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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1048349
異議申立番号 異議2000-73273  
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-12-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-08-28 
確定日 2001-07-06 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3014860号「搬入搬出装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3014860号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 【1】手続の経緯
本件特許第3014860号(請求項数1;以下、「本件特許」という。)は、平成4年6月1日に出願された特願平4-140434号の特許出願に係り、平成11年12月17日に設定登録されたものであるが、本件特許に対して、東谷 満より特許異議の申立てがなされ、平成12年11月21日に取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年2月13日に訂正請求がされた後、平成13年2月26日に再度取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年4月27日に再度の訂正請求がされたものである。

【2】訂正請求の可否
(1)特許権者が求めている訂正
本件特許には、平成13年2月13日付けと平成13年4月27日付けの2つの訂正請求がなされているが、2つの訂正請求は並立しえないから、最後に提出した訂正請求である平成13年4月27日付けの訂正請求を特許権者の意図する訂正請求と認める。
よって、特許権者が請求する訂正は、特許明細書を平成13年4月27日付けで提出された訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正するものと認める。
(2)訂正請求の要旨
上記訂正請求は、願書に添付した明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであるが、その要旨は以下の1)、2)のとおりのものと認める。
1)訂正事項a
本件の特許請求の範囲の請求項1に係る記載
「【請求項1】
所定雰囲気条件に保持されたチャンバと、
前記チャンバの内部の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段を有する搬送装置と、
前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、
前記チャンバと前記搬送装置間で雰囲気データを伝送する伝送手段と、
前記伝送手段からの雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記所定雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、
前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置。」を、
「【請求項1】
予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、
部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段とを有する搬送装置と、
前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、
前記チャンバと前記搬送装置とを連結し係止する係止手段と、
前記チャンバと前記搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段と、
前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、
前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置。」
と訂正する。
2)訂正事項b
明細書の【0005】の記載の
「【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための手段は、特許請求の範囲に記載されている。すなわち、本発明の目的は、所定雰囲気条件に保持されたチャンバと、前記チャンバの内部の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段を有する搬送装置と、前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、前記チャンバと前記搬送装置間で雰囲気データを伝送する伝送手段と、前記伝送手段からの雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記所定雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置によって達成される。」を、
「【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための手段は、特許請求の範囲に記載されている。すなわち、本発明の目的は、予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段とを有する搬送装置と、前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、前記チャンバと前記搬送装置とを連結し係止する係止手段と、前記チャンバと前記搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段と、前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置によって達成される。」に訂正する。
(3)訂正の目的、新規事項の有無及び特許請求の範囲の実質的拡張・変更の存否
1)訂正事項aについて
上記訂正事項aは、本件特許明細書の特許請求の範囲に記載された、ア)「所定雰囲気条件に保持されたチャンバと、前記チャンバの内部の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段を有する搬送装置と、」を「予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段とを有する搬送装置と、」に限定し、イ)「前記チャンバと前記搬送装置間で雰囲気データを伝送する伝送手段と、」を「前記チャンバと前記搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段と、」に限定し、ウ)「前記伝送手段からの雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記所定雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、」を「前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、」に限定し、さらに、エ)特許請求の範囲に「前記チャンバと前記搬送装置とを連結し係止する係止手段と、」を付加して特許請求の範囲を限定するものであり、それぞれ特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、この訂正事項aのア)については願書に最初に添付した明細書の【0008】と【0004】に記載されており、イ)、ウ)については【0001】に記載されており、エ)については【0010】に記載されており、それぞれ願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
2)訂正事項bについて
上記訂正事項bは、訂正事項aの特許請求の範囲の訂正によって生じる、特許明細書の発明の詳細な説明と特許請求の範囲との齟齬を解消しようとするもので、明りょうでない記載の釈明を目的とするものといえ、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
(4)訂正請求の認容について
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書きの各号に掲げる事項を目的とするものであり、同法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認容する。

【3】本件特許発明の認定
上記のとおり、平成13年4月27日付けの訂正請求は認容されるので、本件特許の請求項1に係る発明は、平成13年4月27日付けの訂正請求書に添付された全文訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める(以下、「本件発明」という。)。
「予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、
部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段とを有する搬送装置と、
前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、
前記チャンバと前記搬送装置とを連結し係止する係止手段と、
前記チャンバと前記搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段と、
前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、
前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置。」

【4】引用刊行物及びその記載事項
これに対して、当審における平成13年2月26日付けで通知した取消の理由に引用した本件特許の出願前である平成4年5月29日に日本国内において頒布された特開平4-157749号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。
a)「簡易クリーン室10には台車12等に搭載された真空クリーンボックス15が移動自在に配置される。すなわち簡易クリーン室10は被搬送物を移送するための搬送室として利用される。」(第3頁右上欄18〜左下欄2行)
b)「真空クリーンボックス15の内部の真空度は1Torr以下のクリーンな状態に設定されている。ここで、真空クリーンボックス15は真空排気系をそれ自体が有していても良い・・・」(第3頁左下欄2〜5行)
c)「第3図及び第4図に示すように、真空チャンバー13を備えた各種装置11のフランジ付き移送口20にはシャッター21が気密に嵌合しており、同様に真空クリーンボックス15の移送口22にもシャッター23が気密に嵌合している。すなわち、シャッター21には移送口20との間を気密封止するためのOリング32が、同様にシャッター23には移送口22との間を気密封止するためのOリング33が設けられている。また、装置側移送口20の突き合わせ面(フランジ面)にはOリング25が配置され、移送口20のフランジ背後には、シャッター21をロックしておくためのロック部材26が設けられている。また、シャッター21,23の突き合わせ面にもOリング27,28がそれぞれ配置されるとともに、相互に吸着可能なように各シャッター21,23に永久磁石30,31が埋設固定されている。これらのシャッター21,23を含む移送口20,22の構造は2重ゲートバルブ構造を成している。」(第3頁左下欄9行〜右下欄7行)
d)「チャンバー内が1Torr以下の真空度であれば浮遊粉塵がなくなるが1Torrよりも真空度が低下し、例えば数Torr乃至5Torrや8Torrとなると粉塵の浮遊が多少見られるようになることが判る。」(第4頁左上欄7〜11行)
e)「まず、真空クリーンボックス15の内部を予め1Torr以下に真空排気して浮遊粉塵が実質的に零となっている状態で第3図のように被搬送物Wを真空クリーンボックス15内の載置台40上に載置する。それから、第4図のように、装置側真空チャンバー13の移送口20の突き合わせ面をクリーンボックス側移送口22の突き合わせ面に圧接して両移送口間を気密封止するとともにシャッター21,23の突き合わせ面を永久磁石30,31で相互に吸着し、Oリング27,28でシャッター突き合わせ面間の空気を閉じ込めた状態とし、ロック部材26を解錠状態として一体となったシャッター21,23を第4図仮想線のごとく外し、移送口20,22を連通させる。そして、真空クリーンボックス側の被搬送物Wを装置側の所定位置、例えば装置側真空チャンバー13内のホルダー41上に移し変える。また、装置内から真空クリーンボックス内への被搬送物の移し変えも第4図のごとく移送口20,22を気密に連結した状態において同様に行うことができる。」(第4頁左上欄13行〜右上欄13行)
f)「各種装置11側の真空チャンバー13内は通常1Torr以下の高真空であり、第4図の如く装置側真空チャンバー13と真空クリーンボックス15とを連通させても真空クリーンボックス内の真空度は1Torrよりも劣化する可能性はなく・・・」(第4頁右上欄16行〜左下欄1行)
g)「第3図は真空クリーンボックス及び装置側移送口の構造を示すものであって、連結前の状態を示す側断面図、第4図は連結状態を示す同側断面図、・・・」(第4頁右下欄6〜9行)

上記d)、f)の記載から、真空チャンバー13内は予め設定された1Torr以下の雰囲気条件に保持されており、上記a)の記載から、真空クリーンボックス15は被搬送物Wの搬送装置であり、上記b)、e)の記載から、真空クリーンボックス15は、空気清浄度の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段としての真空排気系を有しており、空気清浄度の雰囲気が、真空チャンバー13内と同じ雰囲気条件である1Torr以下の高真空になったことを判断して、被搬送物Wを真空クリーンボックス15内の載置台40上に載置し、移送口20、22の突き合わせ面を圧接して両移送口間を気密封止し、移送口20,22を連通させ、被搬送物Wを移し変えるための何らかの判断手段が存在するものと認められる。また、上記c)、e)の記載から、真空クリーンボックス15は、被搬送物Wの搬出、搬入を可能とするシャッター21,23を備えており、g)の記載から、真空クリーンボックスと装置側移送口は、何らかの連結手段によって着脱自在に連結され、さらに、真空チャンバー13と真空クリーンボックス15内には被搬送物Wが保持されているから、該真空クリーンボックス15は当然被搬送物保持室を備えているものと認められる。
したがって、上記刊行物1には、
「予め設定された雰囲気条件に保持された真空チャンバー13と、被搬送物保持室と該被搬送物保持室内の雰囲気を予め設定された雰囲気条件に調整制御する雰囲気制御手段を有する搬送装置である真空クリーンボックス15と、前記真空チャンバー13と前記真空クリーンボックス15とを着脱自在に連結する連結手段と、搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、前記判断手段の出力に対応して前記真空チャンバー13内からの物品類の搬出または前記真空チャンバー13内への物品類の搬入を可能とするシャッター21,23を備えた搬入搬出装置。」
の発明が記載されているものと認める。

同じく当審における平成13年2月26日付けで通知した取消の理由に引用した本件特許の出願前である昭和61年5月16日に日本国内において頒布された特公昭61-19294号公報(以下、「刊行物2」という。)には、次の事項が記載されている。
h)「予備室が排気されたのちに気密ゲートを開くことによって真空処理室と予備室の間で真空処理室の雰囲気を実質上変化させることなしに被処理物の出入が達成でき・・・」(第1頁左欄7〜10行)
i)「この発明による装置は、主排気弁の真空処理室側および排気系側の絶対圧力をそれぞれ検出する第1真空計および第2真空計、並びに予備室の排気後に第2真空計で検出される絶対圧力が第1真空計で検出される絶対圧力より低くなったときに主排気弁を開く制御装置を有することを特徴とする。
この特徴によれば真空処理室側の絶対圧力が排気系側の絶対圧力より低い状態で主排気弁が開かれることはないから、予備室の残留ガスが真空処理室へ逆流してこれの雰囲気を汚染するおそれはない。」(第2頁左欄17〜28行)
j)「符号11によって示される排気系は、主配管12の中の通路によって真空処理室1に連通しかつ主配管12から分岐する副配管13の中の通路によって予備室13に連通する。主配管12はこれの中の通路を遮断するための副排気弁15を有する。
主排気弁14の真空処理室側例えば主排気弁14と真空処理室1の間の主配管12の途中には第1真空計の測定子16が配置され、主排気弁14の排気系側・・・には第2真空計の測定子17が配置される。」(第2頁右欄3〜14行)
k)「符号18で示され両真空計のコントロール部を包含する制御装置は、例えば、第1真空計測定子16および第2真空計測定子17から電路19および20をそれぞれ介して受取った電流値の差をブリッジ回路で検出し、これを増幅器で増幅し、前記差の正負に応じて第2真空計で検出される絶対圧力が第1真空計で検出される絶対圧力より低くなったときに継電器を作動させ、この継電器が作動されたときに電路21を介して主排気弁14に電流を流すように構成される。主排気弁14は手動以外に電磁的または電動的にも作動できるように構成され、その際には電路21に電流が流れたときに閉から開になるように駆動される。このようにして制御装置18は第2真空計17で検出される絶対圧力が第1真空計16で検出される絶対圧力より低くなったときに(勿論、これら真空計の作動範囲内で)主排気弁14を開くように働く。」(第2頁右欄20〜37行)
l)「被処理物7を真空処理室1の中へ搬入する際には、最初に第2気密ゲート8が開かれ(この際に気密ゲート6および副排気弁15は閉じている)、これを通して被処理物7が装置外から予備室3に搬入される、次いで第2気密ゲート8および主排気弁14が閉じられて(この時点以前には真空処理室1の排気のために主排気弁14は開かれている)副排気弁15が開かれ、これによって予備室3は真空に排気される。この際に真空計および制御装置16,17,18は作動状態に置かれる。予備室3の排気後に主排気弁の排気系側の絶対圧力がこれの真空処理室側の絶対圧力より低くなると制御装置18の作用によって主排気弁14が開き、残留ガスの逆流なしに真空処理室1の排気が再開始される。気密ゲート6は予備室3の排気後に開かれ、これを通して被処理物7は真空処理室1の雰囲気を実質上損なうことなしに真空処理室に投入される。その後に気密ゲート6および副排気弁15が閉じられる。」(第2頁右欄38行〜第3頁左欄13行)

上記i)〜l)の記載によれば、第2引用例の主排気弁の真空処理室側と排気系側の絶対圧力は、それぞれ第1、第2真空計の測定子16,17で検出され、そのデータを示す電流値は、伝送手段である電路19、20を介して判断手段である制御装置18に送られ、制御装置18は第2真空計で検出される絶対圧力が第1真空計で検出される絶対圧力より低くなったことを判断して主排気弁14と気密ゲート6を開き、これにより、予備室3の残留ガスが真空処理室1へ逆流してこれの雰囲気を汚染することを防止するものであると認められる。また、主排気弁の真空処理室側は真空処理室1と連通し、主排気弁の排気系側は副排気弁15が開かれた状態では予備室3と連通するから、主排気弁の真空処理室側と排気系側の絶対圧力は、真空処理室1と副排気弁15が開かれた状態での予備室3の絶対圧力と略等しく、しかも、絶対圧力のデータは、真空度のデータであるから、上記h)、i)及び第1引用例のd)の記載にもあるように空気清浄度の雰囲気データである。
したがって、上記刊行物2には、
「真空処理室1と、被処理物7が搬入保持され、排気系11によって雰囲気を調整できる予備室3と、前記真空処理室1と前記予備室3の空気清浄度の雰囲気データと略等しい主排気弁の真空処理室側と排気系側の空気清浄度の雰囲気データ(絶対圧力データ)を伝送する伝送手段(電路19、20)と、前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データ(絶対圧力データ)を用いて前記予備室3内の絶対圧力と略等しい主排気弁の排気系側の絶対圧力が、前記真空処理室1の絶対圧力と略等しい主排気弁の真空処理室側の絶対圧力より低くなるという雰囲気条件を満たすことを判断して、主排気弁14と気密ゲート6を開かせるための出力を発生する判断手段(制御装置18)と、前記判断手段の出力に対応して前記真空処理室1内からの被処理物7の搬出または前記真空処理室1内への被処理物7の搬入を可能とする気密ゲート6を備えた真空処理装置。」
の発明が記載されているものと認める。

【4】対比
本件発明と上記刊行物1に記載された発明を対比すれば、上記刊行物1に記載された発明の「真空チャンバー13」、「被搬送物W」、「真空クリーンボックス15」、「シャッター21,23」は、それぞれ訂正請求に係る発明の「チャンバ」、「物品」及び「物品類」、「搬送装置」、「開閉手段」に相当するから、訂正請求に係る発明は上記刊行物1に記載された発明と、
「予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段を有する搬送装置と、前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えた搬入搬出装置。」
である点で一致し、以下の<相違点>で相違している。
<相違点>
(1)本件発明では、搬送装置が物品移動手段を有しているのに対し、上記刊行物1に記載された発明は被搬送物Wを移し代える装置を有してはいるものの、それが真空チャンバー13と真空クリーンボックス15のどちらに設けられているか明かでない点。
(2)本件発明では、チャンバと搬送装置とを連結し係止する係止手段を有しているのに対し、上記刊行物1に記載された発明は、連結手段は有しているものの、係止手段を有しているかどうかが明かでない点。
(3)本件発明では、チャンバと搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段を備え、伝送手段からの空気清浄度の雰囲気データを用いて搬送装置内の雰囲気条件が予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段を備えているのに対し、上記刊行物1に記載された発明は、搬送装置内の雰囲気条件が、予め設定された、真空チャンバー13内と同じ雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段を有してはいるものの、そのためのデータをチャンバと搬送装置間で伝送する手段を備えていない点。

【5】相違点の検討・当審の判断
相違点(1)、(2)に関して
物品移動手段を搬送装置に設けるか、チャンバに設けるかは、当業者が適宜選択する単なる設計事項であるから、物品移動手段を搬送装置が有するようにした点は当業者が容易に行うことができたものである。また、上記刊行物1に記載された発明のような搬入搬出装置では、チャンバ内からの物品類の搬出時、または前記チャンバ内への物品類の搬入時にチャンバと搬送装置の連結が外れることは許されないから、両者の連結が確実でないとき、両者を係止する手段を別に設けることは当業者が適宜採用する設計事項であり、当業者が容易に行うことができたものである。
相違点(3)に関して
上記刊行物2には、チャンバと搬送装置間で物品を搬出入するものではないが、物品を真空処理室1と、排気系11によって雰囲気を調整できる予備室3間で搬出入するのに、真空処理室1から伝送される空気清浄度の雰囲気データを用いて、予備室3内の雰囲気条件が真空チャンバー13内と同じ雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段を用いる発明が記載されている。そして、この技術をチャンバと搬送装置間での物品の搬出入に適用することに格別な困難性は認められない。してみれば、予め設定された空気清浄度の雰囲気データをチャンバと搬送装置間で伝送して、搬送装置内の雰囲気条件が予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する手段を備えた点は、上記刊行物2の発明に基づいて、当業者が容易に行うことができたものである。
そして、本件発明の作用効果は、上記刊行物1,2に記載された発明から予測しうる程度のものであるから、本件発明は、上記刊行物1,2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

【6】むすび
以上のとおりであるから、本件発明の特許は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本件特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
搬入搬出装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、
部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段とを有する搬送装置と、
前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、
前記チャンバと前記搬送装置とを連結し係止する係止手段と、
前記チャンバと前記搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段と、
前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、
前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、所定の温湿度、ガス濃度、および空気清浄度(以下これらを雰囲気と記す)条件を高精度に制御する必要のあるチャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を行なう搬入搬出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体分野をはじめ高品質、高精度を追及する産業分野の製造プロセスにおいて、ますます超清浄環境が不可欠になっている。例えば、クリーンルーム内に清浄空間を細長いトンネル状にした清浄作業室が“バイオロジカルクリーンルームの設計と維持管理,環境制御技術”工学情報センター編,1986,p85〜p90に記載されている。従来技術における清浄度レベルは0.1μm粒子で10〜100個/ft3程度であり、チャンバ内から物品を搬入したり搬出したりする場合、搬出入口の開閉にともない前記チャンバ内の空気がチャンバ外に流出または流入することにより、前記チャンバ内の雰囲気が変動するおそれがある。
【0003】
これを防止するため、チャンバの温度調整能力や送風量などをそれぞれ増加させ、搬入搬出にともなう影響を小さくするなどの手段がとられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、温度調整能力や送風量などを増加させることは省エネルギーの見地からは問題であった。また、上記はチャンバ内外への空気の移動を前提とする調整手段であるから高精度な調整制御を行なうには限界があり、さらに極限に近い例えば0.01μm粒子で0.1〜1個/ft3の高清浄度を得るには、無人化を前提とする搬入搬出装置が要求されている。本発明は、上記の問題点に鑑み、チャンバ内外への物品類の搬入搬出を実施するに際して、高精度にチャンバ内の雰囲気条件を確保するに好適な搬入搬出装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段は、特許請求の範囲に記載されている。すなわち、本発明の目的は、予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段とを有する搬送装置と、前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、前記チャンバと前記搬送装置とを連結し係止する係止手段と、前記チャンバと前記搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段と、前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置によって達成される。
【0006】
【作用】
上記の構成により、物品の搬入搬出に際しては、チャンバと搬送装置が結合した後、通信手段からの情報交換により、それぞれが所定の雰囲気条件を満たしたことを確認し、搬送装置とチャンバ間の雰囲気を流通させることにより、物品の搬入搬出にともないチャンバ内の雰囲気が大きく変動することはない。
【0007】
【実施例】
図1は本発明の全体システムの一実施例の構成を示す図である。本実施例は、複数のチャンバ1を連結したラインによって管状の清浄室装置を形成し、前記クリーンチューブを複数列配列したものである。各ラインは1台以上のチヤンバ1から形成され、各チャンバ1は、ラインの内容によって図示のように物品搬入出口20を有する。さらに、各ラインとラインの間もしくはチャンバ1とチャンバ1間に、一台以上の物品搬送用の搬送装置2を備えている。
【0008】
搬入出口20を有するチャンバ1及び搬送装置2の構造を第2、3、4図によって説明する。図2はチヤンバ1と搬送装置2との非結合状態を示す側面図、図3はチヤンバと搬送装置が結合し物品搬入出時の断面を示す側面図、図4はチヤンバと搬送装置の結合時の平面図である。チャンバ1はチャンバ1の内外から物品類を搬入搬出する搬入出口20とチャンバ1と搬送装置20間で雰囲気データを伝送する伝送手段50を有し、一方搬送装置2の内部には、部品保持室15と、物品保持室15内の雰囲気を制御する制御系80を有する。さらにチャンバ1の伝送手段50と交信する伝送手段55を有する。また、物品の処理ならびに雰囲気に関する履歴を記録するメモリ60をチヤンバ1内に、またメモリ65を搬送装置2内に有する。伝送手段50と伝送手段55は、それぞれチャンバ1と搬送装置2内の雰囲気条件の記録、交信および演算処理を行なう。メモリ60、65、伝送手段50、55は中央演算処理装置(以下ホストと記す)100と連結されている。チャンバ1の搬出口20にドア41、搬送装置2の搬入出口にはドア40を備えており、物品の搬入搬出時以外は、ドア40、ドア41は閉じられている。搬送装置2の外部に、搬送装置2の雰囲気条件を外部から視覚的に監視可能のようにインジケータ70を設ければさらに効果的である。チャンバ1と保持室15内に物品の搬入搬出用としてマニピュレータ90を備えており、物品95を容易に搬入搬出することができるようになっている。伝送手段50を通して、搬送装置2の結合を指示した場合、搬送装置2側には伝送手段55を介してチャンバ1内のデータを受信して、制御系80により保持室15内の雰囲気を制御し、チャンバ1内の雰囲気に適合させるように構成されている。次に、図3に示すように、チャンバ1に付設する搬出口20を介して搬送装置2を結合する。搬送装置2の保持室15内とチャンバ1内との雰囲気条件が所定の範囲内であれば、図4に示すようにドア40、41を開け、マニピュレータ90を用いてチャンバ1内外に物品95の搬入または搬出を行なう。搬入搬出後はドア40、41を閉じ、搬送装置2をチャンバ1から切り離す。全体システムを統括するためにホスト100が設けられ、ホスト100からの指令によって制御系80、伝送手段50、55、メモリ60、65が制御される。ホスト100の設置場所については、チャンバ1内、または他の適切な場所を選択することが好ましい。
【0009】
本発明の搬入搬出装置の一実施例のフローを図5に示す。ここで、Tpはチャンバ1の雰囲気、Mpは演算時にTpを入力するメモリ60を示す。Tcは搬送装置2の雰囲気、McはTcの入力用メモリ65を示す。△TはTp、Tcの許容範囲を示す。
【0010】
図6は、チャンバ1と搬送装置2との結合機構による結合手順を示す図であって、同図(a)は結合前の状態を示す図、同図(b)は結合時の状態を示す図、同図(c)は結合解除した直後の状態を示す図である。搬送装置2内には、フック30、スプリング31、ソレノイド32を有し、チャンバ1には、ストッパ34、ガスケット35、ポンプ36を有する。図6(a)の状態から搬送装置2をチヤンバ1に対して矢印A方向に押し込むことによって、同図(b)に示すようにフック30とストッパ34とが接触したのち、テーパ部30aに沿って摺動しフック30は上方に持ち上げられてからストッパ34に係止される。ストッパ34に係止したことが確認されると、ガスケット35内にポンプ36から圧縮空気を送りガスケット35を膨張させる。これによって、搬送装置2とチャンバ1側の搬出口20とはガスケット35を介して密着し、雰囲気制御を行なっている保持室15またはチャンバ1内の空気が保持室15およびチャンバ1以外の外部空間に漏洩するのを防止することができる。同図(c)はチャンバ1と搬送装置2との結合を解除するために、ガスケット35内の圧縮空気を抜き、ソレノイド32を駆動することによりスプリング31の付勢力に抗してフック30を開き、ストッパ34とフック30との係止を解除した状態を示している。以後は、同図(a)に示す矢印Aと反対方向に保持室15を移動させることにより物品の搬入搬出を終了することができる。請求項1記載の雰囲気制御手段とは、例えば実施例における制御系80に相当し、同じく連結手段とは、例えば実施例におけるフック30、スプリング31、ソレノイド32、ストッパ34、ガスケット35、ポンプ36に相当し、同じく判断手段とは、例えば実施例における制御系80、伝送手段50、55、メモリ60、65ならびにこれらを指令するホスト100がこれに該当するものとする。
【0011】
【発明の効果】
物品の搬入搬出に際しては、搬送装置とチャンバの雰囲気が所定条件内にあるときのみドアを開けるため、チャンバ内の雰囲気は物品の搬入搬出にともなって変動を生じることはない。したがって、ドア開放により、チャンバ室内の雰囲気は変動しにくくなり、従来と比較してはるかに高精度の雰囲気制御が可能であり、また物品類の搬入搬出に伴う雰囲気条件の変動が小さいため、雰囲気調整のための制御系の処理能力を大きくする必要がないから省エネルギーの点でも効果が大きく経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体システムの一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明のチヤンバと搬送装置の一実施例の結合前の状態を示す側面図である。
【図3】本発明のチヤンバと搬送装置が結合し物品搬入出時の断面を示す側面図である。
【図4】本発明のチヤンバと搬送装置の一実施例の結合を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施例の制御フローを示す図である。
【図6】本発明の一実施例の搬入出口の結合機構を示す図である。
【符号の説明】
1:チャンバ 2:搬送装置
15:保持室 20:搬入出口
40、41:ドア 50、55:伝送手段
60:メモリ(Mp) 65:メモリ(Mc)
70:インジケータ 80:制御系
90:マニピュレータ 95:物品
100:中央演算処理装置(ホスト)
Tp:チャンバの雰囲気データ
Tc:搬送装置の雰囲気データ
△T:TpとTcの差の許容範囲
 
訂正の要旨 本件特許異議申立てに係る訂正請求における訂正の要旨は、次のa)、b)のとおりである。
a)本件の特許請求の範囲の請求項1に係る記載
「【請求項1】
所定雰囲気条件に保持されたチャンバと、
前記チャンバの内部の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段を有する搬送装置と、
前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、
前記チャンバと前記搬送装置間で雰囲気データを伝送する伝送手段と、
前記伝送手段からの雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記所定雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、
前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置。」を、
「【請求項1】
予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、
部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段とを有する搬送装置と、
前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、
前記チャンバと前記搬送装置とを連結し係止する係止手段と、
前記チャンバと前記搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段と、
前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、
前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置。」
と訂正する。
b)明細書の【0005】の記載の
「【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための手段は、特許請求の範囲に記載されている。すなわち、本発明の目的は、所定雰囲気条件に保持されたチャンバと、前記チャンバの内部の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段を有する搬送装置と、前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、前記チャンバと前記搬送装置間で雰囲気データを伝送する伝送手段と、前記伝送手段からの雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記所定雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置によって達成される。」を、
「【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するための手段は、特許請求の範囲に記載されている。すなわち、本発明の目的は、予め設定された雰囲気条件に保持されたチャンバと、部品保持室と該部品保持室内の雰囲気を調整制御する雰囲気制御手段と物品移動手段とを有する搬送装置と、前記チャンバと前記搬送装置とを着脱自在に連結する連結手段と、前記チャンバと前記搬送装置とを連結し係止する係止手段と、前記チャンバと前記搬送装置間で予め設定された空気清浄度の雰囲気データを伝送する伝送手段と、前記伝送手段からの前記空気清浄度の雰囲気データを用いて前記搬送装置内の雰囲気条件が前記予め設定された雰囲気条件を満たすことを判断して出力を発生する判断手段と、前記判断手段の出力に対応して前記チャンバ内からの物品類の搬出または前記チャンバ内への物品類の搬入を可能とする開閉手段を備えたことを特徴とする搬入搬出装置によって達成される。」と訂正する。
異議決定日 2001-05-18 
出願番号 特願平4-140434
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (H01L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 柴沼 雅樹  
特許庁審判長 蓑輪 安夫
特許庁審判官 鈴木 久雄
ぬで島 慎二
登録日 1999-12-17 
登録番号 特許第3014860号(P3014860)
権利者 株式会社日立製作所
発明の名称 搬入搬出装置  
代理人 作田 康夫  
代理人 作田 康夫  

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