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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  F23N
管理番号 1048535
異議申立番号 異議2001-71265  
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-04-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-04-23 
確定日 2001-10-24 
異議申立件数
事件の表示 特許第3103048号「給湯装置」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3103048号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3103048号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成2年9月4日に出願された特願平2-233774号の一部を、特許法第44条第1項の規定により平成9年9月3日に新たな特許出願としたものであって、平成12年8月25日に設定登録され、その後、その特許について、異議申立人東陶機器株式会社より特許異議の申立てがなされたものである。

2.特許異議申立てについての判断
(1)申立ての理由の概要
特許異議申立人東陶機器株式会社は、下記の甲第1号証乃至甲第3号証を提出し、請求項1及び2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許を取り消すべき旨主張している。

(2)本件発明
本件特許の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本件第1発明」、「本件第2発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される次のものにあると認められる。
「【請求項1】
バーナに点火する点火手段と、前記バーナの燃焼を加熱源として流水を加熱する熱交換器と、この熱交換器に供給される前記流水を検出する流水検出手段とを備える給湯装置であって、
前記点火手段の点火制御又は給水制御をスイッチ操作によって指令するリモコン装置と、
前記点火手段の点火を表す電気信号、又は前記流水検出手段からの流水を表す電気信号の一方又は双方を積算し、その積算値又はその積算値を表す数値を記憶手段に記憶させるとともに、前記記憶手段に記憶している前記積算値又は前記数値を停電時の消失から防護し、かつ前記積算値又は前記数値を表す表示出力を発生する制御手段と、
前記リモコン装置又は前記制御手段の何れか一方又は双方に設置されて前記制御手段から前記表示出力を受け、前記積算値又は前記数値を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする給湯装置。

【請求項2】
バーナに点火する点火手段と、前記バーナの燃焼を加熱源として流水を加熱する熱交換器と、この熱交換器に供給される前記流水を検出する流水検出手段とを備える給湯装置であって、
前記点火手段の点火制御又は給水制御をスイッチ操作によって指令するリモコン装置と、
前記点火手段の点火制御、前記流水検出手段からの流水検出信号を受けて燃焼制御を行う燃焼制御手段と、
この燃焼制御手段とは別に設けられて、前記点火手段の点火を表す電気信号、又は前記流水検出手段からの流水を表す電気信号の一方又は双方を積算し、その積算値又はその積算値を表す数値を記憶手段に記憶させるとともに、前記記憶手段に記憶している前記積算値又は前記数値を停電時の消失から防護し、かつ前記積算値又は前記数値を表す表示出力を発生する表示制御手段と、
前記リモコン装置又は前記制御手段の何れか一方又は双方に設置されて前記表示制御手段から前記表示出力を受け、前記積算値又は前記数値を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする給湯装置。」

(3)刊行物
これに対して、特許異議申立人が提出した甲第1号証(特開昭63-251755号公報、以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに下記の記載がある。
「本発明は、部品の交換時期を報知する手段を有する家庭用の給湯器に関するものである。」(第1頁左下欄第16〜17行目)
「貯湯部である熱交換器1は上部に給湯口2、下部に給水口3をそれぞれ備え、熱交換器1に囲まれた燃焼室5を下部に、燃焼室5内で発生した熱を効率よく熱交換器1に伝えるためのバッフルプレート11を上部に設けている。燃焼室5は、電磁ポンプ4より給油された灯油がノズル7により噴霧され、同時にファンモータ6により燃焼用空気を送り込み、点火器8よりの高電圧により点火電極9で火花放電を生じて点火させ、燃焼する。」(第1頁右下欄第4〜13行目)
「第1図において、制御器21は、燃焼を制御する制御部24と、総運転時間と運転回数を計測する時限装置であるカウント手段20と、交換部品の交換時期を判定するための判定手段22と、判定手段22の指示を受けて報知部である報知手段15を駆動させる駆動手段23とにより構成されている。」(第2頁左下欄第17行目〜同右下欄第3行目)
「一方、又、運転時間ではなくて運転回数により製品寿命に影響を与えやすい部品については、第3図に示す様に総運転回数を計測する手段により、運転回数表示19に運転回数を表示し、該当交換部品の交換時期がくると該当する交換表示ランプ18が点灯し、交換の必要性を使用者に知らせる構成とすることにより、同じ作用効果が期待出来る。」(第3頁左上欄第6〜13行目)

また、同じく特許異議申立人が提出した甲第2号証(特開平2-37213号公報、以下、「刊行物2」という。)には、図面とともに下記の記載がある。
「第1図において、給湯機Bは、熱交換器13と、そのバーナ14と、バーナ14にガスを供給するための電磁弁15と、給水口17からの水の流れ込みを検出する水流スイッチ16と、熱交換器13を通過したお湯を供給する出湯口18と、バーナ14に必要な空気の吸排気を行う送風材19と、上記した構成部品を集中制御する制御回路手段20とにより構成されている。21は給湯機Bの制御を遠距離において行うためのリモコンである。このリモコン21は、給湯機Bへの電源電圧を供給湯する運転スイッチ22と、この運転スイッチ22の操作を表示する運転ランプ23と、給湯機Bの燃焼をモニタする燃焼ランプ24と、給湯機Bの異常状態を報知させるための異常報知スイッチ25と、この異常報知スイッチ25の操作により音声出力を発する報知手段26と、異常報知スイッチ25と報知手段26とを制御するマイクロコンピュータ27(以下マイコンという)とにより構成されている。」(第2頁左下欄第12行目〜同右下欄第9行目)
「この異常検出手段28によって検出された異常データは異常データ記憶手段29に送られ、乾電池などによるバックアップ電源30で常時データの記憶を行っている。」(第2頁右下欄第11〜14行目)
「34は異常報知スイッチ25の入力判定をしたスイッチ入力判定手段33の出力により異常データ記憶手段29の記憶データを音声データに変換する異常データ音声データ変換手段である。35は、異常データ音声データ変換手段34により変換された音声データを報知手段26に音声信号として出力するための音声出力手段である。」(第3頁左上欄第1〜7行目)

また、同じく特許異議申立人が提出した甲第3号証(特公昭63-46328号公報、以下、「刊行物3」という。)には、図面とともに下記の記載がある。
「この発明は、被加熱部の温度を制御する機能に加えて、燃焼器の発停回数をカウントしてこれを表示する機能を有し、保守が必要な時期を的確に知らせることができるようにした燃焼器のデジタル温度調節装置を提供することを目的としている。」(第1頁第2欄第7〜12行目)
「この例では、燃焼器のバルブV1、V2のオンおよびオフ温度、ハイリミットスイッチH/Lのオフ温度、凍結防止スイッチのオン温度、およびバルブV1のオン回数を設定できるように構成され、バルブV1またはV2のいずれか一方がオンになった回数がRAM13に記憶される。」(第2頁第3欄第30〜36行目)
「つぎに第3図のフローチャートにしたがって動作を説明する。電源投入によるスタートと同時に、まずRAM13の記憶内容がすべてクリアされ、つぎに押ボタン4aによるステップスイッチのオンにより、まずバルブV1のオフ点の設定が行われる。この設定操作は、前述のように、押ボタン4bまたは4cを押してデジタル表示器2に表示されている数値が所望のオフ点になるように設定し、ついで押ボタン4dを押してこの数値をRAM13に書込むことで完了する。新たに設定されたV1オフ点の数値が適当な範囲内であることが確認されると、押ボタン4aを押してつぎのV1オン点の設定操作に移るが、V1オフ点の設定値がたとえばハイリミット温度以上のような誤まった数値である場合には、デジタル表示器2の表示をフラッシングさせて設定値が正しくないことを知らせ、また選択モードの切換えと禁止する動作が行われる。同様の設定操作が、V1オン点、V2オン点、H/Lオフ点、凍結オン点およびバルブ動作回数について順次行われる。」(第2頁第4欄第13〜32行目)
「つぎに運転スイッチ5がオンになると、サーミスタTHの断線(バーンアウト)があるかどうか、および熱要求があるかどうかがチェックされたのち、バーナv1およびv2を点火するための信号が出力される。これによって燃焼器は正常な燃焼状態に入り、同時に動作回数をカウントするカウンタにカウント信号が供給される。」(第2頁第4欄第36〜42行目)
「一方、CPU12は、V1、V2オン信号が発せられるごとにこれをカウントし、押ボタン4aの操作によって現在回数表示モードが選択された場合には、このカウント値をデジタル表示器2に表示する。そして発停回数のカウント値が、前述の操作であらかじめ設定された数に達すると、デジタル表示器2の表示をフラッシングさせるようになっている。」(第3頁第5欄第24行目〜同第6欄第5行目)

(4)請求項1について
上記2.(3)に示した記載及び図面からみて、刊行物1には、下記の発明が記載されている。
「ノズルより噴霧された灯油に点火する点火器と、燃焼室での燃焼により流水を加熱する熱交換器とを備える給湯器であって、
運転回数を積算するカウント手段と、その積算値を表す表示出力を発生する駆動手段と、
前記駆動手段から前記表示出力を受け、前記積算値を表示する報知装置と、を備えたことを特徴とする給湯器。」

本件第1発明と、刊行物1に記載された発明を対比すると、刊行物1に記載された発明の「ノズル」、「点火器」、「熱交換器」、「報知装置」、「給湯器」は、それぞれ、本件第1発明の「バーナ」、「点火手段」、「熱交換器」、「表示手段」、「給湯装置」に相当する。また、刊行物1に記載された発明と、本件第1発明とは、ともに、運転回数を積算し、その積算値を表す表示出力を発生する制御手段を有する点で共通するから、両者は、
「バーナに点火する点火手段と、前記バーナの燃焼を加熱源として流水を加熱する熱交換器と、
運転回数を積算し、その積算値を表す表示出力を発生する制御手段と、
前記制御手段から前記表示出力を受け、前記積算値を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする給湯装置。」で一致し、下記の点で相違する。

相違点1
本件第1発明は、熱交換器に供給される流水を検出する流水検出手段を有するのに対し、刊行物1には、そのような記載がない点。

相違点2
本件第1発明は、「点火手段の点火を表す電気信号、又は流水検出手段からの流水を表す電気信号の一方又は双方を積算」するのに対し、刊行物1には、運転回数を計測するとのみ記載されており、どの信号の積算により運転回数を判断するかが記載されていない点。

相違点3
本件第1発明は、「点火手段の点火制御又は給水制御をスイッチ操作によって指令するリモコン装置」を有するのに対し、刊行物1には、そのような記載がない点。

相違点4
本件第1発明は、「積算値又はその積算値を表す数値を記憶手段に記憶させるとともに、記憶手段に記憶している積算値又は数値を停電時の消失から防護」しているのに対し、刊行物1には、そのような記載がない点。

相違点5
本件第1発明は、表示手段を「リモコン装置又は制御手段の何れか一方又は双方に設置されて」いるのに対し、刊行物1には、そのような記載がない点。

そこで、上記相違点1乃至5について検討する。
・相違点1について
上記2.(3)に示すように、刊行物2には、給水口からの流れ込みを検出する水流スイッチを給湯機に設けることが記載されている。
刊行物1及び2は、ともに給湯装置に関するものであるから、刊行物1の給湯装置に、流水検出手段を備えることは、当業者が容易に想到し得たものである。

・相違点2について
特許異議申立人は、甲第3号証として提出した刊行物3に、「点火手段の点火を表す」信号の積算により、運転回数を判断する構成が記載されている旨主張している。
刊行物3には、「燃焼器の発停回数をカウントしてこれを表示する機能を有し、保守が必要な時期を的確に知らせることができるようにした」旨記載されている。しかし、燃焼器の発停回数としてカウントする信号は、刊行物3の、以下のア.乃至エ.の記載、
ア.「バルブV1のオン回数を設定できるように構成され、バルブV1またはV2のいずれか一方がオンになった回数がRAM13に記憶される。」(第2頁第3欄第33〜36行目)
イ.「同様の設定操作が、V1オン点、V2オン点、H/Lオフ点、凍結オン点およびバルブ動作回数について順次行われる。」(第2頁第4欄第30〜32行目)
ウ.「バーナv1およびv2を点火するための信号が出力される。これによって燃焼器は正常な燃焼状態に入り、同時に動作回数をカウントするカウンタにカウント信号が供給される。」(第2頁第4欄第39〜42行目)
エ.「CPU12は、V1、V2オン信号が発せられるごとにこれをカウントし、押ボタン4aの操作によって現在回数表示モードが選択された場合には、このカウント値をデジタル表示器2に表示する。」(第3頁第5欄第24行目〜同第6欄第2行目)
からみて、燃焼器の燃料を供給するバルブのオン・オフ信号であり、燃焼器の発停回数として積算しているのは、バルブ動作回数であると認められる。
よって、刊行物3には、点火手段の点火を表す信号を積算する構成は記載されておらず、また、この構成が刊行物3の記載から容易に想到できるとも認められない。
また、上記「・相違点1について」で検討したように、刊行物2には、流水検出手段を給湯装置に設けることは記載されているものの、流水検出手段で検出した信号を、運転回数の積算に利用するとは記載されておらず、また、この構成が刊行物2の記載から容易に想到できるとも認められない。
したがって、他の上記相違点3乃至5について検討するまでもなく、本件第1発明が、刊行物1乃至3に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものと認めることはできない。

(5)請求項2について
上記2.(3)に示した記載及び図面からみて、刊行物1には、下記の発明が記載されている。
「ノズルより噴霧された灯油に点火する点火器と、燃焼室での燃焼により流水を加熱する熱交換器とを備える給湯器であって、
燃焼を制御する制御部と、
運転回数を積算するカウント手段と、その積算値を表す表示出力を発生する駆動手段と
前記駆動手段から前記表示出力を受け、前記積算値を表示する報知装置と、を備えたことを特徴とする給湯器。」

本件第2発明と、刊行物1に記載された発明を対比すると、刊行物1に記載された発明の「ノズル」、「点火器」、「熱交換器」、「報知装置」、「給湯器」は、それぞれ、本件第2発明の「バーナ」、「点火手段」、「熱交換器」、「表示手段」、「給湯装置」に相当する。また、刊行物1に記載された発明と、本件第2発明とは、ともに、運転回数を積算し、その積算値を表す表示出力を発生する表示制御手段を有する点で共通するから、両者は、
「バーナに点火する点火手段と、前記バーナの燃焼を加熱源として流水を加熱する熱交換器と、
運転回数を積算し、その積算値を表す表示出力を発生する表示制御手段と、前記制御手段から前記表示出力を受け、前記積算値を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする給湯装置。」で一致し、下記の点で相違する。

相違点6
本件第2発明は、熱交換器に供給される流水を検出する流水検出手段を有するのに対し、刊行物1には、そのような記載がない点。

相違点7
本件第2発明は、「点火手段の点火を表す電気信号、又は流水検出手段からの流水を表す電気信号の一方又は双方を積算」するのに対し、刊行物1には、運転回数を計測するとのみ記載されており、どの信号の積算により運転回数を判断するかが記載されていない点。

相違点8
本件第2発明は、「点火手段の点火制御又は給水制御をスイッチ操作によって指令するリモコン装置」を有するのに対し、刊行物1には、そのような記載がない点。

相違点9
本件第2発明は、「点火手段の点火制御、流水検出手段からの流水検出信号を受けて燃焼制御を行う燃焼制御手段」を有するのに対し、刊行物1には、「燃焼を制御する制御部」とのみ記載されている点。

相違点10
本件第2発明は、「燃焼制御手段」とは別に設けられて、「積算値又はその積算値を表す数値を記憶手段に記憶させるとともに、記憶手段に記憶している積算値又は数値を停電時の消失から防護」する表示制御手段を有するのに対し、刊行物1には、そのような記載がない点。

相違点11
本件第2発明は、表示手段が「リモコン装置又は制御手段の何れか一方又は双方に設置されて」いるのに対し、刊行物1には、そのような記載がない点。

そこで、上記相違点6乃至11について検討する。
・相違点6について
上記2.(3)に示すように、刊行物2には、給水口からの流れ込みを検出する水流スイッチを給湯機に設けることが記載されている。
刊行物1及び2は、ともに給湯装置に関するものであるから、刊行物1の給湯装置に、流水検出手段を備えることは、当業者が容易に想到し得たものである。

・相違点7について
特許異議申立人は、甲第3号証として提出した刊行物3に、「点火手段の点火を表す」信号の積算により、運転回数を判断した構成が記載されている旨主張している。
刊行物3には、「燃焼器の発停回数をカウントしてこれを表示する機能を有し、保守が必要な時期を的確に知らせることができるようにした」旨記載されている。しかし、燃焼器の発停回数としてカウントする信号は、刊行物3の、以下のア.乃至エ.の記載、
ア.「バルブV1のオン回数を設定できるように構成され、バルブV1またはV2のいずれか一方がオンになった回数がRAM13に記憶される。」(第2頁第3欄第33〜36行目)
イ.「同様の設定操作が、V1オン点、V2オン点、H/Lオフ点、凍結オン点およびバルブ動作回数について順次行われる。」(第2頁第4欄第30〜32行目)
ウ.「バーナv1およびv2を点火するための信号が出力される。これによって燃焼器は正常な燃焼状態に入り、同時に動作回数をカウントするカウンタにカウント信号が供給される。」(第2頁第4欄第39〜42行目)
エ.「CPU12は、V1、V2オン信号が発せられるごとにこれをカウントし、押ボタン4aの操作によって現在回数表示モードが選択された場合には、このカウント値をデジタル表示器2に表示する。」(第3頁第5欄第24行目〜同第6欄第2行目)
からみて、燃焼器の燃料を供給するバルブのオン・オフ信号であり、燃焼器の発停回数として積算しているのは、バルブ動作回数であると認められる。
よって、刊行物3には、点火手段の点火を表す信号を積算する構成は記載されておらず、また、この構成が刊行物3の記載から容易に想到できるとも認められない。
また、上記「・相違点6について」で検討したように、刊行物2には、流水検出手段を給湯装置に設けることは記載されているものの、流水検出手段で検出した信号を、運転回数の積算に利用するとは記載されておらず、また、この構成が刊行物2の記載から容易に想到できるとも認められない。
したがって、他の上記相違点8乃至11について検討するまでもなく、本件第2発明が、刊行物1乃至3に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものと認めることはできない。

(6)要旨変更であるとの主張について
特許異議申立人は、本件の平成12年5月22日付の手続補正における段落【0029】の「点火信号又は流水検知信号を以て使用頻度を把握するので、安全性が高く、信頼性の高いしかも無駄の無い管理を実現することができる。」との記載が、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲外であり、要旨変更にあたる旨主張しているが、本件の願書に最初に添付した明細書の下記の記載、
「そこで、これら流水検知装置4、二連ガス弁10又は点火装置12等、ガス給湯器2の動作検知部位であり、その部位から得られる電気信号、流水検知信号S1、弁開閉信号S2、S3及び点火信号S4の1又は2以上を動作信号として取込み、その動作信号を以てガス給湯器2の使用回数(頻度)を積算し、使用回数の表示制御を行う制御手段として表示制御部18が設置されている。」(段落【0018】)
「【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、機器の動作信号を以て機器の使用頻度を検知するので、確実な機器の使用回数が積算でき、その積算値が所定値に到達したことを表す表示を以て、機器の点検や部品交換を行うことができるので、安全性が高く、信頼性の高いしかも無駄の無い管理が実現できる。」(段落【0029】)
には、流水検出装置、点火装置、二連ガス弁からのいずれか1つ以上の信号によりガス給湯器の使用回数を積算し、その使用回数の積算値により部品の交換時期を報知することと、その効果が記載されており、流水検出装置と点火装置からの二つの信号で使用回数の積算値を算出した場合の効果についても記載されており、上記手続補正が要旨変更にあたるとは認められない。

3.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては、本件第1発明及び本件第2発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件第1発明及び本件第2発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-09-13 
出願番号 特願平9-238542
審決分類 P 1 651・ 121- Y (F23N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 阿部 寛松縄 正登  
特許庁審判長 大久保 好二
特許庁審判官 櫻井 康平
井上 茂夫
登録日 2000-08-25 
登録番号 特許第3103048号(P3103048)
権利者 高木産業株式会社
発明の名称 給湯装置  
代理人 下出 隆史  
代理人 加藤 光宏  
代理人 畝本 正一  
代理人 五十嵐 孝雄  
代理人 特許業務法人明成国際特許事務所  
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