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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 E04B
管理番号 1077169
審判番号 不服2001-22779  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-04-13 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-12-20 
確定日 2003-06-03 
事件の表示 平成 9年特許願第261803号「原子力関連施設の床構造およびその施工方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成11年 4月13日出願公開、特開平11-100935、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 本願は、平成9年9月26日の出願であって、その請求項1〜5に係る発明は、平成14年1月21日付の手続補正書により補正された明細書、及び、図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜5に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「【請求項1】複数の鉄骨ばりで床軸組を構成し、その下側に複数の鋼板床型枠を設置し、前記鋼板床型枠の上に床補強筋として下端補強筋と上端補強筋をそれぞれ配筋し、かつコンクリートを打設してなる原子力関連施設の床構造において、前記鉄骨ばりとしてT形状に形成された複数の形鋼材または組立材が設置され、前記各鋼板床型枠は床鋼板の上にT形状に形成された複数の根太材を前記鉄骨ばりの材軸方向に沿わせて取り付け、かつ前記根太材に当該根太材を前記床軸組に取り付けるための取付金具を所定間隔おきに突設して形成することにより部品化され、前記鉄骨ばりに前記根太材が前記取付金具によって取り付けられ、前記鉄骨ばりと根太材間に所定の隙間が設けられており、かつ前記床補強筋として複数の下端補強筋が前記隙間を貫通し、前記根太材の軸直角方向に沿わせて配筋され、上端補強筋が前記床軸組の上に格子状に配筋されてなることを特徴とする原子力関連施設の床構造。
【請求項2】各床鋼板の周縁部にL字状の継手部がそれぞれ形成され、かつ前記継手部はボルト止めまたは溶接することにより互いに接合されていることを特徴とする請求項1記載の原子力関連施設の床構造。
【請求項3】取付金具は、根太材の上端部にその材軸方向に所定間隔おきに突設され、かつ鉄骨ばりに複数の取付ボルトによってボルト止めされていることを特徴とする請求項1または2記載の原子力関連施設の床構造。
【請求項4】床鋼板に埋込み金物が取り付けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載の原子力関連施設の床構造。
【請求項5】請求項1、2、3または4記載の原子力関連施設の床構造の施工方法において、部品化された複数の鋼板床型枠を設置し、次に前記鋼板床型枠の根太材の上に床補強筋として複数の下端補強筋を前記根太材の軸直角方向に沿わせて配筋し、次にその上に複数の鉄骨ばりを前記根太材の材軸方向に沿わせて設置するとともに、前記鉄骨ばりと前記根太材とを複数の取付金具を介して連結し、次に前記鉄骨ばりからなる床軸組の上に床補強筋として複数の上端補強筋を格子状に配筋し、次に前記鋼板床型枠の上にコンクリートを打設することを特徴とする原子力関連施設の床構造の施工方法。」

一方、原審における拒絶理由通知で提示された各刊行物には、本願各発明の構成要件である、「鋼板床型枠」を「床鋼板の上に根太材を取り付け、該根太材に取付金具を突設したもの」とし、その「取付金具」により「鉄骨ばり(床軸組)」に「鋼板床型枠」に取り付ける点について何等記載されていないし、示唆もない。

本願各発明における「根太材」は「床軸組」を構成するものではない。一方、上記引用刊行物の内、実願昭61-141502号(実開昭63-46513号)のマイクロフィルムには、本願各発明の一部の構成と同一の構成を有するものが記載されているが、この刊行物に記載された「T形鋼19a」は明細書中に「下弦材となる」と記載されているように、あくまで「はり(床軸組)」を構成する部材であって、本願各発明の「根太材」に相当するものとはいえない。

そして、本願各発明は、上記構成と他の構成とが相俟って、明細書記載の作用効果を奏するものである。

したがって、本願各発明は、上記各刊行物記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2003-05-22 
出願番号 特願平9-261803
審決分類 P 1 8・ 121- WY (E04B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 南澤 弘明  
特許庁審判長 山田 忠夫
特許庁審判官 新井夕起子
鈴木 憲子
発明の名称 原子力関連施設の床構造およびその施工方法  
代理人 久門 享  
代理人 久門 知  

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