミッション機構を収容する動力伝導ケ-スとを一体化したものであって、この動力伝導ケ-スは、クランクケ-スに一体に連接されて後方に延設する一方、開放部を車体幅方向外方に向け、その後部の反開放部側に後輪を軸支したケ-ス本体と、前記後輪の軸受部と対峙したケ-ス本体の開放部側に装着したミッションドライブシャフト、アイドルシャフトおよびリアアクスルシャフトならびに減速歯車群とからなるミッション機構をケ-ス本体に液密に覆うミッションカバ-と、ケ-ス本体前部のエンジンクランク軸端に装着したドライブプ-リとケ-ス本体後部の前記ミッションドライブシャフト端に装着したドリブンプ-リと発進クラッチとを覆うケ-スカバ-とを備え、前記ミッション機構を構成するミッションドライブシャフト、アイドルシャフト、リアアクスルシャフトは、一方をケ-ス本体で軸支し他方をミッションカバ-の軸受部で軸支するとともに、前記ケ-ス本体の内面に開放側に向って突出した補強リブを形成した自動2輪車のユニットスイング式エンジン」が開示されているものの、「補強リブの車体幅方向外方端面」と「ミッションカバ-の車体幅方向外方端面」と「ドリブンプ-リ」と「ミッションカバ-とケース本体との合せ面」との相対関係については何ら言及しておらず、本願発明の構成の一部である「前記ケ-ス本体の開放側に向って突出した補強リブの車体幅方向外方端面Eと前記ミッションカバ-の車体幅方向外方端面Gとを前記ミッションドライブシャフトに装着したドリブンプ-リと前記合せ面Dとの間であって、上記ドリブンプ-リに近接させた状態で前記ミッションカバ-の端面Gと前記補強リブの端面Eを車体幅方向でほぼ同じ位置としたこと」を開示するものではない。
また、引用例には、本願発明の上記構成を採用すべき技術的課題である「動力伝導ケ-スを小型、軽量化すると同時に高い剛性を付与して動力伝導ケ-スのたわみや振動等の発生を有効的にかつ確実に防止すること」が記載も示唆もされていない。仮に、上記技術的課題が、自動2輪車のユニットスイング式エンジンにおいて自明の課題であるにしても、このことをもって直ちに、この自明な課題を解決するために上記構成とすることが当業者における設計事項にすぎないものとも認められない。さらに、上記構成が、自動2輪車のユニット式エンジンの技術分野において、周知技術であるとも認められない。
そして、上記構成を有する本願請求項1に係る発明は、「後輪からの荷重伝達により、ミッションケ-スに作用する捩り力やたわみ力が小さくなり、ミッションケ-スに伝達された後輪からの荷重は、ケ-ス本体側に大きな曲げモ-メントや捩りモ-メントが作用しない形で伝達されるために、荷重集中が作用し易いケ-ス本体の中間部とミッションケ-スとの境界部において、肉厚構造とする必要がなく、ケ-ス本体の断面形状の変化を抑制できる。ケ-ス本体の断面形状の変化を抑制し、肉厚構造としなくても、ケ-ス本体の剛性を充分に確保でき、このため、ケ-ス本体の成形加工を容易にし、加工性や生産性、信頼性を向上させることができる。」という明細書に記載された引用例からは予測できない効果を有するものと認められる。
よって、本願発明、即ち本願の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る発明は、引用例に記載されたものに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
したがって、本願については、原査定の拒絶の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2001-05-31 
出願番号 特願平2-299936
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B62M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石井 孝明大谷 謙仁久島 弘太郎  
特許庁審判長 蓑輪 安夫
特許庁審判官 藤井 昇
溝渕 良一
発明の名称 自動2輪車のユニットスイング式エンジン  
代理人 波多野 久  
代理人 関口 俊三  
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