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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F
管理番号 1064246
異議申立番号 異議2002-70009  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-05-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-01-09 
確定日 2002-07-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3183268号「パチンコ遊技機」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3183268号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
特許3183268号の請求項1〜3に係る発明は、平成4年11月11日に出願した特願平4-325955号(優先権主張平成4年3月31日)の一部を、平成6年6月23日に特許法第44条第1項の規定により分割して新たな特許出願としたものである特願平6-165910号の一部を、平成8年6月19日に同じく分割して新たな特許出願としたものである特願平8-179967号の一部を、さらにまた平成10年9月8日に同じく分割して新たな特許出願としたものであって、平成13年4月27日に特許の設定登録がなされた。
これに対して、特許異議申立人町田彬より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年5月9日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否の判断
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のa〜cのとおりである。
(i)特許請求の範囲の訂正
a.請求項1〜3を下記のとおりに訂正。
「【請求項1】複数の図柄を変動表示できる表示器(L1、L2、L3)を有し、その表示器(L1、L2、L3)の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器(L1、L2、L3)に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となるパチンコ遊技機であって、複数の区分け表示が可能な表示手段を設け、始動口に遊技球が入賞すると図柄可変ゲームが開始され、今回の図柄可変ゲームにおいて、前記表示器(L1、L2、L3)の図柄が変動を開始し、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器(L3)を早期に停止し、一方、最後に停止する表示器(L3)以外の表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、そのリーチ後になって初めて、最後に停止する表示器(L3)の図柄が変動中に、前記表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】揺動可能な指示針を介して何れかの区分を示すことを特徴とする請求項1のパチンコ遊技機。
【請求項3】配列されたランプを介して何れかの区分を示すことを特徴とする請求項1のパチンコ遊技機。」
(ii)発明の詳細な説明の訂正
b.段落【0004】を下記のとおりに訂正。
「【0004】【課題を解決するための手段】請求項1のパチンコ遊技機は、複数の図柄を変動表示できる表示器(L1、L2、L3)を有し、その表示器(L1、L2、L3)の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器(L1、L2、L3)に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となる。又、このパチンコ遊技機には複数の区分け表示が可能な表示手段が設けてある。そして、始動口に遊技球が入賞すると、図柄可変ゲームが開始され、表示器(L1、L2、L3)の図柄が変動を開始する。そして、この図柄可変ゲームにおいて、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器(L3)を早期に停止する。一方、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、そのリーチ後になって初めて、最後に停止する表示器(L3)の図柄が変動中に、表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すので、特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。」
c.段落【0015】を下記のとおりに訂正。
「【0015】【発明の効果】本発明は、リーチ後になって初めて、最後に停止する表示器の図柄が変動中に、表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すので、特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。」

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(i)上記訂正事項aについて検討すると、
「表示器」を「表示器(L1、L2、L3)」とする訂正は、表示器と表示手段と明瞭に区別するものであり、
「今回の図柄可変ゲームにおいて」を「始動口に遊技球が入賞すると図柄可変ゲームが開始され、今回の図柄可変ゲームにおいて」とする訂正は、「今回の図柄可変ゲーム」を限定するものであり、
「リーチ後に」を「最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器(L)を早期に停止し、一方、最後に停止する表示器(L3)以外の表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、そのリーチ後になって初めて、最後に停止する表示器(L3)の図柄が変動中に」とする訂正は、「リーチ後」の構成を限定するものであり、特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。
(ii)上記訂正事項bおよびcは、上記特許請求の範囲の訂正に整合させるために発明の詳細な説明の欄を訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
また、上記訂正事項a〜cは新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法第116号)附則第6条1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
(1)上記2.で示したように訂正が認められるから、本件請求項1〜3に係る発明(以下、「本件発明1〜3」という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記2.(1)(i)訂正a参照)

(2)異議申立ての理由の概要
特許異議申立人町田彬は、証拠として甲第1号証乃至甲第3号証を提出し、
訂正前の請求項1および3に記載の発明は、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号の規定により、特許を受けることができないのものであり、
訂正前の請求項1および3に記載の発明は、甲第1号証および甲第2号証に記載された発明より当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、訂正前の請求項1および3に記載の発明は、甲第1号証または甲第2号証に記載された発明に甲第3号証に記載された発明を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものであり、さらに、訂正前の請求項2に記載の発明は、甲第1号証または甲第2号証に記載された発明に周知技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないのものであって、本件発明の特許を取り消すべき旨主張している。

(3)取消理由の概要
当審が平成14年3月5日付けで通知した取消理由は、本件訂正前の請求項1乃至3に記載の発明は、下記の刊行物1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきというものである。

(4)各刊行物及び甲各号証記載の発明
各刊行物及び甲各号証には、下記の事項が図面と共に記載されている。(i)刊行物1(特開平4-58971号公報)
(ア)「特定入賞口への入賞により複数列の記号を可変的に表示する可変表示装置と、この可変表示の停止時の記号の組み合わせから大当たりかどうかを判定する手段と、大当たり判定時に始動口への入賞により特別遊技を発生させる手段と、特別遊技発生により少なくとも所定の期間は遊技球を受け入れやすい状態に切換わる変動入賞装置と、前記可変表示の組み合わせによる大当たりの発生確率を切換調整しうる確率設定手段とを備えたことを特徴とするパチンコ機。」(第1頁左下欄第5〜14行)、
(イ)「まず、可変表示装置4は第4図に示すように、数字や記号等を表示する3列の可変表示部A,B,Cを構成する7セグメントLED30a,30b,30cが、遊技盤1に取付ける基板31に備えられ、前記特定入賞口6,7に入賞すると、可変表示部A,B,Cの表示が変化して、所定の時間が経過すると、これらの表示が左から順に停止され、これら停止時の各列の表示の組み合わせが、特定の態様、たとえば「7,7,7」となると、大当たりとなり、特別遊技の権利が発生する。」(第3頁左下欄第4〜13行)、
(ウ)「可変表示部A,B,Cの下方に位置して、遊技モード表示部35が取付けられ、この遊技モード表示部35は後述するように、特別遊技の発生により遊技モードがA、B、Cと切換られていくのであるが、この切換モード状態を表示するもので、モード切換に伴い可変表示装置4における可変表示の大当たり発生確率が切換わるようになっている。この実施例では、Aモードのときは大当たりの発生確率が比較的低いが、B,Cモードのときは大当たりの発生確率が非常に高く、直ぐに大当たりが発生するようになっている。」(第3頁右下欄第1〜11行)、
(エ)「可変表示部装置4の数字の組み合わせにより大当たりが発生するが、この大当たりの発生確率を調整するための乱数値の選択を行うのであり、たとえば表示数値が1のときは、大当たりの発生確率は1/240、2のときは1/250、3のときは1/260、4のときは1/270、5のときは1/280、6のときは1/290となるように設定される。ただし、これは第14図にも示すように、前述したように、権利発生時の遊技モードがAのときであって、あとで詳しく説明するが、B,Cモードのときは、一律に大当たりの発生確率は1/20と、非常に高くなっている。したがってモードAについては確率設定が調整可能だが、モードB,Cに関しては調整不可能となっている。」(第5頁左下欄第14行〜右下欄第8行)、
(オ)「第19図(A)(B)のゲーム処理ルーチンは、前記第15図における、特定入賞口6または7への入賞により開始されるもので(ステップ0.16〜0.19参照)、まず可変表示装置4のLEDA,B,Cの回転(可変)表示が開始され、動作状態表示LEDに回転中の文字が表示され、ゲーム中信号がONになると共にサウンド出力がなされる(ステップ4.01〜4.04)。次いで第17図の割り込み処理で読出して保管した乱数値を取出し、大当たりがどうかの判定が行われる。そのため、まず、権利発生フラグ=1かどうかを判断し、フラグが1のときは、遊技モードが後述するBまたはCモードのときで、大当たりの発生確率の高い権利乱数値を選択して、これを実際の乱数値と比較する(ステップ4.06、4.07)。これに対して権利発生フラグ=1でないときは、ステップ4.08〜4.18において、確率設定器90によって選択された設定値1〜6までのどこにあるかを判断し、さらに対応する大当たり乱数値1〜6と、実際の乱数値とを比較し、互いに一致すると大当たりとなり、そうでないときは外れとなる。大当たりのときは大当たり図柄を取出し、そうでないときはハズレ図柄を取り出す(ステップ4.19、4.20)。次いでスップ4.21〜4.23で、一定の停止時間が経過するのを待ち、可変表示装置のLEDA,B,Cの順に図柄を停止させる。この停止図柄は、大当たりか外れかにより異なり、大当たりのときは、例えば「7,7,7」の表示が選択される。そして、大当たりのときは、ステップ4.24で遊技モード表示がAかどうかを判定し、Aのときは、ステップ4.25〜4.28で、権利発生フラグ=1にし、第20図の特別遊技にはいり、遊技モード表示をBに切換え、権利発生ランプを点滅させる。また、遊技モードがAでないときは、ステップ4.29で遊技モード表示=Bかどうかを判定し、Bのときは、ステップ4.30から4.31で特別遊技を行うと共に遊技モード表示をCに切換える。前記ステップ4.29で遊技表示モードがBでないときは(つまり遊技モード=C)、ステップ4.32〜4.36に移行して、特別遊技に移行すると共に、権利発生フラグを0にし、さらに遊技モード表示をAにして、権利発生ランプをOFF、またサウンドをOFFにする。これに対して大当たりでないときは、動作状態表示LEDを普段の表示にして、ゲーム信号出力をOFF、サウンドをハズレ音、また、ハズレウエイトタイム処理を行い(ステップ4.38〜4.41)、元に戻る。」(第7頁左上欄第12行〜右下欄第3行)、
(カ)「パチンコゲームの開始に伴い、遊技域3に打ち出された遊技球が特定入賞口6に入ると、可変表示装置4の各列の可変表示部A,B,Cの表示を変化させ、大当たりゲームへのチャレンジが開始される。ただし有効となる特定入賞口は、特別遊技の発生中は、特定入賞口6から7に切り換わる。したがって、通常時に有効でない特定入賞口7に入賞したときは、可変表示装置4は始動されず、単に入賞球が排出されるにとどまる。可変表示装置4の作動後、可変表示が停止したときの各列の表示の組み合わせが、予め設定されている特定の態様、例えば「7,7,7」になると、大当たりの権利が発生する。」(第9頁右上欄第16行〜左下欄第9行)、
(キ)「ところで、特定入賞口6,7へ入賞することにより、可変表示装置4が作動したときの、大当たりの発生確率であるが、これはそのときの遊技モードによって変化し、第14図にもあるように、Aモードでの発生確率は、そのときの設定にもよるが、1/240〜1/290と低い値になっているが、B,Cモードのときは、1/20と非常に高い値になっている。この遊技モードは特別遊技が発生するたびに切換わり、Aモードのときは大当たりが発生しにくくても、B,Cモードのときは大当たりが発生しやすく、特別遊技への期待感が著しく高められる。したがって、遊技モード表示部35の表示をみながら、現在の遊技モードを把握し、仮にAモードにあるときは、次の特別遊技により、大当たりの発生しやすいB,Cモードが続くので、期待をもちながらモードの切換わるのを待つことができる。」(第10頁左上欄第18行〜右上欄第15行)。
上記(ア)〜(キ)の記載及び図面の記載からみて、刊行物1に記載された発明は以下のようなものであると認められる。(以下、「刊行物1の発明」という。)
「数字や記号等を表示する3列の可変表示部A,B,Cからなる可変表示装置4を有し、その可変表示部A,B,Cの表示が変化して、所定の時間が経過すると、これらの表示が左から順に停止され、これら停止時の各列の表示の組み合わせが、特定の態様、たとえば「7,7,7」となると、大当たりとなるパチンコ機であって、Aモードのときは大当たりの発生確率が比較的低いが、B,Cモードのときは大当たりの発生確率が非常に高い、A、B、Cの遊技モードを表示する遊技モード表示部35を設け、遊技モード表示部35の表示をみながら、現在の遊技モードを把握するパチンコ機。」
(ii)刊行物2(特開昭52-139529号公報)
刊行物2の第4図(a)の数値Yの記載(100,500,1000,5000)および、「アナログ表示により・・・ある程度視覚的、直感的に・・・知ることができる」(第3頁左下欄第1〜3行)の記載からみて、刊行物2における指示針408は厳格に数値Yの特定の数値を示すものであるというよりも、数値Yのいずれかの区分を指示するものであるということができるから、「揺動可能な指示針を介して何れかの区分を示す」構成が記載されていると認められる。
(iii)甲第1号証(特開平3-251279号公報)
(ク)「可変表示器や発光源による変換表示が全て停止する前に、変換表示中の表示窓が所定の表示内容を表示して停止すれば特別態様が形成される準特別態様が形成された状態になったとき、該状態を視覚的・聴覚的手段(例えば縁部発光体25、表示片28、スピーカ59等)によって遊技者に知らせるようにした。」(第2頁右上欄第13行〜第19行)、
(ケ)「パチンコ機1は第1図に示すごとく、額縁状の前面枠2へ球供給皿3等を設けると共に、前面枠2の窓部を後方から塞ぐように遊技盤4を設けてある。なお、前面枠2の窓部には前面ガラス2aを配してあると共に、前面枠2の上部には特別遊技表示ランプ2aを設けてある。前記遊技盤4は表面にガイドレール5で囲まれた遊技部6を有し、該遊技部6内のほぼ中央部には可変表示装置7を、該可変表示装置7の適宜下方には変動入賞装置8を夫々設けてあると共に、遊技部内を流下する打球が入賞可能な入賞口を備える一般入賞具9…、第1〜第3特定入賞具10a〜10c等を適宜に配してある。また、各特定入賞具10a〜10c内には前記可変表示装置7を始動させるための始動スイッチ11a〜11cをそれぞれ設けてあり、該始動スイッチ11a〜11cは各特定入賞具10a〜10cに入賞した入賞球によってオンさせられる。」(第2頁左下欄第12行〜右下欄第9行)、
(コ)「上記した可変表示装置9(「可変表示装置7」の誤記と認められる。)は、第3図〜第7図に示すように、遊技盤4に取り付けるためのネジ孔および方形の開口部を有する取付基板14の開口縁部より前後に適宜延出する所要形状の枠体15を設け、該枠体15の背面側から開口部を閉塞するように前面カバー16を配し、該前面カバー16の背面側へ発光表示面が臨むように発光基板17を配し、該発光基板17の背面側を閉塞するように背面カバー18を設けてある。」(第3頁左上欄第6〜14行)、
(サ)「前記発光基板17の四隅部、例えば左側上部に第1可変表示器21を、左側下部に第2可変表示器22を、右側上部に第3可変表示器23を、右側下部に第4可変表示器24をそれぞれ設けてあり、各可変表示器21〜24はそれぞれ適宜大きさの7セグメントからなる可変表示器によって構成してあり、各種英数字の表示が可能なものとしてある。発光基板17の外縁部には発光ダイオード等によって形成した縁部発光体25…を所要間隔毎に設け、前記第1〜第4可変表示器21〜24を取り巻く疑似的な発光ラインが形成できるようにしてある。」(第3頁右上欄第6〜18行)、
(シ)「すなわち、第7図(b)に示すように第4可変表示窓28aと第3可変表示窓28cの表示内容が共に“7”で、かつ第1,第3可変表示窓28a,28cの間に付置する第1移動点滅表示窓29が点灯したような場合を特別態様と判断するのである。なお、特別態様を形成するための表示内容は“7”に限定されるものではなく、互いに隣接する可変表示窓の表示内容が一致し、かつ当該可変表示窓間に位置する移動点滅表示窓が点灯すればよいものとしてある。また、第1〜第4可変表示器21〜24を停止表示させた際に、隣接する可変表示窓の表示内容が一致し、当該可変表示窓間に位置する移動点滅表示窓が点灯すれば特別態様が形成される準特別態様が形成された場合には、当該可変表示窓の外縁部に位置する縁部発光体25…を点灯もしくは点滅させて、準特別態様の形成されたラインを視覚的に遊技者に知らせるようにしてある(第7図(b)、(c))。なお、第7図(d)に示すように、第1〜第4可変表示窓28a〜28dの表示内容が全て一致した場合には上下左右の各移動点滅表示窓29〜32の何れが点灯しても特別態様が形成されるので、四辺全てに準特別態様が形成されたことになり、全ての縁部発光体25…が点灯もしくは点滅する。」(第5頁左上欄第9行〜右上欄第15行)、
(ス)「また、変換表示を停止させた際の各可変表示器21〜24の表示内容によって準特別態様が形成された場合には、準特別態様形成音をスピーカ59から出力させると共に、遊技盤4に設けた準特別態様表示ランプ4b及び可変表示装置7における準特別態様が形成された当該ラインの縁部発光体25…を点灯もしくは点滅させ、準特別態様が形成されたことを視覚的・聴覚的に遊技者へ知らせる。すなわち、補助遊技中も遊技盤4の遊技部6へ常時弾球される遊技球の落下軌道を注視している遊技者に、準特別態様が形成されたことを視覚的・聴覚的に知らせることで、可変表示装置7への注意を喚起し、特別態様の発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、遊技者は可変表示装置7の表示内容を常に監視していなくても、準特別態様が形成された際には視覚的・聴覚的に準特別態様が形成された状態を知ることができるので、常に可変表示装置7の表示内容と遊技球の落下軌道を注視している必要がなく、長時間パチンコ遊技を続けても疲労感は極く軽微なものとなり、遊技者はパチンコ遊技自体を十分に楽しむことができる。」(第8頁左上欄第12行〜右上欄第14行)。
上記(ク)〜(ス)の記載及び図面の記載からみて、甲第1号証に記載された発明は以下のようなものであると認められる。
「各種英数字の表示が可能な各可変表示器21〜24を有し、第1〜第4可変表示器21〜24の変換表示を停止表示させた際に、隣接する可変表示窓の表示内容が一致し、当該可変表示窓間に位置する移動点滅表示窓が点灯すれば特別態様が形成されるパチンコ機であって、準特別態様が形成された当該ラインを点灯もしくは点滅させる縁部発光体25を設け、各特定入賞具10a〜10cに入賞した入賞球によって可変表示装置7を始動させ、第1〜第4可変表示器21〜24を停止表示させた際に、隣接する可変表示窓の表示内容が一致し、当該可変表示窓間に位置する移動点滅表示窓が点灯すれば特別態様が形成される準特別態様が形成された場合には、当該可変表示窓の外縁部に位置する縁部発光体25を点灯もしくは点滅させて、準特別態様の形成されたラインを視覚的に遊技者に知らせるパチンコ機。」
(iv)甲第2号証(特開平2-277482号公報)
(セ)「この発明は、複数種類の識別情報を可変表示可能な識別情報表示部が複数配設された可変表示装置と、可変表示開始信号発生手段の出力に基づいて前記識別・情報表示部の可変表示を開始し、停止指令発生手段の出力に基づいて識別情報表示部の可変表示を順次停止させる表示駆動制御手段と、前記複数の識別情報表示部が停止したときの表示状態を判定する表示状態判定手段と、該表示状態判定手段から特定表示状態である旨の判定出力があることに基づいて遊技者に所定の価値を付与する所定価値付与手段と、を備えた弾球遊技機に関するものである。」(第1頁右欄第17行〜第2頁左上欄第8行)、
(ソ)「まず、第1図を参照して、この実施例が適用される弾球遊技機の一例としてのパチンコ機について説明する。第1図は、パチンコ遊技機の正面図である。図において、パチンコ遊技機1の額縁状の前面枠2には、扉保持枠3が周設され、該扉保持枠3には、ガラス板4a,4b(第3図参照)を有するガラス扉枠4及び前面扉板5が一側を軸支されて開閉自在に取り付けられている。ガラス扉枠4の後方であって、前記前面枠2の裏面の遊技盤保持枠50(第2図参照)には、遊技盤10が固定部材51によって着脱自在に設けられている。また、前面扉板5の表面には、排出された景品玉を貯留し、かつ打玉の発射位置に一個宛供給する打球供給皿6が固定されている。打球供給皿6の上流側の内部空間には、遊技に関連する効果音を発生する報知手段としてのスピーカー7が内蔵されている。前記前面枠2の下方部には、打球発射機構の一部を構成する操作ハンドル8や、前記打球供給皿6に貯留しきれなかった景品玉を貯留するための余剰玉受皿9が設けられている。このうち、前記操作ハンドル8に対応するように前記前面枠2の裏面には、第2図に示すように打球発射装置71が取り付けられている。打球発射装置71は、取付基板72に集約して設けられ、駆動源としての打球モータ73と、該打球モータ73の回転により往復回動して打玉を弾発する打球杆74と、該打球杆74の往復回動に運動して上下動し、図示しない打球供給装置の玉送り部材を動作させる連動杆75とから構成されている。前記遊技盤10の表面には、発射された打玉を誘導するための打玉誘導レール11aと、該打球誘導レール11aによって誘導された打玉が落下するための遊技領域12を区画する遊技領域形成レール11bがほぼ円状に植立されている。遊技領域12のほぼ中央には、複数の識別情報表示部14a〜14cを有する可変表示装置13が設けられ、該可変表示装置13の下方に入賞空間31を有する可変入賞球装置30が設けられている。入賞空間31は、遊技盤11の表面に対して下端を軸にして開放自在な開閉板32によって覆われている。そして、可変入賞球装置30の開閉板32は、前記可変表示装置13の識別情報表示部14a〜14cの識別情報の組み合わせが所定の特定表示状態となったときに、特定遊技状態となり、所定期間(例えば、30秒経過するまで、あるいは10個の入賞玉が発生するまで)開放するように設定され、その開放している間遊技領域12を落下する打球を受止めるようになっている。そして、入賞空間31内に設けられた特定入賞口33に入賞すると、再度上記した開放状態を繰り返し、特定入賞口33に入賞玉が発生する毎に最高10回繰り返すことができるようになっている。」(第3頁左上欄第20行〜右下欄第12行)、
(タ)「可変表示装置13の前面には、第1図に示すように、その上部には、通常の入賞口18が形成され、その入賞口18の下方には、可変入賞球装置30の開閉板32の開成回数を表示する開成回数表示器17が設けられるとともに、その開成回数表示器17の左右に後述する始動入賞口37a〜37C(「37c」の誤記と認められる。)に入賞した入賞玉数を最高4個まで記憶した旨を報知する始動入賞記憶表示器16a〜16dが設けられている。また、下方部分には、正方形状の開口が開設され、該開口に透明のカバー部材19(第3図参照)が円弧状に取り付けられている。このカバー部材19は、識別情報表示部14a〜14cの表面に描かれた識別情報(図柄)が3つ分見えるような大きさに選ばれるとともに図柄がより大きく見えるような拡大レンズ部19a〜19cが形成されている。また、カバー部材19の左右には、当りラインを表示するライン表示器15a〜15fが配置されている。すなわち、この可変表示装着13においては、カバー部材19から見える3つの識別情報の3つの横方向及び2つの斜め方向において当りラインが設定されており、このため、5つの当りラインのうち、どのラインに大当り(特定表示状態)が出現したか否かを遊技者に報知する必要があるため、ライン表示器15a〜15fが設けられている。また、このライン表示器15a〜15fは、大当りが成立したときだけでなく、大当りが出現する可能性があるときにも点滅してその旨を報知するようになっている。例えば、最後に停止する中央の識別情報表示部14bが可変表示中で左右の識別情報表示部14a、14cが停止しているときに、左右の識別情報表示部14a、14cの上記した5つのライン上のいずれかに大当りの識別情報が表示されているときには、当該ラインを表示するライン表示器が点滅して大当りの可能性があることを遊技者に報知する。」(第3頁右下欄第17行〜第4頁右上欄第12行)、
(チ)「次いで、始動入賞カウンタ(以下、CT4という)の値が「4」か否かが判別され(ステップS4)、「4」でない場合には、CT4に「1」を加算した後(ステップS5)、ランダムデータRD1〜RD3からデータD1〜D3を選出する(ステップS6)。このデータD1〜D3は、SP1〜SP3にそれぞれ対応させる。また、データD1〜D3は、識別情報表示部14a〜14cに表示される識別情報を特定するためのデータでもある。このため、この動作実施例においては、始動入賞口37a〜37cに打玉が入賞した時点で、識別情報表示部14a〜14cに表示される識別情報の組み合わせが決定されることになる。」(第7頁左下欄第17行〜右下欄第10行)、
(ツ)「すなわち、5つのラインのいずれかに前記した「7」「FEVER」「BAR」「SANKYO」の四種類の図柄のうち1つの図柄が揃って表示されているか否かが判別される(ステップS30)。揃っていないと判別された場合には、大当りの可能性がないため、SP2に対応する減速パターンデータが終了したか否かが判別された後(ステップS31)、後述するステップS36に進む。一方、データD1、D3が大当り条件を満たしていると判別された場合には、大当り可能性がある旨をスピーカー7から報知するとともに、ライン表示器15a〜15fでその旨を報知する(ステップS32)。」(第8頁右下欄第5行〜第18行)、
(テ)「一方、選択されたデータD1〜D3が大当り条件を満たしている場合には、タイマTM3をセットする(ステップS42)。このタイマTM3は、大当りとなったことを遊技者に報知するために報知するものであり、例えば、約5秒程度が設定される。しかして、TM3がセットされた後には、TM3が終了するまで大当りである旨をスピーカー7及び遊技効果ランプ41,41b、枠ランプ42a、42bで報知するとともに、ライン表示器15a〜15fで当りラインを表示する(ステップS43、44)。その後、第5C図に示す可変入賞球装置30の動作制御に移行する。」(第9頁右上欄第1〜12行)。
(v)甲第3号証(特開平4-319377号公報)
(ト)「【0005】したがって本発明は、特典を発揮する文字表示となる一歩手前の表示状態のときから表示形態をそれまでと異ならせてゲームの興奮密度をさらに増大させ、一層射幸心を煽ることができる遊戯機用電子表示装置の表示方法を提供することを目的としている。【0006】【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために本発明は、複数桁の日の字状文字表示部が特典を発揮する文字表示となる一歩手前の表示状態となったとき、日の字状文字表示部の表示形態を一異ならせるようにしたものである。この表示形態は、発光輝度がそれまでより一段と明るくするか、発光色が異なるかもしくは点滅表示するようにしたものである。【0007】【作用】本発明においては、ゲーム中であっても文字表示部が認識されよくなり、ゲームの興奮度が増し、射幸心が一層煽られる。【0008】【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明に係わる遊戯機用電子表示装置の表示方法の一実施例を説明する文字表示部の平面図である。同図において、電子表示装置2は、3桁の数字表示部11,12,13が各々独立にランダムに数字「0〜9」を連続して表示しており、上位2桁の数字表示部11,12が数字「7」の固定表示となり、3桁目の数字表示部13のみこれまでと同様に数字「0〜9」をランダムに連続して表示している状態、すなわち特典を発揮する数字表示となる一歩手前の表示状態を示している。【0009】ここで、固定表示となった上位2桁の数字表示部11,12の数字「7」の発光輝度は、それまでの明るさより一段明るくなり、3桁目の数字表示部13はそれまでの明るさのまま表示し続け、偶然3桁目の数字表示13が数字「7」の表示となったときには全桁の発光輝度が揃って一段と明るくなり、その間ゲームの特典を発揮しているものである。【0010】一定時間内に全桁が数字「7」の表示とならず、特典が発揮できなかったときは、上位2桁の数字表示部11,12の数字「7」の発光輝度も元の明るさに戻り、3桁目の数字表示部13は、各々独立にランダムに数字「0〜9」を連続して表示する初期の表示状態に戻る。【0011】前述した実施例では、ゲームとして特典を発揮する一歩手前の表示状熊とになったとき、数字表示部11,12,13の明るさを変えることを説明したが、明るさではなく、例えば通常時には発光色を緑色にしておき、特典を発揮する一歩手前の表示状態となったときには、赤色に発光色を変えることも可能である。【0012】また、日の字状数字表示部11,12,13の発光輝度、発光色の他に表示形態を点滅表示にすることでも、ゲームとしての特典を発揮する一歩手前の表示状態となったことを認識させることができる。【0013】なお、前述した実施例においては、文字表示部の桁数が3桁、数字表示、日の字状表示の場合について説明したが、本発明はこれに制約されることはなく、遊戯機としての必要に応じて適宜採用すればよく、また、文字表示部をアルファベット、図形あるい表などの表示を採用してもよく、さらに前述した実施例についても各実施例を組み合わせた複合状熊の表示を行う場合についてまで敷衍することも可能である。【0014】【発明の効果】以上、説明したように本発明による遊戯機用電子表示装置の表示方法によれば、ゲームとしての特典を発揮する一歩手前の表示状態をなったときから文字表示部の発光色、輝度、点滅表示の表示形熊を変化させてその状態を容易に認識させることができるので、ゲームの興奮度が増し、一層射幸心を煽る遊戯機を提供することができるという極めて優れた効果が得られる。」(第2欄第1行〜第4欄第1行)。

(5)対比・判断
(i)本件発明1と刊行物1および2の発明とを対比する。
(a)本件発明1と刊行物1の発明とを対比すると、
刊行物1の発明における、
「数字や記号等を表示する3列の可変表示部A,B,Cからなる可変表示装置4」、「可変表示部A,B,Cの表示が変化して、所定の時間が経過すると、これらの表示が左から順に停止」、「停止時の各列の表示の組み合わせが、特定の態様、たとえば「7,7,7」となると、大当たりとなる」、「パチンコ機」、「Aモードのときは大当たりの発生確率が比較的低いが、B,Cモードのときは大当たりの発生確率が非常に高い、A、B、Cの遊技モードを表示する遊技モード表示部35」、および、「遊技モード表示部35の表示をみながら、現在の遊技モードを把握する」は、
本件発明1の
「複数の図柄を変動表示できる表示器(L1、L2、L3)」、「表示器(L1、L2、L3)の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲーム」、「表示器(L1、L2、L3)に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となる」、「パチンコ遊技機」、「複数の区分け表示が可能な表示手段」、および、「表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示す」にそれぞれ相当するから、
両者は、
「複数の図柄を変動表示できる表示器を有し、その表示器の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となるパチンコ遊技機であって、複数の区分け表示が可能な表示手段を設け、表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すパチンコ遊技機。」である点で一致するが、下記の点で相違する。
(イ)本件発明1では、始動口に遊技球が入賞すると図柄可変ゲームが開始され、今回の図柄可変ゲームにおいて、「表示器(L1、L2、L3)の図柄が変動を開始し、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器(L3)を早期に停止し、一方、最後に停止する表示器(L3)以外の表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、そのリーチ後になって初めて、最後に停止する表示器(L3)の図柄が変動中に」表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すのに対し、刊行物1の発明は、そのように構成されていない点。
(b)上記相違点について検討する。
上記相違点(イ)については、刊行物2にも記載されておらず、また、従来周知の技術であったとも認められない。
これに対して、本件発明1は上記構成により、「特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。」(段落【0015】)という、顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は、刊行物1および2の発明から当業者が容易に発明をすることができたということはできない。
(ii)本件発明2および3と刊行物1および2の発明とを対比する。
本件発明2および3は本件発明1を引用する発明であり、本件発明1が上記3.(5)(i)に記載した理由により刊行物1および2の発明から当業者が容易に発明をすることができたということはできないことから、本件発明2および3もまた刊行物1および2の発明から当業者が容易に発明をすることができたということはできない。
(iii)本件発明1と甲第1号証乃至甲第3号証の発明とを対比する。
(a)本件発明1と甲第1号証の発明とを対比すると、
甲第1号証の発明における、
「各種英数字の表示が可能な」、「各可変表示器21〜24」、「変換表示を停止表示させた際に」、「隣接する可変表示窓の表示内容が一致し、当該可変表示窓間に位置する移動点滅表示窓が点灯すれば特別態様が形成される」、「パチンコ機1」、「準特別態様が形成された当該ラインを点灯もしくは点滅させる」、「縁部発光体25」、「各特定入賞具10a〜10c」、「可変表示装置7を始動させ」、「第1〜第4可変表示器21〜24を停止表示させた際に、隣接する可変表示窓の表示内容が一致し、当該可変表示窓間に位置する移動点滅表示窓が点灯すれば特別態様が形成される準特別態様が形成された場合」、および、「当該可変表示窓の外縁部に位置する縁部発光体25を点灯もしくは点滅させて、準特別態様の形成されたラインを視覚的に遊技者に知らせる」は、
本件発明1の
「複数の図柄を変動表示できる」、「表示器(L1、L2、L3)」、「図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲーム」、「予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となる」、「パチンコ遊技機」、「複数の区分け表示が可能」、「表示手段」、「始動口」、「図柄可変ゲームが開始され」、「最後に停止する表示器(L3)以外の表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるとき」、および、「何れかの区分を示す」にそれぞれ相当するから、
両者は、
「複数の図柄を変動表示できる表示器を有し、その表示器の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となるパチンコ遊技機であって、複数の区分け表示が可能な表示手段を設け、始動口に遊技球が入賞すると図柄可変ゲームが開始され、最後に停止する表示器以外の表示器の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、何れかの区分を示すパチンコ遊技機。」である点で一致するが、下記の各点で相違する。
(ロ)本件発明1では、表示器は「今回の図柄可変ゲームにおいて、表示器の図柄が変動を開始し、最後に停止する表示器以外の図柄表示器の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器を早期に停止」するのに対し、甲第1号証の発明は、そのように構成されていない点。
(ハ)本件発明1では、表示手段は、「リーチ後になって初めて、最後に停止する表示器の図柄が変動中に、表示手段には特賞となる可能性に応じて」何れかの区分を示すのに対し、甲第1号証の発明は、そのように構成されていない点。
(b)上記相違点について検討する。
上記相違点(ハ)については、甲第2号証では、3.(4)(iv)(タ)にみられるように、「大当りが出現する可能性があるときにも点滅してその旨を報知するようになっている」との記載があるが、これは、「最後に停止する中央の識別情報表示部14bが可変表示中で左右の識別情報表示部14a、14cが停止しているときに、左右の識別情報表示部14a、14cの上記した5つのライン上のいずれかに大当りの識別情報が表示されているときには、当該ラインを表示するライン表示器が点滅して大当りの可能性があることを遊技者に報知する」もので、本件発明1における相違点(ハ)に係る、「特賞となる可能性に応じて何れかの区分を示す」構成ではなく、また、このような構成を示唆するものではない。
そして、上記相違点(ハ)に係る構成は甲第3号証にも記載されておらず、また、従来周知の技術であったとも認められない。
これに対して、本件発明1は上記構成により、「特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。」(段落【0015】)という、顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は、甲第1号証または甲第2号証に記載された発明ではなく、また、甲第1号証乃至甲第3号証の発明から当業者が容易に発明をすることができたということもできない。
(iv)本件発明2および3と甲第1号証乃至甲第3号証の発明とを対比する。
本件発明2および3は本件発明1を引用する発明であり、本件発明1が上記3.(5)(iii)に記載した理由により甲第1号証乃至甲第3号証の発明から当業者が容易に発明をすることができたということはできないことから、本件発明2および3もまた甲第1号証乃至甲第3号証の発明から当業者が容易に発明をすることができたということはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、本件発明1乃至3についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
パチンコ遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の図柄を変動表示できる表示器(L1、L2、L3)を有し、その表示器(L1、L2、L3)の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器(L1、L2、L3)に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となるパチンコ遊技機であって、
複数の区分け表示が可能な表示手段を設け、
始動口に遊技球が入賞すると図柄可変ゲームが開始され、
今回の図柄可変ゲームにおいて、前記表示器(L1、L2、L3)の図柄が変動を開始し、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器(L3)を早期に停止し、一方、
最後に停止する表示器(L3)以外の表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、そのリーチ後になって初めて、最後に停止する表示器(L3)の図柄が変動中に、前記表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すことを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】 揺動可能な指示針を介して何れかの区分を示すことを特徴とする請求項1のパチンコ遊技機。
【請求項3】 配列されたランプを介して何れかの区分を示すことを特徴とする請求項1のパチンコ遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、図柄合わせの図柄表示装置で特賞となるか否かの期待感を与えるパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ遊技機にはLEDや液晶で図柄(数字、文字、模様等)を変動表示する複数の表示器で構成する図柄表示装置が備えられているものがある。例えば、遊技球が始動口に入賞することによって、前記各表示器の図柄の変動が開始され、設定時間経過後、或は遊技者によるストップ釦の操作によって、順次各表示器の図柄を停止して、特賞か否かを判断するものである。或は、遊技球が始動口に入賞することによって、前記各表示器の図柄の変動が開始され、設定時間経過後、或は遊技者によるストップ釦の操作によって、順次各表示器の図柄が停止するが、既に停止して表示された図柄が一致していないときには、特賞とならないため最後の表示器の図柄を早期に停止させる。しかし、同じ図柄で停止した場合には、特賞となる可能性が有るため、最後に停止させる表示器が示す図柄に遊技者は期待を持ちながら遊技を行っている。具体的な例を示せば、遊技球が始動口へ入賞すると、独立した3個の表示器(L1〜L3)は数字(0〜9)を変動表示し、所定時間後に順次或は同時に表示器L1、L2を停止させて、表示器L1、L2が異なる数字で停止したときには特賞とならないため表示器L3を比較的早く停止する。反対に、同じである場合には、期待感を抱かせながら最後の表示器L3の数字を停止させて、3個の表示器(L1、L2、L3)に表れる数字が全て同じである場合には、特賞として処理される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した様に独立した各表示器の図柄が特賞となるか否かの割合は何等遊技者に報知されない。例えば、2個の表示器の図柄が特賞となる組合せで揃った場合、最後の表示器の図柄によって特賞となるか否かは、遊技者にとって興味を引くものであるが、特賞となるかどうか皆目判らず、遊技の興趣を減少させている。
そこで、本発明は遊技者に係る期待感を与えて遊技ができるようなパチンコ遊技機を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1のパチンコ遊技機は、複数の図柄を変動表示できる表示器(L1、L2、L3)を有し、その表示器(L1、L2、L3)の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器(L1、L2、L3)に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となる。又、このパチンコ遊技機には複数の区分け表示が可能な表示手段が設けてある。
そして、始動口に遊技球が入賞すると、図柄可変ゲームが開始され、表示器(L1、L2、L3)の図柄が変動を開始する。
そして、この図柄可変ゲームにおいて、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器(L3)を早期に停止する。
一方、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、そのリーチ後になって初めて、最後に停止する表示器(L3)の図柄が変動中に、表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すので、特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。
【0005】
又、請求項2のパチンコ遊技機は、揺動可能な指示針を介して何れかの区分を示して、遊技者に知らせる。請求項3のパチンコ遊技機は、配列されたランプを介して何れかの区分を示して、遊技者に知らせる。
【0006】
(実施例1)
本発明の実施例を図を参照して説明する。図1は図柄表示装置18を付設したパチンコ遊技機の正面図、図2は表示器の正面図、図3は側断面図を示している。1はパチンコ遊技機の前面枠であって、内側に金枠2が固着されている。この金枠2に開閉自在のガラス扉枠4が取り付けられている。又、該ガラス扉枠4の下部には前面板5が開閉自在に取り付けられていて、この前面板5には景品球を貯留し、且つ遊技球を発射位置に供給するための上皿6が固定されている。操作ハンドル7は上皿6の右下部に、又、上皿6から溢れた遊技球を貯留する下皿8がハンドル7の左部に各々配設されている。前面枠1の裏面には各種の入賞口を備えた遊技板9が取り付けられていて、普通入賞口10〜14、後述する図柄表示装置18の表示器(L1〜L3)の図柄を変動させる始動口15〜17が適宜、配設されている。又、大入賞口19は図柄表示装置18の下部に配設されていて、前記図柄表示装置18で特賞となったとき、一定時間開状態を維持し遊技球を受け入れる。具体的には、特賞のときには大入賞口19は所定時間(例えば30秒)経過するまで開状態を維持するか、或はそれ以前に所定数(例えば10個)の入賞球が発生するまで開状態を維持するように設定してある。又、その間にV入賞口20に入賞があれば、上記動作を設定回数(例えば16回)繰り返す。尚、遊技板9の裏面には、入賞球を処理する機構、景品球を払い出す機構、図柄表示装置18の確率表示器の表示や各種ランプの点灯を制御する制御装置等が設けられているが、よく知られた機構であるため図示を省略する。
【0007】
次に、図柄表示装置18について図2及び図3(図2の断面図)を参照して説明する。図柄表示装置18の頂部には普通入賞口10が設けられていて、その下部にはモータ23の回転軸24に固着された連接体29を介して左右に揺動する指示針26が設けられている。又、30は第2表示部であって、後記で詳述する指示針26の揺動に対応する特賞の可能性を指示するための色、図柄等が描かれていて、30aは特賞となる可能性が高いゾーンで赤色、30bは中間であって橙色、30cは低いゾーンで黄色の色彩が塗ってある。更に、その下部には図示略の制御装置で表示制御される3個の表示器L1、L2、L3が配設されている。尚、指示針26と第2表示部30とで特別態様を示す表示手段としてのアナログ式の表示手段として確率表示器40を構成し、31a、31b、31cは適宜時に点灯するランプである。
【0008】
前記構成に基づく作用について説明する。尚、表示器L1、L2、L3に表示される図柄は数字の0から9とし、特賞は表示器L1、L2、L3の図柄が全て一致したときとする。
このパチンコ遊技機は、始動口15〜17の何れかに遊技球が入ると、図示略の制御装置を介して表示器L1、L2、L3の図柄を変動させ、一定時間経過後、表示器L1、表示器L2、表示器L3の順序で図柄を停止させる、図柄可変ゲームを行う。表示器L2の図柄(停止図柄)が表示器L1の図柄(停止図柄)と一致しないときには、特賞となる可能性はないので表示器L3の図柄を早期に停止させて、次の始動口からの入賞球に対処する。
反対に、表示器L2の図柄(停止図柄)が表示器L1の図柄(停止図柄)と一致した場合(リーチという)には、特賞となる可能性があるので、遊技者の期待感を盛り上げる為に、表示器L2の図柄が表示器L1の図柄と一致した時点で、特別態様を示すために、モータ23を介して指示針26を特賞する可能性に応じて振る。即ち、表示器L3の図柄変動中に特賞になる可能性が1番高い場合には、指示針26を赤ゾーン30aへ、2番目に高い場合には橙ゾーン30bへ、1番低い場合には黄色ゾーン30cへ振る。この確率表示器40の指示針26の動きによって、遊技者は特賞する可能性が表示器L3の変動中に判るので、興趣を増大させながら遊技をすることができる。尚、指示針26を特賞する可能性に応じて、例えば、確率が高い場合には激しく連続して揺動するように構成してもよい。
【0009】
(実施例2)
図4、図5は他の特別態様を示す表示手段としての確率表示器55の例を示すものであって、前記した特賞の可能性を指示針26で指示するのとは異なって、デジタル表示で行い、他は同じであるため説明を省略する。図4は遊技中の図柄表示装置50の正面図を示している。中央部に、図柄として数字の0〜9を表示する3個の表示器L1、L2、L3が縦に配列されていて、該表示器(L1〜L3)の左右には開閉可能な扉53が設けられている。又、図5は扉53を開いた状態を示し、周囲には特賞となる1番高い可能性を示す赤ゾーン55a、中間を示す橙ゾーン55b、低い場合の黄色ゾーン55cに区分けして表示可能なランプを配列して構成するデジタル式の確率表示器55である。
このパチンコ遊技機は、始動口15〜17の何れかに遊技球が入ったときには、該表示器L1〜L3の表示内容を変動し、表示器L1、L2、L3の順序で停止する、図柄可変ゲームを行う。表示器L1と表示器L2の図柄(停止図柄)が一致しないときには、特賞の可能性はないため表示器L3の表示を早めに停止させる。
反対に、表示器L1と表示器L2の図柄(停止図柄)が一致した場合(リーチという)には、特別態様として、表示器(L1〜L3)の左右に開閉可能に設けられている扉53、53を開き、その後、前記したと同様に、変動中の表示器L3の図柄が特賞する可能性が1番低い場合には黄色ゾーン55cのランプを、中間の可能性の時には橙ゾーン55bのランプを、1番高い可能性のときには赤ゾーン55aのランプを点灯する。このことによって、遊技者の興趣を増大させることができる。尚、各ゾーンには3個或は4個のランプが配設されているため、特賞の可能性に応じて各ランプを適宜点灯するように構成してもよいことは前記と同様である。
【0010】
次に、表示器L1、L2、L3に表示される図柄が麻雀に使用する「東、南、西、北、白、溌、中」や花札の各月に対する図柄、或はアルファベット文字の様に順序が予め決められたような図柄を使用する場合について、図2に示す図柄表示装置18について説明する。尚、例として図柄はアルファベット文字とし、表示はA〜Zへ順次表れ、特賞は表示器L1、L2、L3の図柄が一致したときとする。
このパチンコ遊技機は、始動口15〜17の何れかに遊技球が入ると、図示略の制御装置を介して表示器L1、L2、L3の図柄を変動させ、一定時間経過後、表示器L1、表示器L2、表示器L3の順序で図柄を停止する、図柄可変ゲームを行う。表示器L2の図柄(停止図柄)が表示器L1の図柄(停止図柄)と一致しないときには、特賞となる可能性がないので表示器L3の図柄を早期に停止させて、次の始動口からの入賞球に対処する。
反対に、表示器L2の図柄が表示器L1の図柄と一致した場合(リーチという)には、特賞の可能性があるので、遊技者の期待感を盛り上げる為に、特別態様を示すこととし、表示器L3の図柄変更をゆっくりと時間をかけて行うと共に特賞する可能性を表示器を構成する指示針26を介して報知する。具体的な例で説明すると、表示器L1及び表示器L2の表示が共に「J」となった場合には、表示器L3が「J」となるか否かはアルファベットの順でもって予測が可能である。しかしながら、アルファベットの順序を知らない遊技者にとって、いつ「J」が表れるか判らなくて期待度が増さない。そこで、表示器L1と表示器L2が同じ図柄となったとき、表示器L3に表れる図柄に対応して指示針26を揺動する。即ち、表示器L3の図柄が表示器L1、L2と同じ図柄に近付いてきた場合には、指示針26が特賞する可能性の高いゾーンを示すようにする。具体的に例示すれば、表示器L1及び表示器L2が共に「J」で停止した場合に、表示器L3の図柄が「W」のときには、該「W」は「J」から13番目で1番遠い位置であるので、指示針26を黄色ゾーン30cの左端を示し、「X」、「Y」…と順次「J」に近付くに連れて指示針26を右方向(橙ゾーン30b)に振らせ、「J」が表れたとき指示針26は右端の赤ゾーン30aを示す。又、更に表示器L3が変動し、「J」を通りすぎて「K」、「L」…となるに従って左方向に振れ「J」から遠ざかって行ったことを示し、「W」が表れたとき指示針26は左端を示し最も「J」から遠ざかった状態であることを示す。尚、表示器L1、L2、L3の図柄が一致した場合には特賞として対処し、指示針26はその旨を表すために左右に揺動させたり、所定位置に停止させる。一方、表示器L3の図柄が停止して、特賞とならなかったときには、指示針26は特定の位置で待機させる。
【0011】
又、前記した特賞の可能性を指示針26で指示するのとは異なって、図4、図5に示す、特別態様を示す図柄表示装置50のデジタル表示でもって行う。
このパチンコ遊技機は、始動口15〜17の何れかに遊技球が入ったときには、該表示器L1〜L3の表示内容を変動し、表示器L1、L2、L3の順序で停止する図柄可変ゲームを行う。表示器L1と表示器L2の図柄(停止図柄)が一致しないときには、特賞はないため表示器L3の表示を早めに停止させる。
反対に、表示器L1と表示器L2の図柄(停止図柄)が共に「J」で一致した場合(リーチという)には特別態様を示すこととし、表示器(L1〜L3)の左右に開閉可能な扉53、53を開き、その後、前記したと同様に、表示器L3の図柄が「W」の時が「J」から最も遠ざかっているので黄色ゾーン55cの端部のランプを点灯し、順次「X」、「Y」…と「J」に近付くにつれて橙ゾーン55b、赤ゾーン55aへと点灯して行く。反対に、表示器L3の図柄が「J」を通過して「K」、「L」…となるにつれて赤ゾーン55aから橙ゾーン55bへと順次ランプの消灯を行う。
尚、前記した様に、特賞する可能性を遊技者に報知する特別態様を示すことによって、一部の遊技者が知っている図柄を使用することなく、種々の図柄を使用することができる。又、遊技者が熟知していない図柄を選定した場合であっても、図柄の出現順序を図柄の一部に数字等を記入して遊技者に知らせることをする必要がない為、図柄の美観を向上させることができる。又、第2表示部の特賞する可能性は3段階に限定するものではないし、表示器の個数や図柄は前記に限定するものではないし、特賞の条件も全ての図柄が一致する場合に限定するものではないことはいうまでもない。
【0012】
(実施例3)
図6は、特別態様を示す表示手段としての他の確率表示器62を付設した図柄表示装置60の正面図を示し、図柄表示装置60の頂部には普通入賞口10が設けられていて、その下部には確率表示器62が設置してある。この確率表示器62は、表示器(L1、L2、L3)の内、最後に変動停止する表示器L3が表すことができる図柄、本実施例では、数字0〜9に対して可能性があるため、各数字を示すランプ(62a〜62j)が扇状に配列されているデジタル表示をなす。このパチンコ遊技機は図柄可変ゲームを行い、具体的に説明すると、表示器L1、L2、L3は、図1に示す始動口15、16、17の何れかに遊技球が入賞することによって、図示しない制御装置を介して、図柄(数字0〜9の何れかを表示)が変動を開始し、一定時間経過後に乱数等で決められた図柄を表示して、特賞であるかの判断をなす。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、制御装置(図示略)で前記構成の作用について説明する。
始動口15、16、17の何れかに遊技球が入賞したか否かを判断し(ステップ1)、入賞したときには、表示器L1〜L3の各数字の変動を開始する(ステップ2)。そして、所定時間経過後に表示器L1の数字を停止する(ステップ3)。更に、前記ステップ3と同時でもよいが、所定時間経過後に表示器L2の数字を停止する(ステップ4)。次のステップ5では、前記表示器L1の数字(停止図柄)と表示器L2の数字(停止図柄)が一致しているかを判断し、一致しているとき(リーチという)には次のステップ6へ進み、異なっているときには特賞とはならないため、早期に判断をなすステップ7へ進む。ステップ6では、最後に停止する表示器L3に表れる数字を確率表示器62のランプ(62a〜62j)に点灯表示することにより特別態様を示す。例えば、表示器L1、L2が共に「7」のときは特賞となる可能性の組合せであるため、「7」を含んだ「3」と「5」と「7」の箇所のランプ(62d、62f、62h)を点滅する。これによって、遊技者は表示器L3で停止する数字「7」が、確率1/3であることを知りながら遊技をすることができる。又、遊技者は順次変動表示される表示器L3の数字と確率表示器62の点滅ランプ(62d、62f、62h)と見比べながら遊技ができ、数字「3」を通過したとき安堵感と期待感を取得する。そして、次の数字「5」(ランプ62f)で停止するか否かの不安感を得る。そして、数字「5」を通過した瞬間に、遊技者は表示器L3で停止する数字が「7」である確率が大であることが判明し、特賞となることが予測できる。尚、前記表示器L3で表している数字に対応して、確率表示器のランプ(62a〜62j)を順次点灯表示して行くように構成することもでき、遊技者はランプ(62a〜62j)を見ながら特賞となるか、わくわくしながら遊技を行う。そして、ステップ7では所定時間経過後に表示器L3の数字を停止させる。次のステップ8では、表示器L1、L2、L3の停止した数字が、予め決められた数字の組合せと一致するか否かを判断し、一致したときには、ステップ9で特賞として、大入賞口19を所定時間(例えば30秒)経過するまで開状態を維持するか、或はそれ以前に所定数(例えば10個)の入賞球が発生するまで開状態を維持する。反対に、前記ステップ8で表示器(L1〜L3)の図柄が一致しなかった(特賞とならない組合わせ)ときには、最初のステップ1に戻って、新たに、始動口16、17の何れかに遊技球が入賞したか否かを検出している。尚、前記において、確率表示器62のランプ(62a〜62j)には数字「3」、「5」及び「7」を点滅して特賞の確率を1/3としているが、他の個数のランプを点滅させて異なる確率とすることもできる。
又、前記とは異なって図8に示すフローに従って制御装置を介して制御するように構成してもよい。即ち、始動口に入賞したか(ステップ1)を判断し、入賞したときには、表示器(L1〜L3)の図柄を変動して(ステップ2)、確率表示器62に特賞となる可能性を表す(ステップ3)。その後、順次に時間間隔をおいて、或は同時に表示器(L1〜L3)の図柄を停止する(ステップ4、5、6)。そして、ステップ7で特賞であるか否かを判断し、特賞のときには大入賞口19を所定時間(例えば30秒)経過するまで開状態を維持するか、或はそれ以前に所定数(例えば10個)の入賞球が発生するまで開状態を維持する(ステップ8)。反対に、特賞とならなかったときには、ステップ1へ戻る。この様に構成しても、遊戯者に期待感を与えて遊戯をさせることができる。
【0013】
(実施例4)
次に、図9は図柄表示装置60aに他の形式の特別態様を示す表示手段としての確率表示器63を配設したものであって、最後に変動停止する表示器(本実施例ではL3)に表される図柄を表示可能な3個のLED等で形成される表示部63a、63b、63cで構成している。この表示部(63a〜63c)は、図7に示すフローシートのステップ6の段階で、最後に停止する表示器L3に表れる数字を表示することにより特別態様を示す。例えば、表示器L1、L2が共に、特賞となる組合せである「7」のとき、「7」を含んだ「3」と「5」と「7」を表示することによって、遊技者は表示器L3で停止する数字の確率を知ることができ、表示器L3の変動数字と見比べながら、期待感と不安感が入り交じった状態で遊技をすることができる。尚、表示部(63a〜63c)の全てを使用することなく、2個を使用すれば、特賞は確率1/2となり、より特賞となることを遊技者に知らせることができるが、数字以外を表示して特賞とならない旨を知らせるように構成することもできる。尚、その他の制御は、制御装置を介して図7のフローチャートに従って行われる。又、図8に示すフローに従って制御することもできる。
【0014】
(実施例5)
図10は、図6の確率表示器62と図9の確率表示器63を組み合せた特別態様を示す表示手段としての確率表示器68を設置した図柄表示装置60bである。即ち、ランプ(62a〜62j)と表示部(63a〜63c)を配置したものである。この確率表示器68は、図7に示すフローシートのステップ6の段階で、表示部(63a〜63c)に、最後に停止する表示器L3に表れる数字を表示する。例えば、表示器L1、L2が共に「7」のとき(リーチという)、「7」を含んだ「3」と「5」と「7」を表示する。そして、表示器L3に表す数字に対応して、確率表示器のランプ(62a〜62j)を順次点灯して行くことによって、前記したと同様に、遊技者は安堵感と期待感を味わうことができる。尚、ステップ6以外は、図7のフローチャートに従って行われる。又、図8に示すように制御することもできる。
尚、前記実施例は、3個の表示器(L1〜L3)で構成する図柄表示装置において、2個の表示器(L1、L2)が停止して特賞となる可能性がある図柄で停止したときに、確率表示器で特賞となる可能性を示したものであるが、遊技球が始動口に入賞した時に、特賞となる可能性を確率表示器に表すことにより特別態様を示すように構成することもでき、遊戯者に同じ様な期待感を与えることができる。又、1個の表示器で構成する図柄表示装置を備えたパチンコ遊技機は、当然に、遊技球が始動口に入賞したとき、確率表示器に特賞となる可能性を示し、遊技者に対して同様の効果を与えることができるのは言うまでもない。又、前記の何れの実施例において、特賞となる前の段階で、確率表示器には表示器L1、L2の図柄を含むように表示したり、或はアナログ式においても何等かの確率がある場合について説明したが、特賞となる確率がゼロとなる様に、即ち、デジタル式確率表示器においては表示器(L1〜L3)に含まれない図柄を表示したり、アナログ式確率表示器においては指示針を振らない状態とする様に構成してもよい。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、リーチ後になって初めて、最後に停止する表示器の図柄が変動中に、表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すので、特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
パチンコ機の正面図である。
【図2】
図柄表示装置の正面図である。
【図3】
図2の断面図である。
【図4】
他の図柄表示装置の正面図である。
【図5】
図4の図柄表示装置の扉を開いた状態の正面図である。
【図6】
他の図柄表示装置の正面図である。
【図7】
制御装置で制御するフローチャートである。
【図8】
制御装置で制御する他のフローチャートである。
【図9】
他の図柄表示装置を示す図である。
【図10】
他の図柄表示装置を示す図である。
【符号の説明】
15、16、17 始動口
18、50、60、60a、60b 図柄表示装置
26 指示針
30(30a、30b、30c) 第2表示部
40、55、62、63、68 確率表示器(表示手段)
62a〜62j ランプ
63a〜63c 表示部
L1〜L3 表示器
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第3183268号発明の明細書中特許請求の範囲の請求項1を
「【請求項1】複数の図柄を変動表示できる表示器を有し、その表示器の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となるパチンコ遊技機であって、複数の区分け表示が可能な表示手段を設け、今回の図柄可変ゲームにおいて、前記表示器の図柄が変動を開始し、リーチ後に、前記表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すことを特徴とするパチンコ遊技機。」とあるのを、特許請求の範囲の減縮を目的として
「【請求項1】複数の図柄を変動表示できる表示器(L1、L2、L3)を有し、その表示器(L1、L2、L3)の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器(L1、L2、L3)に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となるパチンコ遊技機であって、複数の区分け表示が可能な表示手段を設け、始動口に遊技球が入賞すると図柄可変ゲームが開始され、今回の図柄可変ゲームにおいて、前記表示器(L1、L2、L3)の図柄が変動を開始し、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器(L)を早期に停止し、一方、最後に停止する表示器(L3)以外の表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、そのリーチ後になって初めて、最後に停止する表示器(L3)の図柄が変動中に、前記表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すことを特徴とするパチンコ遊技機。」と訂正する。
特許第3183268号発明の明細書の記載を平成14年5月9日付け訂正明細書のとおり、すなわち、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書原本における、段落【0004】を下記のとおりに訂正。
「【0004】【課題を解決するための手段】請求項1のパチンコ遊技機は、複数の図柄を変動表示できる表示器を有し、その表示器の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となり、複数の区分け表示が可能な表示手段を設け、今回の図柄可変ゲームにおいて、表示器の図柄が変動を開始し、リーチ後に、表示手段には特賞となる可能性に応じて何れかの区分を示す。例えば、図2に示す表示手段(40)において、指示針26は特賞となる可能性が高いときには赤色ゾーンを、低いときには黄色ゾーンを示す。また、図5に示す表示手段(55)においては、特賞となる可能性が高いときには赤ゾーンのランプが、低いときには黄色ゾーンのランプが点灯する。そのため、遊技者は、リーチ後における図柄が変動中において、特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。」を、
「【0004】【課題を解決するための手段】請求項1のパチンコ遊技機は、複数の図柄を変動表示できる表示器(L1、L2、L3)を有し、その表示器(L1、L2、L3)の図柄が可変表示した後に停止する図柄可変ゲームで、表示器(L1、L2、L3)に予め決められた停止図柄が得られた場合に特賞となる。又、このパチンコ遊技機には複数の区分け表示が可能な表示手段が設けてある。そして、始動口に遊技球が入賞すると、図柄可変ゲームが開始され、表示器(L1、L2、L3)の図柄が変動を開始する。そして、この図柄可変ゲームにおいて、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致せず、特賞となる可能性がないときには最後に停止する表示器(L3)を早期に停止する。一方、最後に停止する表示器(L3)以外の図柄表示器(L1、L2)の図柄が一致するリーチになって、特賞となる可能性があるときには、そのリーチ後になって初めて、最後に停止する表示器(L3)の図柄が変動中に、表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すので、特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。」と訂正。
特許第3183268号発明の明細書の記載を平成14年5月9日付け訂正明細書のとおり、すなわち、明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書原本における、段落【0015】を下記のとおりに訂正。
「【0015】【発明の効果】本発明のパチンコ遊技機は、複数の区分け表示された表示手段を介して、遊技者は、リーチ後において、特賞となる可能性が高いか低いかを知りながら遊技ができる。」を、
「【0015】【発明の効果】本発明は、リーチ後になって初めて、最後に停止する表示器の図柄が変動中に、表示手段には特賞となる可能性に応じて、何れかの区分を示すので、特賞となる可能性が高いか否かを知りながら遊技ができる。」と訂正。
異議決定日 2002-06-10 
出願番号 特願平10-253762
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A63F)
P 1 651・ 113- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大森 陽一神 悦彦  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 白樫 泰子
松川 直樹
登録日 2001-04-27 
登録番号 特許第3183268号(P3183268)
権利者 豊丸産業株式会社
発明の名称 パチンコ遊技機  
代理人 犬飼 達彦  
代理人 犬飼 達彦  
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