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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1077476
審判番号 不服2000-2659  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-02-28 
確定日 2003-06-17 
事件の表示 平成10年特許願第162006号「HTMLデータの送受信装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成11年 1月29日出願公開、特開平11- 27643、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 本願発明
本願は、平成10年6月10日(パリ条約に基づく優先権主張 1997年6月10日(KR)韓国)の出願であって、平成12年5月10日に補正されたものであるところ、その請求項1乃至5に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次に掲げるものである。
「【請求項1】 HTMLデータを文字多重放送のデータ形式に変換するHTML変換器と、
放送用のカメラから出力されたRGB信号から生成された複合映像信号と、前記HTML変換器から出力されたHTMLデータのうち、何れか1つを選択して出力するHTML符号器と、
特定チャンネルによって前記複合映像信号及びカラーバースト信号を受けてTV用放送信号に処理して送信するか、もしくは前記HTML符号器の出力及び前記カラーバースト信号に基づき同期信号及び前記HTMLデータにより形成されるHTML放送チャンネルデータを送信する放送装置と、
を具備するHTMLデータ送信装置。
【請求項2】 前記HTML符号器は、前記カメラから出力された前記RGB信号を色副搬送波に変調して、カラーバースト信号及び0〜4.2MHz帯域の複合映像信号〔E(t)〕を生成する複合映像信号発生部と、前記複合映像信号〔E(t)〕及び前記HTML変換器から出力されたHTMLデータをスイッチングするスイッチング部と、を具備する請求項1に記載のHTMLデータ送信装置。
【請求項3】 前記複合映像信号発生部は、前記カメラから出力されたRGB信号から輝度信号及び色差信号を生成するマトリックスと、該マトリックスから出力された輝度信号及び色差信号を、4.2MHz,1.5MHz及び0.5MHzの各々の周波数帯域にてフィルタリングする第1,第2及び第3のローパスフィルタLPFと、前記第2及び第3のローパスフィルタLPFの出力を色副搬送波fscに直交振幅変調QAMした後、前記第1のローパスフィルタLPFの出力と加算して複合映像信号を生成する変調部と、前記色副搬送波fsc及び水平同期信号Hsyncからカラーバースト信号Burstを発生するカラーバースト発生器と、を具備する請求項2に記載のHTMLデータ送信装置。
【請求項4】 チューナから出力された高周波数の複合映像信号を映像中間周波数信号VIFに分離するVIF処理器と、
前記複合映像信号を音声中間周波数信号AIFに分離するAIF処理器と、
前記VIF処理部から入力した映像中間周波数信号VIFをTV映像信号及びHTML信号に復調し、かつ前記HTML信号をスライスしてテキストデータに変換するTVデコーダと、
前記TVデコーダからのテキストデータを入力し、前記テキストデータからHTML映像データ及びHTML音声データを復元するHTMLデコーダと、
前記TVデコーダからのTV映像信号もしくは前記HTMLデコーダからのHTML映像信号を入力してカラー受信管CRTにディスプレイするビデオ出力部と、
前記AIF処理器から出力された音声中間周波数信号又は前記HTMLデコーダから出力されたHTML音声信号を入力してスピーカSPに出力するオーディオ出力部と、
を具備するHTMLデータ受信装置。
【請求項5】 前記HTMLデコーダは、
外部のマイクロコンピュータとデータバス上のデータとを結合するインターフェースと、
前記TVデコーダから入力したテキストデータからHTML映像データ及びHTML音声データを復元するCPUと、
復元された前記HTML映像データ及びHTML音声データを格納するメモリ部と、
キー入力を制御するキー入力制御器と、
前記メモリ部から読み出されたHTML映像データをアナログ信号に変換してオンスクリーン及びグラフィック処理を行うグラフィック処理部と、
前記メモリ部から読み出されたHTML音声データをアナログ信号に変換するD/A変換器と、
を具備する請求項4に記載のHTMLデータ受信装置。」

第2 刊行物発明、及び、本願発明と刊行物発明との対比・検討

1 刊行物
原審の拒絶理由で引用した刊行物1ないし5は次に掲げるものである。
刊行物1:特開平9-083969号公報
刊行物2.特開平6-121292号公報
刊行物3.特開平7-073124号公報
刊行物4.特開昭63-231942号公報
刊行物5.特開平8-228327号公報

刊行物1には、マルチTEXT放送システにおいてTVショッピング番組にて使用される番組制御装置であって、文字多重放送の可能なテレビショッピング番組で、視聴者から希望商品の注文やアンケートの回答を受ける際に、視聴者では電話連絡ではなく内蔵のコンピュータプログラム実行手段(補完番組用プログラム)を介した自動ダイヤルにより注文や回答することにより、電話番号等の誤り操作を無くすものであり、コンピュータプログラムを「スクリプト」としている点が記載されており、
刊行物2には、マイクロコンピュータからのTEXTをTEXT放送信号に変換し、TEXT信号をビデオ信号に挿入し、それによりTEXTと共にビデオ信号をRF信号として送信する技術を使用したビデオ送信システムであって、パソコンで作成した文字等を文字放送方式の信号に変換し、テレビジョン信号に適宜に重畳し、テレビジョン放送の空きチャンネルを利用して放送するようにした文字画像伝送システムが記載されており、
刊行物3には、パソコンに使用するビジネス用ソフトウェアやゲームソフト等を文字放送信号に変換し、テレビジョン信号に重畳して放送することにより視聴者に提供するもので、視聴者はパソコン専門店に行って購入しなくても、解読及び識別等の処理した後に文字信号に復号し、そのソフトウェアを自己のパソコンに使用できるようにしたものが記載されており、
刊行物4には、インタリーブされた合成ビデオ信号から同時にアクセスを可能にする多数のテレビフィールドの内から選択可能な1つを表示可能にするシステムおよびデータを映像領域に記録する点が記載されており、
刊行物5には、AM(振幅変調)放送を利用したデータ放送方式において、パケット化したデータ放送用データをVBI(垂直帰線区間)、あるいは映像領域に記録し、さらにAMに再変調してケーブルで送出することで、AM共同受信施設でもデータ放送を利用できるようにしたものが記載されている。
また、拒絶査定において提示された、文献1(日経エレクトロニクス、1-15,1996,P18,「インターネットでテレビ放送」)及び文献2(WEBスタジオ No.03/1997 May-Jun,pp114-117)には、“Bitcast”及び“Intercast”についてであって、“TELETEXT”等のWebコンテンツ、WWWの放送データはVBI区間に多重され、TV受像機に表示する点が記載されている。

2 本願発明と刊行物発明との対比・検討
本願発明と刊行物1ないし5および文献1,2のもの(以下、「刊行物等」という)とを対比・検討すると、刊行物等の発明は、本願発明における次に掲げる主要な事項を具備していないし、刊行物等には、この主要な事項を示唆する記載もなされていない。
「放送用のカメラから出力されたRGB信号から生成された複合映像信号と、前記HTML変換器から出力されたHTMLデータのうち、何れか1つを選択して出力するHTML符号器と、特定チャンネルによって前記複合映像信号及びカラーバースト信号を受けてTV用放送信号に処理して送信するか、もしくは前記HTML符号器の出力及び前記カラーバースト信号に基づき同期信号及び前記HTMLデータにより形成されるHTML放送チャンネルデータを送信する放送装置」(請求項1ないし3)
「VIF処理部から入力した映像中間周波数信号VIFをTV映像信号及びHTML信号に復調し、かつ前記HTML信号をスライスしてテキストデータに変換するTVデコーダ」(請求項4ないし5)
そして、上記主要な事項により、本願発明は、明細書記載の顕著な効果を奏するものである。
したがって、本願発明は、刊行物等の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということができない。
また、前置報告書にて提示された文献(特開昭59-51585号公報、特開昭49-84728号公報)にも上記主要な事項についての記載も示唆もないし、特許請求の範囲の記載にも不備はない。

第3 むすび
以上、本願発明は、刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということができない。
また、他に本願発明に係る特許を拒絶する理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2003-06-03 
出願番号 特願平10-162006
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 藤内 光武梅本 達雄  
特許庁審判長 原 光明
特許庁審判官 酒井 朋広
橋本 恵一
発明の名称 HTMLデータの送受信装置  
代理人 樋口 外治  
代理人 石田 敬  
代理人 下道 晶久  
代理人 鶴田 準一  
代理人 西山 雅也  

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