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審決分類 審判 全部申し立て 4項(134条6項)独立特許用件  H05K
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H05K
審判 全部申し立て 2項進歩性  H05K
管理番号 1046654
異議申立番号 異議1999-74514  
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-02-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-11-29 
確定日 2001-06-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2900541号「基板接続構造」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2900541号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 【1】手続の経緯
本件特許第2900541号は、平成2年6月27日に出願され、平成11年3月19日に設定登録されたものであって、その後、請求項1及び2に係る発明についてオリンパス光学工業株式会社から特許異議の申立てがなされ、 平成12年8月30日付けで取消理由の通知がなされ、その指定期間内の平成12年11月13日付けで意見書及び訂正請求書が提出され、これに対して平成13年1月4日付けで訂正拒絶理由の通知がなされ、その指定期間内の平成13年3月26日付けで意見書が提出されたものである。
【2】訂正の要旨
上記訂正請求は、願書に添付した明細書を上記訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであるが、その要旨は、以下の訂正事項a〜dのとおりのものと認める。
1.訂正事項a
特許請求の範囲に係る記載、
「【請求項1】第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部とを有する第1基板と、
導体部を有する第2基板と、
導体部を有する第3基板と、
上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板を配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材と
を備えたことを特徴とする基板接続構造。
【請求項2】前記第1基板、第2基板、第3基板は位置決め用の穴を有し、前記挟持部材は位置決め用の穴を貫通する突起を有することを特徴とする請求項1記載の基板接続構造。」を、
「【請求項1】第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部と第1及び第2の位置決め用穴とを有する第1基板と、
導体部と第3の位置決め用穴とを有する第2基板と、
導体部と第4の位置決め用穴とを有する第3基板と、
上記第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し、上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材と
を備えたことを特徴とする基板接続構造。」
と訂正する。
2.訂正事項b
明細書の第3頁第7行〜第4頁第3行の記載(特許公報第2頁第3欄第9〜20行)の
「上記課題を提供するため、本発明の接続構造は、第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部とを有する第1基板と、導体部を有する第2基板と、導体部を有する第3基板と、上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板を配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材とを備えたことを特徴とする。
さらに、前記第1基板、第2基板、第3基板は位置決め用の穴を有し、前記挟持部材は位置決め用の穴を貫通する突起を有することを特徴としている。」を、
「上記課題を解決するため、本発明の接続構造は、第1の導体部と第1の導体部に隣接する第2の導体部と第1及び第2の位置決め用穴とを有する第1基板と、導体部と第3の位置決め用穴とを有する第2基板と、導体部と第4の位置決め用穴とを有する第3基板と、第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し、第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ第1基板の第2の導体部と第3の基板の導体部が接続する状態で、第1基板の一方の面に第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材とを備えたことを特徴とする。」
と訂正する。
3.訂正事項c
明細書の第4頁第5〜10行の記載(特許公報第2頁第3欄第22〜26行)の
「第1基板の第1導体部と第2基板の導体部とを接続させ、且つ第1基板の第2導体部と第3基板の導体部とを接続させるように、挟持部材で-体に挟持するから、1箇所で一枚のプリント基板に複数のプリント基板を接続することが可能となる。」を、
「第1基板の第1導体部と第2基板の導体部とを接続させ、且つ第1基板の第2導体部と第3基板の導体部とを接続させるように、第2基板と第3基板の端部を突合わせた状態で第1基板上に重ねて位置決めし挟持部材で一体に挟持するから、1箇所で一枚のプリント基板に複数のプリント基板を接続することが可能となる。」
と訂正する。
4.訂正事項d
明細書の第5頁第11行の記載(特許公報第2頁第3欄第43行)の
「台板(7)は、位置決め用穴(4b)(5b)(6b)」を、
「台板(7)は、位置決め用穴(4b)(6b)または位置決め用穴(5b)(6b)」
と訂正する。
【3】訂正の適否
1.訂正の目的、新規事項及び特許請求の範囲の拡張又は実質変更の存否
(1)訂正事項aについて
請求項の数を2から1に減少し、併せて、発明の構成要件である「第1基板」、「第2基板」、「第3基板」、及び「挟持部材」の構成を下位概念に限定しようとするものである。
即ち、第1基板については「第1及び第2の位置決め用穴」を有する点、第2基板については「第3の位置決め用穴」を有する点、第3基板については「第4の位置決め用穴」を有する点、挟持部材については、「第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有」する点、及び「第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する」点を、構成要件として付加するものである。
したがって、訂正事項aは、特許請求の範囲を減縮するものと認める。
そして、このような「第1基板」、「第2基板」、「第3基板」は、願書に添付した明細書の第4頁14行〜第5頁10行(特許公報第2頁第3欄第29〜42行)「第1図および………を有している。」に記載されているものと認められる。
上記「挟持部材」は、願書に添付した明細書の第5頁11行〜第6頁14行(特許公報第2頁第3欄第43行〜同頁第4欄第13行)「台板(7)は、………なされている。」に記載されている。
したがって、訂正事項aは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものと認められる。
また、訂正明細書の請求項1に係る発明は、「1枚のプリント基板に2枚以上のプリント基板を接続する場合、上記接続構造を2つ以上持たなければならなかった」従来技術の課題を解決し、願書に添付した明細書の請求項1又は2に記載された発明の「1枚の基板に複数の基板を接続するのに適した接続構造を提供する」という発明の目的の範囲内のものである。
したがって、訂正事項aは、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
(2)訂正事項b〜dについて
訂正事項aによる特許請求の範囲の減縮に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載を整合させる訂正であり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものと認められる。また、訂正事項aと同様の理由により、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないものと認められる。
2.独立特許要件
(1)訂正明細書の請求項1に係る発明
訂正明細書の請求項1に係る発明は、訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「【請求項1】第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部と第1及び第2の位置決め用穴とを有する第1基板と、
導体部と第3の位置決め用穴とを有する第2基板と、
導体部と第4の位置決め用穴とを有する第3基板と、
上記第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し、上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材と
を備えたことを特徴とする基板接続構造。」
(2)引用例に記載された事項
上記訂正拒絶理由において引用した実願昭63-100723号(実開平2-21779号)の明細書及び図面を撮影したマイクロフィルム(以下「刊行物1」という。)及び実願昭63-90941号(実開平2-13236号)の明細書及び図面を撮影したマイクロフィルム(以下「刊行物2」という。)には、それぞれ、以下の事項が記載されているものと認める。
(i)刊行物1には、
イ.「プリント基板の電気回路接続機構」に関し、
ロ.「図を参照して、本考案によるプリント基板の電気回路接続機構の一実施例を説明する。第1図はこの第1実施例を説明するための分解図であり、第2図は組付けられて接続が完了した状態を示す図である。メインのプリント基板となっている第1のプリント基板100は、その電気回路に第2のプリント基板102および第3のプリント基板104の電気回路がそれぞれ接続される。……基板100には、図において上面に円形の接続部106が設けられている。」(明細書第8頁第10行〜第9頁第3行)、
ハ.「第1図に示す様に、台座120には、第1のプリント基板100、第2のプリント基板102及び第3のプリント基板104が順に重ねられて取付けられる。このとき、各基板の案内孔118、140、154には、台座120のボス124が貫通し、位置決め孔132、142、156には、位置決めピン128が嵌合している。……パッド160は、第3の基板104の開口158を介して第2の基板102の接続パターン136、138を、第1の基板100の接続パターン108、110(注;この符号は昭和63年10月14日付け手続き補正書にて[110、108]と補正されている)に対してそれぞれ圧接させ、また、第3の基板104の接続パターン148、150、152を、第2の基板102の開口144を介して、第1の基板100の接続パターン112、114、116に圧接させる。……第2図には、これらの基板が台座120に取付けられ、接続が完了した状態が示されている。」(明細書第12頁第4行〜第13頁第18行)、
ニ.「第4図には本考案の第3実施例が示されている。……第1の基板300の接続パターン308及び312はそれぞれ、第2の基板302の開□344、355を介して、第3の基板304の接続パターン348、350と接触する。また、第1の基板300の接続パターン310、314は、第2の基板302の接続パターン336、338と接触し、パッド360により第3の基板304の開□359、358を介して圧接される。」(明細書第14頁第7行〜第15頁第16行)、等の記載があり、
“第1の接続パターン108、110と該第1の接続パターン108、110に隣接する第2の接続パターン112、114、116と位置決め孔132とを有した第1のプリント基板100(第1,2図の実施例参照)と、
接続パターン136,138と位置決め孔142とを有する第2のプリント基板102(第1,2図の実施例参照)と、
接続パターン148,150,152と位置決め孔156とを有する第3のプリント基板104(第1,2図の実施例参照)と、
上記第1のプリント基板100の位置決め孔132と第2のプリント基板102の位置決め孔142と第3のプリント基板104の位置決め孔156を貫通し前記第1基板100と前記第2基板102と前記第3基板104の位置決めを行う突起128を有し、前記第1基板100の第1の接続パターン108、110と上記第2の基板102の接続パターン136,138が接続し、且つ上記第1基板102の第2の接続パターン112、114、116と上記第3の基板104の接続パターン148,150,152が接続する状態で、前記第1基板100の一方の面側に前記第2及び第3基板102,104を配置し、前記第1基板と前記第2及び第3基板とを一体に挟持する台座120、パッド160、押え板162、ねじ164等から成る挟持部材(第1,2図の実施例参照)と
を備えたプリント基板の電気回路接続機構.”
が記載されているものと認められる。
(ii)刊行物2には、
イ.「一眼レフカメラにおけるプリント配線基板の取付け構造」に関し、
ロ.「実施例においては、圧接用敷板6の傾斜敷板部6aには、三枚の第1、第2、第3のフレキシブル配線基板7、8、9が位置決め用ピン6f、抜け止め用突起部6eに各フレキシブル配線基板7、8、9の各位置決め用穴7b,8b,9b、各抜け止め用穴7a,8a,9aを嵌合させて支持され、第1のフレキシブル配線基板7には接続用パターン7c1,7c2が、第2、第3のフレキシブル配線基板8、9には夫々接続用パターン8c,9cが形成されている。……そしてその中央部に形成された穴部11eを介して固定用ビス12が押えゴム片10、各フレキシブル配線基板を介して傾斜敷板部6aに螺入されることにより、傾斜敷板部6aと押え板11との間に各フレキシブル配線基板7、8、9は取付けられる。」(明細書第7頁第4行〜第8頁第19行)等の記載があり、
“第1の接続用パターン7c1と該第1の接続用パターン7c1に隣接する第2の接続用パターン7c2と位置決め用穴7bとを有した第1のフレキシブル配線基板7と、
接続用パターン8cと位置決め用穴8bとを有する第2のフレキシブル配線基板8と、
接続用パターン9cと位置決め用穴9bとを有する第3のフレキシブル配線基板9と、
上記第1のフレキシブル配線基板7の位置決め用穴7bと第2のフレキシブル配線基板8の位置決め用穴8bと第3のフレキシブル配線基板9の位置決め用穴9bを貫通し前記第1基板7と前記第2基板8と前記第3基板9の位置決めを行う位置決め用ピン6fを有し、前記第1基板7の第1の接続用パターン7c1と上記第2の基板8の接続用パターン8cが接続し、且つ前記第1基板7の第2の接続用パターン7c2と上記第3の基板9の接続用パターン9cが接続する状態で、前記第1基板7の一方の面側に前記第2及び第3基板8,9を配置し、前記第1基板と前記第2及び第3基板とを一体に挟持する傾斜敷板部6a、押えゴム片10、押え板11、固定用ビス12等から成る挟持部材とを備えたプリント配線基板の取付構造.”
が記載されているものと認められる。
(3)対比・判断
本件訂正明細書の請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)と上記刊行物1または刊行物2に記載された発明とを対比すると、
両者は、
第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部と位置決め用穴とを有する第1基板と、
導体部と位置決め用穴とを有する第2基板と、
導体部と位置決め用穴とを有する第3基板と、
上記第1基板の位置決め用穴と第2基板の位置決め用穴とに突起を貫通して第1基板と第2基板の位置決めを行い、また、上記第1基板の位置決め用穴と第3基板の位置決め用穴とに突起を貫通して第1基板と第3基板の位置決めを行い、上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面側に上記第2及び第3基板を配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材と
を備えた基板接続構造.
である点において一致するものの、
上記刊行物1又は2に記載されたものは、
第1基板と第2基板の位置決めを行う突起と第1基板と第3基板の位置決めを行う突起とが共通の突起であり、第3基板の一部が第2基板の面上に配置されるものであるから、
本件訂正発明の、「挟持部材」が「上記第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し」、「上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置」する構成を備えていない。
そして、本件訂正発明は、上記構成を有することにより、第1基板の一方の面に第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置するため、従来の単に2つの基板を接続する基板接続構造と同様の確実な接続状態を確保したうえで、1箇所で一枚のプリント基板に複数のプリント基板を接続することができるものであるのに対して、上記刊行物1又は2に記載されたものは、第2基板と第3基板が共通の突起で位置決めされるため、第3基板の一部が第2基板の面上に配置され、この配置により、第2基板の端部近傍において第3基板に第2基板の厚みに応じた変形が必要となり、第3基板の導体部が第1基板の導体部に対して浮き上がり接続不良が生じるという問題が発生し、特に、位置決めを正確に行うために位置決め用穴を導体部の近くに配置した場合やコンパクトな構成とした場合、第2基板の端部が第3基板の導体部の近傍に位置することになり、接続不良が顕著に発生することが危惧されるものである。
刊行物1において、従来例として記載された第15〜16図には、第1のプリント基板70に形成される異なる接続部76、接続部72(74)においてそれぞれ接続される第2のプリント基板78と第3のプリント基板82が、第1のプリント基板70と、前記各接続部毎の位置決め突起を有する挟持部材によって各々一体に挟持される構成が示されていると認められるが、当該第15〜16図に記載されたものは、本件訂正発明のように、一つの基板接続構造において、第1のプリント基板が「第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部とを有する」ものではなく、また「第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材」即ち3者を一体に挟持する挟持部材を備えるものでもないから、本件訂正発明のこのような構成を前提とする前記「変形」や「接続不良」の問題及び対策の必要性を想起させるものとは認められない。
したがって、上記本件訂正発明の上記「挟持部材」が「上記第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し」、「上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置」する構成を、刊行物1及び2に記載されたものに基づいて当業者が容易に想到し得たものとすることはできない。
よって、訂正明細書の請求項1に係る発明は、刊行物1及び2に記載されたものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできず、上記訂正拒絶理由により特許出願の際独立して特許を受けることができないとすることはできない。
また、他に訂正明細書の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
3.明細書の訂正についてのまとめ
以上のとおり、上記訂正請求による明細書についての訂正は、特許法第120条の4第2項及び、同法同条第3項の規定により準用する、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、同法律による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正は認容されるべきものである。
【4】本件特許発明
本件特許発明は、上記「【3】訂正の適否」に説示のとおり明細書についての訂正が認容されるから、訂正請求書に添付した訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものと認める。
【5】特許異議申立ての理由及び取消理由の概要
特許異議申立人が主張する特許異議申立ての理由の概要は、本件特許の請求項1及び2に係る発明は、前記刊行物1もしくは刊行物2に記載された発明と同一もしくはこれから当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許は、特許法第29条第1項第3号もしくは第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである、というものであり、また、上記取消理由の概要は、本件特許の請求項1及び2に係る発明は、前記刊行物1もしくは刊行物2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである、というものである。
【6】当審の判断
本件特許発明は、上記「【3】訂正の適否」の「2.独立特許要件」に説示する理由により、上記刊行物1もしくは刊行物2に記載されたものとすることはできず、また、これら刊行物1及び2に記載されたものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
【7】むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立人が主張する理由及び提出した証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
基板接続構造
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部と第1及び第2の位置決め用穴とを有する第1基板と、
導体部と第3の位置決め用穴とを有する第2基板と、
導体部と第4の位置決め用穴とを有する第3基板と、
上記第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し、上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材と
を備えたことを特徴とする基板接続構造。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、電気機器において、基板どうしを互いに電気接続するための接続構造に関する。
【従来の技術】
従来、第5図に示す如く、プリント基板(25)とプリント基板(24)間で互いに接続すべき複数対の導体部分(25a),(24a)を各プリント基板の夫々において中心点に対しほぼ回転対象的に、かつ相互同形に配置し、対をなす導体部分(25a),(24a)を一致させてプリント基板(24),(25)を重ね、プリント基板上に押板を当て、上記中心点において一本のねじ(21)でプリント基板(24),(25)弾性部材(23)、押板(22),(26)を締結してなるプリント基板の電気回路的接続構造が知られている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の接続構造では、2枚のプリント基板の接続しかできず、1枚のプリント基板に2枚以上のプリント基板を接続する場合、上記接続構造を2つ以上持たなければならなかった。
本発明は、1枚の基板に複数の基板を接続するのに適した接続構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の接続構造は、第1の導体部と第1の導体部に隣接する第2の導体部と第1及び第2の位置決め用穴とを有する第1基板と、導体部と第3の位置決め用穴とを有する第2基板と、導体部と第4の位置決め用穴とを有する第3基板と、第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し、第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ第1基板の第2の導体部と第3の基板の導体部が接続する状態で、第1基板の一方の面に第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材とを備えたことを特徴とする。
【作用】
第1基板の第1導体部と第2基板の導体部とを接続させ、且つ第1基板の第2導体部と第3基板の導体部とを接続させるように、第2基板と第3基板の端部を突合わせた状態で第1基板上に重ねて位置決めし挟持部材で一体に挟持するから、1箇所で一枚のプリント基板に複数のプリント基板を接続することが可能となる。
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。
第1図および第2図において、第1フレキシブルプリント基板6は、4つの位置決め用穴(6b)と、中心円形穴(6c)と、円形穴(6c)の周囲に配列された複数の導体パターン部(6a)とを有している。第2のフレキシブルプリント基板(4)は、2つの位置決め用穴(4b)と、基板端部に形成された半円形穴(4c)と、半円形穴(4c)の周囲において、各導体パターン部(6a)の略半分と重合するよう配設された複数の導体パターン(4a)とを有している。第3のフレキシブルプリント基板(5)は2つの位置決め用穴(5b)と半円形穴(4c)とで略円形穴を形成するよう基板端部に設けられた半円形穴(5c)と、導体パターン部(6a)のうち導体パターン(4a)と重合しない導体パターン(6a)と重合するよう配設された複数の導体パターン(5a)とを有している。
台板(7)は、位置決め用穴(4b)(6b)または位置決め用穴(5b)(6b)が嵌込まれる位置決め用突起(7b)と、中心にビス用穴を有し、外周に円形穴(6c)、半円形(4c)および(5c)が嵌込まれるボス部(7c)とを有している。
プリント基板(4)および(5)は、それぞれの端部が突合わされ、半円形穴(4c)および(5c)が略円形穴を形勢するような状態で、プリント基板(6)の上に重ねられ、さらにプリント基板(4),(5)および(6)が台板(7)上に載置されている。位置決め用穴(4b)(5b)および(6b)が台板(7)の位置決め用突起(7b)に嵌込まれ、且つ円形穴(6c)、半円形穴(4c)および(5c)がボス部(7c)に係合することにより、各導体パターン部(6a)と、各導体パターン部(4a)及び(5a)が互いに重合されている。これらの部材(4)(5)(6)(7)は導体パターン部の上方に設けられるリング状の弾性部材(3)と、中心穴2cを有し弾性部材(3)上に載置される押え板(2)とともに、台板(7)のボス部(7c)に結合されるビス(1)によって締結されている。これによって各導体パターン(6a)が導体パターン(4a)または(5a)に圧接されて互いの電気接続がなされている。
なお、この実施例に用いられるプリント基板は硬質基板であっても良く、さらに、台板(7)に直接導体パターンが形成されているものであっても良い。また、円周上に配列された導体パターンを3つ以上に分割し、一枚のプリント基盤に3枚以上のプリント基板を1箇所で接続しても良い。さらに、プリント基板(6)に相当するプリント基板も2枚以上に分割しても良い。
第3図及び第4図に示した実施例は、第1図および第2図に示した実施例におけるプリント基板の変形例を示しており、他の構成は第1図および第2図と共通している。
第3図において、プリント基板(6)の複数の導体パターン(6a)の一部がプリント基板(5)の導体パターン(5a)に、他部がプリント基板(14)の導体パターン(14a)に、さらに他部がプリント基板(24)の導体パターン(24a)にそれぞれ重合されるように構成されている。プリント基板(14)および(24)に台板(7)の位置決め用突起(7b)に嵌合する位置決め用穴(14a)および(24a)と、ボス部(7c)に係合する4分の1円形穴(14c)および(24c)がそれぞれ形成されている。
第4図において、プリント基板(4),(5)の導体パターン(4a)(5a)の各一部には、プリント基板(16)(26)の導体パターン(16a)(26a)の各一部が、それぞれ重合されるように構成されている。プリント基板(16)および(26)には、台板(7)の位置決め用突起(7b)に嵌合する位置決め用穴(16a)および(26a)と、ボス部(7c)に係合する半円形穴(16c)および(26c)がそれぞれ形成されている。
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、挟持部材による挟持により、1枚のプリント基板に対して複数のプリント基板を電気接続することができ、コンパクトで安価に提供できる接続構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を示しており、第1図は分解斜視図、第2図は組立断面図である。第3図は本発明の別の実施例を示す分解斜視図である。第4図は本発明のさらに別の実施例を示す分解斜視図である。第5図は従来例を示す分解斜視図である。
(6),(16),(26)……第1プリント基板
(5)……第2プリント基板
(4),(14),(24)……第3プリント基板
(6a),(16a),(26a)……第1導体パターン
(5a)……第2導体パターン
(4a),(14a),(24a)……第3導体パターン
 
訂正の要旨 1.訂正事項a
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の記載
「【請求項1】第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部とを有する第1基板と、
導体部を有する第2基板と、
導体部を有する第3基板と、
上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板を配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材と
を備えたことを特徴とする基板接続構造。
【請求項2】前記第1基板、第2基板、第3基板は位置決め用の穴を有し、前記挟持部材は位置決め用の穴を貫通する突起を有することを特徴とする請求項1記載の基板接続構造。」を、
「【請求項1】第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部と第1及び第2の位置決め用穴とを有する第1基板と、
導体部と第3の位置決め用穴とを有する第2基板と、
導体部と第4の位置決め用穴とを有する第3基板と、
上記第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し、上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材と
を備えたことを特徴とする基板接続構造。」
と訂正する。
2.訂正事項b
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の第3頁第7行〜第4頁第3行の記載(特許公報第2頁第3欄第9〜20行)の
「上記課題を提供するため、本発明の接続構造は、第1の導体部と該第1の導体部に隣接する第2の導体部とを有する第1基板と、導体部を有する第2基板と、導体部を有する第3基板と、上記第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ上記第1基板の第2の導体部と上記第3の基板の導体部が接続する状態で、上記第1基板の一方の面に上記第2及び第3基板を配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材とを備えたことを特徴とする。
さらに、前記第1基板、第2基板、第3基板は位置決め用の穴を有し、前記挟持部材は位置決め用の穴を貫通する突起を有することを特徴としている。」を、
「上記課題を解決するため、本発明の接続構造は、第1の導体部と第1の導体部に隣接する第2の導体部と第1及び第2の位置決め用穴とを有する第1基板と、導体部と第3の位置決め用穴とを有する第2基板と、導体部と第4の位置決め用穴とを有する第3基板と、第1の位置決め用穴と第3の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第2基板の位置決めを行う第1の突起と上記第2の位置決め用穴と第4の位置決め用穴とを貫通し第1基板と第3基板の位置決めを行う第2の突起とを有し、第1基板の第1の導体部と上記第2の基板の導体部が接続し、且つ第1基板の第2の導体部と第3の基板の導体部が接続する状態で、第1基板の一方の面に第2及び第3基板をそれぞれの端部を突合わせた状態で配置し、第1基板と第2及び第3基板とを一体に挟持する挟持部材とを備えたことを特徴とする。」
と訂正する。
3.訂正事項c
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の第4頁第5行〜10行の記載(特許公報第2頁第3欄第22〜26行)の
「第1基板の第1導体部と第2基板の導体部とを接続させ、且つ第1基板の第2導体部と第3基板の導体部とを接続させるように、挟持部材で一体に挟持するから、1箇所で一枚のプリント基板に複数のプリント基板を接続することが可能となる。」を、
「第1基板の第1導体部と第2基板の導体部とを接続させ、且つ第1基板の第2導体部と第3基板の導体部とを接続させるように、第2基板と第3基板の端部を突合わせた状態で第1基板上に重ねて位置決めし挟持部材で一体に挟持するから、1箇所で一枚のプリント基板に複数のプリント基板を接続することが可能となる。」
と訂正する。
4.訂正事項d
明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の第5頁第11行の記載(特許公報第2頁第3欄第43行)の
「合板(7)は、位置決め用穴(4b)(5b)(6b)」を、
「合板(7)は、位置決め用穴(4b)(6b)または位置決め用穴(5b)(6b)」
と訂正する。
異議決定日 2001-06-07 
出願番号 特願平2-170707
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H05K)
P 1 651・ 113- YA (H05K)
P 1 651・ 856- YA (H05K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 毅  
特許庁審判長 蓑輪 安夫
特許庁審判官 刈間 宏信
鈴木 久雄
登録日 1999-03-19 
登録番号 特許第2900541号(P2900541)
権利者 ミノルタ株式会社
発明の名称 基板接続構造  
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