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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B30B
管理番号 1062746
異議申立番号 異議2001-73211  
総通号数 33 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-11-27 
確定日 2002-06-03 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3171321号「粉末成形方法」の請求項1及び請求項2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3171321号の請求項1及び請求項2に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3171321号については、平成9年1月6日に特許出願され、同13年3月23日に設定の登録がされ、その後、同13年11月27日に住友電気工業株式会社より本件の請求項1及び請求項2に係る特許について特許異議の申立てがされ、同14年2月8日付で取消しの理由の通知がされ、その指定期間内である同14年4月23日に明細書について訂正の請求がされた。
第2 特許異議申立ての理由の概要
特許異議申立人は、証拠として本件特許の出願前に日本国内において頒布された刊行物である
甲第1号証 特表平8-503263号公報
甲第2号証 特開平7-150202号公報
甲第3号証 特開平2-156002号公報
を提出し、おおよそ以下のように主張している。
1 本件各発明は、予め加熱しておいた粉末を、金型部材のある部分に充填することで、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させることができるものと考えます。従って、密度あるいは強度を向上させたい「部分」が圧粉体のすべての部分であれば、加熱した粉末を金型部材全体に充填することで、圧粉体全体の密度を向上させることができる製造方法であると考えます。
2 新規性欠如について
本件の請求項1に係る発明と甲第1号証記載の発明とを対比すると、加熱した原料粉末を金型に充填して圧粉体を成形する点で一致しています。
また、本件の請求項1に係る発明の「圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所」を「圧粉体全体」とする場合、甲第1号証の実施例2のように金型内全体に加熱した粉末を充填すれば、圧粉体全体の密度あるいは強度を向上させることができます。実施例2は、トレーに充填した粉末を加熱していますが、このように加熱した粉末を金型全体に充填すれば、圧粉体全体の密度あるいは強度を向上させることができるのは明らかです。
さらに、上記「圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所」を「コーナー部」とした場合、甲第1号証の実施例1のように金型内のコーナー部に充填する粉末の温度を他の部分よりも高くすることで、コーナー部のみの密度あるいは強度を向上させた圧粉体を得ることができます。実施例1は、トレーに充填した粉末の加熱ですが、トレーを金型として見れば、金型内のコーナー部のみに加熱した粉末を充填していることになり、圧粉体のコーナー部のみの密度あるいは強度を向上させることができるのは明らかです。
従って、甲第1号証記載の発明も「圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所」に加熱した粉末を充填しており、本件の請求項1に係る発明と一致します。
3 進歩性欠如について
(1) 本件の請求項1に係る発明と甲第2号証記載の発明とを対比すると、2種類の原料粉末を金型に充填して圧粉体を成形する点で一致しています。
この2種類の粉末について本件の請求項1に係る発明では、加熱された原料粉末とそれより温度の低い原料粉末を添加することが記載されています。
これに対し、甲第2号証記載の発明は、2種類の粉末と言う記載があるのみで、2種類の粉末がどのように違うのか記載がありません。
しかしながら、甲第1号証には加熱した粉末を使用して圧粉体を成形することが記載されており、この甲第1号証に記載の加熱した粉末を用いて、甲第2号証の特許請求の範囲に記載された粉末室のいずれかに充填することは、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に推考し得るものであります。
なお、甲第3号証の記載のとおり予め加熱した粉末を使用することで密度を上げる(緻密にする)ことは、本件特許の出願時点で既に公知の技術です。
(2) 本件の請求項2に係る発明と、甲第1号証に記載の加熱した粉末を用いて甲第2号証の特許請求の範囲に記載された粉末室のいずれかに充填した技術とを比較すると、本件の請求項2に係る発明は、キャビティの上凸部に加熱した粉末を充填するのに対し、甲第1号証及び甲第2号証の組合わせの技術は、金型の上(下)側に加熱した粉末を充填することになります。
ただし、本件の請求項2に係る発明の「上凸部」に粉末を充填することは、本件特許の登録時の図面の図5からも明らかなように、単に圧粉体の上部に粉末を充填することに変わりありません。
また、どの部分の密度を高めるか、すなわちどの部分に加熱した粉末を充填するかは、製品の特性によって異なり、当業者にとって単なる設計事項にすぎません。
従って、本件の請求項2に係る発明において「上凸部」に粉末を充填することは、当業者が容易に推考し得るものであります。
4 まとめ
以上の説明から明らかなように、本件の請求項1に係る発明は、甲第1号証記載の発明と同一であり、また、本件の請求項1に係る発明及び本件の請求項2に係る発明は、甲第1号証乃至甲第3号書記載の発明に基づいて当業者が容易に推考し得るものであるので、本件の請求項1及び請求項2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消す必要があるものと考えます。
なお、当審で通知した取消しの理由は、特許異議の申立ての理由に沿うものである。
第3 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
特許権者は、本件登録時の明細書(以下「登録明細書」という。)を訂正請求書に添付された明細書(以下「訂正明細書」という。)記載のとおり以下のように訂正しようとするものである。
(1) 訂正事項a
登録明細書における特許請求の範囲の【請求項1】を、訂正明細書におけるように
「【請求項1】 金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当個所に加熱された原料粉末を充填することを特徴とする粉末成形方法。」
と訂正する。
(2) 訂正事項b
登録明細書における発明の詳細な説明の段落【0007】を、訂正明細書におけるように
「【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の粉末成形方法は、金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当個所に加熱された原料粉末を充填するものである。このような構成を採用することにより、金型部材のキャビティの圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所を形成する部分に加熱された原料粉末を充填し、それ以外の箇所にはこれより低い温度の原料粉末を充填し、前記金型部材により原料粉末を圧縮すると、加熱された原料粉末を充填した部分の密度を向上させることができる。これに伴い、この加熱された原料粉末を充填した部分の強度の向上も図ることができる。」
と訂正する。
(3) 訂正事項c
登録明細書における発明の詳細な説明の段落【0023】を、訂正明細書におけるように
「【0023】
【発明の効果】
本発明の請求項1の粉末成形方法は、金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当個所に加熱された原料粉末を充填するものであるので、金型部材のキャビティにおいて得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所を形成する部分に加熱された原料粉末を充填し、それ以外の箇所にはこれより低い温度の原料粉末を充填し、前記金型部材により原料粉末を圧縮することにより、加熱された原料粉末を充填した部分の密度を向上させることができる。これに伴い、この加熱された原料粉末を充填した部分の強度の向上も図ることができる。」
と訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び拡張・変更の存否
(1) 訂正事項aは、登録明細書における特許請求の範囲の【請求項1】に記載された「圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所」を、全体を含まない「部分」に減縮するものである。
そして、このことは、登録明細書の段落【0007】に「・・・得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所を形成するキャビティ部分に加熱された原料粉末を充填するものである。このような構成を採用することにより、金型部材のキャビティの圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所を形成する部分に加熱された原料粉末を充填し、それ以外の箇所にはこれより低い温度の原料粉末を充填し、前記金型部材により原料粉末を圧縮すると、加熱された原料粉末を充填した部分の密度を向上させることができる。・・・」と記載されている事項に基づくものである。
従って、訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮に相当し、且つ、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2) 訂正事項b及び訂正事項cは、特許請求の範囲の減縮に対応してなされた発明の詳細な説明における該当個所の訂正であり、明りょうでない記載の釈明に相当し、且つ、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
3 むすび
以上のとおりであるから、本件の訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する同法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
第4 特許異議申立人の主張の検討
次に、特許異議申立人の特許異議の申立ての理由について検討する。
1 本件発明
本件については、第3の3に示したように明細書の訂正を認めており、その請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は、第3の1(1)に示すとおりの「粉末成形方法」であり、また、請求項2に係る発明(以下「本件発明2」という。)は、以下のとおりのものであると認める。
「【請求項2】 前記キャビティの上凸部に加熱された粉末を充填することを特徴とする請求項1記載の粉末成形方法。」
2 甲各号証の記載内容
特許異議申立人の提出した甲第1号証乃至甲第3号証には、夫々以下の事項が記載されている。
(1) 甲第1号証
ア 第6頁第5〜10行
「本発明の別の態様によれば、金属粉末を加圧成形して加圧成形体にする方法は、鉄基粒子を構成材料とする自由流動粒子金属粉末を用意する工程、この金属粉末を加圧成形ダイまで搬送する工程、この自由流動金属粉末にマイクロ波照射を行うことによりこれを加熱する工程、および加熱された金属粉末を加圧成形ダイの中で加圧成形して加圧成形体を形成する工程を含む。ダイに注入する前に粉末を加熱することが望ましい。」
イ 第12頁19行〜第13頁第1行
「実施例1
鉄粉末を250mm×160mm×10mm厚のトレーに入れた。粉末を容れたトレーに722W、2415MHzのマイクロ波エネルギーを照射した。温度は、鉄粉末ベッド内に配置した熱電対でモニタした。サンプルは全体として150℃に達し、表面での温度は100℃であった。コーナー部には200℃の高温部があった。
実施例2
高温部が発生するのは遮蔽をしなかったためであることが分かった。そこで、トレーのエッジ部に遮蔽を取り付けてマイクロ波が均等に行き渡るようにした。この方法によって高温部が解消した。粉末ベッド全体に渡って均一な粉末温度150℃±8℃が記録された。」
(2) 甲第2号証
ア 第2頁第1欄特許請求の範囲
「【請求項1】金型部材の穴内へ2種の原料粉末を上下2層に充填する粉末成形プレスのフィーダーにおいて、前記金型部材の穴の上面開口よりもそれぞれ下面開口が大きい第1の粉末室と第2の粉末室とを内部に左右に並べて区画形成してなり前記金型部材上で摺動するフイーダーボックスと、このフイーダーボックスを前後方向に移動させる前後動機構と、前記フイーダーボックスを前記第1の粉末室が前記金型部材の穴上に重なる位置と前記第2の粉末室が前記金型部材の穴上に重なる位置との間で左右に移動させる左右動機構とを有することを特徴とする粉末成形プレスのフィーダー。」
イ 第3頁第3欄段落【0009】
「本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、金型内に2種の原料粉末を上下2層に充填するに際して、上に位置すべき原料粉末が圧粉体の下部に混入することを防止できるとともに、各原料粉末を前後左右で均一に充填できる粉末成形プレスのフイーダーを提供することを目的とする。」
(3) 甲第3号証
第3頁左下欄第1〜8行
「混合粉末を予め加熱すると、粉末と壁との間と同様、粉末粒子間の摩擦力が劇的に減少するため、既に最初の緻密化工程で最良の潤滑状態に到達することができる。一層流動性の潤滑剤は、気孔から物品の外へ流れる一層大きな傾向を示し、そのため粉末自身を一層緻密にし易くなり、粉末と、型又は緻密化用装置の壁との間の接触表面を一層よく一層潤沢に潤滑する。」
3 対比・判断
(1) 本件発明1について
本件発明1と甲第1号証記載の発明とを対比すると、甲第1号証記載の発明は、本件発明1と部分的に共通する構成を備えているものの、本件発明1の「得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当個所に加熱された原料粉末を充填すること」という構成(以下「構成A」という。)を備えていない。
そして、本件発明1は、構成Aを備えることにより、明細書記載の「加熱された原料粉末を充填した部分の密度を向上させることができる。これに伴い、この加熱された原料粉末を充填した部分の強度の向上も図ることができる。」という効果を奏すものである。
なお、特許異議申立人は、「甲第1号証の実施例1のように金型内のコーナー部に充填する粉末の温度を他の部分よりも高くすることで、コーナー部のみの密度あるいは強度を向上させた圧粉体を得ることができます。実施例1は、トレーに充填した粉末の加熱ですが、トレーを金型として見れば、金型内のコーナー部のみに加熱した粉末を充填していることになり、圧粉体のコーナー部のみの密度あるいは強度を向上させることができるのは明らかです。」と主張している。
しかしながら、甲第1号証の実施例1記載の事項は、トレー内の加熱が均一でないことに起因して、他部に較べてコーナー部が高温になることを示すにとどまり、本件発明1の構成Aについては何等開示するところがないだけでなく示唆するところもない。
また、本件発明1の構成Aについては、甲第2号証及び甲第3号証にも何等記載されていない。
したがって、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明であるとすることができないだけでなく、甲第1号証乃至甲第3号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることもできない。
(2) 本件発明2について
本件発明2は、本件発明1をさらに限定するものであるから、本件発明1と同様に、甲第1号証に記載された発明であるといえないだけでなく、甲第1号証乃至甲第3号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることもできない。
したがって、本件の請求項1及び請求項2に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものであるとする特許異議申立人の主張は採用できない。
4 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立人の主張する特許異議の申立ての理由及び提出した証拠によっては、本件の請求項1及び請求項2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件の請求項1及び請求項2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
粉末成形方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当箇所に加熱された原料粉末を充填することを特徴とする粉末成形方法。
【請求項2】 前記キャビティの上凸部に加熱された粉末を充填することを特徴とする請求項1記載の粉末成形方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末成形方法に関し、特に、圧粉体の上凸部と台座部との間での密度差の減少や部分的な強度の向上を図ることができる粉末成形方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
粉末冶金においては、金属を主成分とする原料粉末を粉末成形装置により成形して圧粉体とし、この圧粉体を焼結炉で加熱して焼結することが行われている。ここで、従来の粉末成形方法の一例について、図9を参照しながら説明する。この粉末成形方法に使用する粉末成形装置の金型1は、ダイプレート2に固定されたダイ3とコアロッド4とロアーパンチ5とアッパーパンチホルダー6に保持されたアッパーパンチ7とからなっており、前記コアロッド4は、ダイ3内に位置している。前記ロアーパンチ5は筒状になっていて、ダイ3とコアロッド4との間に下方から嵌合されるものである。前記アッパーパンチ7は、筒状になっていて、ダイ3とコアロッド4との間に上方から嵌合されるものである。こうしてダイ3、コアロッド4、及びアッパーパンチ7とロアーパンチ5との間にキャビティ8が形成されるようになっている。なお、図中9はロアパンチの下部に突設したフランジ、10はダイ3とダイプレート2の間に設けられるダイ固定枠、11はこのダイ固定枠10とダイプレート2間に設けられる固定枠である。
【0003】
一方、フィーダー12は、下面に開口部13Aを有するフィーダーボックス13にホッパー14が可撓性を有する供給管15を介して接続される。前記フィーダーボックス13は、下面に開口部13Aを有し、この下面開口部13Aは、各パンチ5,7の外周よりも大きくなっている。そして、前記フィーダーボックス13の後部には、フィーダーレバー16が連結されており、このフィーダーレバー16に駆動機構(図示略)が接続されていて、このフィーダーボックス13は、駆動機構により、ダイプレート2及びダイ3上で前後動するようになっている。なお、供給管15は、前記フィーダーボックス13の後部中央の上側に設けられた供給管接続開口部17に接続されている。
【0004】
そして、粉末成形に際しては、図示のようにアッパーパンチ7を上昇させてダイ3から離した状態で、ロアーパンチ5の上方位置へフィーダーボックス13を前進させる。また、原料粉末を貯蔵したホッパー14から供給管15を介してフィーダーボックス13内に原料粉末Pが供給される。これとともに、フィーダーボックス13がダイ3とコアロッド4とロアーパンチ5との間に形成された上方に開口したキャビティ8の前後で1回ないし数回前後に往復して、フィーダーボックス13内からキャビティ8内に原料粉末Pが供給される。キャビティ8内への原料粉末Pの充填が終了すると、フィーダーボックス13が後退してキャビティ8の上方位置から外れる。ついで、アッパーパンチ7が下降してダイ3とコアロッド4との間に嵌合されるとともに、ダイ3が下降して、ダイ3とコアロッド4との間でロアーパンチ5及びアッパーパンチ7により原料粉末Pが圧縮されて固められ、円筒形状の圧粉体ができる。その後、アッパーパンチ7が上昇するとともに、ダイ3がさらに下降して、ロアーパンチ5により圧粉体がダイ3から抜き出される。さらに、前述のようにキャビティ8内への原料粉末Pの充填のためにフィーダーボックス13が前進するのに伴い、このフィーダーボックス13により圧粉体が払い出される。このような成形サイクルが繰り返される。
【0005】
前述した従来の粉末成形方法においては、キャビティ8内に充填された原料粉末Pは、アッパーパンチ7の動作方向が垂直のため、水平方向に移動しにくく、上凸部と台座部との境界で密度差が生じるという問題点がある。成形体の用途によっては凸部や突起など部分的に強度を向上させたい場合もあるが、上述したような従来の粉末成形では、同じ原料粉末を充填して部分的に強度を向上させるのは困難である。
【0006】
本発明は、これらの課題を解決して、圧粉体の上凸部と台座部との間での密度差の減少を図ることができる粉末成形方法を提供することを目的とする。また、本発明は焼結体の強度を部分的に向上させることができる粉末成形方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の粉末成形方法は、金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当箇所に加熱された原料粉末を充填するものである。このような構成を採用することにより、金型部材のキャビティの圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所を形成する部分に加熱された原料粉末を充填し、それ以外の箇所にはこれより低い温度の原料粉末を充填し、前記金型部材により原料粉末を圧縮すると、加熱された原料粉末を充填した部分の密度を向上させることができる。これに伴い、この加熱された原料粉末を充填した部分の強度の向上も図ることができる。
【0008】
また、請求項2の粉末成形方法は、前記キャビティの上凸部に加熱された粉末を充填するものである。このような構成を採用することにより、圧粉体の上凸部と台座部との間での密度の差を減少することができる。
【0009】
【発明の実施形態】
以下、本発明の粉末成形方法の第1実施例について、図1から図3を参照して説明する。なお、本実施例において使用する粉末成形装置の金型1は、前述した図9に示すものと同じ構成を有し、ダイプレート2に固定されたダイ3とコアロッド4とロアーパンチ5とアッパーパンチホルダー6に保持されたアッパーパンチ7とからなっており、ダイ3、コアロッド4、及びアッパーパンチ7とロアーパンチ5との間にキャビティ8を形成するものである。
【0010】
一方、このキャビティ8に原料粉末を充填するフィーダー21は、図1及び図2に示すように下面を開口したフィーダーボックス22を備え、このフィーダーボックス22内には仕切壁23により、第1の粉末室24と第2の粉末室25とが左右に並べて区画形成されている。各粉末室24,25の下面開口は、それぞれキャビティ8の上面開口よりも大きくなっている。また、各粉末室24,25にそれぞれ臨ませてフィーダーボックス22の上面部にはホース接続部26,27が設けられている。これらホース接続部26,27には、それぞれ第1及び第2のホース28,29の一端部が接続されており、これら第1及び第2のホース28,29の他端部は、図示していないが、それぞれ別個のホッパーに接続されており、特に第2のホース29は、オイルヒータなどによる加熱手段を備えたホッパーに接続されており、第2の粉末室25に加熱された原料粉末P2が供給されるように構成されている。この加熱手段を備えたホッパーでの原料粉末P2の加熱温度は、使用される原料粉末の種類にもよるが、約135℃程度である。なお、本実施例においては第2の粉末室25側にヒータ及び温度センサー(図示せず)などを設け、制御手段により第2の粉末室25に供給される加熱された原料粉末P2を保温するように構成してもよい。
【0011】
また、フィーダーボックス22はダイプレート2及びダイ3上を摺動するものであるが、前後動機構31の駆動により前後方向に移動し、左右動機構32の駆動により、前記第1の粉末室24がキャビティ8の上面に重なる位置と、前記第2の粉末室25がキャビティ8の上面に重なる位置との間で左右に移動可能となっている。
【0012】
ここで、これら前後動機構及び左右動機構32の構成を図3に基づいて説明する。33はフレームで、このフレーム33は、平行な左右一対のアーム部34を有している。そして、ダイプレート2上に固定された平行な左右一対のレール35に前記両アーム部34が案内され、フレーム33が前後方向にのみ移動可能となっている。また、前記フレーム33の後部には、ジョイント36を介して駆動レバー37が連結されている。この駆動レバー37は、粉末成形プレスに備え付けられているモータ(図示せず)からの動力をフレーム33に伝達して、このフレーム33を前後方向に駆動するものである。また、このフレーム33の左右のアーム部34間に、前記フィーダーボックス22が支持ロッド41を介して所定範囲を左右方向へのみ移動可能に支持されている。支持ロッド41は、フィーダーボックス22の左右に前後一対ずつ固定されており、アーム部34を摺動自在に貫通して支持してある。そして、両アーム部34がフィーダーボックス22の左限位置及び右限位置を定める。また、前記フレーム33の両アーム部34の後部には、それぞれエアシリンダー42が固定されている。そして、これらのエアシリンダー42の左右に移動するピストンロッド43にフィーダーボックス22の後面中央に設けられた突片44が連結されている。すなわち、両エアシリンダー42がフィーダーボックス22を左右に移動させる駆動源となっている。
【0013】
前記構成につきその作用について説明する。フィーダーボックス22の右側(図1中の下側)の第1の粉末室24内にはホッパーから常温の原料粉末P1が供給され、左側(図1中の上側)の第2の粉末室25内にはオイルヒータなどの加熱手段を備えたホッパーから加熱された原料粉末P2が供給される。そして、粉末成形に際しては、アッパーパンチ7を上昇させダイ3から離した状態で、まずフレーム33に対してフィーダーボックス22が左限位置にある状態で、図1(a)及び図2(a)に矢印Aで示すように、フレーム33とともにフィーダーボックス22が前進し、第1の粉末室24がキャビティ8上に位置する。この状態で、ダイ3が上昇することにより、このダイ3に対してロアーパンチ5が相対的に下降し、それに伴い図2(a)に示すように、第1の粉末室24からキャビティ8内に常温の原料粉末P1が充填される。次いで、図1(b)及び図2(b)に矢印Bで示すように、エアシリンダー42の駆動によりフィーダーボックス22が右側(図示下側)に移動し、第2の粉末室25がキャビティ8上に位置する。この状態で、ダイ3がさらに上昇することにより、図2(b)に示すようにこのダイ3に対してロアーパンチ5が相対的にさらに下降し、それに伴い、キャビティ8の容積が拡大し、先に充填された原料粉末P1上に第2の粉末室25からの加熱された原料粉末P2が充填される。こうしてキャビティ8上には、温度の低い常温の原料粉末P1が下側に、温度の高い原料粉末P2が上側に充填されることになる。その後、図1(b)及び図2(b)に矢印Cで示すように、フィーダーボックス22は、そのままフレーム33とともに後退して、ダイ3から離れる。さらにその後、フィーダーボックス22は、図1(b)に矢印Dで示すように、エアシリンダー42の駆動により左(図示上側)へ移動する。
【0014】
そして、このようにしてフィーダーボックス22が後退した後、アッパーパンチ7が下降してダイ3とコアロッド4との間に嵌合されるとともに、ダイ3が下降して、ダイ3とコアロッド4との間でロアーパンチ5及びアッパーパンチ7によりキャビティ8内の原料粉末P1及びP2が圧縮されて固められ、円筒形状の圧粉体ができる。その後、アッパーパンチ7が上昇するとともに、ダイ3がさらに下降して、ロアーパンチ5により圧粉体がダイ3から抜き出される。さらに、前述のようにキャビティ8内への原料粉末Pの充填のためにフィーダーボックス13が前進するのに伴い、このフィーダーボックス13により圧粉体が払い出される。このような成形サイクルが繰り返される。
【0015】
前記実施例によれば、フィーダーボックス22内に第1の粉末室24及び第2の粉末室25とを左右に並べて区画形成するとともに、フィーダーボックス22を前後方向のみならず左右方向にも移動可能とすることにより、原料粉末の充填に際しては、フィーダーボックス22を前方に移動した後、左(図示下側)に移動させることにより、常温の原料粉末P1をキャビティ8の下側に、これよりも温度の高い加熱された原料粉末P2をキャビティ8の上側に充填することができる。なお、この原料粉末P1及びP2の充填時にキャビティ8に該原料粉末P1及びP2を均一に充填するために、フィーダーボックス22を前後左右に細かく振動させるようにしてもよい。
【0016】
このようにして上側に加熱された原料粉末P2を充填した後、ダイ3とコアロッド4との間でロアーパンチ5及びアッパーパンチ7により原料粉末を圧縮すると、通常はキャビティ8内に充填された原料粉末は、アッパーパンチ7の動作方向が垂直のため、水平方向に移動しにくく、上凸部と台座部との境界で密度差が生じる傾向を示すが、本実施例のようにキャビティ8の上側に加熱された原料粉末P2を充填することにより、加熱された原料粉末P2がその凝集効果により緻密化する傾向を示すので、得られる圧粉体の上下方向での密度差の減少を図ることができる。
【0017】
次に本発明の粉末成形方法の第2実施例について、図4から図8を参照して説明する。本実施例において製造する圧粉体51は、図4に示すように一端面(図示上面)52の中央部に凸部53を有する形状であり、この凸部53は、上面52の周縁部から離れて位置している。また、この圧粉体51は、孔のないものである。このような上面52に凸部53を有する圧粉体51において、例えばこの凸部53の強度のみを向上させたい場合がある。
【0018】
このように強度を部分的に向上させたい場合について前記圧粉体51の場合を例に説明する。図5は、前記圧粉体51の粉末成形金型装置の一例であり、同図において、61はダイ、62はロアーパンチ、63はアッパーパンチであり、前記ダイ61は、圧粉体51の側面を構成するものである。また、ロアーパンチ62は圧粉体51の下面を成形するもので、ダイ61内に下方から上下摺動自在に嵌合されている。一方、アッパーパンチ63は、圧粉体51の上面を成形するもので凸部53に対応した凹部63Aを有し、ダイ61内に上方から摺動自在にかつ挿脱自在に嵌合されるものである。こうしてダイ61、ロアーパンチ62及びアッパーパンチ63によりキャビティ64が形成される。このアッパーパンチ63には、空気抜き用のロッド65が設けられていて、この空気抜き用のロッド65の挿通孔66は、アッパーパンチ63に形成された横穴67に連通している。なお、図5中、68はダイ61を図示しないダイプレートに固定するダイホルダーであり、69は、アッパーパンチ63にボルト70により固定された押さえ板であり、71はアッパーパンチ押さえ、72はアッパーパンチ受け板であり、これらは、アッパーパンチ63を図示しないアッパーパンチプレートに固定するものである。
【0019】
上述したような装置において本発明の方法を適用する場合には、図示しない前述した第1実施例と同じフィーダー21を使用し、図6に示すようにアッパーパンチ7を上昇させダイ61から離した状態で、ダイ61を上昇させることにより、このダイ61に対してロアーパンチ62を相対的に下降させ、ダイ61内に形成されたキャビティ64内に常温の原料粉末P1を充填する。次いで、図7に示すように、ダイ61を図7に示す状態よりもわずかに上昇させることにより、ダイ61に対してロアーパンチ62が相対的にわずかに下降し、それに伴い、キャビティ64の上側にさらに空間が形成され、原料粉末P1上に原料粉末P2を充填する。こうしてキャビティ64内には、温度の低い常温の原料粉末P1上に、これよりも温度の高い原料粉末P2が上側に薄く充填されることになる。
【0020】
その後、図示しないフィーダーボックスを後退させ、ダイ61から離れたら、図8に示すようにアッパーパンチ63を下降してダイ61間に嵌合されるとともに、ダイ61が下降して、ダイ61内でロアーパンチ62及びアッパーパンチ63によりキャビティ64内の原料粉末P1及びP2を圧縮する。この際、アッパーパンチ63による圧縮により主に凹部63A内に原料粉末P2が集中する。このようにして図5に示すような圧粉体51ができる。その後、アッパーパンチ63が上昇するとともに、ダイ61がさらに下降して、ロアーパンチ62により圧粉体51がダイ61から抜き出される。
【0021】
前記実施例によれば、圧粉体51において強度を向上させたい凸部53を形成するアッパーパンチ63の凹部63Aに加熱された原料粉末P2が集中するようにキャビティ64の上側に加熱された原料粉末P2を充填することにより、加熱された原料粉末P2がその凝集効果により緻密化する傾向を示すので、得られる圧粉体51においては、凸部53の強度を特に向上させることができるとともに、それ以外の箇所は、常温の粉末P1により寸法精度良く成形することができる。
【0022】
以上本発明の粉末成形方法について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、成形される圧粉体の形状は適宜変更可能であり、その圧粉体の形状における強度を向上させたい箇所を形成するキャビティの該当箇所に、加熱された原料粉末P2を充填すればよい。さらに、前記第1及び第2実施例においては、第1の粉末室24と第2の粉末室25とが左右に並べて区画形成されている1個のフィーダー21を用いたが、常温の原料粉末P1を供給するフィーダーと、加熱された原料粉末P2を供給するフィーダーとをそれぞれ用いてもよい。また、前記第1及び第2実施例においては加熱された原料粉末P2が上側となるように充填したが、場合によっては加熱された原料粉末P2が下側となるようにしてもよい。さらに、金型1の各部材においては、加熱された原料粉末P2が充填される箇所にのみヒータ及び温度センサーなどを設け、制御手段により金型1の所定の箇所の温度制御を可能としてもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明の請求項1の粉末成形方法は、金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当箇所に加熱された原料粉末を充填するものであるので、金型部材のキャビティにおいて得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所を形成する部分に加熱された原料粉末を充填し、それ以外の箇所にはこれより低い温度の原料粉末を充填し、前記金型部材により原料粉末を圧縮することにより、加熱された原料粉末を充填した部分の密度を向上させることができる。これに伴い、この加熱された原料粉末を充填した部分の強度の向上も図ることができる。
【0024】
また、請求項2の粉末成形方法は、前記キャビティの上凸部に加熱された粉末を充填するものである。このような構成を採用することにより、圧粉体の上凸部と台座部との間での密度の差を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1実施例による粉末成形方法を適用可能な粉末成形装置のフィーダーの動作を示す概略水平断面図である。
【図2】
前記粉末成形装置における粉末充填時のフィーダーの動作を示す図1のE-E線及びF-F線縦断面図である。
【図3】
前記粉末成形装置のフィーダーを示す平面図である。
【図4】
本発明の第2実施例による粉末成形方法により成形する圧粉体を示す斜視図である。
【図5】
前記圧粉体を成形する粉末成形装置を示す全体断面図である。
【図6】
前記粉末成形装置の常温の原料粉末の充填時を示す断面図である。
【図7】
前記粉末成形装置の加熱された原料粉末の充填時を示す断面図である。
【図8】
前記第2実施例の粉末成形装置のプレス時を示す全体断面図である。
【図9】
従来の粉末成形装置を示す全体断面図である。
【符号の説明】
1 粉末成形装置の金型
2 ダイプレート(金型部材)
3 ダイ(金型部材)
4 コアロッド(金型部材)
5 ロアーパンチ(金型部材)
6 アッパーパンチホルダー(金型部材)
7 アッパーパンチ(金型部材)
8 キャビティ
P2 加熱された原料粉末
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第3171321号の明細書を訂正請求書に添付された明細書のとおり、すなわち、次の訂正事項a乃至訂正事項cのとおりに訂正する。
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の減縮を目的として特許請求の範囲の【請求項1】を
「【請求項1】 金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当個所に加熱された原料粉末を充填することを特徴とする粉末成形方法。」
と訂正する。
(2)訂正事項b
訂正事項aの訂正に伴って特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるために段落【0007】を
「【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の粉末成形方法は、金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当個所に加熱された原料粉末を充填するものである。このような構成を採用することにより、金型部材のキャビティの圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所を形成する部分に加熱された原料粉末を充填し、それ以外の箇所にはこれより低い温度の原料粉末を充填し、前記金型部材により原料粉末を圧縮すると、加熱された原料粉末を充填した部分の密度を向上させることができる。これに伴い、この加熱された原料粉末を充填した部分の強度の向上も図ることができる。」
と訂正する。
(3)訂正事項c
同じく訂正事項aの訂正に伴って特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるために段落【0023】を
「【0023】
【発明の効果】
本発明の請求項1の粉末成形方法は、金型部材のキャビティ内に原料粉末を充填した後、前記金型部材により原料粉末を圧縮し圧粉体を成形する粉末成形方法において、得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい部分を形成するキャビティの該当個所に加熱された原料粉末を充填するものであるので、金型部材のキャビティにおいて得られる圧粉体の密度あるいは強度を向上させたい箇所を形成する部分に加熱された原料粉末を充填し、それ以外の箇所にはこれより低い温度の原料粉末を充填し、前記金型部材により原料粉末を圧縮することにより、加熱された原料粉末を充填した部分の密度を向上させることができる。これに伴い、この加熱された原料粉末を充填した部分の強度の向上も図ることができる。」
と訂正する。
異議決定日 2002-05-15 
出願番号 特願平9-135
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B30B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 充  
特許庁審判長 小池 正利
特許庁審判官 宮崎 侑久
加藤 友也
登録日 2001-03-23 
登録番号 特許第3171321号(P3171321)
権利者 三菱マテリアル株式会社
発明の名称 粉末成形方法  
代理人 牛木 護  
代理人 山口 幹雄  
代理人 上代 哲司  
代理人 中野 稔  
代理人 牛木 護  
代理人 二島 英明  
代理人 服部 保次  

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