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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05K |
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管理番号 | 1074101 |
審判番号 | 不服2001-23311 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-12-19 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-12-27 |
確定日 | 2003-04-08 |
事件の表示 | 平成11年特許願第166806号「電子部品の実装方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成12年12月19日出願公開、特開2000-353864、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成11年6月14日に出願された特許出願であって、その請求項1乃至5に係る発明は、平成13年6月20日付、平成13年9月28日付、平成14年1月22日付、及び平成15年3月6日付の手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至5に記載される次のとおりのものと認める。 「【請求項1】 電子部品の突起電極、およびこの電子部品を実装する実装部材の突起電極に、それぞれ液状の導電性接着剤層を設ける工程と、 両導電性接着剤層が互いに相対するように前記電子部品を前記実装部材に搭載し、両導電性接着剤層のセルフアライメント効果により前記電子部品と前記実装部材との位置ずれの補正が行われる工程と、 その後、両導電性接着剤層を硬化させる工程と、 を含むことを特徴とする電子部品の実装方法。 【請求項2】 請求項1に記載の電子部品の実装方法であって、 前記両導電性接着剤の樹脂成分は、共に熱可塑性樹脂、もしくは共に熱硬化性樹脂であることを特徴とする電子部品の実装方法。 【請求項3】 請求項1に記載の電子部品の実装方法であって、 前記両導電性接着剤の樹脂成分が、一方は熱可塑性樹脂であり、他方が熱硬化性樹脂であることを特徴とする電子部品の実装方法。 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の電子部品の実装方法で あって、 前記電子部品は半導体素子であり、前記実装部材は、半導体装置を実装する回路基板であることを特徴とする電子部品の実装方法。 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の電子部品の実装方法であって、 両導電性接着剤を硬化させる工程の後、電子部品と実装部材との間隙に封止樹脂層を設ける工程を含むことを特徴とする電子部品の実装方法。」 2.原査定の理由についての検討 原査定の理由の概要は、本願の各請求項に係る発明は、本願出願前に頒布された刊行物である特開平9-246321号公報(以下、「刊行物1」という)、特開平10-125734号公報(以下、「刊行物2」という)、特開平6-132353号公報(以下、「刊行物3」という)、特開平6-112463号公報(以下、「刊行物4」という)に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたというものである。 そこで、本願の請求項1に係る発明と上記刊行物1乃至4に記載の技術事項を対比すると、 本願の請求項1に係る発明の「電子部品の突起電極、およびこの電子部品を実装する実装部材の突起電極に、それぞれ液状の導電性接着剤層を設ける工程と、両導電性接着剤層が互いに相対するように前記電子部品を前記実装部材に搭載し、両導電性接着剤層のセルフアライメント効果により前記電子部品と前記実装部材との位置ずれの補正が行われる工程」の点は、上記のいずれの刊行物にも記載されていない。 また、セルフアライメント効果を向上させるために、液状の導電性接着剤層を設けた電子部品の突起電極同士を突き合わせることが、上記いずれの刊行物においても、記載も示唆もされていないので、上記刊行物1乃至4に記載の技術事項を寄せ集めても、上記の点に到ることは容易ではない。 そして、本願の請求項1に係る発明は、「突起電極により、外部接続部および実装接続部の表面積が大きくなる結果、これら外部接続部と実装接続部とに付着する導電性接着剤層の量が増大する。しかも、導電性接着剤層は突起電極に付着することで、その横方向に広がることなく、上方(縦)方向に延び出た形状となる。このように、本発明によれば、形成される導電性接着剤層は横方向に広がることなくその量を増大させることができるので、電子部品の小型化に伴って外部接続部の形成ピッチが小さくなったとしても、短絡を起こすことなく確実に電子部品を実装部材に接続することができる。さらには、導電性接着剤層を、上方(縦)方向に延び出た状態にしてその接着剤量を増大させることにより、増量させてその表面張力が大きくなった導電性接着剤層どうしを接触面積を増大させることなく(これは横方向に広がらないことに起因している)、当接させることができるようになり、そのため、セルフアライメントの精度が向上して、電子部品の位置決め精度が高まる。」という独自の作用効果を奏するものである。 したがって、本願の請求項1に係る発明は、上記刊行物1乃至4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 また、本願の請求項2乃至5に係る発明は、本願の請求項1に係る発明を引用するものであるので、上記請求項1に係る発明と同様に上記刊行物1乃至4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3.むすび 以上のとおり、本願については、原査定の拒絶理由を検討しても、その理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2003-03-26 |
出願番号 | 特願平11-166806 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H05K)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 落合 弘之、中川 隆司 |
特許庁審判長 |
蓑輪 安夫 |
特許庁審判官 |
出口 昌哉 鈴木 法明 |
発明の名称 | 電子部品の実装方法 |
代理人 | 岡田 和秀 |