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審決分類 |
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 G06F 審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:813 G06F 審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:812 G06F 審判 全部申し立て 2項進歩性 G06F 審判 全部申し立て 旧特126条1項1号 請求の範囲の減縮 G06F |
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管理番号 | 1056568 |
異議申立番号 | 異議1999-72679 |
総通号数 | 29 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-09-17 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-07-09 |
確定日 | 2002-01-07 |
分離された異議申立 | 有 |
異議申立件数 | 4 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2847099号「低電力消費モニタ待機システム」の請求項1ないし62に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2847099号の請求項1ないし46に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許2847099号の請求項1ないし62に係る発明についての出願は、平成5年11月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1992年12月2日,1993年10月22日、米国(US))を国際出願日とする出願であって、平成10年11月6日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、三菱電機株式会社、日本電気株式会社、高橋喜美夫、ソニー株式会社より特許異議の申立てがなされ、そして、三菱電機株式会社、ソニー株式会社より特許異議の申立ての取下げがなされ、その後、取消しの理由の通知がなされ、その指定期間内である平成13年8月23日に訂正請求がなされたものである。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 特許権者の求めている訂正に内容は次のとおりである。 (1)訂正事項a 特許請求の範囲の請求項15,17,28,31,33,35,40を削除する。これに伴い、請求項番号を繰り上げる。 (2)訂正事項b 特許請求の範囲の請求項53の「タイミング手段」を「タイマー」に訂正する。 (3)訂正事項c 特許明細書第7頁右欄第39行目ないし同第8頁左欄第2行目の「ホストコンピュータにおいて入力活性がない異なる監視期間の結果として、異なる別の電力管理信号がモニタに送られる。モニタへの第1の電力管理信号は、例えばHSYNC信号のみを中断することにより、入力活性がない第1の期間の後、例えば5分後に送られ、モニタに対してレベル1の電力モードをとるように命令する。例えば中断されたVSYNC信号のみから構成される第2の電力管理信号は、20分後のような第2の期間の後に送られ、モニタに対してレベル2の電力モードをとるように命令する。例えばHSYNC信号とVSYNC信号の両方を中断することによる第3の電力管理信号は、ホストコンピュータにおいて入力活性が1時間ないような第3の期間の後に送られ、モニタにさらに別の電力レベルをとらせるように命令する。」の記載を削除する。 (4)訂正事項d 請求項1ないし請求項9を削除する。これに伴い、請求項番号を繰り上げる。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項aは、請求項の削除を行うものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正該当し、訂正事項bについては、請求項52の「タイマー」と請求項53の「前記タイミング手段」との関係から、誤記が存在することは明らかであり、本件国際出願の明細書に記載された「タイマー」とせずに「タイミング手段」と誤記したことに起因すると認められ、請求項53において「タイミング手段」を「タイマー」と訂正することにより、請求項52と請求項53との関係が明りょうとなり、また、「タイマー」は「タイミング手段」を限定したものであるから、訂正事項bは、誤記の訂正を目的とする明細書の訂正に該当し、訂正事項cは、訂正事項aによる請求項の削除(例えば請求項31の削除)に対応して、明細書に記載の一部を削除するものでり、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当し、訂正事項dは、請求項の削除を行うものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正該当するものであって、いずれも新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 3 独立特許要件 (1)特許法第184条の14違反について (a)第3の電力管理信号について 上記訂正事項cにより、訂正前の特許明細書第7頁右欄第39行目ないし同第8頁左欄第2行目の「ホストコンピュータにおいて入力活性がない異なる監視期間の結果として、異なる別の電力管理信号がモニタに送られる。モニタへの第1の電力管理信号は、例えばHSYNC信号のみを中断することにより、入力活性がない第1の期間の後、例えば5分後に送られ、モニタに対してレベル1の電力モードをとるように命令する。例えば中断されたVSYNC信号のみから構成される第2の電力管理信号は、20分後のような第2の期間の後に送られ、モニタに対してレベル断することによる第3の電力管理信号は、ホストコンピュータにおいて入力活性が1時間ないような第3の期間の後に送られ、モニタにさらに別の電力レベルをとらせるように命令する。」との記載は削除されたので、この点において、訂正された請求項1ないし46に係る発明は、本件の特許法第184条の4第1項の国際出願の出願日における明細書、請求の範囲又は図面及びこれらの書類の同条第4項の出願翻訳文(以下、「出願翻訳文等」という。)に記載された発明以外の発明であるとはいえず、特許法第184条の14の規定の発明に該当しない。 (b)フィラメントヒータに部分的な電力が供給されることについて 上記訂正事項aにより、訂正前の請求項15,17,28,31,33,35,40は削除されたので、この点において、訂正された請求項1ないし46に係る発明は、出願翻訳文等に記載された発明以外の発明であるとはいえず、特許法第184条の14の規定の発明に該当しない。 (c)入力装置の異なる不活性期間の検出について 出願翻訳文等には、「入力装置の異なる不活性期間の検出する」の明示的記載はないが、本件出願翻訳文には、「このシステムは、不活性の期間を測定し、入力中断時にゼロにリセットして、予め設定されたオーバーフロー値でオーバーフロー信号を供給するように構成されたタイミング手段と、タイミング手段のオーバーフロー状態にしたがってモニ夕に対するHSYNCおよびVSYNC信号の少なくとも1つを中断する同期デイスエーブル手段とを具備している。」(第3頁第9行目ないし第15行目)、「MPM命令は各タイマー中断に関してタイムアウトカウンタを促進し、それぞれ監視された中断に関してカウントを最初の値にリセットする。MPMタイムカウン夕の最初の値は固定されてもよく、或いは調節可能であってもよい。MPMタイムアウトカウンタが監視された中断の停止により予め設定されたオーバーフロー値に達した場合、HSYNCエネーブル装置124およびVSYNCエネーブル装置126の制御の状態を変化して、水平同期発生器122によって生成された水平同期信号(HSYNC)123、および、または垂直同期発生器120によって生成された垂直同期信号(VSYNC)125、或いはそれら両者の出力をディスエーブルする命令が実行される。」(第7頁第4行目ないし第15行目)、「前記入力手段の不活性の期間を測定し、入力中断時にゼロにリセットして、予め設定されたオーバーフロー値でオーバーフロー信号を供給するように構成されたタイミング手段と、前記タイミング手段のオーバーフロー状態にしたがってモニ夕に対するHSYNCおよびVSYNC信号の少なくとも1つを中断する同期デイスエーブル手段と、」(特許請求の範囲請求項1)、「前記入力手段の不活性のタイミング期間の間前記システム容器と関連し、入力中断時にゼロにリセットして、予め設定されたオーバーフロー値でオーバーフロー信号を供給するように構成されたタイミング手段と、前記システムの容器と関連し、前記タイミング手段のオーバーフロー状態にしたがってモニ夕に対する水平同期(HSYNC)信号および垂直同期(VSYNC)信号の少なくとも1つを中断する同期信号ディスエーブル手段と、」(特許請求の範囲請求項15)、「前記タイミング手段中に累積された第1の予め設定された時間間隔でビデオ表示モニタへのVSYNCおよびHSYNC信号の少なくとも1つのディスエーブルに基づいて前記ビデオ表示モニタに第1の電力レベル信号を供給し、前記タイミング手段中に累積された第2の予め設定された時間間隔で、第1の電力レベル信号を供給するのとは異なる形態で前記VSYNCおよびHSYNC信号の少なくとも1つのディスエーブルに基づいて前記ビデオ表示モニタに第2の電力レベル信号を供給し、」(特許請求の範囲請求項16)の記載があり、これら記載を総合的に勘案すると、「入力装置の異なる不活性期間の検出する」を示唆する記載があるものと認められる。この点において、訂正後の請求項1ないし46に係る発明は、出願翻訳文等に記載された発明以外の発明であるとはいえず、特許法第184条の14の規定の発明に該当しない。 (d)VGA標準信号において電力管理信号を符号化することについて 本件出願翻訳文等に、「VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように」、「VGA標準信号において符号化された、コンピュータからの2つ以上ある電力管理信号の任意の1つを選択的に検出する」の明示的記載はないが、本件出願翻訳文に「信号は、技術的に知られているように、VGAケーブル127でモニ夕に送信される。」(第8頁第1行目ないし第2行目)、「図1は、3つの状態に調節するためにモニ夕に信号を送るために3つの異なる信号をモニ夕に供給することができる本発明の好ましい実施例の機能素子を示す。本発明の1実施例において、その状態はモニ夕電力管理(MPM)の選択されたレベルである。モニ夕への信号は、HSYNCおよびVSYNC信号の一方または他方、或は両方を中断することに基づいている。」(第6頁第8行目ないし第14行目)、「モニタにMPM状態変化を通信する別の方法は、HSYNCまたはVSYNCにおける周波数変化の時間ベースの符号化されたシーケンス、カラー信号中の符号化された値を含むか、または長期間に対するカラー信号が含まれないことを利用する。」(第13頁第2行目ないし第6行目)の記載があり、これら記載及びVGAがパソコンの標準的なグラフィック表示規格であることを総合的に勘案すると、「VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように」、「VGA標準信号において符号化された、コンピュータからの2つ以上ある電力管理信号の任意の1つを選択的に検出する」を示唆する記載があるものと認められる。この点において、訂正された請求項1ないし46に係る発明は、出願翻訳文等に記載された発明以外の発明でるとはいえず、特許法第184条の14の規定の発明に該当しない。 (e)カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号との異なる組合わせで中断することについて 本件出願翻訳文等に、「カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号をモニタに供給し、この供給された信号を異なる組合わせで中断するように構成された」、「前記供給される制御信号は、中断されるHSYNC信号、VSYNC信号またはカラー信号の異なる組合わせであり、」の明示的記載はないが、本件出願翻訳文に「図1は、3つの状態に調節するためにモニ夕に信号を送るために3つの異なる信号をモニ夕に供給することができる本発明の好ましい実施例の機能素子を示す。本発明の1実施例において、その状態はモニ夕電力管理(MPM)の選択されたレベルである。モニ夕への信号は、HSYNCおよびVSYNC信号の一方または他方、或は両方を中断することに基づいている。」(第6頁第8行目ないし第14行目)、「HSYNC信号123およびVSYNC信号125は、D/A変換器119からR、G、B信号等のその他の信号と共にインターフェース121に送られる。信号は、技術的に知られているようにVGAケーブル127でモニタに送信される。」(第7頁第24行目ないし第8頁第2行目)、「モニタにMPM状態変化を通信する別の方法は、HSYNCまたはVSYNCにおける周波数変化の時間ベースの符号化されたシーケンス、カラー信号中の符号化された値を含むか、または長期間に対するカラー信号が含まれないことを利用する。」(第13頁第2行目ないし第6行目)との記載があり、これら記載を総合的に勘案すると、「カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号をモニタに供給し、この供給された信号を異なる組合わせで中断するように構成された」、「前記供給される制御信号は、中断されるHSYNC信号、VSYNC信号またはカラー信号の異なる組合わせであり、」を示唆する記載があるものと認められる。この点において、訂正後の請求項1ないし46に係る発明は、出願翻訳文等に記載された発明以外の発明であるとはいえず、特許法第184条の14の規定の発明に該当しない。 (2)明細書記載不備について (a)特許請求の範囲請求項37(訂正前請求項53) 上記訂正事項bによって、請求項37において、「前記タイミング手段」が「前記タイマー」と訂正され、その記載の不備は解消するので、請求項37の記載に不備があるとはいえない。 (b)特許請求の範囲請求項40(訂正前請求項56) 上記(a)に示したとおり、請求項37の記載に不備があるとはいえないから、請求項37を引用している請求項40の記載に不備があるとはいえない。 (3)特許法第29条第2項違反について (a)訂正後の請求項1ないし46に係る発明について 特許第2847099号の訂正後の請求項1ないし46に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし46に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】CPUと、メモリと、入力装置と、モニタと、カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号をモニタに供給するビデオアダプタとを有する汎用コンピュータシステム中で、モニタによる電力使用を管理する電力管理システムおいて、前記入力装置の異なる不活性期間を検出するタイマーと、前記異なる不活性期間の検出に応答して、前記ビデオアダプタにより前記モニタに供給される信号を異なる組合わせで中断するように構成された中断回路と、前記モニタと関連し、前記ビデオアダプタにより前記モニタに供給される信号の前記中断に応答して、前記モニタ中の電力回路を選択的に遮断するように構成された電力管理回路とを具備している電力管理システム。 【請求項2】前記タイマーは、前記CPUによって実行される制御ルーチンを含み、前記中断回路は、前記ビデオアダプタに信号を送信して前記モニタに供給される信号の少なくとも1つをディスエーブルする前記CPUを備えている請求項1記載の電力管理システム。 【請求項3】前記制御ルーチンは、プログラム可能な読取り専用メモリ中のシステムBIOSにおいて与えられる請求項2記載の電力管理システム。 【請求項4】前記モニタと関連した電力管理回路は、前記ビデオアダプタによって供給される信号を監視し、1以上の前記信号の中断に応答して前記電力管理回路以外の回路による電力使用を制御する回路を備えている請求項1記載の電力管理システム。 【請求項5】電力は前記モニタに供給される1以上のカラー信号の中断に応答して前記電力管理回路以外の回路に対して減少されるが、遮断されない請求項4記載の電力管理システム。 【請求項6】電力はHSYNC信号およびVSYNC信号の一方または両方の中断に応答して電力管理回路以外の回路に対して減少される請求項4記載の電力管理システム。 【請求項7】前記入力装置はキーボード、モデムおよびポインタ装置のうち1つ以上のものを含み、前記タイマーは前記入力装置用の入力ポートでインターフェイスされた感知装置に接続されているアドオンタイムアウト制御装置を含み、前記感知装置は前記入力装置の異なる不活性期間を検出するように構成され、前記中断回路は前記ビデオアダプタによって前記モニタに供給される信号用の出力ポートにインターフェイスされた回路と、異なる不活性期間の前記検出に応答して前記ビデオアダプタによって前記モニタに供給される信号を異なる組合わせで中断する電気的に動作可能なスイッチとを含んでいる請求項1記載の電路管理システム。 【請求項8】汎用コンピュータの入力装置の異なる不活性期間を検出し、前記検出された異なる不活性期間に応答して制御信号を供給するように構成された回路と、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を伝送する少なくとも2つの線における電気的に動作可能なスイッチとを具備し、前記供給される制御信号は、中断されるHSYNC信号、VSYNC信号またはカラー信号の異なる組合わせであり、モニタ中の電力使用回路への電力を減少させるための制御信号である、既存の汎用コンピュータの回路中に付加するように構成されたアドインタイムアウト制御装置。 【請求項9】汎用コンピュータの入力ホートに接続されたキーボードとモデムとポインタ装置のうち1つ以上のものを含む入力装置を有する汎用コンピュータ用のアドオンタイムアウト制御装置において、前記入力装置用の入力ポートにおいてインターフェイスされた感知装置と、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号をビデオモニタに伝送する線における電気的に動作可能なスイッチとを具備し、前記感知装置は、前記入力装置の異なる不活性期間を検出するように構成され、前記電気的に動作可能なスイッチは、前記入力装置の不活性期間に応答して、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を異なる組合わせで中断することにより異なる制御信号を供給するように構成され、前記供給される制御信号は、モニタ中の電力使用回路への電力を減少させるための制御信号であるアドオンタイムアウト制御装置。 【請求項10】モニタに信号を送信して別の電力使用状態をとらせるように構成された汎用コンピュータにおいて、CPUと、前記CPUに接続され、データおよび命令ルーチンを記憶するメモリと、前記CPUに結合され、前記コンピュータに入力を供給する利用者用の入力装置と、前記CPUに結合され、モニタ上に表示するために、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号のうち1つ以上を含む信号を供給するビデオアダプタと、前記入力装置の異なる不活性期間を検出するタイマーと、前記異なる不活性期間の検出に応答して、前記ビデオアダプタにより前記モニタに対して供給される信号を異なる組合せで中断する中断回路とを具備し、前記異なる組み合わせで中断される信号は、モニタ中の電力使用回路への電力を減少させるための制御信号として使用される汎用コンピュータ。 【請求項11】前記タイマーは、前記CPUによって実行される制御ルーチンを含み、前記中断回路は、前記ビデオアダプタに信号を送信して、前記モニタ上に表示するために供給される信号の1つをディスエーブルするCPUを備えている請求項10記載の汎用コピュータ。 【請求項12】前記制御ルーチンは、プログラム可能な読取り専用メモリ中のシステムBIOSにおいて与えられる請求項11記載の汎用コンピュータ。 【請求項13】前記タイマーはアドインタイムアウト制御装置を備え、別記アドインタイムアウト制御装置は、前記入力装置の不活性期間を検出して、前記検出された不活性期間に応答して制御信号を供給するように構成された回路を含んでいる請求項10記載の汎用コンピュータ。 【請求項14】前記入力装置はキーボード、モデムおよびポインタ装置のうち1つ以上のものを含み、前記タイマーは前記入力装置用の入力ポートでインターフェイスされた感知装置に接続されているアドオンタイムアウト制御装置を含み、前記感知装置は前記入力装置の不活性期間を検出するように構成され、前記中断回路は前記ビデオアダプタによって前記モニタに供給される信号用の出力ポートにインターフェイスされた回路と、不活性期間の検出に応答してモニタ上に表示するために前記ビデオアダブタにより供給される信号の1つを中断する1以上の電気的に動作可能なスイッチとを含んでいる請求項10記載の汎用コンピュータ。 【請求項15】カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号をコンピュータから受信する陰極線管モニタにおいて、入力装置の異なる不活性期間の検出に応答して、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号の異なる組合わせの不存在として符号化された、前記コンピュータからの電力管理信号を検出するように構成された検出器と、前記電力管理信号の検出に応答して、前記モニタ中の電力使用回路による電力消費量を異なる減少電力レベルに減少させるように構成された電力管理回路とを具備している陰極線管モニタ。 【請求項16】前記電力管理回路は、全電力、オフおよび1以上の中間レベルを含む異なる電力レベルで電力を供給する請求項15記載の陰極線管モニタ。 【請求項17】前記検出器は、電力管理制御ルーチンを実行するマイクロ制御装置を含んでいる請求項15記載の陰極線管モニタ。 【請求項18】全ての信号の存在に応答して全ての電力使用回路に全電力を供給する第1の電力モードと、前記検出器、前記電力管理回路およびフィラメントヒータ以外の前記モニタ中の全ての電力使用回路への電力を遮断する第2の電力モードと、前記検出器および前記電力管理回路以外の前記モニタ中の全ての電力使用回路への電力を遮断する第3の電力モードとで動作可能である請求項15記載の陰極線管モニタ。 【請求項19】カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号をモニタに送信するコンピュータシステムの動作電力を節約する方法において、前記コンピュータシステムの入力装置の異なる不活性期間を感知し、前記入力装置の異なる不活性期間に応答して、前記モニタに対する信号を異なる組合わせで中断することにより前記モニタに電力管理信号を供給し、前記モニタにおいて前記電力管理信号を検出し、前記電力管理信号に応答して、前記モニタ中の電力使用回路への電路を異なる減少電力レベルに減少させるステップを含んでいる方法。 【請求項20】前記電力を減少させるステップにおいて、前記モニタ中のフィラメントヒータへの電力が遮断される請求項19記載の方法。 【請求項21】前記電力を減少させるステップにおいて、電力は3つの状態で前記モニタ中の電力使用回路に供給され、第1の状態は前記モニタ中の全ての電力使用回路に全電力を供給し、第2の状態はフィラメントヒータ以外の前記モニタ中の電力使用回路への電力を遮断し、第3の状態は前記フィラメントヒータを含む前記モニタ中の電力使用回路への電力を遮断する請求項19記載の方法。 【請求項22】カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号をビデオモニタに供給するように構成されたコンピュータ中で、ビデオモニタに信号を送信して異なる別の電力使用状態をとらせる方法において、前記コンピュータに結合された入力装置の異なる不活性期間を検出し、異なる不活性期間に応答して、異なる別の電力使用状態をとらせるためのモニタに対する命令として、モニタへのカラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を異なる組合わせで中断するステップを含んでいる方法。 【請求項23】カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を受信するように構成されたビデオモニタに別の電力使用状態をとらせる方法において、入力装置の異なる不活性期間の検出に応答して生成されたコンピュータからの電力管理信号として、異なる組合わせのカラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号の不存在を検出し、前記電力管理信号に応答してモニタ中の電力使用回路を異なる減少電力状態にするステップを含んでいる方法。 【請求項24】前記検出ステップは、第1および第2の組合せの不存在信号を検出することを含み、前記異なる減少電力状態にするステップは、第1の組合せの信号の不存在の検出に応答して第1の減少電力状態を電力使用回路にとらせ、第2の組合せの信号の不存在の検出に応答して第2の減少電力状態を電力使用回路にとらせることを含む請求項23記載の方法。 【請求項25】前記異なる減少電力状態にするステップは、信号の不存在のないことに応答して全電力を供給し、信号の不存在の第1の組合せに応答してフィラメントヒータを除く前記電力使用回路への電力を遮断し、信号の不存在の第2の組合せに応答してフィラメントヒータを含む前記電力使用回路への電力を遮断するようにモニタ中の電力使用回路を制御することを含む請求項23記載の方法。 【請求項26】CPUと、メモリと、入力装置と、ビデオモニタと、カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号を含むVGA標準信号をビデオモニタに供給するビデオアダブタとを有するコンピュータシステム用の電力管理システムにおいて、前記入力装置の少なくとも第1および第2の予め定められた不活性期間を検出するように構成されたタイマー手段と、前記入力装置の前記第1および第2の予め定められた不活性期間の検出に応答して、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように構成された信号送信手段と、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つに応答して、前記ビデオモニタの電力使用を2つ以上ある減少電力レベルの1つに減少させるように構成された電力管理手段とを具備するコンピュータシステム用の電力管理システム。 【請求項27】前記タイマー手段は、前記CPUによって実行されるタイマー制御ルーチンを含む請求項26記載の電力管理システム。 【請求項28】前記ビデオアダプタは、前記VGA標準信号の個々のものを異なる組合わせで中断することにより、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを供給する請求項27記載の電力管理システム。 【請求項29】前記モニタに対する第1の電力管理信号は、前記HSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化され、前記モニタに対する第2の電力管理信号は、前記VSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化される請求項28記載の電力管理システム。 【請求項30】前記タイマー制御ルーチンは、BIOSにおいて与えられる請求項27記載の電力管理システム。 【請求項31】CPUと、メモリと、入力装置と、ビデオモニタと、カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号を含むVGA標準信号をビデオモニタに供給するビデオアダブタとを有するコンピュータシステムの動作における電力を節約する方法において、前記入力装置の少なくとも第1および第2の予め定められた不活性期間を検出し、前記第1および第2の予め定められた不活性期間に応答して、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化し、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つに応答して、前記ビデオモニタの電力使用を2つ以上ある減少電力レベルの1つに減少させるステップを含むコンピュータシステムの動作における電力を節約する方法。 【請求項32】前記検出ステップにおいて、前記入力装置の活性はタイミング制御ルーチンを実行する前記CPUにより監視される請求項31記載の方法。 【請求項33】前記符号化ステップにおいて、前記ビデオアダブタは、前記VGA標準信号の個々のものを異なる組合わせで中断することにより、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを供給する請求項31記載の方法。 【請求項34】前記符号化ステップにおいて、前記モニタに対する第1の電力管理信号は、前記HSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化され、前記モニタに対する第2の電力管理信号は、前記VSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化される請求項33記載の方法。 【請求項35】前記タイミング制御ルーチンは、BIOSにおいて与えられる請求項32記載の方法。 【請求項36】中央処理装置(CPU)と、前記CPUに接続されデータおよび命令ルーチンを記憶するメモリと、前記CPUに接続され前記コンピュータに対して入力を供給する利用者用の入力装置と、前記CPUに結合され、カラー信号、HYSNC信号およびVSYNC信号を含むVGA標準信号を表示モニタに供給するビデオアダプタとを有するコンピュータにおいて、前記入力装置の少なくとも第1および第2の予め定められた不活性期間を検出するように構成されたタイマーと、前記入力装置の前記少なくとも第1および第2の予め定められた不活性期間に応答して、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように構成された信号送信手段とをさらに具備し、前記電力管理信号は、モニタ中の電力使用回路への電力を減少させるための電力管理信号であるコンピュータ。 【請求項37】前記タイマーは、前記CPUによって実行されるタイマー制御ルーチンを含む請求項36記載のコンピュータ。 【請求項38】前記ビデオアダプタは、前記VGA標準信号の個々のものを異なる組合わせで中断することにより、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを供給する請求項36記載のコンピュータ。 【請求項39】前記モニタに対する第1の電力管理信号は、前記HSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化され、前記モニタに対する第2の電力管理信号は、前記VSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化される請求項38記載のコンピュータ。 【請求項40】前記タイマー制御ルーチンは、BIOSにおいて与えられる請求項37記載のコンピュータ。 【請求項41】カラー信号、HYSNC信号およびVSYNC信号を含むVGA標準信号をホストコンピュータから受信する手段を含むビデオモニタにおいて、入力装置の異なる不活性期間の検出に応答してVGA標準信号において符号化された、コンピュータからの2つ以上ある電力管理信号の任意の1つを選択的に検出するように構成された検出手段と、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つの検出に応答して、前記ビデオモニタの電力使用を2つ以上ある減少電力レベルの1つに減少させるように構成された電力管理手段とを具備するビデオモニタ。 【請求項42】前記検出手段は、異なる組合わせで中断されたVGA標準信号として、前記2つ以上ある電力管理信号を識別するように構成されている請求項41記載のビデオモニタ。 【請求項43】前記検出手段は、前記モニタに対する第1の電力管理信号として、VGA標準信号中でHSYNC信号だけが中断されたもの、前記モニタに対する第2の電力管理信号として、VGA標準信号中でVSYNC信号だけが中断されたものの組合わせを識別する請求項42記載のビデオモニタ。 【請求項44】カラー信号、HYSNC信号およびVSYNC信号を含むVGA標準信号をホストコンピュータから受信する手段を含むビデオモニタに別の電力使用状態をとらせる方法において、入力装置の異なる不活性期間の検出に応答してVGA標準信号において符号化された、コンピュータからの2つ以上ある電力管理信号の任意の1つを選択的に検出し、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つの検出に応答して、前記ビデオモニタの電力使用回路に2つ以上ある減少電力状態の1つをとらせるステップを含む方法。 【請求項45】前記選択的に検出するステップにおいて、前記検出手段は、異なる組合わせで中断されたVGA標準信号として、前記2つ以上ある電力管理信号を識別する請求項44記載の方法。 【請求項46】前記検出手段は、前記モニタに対する第1の電力管理信号として、VGA標準信号中でHSYNC信号だけが中断されたもの、前記モニタに対する第2の電力管理信号として、VGA標準信号中でVSYNC信号だけが中断されたものの組合わせを識別する請求項45記載の方法。」 (b)刊行物に記載された発明 刊行物1:「INCREASING LIFETIME AND RELIABILITY OF CRT DISPLAYS」、IBM Technical Disclosure Bulletin、特許庁資料館平成4年2月13日受入,Vol.34、No.9、p.281-283 刊行物2:Energy efficiency in office equipment、A Swedish View、Stockholm&Urbana、1992年6月 刊行物3:特開平3-238516号公報 刊行物4:特開平1-300296号公報 刊行物5:米国特許第4933785号明細書 刊行物6:米国特許第5821924号明細書 刊行物7:特表平8-508831号公報 刊行物1は、特許異議申立人高橋喜美夫の甲第1号証であるが、コンピュータの入力装置が一定期間不使用のときにモニタの消費電力を低減する技術に関するもので、「システム・ソフトウエアが要求に応じてディスプレイの全て又は一部への電力供給を停止することができる。」(第281頁第4ないし5行目)、「キーボードが一定期間不便用のときにスクリーンを非表示状態にするソフトウエアがあり、蛍光体の損傷が防止される。キーを押すと元の画像が再び表示される。」(第281頁第7ないし9行目)、「ディスプレイが追加の論理回路を有し、その回路はPCからのSYNC信号の一方又は両方が停止していて、ディスプレイは依然としてPCに接続されているという状態を検知する。」(第281頁第17ないし20行目)、「SYNCパルスを停止することができて、これはソフトウエアによってCRTコントローラを遮断することにより行える」(第281頁第22ないし24行目)、「SYNC信号が停止され、テストラインがローの状態であることを論理回路が検知したときは、ディスプレイ内の回路の大部分はパワーダウンされ、ディスプレイの消費電力は低下する。消磁PTCとスタンバイ回路のみは動作状態となる。CRTヒータは通常より低レベルの状態に保つようにしても良い。」(第282頁第3ないし7行目)、「最後のキーストロークから一定期間、典型的には5分間、経過するとSYNCパルスを停止させるソフトウエアをPCに内蔵できる。ディスプレイはSYNC信号が停止し、ディスプレイがまだPCに接続されていることを検知する。」(第282頁第10ないし13行目)、「ディスプレイは停止し、スタンバイ回路と、ことによれば低電流状態のCRTヒータはオンのままである」(第282頁第15ないし16行目)、「Fig.1に実装用の技術が示されている。ロジック回路は恒常的にオン状態の小さなスタンバイ電源から電力を供給されている。」(第283頁第1ないし3行目)、「ここでは電源は恒常的に通常状態で動作する。sync/test信号のラインがロー状態であることが検知されると、ヒータ電圧が下げられ、またビーム電流が停止される。ヒータ電圧が低いときにビーム電流が流れると、急速な経年変化が生じる。ビーム電流はグリッドの一方を低電圧にすることで停止できる。」(第283頁第22ないし27行目)が記載されている。 即ち、刊行物1には、入力装置が一定期間不便用であることを検出するソフトウエア手段、このときモニタへのHSYNC、VSYNC信号の一方又は両方を中断するソフトウエア・CRTコントローラ手段、SYNC信号の中断に対応してモニタの消費電力を制御する制御手段(「論理回路」)が示され、また、ヒータ電流を流した省電力状態とモニタの全てをオフにする状態の双方があることが示され、さらに、省電力状態であっても入力装置の不使用を検出する手段、SYNC信号を中断する手段、モニタの消費電力制御手段が動作状態であることが開示されている。 刊行物2には、「より優れたカラー及びグラフィック用或いは大型スクリーンサイズの要望に対処するため比較的消費電力の高い(100ワット以上)の新規CRT表示装置の生産が開始された。我々としては、今後も5年くらいは従来CRT技術が市場優位性を維持してゆき、この間に供給されるいくつかの表示装置は今世紀末までは使用されてゆくものと考える。 要件 MPRII に定められた要件に加え、自己適応型モニター要件が適用されるようになってゆくだろう。視覚エルゴノミクスに関する要件が加えられる。 モニターは以下の機能を具備する必要がある。 自動スタンバイ 最後のキー操作から少なくとも5分から1時間調整可能なもの。 -キーボード操作が再開された場合、 -コンピュータからのメッセージ又は、例えばネットワークからメッセージがあった場合 モニターが3秒以内に表示を行う。 自動スタンバイ機能が不要 -モニターの電力消費が25ワット未満 自動電源オフ キーボード操作が60分十/-10分間行われない場合、電源オフ。 この状態は、電源が切れることを意味する。 しかし、最大5ワットの電力消費は受容しうる。 -キーボード操作が再開された場合、 -コンピュータからのメッセージ又は、例えばネットワークからメッセージがあった場合 モニター表示を行う。 モニター表示までの時間は、通常の電源オン或いはこれと同様とし、電源オンは、キーボード操作のほかモニター前面に設けたボタン操作でこれを行うこともできる。 端末環境において、自動LOG OFFは電源OFFより先に行う。 電力消費 できるだけ低いものとする。スタンバイ状態での電力消費は通常作動時(画面がHでいっぱいになった状態)の最大30%とし、最高絶対限度でも60ワットとする。 限定事項 自動機能は、モニター寿命に大きな影響を与えるものであってはならない。 自己適応モニターはシステム上或いは個別に操作が行われるコンピュータの機能に影響を与えるものであってはならない。 EMC 現在の基準が適用される。 省電力のためのインパルス モニターにおける省電力のためのインパルスは、ビデオケーブルを介して意味のある完全な黒信号あるいは全く信号がないことにより与える(同期信号なし)。 以下の時間が標準である。 スタンバイ 3分 電源オフ 5分」(第4頁第4行目ないし第6頁第10行目)が記載されている。 刊行物3は、特許異議申立人高橋喜美夫の甲第2号証であるが、POS端末装置の入力手段の操作が所定時間中断されたときにCRTの消費電力を低減する技術、特に入力手段の操作中断時間に応じてCRTの消費電力を段階的に制御することに関するものであり、「1.キー入力手段と、所定輝度で情報を表示する表示手段とを含むPOS端末装置であって、キー入力手段についての操作が所定時間断状態となったとき所定輝度より低い輝度で情報を表示するよう制御する輝度制御手段を有することを特徴とするPOS端末装置」(特許請求の範囲)、「操作中断時間に応じて多段階に輝度を順次低下させてゆく方式も考えられる」(第2頁左下欄第9ないし10行目)、「本発明は、キーボードの操作が所定時間行われていないときにCRTの輝度を下げるように制御することにより、消費電力を抑え、CRTの焼き付きを防ぎ、さらにCRTの寿命を延ばすことができるという効果がある」(第2頁右下欄第3ないし7行目)が記載されている。 刊行物4は、特許異議申立人高橋喜美夫の甲第3号証であるが、HSYNC,VSYNCの極性を組合せにより表示装置を制御する技術に関するものであり、「(1)CRTディスプレイの表示タイミングでプラズマディスプレイに信号を送出し、プラズマディスプレイを複数種の表示解像度で表示ドライブ制御するプラズマディスプレイの表示制御方式であって、上記プラズマディスプレイに、上記表示解像度を垂直同期信号と水平同期信号の極性で判別する手段と、同手段で判別した表示解像度により電極を駆動制御する手段とを具備してなることを特徴とするプラズマディスプレイの制御方式」(特許請求の範囲)、「プラズマディスプレイ4に供給される垂直同期信号(VSYNC)と水平同期信(HSYNC)に関しては表示解像度(ここでは640*480ドット/640*400ドット/640*350ドットの3種:第7図参照)に応じてそれぞれ正極性又は負極性の信号が選択的に供給される(第6図参照)」(2頁右下欄5行ないし10行)、「15は垂直同期信号(VSYNC)と水平同期信号(HSYNC)の正/負極性(第6図参照)から表示画面の表示解像度(第7図参照)を判別し、モード切替信号(MS)を出力するとともに、各種の内部クロック(MC)を生成するモード判別/クロックジェネレータである」(3頁左上欄13行ないし18行)が記載されている。 刊行物5は、特許異議申立人高橋喜美夫の甲第4号証であるが、「2つの省電力モードを有しており、これらはパワー消費レベルと復帰のための応答時間とにより区別される。」(15欄37行ないし40行)、「図示された実施例では、この第1のモードでの消費電力は約1.6Wに低下する。この第1の省電力モードにはそれと関連してデフオルトの時間があるこれは、最後のディスクアクセスから決められた時間が経過した後に、この第1の省電力モードが呼び出されるということである。デフオルトの時間は例えば2〜5秒として良い。」(15欄50行ないし56行)、「第2の省電力モードは、ディスクコントローラ181とディスクドライブインタフエースコントローラ180以外、Fig.9、10に図示された全ての電子機器をシャツトダウンし、消費電力は0.1Wに低減する。この第2のモードにもデフオルトの時間があって、最後のディスクアクセスから15ないし25秒の範囲が好ましい」(15欄64行ないし16欄2行)が記載されている。 刊行物6は、特許異議申立人高橋喜美夫の参考資料1であるが、本件出願後1998年10月13日に頒布されたものであり、「ディスプレイモニタのみが使用中に大量の電力を消費する唯一のコンピュータ周辺装置ではない。レーザプリンタがもう一つの例である。大容量記憶装置のような他の周辺装置も、電気ヒータをもつ装置ほどではないが、フル使用時でないときに電力を消費する」(1欄63行ないし2欄1行)が記載されている。 刊行物7は、特許異議申立人高橋喜美夫の参考資料2であるが、本件出願後平成8年9月17日に頒布された本件特許の公表特許公報である。 (c)対比・判断 (c-1)訂正後の請求項1について 訂正後の請求項1に係る発明(以下「訂正発明1」という)は、刊行物1に記載された発明(以下「刊行物1発明」という)と比較すると、(ア)訂正発明1は、中断回路が、ビデオアダプタによりモニタに供給される信号である、カラー信号,VSYNC信号及びHSYNC信号を異なる組合せで中断するように構成されているのに対し、刊行物1発明は、CRTコントローラを遮断して、VSYNC信号及びHSYNC信号の一方又は両方の停止させる、又はテストラインがロー状態とする構成としている点、(イ)訂正発明1は、電力管理回路が、ビデオアダプタによりモニタに供給される信号、即ち、カラー信号,VSYNC信号及びHSYNC信号を異なる組合せでの中断に応答して、モニタ中の電力回路を選択的に遮断するように構成されているのに対し、刊行物1発明は、追加の論理回路が、VSYNC信号及びHSYNC信号の一方又は両方の停止、又はテストラインがロー状態に応答して、モニタ中の電力回路を制御するように構成されている点で相違している。 そこで上記相違点ア及びイを検討すると、刊行物2に「モニターにおける省電力のためのインバルスは、ビデオケーブルを介して意味のある完全な黒信号あるいは全く信号がないことにより与える(同期信号なし)。」との記載があるが、上記相違点ア及びイの「中断回路が、ビデオアダプタによりモニタに供給される信号である、カラー信号,VSYNC信号及びHSYNC信号を異なる組合せで中断するように構成されている」及び「電力管理回路が、ビデオアダプタによりモニタに供給される信号、即ち、カラー信号,VSYNC信号及びHSYNC信号を異なる組合せでの中断に応答して、モニタ中の電力回路を選択的に遮断するように構成されている」ということまで示唆したものではない。 また、刊行物3ないし5には、上記相違点ア及びイの構成について記載もされていないし、示唆もされていない。 刊行物1ないし5に記載された発明を見ると、当該技術分野においては、モニタの簡易な電力管理をするために「VSYNC信号及びHSYNC信号」あるいは、「カラー信号」のどちらか一方をモニタの制御信号として用いることはあるものの、モニタにより複雑な電力管理をする必要性、そしてそのための制御信号としてこれらカラー信号,VSYNC信号及HSYNC信号びを組み合わせて用いる必要性があったという証拠及び理由がないから、刊行物1ないし5に記載された発明を組み合わせたとしても、カラー信号,VSYNC信号及びHSYNC信号を異なる組合せで中断して電力管理の制御信号とする着想に想到することは容易であるといえない。 なお、訂正後の明細書には、異議申立人高橋喜美夫の主張する要旨変更に関する記載が削除されているので、訂正発明1に特許法旧第40条が適用される理由もなく、刊行物6,7を、公知文献として扱うことはできない。 そして、上記相違点ア及びイの構成により、訂正発明1は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明1は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-2)訂正後の請求項2ないし7について 訂正後の請求項2ないし7に係る発明は、それぞれ、訂正発明1を、直接的に或いは間接的に引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-1)訂正後の請求項1についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-3)訂正後の請求項8について 訂正後の請求項8に係る発明(以下、「訂正発明8」という。)は、刊行物1発明と対比すると、供給される制御信号が、訂正発明8は、中断されるHSYNC信号、VSYNC信号またはカラー信号の異なる組合わせであるのに対し、刊行物1発明は、その組合せで無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明8は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明8は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-4)訂正後の請求項9について 訂正後の請求項9に係る発明(以下、「訂正発明9」という。)は、刊行物1発明と対比すると、電気的に動作可能なスイッチが、訂正発明9は、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号の異なる組合わせで中断することにより異なる制御信号を供給するように構成されているのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明9は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明9は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-5)訂正後の請求項10について 訂正後の請求項10に係る発明(以下、「訂正発明10」という。)は、刊行物1発明と対比すると、中断回路が、訂正発明10は、ビデオアダプタにより前記モニタに対して供給される信号を異なる組合せで中断するのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明10は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明10は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-6)訂正後の請求項11ないし14について 訂正後の請求項11ないし14に係る発明は、それぞれ、訂正発明10を、直接的に或いは間接的に引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-5)訂正後の請求項10についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-7)訂正後の請求項15について 訂正後の請求項15に係る発明(以下、「訂正発明15」という。)は、刊行物1発明と対比すると、検出器が、訂正発明15は、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号の異なる組合わせの不存在として符号化された、コンピュータからの電力管理信号を検出するように構成されるのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明15は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明15は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-8)訂正後の請求項16ないし18について 訂正後の請求項16ないし18に係る発明は、それぞれ、訂正発明15を引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-7)訂正後の請求項15についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-9)訂正後の請求項19について 訂正後の請求項19に係る発明(以下、「訂正発明19」という。)は、刊行物1発明と対比すると、訂正発明19は、モニタに対する信号を異なる組合わせで中断することにより前記モニタに電力管理信号を供給するのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明19は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明19は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-10)訂正後の請求項20ないし21について 訂正後の請求項20ないし21に係る発明は、それぞれ、訂正発明19を引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-9)訂正後の請求項19についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-11)訂正後の請求項22について 訂正後の請求項22に係る発明(以下、「訂正発明22」という。)は、刊行物1発明と対比すると、訂正発明22は、モニタに対する命令として、モニタへのカラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を異なる組合わせで中断するステップを含むのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明22は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明22は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-12)訂正後の請求項23について 訂正後の請求項23に係る発明(以下、「訂正発明23」という。)は、刊行物1発明と対比すると、訂正発明23は、コンピュータからの電力管理信号として、異なる組合わせのカラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号の不存在を検出するのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明23は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明23は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-13)訂正後の請求項24ないし25について 訂正後の請求項24ないし25に係る発明は、それぞれ、訂正発明23を、引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-12)訂正後の請求項23についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-14)訂正後の請求項26について 訂正後の請求項26に係る発明(以下、「訂正発明26」という。)は、刊行物1発明と対比すると、訂正発明26は、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように構成された信号送信手段を備えるのに対し、刊行物1発明は、その構成が備えられていない点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明26は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明26は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-15)訂正後の請求項27ないし30について 訂正後の請求項27ないし30に係る発明は、それぞれ、訂正発明26を、直接的に或いは間接的に引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-14)訂正後の請求項26についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-16)訂正後の請求項31について 訂正後の請求項31に係る発明(以下、「訂正発明31」という。)は、刊行物1発明と対比すると、訂正発明31は、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように構成されているのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明31は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明31は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-17)訂正後の請求項32ないし35について 訂正後の請求項32ないし35に係る発明は、それぞれ、訂正発明31を、直接的に或いは間接的に引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-16)訂正後の請求項31についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-18)訂正後の請求項36について 訂正後の請求項36に係る発明(以下、「訂正発明36」という。)は、刊行物1発明と対比すると、訂正発明36は、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように構成された信号送信手段を備えているのに対し、刊行物1発明は、その構成を備えていない点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明36は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明36は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-19)訂正後の請求項37ないし40について 訂正後の請求項37ないし40に係る発明は、それぞれ、訂正発明36を、直接的に或いは間接的に引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-18)訂正後の請求項36についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-20)訂正後の請求項41について 訂正後の請求項41に係る発明(以下、「訂正発明41」という。)は、刊行物1発明と対比すると、訂正発明41は、VGA標準信号において符号化された、コンピュータからの2つ以上ある電力管理信号の任意の1つを選択的に検出するように構成された検出手段を備えているのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明41は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明41は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-21)訂正後の請求項42ないし43について 訂正後の請求項42ないし43に係る発明は、それぞれ、訂正発明41を、直接的に或いは間接的に引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-20)訂正後の請求項41についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-22)訂正後の請求項44について 訂正後の請求項44に係る発明(以下、「訂正発明44」という。)は、刊行物1発明と対比すると、訂正発明44は、VGA標準信号において符号化された、コンピュータからの2つ以上ある電力管理信号の任意の1つを選択的に検出するように構成されているのに対し、刊行物1発明は、その構成が無い点で相違しており、この相違点は、刊行物2ないし5に記載されておらず、示唆もされていない。また、この相違点の構成により、訂正発明44は、モニタにMPM状態変化を通信する別の方法が実行可能となり、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする作用効果を奏するのである。 したがって、訂正発明44は、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 (c-23)訂正後の請求項45ないし46について 訂正後の請求項45ないし46に係る発明は、それぞれ、訂正発明44を、直接的に或いは間接的に引用し、その構成を更に限定したものであるから、上記(c-23)訂正後の請求項44についてで述べた理由と同様な理由で、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 4 むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについての判断 1 申立ての理由の概要 (1)申立人日本電気株式会社 申立人日本電気株式会社は、本件発明についての特許に対して、本件の請求項1ないし62に係る発明は、国際出願日における原文明細書およびその出願翻訳文の双方に記載されたものではないため平成6年改正前の特許法第184条の14の規定により、又は、本件明細書の発明の詳細な説明には、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施をすることができる程度に、発明の目的、構成及び効果が記載されておらず、平成6年改正前の特許法第36条第4項に規定される要件を満たさないため特許法第49条の規定により、拒絶査定を受けるべき特許出願に対してされたものであるから、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)の第4条第1項および第2項の規定により、本件特許を取り消すべき決定をすべきものである旨主張している。 (2)申立人高橋喜美夫 申立人高橋喜美夫は、本件発明についての特許に対して、.証拠として甲1号証(IBM Technical Disclosure Bulletin Vol.3 NO.9,1992年)、甲2号証(特開平3-238516号公報)、甲3号証(特開平1-300296号公報)、甲4号証(U.S.Patent4933785号公報)、参考資料1(U.S.Patent5821924号公報)、参考資料2(特表平8-508831号公報)を提出し、本件特許は特許法29条2項の規定に該当し、特許法114条2項の規定により取り消されるべき旨主張している。 2 請求項1ないし46項に係る発明 上記第2で示したように上記訂正が認められるから、本件特許第2847099号の請求項1ないし46に係る発明は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし46に記載された上記第2,3,(3),(a)に示すとおりのものである。 3 判断 (1)申立人日本電気株式会社の主張についての検討 (a)平成6年改正前の特許法第184条の14 入力装置の異なる不活性期間の検出については、上記第2,3,(1),(c)で検討したとおり、VGA標準信号において電力管理信号を符号化することについては、上記第2,3,(1),(d)で検討したとおり、フィラメントヒータに部分的な電力が供給されることについては、上記第2,3,(1),(b)で検討したとおりの理由により、訂正された請求項1ないし46に係る発明は、出願翻訳文等に記載された発明以外の発明であるとはいえず、特許法第184条の14の規定の発明に該当しない。 (b)平成6年改正前の特許法第36条第4項 本件明細書の「発明の詳細な説明」には、入力装置の不活性期間を検出するための具体的な構成が記載されていないとの主張であるが、発明の詳細な説明には、「入力装置の異なる不活性期間の検出する」の明示的記載はないが、本件出願翻訳文には、「このシステムは、不活性の期間を測定し、入力中断時にゼロにリセットして、予め設定されたオーバーフロー値でオーバーフロー信号を供給するように構成されたタイミング手段と、タイミング手段のオーバーフロー状態にしたがってモニ夕に対するHSYNCおよびVSYNC信号の少なくとも1つを中断する同期デイスエーブル手段とを具備している。」(第3頁第9行目ないし第15行目)、「MPM命令は各タイマー中断に関してタイムアウトカウンタを促進し、それぞれ監視された中断に関してカウントを最初の値にリセットする。MPMタイムカウン夕の最初の値は固定されてもよく、或いは調節可能であってもよい。MPMタイムアウトカウンタが監視された中断の停止により予め設定されたオーバーフロー値に達した場合、HSYNCエネーブル装置124およびVSYNCエネーブル装置126の制御の状態を変化して、水平同期発生器122によって生成された水平同期信号(HSYNC)123、および、または垂直同期発生器120によって生成された垂直同期信号(VSYNC)125、或いはそれら両者の出力をディスエーブルする命令が実行される。」(第7頁第4行目ないし第15行目)と記載され、入力装置の不活性期間を検出するための構成自体は、当業者にとって、想到不可能ともいえないから、特許法36条第4項に違反しているとまでいえない。 また、「本件明細書は「中断」という語に関して意味不明瞭な記載を多数含んでおり、その内容を把握することができない。例えば、特許掲載公報の第14欄第21〜25行目の記載などは、どのような構成を意図したものか理解できない。」との主張であるが、当業者にとって、「中断」なる技術用語は、明りょうであり、発明の詳細な説明の各々の中で、前後関係を含めて検討すれば、仮に誤記ないし不適切な表現があっても、理解不可能とまでいえず、特許法36条第4項に違反しているとまでいえない。 更に、「本件明細書の「発明の詳細な説明」には、請求項14,15,31,33および35に記載されるような、フィラメントヒーターに対して部分的な電力を供給するための具体的な構成は記載されていない。」との指摘があるが、訂正後の各請求項において、フィラメントヒーターに対して部分的な電力を供給する構成は記載されておらず、この点において、許法36条第4項に違反しているといえない。 (2)申立人高橋喜美夫の主張についての検討 (a)特許法第29条第2項 (a-1)刊行物に記載された発明 刊行物1:「INCREASING LIFETIME AND RELIABILITY OF CRT DISPLAYS」、IBM Technical Disclosure Bulletin、特許庁資料館平成4年2月13日受入,Vol.34、No.9、p.281-283 刊行物2:Energy efficiency in office equipment、A Swedish View、Stockholm&Urbana、1992年6月 刊行物3:特開平3-238516号公報 刊行物4:特開平1-300296号公報 刊行物5:米国特許第4933785号明細書 刊行物6:米国特許第5821924号明細書 刊行物7:特表平8-508831号公報 上記刊行物1ないし7には、上記第2,3,(3),(b)で示したとおりの発明が記載されいる。 (a-2)対比・判断 本件請求項1ないし46に係る発明は、上記2,3,(3),(c),(c-1)ないし(c-23)で検討した理由により、刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をなし得たとすることはできない。 5.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 低電力消費モニタ待機システム (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 CPUと、メモリと、入力装置と、モニタと、カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号をモニタに供給するビデオアダプタとを有する汎用コンピュータシステム中で、モニタによる電力使用を管理する電力管理システムおいて、 前記入力装置の異なる不活性期間を検出するタイマーと、 前記異なる不活性期間の検出に応答して、前記ビデオアダプタにより前記モニタに供給される信号を異なる組合わせで中断するように構成された中断回路と、 前記モニタと関連し、前記ビデオアダプタにより前記モニタに供給される信号の前記中断に応答して、前記モニタ中の電力回路を選択的に遮断するように構成された電力管理回路とを具備している電力管理システム。 【請求項2】 前記タイマーは、前記CPUによって実行される制御ルーチンを含み、前記中断回路は、前記ビデオアダプタに信号を送信して前記モニタに供給される信号の少なくとも1つをディスエーブルする前記CPUを備えている請求項1記載の電力管理システム。 【請求項3】 前記制御ルーチンは、プログラム可能な読取り専用メモリ中のシステムBIOSにおいて与えられる請求項2記載の電力管理システム。 【請求項4】 前記モニタと関連した電力管理回路は、前記ビデオアダプタによって供給される信号を監視し、1以上の前記信号の中断に応答して前記電力管理回路以外の回路による電力使用を制御する回路を備えている請求項1記載の電力管理システム。 【請求項5】 電力は前記モニタに供給される1以上のカラー信号の中断に応答して前記電力管理回路以外の回路に対して減少されるが、遮断されない請求項4記載の電力管理システム。 【請求項6】 電力はHSYNC信号およびVSYNC信号の一方または両方の中断に応答して電力管理回路以外の回路に対して減少される請求項4記載の電力管理システム。 【請求項7】 前記入力装置はキーボード、モデムおよびポインタ装置のうち1つ以上のものを含み、前記タイマーは前記入力装置用の入力ポートでインターフェイスされた感知装置に接続されているアドオンタイムアウト制御装置を含み、前記感知装置は前記入力装置の異なる不活性期間を検出するように構成され、前記中断回路は前記ビデオアダプタによって前記モニタに供給される信号用の出力ポートにインターフェイスされた回路と、異なる不活性期間の前記検出に応答して前記ビデオアダプタによって前記モニタに供給される信号を異なる組合わせで中断する電気的に動作可能なスイッチとを含んでいる請求項1記載の電路管理システム。 【請求項8】 汎用コンピュータの入力装置の異なる不活性期間を検出し、前記検出された異なる不活性期間に応答して制御信号を供給するように構成された回路と、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を伝送する少なくとも2つの線における電気的に動作可能なスイッチとを具備し、 前記供給される制御信号は、中断されるHSYNC信号、VSYNC信号またはカラー信号の異なる組合わせであり、モニタ中の電力使用回路への電力を減少させるための制御信号である、既存の汎用コンピュータの回路中に付加するように構成されたアドインタイムアウト制御装置。 【請求項9】 汎用コンピュータの入力ポートに接続されたキーボードとモデムとポインタ装置のうち1つ以上のものを含む入力装置を有する汎用コンピュータ用のアドオンタイムアウト制御装置において、 前記入力装置用の入力ポートにおいてインターフェイスされた感知装置と、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号をビデオモニタに伝送する線における電気的に動作可能なスイッチとを具備し、 前記感知装置は、前記入力装置の異なる不活性期間を検出するように構成され、前記電気的に動作可能なスイッチは、前記入力装置の不活性期間に応答して、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を異なる組合わせで中断することにより異なる制御信号を供給するように構成され、 前記供給される制御信号は、モニタ中の電力使用回路への電力を減少させるための制御信号であるアドオンタイムアウト制御装置。 【請求項10】 モニタに信号を送信して別の電力使用状態をとらせるように構成された汎用コンピュータにおいて、 CPUと、 前記CPUに接続され、データおよび命令ルーチンを記憶するメモリと、 前記CPUに結合され、前記コンピュータに入力を供給する利用者用の入力装置と、 前記CPUに結合され、モニタ上に表示するために、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号のうち1つ以上を含む信号を供給するビデオアダプタと、 前記入力装置の異なる不活性期間を検出するタイマーと、 前記異なる不活性期間の検出に応答して、前記ビデオアダプタにより前記モニタに対して供給される信号を異なる組合せで中断する中断回路とを具備し、 前記異なる組み合わせで中断される信号は、モニタ中の電力使用回路への電力を減少させるための制御信号として使用される汎用コンピュータ。 【請求項11】 前記タイマーは、前記CPUによって実行される制御ルーチンを含み、前記中断回路は、前記ビデオアダプタに信号を送信して、前記モニタ上に表示するために供給される信号の1つをディスエーブルするCPUを備えている請求項10記載の汎用コピュータ。 【請求項12】 前記制御ルーチンは、プログラム可能な読取り専用メモリ中のシステムBIOSにおいて与えられる請求項11記載の汎用コンピュータ。 【請求項13】 前記タイマーはアドインタイムアウト制御装置を備え、前記アドインタイムアウト制御装置は、前記入力装置の不活性期間を検出して、前記検出された不活性期間に応答して制御信号を供給するように構成された回路を含んでいる請求項10記載の汎用コンピュータ。 【請求項14】 前記入力装置はキーボード、モデムおよびポインタ装置のうち1つ以上のものを含み、前記タイマーは前記入力装置用の入力ポートでインターフェイスされた感知装置に接続されているアドオンタイムアウト制御装置を含み、前記感知装置は前記入力装置の不活性期間を検出するように構成され、前記中断回路は前記ビデオアダプタによって前記モニタに供給される信号用の出力ポートにインターフェイスされた回路と、不活性期間の検出に応答してモニタ上に表示するために前記ビデオアダプタにより供給される信号の1つを中断する1以上の電気的に動作可能なスイッチとを含んでいる請求項10記載の汎用コンピュータ。 【請求項15】 カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号をコンピュータから受信する陰極線管モニタにおいて、 入力装置の異なる不活性期間の検出に応答して、カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号の異なる組合わせの不存在として符号化された、前記コンピュータからの電力管理信号を検出するように構成された検出器と、 前記電力管理信号の検出に応答して、前記モニタ中の電力使用回路による電力消費量を異なる減少電力レベルに減少させるように構成された電力管理回路とを具備している陰極線管モニタ。 【請求項16】 前記電力管理回路は、全電力、オフおよび1以上の中間レベルを含む異なる電力レベルで電力を供給する請求項15記載の陰極線管モニタ。 【請求項17】 前記検出器は、電力管理制御ルーチンを実行するマイクロ制御装置を含んでいる請求項15記載の陰極線管モニタ。 【請求項18】 全ての信号の存在に応答して全ての電力使用回路に全電力を供給する第1の電力モードと、前記検出器、前記電力管理回路およびフィラメントヒータ以外の前記モニタ中の全ての電力使用回路への電力を遮断する第2の電力モードと、前記検出器および前記電力管理回路以外の前記モニタ中の全ての電力使用回路への電力を遮断する第3の電力モードとで動作可能である請求項15記載の陰極線管モニタ。 【請求項19】 カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号をモニタに送信するコンピュータシステムの動作電力を節約する方法において、 前記コンピュータシステムの入力装置の異なる不活性期間を感知し、 前記入力装置の異なる不活性期間に応答して、前記モニタに対する信号を異なる組合わせで中断することにより前記モニタに電力管理信号を供給し、 前記モニタにおいて前記電力管理信号を検出し、 前記電力管理信号に応答して、前記モニタ中の電力使用回路への電路を異なる減少電力レベルに減少させるステップを含んでいる方法。 【請求項20】 前記電力を減少させるステップにおいて、前記モニタ中のフィラメントヒータヘの電力が遮断される請求項19記載の方法。 【請求項21】 前記電力を減少させるステップにおいて、電力は3つの状態で前記モニタ中の電力使用回路に供給され、第1の状態は前記モニタ中の全ての電力使用回路に全電力を供給し、第2の状態はフィラメントヒータ以外の前記モニタ中の電力使用回路への電力を遮断し、第3の状態は前記フィラメントヒータを含む前記モニタ中の電力使用回路への電力を遮断する請求項19記載の方法。 【請求項22】 カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号をビデオモニタに供給するように構成されたコンピュータ中で、ビデオモニタに信号を送信して異なる別の電力使用状態をとらせる方法において、 前記コンピュータに結合された入力装置の異なる不活性期間を検出し、 異なる不活性期間に応答して、異なる別の電力使用状態をとらせるためのモニタに対する命令として、モニタへのカラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を異なる組合わせで中断するステップを含んでいる方法。 【請求項23】 カラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号を受信するように構成されたビデオモニタに別の電力使用状態をとらせる方法において、 入力装置の異なる不活性期間の検出に応答して生成されたコンピュータからの電力管理信号として、異なる組合わせのカラー信号、HSYNC信号およびVSYNC信号の不存在を検出し、 前記電力管理信号に応答してモニタ中の電力使用回路を異なる減少電力状態にするステップを含んでいる方法。 【請求項24】 前記検出ステップは、第1および第2の組合せの不存在信号を検出することを含み、前記異なる減少電力状態にするステップは、第1の組合せの信号の不存在の検出に応答して第1の減少電力状態を電力使用回路にとらせ、第2の組合せの信号の不存在の検出に応答して第2の減少電力状態を電力使用回路にとらせることを含む請求項23記載の方法。 【請求項25】 前記異なる減少電力状態にするステップは、信号の不存在のないことに応答して全電力を供給し、信号の不存在の第1の組合せに応答してフィラメントヒータを除く前記電力使用回路への電力を遮断し、信号の不存在の第2の組合せに応答してフィラメントヒータを含む前記電力使用回路への電力を遮断するようにモニタ中の電力使用回路を制御することを含む請求埴23記載の方法。 【請求項26】 CPUと、メモリと、入力装置と、ビデオモニタと、カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号を含むVGA標準信号をビデオモニタに供給するビデオアダプタとを有するコンピュータシステム用の電力管理システムにおいて、 前記入力装置の少なくとも第1および第2の予め定められた不活性期間を検出するように構成されたタイマー手段と、 前記入力装置の前記第1および第2の予め定められた不活性期間の検出に応答して、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように構成された信号送信手段と、 前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つに応答して、前記ビデオモニタの電力使用を2つ以上ある減少電力レベルの1つに減少させるように構成された電力管理手段とを具備するコンピュータシステム用の電力管理システム。 【請求項27】 前記タイマー手段は、前記CPUによって実行されるタイマー制御ルーチンを含む請求項26記載の電力管理システム。 【請求項28】 前記ビデオアダプタは、前記VGA標準信号の個々のものを異なる組合わせで中断することにより、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを供給する請求項27記載の電力管理システム。 【請求項29】 前記モニタに対する第1の電力管理信号は、前記HSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化され、前記モニタに対する第2の電力管理信号は、前記VSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化される請求項28記載の電力管理システム。 【請求項30】 前記タイマー制御ルーチンは、BIOSにおいて与えられる請求項27記載の電力管理システム。 【請求項31】 CPUと、メモリと、入力装置と、ビデオモニタと、カラー信号、VSYNC信号およびHSYNC信号を含むVGA標準信号をビデオモニタに供給するビデオアダプタとを有するコンピュータシステムの動作における電力を節約する方法において、 前記入力装置の少なくとも第1および第2の予め定められた不活性期間を検出し、前記第1および第2の予め定められた不活性期間に応答して、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化し、 前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つに応答して、前記ビデオモニタの電力使用を2つ以上ある減少電力レベルの1つに減少させるステップを含むコンピュータシステムの動作における電力を節約する方法。 【請求項32】 前記検出ステップにおいて、前記入力装置の活性はタイミング制御ルーチンを実行する前記CPUにより監視される請求項31記載の方法。 【請求項33】 前記符号化ステップにおいて、前記ビデオアダプタは、前記VGA標準信号の個々のものを異なる組合わせで中断することにより、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを供給する請求項31記載の方法。 【請求項34】 前記符号化ステップにおいて、前記モニタに対する第1の電力管理信号は、前記HSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化され、前記モニタに対する第2の電力管理信号は、前記VSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化される請求項33記載の方法。 【請求項35】 前記タイミング制御ルーチンは、BIOSにおいて与えられる請求項32記載の方法。 【請求項36】 中央処理装置(CPU)と、前記CPUに接続されデータおよび命令ルーチンを記憶するメモリと、前記CPUに接続され前記コンピュータに対して入力を供給する利用者用の入力装置と、前記CPUに結合され、カラー信号、HYSNC信号およびVSYNC信号を含むVGA標準信号を表示モニタに供給するビデオアダプタとを有するコンピュータにおいて、 前記入力装置の少なくとも第1および第2の予め定められた不活性期間を検出するように構成されたタイマーと、 前記入力装置の前記少なくとも第1および第2の予め定められた不活性期間に応答して、VGA標準信号において2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを符号化するように構成された信号送信手段とをさらに具備し、 前記電力管理信号は、モニタ中の電力使用回路への電力を減少させるための電力管理信号であるコンピュータ。 【請求項37】 前記タイマーは、前記CPUによって実行されるタイマー制御ルーチンを含む請求項36記載のコンピュータ。 【請求項38】 前記ビデオアダプタは、前記VGA標準信号の個々のものを異なる組合わせで中断することにより、前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つを供給する請求項36記載のコンピュータ。 【請求項39】 前記モニタに対する第1の電力管理信号は、前記HSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化され、前記モニタに対する第2の電力管理信号は、前記VSYNC信号のみを中断することにより前記VGA標準信号において符号化される請求項38記載のコンピュータ。 【請求項40】 前記タイマー制御ルーチンは、BIOSにおいて与えられる請求項37記載のコンピュータ。 【請求項41】 カラー信号、HYSNC信号およびVSYNC信号を含むVGA標準信号をホストコンピュータから受信する手段を含むビデオモニタにおいて、入力装置の異なる不活性期間の検出に応答してVGA標準信号において符号化された、コンピュータからの2つ以上ある電力管理信号の任意の1つを選択的に検出するように構成された検出手段と、 前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つの検出に応答して、前記ビデオモニタの電力使用を2つ以上ある減少電力レベルの1つに減少させるように構成された電力管理手段とを具備するビデオモニタ。 【請求項42】 前記検出手段は、異なる組合わせで中断されたVGA標準信号として、前記2つ以上ある電力管理信号を識別するように構成されている請求項41記載のビデオモニタ。 【請求項43】 前記検出手段は、前記モニタに対する第1の電力管理信号として、VGA標準信号中でHSYNC信号だけが中断されたもの、前記モニタに対する第2の電力管理信号として、VGA標準信号中でVSYNC信号だけが中断されたものの組合わせを識別する請求項42記載のビデオモニタ。 【請求項44】 カラー信号、HYSNC信号およびVSYNC信号を含むVGA標準信号をホストコンピュータから受信する手段を含むビデオモニタに別の電力使用状態をとらせる方法において、 入力装置の異なる不活性期間の検出に応答してVGA標準信号において符号化された、コンピュータからの2つ以上ある電力管理信号の任意の1つを選択的に検出し、 前記2つ以上ある電力管理信号の少なくとも1つの検出に応答して、前記ビデオモニタの電力使用回路に2つ以上ある減少電力状態の1つをとらせるステップを含む方法。 【請求項45】 前記選択的に検出するステップにおいて、前記検出手段は、異なる組合わせで中断されたVGA標準信号として、前記2つ以上ある電力管理信号を識別する請求項44記載の方法。 【請求項46】 前記検出手段は、前記モニタに対する第1の電力管理信号として、VGA標準信号中でHSYNC信号だけが中断されたもの、前記モニタに対する第2の電力管理信号として、VGA標準信号中でVSYNC信号だけが中断されたものの組合わせを識別する請求項45記載の方法。 【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は自動電力節約装置の分野であり、特にコンピュータビデオモニタによる電力消費量の減少に関する。 [関連した文献の参考] 本発明は本出願の別出願第07/984,370号明細書(1992年12月2日出願)の継続出願である。 [発明の背景] 典型的なカラービデオモニタは、パーソナルコンピュータ(PC)によって消費される全電気エネルギの50乃至80%を消費する。ビデオモニタは、蛍光スクリーンからの可視光放射、熱消費、電磁放射、高エネルギ放射および音響エネルギとしてこのエネルギを放散する。蛍光物質の放射だけが通常有効と考えられ、したがって活動的に観察者によって観察されている場合にのみ考慮される。放射線の放出は長期間さらされると健康上危険であるため、熱心に討論される関心事である。製造業者は、ビデオモニタからの放射線放出を減少するために多大な余分の損失をこうむる。ある者は、いくつかのモニタから生成された音響放射により悩まされている。ビデオモニタからの熱損失は、空調装置に対して付加的な負荷を与える。ビデオモニタのエネルギ効率は、ほとんど集積回路(IC)装置の使用の増加等の電子回路素子の進歩の結果として歴史的に良くなってきている。陰極線管(CRT)技術は、エネルギ効率に関して少ししか向上していない。正規に使用されるPC数は、急速に増加しており、それらが主として電力を消費する段階に達している。米国環境保護局は、新しいシステムを設計するコンピュータ製造業者の目標となる電力効率を公布している。低電圧のICは使用エネルギが少なく、マイクロプロセッサ電力管理技術は、コンピュータのアイドリング時のエネルギ消費量を減少することを可能にする。CRTの適切な置換またはもっと効率的なCRTが開発されるまで、パーソナルコンピュータのエネルギ効率を実質的に改良することは困難であろう。 必要なことは、表示が誰にとっても重要ではないとコンピュータが決定したとき、ビデオモニタ中の高エネルギ消費回路を遮断する方法である。これは、モデル、マウスおよびキーボード等の入力装置の不活性期間によって決定される。多数のコンピュータおよびビデオ端末は、スクリーン蛍光物質の焼付けを回避するために移動する画像(または無画像)を表示するスクリーンブランキング回路またはプログラムを付勢するためにこのような技術を使用する。キーを押すことまたはマウスの移動等の入力装置の付勢は、前のスクリーン画像を復帰させる。この技術は、多数の新しい設計のモニタまたは“ダム”モニタ用のアドオン(add-on)装置において認められるマイクロプロセッサに信号を送って、いくつかまたは全てのモニタの電力回路を遮断または復帰することによってビデオモニタ電力消費量を減少させるように拡張されることができる。この結果を達成する1つの解決手段は、現在モニタに供給された信号に付加せずに、ある選択されたレベルで遮断するようにモニタに信号を送る手段である。 [発明の要約] 本発明の1実施例において、CPU、メモリ手段、モニタおよび水平同期(HSYNC)および垂直同期(VSYNC)信号をモニタに供給するビデオ信号手段を有し、モニタに信号を送って、別の状態をとらせる汎用コンピュータ用のシステムが提供される。このシステムは、不活性の期間を測定し、入力中断時にゼロにリセットして、予め設定されたオーバーフロー値でオーバーフロー信号を供給するように構成されたタイミング手段と、タイミング手段のオーバーフロー状態にしたがってモニタに対するHSYNCおよびVSYNC信号の少なくとも1つを中断する同期ディスエーブル手段とを具備している。 1実施例において、ビデオ信号手段は、VSYNC発生器およびHSYNC発生器を有するビデオアダプタ回路と、ビデオアダプタ回路と関連したレジスタを含むデイスエーブル手段を具備し、ここにおいてレジスタ中の1つのビットは垂直リトレース極性ビットであり、別の1ビットは水平リトレース極性ビットである。タイミング手段は、メモリ手段に記憶されたモニタ電力管理命令ルーチンにしたがってCPUによって供給され、SYNC信号はレジスタに書込むCPUによってディスエーブルされる。モニタ電力管理ルーチンは、システムBIOSに記憶されてもよい。 別の実施例において、システムは利用者入力中断を感知する感知手段を備えたアドイン(add-in)タイムアウト制御装置によって構成され、ディスエーブル手段はタイムアウト制御装置によって動作可能であり、HSYNCおよびVSYNC信号の1つを搬送するライン中に配置された1以上をスイッチを具備している。さらに別の実施例において、システムは利用者入力装置が接続されているポートにおいてインターフェイス装置に接続されたアドオン(外部)タイムアウト制御装置によって実現される。インターフェイス装置モニタの入力は中断し、アドオンタイムアウト制御装置はSYNC信号を中断するためにモニタポートにおいて中断装置に接続されている。 本発明の別の観点において、CRTモニタは、ホストコンピュータからの電力レベル信号に応答するように構成されている。モニタは、ホストコンピュータからのVSYNC信号およびHSYNC信号の存在を監視するSYNC検出器と、それに応答してCRTモニタ中の電力回路を遮断する電力レベル制御手段とを含んでいる。 さらに別の観点において、モニタ用の電カシステムは、ホストコンピュータへのモニタケーブル中の配置された外部同期検出器を具備している。この制御装置は、モニタへのAC主電力を制御するスイッチを駆動する。 本発明によるコンピュータシステムは、システム中断時にゼロにリセットするように構成されたタイミング手段と、モニタへのSYNC信号を中断するSYNCディスエーブル手段と、モニタに関連しており、モニタにおけるSYNC信号の存在を感知するSYNC検出手段と、モニタに関連しており、SYNC信号の存在に応答してモニタ中の電力使用回路を中断する電力レベル制御手段とを含んでいる。 さらに別の観点において、利用者動作装置からの入力中断を感知し、このような中断の受信時にタイマーをゼロにリセットし、モニタに対するVSYNC信号およびHSYNC信号の少なくとも1つのディスエーブルに基づいてモニタに第1の電力レベル信号を供給し、第1の電力レベル信号とは異なる形態で第2の電力レベル信号を供給し、モニタにおいてSYNC信号の存在を感知し、電力レベル信号に応答して電力回路を遮断するステップを含んでいるビデオ表示モニタの電力を節約する方法が提供される。陰極ヒータは第1の信号の存在に対してはそのままにされ、電力は第2の信号の受信に応答して完全に遮断される。 これらいくつかの観点における本発明は、不活性の期間に応答して、汎用コンピュータの既存の素子および能力を最大限に使用してモニタにおいて電力を節約する方法を提供し、また放射線の放出を最小にする。 [図面の簡単な説明] 図1は、本発明の1実施例によるPCの概略図である。 図2Aは、本発明の別の実施例によるアドオン装置によって強化されたPCの概略図である。 図2Bは、さらに別の実施例によるアドイン装置によって強化されたPCの概略図である。 図3は、本発明の1実施例によるマイクロ制御装置ベースのビデオモニタの概略図である。 図4は、本発明の別の実施例によるアドイン装置を備えた“ダム”モニタの概略図である。 図5は、本発明のさらに別の実施例によるモニタへのAC主電力を制御するアドオン装置の概略図である。 [好ましい実施例の説明] 図1は、3つの状態に調節するためにモニタに信号を送るために3つの異なる信号をモニタに供給することができる本発明の好ましい実施例の機能素子を示す。本発明の1実施例において、その状態はモニタ電力管理(MPM)の選択されたレベルである。モニタへの信号は、HSYNCおよびVSYNC信号の一方または他方、或は両方を中断することに基づいている。図1に示された実施例において、PC111は基本入出カシステム(BIOS)113およびビデオグラフィックアダプタ(VGA)117を含む。本発明は、実質的にこのようなアダプタが全てHSYNCおよびVSYNC信号を使用するため、別のビデオアダプタでも同様に良好に動作する。いくつかの他のアダプタにおいて、HSYNCおよびVSYNC信号を中断する等価の手段が使用される。 BIOS113はMPMに対する命令を含み、この命令は中央処理装置(CPU)115にVGA117における同期エネーブル制御の状態を変化させる。別の実施例において、MPMを実行する命令は、動作システム(OS)装置駆動ルーチンまたはターミネートおよびステイレジデント(TSR)プログラムに内蔵されていてもよい。 MPM命令モニタCPU115は、タイマー、キーボードおよび直列通信ポート等の入力装置(示されていない)に対して中断する。MPM命令は各タイマー中断に関してタイムアウトカウンタを促進し、それぞれ監視された中断に関してカウントを最初の値にリセットする。MPMタイムアウトカウンタの最初の値は固定されてもよく、或は調節可能であってもよい。MPMタイムアウトカウンタが監視された中断の停止により予め設定されたオーバーフロー値に達した場合、HSYNCエネーブル装置124およびVSYNCエネーブル装置126の制御の状態を変化して、水平同期発生器122によって生成された水平同期信号(HSYNC)123、および、または垂直同期発生器120によって生成された垂直同期信号(VSYNC)125、或はそれら両者の出力をディスエーブルする命令が実行される。続いて監視された中断はHSYNCエネーブル装置124およびVSYNCエネーブル装置126の制御回路の状態を変化して、VGA117からのHSYNC信号123およびVSYNC信号125の出力をエネーブルする命令を実行させる。 VGA制御装置の場合、エネーブル/ディスエーブル能力は、CPUによる制御装置のレジスタ3C2への完全な書込みであり、ここにおいて、ビット6および7は水平リトレース極性および垂直リトレース極性のためにそれぞれ保存される。HSYNC信号123およびVSYNC信号125は、D/A変換器119からR,G,B信号等のその他の信号と共にインターフェイス121に送られる。信号は、技術的に知られているようにVGAケーブル127でモニタに送信される。 既存のコンピュータに再適合するのに有効な図2Aに示された別の実施例において、CPU215を有する現在の技術のPC211は、VGA217のVSYNC出力225とビデオインターフェイス221に対するVSYNC入力226との間を接続するスイッチ231の設置によって強化される。カラーコンピュータにおいて、R,GおよびB信号はDAC219からインターフェイス221に送られる。MPM命令を含むアドインタイムアウト制御装置229は、図1に対して上記に説明されているように入力装置の動作を監視する。全ての入力装置のタイムアウトは、プログラム制御されたスイッチ231の状態を変化する命令を実行させ、ビデオインターフェイス221へのVSYNC入力225を遮断する。監視された中断の回復はスイッチ231を閉じさせ、ライン226にVSYNC信号を戻す。第2のスイッチ232は、ライン224へのHSYNC信号を中断するためにHSYNCラインにおいて使用されてもよく、この実施例ではアドインタイムアウト制御装置が両スイッチを制御する。さらに別の実施例において、1つのスイッチはHSYNCおよびVSYNC両信号を中断するために使用されてもよい。 図2Aに与えられた機能ブロックは、アドインハードウェア/ソフトウェア態様に対する内部的な解決方法であり、ブロックはハードウェア装置およびインターフェイスとして文字通りに受け取られることは意図されていない。機能ブロックが構成される多数の等価な方法があることは当業者に明らかであろう。キーボード、マウスおよびモデム入力は、アドイン制御装置によって監視され、典型的な方法で同様にCPUに利用可能である。 図2Bは、ハードウェア/ソフトウェア態様に対する外部的な解決方法である。この解決方法において、アドオンタイムアウト制御装置259はコンピュータシステム233に対して外側であり、入力装置およびビデオ出力ポートを支持する各ポートは、アドオンタイムアウト制御装置に接続されたインターフェイス装置と適合される。例えば、COMポート241でモデム245に対して使用されるインターフェイス243は、モデム動作を監視し、ライン244で制御装置259に報告する。キーボードポート247におけるインターフェイス249は、キーボード251の動作を監視し、ライン250で制御装置259に報告する。プリンタポート253におけるインターフェイス255はポインタ257の動作(マウス、ジョイスティック、トラックボール)を監視し、ライン256で制御装置259に報告する。 この実施例において、制御装置259はタイマー機能を達成し、ライン238でビデオポート235におけるインターフェイス装置237に信号を出力する。ライン239のオーバーフロー状態にしたがってHSYNCおよびVSYNC信号を中断する。 本発明の1実施例によるカラービデオモニタ347は、図3に示されている。モニタ347は、インターフェイス333、本発明によるMPM命令を有するマイクロ制御装置339は、および電圧制御回路を有するビデオ回路(VC)345を含む。HSYNCパルス335およびVSYNCパルス337は、インターフェイス333からマイクロ制御装置339に送られる。マイクロ制御装置339は、HSYNC信号335およびVSYNC信号337を監視する。上記に説明されたMPM命令は、各対のVSYNCパルス間において発生したHSYNCパルスの数をカウントする。カウントされたゼロHSYNCパルスは、マイクロ制御装置339におけるMPM命令にレベル2信号ライン343の電圧を変化させる。同様に、最大ビデオ走査率を大幅に越えており、VSYNC337が失われたことを示すHSYNCパルス335の間隔カウントはマイクロ制御装置339にレベル1信号ライン341の電圧を変化させる。HSYNCパルス335からVSYNC337のパルス間隔カウントを最小から最大走査率の範囲へ回復することは、マイクロ制御装置339中のMPM命令にレベル1信号ライン341およびレベル2信号ライン343に対する零入力電圧レベルを復元させる。 ビデオ回路345がレベル1信号ライン341で活性電圧レベルを感知したとき、それはマイクロ制御装置339を除くモニタ347中の全ての回路に対する電力、インターフェイス333およびビデオ回路345の電力制御回路(示されていない)に必要な任意の電力を遮断する。このレベル1待機モードにおいて、モニタ347の電力消費量は90%以上減少される。モニタ347が数秒以上レベル1待機状態である場合、全ウォーミングアップ時間がそれを再付勢するために必要とされる。レベル2信号ライン343上の活性電圧レベルはビデオ回路345に上記に示されたものプラスCRT陰極ヒータを除く全ての回路への電力を遮断させる。レベル2待機モードにおいて、モニタ347の電力消費量は80乃至90%だけ減少される。CRTは高温に維持されるため、レベル2待機モードからのモニタ347の再付勢には約5秒以下を要する。モニタ347の再付勢はレベル1信号ライン341およびレベル2信号ライン343上の電圧が零入力状態に復元したときに発生し、この状態はビデオ回路345がモニタ347の全ての回路への電力を付勢することを可能にする。 図4はモニタ447における本発明の別の実施例を示しており、ビデオ回路が図3に示されたモニタに対して説明されたものに機能的に類似し、インターフェイス433およびビデオ回路445を含んでいるが、マイクロ制御装置は含まない。同期検出回路451は、適切な期間の時定数に対するHSYNC435およびVSYNC437のパルス間隔を比較して、同期パルスの短期間の中断を生じさせる。関連した時定数より長い期間のHSYNC435のパルスおよびVSYNC437のパルスの損失は、同期検出回路451に、図3に対して説明されたようにレベル1信号ライン441またはレベル2信号ライン443の電圧をその活性状態に変化させ、同じ結果を生じさせる。同様に、HSYNC435およびVSYNC437のパルスの回復は、上記で図3に関して説明されたようにモニタ447を再付勢する。 図5は、インターフェイス533を有するモニタ547による付加的な(アド・オン)使用に適した本発明のさらに別の実施例を示す。貫通接続部を有する外部容器中の同期検出回路551は、VGAケーブル127中に挿入されている。同期検出回路551は、VGAケーブル127上のビデオ信号を監視し、上記の図4に対して説明されたものに類似した方法でVSYNCおよびHSYNCの一方または他方に対するSYNC間隔を1つの時定数に比較する。この時定数より長い間隔に対してVGAケーブル127において監視されたSYNC信号の損失は、同期検出回路551に電力制御ライン561の電圧をその活性レベルに変化させ、したがってそれは電子制御スイッチ553を開かせる。電子制御スイッチ553は、電気コード559からモニタ547の給電コード557用の受部へのAC主電力を制御する。電子制御スイッチ553が開いたとき、AC電力・DC電力に変換する電源555が失われ、したがってモニタ547の全体的な遮断を発生させる。VGAケーブル127のビデオ信号におけるSYNC信号の回復は同期検出回路551に電力制御ライン561をその零入力状態に変化させ、したがって電子制御スイッチ553を閉じさせ、それはDC電力を出力する電源555へのAC電力入力を回復し、モニタ547を再付勢する。 本発明の技術的範囲を逸脱することなく多数の変更が実行可能なことは当業者に明らかである。BIOSの代りにOS装置駆動装置において実行されるMPM命令またはTSRルーチン、2レベルMPMの代りに1レベルMPMおよび外部ビデオモニタ電力制御装置等、これら代りとなるもののうちのいくつかが既に説明されている。モニタにMPM状態変化を通信する別の方法は、HSYNCまたはVSYNCにおける周波数変化の時間ベースの符号化されたシーケンス、カラー信号中の符号化された値を含むか、または長期間に対するカラー信号が含まれないことを利用する。MPMルーチンの別の実施例は、オペレータがメニュー、対話ボックスまたは命令ライン等の命令ステップを通してMPM動作を制御することを可能にする。このような制御は“ホットキー”を押すこと、命令ラインをタイプすること、またはその他のプログラムインターフェイスステップによるモニタ電力の随意の遮断を含んでいてもよい。その他の特徴は、オペレータがMPMをトリガーし、MPM監視をオンまたはオフに切替えるために必要とされるアイドリング時間を変化することを可能にする。別のMPMルーチンでは、ビデオモニタヘの正常のビデオ信号の伝送をエネーブルする前に、オペレータがパスワードをタイプすることが要求される。モニタ電力制御を実施するための組込み的なおよび製造後の修正の両方に対して別の装置が構成されてもよい。単色および中間調ビデオアダプタおよびモニタに対する本発明の実施例もまた考慮される。 |
訂正の要旨 |
(1)訂正事項a 特許請求の範囲の請求項15,17,28,31,33,35,40を、特許請求の範囲の減縮を目的として、削除する。これに伴い、請求項番号を繰り上げる。 (2)訂正事項b 特許請求の範囲の請求項53の「タイミング手段」を「タイマー」に、誤記の訂正を目的として、訂正する。 (3)訂正事項c 特許明細書第7頁右欄第39行目ないし同第8頁左欄第2行目の「ホストコンピュータにおいて入力活性がない異なる監視期間の結果として、異なる別の電力管理信号がモニタに送られる。モニタヘの第1の電力管理信号は、例えばHSYNC信号のみを中断することにより、入力活性がない第1の期間の後、例えば5分後に送られ、モニタに対してレベル1の電力モードをとるように命令する。例えば中断されたVSYNC信号のみから構成される第2の電力管理信号は、20分後のような第2の期間の後に送られ、モニタに対してレベル2の電力モードをとるように命令する。例えばHSYNC信号とVSYNC信号の両方を中断することによる第3の電力管理信号は、ホストコンピュータにおいて入力活性が1時間ないような第3の期間の後に送られ、モニタにさらに別の電力レベルをとらせるように命令する。」の記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、削除する。 (4)訂正事項d 請求項1ないし請求項9を、特許請求の範囲の減縮を目的として、削除する。これに伴い、請求項番号を繰り上げる。 |
異議決定日 | 2001-12-13 |
出願番号 | 特願平6-513444 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(G06F)
P 1 651・ 813- YA (G06F) P 1 651・ 811- YA (G06F) P 1 651・ 812- YA (G06F) P 1 651・ 534- YA (G06F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 圓道 浩史 |
特許庁審判長 |
田口 英雄 |
特許庁審判官 |
片岡 栄一 稲葉 和生 |
登録日 | 1998-11-06 |
登録番号 | 特許第2847099号(P2847099) |
権利者 | エロネックス・アイピー・ホールディングス・リミテッド |
発明の名称 | 低電力消費モニタ待機システム |
代理人 | 中村 修身 |
代理人 | 住吉 多喜男 |
代理人 | 住吉 多喜男 |
代理人 | 沼形 泰枝 |
代理人 | 中村 修身 |
代理人 | 河合 信明 |
代理人 | 沼形 義彰 |
代理人 | 沼形 義彰 |
代理人 | 沼形 泰枝 |