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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1062696
異議申立番号 異議2000-72862  
総通号数 33 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-02-09 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-07-24 
確定日 2002-05-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3001687号「パチンコ球の循環制御装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3001687号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
特許第3001687号の請求項1に係る発明についての出願は、平成3年8月2日に特許出願され、平成11年11月12日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、その特許について、異議申立人上田実により特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年1月18日に訂正請求(後日取下げ)がなされた後、再度の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年10月25日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
ア.訂正の内容
(a)特許請求の範囲の請求項1の「発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設けたことを特徴とするパチンコ機の循環制御装置。」を、
「発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設け、前記循環経路は、前記待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知する貯留球検出スイッチが配置されていることを特徴とするパチンコ球の循環制御装置。」と訂正する。
(b)発明の詳細な説明中段落【0004】の「[課題を解決するための手段]本発明のパチンコ球の循環制御装置は発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設けた構成を有する。」を、
「[課題を解決するための手段]本発明のパチンコ球の循環制御装置は、発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設け、前記循環経路は、前記待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知する貯留球検出スイッチが配置されている。」と訂正する。
(c)発明の詳細な説明中段落【0005】の「[作用]1群のパチンコ球の循環経路の途中に設けた待機誘導部で待機するパチンコ球数が不足すると、待機球検出センサがパチンコ球数の不足を検出し、この待機球検出センサの検出信号によって球送り出し機構が作動してパチンコ球が前記待機誘導部に補給される。」を、
「[作用]1群のパチンコ球の循環経路の途中に設けた待機誘導部で待機するパチンコ球数が不足すると、待機球検出センサがパチンコ球数の不足を検出し、この待機球検出センサの検出信号によって球送り出し機構が作動してパチンコ球が前記待機誘導部に補給される。
また、球詰りなどの原因によって貯留誘導部のパチンコ球が不足したときには.貯留球検出スイッチの検出信号に基づいて貯留球数不足状態を報知することができる。」と訂正する。
(d)発明の詳細な説明中段落【0051】、【0053】、【0055】、【0060】に記載の「待機誘導部52D」を、
「待機誘導部52E」と訂正する。
(e)図面の簡単な説明の符号の説明中「52D待機誘導部」を、
「52E待機誘導部」と訂正する。
イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否
上記訂正事項(a)は、明細書段落【0054】の記載から、請求項1の「パチンコ球の循環経路」に「待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知する貯留球検出スイッチが配置されている」構成を付加したものであって、パチンコ球の循環経路を限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
上記訂正事項(b)、(c)は、上記訂正に伴い、これらと整合を図るために、発明の詳細な説明を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
上記訂正事項(d)、(e)は、明細書段落【0020】に「待機誘導部52E」と記載され、図1、3の記載においても、「待機誘導部」の符号は52Eであるから、誤記の訂正を目的とするものである。
そして、上記訂正は願書に添付した明細書または図面に記載された事項の範囲を越えるものとは認められないから、新規事項の追加に該当せず、また特許請求の範囲を実質的に拡張または変更するものではない。
したがって、上記訂正は特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項で準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項および第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議の申立についての判断
(1)本件発明
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る発明(以下、本件発明という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設け、前記循環経路は、前記待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知する貯留球検出スイッチが配置されていることを特徴とするパチンコ球の循環制御装置。」
(2)引用刊行物に記載された発明
当審が平成13年8月22日付けで通知した取消の理由で引用した刊行物1(特開昭51-78451号公報)には、
「本発明は一定数の遊戯球を遊戯機内に封入して遊戯機内で循環させるようにし、遊戯者が遊戯開始の条件として遊技場内で予め求めた金属製円板など(以下、これをメダルという)を遊戯機に投入することによりメダル一個につき一定数(例えば10個又は15個など)の遊戯球が打込まれ得るように準備され、準備された同遊戯球の残数を検知して同遊戯球が所定数に減じたとき自動的に補給し、ゲームを継続して行い得るようにしたものであって、これにより前記従来のものの欠点を解消したものである。」(第1頁右欄第20行〜第2頁左上欄第10行)、
「前記セーフ孔7に入った遊戯球はすべての保進機構13(第1図参照)に送られるようになっており、同保進機構13および前記アウト穴8は遊戯球整列管14に連通している。同遊戯球整列管14の途中には遊戯球整列確認装置15、遊戯球送り出し装置16および遊戯球残数検知器17が設けられている。」(第2頁右上欄第4行〜第11行)、
「遊戯球整列確認装置15、遊戯球送り出し装置16および遊戯球残数検知器17の構成の一例を第3図について説明する。前記保進機構13および既記アウト穴8に連通する球整列管14はその下部が鈎状に彎曲しており、一腕が上記球整列管14の緩傾斜部と並行に設けられたベルクランク25の折曲腕端25aは図示の常態ではばね26による回動習性により上記管14に穿設された孔から同管内に進出して遊戯球の転勤を阻止するようになっている。上記ベルクランク25の他腕25bには電磁石27のプランジャ28の先端が接しており、さらに自由端部が上記管14に穿設した孔によって摺動案内される杆29の一端が枢着されている。このように構成されたものが前記球送り出し装置16になるものであって、電磁石27が励磁されるときにはプランジャ28が図の右方に進出してベルクランク25を習性に抗して右旋させ、連杆29が右方に移動して同杆の自由端が管4の上方に詰っている球の落下を阻止するとともに、上記ベルクランク25に折曲端25aが上記管14から抜け出し、同折曲端25aと上記連杆29の自由端との間の上記管14内に詰っていた一定数の球(図示の例では15個)を管14の下方に向かって放出する。その後前記電磁石27の励磁が止まるとベルクランク25が習性により復帰し、上記連杆29によって落下が阻止されていた管14中の球が上記ベルクランク25の折曲端25aによって阻止される位置まで順次転動し、図示の状態になる。第3図の右上方の球整列管14の側方には電磁石30、同電磁石の励磁によって吸引され揺動する板31,同板と一体の絶縁材32、同絶縁材によって支持された弾性接片33、34、同接片33と一体に連杆35が設けられており、同連杆35の自由端を、管14内で転動が阻止されている球をB1から数えて15個目の球B15に対応する上記管14に穿設した孔に臨ませ、これら遊戯球整列確認装置15を構成している。いま、図示のようにベルクランク25の折曲端25aにより球の転動が阻止され、管14内に球が所定数(図示の例では15個)以上溜つているとき電磁石30が励磁されると、揺動板31、同板と実質一体の接片33、34が図において左旋するが、管14内の球B15によって連杆35の移動が阻止され、上記接片33は、第4図に示されるようにその基部が撓み、同接片33の他の接片34とが接触する。しかし、上記管14内の球が所定数に満たないときに電磁石30が励磁されても、揺動板31,接片33、34、連杆35は一体的に揺動するのみで、上記接片33、34は接触しない。」(第2頁右下欄第5行〜第3頁右上欄第16行)、
「前記管14の出口近くの底部には同管の長さの方向に細構が穿たれ、同細構からは弾力の弱いばね36により第3図において左旋習性を有する揺動板37の突出縁37aが進出し、前記球送り出し装置16から所定数の球が送り出されて上記管14の出口附近に溜まっているときは球の重味により上記揺動板37の突出縁37aが押されて同揺動板37は習性に抗して右旋させられるが、上記管14の出口附近の球が一定数(図示の例では5個)以下になると上記揺動板37は習性により左旋し、同揺動板の自由端部に設けられた永久磁石38がリードスイッチ39に近づき、同リードスイツチを閉じるようになっている。即ちこれらは球残数検知器17を構成している。上記管14の出口から落下した球は第1図に示した打込みレバー2によって打上げられ得る態勢になる。」(第3頁右上欄第17行〜左下欄第13行)、
「前述のように管14の出口附近に球が存在しないときは球残数検知器17における揺動板37が第3図において左旋し、リードスイッチ39が閉じるから、電源P、スイッチ43、スイッチ39、スイッチS24、パルス発振器44で閉回路を形成して同パルス発振器がパルス信号を発し、球整列確認装置15における電磁石30を励磁する。球整列管14内に所定数の球が整列しているときは上記電磁石30の励磁により揺動板31が揺動するとき接片33、34が接触するから、電源P、スイッチ43、接片33、34、電磁石R2、スイッチS3、で閉回路を形成して上記電磁石R2を励磁し、スイッチS21、S22、S23を閉じ、その後上記電磁石R2は自己のスイッチS21を介して励磁が保持されるから、スイッチS24が開いてパルス発振器44および電磁石30の作動が停止し、接片33、34が開いても前記スイッチS21、S22、S23は閉じ続けている。上記スイッチS23が閉じることにより球送出装置16における電磁石27が励磁され、一定数の(第3図の例では15個)の遊戯球を球整列管14の出口の方に送り出す。また、前記スイッチS22が閉じることによりスイッチ43、スイッチS22、抵抗R、電磁石R2および蓄電器C、電源Pで閉じる回路を形成するが、上記スイッチS22が閉じた当初においては蓄電器Cを介して電流が流れるため電磁石R2は励磁されず、一定時間後上記蓄電器Cの充電が進むと上記電磁石R2がわに多くの電流が流れて同電磁石が励磁され、スイッチS3が開いて前記電磁石R2の励磁が絶たれ、前記スイッチS21、S22、S23が開いて球送出装置16の電磁石27の励磁も絶たれ、同球送出装置16は第3図の状態に復帰し、管14内の球も図示の状態に整列する。」(第4頁左上欄第12行〜左下欄第5行)、
「球整列管14の出口附近に整列した球は遊戯者による打込みレバー2の操作により順次遊戯機に打込まれ、セーフ穴7に入った球は保進機構13を作動させて同機構中のり一ドスイッチ24によりセーフ球-個につき一つのパルス信号を発し、加減算しジスタ41を加算させ、それに応じて加減算表示部6およびスイッチ43を加算する。上記保進機構L立を通過した球およびアウト穴8を通過した球は上記管14内に再び整列する。球の打込みにより上記管14の出口附近の球が一定数(第3図の例では5個)以下になると球残数検知器17の揺動板37が自己の習性により第3図において左旋し、リードスイッチ39を閉じ、前述の経過を辿って球送出装置16が作動して一定数の球を送り出す。」(第4頁左下欄第14行〜右下欄第9行)、
と記載されている。
上記記載を総合すると、刊行物1には、「一定数の遊戯球を遊戯機内に封入し、打球位置から打込みレバーによって遊戯球を打上げ、打上げられた遊戯球は再び打球位置へ還元される遊戯球の循環経路の途中に遊戯球整列管14を設け、遊戯球整列管14は、その途中に遊戯球整列確認装置15、ベルクランク25を有する遊戯球送り出し装置16および遊戯球残数検知器17が設けられており、遊戯球整列管14の遊戯球送り出し装置16(ベルクランク25の折曲部25a)の下流に待機している遊戯球が出口付近で一定数以下になると、遊技球整列管14の出口付近に設けた球残数検知器17がこれを検知して遊戯球整列確認装置15に出力し、遊戯球整列確認装置15は遊戯球整列管14の所定位置(ベルクランク25の折曲部25aと連杆29との間)に所定数の遊戯球が存在しているか否かを確認し、存在している場合には、遊戯球整列確認装置15から遊戯球送り出し装置16に出力して遊戯球送り出し装置16を作動(ベルクランク25の折曲部25aを回動)させて、遊戯球整列管14の遊戯球送り出し装置16(ベルクランク25の折曲部25a)の上流に待機している一定数の球を遊技球整列管14の出口方向に送り出し、存在していない場合には、遊戯球整列確認装置15から遊戯球送り出し装置16に出力せずに遊戯球送り出し装置16を作動させないようにした、パチンコ球の循環制御装置」が記載されているものと認める。
(対比・判断)
本件発明と刊行物1に記載の発明を対比すると、遊戯球はパチンコ球であり、上記刊行物1の「一定数の遊戯球を遊戯機内に封入し、打球位置から打込みレバーによって遊戯球を打上げ、打上げられた遊戯球は再び打球位置へ還元される遊戯球の循環経路」、「遊戯球整列管14の遊戯球送り出し装置16(ベルクランク25の折曲部25a)の下流」、「球残数検知器17」、「遊戯球送り出し装置16」および「遊戯球整列管14の遊戯球送り出し装置16(ベルクランク25の折曲部25a)の上流」は、その機能からみて、本件発明の「発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路」、「打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部」、「待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段」、「この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構」および「待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部」に各々相当し、刊行物1の「遊戯球整列確認装置15」は、遊戯球送り出し装置16のベルクランク25の折曲部25aより上流側(貯留誘導部)に所定数の遊戯球が存在しているか否かを確認する、即ち、貯留誘導部のパチンコ球の不足も検出する貯留球検出スイッチであるから、
両者は、「発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設け、前記循環経路は、前記待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出する貯留球検出スイッチが配置されているパチンコ球の循環制御装置。」である点で一致するが、下記の点で相違する。
(相違点)
上記貯留球検出スイッチが、本件発明では、貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知するのに対し、刊行物1に記載の発明では、上記のような報知機能を具備していない点。
上記相違点について検討すると、パチンコ機において、賞球等の貯留部でのパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留部のパチンコ球の不足を報知することは周知(特開昭62ー286483号公報、実願平1ー33918号(実開平2ー123287号)のマイクロフィルム、実願平1ー120468号(実開平3ー58482号)のマイクロフィルム)であり、刊行物1に記載の発明は、貯留誘導部でのパチンコ球の不足が生ずると、貯留球検出スイッチ(遊戯球整列確認装置)がこの不足を検知し、球送り出し機構(球送出装置)の作動を行わないようにするものであって、上記パチンコ球の不足の発生原因が、貯留球検出スイッチ(遊戯球整列確認装置)の上流側での球詰まりによる場合には、球詰まりを解除しなければ遊技ができなくなるものであるから、そのような場合に備えて、貯留球検出スイッチ(遊戯球整列確認装置)に、上記周知技術である報知機能を付加することは当業者が容易になし得るものである。
そして、本件発明において、貯留球検出スイッチを設けた効果も、刊行物1に記載の発明および周知技術から当業者が容易に想到し得るものであって格別顕著なものとは認められない。
4.むすび
以上のとおりであるから、本件発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
パチンコ球の循環制御装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設け、
前記循環経路は、前記待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、
前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知する貯留球検出スイッチが配置されていることを特徴とするパチンコ球の循環制御装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は循環式パチンコ機においてパチンコ機内で循環させて回収使用する1群のパチンコ球の循環制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
循環式パチンコ機では機内に封入された一定個数のパチンコ球を使用し、打球位置へ送り込まれたパチンコ球を順次発射し、発射されたパチンコ球を回収して再び打球位置へ送り込み、パチンコ機内を循環させるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はパチンコ機内を循環する1群のパチンコ球のうち、待機位置で待機して打球位置へ還元されるパチンコ球の不足状態を解消することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のパチンコ球の循環制御装置は、発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設け、
前記循環経路は、前記待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、
前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知する貯留球検出スイッチが配置されている。
【0005】
【作用】
1群のパチンコ球の循環経路の途中に設けた待機誘導部で待機するパチンコ球数が不足すると、待機球検出センサがパチンコ球数の不足を検出し、この待機球検出センサの検出信号によって球送り出し機構が作動してパチンコ球が前記待機誘導部に補給される。
また、球詰りなどの原因によって貯留誘導部のパチンコ球が不足したときには、貯留球検出スイッチの検出信号に基づいて貯留球数不足状態を報知することができる。
【0006】
【発明の効果】
本発明は前記したように構成してあるので、待機誘導部で待機するパチンコ球数が不足した場合に不足分のパチンコ球を待機誘導部へ的確に送り込んで補給することができ、待機中のパチンコ球数の不足状態が起生する不具合を未然に防止することができる。
従って、打球位置へ還元されるパチンコ球を定常的に確保してパチンコ球を待機誘導部から打球位置へ途切れずに送り込むことができる。
【0007】
【実施例】
次に、本発明の1実施例を図面にしたがって説明する。
一定個数のパチンコ球が機内に封入され、ゲームに必要な事項を記録したカード(遊技券)のためのカード処理システムを備えた循環式パチンコ機において、木製の外枠に前方への回動可能に軸支された方形枠状の枠1の裏面には枠1の開口部とほぼ等しい形状の開口部を有する方形枠状のメインセット枠2が装着され、このメインセット枠2の下部に垂立された下板2aの裏面には横長の長方形状の取付基板3が取付けられている。メインセット枠2の開口部内には裏セット枠30を介して遊技盤25が脱着可能に嵌め込まれている。取付基板3は片側の下コーナ部付近に切欠き部を有する第1取付板3Aと、この第1取付板3Aの切欠き部に嵌め込まれた第2取付板3Bとに分割されている。
【0008】
メインセット枠2の取付基板3の第1取付板3Aの前面の片側には発射されたパチンコ球を遊技盤面へ誘導する発射レール4がレール台を介して内方に向って上傾した姿勢で取付けられている。
【0009】
取付基板3の第2取付板3Bの裏面に組付けられた発射制御機構において、取付基板3の第2取付板3Bの裏面にビス着された発射モータセット板5には発射モータ6が取付けられ、この発射モータ6の出力軸6aには凸部7aを有する1山のモータカム7が取付けられている。
【0010】
発射モータセット板5の下端に形成された角筒状の取付部5a内には発射制御回路がプリントされたモータ制御基板8が装入されている。
【0011】
モータカム7の内方で取付基板3に回動可能に貫挿支持された支軸19の後端にはハンマセット板9が固定され、このハンマセット板9のモータカム7側端部にはモータカム7に摺接して転動するカムフォロア9aが回転可能にピン着され、ハンマセット板9の反モータカム9側端部には引きばねローラ9bがピン着され、ハンマセット板9の上部には後方へ延出された延出部10aと、この延出部10aの前端に直交状に連接された垂立部10bと、この垂立部10bの下端に連接されてループ状に湾曲された取付部10cとを有する球送りワイヤ10の取付部10cがボルト81によって締着されている。
【0012】
取付基板3に貫設された横長状のガイド孔3a内には横一列に配列された複数個の調整孔12aが貫設されてハンマセット板9側へ延出された延出部12bを有する引きばね片12が左右方向への移動可能に貫挿され、この引きばね片12と、ハンマセット板9の引きばねローラ9bとにはパチンコ球を発射させる強さを設定する引きばね13が掛架されている。
【0013】
モータカム9の下方には枠1の下端に軸支されて枠1の前方に突出されたハンドルにハンドル軸を介して連動可能に連結されたハンドル連動カム14と、この連動カム14に対接されたローラ15aを備え、連動カム14に対向して左右方向への揺動可能に軸支された可動片15とが配設されている。
【0014】
引きばね片12の下方には取付基板3に引きばね片12に対向して左右方向への揺動可能に吊支されて揺動角度が7段階に調整される球とび調整片16が配設され、この球とび調整片16の上部付近には後方へ突出された支軸16aが挿着されている。
【0015】
球とび調整片16に支軸16aを介して揺動可能に軸支された引きばね駆動アーム17の上端には引きばね片12の調整孔12b内に選択的に係入されて引きばね片12と引きばね駆動アーム17とを連動可能に連繋するピン17aが突設され、引きばね駆動アーム17の下端には外端が可動片15の上端に繋止されて可動片15と引きばね駆動アーム17とを連動可能に連結する連結ワイヤ18の内端が繋止されている。
【0016】
ハンドルを回動してハンドル連動カム14の回動角度を調整すると、可動片15および引きばね駆動アーム17が揺動して引きばね片12が左右方向へ進退動し、引きばね13が伸縮して引きばね13の弾発力が増減する。
【0017】
ハンマセット板9が嵌着された前記支軸19の前端には発射レール4の基端部上の打球位置のパチンコ球を叩打して発射レール4上から遊技盤面へ向けて発射させる打球ハンマ20がハンマセット板9との共同回動動作可能に嵌着され、この打球ハンマ20はボルト81によって球送りワイヤ10とともにハンマセット板9に締結され、打球ハンマ20の上端には発射レール4側へ突出された叩打部20aが形成されている。
【0018】
取付基板3の前面に打球ハンマ20の上下端付近にそれぞれ対向して取着された上下1対の当てゴムホルダ22には打球ハンマ20が打球後に衝突して打球ハンマ20の回動端を規定する当てゴム23がそれぞれ嵌装されている。
【0019】
取付基板3には発射レール4の基端部の上方に配設されてパチンコ球を取付基板3の裏側から発射レール4の基端部上へ送り込むための球送り口26が開口されるとともに、取付基板3の前面で打球位置の若干上方には打球位置のパチンコ球の転落を阻止する球止め片27が取付けられている。
【0020】
取付基板3の裏面には先端部が球送り口26付近に配設された横長状の球送り樋70が球送り口26側へ若干下傾して取付けられ、メインセット枠2の下部裏側にはパチンコ球を受入れて待機させかつ打球位置へ誘導して還元させる待機誘導部52Eが発射制御機構に対向して配設されている。
【0021】
球送り樋70には取付基板3の後方に垂立された横長状の後壁板70aと、この後壁板70aの上端縁に連接されて前方へ横出された上壁板70bと、後壁板70aの前面下部にその基端から先端の内方にわたって先端に向って下傾した状態で連接されて前方へ横出され、パチンコ球が横一列に配列されて転動可能に載置される底壁板70cと、後壁板70aおよび底壁板70cにわたって開設された複数個の透視窓70dとが形成され、取付基板3と球送り樋70の後壁板70aとの間で底壁板70c上には適数個のパチンコ球を1列に配列させて待機させ、1個づつ打球位置へ送り込む第8循環通路46Hが形成され、第8循環誘導通路46Hの先端は球送り口26に対置されている。
【0022】
球送り樋70の後壁板70aの先端には前方へ横出された上支軸73および下支軸74が挿着され、この下支軸74には水平状の上片24aと、この上片24aの内端付近に直交状に垂下された下片24bとを有する球送りアーム24が前記送りワイヤ10の上端に対向して左右方向への揺動可能に支持されている。
【0023】
ハンマセット板9が反時計回り方向へ回動して球送りワイヤ10が外方へ傾倒したときには球送りアーム24の下片24bが球送りワイヤ10によって外方へ押動されて球送りアーム24が時計回り方向へ揺動する。
【0024】
球送り樋70の上支軸73には球送り樋70の先端部内に装入されて球送りアーム24の上片24a上に設置された球送り制御片28が球送り口26に対向して揺動可能に支持されている。この球送り制御片28には上面が前方に向って下傾する凹曲面状で1個のパチンコ球の受取りおよび送り出しが可能な球受け部28aと、この球受け部28aの基端に連接されて上支軸73が貫挿されたボス部28bと、このボス部28bに連接されて外方へ延出された延出部28cとが形成され、この延出部28cの先端には球送りアーム24の上片24a上に載置された錘り29がピン着されている。
【0025】
球送り制御片28は錘り29の重量によって常には球受け部28aが上動した揺動姿勢で保持され、球受け部28aの先端縁が球送り樋70の底壁板70c上の先頭のパチンコ球に突き当てられている。球送りアーム24の下片24bが球送りワイヤ10で外方へ押動されたときには錘り29が球送りアーム24の上片24aで押上げられて球送り制御片28の球受け部28aが下方へ変位し、球受け部28aの先端縁が球送り樋70の底壁板70cの先端縁に整合され、底壁板70c上の先頭のパチンコ球が球受け部28a上へ移載されて前方へ送り出され、球送り口26を通り抜けて発射レール4の基端上の打球位置へ移載される。
【0026】
球送り樋70の底壁板70cの中央部の下側には第8循環通路46Hの中央部付近で待機するパチンコ球の有無を検出する待機球検出スイッチ(近接スイッチ)75が取付けられ、第8循環通路46Hの出口から待機球検出スイッチ75の上方位置までの間に配列される規定数のパチンコ球が不足した待機球数不足時には待機球検出スイッチ75が検出信号を発信する。
【0027】
メインセット枠2の取付基板3の上端に間隙を隔てて垂立された左右の壁板3c,3dのうち、一方の壁板3cの内端には上部の正面形状が逆V形状で上部が壁板3c上へ突出されて下部の正面形状が円弧状の球止め部材40が連接されている。
【0028】
球止め部材40内の下部には発射レール4上から発射されたパチンコ球のうち、発射レール4側へ戻ったファール球を受止めて落下させる球止め片42がその先端面を露出した状態で設置されている。
【0029】
壁板3dの内端付近の下方で取付基板3の前面には図6に示すように壁板3dの内端縁の下端の内方にファール球を通過させる球通し口43を隔てて縦設された内縦樋板44aと、この内縦樋板44aの下端に連接されて外方へ若干下傾した状態で横設された横樋板44bと、この上横樋板44bの外端に連接されて若干外傾状に縦設された外縦樋板44cと、この外縦樋板44cの下端に連接されて外方へ若干下傾した状態で横設され、外端付近の端縁が円弧状に湾曲された中横樋板44dと、この中横樋板44dの下方に並行状に横設されて内端付近の正面形状が円弧状に形成され、外端縁付近の平面状が円弧状に湾曲された下横樋板44eと、中、上横樋板44d,44eの外端付近に連接されて横断面形状が円弧状に湾曲された蓋板44fとを有するファール球用の表誘導樋44が突出形成されている。
【0030】
表誘導樋44の上横樋板44bの外端付近と、中横樋板44dの内端付近とにはファール球が通過する上下1対の球通し口45が開口されている。
【0031】
表誘導樋44はその各樋板44a〜44eの前端面に当接されて外端縁が蓋板44fの内端縁に掛止された表蓋47によって覆蓋され、表蓋47と取付基板3との間で表誘導樋44内には回収されたファール球が集合して通り抜ける第1循環通路46Aが形成され、取付基板3の前側の中央部にはファール球を回収して送り出す表回収誘導部52Aが配設されている。
【0032】
表誘導樋44の上,中横樋板44b,44d間には上下球通し口45間に挿入された検出口69aを有し、第1循環通路46Aを通り抜けるパチンコ球を検出する前通過球検出スイッチ69が挟み込まれている。
【0033】
取付基板3の上部には中横樋板44dの外端付近と下横樋板44eの外端付近との間に開設されて蓋板44fによってカバーされ、第1循環通路46Aの先端に連通された方形孔状のファール球通し口48が形成され、第1循環通路46Aへ導入されたファール球はファール球通し口48を通り抜けて第8循環通路46Hの入口付近へ導入される。
【0034】
メインセット枠2の裏面の開口縁には中央部に開口部30bを有し、メインセット枠2にヒンジを介して後方への回動可能に組付けられて遊技盤25の裏面をカバーする裏セット枠30が添設されている。
【0035】
裏セット枠30はメインセット枠2の縦枠部2bに取付けられた軸受け80を介してメインセット枠2に後方への回動可能に軸支されるとともに、裏セット枠30はメインセット枠2の裏面の開口縁付近に回動可能にビス着された複数個の締め具31によって遊技盤25をサンドイッチ状に挟み込んだ状態でメインセット枠2に解放可能に固止されている。
【0036】
裏セット枠30の下枠部30aの前面にはその左右端部付近からその中央部に向ってそれぞれ緩やかな勾配で下傾する左右の帯板状の集合樋32,32が突出形成されて間隙を隔てて並設され、この両集合樋32の内端縁32aは高低差が付与されている。
【0037】
裏セット枠30の下枠部30aの前面中央部には一方の集合樋22の内端縁32aに連接されて垂下された第1仕切り板35と、他方の集合樋32の内端縁32aの下方に配設されて第1仕切り壁35の側方に間隙を隔てて垂立された垂立片36aおよびこの垂立片36aの上端に直交状に連接された上片36bを有する第2仕切り板36とが突出形成されている。
【0038】
裏セット枠30の下枠部30aの前面にはこの下枠部30aの前方に垂立された横長状の裏板37が並着され、この裏板37の下端の中央部付近には球通し窓38が開口されている。
【0039】
裏セット枠30の下枠部30aと裏板37との間で両仕切り壁35,36間には遊技盤25の裏面から両集合樋32上へ転落したセーフ球およびアウト球を通過させる第2循環通路46Bが垂直状に形成されるとともに、一方の集合樋32の内端付近と第2仕切り壁36の水平片36bとの間には第2循環通路46Bを通過したセーフ球およびアウト球を検出する後通過球検出スイッチ76が挟み込まれている。
【0040】
遊技盤25の裏面へ送り出されたセーフ球および遊技盤25の下端のアウト球受口25aから送り出されたアウト球は両集合樋32上へ転落して内方へ転動し、第2循環通路46Bを通り抜けて球通し窓38内へ導入される。
【0041】
取付基板3の裏面の上端付近には後方へ水平状に突出された支持板3eが取付基板3のほぼ全長にわたって形成され、この支持板3eの中央部付近には球通し窓38を通り抜けて落下したセーフ球およびアウト球を通過させる切り欠き部3fが形成されている。
【0042】
取付基板3の裏面中央部の上端付近には図7に示すように球通し窓38の下方に縦設されて支持板3eの切り欠き部3fの端縁に連接された縦樋板50aと、この縦樋板50aの下端に連接されて内方へ下傾した上樋板50bと、この上樋板50bの先端に連接されて上樋板50bの傾斜方向と同方向へ下傾した中樋板50cと、この中樋板50cの両端部にそれぞれ連接されて正面形状がほぼ左右対称の円弧状に湾曲した左右の下樋板50d,50eと、中樋板50cおよび右下樋板50eの側方に設置されて上部が垂直状で下部が円弧状の側樋板50fと、左下樋板50dの円弧中心位置に配設された突片50gとを有する裏誘導樋50が突出形成され、この裏誘導樋50は各樋板50a〜50fおよび突条5gの後端縁に当接された裏蓋51によって覆蓋されている。裏蓋51にはパチンコ球を透視するための透視窓51a〜51aが開設されている。
【0043】
取付基板3と裏蓋51との間で、上樋板50b上、中樋板50c上および右下樋口板50eと側樋板50fとの間にはアウト球およびセーフ球を貯留および通過させる第3循環通路46Cが形成され、左下樋板50dと突片50gとの間には第8循環通路46Hに連通された第7循環通路46Gが第8循環通路46Hの入口に向って上傾した状態で形成され、取付基板3の後側の中央部にはセーフ球およびアウト球を回収して送り出す裏回収誘導部52Bが配設されている。
【0044】
取付基板3の前面中央部の下端付近には前記待機球検出スイッチ75の検出信号に基づいて回転制御されるステッピングモータ型の球送りモータ58が取付けられるとともに、取付基板3の裏面中央部には裏誘導樋50の下方に連設されて取付基板3とともに球送りモータ58に締結された樋本体54が取付けられている。
【0045】
樋本体54には縦長状の樋部55と、この樋部55の下部に連接された後方開放の箱形状の取付部56とが形成され、樋部55にはその後面の両側縁に垂直方向に沿って突設された左右の外突条55aと、その後面の中央部に垂直方向に沿って突設された中突条55bとが並行状に形成されるとともに、両外突条55aと中突条55bとの間には左右1対の溝部55c,55cが並行状に形成されている。
【0046】
樋本体54の樋部55の下端には丸孔状の前通し孔55dが開口され、この前通し孔55dの孔縁の下部には円弧状に湾曲されて両外突条55aの下端に連接された下突条55eが突設され、樋部55の左右端面の上端にはそれぞれ軸部55fが横出されている。
【0047】
樋本体54の取付部56にはモータ基板ボックス57の前端部が挿入され、このモータ基板ボックス57内には球送りモータ58が接続されたモータ基板59が設置されている。
【0048】
樋本体54の樋部55の後側に重ね合わされた樋カバー60の上端の左右端部にはそれぞれ樋本体54の軸部55fが嵌挿された左右1対の軸受部60aが突出形成され、樋カバー60は樋本体54に両軸部55fおよび両軸受部60aを介して上方への回動可能に連結されている。
【0049】
樋カバー60には樋本体54の両溝部55cにそれぞれ対向して縦長状の溝部60b,60bが左右並行状に形成されるとともに、樋カバー60の下端には樋本体54の前通し孔55dに対向して丸孔状の後通し孔60cが開口され、溝部60bの両側壁面には横断面が三角形状のリブ60dがパチンコ球の通過不能な間隙を隔てて垂直方向に沿って相対向状に突設されている。
【0050】
裏回収誘導部52Bの下方には樋本体54の両溝部55cと樋カバー60の両溝部60bとによって形成されて、パチンコ球が縦2列に配列されて貯留される貯留誘導部52Cが配設され、この貯留誘導部52Cには第4循環通路46Dおよび第6循環通路46Fが左右並行状に形成され、第4循環通路46Dの上端は第3循環通路46Cの下端に連通され、第6循環通路46Fの上端は第7循環通路46Gの下端に連通されている。
【0051】
貯留誘導部52Cに貯留されたパチンコ球を必要時に待機透導部52Eへ送り出して補給するために設けた球送り出し機構において、樋本体54の前通し孔55dと樋カバー60の後通し孔60c内には球送りモータ58の出力軸58aに嵌着された球送り歯車68が装入され、この球送り歯車68の外周面には縦断面形状が円弧状で周方向へ60°の回転対称状に配列された6個の球受け部68aが凹設され、球送り歯車68は各球受部68aが第4循環通路46Dの直下位置および第6循環通路46Fの直下位置へ順次変位するように回転制御される。
【0052】
第4、第6循環通路46D,46Fの下方には貯留誘導部52Cのパチンコ球を上方から上方へUターン状に曲進移送させる第5循環通路46Eが球送り歯車68の各球受け部68aによって形成されるとともに、貯留誘導部52Cの途中には球送り出し部52Dが配設されている。
【0053】
球送り歯車68は球送りモータ58によって時計回り方向へ60°づつ間欠的に回転駆動され、球送り歯車68が60°回転すると、第4循環通路46D内の先頭のパチンコ球が第5循環通路46E内へ進入して球送り歯車68の球受部68aで受止められ、第5循環通路46E内の先頭パチンコ球が第6循環通路46F内へ進入し、第6循環通路46F内の先頭のパチンコ球が押出されて第7循環通路46G内へ進入し、第7循環通路46G内の先頭のパチンコ球が押出されて第8循環通路46H内へ進入し、待機誘導音部52Eにパチンコ球が補給される。
【0054】
樋本体54の樋部55の中央部付近の前側には取付基板3に凹設された凹部3g内に嵌挿されて第4循環通路46D内のパチンコ球の不足を検出して検出信号を発信する貯留球検出スイッチ77が設置され、球詰りなどの原因によって第4循環通路46D内のパチンコ球が不足したときにはこの貯留球検出スイッチ77の検出信号に基づいて貯留球数不足状態が外部に報知される。
【0055】
パチンコ機内には打球位置から発射されたパチンコ球のうち、セーフ球およびアウト球が打球位置→裏回収誘導部52B→貯留誘導部52C→待機透導部52E→打球位置の順にパチンコ機内を循環する循環経路と、ファール球が打球位置→表回収誘導部52A→往機誘導部52E→打球位置の順にパチンコ機内を循環する循環経路とが形成される。
【0056】
樋カバー60の後側には樋カバー60の左側の溝部60bを覆蓋する蓋板63が重ね合わされ、この蓋板63には縦長状の蓋部63aと、この蓋部63aの側縁には樋カバー60の反係止部63b側の側縁60eに係合された係合部63cが縦設され、蓋板63はこの係合部63cと係止部63bとによって樋カバー60に取外し可能に組付けられている。
【0057】
蓋板63の蓋部63aの上下端部には楕円形状の通し孔63dがそれぞれ貫設されるとともに、蓋部63aの前面には樋カバー60の左側の溝部60bに対置された縦長状の溝部64が両通し孔63d間にわたって凹設されている。
【0058】
蓋板63の溝部64と、樋カバー60の左側の溝部60bの両リブ60cとの間に縦長状に形成されて第6循環通路46Fに連通された空隙部65内には第6循環通路46Fを通過するパチンコ球に摺接して第6循環通路46F内のパチンコ球を清浄化する左右1対の紐状のクリーニング部材66,66が並行状に挿通されている。蓋板63を樋カバー60から取外すと、両クリーニング部材66を空隙部65内から取出して交換することができる。
【0059】
第6循環通路46F内に貯留された各パチンコ球は第7循環通路46Gに向けて間欠送りされる間に両クリーニング部材66に摺接して自転しながら移行し、貯留誘導部52cに貯留された各パチンコ球はその表面に付着した汚れ等が両クリーニング部材66に拭い取られて磨かれかつ清浄化された状態で貯留誘導部52Cから送り出されて待機誘導部52Eへ送り込まれる。
【0060】
続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効果について説明する。
本例では、発射レール4上の打球位置から発射されて再び打球位置へ還元される1群のパチンコ球が循環する循環経路の途中には打球位置へ送り込まれるパチンコ球を一列に配列させて待機させる待機誘導部52Eと、この待機誘導部52Eで待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出スイッチ75と、この待機球検出スイッチ75の検出信号によって間欠駆動され、パチンコ球を貯留誘導部52Cから待機誘導部52Eへ送り出して補給する球送り出し機構とを設けてある。
このため、待機誘導部52Eで待機するパチンコ球数が不足した場合に不足分のパチンコ球を待機誘導部52Eへ的確に送り込んで補給することができ、待機中のパチンコ球数の不足状態が起生する不具合を未然に防止することができる。
従って、打球位置へ還元されるパチンコ球を定常的に確保してパチンコ球を待機誘導部52Eから打球位置へ途切れずに送り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の1実施例を示す要部の一部破断裏面図である。
【図2】
メインセット枠,遊技盤および裏セット枠の分解斜視図である。
【図3】
要部の裏面図である。
【図4】
球送り樋付近の分解斜視図である。
【図5】
図1のX1-X1線拡大断面図である。
【図6】
表回収誘導部の分解斜視図である。
【図7】
裏回収誘導部および貯留誘導部付近の分解斜視図である。
【図8】
図1のX2-X2線拡大図である。
【図9】
図1のX3-X3線拡大断面図である。
【図10】
図3のX4-X4線拡大断面図である。
【図11】
図1のX5-X5線拡大断面図である。
【図12】
図1のX6-X6線拡大断面図である。
【符号の説明】
52A 表回収誘導部
52B 裏回収誘導部
52C 貯留誘導部
52E 待機誘導部
75 待機球検出スイッチ
 
訂正の要旨 特許第3001687号の特許明細書を本件訂正請求書に添付の訂正明細書のとおりに訂正する。即ち、特許請求の範囲の減縮を目的として下記(a)のとおり訂正し、明りょうでない記載の釈明を目的として下記(b)、(c)のとおり訂正し、誤記の訂正を目的として下記(d)、(e)のとおり訂正する。
(a)特許請求の範囲の請求項1の「発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設けたことを特徴とするパチンコ機の循環制御装置。」を、
「発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設け、前記循環経路は、前記待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知する貯留球検出スイッチが配置されていることを特徴とするパチンコ球の循環制御装置。」と訂正する。
(b)発明の詳細な説明中段落【0004】の「[課題を解決するための手段]本発明のパチンコ球の循環制御装置は発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設けた構成を有する。」を、
「[課題を解決するための手段]本発明のパチンコ球の循環制御装置は、発射レール上の打球位置から発射されて再び前記打球位置へ還元される1群のパチンコ球の循環経路の途中には前記打球位置へ送り込まれるパチンコ球を待機させる待機誘導部と、この待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出手段と、この待機球検出手段の検出信号によって作動してパチンコ球を前記待機誘導部へ補給する球送り出し機構とを設け、前記循環経路は、前記待機誘導部の上流側に位置してパチンコ球を貯留する貯留誘導部を有し、前記貯留誘導部には、前記球送り出し機構が設けられるとともに、前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を検出してその検出信号に基づいて前記貯留誘導部のパチンコ球の不足を報知する貯留球検出スイッチが配置されている。」と訂正する。
(c)発明の詳細な説明中段落【0005】の「[作用]1群のパチンコ球の循環経路の途中に設けた待機誘導部で待機するパチンコ球数が不足すると、待機球検出センサがパチンコ球数の不足を検出し、この待機球検出センサの検出信号によって球送り出し機構が作動してパチンコ球が前記待機誘導部に補給される。」を、
「[作用]1群のパチンコ球の循環経路の途中に設けた待機誘導部で待機するパチンコ球数が不足すると、待機球検出センサがパチンコ球数の不足を検出し、この待機球検出センサの検出信号によって球送り出し機構が作動してパチンコ球が前記待機誘導部に補給される。
また、球詰りなどの原因によって貯留誘導部のパチンコ球が不足したときには.貯留球検出スイッチの検出信号に基づいて貯留球数不足状態を報知することができる。」と訂正する。
(d)発明の詳細な説明中段落【0051】、【0053】、【0055】、【0060】に記載の「待機誘導部52D」を、
「待機誘導部52E」と訂正する。
(e)図面の簡単な説明の符号の説明中「52D待機誘導部」を、
「52E待機誘導部」と訂正する。
異議決定日 2002-03-25 
出願番号 特願平3-217822
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A63F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 藤井 靖子
鈴木 寛治
登録日 1999-11-12 
登録番号 特許第3001687号(P3001687)
権利者 株式会社大一商会
発明の名称 パチンコ球の循環制御装置  
代理人 池田 敏行  
代理人 岡田 英彦  
代理人 岩田 哲幸  
代理人 池田 敏行  
代理人 中村 敦子  
代理人 中村 敦子  
代理人 岡田 英彦  
代理人 岩田 哲幸  
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