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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  C25D
審判 一部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  C25D
管理番号 1066021
異議申立番号 異議2001-72205  
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-08-10 
確定日 2002-09-10 
異議申立件数
事件の表示 特許第3135124号「電気めっきのための非伝導性基体を製造するための改善された方法」の請求項4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3135124号の請求項4に係る特許を取り消す。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第3135124号(以下「本件特許」という。)は、平成4年3月16日(優先権主張 平成3年5月1日 米国、平成3年8月19日 米国)に国際出願されたものであって、請求項1〜4に係る発明について特許権の設定登録がなされた後、平成13年8月10日に特許異議申立人 伊藤廣美より、その請求項4に係る特許について特許異議の申立がなされ、その後、平成13年12月12日付けで審判官合議体より特許権者に対して、その請求項4に係る特許について特許取消理由の通知がなされ、これに対して、平成14年4月8日付で特許権者より、上記特許取消理由を承服する旨の特許異議意見書が提出されたものである。

II.本件発明
本件特許の請求項4に係る発明は、明細書の特許請求の範囲の請求項4に記載されたとおりの、次のものである。
「【請求項4】非伝導性表面の電気めっきを増進する際に使用するのに適切な液状分散液であって、(a)分散液中の1.5ミクロン未満の平均粒径を有する伝導性グラファイト粒子、(b)その伝導性グラファイトと融和性である効果的分散量の界面活性剤、(c)その液状分散液のpHを9〜14に上げるのに十分な量の少なくとも一種のアルカリ性水酸化物、及び(d)液状分散媒体を有し、ここで伝導性グラファイトの量は、非伝導性表面の全てをコートするのに十分であり、且つ液状分散液の4重量%未満であり、そしてその液状分散液は10重量%未満の固形成分を含むことを特徴とする液状分散液。」

III.取消理由
一方、上記通知した取消理由の概要は、本件優先権主張日前に頒布された刊行物として、引用例1(特公昭40-13343号公報;特許異議申立書の甲第1号証)、引用例2(植田勇二著「炭素製品」硯學書房(昭和25年6月1日発行)第390〜393頁;同上甲第2号証)、引用例3(特開平1-253653号公報;同上甲第3号証)、及び、引用例4(特開昭62-157647号公報;同上甲第4号証)を提示し、特許異議申立人の主張を引用しつつ、本件特許の請求項4に係る発明は、引用例1〜4に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであり、また、本件特許の請求項4に係る明細書の記載要件について、特許異議申立人の主張を引用し、さらに、伝導性グラファイト粒子を含有した液状分散液については、明細書の記載からみて、請求項4における「非伝導性表面」は、予め「カーボンブラック層」でコーティングされたものであることが必要と認められるので、本件特許の請求項4に係る特許は、特許法第36条第5〜6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるというものである。

IV.その後の経過、及び結論
これに対して、特許権者からは 、平成14年4月8日付で特許取消理由について承服する旨の上記特許異議意見書が提出された他、取消理由通知書で指定した指定期間内に何らの手続がなされず、なおかつ、上記の取消理由は妥当なものである。

V.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許を受けたものであり、また、特許法第36条第5〜6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。したがって、本件請求項4に係る特許は、拒絶をすべき旨の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものであり、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2002-04-18 
出願番号 特願平4-511806
審決分類 P 1 652・ 121- Z (C25D)
P 1 652・ 534- Z (C25D)
最終処分 取消  
前審関与審査官 日比野 隆治  
特許庁審判長 影山 秀一
特許庁審判官 池田 正人
市川 裕司
登録日 2000-12-01 
登録番号 特許第3135124号(P3135124)
権利者 オリン・コーポレイシヨン
発明の名称 電気めっきのための非伝導性基体を製造するための改善された方法  
代理人 西村 公佑  
代理人 高木 千嘉  
代理人 佐藤 辰男  

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