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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H02P |
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管理番号 | 1044395 |
審判番号 | 不服2001-3376 |
総通号数 | 22 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-09-12 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-03-07 |
確定日 | 2001-09-06 |
事件の表示 | 平成 6年特許願第 28278号「ステップモータの駆動方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 9月12日出願公開、特開平 7-241098]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成6年2月25日の出願であって、その発明は請求項1乃至2に記載されたものであるところ、請求項1に係る発明(以下、本願発明という。)は、請求項1に記載された次のとおりのものである。 「ステップモータを駆動する駆動電流にチョッピングをかけて、ステップモータをステップ駆動させるステップモータの駆動方法において、前記ステップモータをステップ駆動させるための駆動信号出力時にチョッピング電流をON状態またはOFF状態の一方の状態にすると共に、その後一定時間後に他方の状態になるようにリセットしてチョッピング信号を駆動信号に同調させるようにしたことを特徴とするステップモータの駆動方法。」 2.引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭61-4498号公報(以下、引用例という。)には、図面とともに「第1図は、本発明によるパルスモータ駆動方法の実施に使用する電気回路の一例を示す図で、トランジスタTr1〜Tr4には、第3図に示した従来回路における相駆動信号A、B、A’(原文では上線付きのA)、B’(原文では上線付きのB)と同様の信号が供給される。今、その周波数をfAとする。また、トランジスタTroには前記周波数fAより高い周波数の信号f1が印加される。ただし、f1とfAは一定の比率を持っている。なお、f1とfAは同期していることが望ましく、同期していないと振動増加の原因になる。第2図は・・・(中略)・・・信号f1(ただし、パルス幅Pwは一定)は速度に応じた信号fAの5倍の周波数の信号である。」(1頁右下欄17行-2頁左上欄12行)と記載されていることが認められ、これらの記載によれば引用例1には「ステップモータを駆動する駆動電流にチョッピングをかけて、ステップモータをステップ駆動させるステップモータの駆動方法において、前記ステップモータをステップ駆動させるための相駆動信号fA出力時に信号f1を一方の状態にすると共に、その後一定パルス幅Pw後に他方の状態になるようにし、信号f1を信号fAの5倍の周波数にして信号f1を信号fAに同期させるようにしたステップモータの駆動方法。」との発明が開示されていると認めることができる。 3.対比・判断 本願発明と引用例に記載された発明とを対比すると、引用例に記載された発明における「相駆動信号fA」「信号f1」はそれぞれ、本願発明における「駆動信号」「チョッピング信号」に相当するものである。そして、引用例に記載された発明において、信号f1を一方の状態にすることは、チョッピング電流をON状態またはOFF状態の一方の状態にすることを意味し、一定パルス幅Pw後に信号f1を他方の状態にすることは、一定時間後にチョッピング電流を他方の状態にすることを意味することは明らかである。 また、本願発明において「リセット」とは、請求項1の記載によれば「ステップモータをステップ駆動させるための駆動信号出力時にチョッピング電流をON状態またはOFF状態の一方の状態にすると共に、その後一定時間後に他方の状態になるよう」に動作させることを意味するものであり、引用例に記載された発明が同じ動作を行うことは上述したとおりであるから、そうすると、引用例に記載された発明も「ステップモータをステップ駆動させるための駆動信号出力時にチョッピング電流をON状態またはOFF状態の一方の状態にすると共に、その後一定時間後に他方の状態になるようにリセット」するとの構成を備えているといえるものである。 更に、引用例に記載された発明は、信号f1を信号fAの5倍の周波数にして信号f1を信号fAに同期させているのであるから、チョッピング信号を駆動信号に同調させているといえるものである。 したがって、引用例に記載された発明は、「ステップモータを駆動する駆動電流にチョッピングをかけて、ステップモータをステップ駆動させるステップモータの駆動方法において、前記ステップモータをステップ駆動させるための駆動信号出力時にチョッピング電流をON状態またはOFF状態の一方の状態にすると共に、その後一定時間後に他方の状態になるようにリセットしてチョッピング信号を駆動信号に同調させるようにしたことを特徴とするステップモータの駆動方法。」の構成、即ち本願発明の構成を全て具備しているものである。 なお、請求人は、審判請求の理由において、チョッピング信号を駆動信号に同調させる点に関し、引用例に記載された発明は本願発明のように完全に同調を保証するものではない旨の主張をしているが、上記のとおり、引用例に記載された発明は本願発明の構成を全て具備しているのであるから、上記請求人の主張には理由がない。 4.むすび したがって、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-07-04 |
結審通知日 | 2001-07-10 |
審決日 | 2001-07-25 |
出願番号 | 特願平6-28278 |
審決分類 |
P
1
8・
113-
Z
(H02P)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 荘司 英史、佐々木 一浩、佐々木 訓 |
特許庁審判長 |
大森 蔵人 |
特許庁審判官 |
紀本 孝 菅澤 洋二 |
発明の名称 | ステップモータの駆動方法 |
代理人 | 朝倉 悟 |