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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  C03B
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  C03B
管理番号 1044918
異議申立番号 異議2000-73421  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-07-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-09-13 
確定日 2001-05-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3017989号「光ファイバ母材の熱処理方法」の請求項1、2、4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3017989号の請求項1-3に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
本件特許第3017989号は、平成11年1月19日に特許出願され、平成11年12月24日にその発明について設定登録がされ、平成12年3月13日に特許公報が発行されたところ、平成12年9月13日に異議申立人滝口賢一郎により特許異議の申立てがなされ、その後、平成12年12月26日付(平成13年1月16日発送)で取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年3月16日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のa〜dのとおりである。
ア.訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1について、「光ファイバ母材」とあるのを、「石英ガラスが主成分の光ファイバ母材」、「該光ファイバ母材表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程」とあるのを、「該光ファイバ母材の表面温度を1800℃以上2200℃未満にしてその表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程」、「第1の火炎研磨工程より低い温度で該光ファイバ母材の内部に残留する歪みを除去するとともに該光ファイバ母材表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程」とあるのを、「第1の火炎研磨工程より低い温度の1000℃以上1800℃未満で該光ファイバ母材の内部に残留する歪みを除去するとともに該光ファイバ母材表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程」と訂正する。
イ.訂正事項b
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
ウ.訂正事項c
特許請求の範囲の請求項4を1つ繰り上げて請求項3とする。
エ.訂正事項d
明細書【0008】段落に、
「軸芯を中心に回転する光ファイバ母材1と、光ファイバ母材1の側面を火炎により加熱するバーナ2とが、軸芯の方向へ相対的に移動することによる光ファイバ母材の熱処理方法において、光ファイバ母材1の表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、第1の火炎研磨工程より低い温度で光ファイバ母材1の内部に」
とあるのを、
「軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材1と、光ファイバ母材1の側面を火炎により加熱するバーナ2とが、軸芯の方向へ相対的に移動することによる光ファイバ母材の熱処理方法において、光ファイバ母材1の表面温度を1800℃以上2200℃未満にしてその表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、第1の火炎研磨工程より低い温度の1000℃以上1800℃未満で光ファイバ母材1の内部に」
に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
ア.訂正の目的について
上記訂正事項aは、請求項1について、「光ファイバ母材」を「石英ガラスが主成分の」ものに限定し、第1の火炎研磨工程の該光ファイバー母材の表面温度を1800℃以上2200℃未満に限定し、第2の研磨工程を1000℃以上1800℃未満で行うことに限定するものであり、また、上記訂正事項bは請求項を削除するものであるから、上記訂正事項a及びbは、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項cは、上記訂正事項bにより請求項3が削除されたことに伴い請求項の番号を整理したものであり、また、上記訂正事項dは、上記特許請求の範囲の減縮の訂正に伴い、発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載と整合させようとして訂正するものであるから、上記訂正事項c及びdは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
イ.新規事項の有無、拡張・変更の存否について
上記訂正事項aは、特許明細書の段落【0011】に記載されており、しかも訂正前の請求項3に特定されていた事項を特定するものであるし、上記訂正事項b〜dは新規事項を含むものでないことは明らかであるから、上記訂正事項a〜dは願書に添付した明細書に記載した範囲内においてしたものである。
また、上記訂正事項a〜dが、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないことは明らかである。
(3)訂正の適否
以上のとおりであるから、上記訂正事項a〜dは、特許法第120条の4第2項ただし書き、及び同条第3項で準用する同法第126条第2項から第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議申立について
(1)本件訂正発明について
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件特許第3017989号の請求項1ないし3に記載の発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される次の通りのものである。
【請求項1】 軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材と、該光ファイバ母材の側面を火炎により加熱するバーナとが、該軸芯の方向へ相対的に移動することによる該光ファイバ母材の熱処理方法において、該光ファイバ母材の表面温度を1800℃以上2200℃未満にしてその表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、該第1の火炎研磨工程より低い温度の1000℃以上1800℃未満で該光ファイバ母材の内部に残留する歪みを除去するとともに該光ファイバ母材の表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程とを連続して行うことを特徴とする光ファイバ母材の熱処理方法。
【請求項2】 前記第1の火炎研磨工程で少なくとも前記光ファイバ母材表面の不均一性を有する部分を局所的に加熱し、前記第2の火炎研磨工程で該光ファイバ母材表面を全面にわたって加熱することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の熱処理方法。
【請求項3】前記火炎が、水素および/または鎖状炭化水素からなる可燃性ガスと、酸素からなる支燃性ガスとの燃焼炎であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の熱処理方法。
(2)特許異議申立人の主張の概要
特許異議申立人は、甲第1〜3号証を提示して、本件請求項1〜3(それぞれ、訂正前の請求項1、2、4に対応)に係る発明は、(i)甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、また、(ii)甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、と主張している。
(3)甲号各証の内容
甲第1号証:特開平5-85763号公報
甲第2号証:特開平3-187944号公報
甲第3号証:特開平3-228844号公報
甲第1号証には、次の事項が記載されている。
ア.「【請求項1】 回転するガラス母材表面を該ガラス母材と相対的に移動する酸水素炎にて火炎研磨する方法において、該ガラス母材を鉛直方向に保持することを特徴とするガラス母材の火炎研磨方法。
【請求項2】 ガラス母材または酸水素炎バーナーを移動させて、該ガラス母材下部からガラス母材上部に向けてガラス母材表面を火炎研磨することを特徴とする請求項1のガラス母材の火炎研磨方法。
【請求項3】 ガラス母材を火炎研磨する酸水素炎バーナーの下方に配置した補助バーナーにより該ガラス母材を加熱しつつ火炎研磨することを特徴とする請求項1又は2記載のガラス母材の火炎研磨方法。」(特許請求の範囲)
イ.「本発明はガラス母材表面の凹凸をなくし、表面を平滑化するための火炎研磨方法に関する。」(【0001】段落)
ウ.「従来、高純度石英母材を作成する方法として、VAD(Vapor Phase Axial Deposition)法がある。」(【0002】段落1〜3行目)
エ.「更には、本発明においてガラス母材を火炎研磨する酸水素炎バーナーの下方に配置した補助バーナーにより該ガラス母材を加熱しつつ火炎研磨することは、火炎研磨によって発生した白粉(SiO2 粉)を除去できるので特に好ましい実施態様である。」(【0004】段落)
オ.「更に、補助バーナーによって母材下部を加熱するので、火炎研磨、酸水素バーナーによって発生した白粉を付着させずに、火炎研磨できる。この理由は、母材下部を加熱しておけば、母材が冷されないので、SiO2 粉が付着しないためである。」(【0005】段落)
カ.「実施例1 直径30mmφの石英ロッド上に、VAD法によりSiCl4を加水分解させ、・・・・の光ファイバ用ガラス母材(プリフォーム)を得た。」(【0006】段落)
キ.「実施例4 図4に示すように、実施例2と同じ酸水素バーナーの配列とし、更に該酸水素バーナーの下方30mmのところに両側から3本ずつ計6本の加熱用補助バーナー9を配列する構成とした。水素400リットル/分、酸素100リットル/分を酸水素バーナー3に供給し、母材2の加熱速度を上げ、加熱用補助バーナー9には水素60リットル/分、O2 20リットル/分を供給した。加熱用補助バーナーによる加熱の目的は、母材2を高温で火炎研磨したときに母材表面に付着するSiO2 白色粉末を除去するためである。」(【0009】段落)
甲第2号証には下記の事項が記載されている。
ク.「熱源によりガラス体を部分的に加熱しつつ、該熱源と該ガラス体とを相対的に移動することにより該ガラス体に加熱処理を施すガラス体の加熱処理方法において、上記熱源近傍に設けた不活性ガス吹出し手段により、加熱ゾーン近傍のガラス体の表面に不活性ガスを吹付け、加熱によって該ガラス体の表面より蒸発生成したガラス微粉末のガラス体表面への再付着を防止することを特徴とするガラス体の加熱処理方法」(特許請求の範囲)
ケ.「本発明はガラス体の加熱処理に関し、例えば石英系ファイバ用ガラス母材の火災研磨処理方法や延伸加熱加工方法において特に好適である」(第1頁左欄下から3行目〜同右欄1行目)
コ.「この加熱加工処理工程の具体例としては、例えばVAD法(気相軸付法)においては、線引直前にガラス母材表面を平滑化するための「火災研磨」する工程・・・・、等を挙げることができる」(第1頁右欄12〜17行目)
サ.「しかしながら前述したように延伸加工処理や火炎研磨処理においては、ガラス母材の表面を約1500〜1600℃以上に加熱するため以下のような問題がある。
(i)ガラス母材の表面が加熱される結果、ガラス母材表面からガラス成分が蒸発すると共に、ガラス微粒子を形成し、加熱部近傍にガラス微粒子が漂遊することとなる。この漂遊するガラス微粒子の一部は、ガラス母材表面の非加熱領域に再付着し、ガラス母材を汚染してしまうという問題がある。
(ii)また、このように付着したガラス微粒子を除去するためには、同一の装置で再度再付着ガラス微粒子のみを蒸発させ、且つ新たなガラス微粒子が生成しない程度の温度に、ガラス母材表面を加熱処理する必要がある。ところが、この再加熱処理において、付着ガラス微粒子のすべてを完全に蒸発させることは困難であり、一部はガラス母材と溶融合体しガラス母材の表面を汚染するという問題がある。」(第2頁右上欄下から第2行〜右下欄第2行)
シ.「試験例1 ・・・クラッドがSiO2である単一モード光ファイバ用ガラス母材の火災研磨を、従来例で示した第4図に示す構成のガラス加熱処理装置を用いて実施した。熱源としては5本の酸水素バーナを用いて加熱を行った。第2図にはこれら5本の酸水素バーナ13の配置のガラス母材の軸方向からみた図を示す。・・・・ 火炎研磨の条件はバーナ13へのガス供給量がH2:120?/min、O2:50?/minであり、・・・・1本も発生しなかった。」(第4頁左上欄1行目〜同右上欄13行目「試験例1」)
ス.「試験例1と同条件で、N2ガス吹付を行わなかった場合、火炎研磨によりガラス母材の表面には、ガラス微粒子が約0.2mmの厚さで堆積した。この堆積したガラス微粒子を除去するために、同一装置を用いてバーナをH2:80?/min、O2:30?/minの条件とし、30mm/minの速度でガラス母材を再加熱したところ、ガラス微粒子の除去を行うことはできたが、その冷却中に該母材の割れが8割以上の確率で発生した。」(第4頁右上欄14行目〜同左下欄5行目「比較例1」)
甲第3号証には下記の事項が記載されている。
セ.「線引き工程前の光ファイバ母材の両端を把持して鉛直方向に支持し、該光ファイバ母材の下端付近をバーナの火炎で加熱して先端切り離し、口出し加工を行い、その後、該光ファイバ母材が上端で把持されることにより支持されている状態で、上記バーナの火炎で該光ファイバ母材の周囲を加熱することにより火炎研磨を行うことを特徴とする光ファイバ母材の加工方法。」(特許請求の範囲)
ソ.「こうして切り離しを行った後、トラバース機構8の上昇・下降を繰り返し、回転中の石英ロッド6の表面に対する酸水素バーナ7の火炎による研磨を行う。このように先端切り離しの後で火炎研磨を行うため、切り離しの際に発生するガラス蒸気が石英ロッド6の表面に付着してもこれをも除去でき、表面の清浄性が得られる。」(第3頁左欄下から5行目〜同右欄2行目)
(4)対比・判断
本件請求項1に係る発明と甲第1号証に記載の発明とを対比する。
甲第1号証における上記アの「回転するガラス母材表面を該ガラス母材と相対的に移動する酸水素炎にて火炎研磨する方法において、該ガラス母材を鉛直方向に保持することを特徴とするガラス母材の火炎研磨方法」(請求項1)という記載、及び、上記ウ及びカの該ガラス母材の具体例に関する記載から見て、「軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材と、該光ファイバ母材の側面を火炎により加熱するバーナとが、該軸芯の方向へ相対的に移動することによる該光ファイバ母材の熱処理方法」が甲第1号証には記載されているといえるし、また、該熱処理方法は、上記アの「酸水素炎にて火炎研磨する方法」という記載、及び、上記イの発明の目的の記載から見て、「光ファイバ母材の表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程」を行うものであるし、さらに、上記アの「酸水素炎バーナーの下方に配置した補助バーナーにより該ガラス母材を加熱しつつ火炎研磨する」(請求項3)工程は、上記エ〜オの記載及び上記キの「加熱用補助バーナーによる加熱の目的は、母材2を高温で火炎研磨したときに母材表面に付着するSiO2 白色粉末を除去するためである。」という記載から見て、「光ファイバ母材表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程」に相当するものといえるし、上記アにおける「加熱用補助バーナーによる加熱」は、上記キにおける「酸水素炎にて火炎研磨する方法」と「加熱用補助バーナーによる加熱」とのガス量に関する記載から見て、「光ファイバ母材の表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程」に相当する「酸水素炎にて火炎研磨する」工程より低い温度で行われているといえる。してみると、両者は、「軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材と、該光ファイバ母材の側面を火炎により加熱するバーナとが、該軸芯の方向へ相対的に移動することによる該光ファイバ母材の熱処理方法において、該光ファイバ母材表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、該第1の火炎研磨工程より低い温度で該光ファイバ母材表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程とを連続して行うことを特徴とする光ファイバ母材の熱処理方法」の点で一致するといえる。
しかしながら、本件請求項1記載の発明では、(ア)第1の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1800℃以上2200℃未満」、(イ)第2の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1000℃以上1800℃未満」とそれぞれ特定しているのに対して、甲第1号証では、これらの点が明記されていない点で、両者は相違している。
以下、上記相違点について検討する。
本件請求項1に係る発明は、従来、「石英ガラスを主成分とする光ファイバ母材において、光ファイバ母材表面の傷、凹凸、不純異物による不均一性、光ファイバ母材内部の残留歪み、および母材表面に付着したガラス微粒子による曇り」という問題点があるところ、(ア)第1の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1800℃以上2200℃未満」及び(イ)第2の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1000℃以上1800℃未満」という特定の加熱処理手段を採用することにより、光ファイバ母材表面の傷、凹凸、不純異物による不均一性、光ファイバ母材内部の残留歪み、および母材表面に付着したガラス微粒子による曇りを除去するように改善したものである。
この点について、甲第1号証には、第1および第2の火炎研磨工程における光ファイバ母材の表面温度は具体的に示されておらず、また、光ファイバ母材内部の残留歪みを除去するなどの目的も具体的に記載されていない。また、甲第1号証の実施例4には水素、酸素の供給量が記載されているが、これを見ても、(ア)第1の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1800℃以上2200℃未満」及び「(イ)第2の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1000℃以上1800℃未満」とすることが示唆されているとはいえない。結局、甲第1号証には、(ア)第1の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1800℃以上2200℃未満」及び(イ)第2の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1000℃以上1800℃未満」という特定の加熱処理手段を採用することについては、記載も示唆もされていないものと認められる。
次に、甲第2号証について検討する。
ここで、甲第2号証における上記サ又はスに記載の従来技術に係る発明は、その記載から見て、上記クの「熱源によりガラス体を部分的に加熱しつつ、該熱源と該ガラス体とを相対的に移動することにより該ガラス体に加熱処理を施すガラス体の加熱処理方法において、上記熱源近傍に設けた不活性ガス吹出し手段により、加熱ゾーン近傍のガラス体の表面に不活性ガスを吹付け、加熱によって該ガラス体の表面より蒸発生成したガラス微粉末のガラス体表面への再付着を防止することを特徴とするガラス体の加熱処理方法」において、「上記熱源近傍に設けた不活性ガス吹出し手段により、加熱ゾーン近傍のガラス体の表面に不活性ガスを吹付け、加熱によって該ガラス体の表面より蒸発生成したガラス微粉末のガラス体表面への再付着を防止する」手段に代え、「再度再付着ガラス微粒子のみを蒸発させ、且つ新たなガラス微粒子が生成しない程度の温度に、ガラス母材表面を加熱処理する」手段を採用したものと認められる。そして、上記の「熱源によりガラス体を部分的に加熱しつつ、該熱源と該ガラス体とを相対的に移動することにより該ガラス体に加熱処理を施すガラス体の加熱処理方法」は、上記ケの記載、及び、上記シの「単一モード光ファイバ用ガラス母材の火災研磨を、従来例で示した第4図に示す構成のガラス加熱処理装置を用いて実施した。」という記載から見て、「軸芯を中心に回転する光ファイバ母材と、該光ファイバ母材の側面を火炎により加熱するバーナとが、該軸芯の方向へ相対的に移動することによる該光ファイバ母材の熱処理方法」に相当するものであり、また、当該「該熱源と該ガラス体とを相対的に移動することにより該ガラス体に加熱処理を施すガラス体の加熱処理方法」は、上記コの記載から見て、「光ファイバ母材の表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程」を行うものであり、さらに、上記「再度再付着ガラス微粒子のみを蒸発させ、且つ新たなガラス微粒子が生成しない程度の温度に、ガラス母材表面を加熱処理する」手段は、上記サの記載から見て、「光ファイバ母材表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程」に相当し、そして、当該手段は、上記シ及びス記載の水素及び酸素のガス供給量から見て、「光ファイバ母材の表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程」に相当する「該熱源と該ガラス体とを相対的に移動することにより該ガラス体に加熱処理を施すガラス体の加熱処理方法」より低い温度で行われているといえる。
してみると、本件請求項1記載の発明と甲第2号証に記載の発明とは、「軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材と、該光ファイバ母材の側面を火炎により加熱するバーナとが、該軸芯の方向へ相対的に移動することによる該光ファイバ母材の熱処理方法において、該光ファイバ母材表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、該第1の火炎研磨工程より低い温度で該光ファイバ母材表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程とを連続して行うことを特徴とする光ファイバ母材の熱処理方法」の点で一致するものの、本件請求項1に関する発明では、(ア)第1の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1800℃以上2200℃未満」、(イ)第2の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1000℃以上1800℃未満」とそれぞれ特定しているのに対して、甲第2号証では、甲第1号証と同様に、これらの点が明記されていない点で、両者は相違している。
以下、上記相違点について検討する。
甲第2号証には、第1および第2の火炎研磨工程における光ファイバ母材の表面温度が本件請求項1における発明の如く規定されておらず、また、光ファイバ母材内部の残留歪みを除去するなどの目的も具体的に記載されていない。甲第2号証では、第1の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度を示唆するものとして、「火炎研磨処理においては、ガラス母材の表面を約1500〜1600℃以上に加熱する」(第2頁右上欄1〜2行目)との記載があるにすぎない。また、比較例1における水素、酸素の供給量、あるいは、比較例1における「ガラス母材を再加熱したところ、ガラス微粒子の除去を行うことができたが、その冷却中に該母材の割れが8割以上の確率で生じた」(第4頁左下欄2〜5行目)という記載から見て、第2の火炎研磨工程が本件請求項1に記載の発明に比してより低い温度で行われていることは明らかである。したがって、甲第2号証には、(ア)第1の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1800℃以上2200℃未満」及び(イ)第2の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1000℃以上1800℃未満」という加熱手段を採用することにより、光ファイバ母材表面の傷、凹凸、不純異物による不均一性、光ファイバ母材内部の残留歪み、および母材表面に付着したガラス微粒子による曇りを除去するように改善した点については、記載も示唆もされていないものと認められる。
一方、甲第3号証には、上記セ及びソの記載から見て、酸水素バーナの火炎による研磨することにより石英ロッド(光ファイバ母材)表面に付着したガラス蒸気の除去が可能であることを示唆しているものの、(ア)第1の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1800℃以上2200℃未満」及び(イ)第2の火炎研磨工程での光ファイバ母材の表面温度について、「1000℃以上1800℃未満」という加熱手段を採用する、また、光ファイバ母材表面の傷、凹凸、不純異物による不均一性、光ファイバ母材内部の残留歪み、および母材表面に付着したガラス微粒子による曇りを除去するように改善する点については、記載も示唆もされていない。
したがって、本件請求項1に係る発明が、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明ではないし、甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
また、本件請求項2及び請求項3は、上記請求項1に係る発明に対して、更に技術的な限定を加えたものであるから、上記請求項1についての理由と同様に、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であるとはいえないし、甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
4.むすび
訂正後の本件請求項1〜3に係る特許は、特許異議の申立の理由および証拠によっては取り消すことができない。
また、他に訂正後の本件請求項1〜3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
平成13年5月7日
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
光ファイバ母材の熱処理方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材と、該光ファイバ母材の側面を火炎により加熱するバーナとが、該軸芯の方向へ相対的に移動することによる該光ファイバ母材の熱処理方法において、該光ファイバ母材の表面温度を1800℃以上2200℃未満にしてその表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、該第1の火炎研磨工程より低い温度の1000℃以上1800℃未満で該光ファイバ母材の内部に残留する歪みを除去するとともに該光ファイバ母材の表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程とを連続して行うことを特徴とする光ファイバ母材の熱処理方法。
【請求項2】 前記第1の火炎研磨工程で少なくとも前記光ファイバ母材表面の不均一性を有する部分を局所的に加熱し、前記第2の火炎研磨工程で該光ファイバ母材表面を全面にわたって加熱することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の熱処理方法。
【請求項3】 前記火炎が、水素および/または鎖状炭化水素からなる可燃性ガスと、酸素からなる支燃性ガスとの燃焼炎であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の熱処理方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの原材となる光ファイバ母材の表面を、火炎により平滑にする熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは、石英ガラスを主成分とする光ファイバ母材を原材として、製造されている。光ファイバ母材を加熱して所定径に延伸したものは、光ファイバプリフォームと呼ばれる。これを線引機で線引きすると光ファイバが得られる。
【0003】
光ファイバ母材表面に傷や凹凸があると、線引きの途中で切れたり、コア径とクラッド径との比が不均一になったりする。表面に不純異物が付着していると、光ファイバの品質が低下する。さらに、光ファイバ母材内部に残留する歪みが大きいと、線引きの際あるいは運搬途中に、わずかな衝撃でクラックを生じて破損してしまう。
【0004】
そのため、光ファイバ母材には、表面が平滑で、不純異物の付着がなく、内部に残留する歪みが小さいことが求められている。表面の傷や内部の残留歪み等を除去するため、通常、回転している光ファイバ母材の表面を、バーナにより約2000℃に加熱する火炎研磨が行われている。
【0005】
しかし、この温度では、光ファイバ母材表面の石英ガラスSiO2の一部が分解してSiOとなって飛散する。SiOは、大気中の酸素と結合し再びガラス微粒子となって、母材表面の火炎加熱部分近傍に付着し、表面を曇らせてしまう。
【0006】
この曇りは弱い火炎加熱により除去できるが、加熱が不十分であると母材内部に歪みが残り、逆に必要以上に加熱すると再び曇りが発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の課題を解決するためなされたもので、光ファイバ母材表面の傷、凹凸、不純異物による不均一性の除去、光ファイバ母材内部の残留歪みの除去、および母材表面に付着したガラス微粒子による曇りの除去ができる、光ファイバ母材の熱処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の光ファイバ母材の熱処理方法は、実施例に対応する図1を参照して説明すると、軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材1と、光ファイバ母材1の側面を火炎により加熱するバーナ2とが、軸芯の方向へ相対的に移動することによる光ファイバ母材の熱処理方法において、光ファイバ母材1の表面温度を1800℃以上2200℃未満にしてその表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、第1の火炎研磨工程より低い温度の1000℃以上1800℃未満で光ファイバ母材1の内部に残留する歪みを除去するとともに光ファイバ母材1の表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程とを連続して行う方法である。
【0009】
光ファイバ母材の熱処理方法は、第1の火炎研磨工程で少なくとも光ファイバ母材1の表面の不均一性を有する部分を局所的に加熱し、第2の火炎研磨工程で光ファイバ母材1の表面を全面にわたって加熱するものである。
【0010】
第1の火炎研磨工程では、光ファイバ母材1の表面の温度を合成石英ガラスの軟化点である1600℃より高くすることにより、表面の不均一性すなわち、表面の傷、凹凸、不純異物が除去される。しかし、母材1の表面の最も高温な部分は約2200℃に達することがあり、母材表面にガラス微粒子の付着による曇りが生じる。第2の火炎研磨工程で、母材1の表面の温度を軟化点前後にすることにより、この曇りおよび母材内部の残留歪みを除去する。
【0011】
石英ガラスを主成分とする光ファイバ母材の場合、第1の火炎研磨工程における光ファイバ母材1の表面温度が1800℃以上2200℃未満であることが好ましく、1900℃以上2100℃未満であると一層好ましい。表面温度が2200℃より高いと、表面の石英ガラスの分解が激しくなる。一方、1800℃未満であると光ファイバ母材1の表面から傷や凹凸、不純異物が除去できない。第2の火炎研磨工程における光ファイバ母材1の表面温度を1000℃以上1800℃未満に加熱していることが好ましく、1200℃以上1600℃未満であると一層好ましい。表面温度が1800℃よりも高温であると母材表面に新たな曇りが生じる。一方、1000℃以下では内部の残留歪みが除去できない。
【0012】
火炎は、水素および/または鎖状炭化水素からなる可燃性ガスと、酸素からなる支燃性ガスとの燃焼炎であることが好ましい。水素と酸素の燃焼炎、すなわち酸水素炎であることがより好ましい。
【0013】
光ファイバ母材の熱処理方法によれば、光ファイバ母材の表面には傷、凹凸および不純異物がなく平滑で、ガラス微粒子による曇りがなく透明であり、光ファイバ母材内部には残留歪みがない、高品質な光ファイバ母材を得ることができる
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1には、本発明を適用する光ファイバ母材の熱処理方法の実施例の概略図が示されている。
【0015】
光ファイバ母材の熱処理方法は、光ファイバ母材1がガラス旋盤のチャック5に装着され、螺合棒9に螺合したバーナ2を有する装置を用いて行われる。
【0016】
光ファイバ母材1の両端3、4を、ガラス旋盤のチャック5、6に把持し、モータ7の駆動により光ファイバ母材1を25rpmの速度で回転させる。バーナ2による加熱は、酸水素炎により行う。
【0017】
第1の火炎研磨工程として、光ファイバ母材1の片端Aから火炎による加熱を開始する。バーナ2は、モータ8が駆動し螺合棒9が回転することにより母材の軸芯と平行に移動しながら、母材表面温度を2000℃に加熱する。光ファイバ母材1の他端Bに到るまでバーナを移動し、光ファイバ母材1の表面を全体にわたって火炎研磨する。この工程により、母材1の表面の傷や凸凹、不純異物が除去され、表面は平滑になる。このとき、光ファイバ母材1の表面にはガラス微粒子が付着し曇りが生じており、光ファイバ母材1の内部には歪みが残留している。なお、この工程は、傷等を有する部分を局所的な火炎研磨であってもよい。
【0018】
第1の火炎研磨工程が終了したら、螺合棒9を逆回転させてバーナ2を加熱開始地点Aへ移動させ、第2の火炎研磨工程を行う。母材表面温度が1500℃になるように加熱しながらバーナ2を移動する。光ファイバ母材1の他端Bに到るまでバーナ2を移動し、光ファイバ母材1の表面を全体にわたって火炎研磨する。第1の火炎研磨工程よりも低温で母材表面を全体を熱処理することにより、光ファイバ母材1の表面のガラス微粒子を除去し表面を透明化すること、および母材1の内部残留歪みを除去することができる。
【0019】
以下に本発明を適用する光ファイバ母材の熱処理方法の実施例を示す。
布で払拭しても除去できない、直径約1mmの黒色斑点状不純異物が付着している平均径60mmの光ファイバ母材を、ガラス旋盤に装着した。母材は25rpmで回転させた。第1の火炎研磨工程として、水素300L/分、酸素170L/分による酸水素炎で、不純異物の付着部分を2000℃に加熱しながら火炎研磨を施した。不純異物は除去されたが、母材表面にはガラス微粒子が付着し白い曇りが確認された。続いて、第2の火炎研磨工程として、水素230L/分、酸素130L/分による酸水素炎で、母材表面を1500℃に加熱しながら火炎研磨を施した。母材表面にハロゲンランプまたは蛍光灯の光を照射して観察したところ、表面は傷、凹凸、不純異物およびガラス微粒子がなく、透明かつ平滑であった。また、偏光板を用いて歪みについて定性的な試験を行ったところ、母材内部の歪みは除去されていることが確認できた。
【0020】
表面に直径約20μmの穴を有する光ファイバ母材を熱処理した場合も、同様に、母材表面は透明かつ平滑であり、母材内部の歪みは除去されていた。
【0021】
比較のため、表面に不純異物が付着し凹凸がある光ファイバ母材に対し、母材表面を1500℃に加熱する第2の火炎研磨工程のみを行ったところ、不純異物や凹凸は除去できなかった。
【0022】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明の光ファイバ母材の熱処理方法によれば、光ファイバ母材表面に傷、凹凸および不純異物がなく平滑で、ガラス微粒子による曇りがなく透明であり、さらに光ファイバ母材内部の残留歪みがない光ファイバ母材を得ることができる。この光ファイバ母材から、優れた品質の光ファイバを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明を適用する光ファイバ母材の熱処理方法の実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1は光ファイバ母材、2はバーナ、3・4は端、5・6はチャック、7・8はモータ、9は螺合棒、Aは開始位置、Bは終了位置である。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
1.特許第3017989号発明の明細書中、特許請求の範囲をその減縮を目的として、「【請求項1】軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材と、該光ファイバ母材の側面を火炎により加熱するバーナとが、該軸芯の方向へ相対的に移動することによる該光ファイバ母材の熱処理方法において、該光ファイバ母材の表面温度を1800℃以上2200℃未満にしてその表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、該第1の火炎研磨工程より低い温度の1000℃以上1800℃未満で該光ファイバ母材の内部に残留する歪みを除去するとともに該光ファイバ母材表面の曇りを除去する第2の火炎研磨工程とを連続して行うことを特徴とする光ファイバ母材の熱処理方法。
【請求項2】前記第1の火炎研磨工程で少なくとも前記光ファイバ母材表面の不均一性を有する部分を局所的に加熱し、前記第2の火炎研磨工程で該光ファイバ母材表面を全面にわたって加熱することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の熱処理方法。
【請求項3】前記火炎が、水素および/または鎖状炭化水素からなる可燃性ガスと、酸素からなる支燃性ガスとの燃焼炎であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の熱処理方法。」
に訂正する。
2.特許第3017989号発明の明細書中、【0008】欄(第2頁第3欄第37〜43行)に、「軸芯を中心に回転する光ファイバ母材1と、光ファイバ母材1の側面を火炎により加熱するバーナ2とが、軸芯の方向へ相対的に移動することによる光ファイバ母材の熱処理方法において、光ファイバ母材1の表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、第1の火炎研磨工程より低い温度で光ファイバ母材1の内部に」とあるのを、
「軸芯を中心に回転する石英ガラスが主成分の光ファイバ母材1と、光ファイバ母材1の側面を火炎により加熱するバーナ2とが、軸芯の方向へ相対的に移動することによる光ファイバ母材の熱処理方法において、光ファイバ母材1の表面温度を1800℃以上2200℃未満にしてその表面の不均一性を除去する第1の火炎研磨工程と、第1の火炎研磨工程より低い温度の1000℃以上1800℃未満で光ファイバ母材1の内部に」
に訂正する。
異議決定日 2001-05-09 
出願番号 特願平11-10023
審決分類 P 1 652・ 113- YA (C03B)
P 1 652・ 121- YA (C03B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 深草 祐一  
特許庁審判長 加藤 孔一
特許庁審判官 冨士 良宏
野田 直人
登録日 1999-12-24 
登録番号 特許第3017989号(P3017989)
権利者 信越化学工業株式会社
発明の名称 光ファイバ母材の熱処理方法  
代理人 小宮 良雄  
代理人 小宮 良雄  

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