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審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09B 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09B |
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管理番号 | 1074583 |
審判番号 | 不服2001-4122 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1996-02-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-02-13 |
確定日 | 2003-04-11 |
事件の表示 | 平成 6年特許願第209345号「コンピュータ学習の解答判断システム」拒絶査定に対する審判事件[平成 8年 2月27日出願公開、特開平 8- 54819]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成6年8月11日の出願であって、平成13年1月5日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年2月13日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、平成14年6月28日付で拒絶理由通知がなされ、同年8月29日付で手続補正(以下、「本件補正1」という。)がなされ、さらに同年9月19日付で最後の拒絶理由通知がなされるとともに、同年12月2日付で手続補正(以下、「本件補正2」という。)がなされたものである。 なお、本件補正2は、平成6年改正前特許法第17条の2第1項第4号の規定に基づく手続補正である。 2.平成14年12月2日付手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成14年12月2日付の手続補正を却下する。 [理由] (1)補正後の本願発明 本件補正2により、特許請求の範囲の請求項1は 「表示板に表示された単答式の設定質問を見て対応すると思われる解答を正解形式でキィー操作入力で表示し、これに対し正誤の表示をなすようにされたコンピュータ学習の解答判断システムであって、当該設定質問の正解と思われるものの最初の1文字か正解に必要と思われる当該最初の1文字に続く数文字のみを大きめの文字で最初にキィー操作入力で解答し、その合否を表示するようにすることを特徴とするコンピュータ学習の解答判断システム。」 と、また、明細書の段落【0020】は 「当該実施例は表2、表3に加えて,表4を便宜に加えて例示するものであり、当該表4の最右欄に示す様に、この出願の発明による入力途中での解答判断が設定された問題の日本語スペルの最初の大きめの文字の1字、又は、2文字目までを入力(出来れば大きめの文字で)することにより判断する等であり、問題によって異なるが、いずれにしても学習者の学習効率を飛躍的に向上させることが出来るものである。」 と、それぞれ補正された。 そこで、本件補正2が、平成6年改正前特許法第17条の2第2項で準用する同法第17条第2項の規定に違反するか、すなわち、本件補正2が新規事項を含むものであるのかどうかについて、以下に検討する。 (2)判断 請求項1の 「当該設定質問の正解と思われるものの最初の1文字か正解に必要と思われる当該最初の1文字に続く数文字のみを大きめの文字で最初にキィー操作入力で解答し、」 という記載、及び、明細書の段落【0020】の 「この出願の発明による入力途中での解答判断が設定された問題の日本語スペルの最初の大きめの文字の1字、又は、2文字目までを入力(出来れば大きめの文字で)することにより判断する等であり、」 という記載は、いずれも出願当初の明細書又は図面には記載されておらず、また、出願当初の明細書又は図面の記載からみて、自明の事項と認めることもできないから、上記記載は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものではない。 なお、請求人は、平成14年 8月29日付意見書において 「即ち、出願当初の明細書の一部を成す表3,表4には、少なくとも最初の1文字を大きめの文字でキィー表示をしていることが明瞭に認められるものであり、したがいまして、御認定の「出願当初の明細書又は図面には記載されておらず」は著しく失当のそしりを免れないものと思料されます。「(出来れば大きめの文字で)」という記載は、御認定の如く文字入力を出来れば大きめの文字で行うことを示しているものであるとの解釈は、まさにその通りのものでありまして、何等補正の制限には違反しないものであると確信され、それを基に補正された特許請求の範囲の構成の減縮限定を行ったものであります。」(平成14年 8月29日付意見書第1頁11〜18行) と主張している。 上記主張について検討すると、確かに、表3では「たん」、「ナ」、「アル」の文字あるいは文字列が、表4では最右欄の「う」、「じ」、「た」、「す」の各文字が、それぞれ表3あるいは表4中の他の文字よりも大きく記載されたものが示されている。 しかしながら、出願当初の明細書又は図面には、設定質問の正解と思われるものの最初の1文字か正解に必要と思われる当該最初の1文字に続く数文字のみをどのようにして大きめの文字で最初にキィー操作入力で解答するかについては記載されておらず、また、そのようなキィー操作入力それ自体が、この出願前、広く一般に知られている事項であったと認めることもできない。 さらに言えば、表4に示された問題2)の解答として、表4中には、「じ または た」と表記されているが、本来解答として入力されるものはあくまで「じ」または「た」の文字であって、「じ または た」の5文字が入力されるものではないから、この表4中の記載をもって、設定質問の正解と思われるものの最初の1文字か正解に必要と思われる当該最初の1文字に続く数文字のみを大きめの文字で最初にキィー操作入力で解答しているものであると認めることもできない。 してみると、上記表3及び表4における、他の文字に比べて大きめの文字で表現された文字については、従来技術において行われる、解答入力の際に必要とされるフルスペルのうち、本願発明において解答入力が必要である最初の1文字もしくは最初の1文字に続く数文字と、実際には入力されない文字とを区別するために、説明の都合上文字の大きさを変えることにより単に示したにすぎないと判断すべきものであるから、上記請求人の主張は採用することができない。 また、表2中に示されている、「[コンピュータに]」、「[登録してある解答]」、「[従来学習者が]」、及び、「[入力する文字]」、表3中に示されている「炭酸同化作用」、「ナポレオン」、及び、「アルタイ地方」、及び、表4中に示されている、「[コンピュータに]」、「[登録してある解答]」、「[従来学習者が]」、「[入力する文字]」、「[この出願の発明による入力]」、及び、「[途中での解答判断]」は、いずれもそのまま画面表示されるものではなく、したがってこれら表2〜表4の記載が表示画面をそのまま示しているものと認めることもできないから、表2〜表4の記載は、本件出願に係る発明の説明のためのものであると判断すべきものであり、やはり、上記請求人の主張は採用することができない。 したがって、本件補正2は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 (3)むすび 以上のとおり、本件補正2は、平成6年改正前の特許法第17条の2第2項で準用する同法第17条第2項の規定に違反するものであり、平成6年改正前の特許法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本件補正1について 平成14年12月2日付の手続補正は上述のとおり却下された。 平成14年 8月29日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1の記載は、 「表示板に表示された単答式の設定質問を見て対応すると思われる解答を正解形式でキィー操作入力で表示し、これに対し正誤の表示をなすようにされたコンピュータ学習の解答判断システムであって、当該設定質問の正解と思われるものの最初の1文字か正解に必要と思われる当該最初の1文字に続く数文字のみを大きめの文字で最初にキィー操作入力で解答し、その合否を表示するようにすることを特徴とするコンピュータ学習の解答判断システム。」 というものであり、同じく明細書の段落【0020】の記載は、 「当該実施例は前記表2、表3に加えて,次の表4を便宜に加えて例示するものであり、表4の最右欄に示す様に、この出願の発明による入力途中での解答判断が設定された問題の日本語スペルの最初の大きめの文字の1字、又は、2文字目までを入力(出来れば大きめの文字で)することにより判断する等であり、問題によって異なるが、いずれにしても学習者の学習効率を飛躍的に向上させることが出来るものである。」 というものである。 (1)判断 本件補正1の請求項1の記載は、前記2.で検討した本件補正2の請求項1の記載と同じものである。 また、本件補正1の明細書の段落【0020】の記載と、前記2.で検討した本件補正2の明細書の段落【0020】の記載は、本件補正1においては「次の表4を便宜に加えて例示するものであり、表4の最右欄に示す様に、」と記載されている部分が、本件補正2において「表4を便宜に加えて例示するものであり、当該表4の最右欄に示す様に、」と記載されているのみであって、他に相違点は存在しない。すなわち、明細書の段落【0020】の記載については、本件補正1も、本件補正2も、実質的にその意味するところが変わるものではない。 そうすると、本件補正2が、前記2.(2)に記載したとおり、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、本件補正1も、同様の理由により、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 (2)むすび 以上のとおり、本件補正1は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、平成6年改正前の特許法第17条の2第2項の規定において準用する同法第17条第2項に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-01-29 |
結審通知日 | 2003-02-04 |
審決日 | 2003-02-17 |
出願番号 | 特願平6-209345 |
審決分類 |
P
1
8・
561-
WZ
(G09B)
P 1 8・ 55- WZ (G09B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 江塚 政弘、▲吉▼川 康史 |
特許庁審判長 |
砂川 克 |
特許庁審判官 |
津田 俊明 鈴木 秀幹 |
発明の名称 | コンピュータ学習の解答判断システム |
代理人 | 富田 幸春 |