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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1056219 |
審判番号 | 審判1999-18953 |
総通号数 | 29 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-06-20 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-11-25 |
確定日 | 2002-04-03 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第322052号「コンピュータシステム」拒絶査定に対する審判事件[平成 9年 6月20日出願公開、特開平 9-160745]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【1】本願は、平成7年12月11日の出願であって、その発明を特定するために必要な事項は、平成11年3月25日付、平成11年12月27日付、平成13年12月10日付手続き補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたものであって、その特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものと認められる。 「データ又は切換指示を入力する入力手段と、 画像を表示するためにアプリケーション毎に割り当てられた複数の表示装置と、 前記データを用いて前記画像を表示させる表示データを生成する処理を同時に複数実行して、各処理毎に前記表示データを何れかの前記表示装置に表示させる表示装置管理手段と、 前記入力手段から前記データが入力されたときに、当該データに対して何れかの表示装置に割り当てられた一のアプリケーションの処理を実行するとともに、 前記入力手段から表示装置の切換指示が入力されたときにはその後入力されるデータを他の表示装置に割り当てられたアプリケーションの処理を実行するように変更し、 前記入力手段からアプリケーションの切換指示が入力されたときにはその後入力されるデータを当該表示装置に割り当てられた他のアプリケーションの処理を実行するように変更する制御手段とからなるコンピュータシステム。」 【2】これに対して、当審における拒絶の理由に引用された特開平7-160453号公報(以下、「引用例1」という。)には従来技術として「表示装置として複数用い、複数のアプリケーションタスクを1つの画面表示処理タスクを介して複数の表示装置に割り当てて表示する装置(第9図、【0002】、【0003】参照。)」が記載されており、また、同じく当審における拒絶の理由に引用された特開平6-83563号公報(以下、「引用例2」という。)には「各種装置指示キーやウインドウ画面の切り換えを指示するキーを具備したキー入力部と画像を表示するための表示部を有し(第1図、【0015】参照。)、画面切換キーを押下する毎にアクティブウインドウ画面を切り換え表示する処理実行部を有し(【0020】、【0026】参照。)、各ウインドウ画面に各種アプリケーションプログラムを設定し、キー入力部からの指示によりウインドウ画面を選択して設定したアプリケーションプログラムを起動させることができ、同時に複数のプログラムを並行して処理することが可能なコンピュータ装置(【0021】、【0032】参照。)」が記載されている。 【3】そこで、本願発明と引用例2に記載された発明とを比較すると、引用例2に記載された発明の「処理実行部及びCPU」は本願発明の「制御手段」に相当するから、両者は 「データ又は切換指示を入力する入力手段と、 画像を表示するための表示装置と、 前記データを用いて前記画像を表示させる表示データを生成する処理を同時に複数実行して、表示装置に表示させる手段と、 前記入力手段から前記データが入力されたときに、当該データに対して 一のアプリケーションの処理を実行するとともに、 前記入力手段からアプリケーションの切換指示が入力されたときにはその後入力されるデータを当該表示装置に割り当てられた他のアプリケーションの処理を実行するように変更する制御手段とからなるコンピュータシステム。」 である点で一致し、 (1)表示装置が、本願発明のものがアプリケーション毎に割り当てられた複数の表示装置であるのに対し、引用例2に記載された発明のものはアプリケーションが表示される1つの表示装置である点、 (2)本願発明のものが、各処理毎に表示データを何れかの表示装置に表示させる表示装置管理手段を有するのに対し、引用例2に記載された発明のものは有しない点、 (3)本願発明のものが、入力手段から表示装置の切換指示が入力されたとき、その後入力されるデータを他の表示装置に割り当てられたアプリケーションの処理を実行するように変更するのに対し、引用例2に記載された発明のものは1つの表示装置であってその切換、変更を要しない点、で相違する。 【4】次に、この相違点について検討する。 (1)の相違点について、表示装置を複数の表示装置として複数のアプリケーションタスクを1つの画面表示処理タスクを介して複数の表示装置に割り当てて表示させることは引用例1に記載のごとく公知であるから、この公知技術を引用例2に記載された発明に適用して表示装置を複数とし、アプリケーションをいずれか1つの表示装置に割り当てて表示することに格別困難性を要しないものと認められる。 (2)の相違点について、引用例1には複数のアプリケーションタスクを複数の表示装置に割り当てるように1つの画面処理タスクを介して行うことが記載されているから、引用例2に記載された発明の表示装置を複数とし、各処理ごとの表示データを、何れの表示装置に表示させていくのかを管理するために表示装置管理手段を設けることに格別困難性を要しないものと認められる。 (3)の相違点について、引用例1には複数の表示装置を有し、アプリケーションタスクを割り当てることが記載されているから、引用例2に記載された発明の表示装置を複数とし、他のアプリケーションに切り換えると同様にアプリケーションが割り当てられた表示装置を切り換えることに格別困難性を要しないものと認められる。 【5】したがって、本願発明は、引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-01-23 |
結審通知日 | 2002-02-01 |
審決日 | 2002-02-13 |
出願番号 | 特願平7-322052 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 友章 |
特許庁審判長 |
吉村 宅衛 |
特許庁審判官 |
植松 伸二 稲葉 和生 |
発明の名称 | コンピュータシステム |
代理人 | 川口 嘉之 |
代理人 | 永田 豊 |
代理人 | 遠山 勉 |
代理人 | 松倉 秀実 |