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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G02B
管理番号 1073974
審判番号 不服2002-22462  
総通号数 41 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-11-21 
確定日 2003-04-01 
事件の表示 特願2001- 74393「フレネルレンズ製造用型」拒絶査定に対する審判事件〔平成13年10月31日出願公開、特開2001-305310、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.本願は、平成3年2月4日に特許出願した特願平3-60868号の一部を、平成13年3月15日に新たに特許出願したものであって、その請求項1に係る発明は、平成14年12月19日に補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に特定された次のとおりのものである。
「【請求項1】交差する型レンズ面と型非レンズ面とを有し、且つ同心円状に配置されたプリズム部が刃先斜面と背面とが所定の刃先角で交差した切削刃で切削され、型レンズ面と型レンズ主面との成す型プリズム角Amが外周方向に順次増大するように形成されたフレネルレンズの製造用型において、上記型レンズ面は、型の中心から上記刃先斜面で順次切削して形成されると共に、対応するフレネルレンズにおけるレンズ主面の法線と非レンズ面とのなす角を非レンズ面角Bとしたとき、上記型非レンズ面は、型プリズム角Amと切削刃のバイト刃先角θとの和が略90°になり、切削刃の背面により実質的に鏡面形成される位置より、型プリズム角Amと切削刃のバイト刃先角θとの和が、前記フレネルレンズにおいて、出射した遠軸光が反射されなくなる非レンズ面角B+90°に等しくなる位置までの所定範囲に亘って、上記型レンズ面が上記刃先斜面で切削されてから、少なくとも4°傾くように切削刃の刃先を斜めに送り、該切削刃の背面により、型主面に対して90°を少なくとも4°超える角度に切削されてなることを特徴とするフレネルレンズ製造用型。」(以下、「本願発明」という。)
2.これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した特開平4-248501号公報(以下、「第1引用例」という。)に係る特許第3209345号の請求項2には、以下の記載がある。
「【請求項2】レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組合わせて形成される透過形スクリーンに用いるフレネルレンズシート製造用型であって、前記型は、交差するレンズ面と非レンズ面とを有する複数のプリズムが同心円状に配置され、前記レンズ面は、刃先斜面と刃先背面とが所定の刃先角θで交差した切削刃で、前記同心円中心から上記刃先斜面で順次切削され形成されたフレネルレンズシート製造用型において、前記レンズ面とレンズ主面との成すプリズム角Amが外周方向に順次増大し、同心円中心からAm+θ<90°の位置までの領域である内周部と、切削刃の背面により実質的に鏡面切削される位置である同心円中心からAm+θ=90°の同心円を含むその外側の領域である外周部とから形成され、前記内周部では、非レンズ面はレンズ主面に対して垂直な非鏡面となるように切削され、前記外周部では、前記非レンズ面とレンズ主面の法線との成す非レンズ面角Bに相当する非レンズ面角Bmが、前記フレネルレンズに入射した遠軸光の出光角αより僅かに大きいか、ほぼ等しい角度であり、且つ、非レンズ面がレンズ主面に対して90°を少なくとも4°を超える鈍角の鏡面から形成されてなることを特徴とするフレネルレンズシート製造用型。」(以下、「原特許発明」という。)
3.そこで、本願発明と原特許発明とを対比するに、仮に、後者の「フレネルレンズシート」、「レンズ面」、「非レンズ面」、「レンズ主面」、「プリズム角Am」が、夫々前者の「フレネルレンズ」、「型レンズ面」、「型非レンズ面」、「型レンズ主面」、「型プリズム角」に相当するとしても、両者は、
A前者は、フレネルレンズの用途について言及していないのに対して、後者は、レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組合わせて形成される透過形スクリーンに用いるフレネルレンズシートである点、
B少なくとも4°超える部分が、前者は、Am+θ=90°から外側に所定範囲に亘ってであるのに対して、後者は、Am+θ=90°から外周部である点、
C前者は、Am+θ<90°の内周部について言及していないのに対して、後者は、内周部では、非レンズ面がレンズ主面に対して垂直な非鏡面となるように切削される点
D少なくとも4°超える部分が、前者は、切削刃の刃先を斜めに送り、該切削刃の背面により切削されるのに対して、後者は、製造方法に言及せずに、鏡面から形成される点で相違する。
4.これらの相違点A〜Dについて検討するに、いずれも、当該技術分野における技術常識ないし自明の事項であるとは認められない。
してみれば、本願発明と原特許発明とが同一であるとは言えず、本願請求項1に係る発明は、分割が認められ、その出願日が遡及するから、上記第1引用例は、公知なものではない。
5.したがって、本願請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないとすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2003-03-14 
出願番号 特願2001-74393(P2001-74393)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (G02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山村 浩  
特許庁審判長 高橋 美実
特許庁審判官 國島 明弘
末政 清滋
発明の名称 フレネルレンズ製造用型  
代理人 高矢 諭  
代理人 松山 圭佑  
代理人 牧野 剛博  

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