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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1043028
審判番号 不服2000-5632  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-07-16 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-04-20 
確定日 2001-08-09 
事件の表示 平成2年特許願第328696号「実装部品振り分け方法」拒絶査定に対する審判事件[平成4年7月16日出願公開、特開平4-196296]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 本件出願は、平成2年11月27日になされた特許出願であって、その請求項1〜7に係る発明は、平成12年5月17日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲に記載の以下の事項により特定されるものである。
【請求項1】 プリント基板上に実装する各部品を複数台の部品実装機へ振り分ける方法であって、
部品を各部品実装機に振り分けた後に、各部品実装機において、前記振り分けた部品を実装する時間を、部品実装時の実装位置への移動量が部品毎のタクト内移動量を越えた時間増加分を含めたものとして得る実装時間取得工程と、
前記タクト内移動量を越えた時間増加分を含めた各実装機の実装時間が均一とみなされる範囲内にあるか評価する評価工程と、
前記評価工程で均一とみなされる範囲内にないと判断された場合に振り分けの補正を行う補正工程と、
を備えたことを特徴とする実装部品振り分け方法。
【請求項2】 評価工程にて均一とみなされる範囲内にないと判断された場合に補正工程を行い、前記補正工程の後に再度実装時間取得工程、評価工程の順に実行し、評価工程にて均一とみなされる範囲内にあると判断されるまで前記補正工程から評価工程の工程を繰り返す請求項1記載の実装部品振り分け方法。
【請求項3】 補正工程は、各実装機の実装時間が均一とみなされる範囲内に入るように、実装時間が大きい実装機の実装データより実装時間が小さい実装機の実装データへ実装部品を移動させる請求項1または請求項2記載の実装部品振り分け方法。
【請求項4】 各実装機への初期振り分けとして、各実装機に対して部品点数を均一に振り分ける請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の実装部品振り分け方法。
【請求項5】 実装時間取得工程は、各実装位置に関して、部品毎のタクト内移動量に対する前記タクト内移動量を越えた実装位置移動量の比率を部品毎の実装タクトに掛けて実装時間を算出する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の実装部品振り分け方法。
【請求項6】 実装時間取得工程は、部品を各実装機に振り分け後の実装データを各実装機にネットワークを介して転送し、それらの実装データで各実装機で部品を実装した時のタクト内移動量を越えた時間増加分を含めた各実装機の実際の実装時間をネットワークを介してリアルタイムに収集して得る請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の実装部品振り分け方法。
【請求項7】 補正工程は、各実装機の実装時間を評価し次第そのバランス状況に応じてネットワークを介してリアルタイムに補正した実装データを各実装機に転送する請求項6記載の実装部品振り分け方法。
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本件出願の出願前に頒布された刊行物である特開平2-76653号公報(以下、「引用文献」という。)には、以下の記載がある。
「自動組立機によって部品組立時間が相違すると、流れ作業に空き時間が生じて生産効率が低下するため、各自動組立機の組立時間を均等化させる必要がある。」(第2頁上段右欄第3〜6行)
「・・組立時間は、部品点数と1部品を印刷配線板に組み立てるのに要する時間・・の積である。・・次の式を満たすように部品数を自動組立機に分配する。
P1×T1=P2×T2=P3×T3
・・
このようにして分配された部品は、・・順序よく組み立てられるが、・・部品A25を組み立てた後に部品B26を組み立てようとすると、・・どちらかの部品・・を破壊することになる。従って、このような部品の配置の場合には、人手で組み立てるか、・・
・・上記のように従来方法では、部品の組立順序をプログラムにより決めても、・・予め決めた組立順序のとおりにはならず、・・実装できる部品の数が・・振り分けた部品数より減少し、組立時間が均等化されないという問題があった。
本発明では、・・各自動組立機における組立時間を従来よりも一層均等化し、また人手による追加的な実装作業を削減する・・
本発明は、以上のような課題を解決するために、・・予め組み立て順位を調整しておいて、その後で各自動組立機における組立時間が均等になるように部品を分配するようにしたものである。」(第2頁下段左欄第17行〜第3頁上段右欄第7行)
「このように干渉関係にある部品を先ず最初に振り分けてから、各自動組立機に部品数が同じになるように振り分けるので、組立時に最初に振り分けた数と異なるということはない。」(第4頁上段右欄第6〜10行)
これら記載を総合すると、引用文献には、
印刷配線板上に実装する各部品を複数台の自動組立機へ振り分ける方法であって、
各自動組立機の組立時間が均一となるように部品を各自動組立機に振り分けた後に、各自動組立機において組み立てられる部品の数が、前記振り分けた部品の数より減少することにより、各自動組立機の組立時間が均一とはみなされなくなることを解決するために、
予め組み立て順位を調整することにより、振り分けた部品数と組み立てる部品数とを一致させて、その結果として各自動組立機における組立時間が均一になるように部品を分配する実装する部品の振り分け方法
の発明が記載されるものと認める。

本件請求項1に係る発明と引用文献1に記載の発明とを比較すると、引用文献1に記載される「印刷配線板」及び「自動組立機」は、本件請求項1に記載の発明の「プリント基板」及び「部品実装機」に相当するものと認められるから、両発明は、
プリント基板上に実装する各部品を複数台の部品実装機へ振り分ける方法であって、
部品を各部品実装機に振り分け後の各実装機の実際の実装時間が均一とみなされる範囲内にあるように、実装部品の振り分けを行う実装部品振り分け方法
の発明である点で一致し、以下の点で相違している。

相違点
本件請求項1に係る発明が、各部品実装機において、前記振り分けた部品を実装する時間を、部品実装時の実装位置への移動量が部品毎のタクト内移動量を越えた時間増加分を含めたものとして得る実装時間取得工程と、前記タクト内移動量を越えた時間増加分を含めた各実装機の実装時間が均一とみなされる範囲内にあるか評価する評価工程と、前記評価工程で均一とみなされる範囲内にないと判断された場合に振り分けの補正を行う補正工程と、を備えたことにより、実装時間を均一とするのに対して、引用文献のものでは、予め組み立て順位を調整することにより、振り分けた部品数と組み立てる部品数とを一致させて、その後で各自動組立機における組立時間が均一にしている点。

以下、相違点について検討すると、引用文献には、実装時間に相当する組立時間が、「P1×T1・・」と組立部品数と、挿入タクトにより定まることが記載されており、引用文献のものは、その前提で、組立部品数を実際の組立部品数に一致するように予め組み立て順序を従来技術に比して補正するものであるが、これらの記載から、実際の均一化のために必要な事項として、組立部品数P1と挿入タクトT1との2者を把握することが可能である。
また、一般に工程管理においては、厳密な予測に基づく計画を立てても、各種の事情から、計画通りの進行が行えないため、その再補正を行うことが周知の技術であり、しかも、所謂フィードバック情報として事後に、設定された値と取得された実際の値との差を評価して、差がなくなるまで補正を行うこととは、分野を問わず情報を処理するための周知の技術と認められるから、各実装機の実際の実装時間が均一とみなされる範囲内にあるように実装部品の振り分けを行うために、引用文献に示されるタクト調整時間を実際の時間により事後に補正を行うことは、当業者にとって格別困難性のある事項とは認められず、そのために、実装時間取得工程、評価工程、補正工程の各工程を設けることは、所謂フィードバックにおける情報のループを工程毎に単に記載する以上のものではないから、上記相違点は、引用文献1のもの及び周知の技術に基づいて、当業者が容易になし得たものと認められる。
したがって、本件請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
また、本件請求項1〜7に係る発明は、請求項1に係る発明をそれぞれ上記の事項により特定するものであるが、一般に補正等を行う工程を複数回行うことは慣用される技術であるので、本件請求項2に記載の限定自体は、格別の事項とは認められず、引用文献に「P1×T1=P2×T2=P3×T3」及び「T1≠T2≠T3」と記載されているから、 本件請求項3自体に記載の構成は、格別の事項とは認められず、部品点数の均一振り分け自体は、引用文献1に記載されており、本件請求項4自体に記載の構成は、自体は格別の事項とは認められず、本件請求項5自体に記載の構成は、単なる設計上の事項にすぎないものと認められるとともに、 ネットワークによる情報の伝達自体は周知の事項であるから、本件請求項6、7自体に記載の構成は、格別の事項とは認められない。

したがって、本件請求項2〜7に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-05-31 
結審通知日 2001-06-05 
審決日 2001-06-25 
出願番号 特願平2-328696
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 市川 裕司内田 博之  
特許庁審判長 粟津 憲一
特許庁審判官 鈴木 久雄
蓑輪 安夫
発明の名称 実装部品振り分け方法  
代理人 坂口 智康  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  
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