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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E06B
管理番号 1077796
異議申立番号 異議2001-73564  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-08-12 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-12-27 
確定日 2003-03-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3196064号「引違いサッシの召合せ部水密構造」の請求項1及び請求項2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3196064号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第3196064号の請求項1に係る発明は、平成8年1月31日に出願されたものであって、平成13年6月8日にその特許の設定登録がされ、その後、平成13年12月27日に三協アルミニウム工業株式会社より、特許異議の申立てがあり、平成14年7月5日(発送日)に取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年9月3日に特許異議意見書の提出と共に訂正請求がされ、さらに平成14年10月1日(発送日)に審尋され、これに対して平成14年10月31日に上記異議申立人から回答書が提出されたものである。

II.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下の(イ)〜(ホ)からなる。
(イ)特許明細書の特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(ロ)特許明細書の特許請求の範囲の請求項2を、
「【請求項1】 サッシ枠に内障子と外障子を面内方向に移動自在に装着した引違いサッシにおいて、
前記サッシ枠を構成する下枠における内・外障子の召合せ框と対向した位置に、上面が長手方向に不連続で、その不連続部分を下面まで連続する排水部を有する風止部材を取付け、また、前記下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、 前記凹部における内・外障子の召合せ框と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の下方に風止部材の排水部を前記中空部に開口する第1次排水孔を形成し、さらに、この第1次排水孔を前記下枠の下方に設けた前記中空部の室外側に開口させる第2次排水孔に連通させる構成にし、
内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密にしたことを特徴とする引違いサッシの召合せ部水密構造。」と訂正する。
(ハ)特許明細書の段落【0006】の「この風止部材の排水部を室外側に開口させる排水孔を下枠に形成し、内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密したことを特徴とする引違いサッシの召合せ部水密構造である。第2の発明は、第1の発明の下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、前記凹部における内・外障子の召合せ部と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の底部に風止部材の排水部を中空部に開口する第1次排水孔を形成し、前記下枠には中空部を室外側に開口する第2次排水孔を形成した引違いサッシの召合せ部水密構造である。」(特許公報3欄20〜32行)を
「また、前記下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、
前記凹部における内・外障子の召合せ框と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の下方に風止部材の排水部を前記中空部に開口する第1次排水孔を形成し、さらに、この第1次排水孔を前記下枠の下方に設けた前記中空部の室外側に開口させる第2次排水孔に連通させる構成にし、
内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密にしたことを特徴とする引違いサッシの召合せ部水密構造である。」と訂正する。
(ニ)特許明細書の段落【0007】及び段落【0036】の「第2の発明によれば、」(特許公報3欄44〜45行及び特許公報8欄1行)を「さらに、」と訂正する。
(ホ)特許明細書の段落【0012】の「下レール」(特許公報4欄29行)を「外レール」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項(イ)は、請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としたものであり、訂正事項(ロ)は、訂正事項(イ)の請求項1の削除に伴い、訂正前の請求項1を引用する請求項2を独立形式に訂正し、請求項1としたもので、そのため表現上一致させ又は対応するようにし、明りようとしたものであるから、明りようでない記載の釈明を目的としたものである。
訂正事項(ハ)及び(ニ)は、特許請求の範囲の記載を訂正したことに伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であり、明りようでない記載の釈明を目的とするものであり、訂正事項(ホ)は、誤記の訂正を目的とするものである。
そして、訂正事項(イ)〜(ホ)は、それぞれ、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであるとはいえない。

3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。

III.特許異議申立てについて
1.本件請求項1に係る発明
上記II.2.及び3.で示したように、上記訂正が認められるから、本件特許第3196064号の請求項1に係る発明(以下、「本件請求項1に係る発明」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりであり、上記II.1.(ロ)に記載されるとおりのものである。

2.取消理由の概要
取消理由は、上記異議申立人が提出した甲第1号証(実願昭59-107350号(実開昭61-22891号)のマイクロフィルム)を刊行物1として、同じく甲第2号証(特開昭60-250189号公報)を刊行物2として、同じく甲第3号証(特開平7-243287号公報)を刊行物3として、それぞれ引用し、訂正前の本件請求項1に係る発明は、その出願前に国内で頒布された刊行物1及び2記載の発明に基いて、また、訂正前の本件請求項2に係る発明は、その出願前に国内で頒布された刊行物1〜3記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の本件請求項1及び2に係る発明の特許は、いずれも特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものであるとしている。

3.刊行物1〜3の記載事項
(刊行物1)
第1実施例として、嵌め殺し障子B′と、面内方向に転動する障子Bとからなるものが記載され、
「本考案は斯様な装置を用いて障子Bを降下させたとき、召合せ框1dの部片4が下枠2aに設けた風止め材5に当接して障子下部の風止めを行うものである。
風止め材5は下枠2aの召合せ部中央に螺子止めした風止め基板6の上面中央に設けた切欠縁7に係合止着した合成ゴム体(或いはスポンジその他の弾性体が良い)で成り、この風止め材5を接離する部片4は前記召合せ框1dに設けた煙返しで構成するのである。
図示8は下框1aに設けた気密材で、この気密材8は障子閉鎖時に下枠2aに圧接し、しかも、該一部は前記風止め基板6の側縁に設けた曲縁6′を係離するようになっている。」(4頁5〜18行及び第1〜5図)と記載されている。
また、第2実施例として、面内方向に転動する外障子B及び内障子Bとからなるものが記載され、
「第6図および第7図は引違い障子の場合を示す。
しかして、操作装置Cを操作して障子Bを降下すなわち閉鎖状態にすると、……障子下部においては、部片4および気密材4´が風止め材5に当接して風の侵入を防ぐ一方、気密材8が下枠2aに喰い込んで気密状態が維持されるのである。」(5頁20行〜6頁13行)及び
「本考案によれば、雨風の侵入を防ぐことができるから、尚一層実用的な障子装章を提供できる。」(7頁5〜7行)と記載され、
第6図には、「窓枠を構成する下枠2aは、内障子Bと外障子Bとがそれぞれ転動する内障子下部案内レール3と外障子下部案内レール3を有し、内障子下部案内レール3と外障子下部案内レール3との間は凹部となり、この凹部よりも下部に中空部を有する形状となっており、風止め基板6は、前記凹部に取付けられていること。」が記載されている。
以上の記載によれば、刊行物1には、第1実施例を参酌した第2実施例として、
「窓枠に内障子Bと外障子Bを面内方向に移動自在に装着した引違い障子において、前記窓枠を構成する下枠2aにおける内・外障子B,Bの召合せ框1dと対向した位置に上面に風止め材5を備えた風止め基板6を取付け、また、前記下枠2aを内障子下部案内レール3と外障子下部案内レール3、この内障子下部案内レール3と外障子下部案内レール3との間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、前記凹部における内・外障子B,Bの召合せ框1dと対向した位置に前記風止め基板6を取付け、内・外障子B,Bの召合せ框1dの部片4下面を前記風止め基板6の上面の風止め材5に接して水密にした引違い障子の召合せ部水密構造。」という発明が記載されていると認められる。
(刊行物2)
「1.下枠の基板に段壁を形成して低段板と高段板を設け、その低段板には外レールを、高段板には内レールを夫々立設し、外障子下部室内側面と段壁間を外障子用パッキングで、内障子下部室内側面と雨返し片間を内障子用パッキングで夫々塞ぐようにしたサッシにおいて、障子閉鎖時に内障子召合せ框下端と下枠の基板間の隙間を前記内、外障子用パッキングに連続して塞ぐようにした塞ぎ部材を下枠の召合せ部又は内障子召合せ框に設け、この塞ぎ部材の内障子閉鎖側へ間隔をあけた位置には、外障子召合せ框と内レール及び前記段壁間における障子閉鎖時の内障子召合せ框下部と下枠の基板間の少なくとも上部を塞ぐようにした隔壁ピースを下枠に止着し、この隔壁ピースと塞ぎ部材間には内レールより室外側の高段板を無くして内障子召合せ框下に水落し空間を設け、この水落し空間が室外と等圧になるように外障子外側と連通させて成ることを特徴とするサッシ召合せ框下部の気密構造。
2.下枠は、障子閉鎖時に内障子召合せ框下方に位置する高段板の、内レールより室内側部分に水抜孔を備え、この水抜孔の下方を水落し空間に連通させて成ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のサッシ召合せ框下部の気密構造。」(1頁特許請求の範囲)、
「実施例
第1〜4図において、
・・・
このような構成によれば、・・・障子閉鎖状態で、室外から内障子召合せ框17下部へ雨水が吹き付けたとき、この雨水は隔壁ピース21を直接濡らすに止まり、更に雨水が外障子召合せ框22の煙返し22aや内障子召合せ框17下端と隔壁ピース21との隙間から水落し空間23に浸入しても、水落し空間23が外障子12下部の等圧空間P1と連通して室外と等圧空間となっているため、雨水はこの水落し空間23に溜まることなく下枠1の外レール6に沿って流れ、外レール6の排水孔25から排水されて、塞ぎ部材18、19に雨水は殆んどかからず、従って気水密性を安定かつ向上させる。」(2頁左下欄18行〜4頁左上欄2行)及び
「他の実施例
第5〜8図において、下枠1はその高段板5が内レール7より室外側へ突出されて先端に外障子用パッキング15aの装着溝15が下枠1全長に亙って形成され、閉鎖時の外障子12と対向する装着溝15に外障子用パッキング15aが装着されている。この下枠1の内レール7の室外側の高段板5は、閉鎖時の内障子召合せ框17下端と対応している部分が内障子召合せ框17の幅の約2/3程度の長さ(第6図に示すL)に亘って切欠かれている。この切欠部の一端15A(第6図右側)には高段板5の内レール7より室外側に外障子用パッキング15aの装着溝15を上下から挟んで前記実施例同様のひれ片19bを備えた塞ぎ部材19が取付けられ、また、内レール6よりも室内側の高段板5にも塞ぎ部材18が取付けられ、夫々前記実施例同様閉鎖時には、内障子召合せ框17の開放方向寄りの下端の気密ピース17aとひれ片18a、18b、19b上端が接し、ひれ片19bの室外側端は外障子召合せ框22の室内側片22bと接するようになっている。また、切欠部の他端15B(第6図左側)には、隔壁ピース21Aが取付けられ、この隔壁ピース21Aは取付座21Aaと一体の厚さtの本体21Abと、この本件21Abの両側から上方及び室外側へ突設されたひれ片21Acを備え、本体21Abの室内側部は第8図に示すように下枠1の段壁2aの凹部に嵌合されるように略台形の凸部21Adに形成されている。ひれ片21Acの室内側端及び本体21Abの凸部21Adへ連続する端部は内レール7の室外側面と下枠1の垂直壁8とに夫夫当接し、またひれ片21Acの上端は閉鎖時に内障子召合せ框17下端の、内障子閉鎖方向端寄り部分と接すると共に外障子召合せ框22下部室内側片22bと接するようにしてあり、外障子召合せ框22と内レール7及び段壁2a間における障子閉鎖時の内障子召合せ框17下部と下枠1の基板3間の少なくとも上部が塞がれる。こうして塞ぎ部材18、19と隔壁ピース21Aによって、障子閉鎖時に内障子召合せ框17下方に内レール7より室外側に高段板5が存在せず、水落し空間23が形成され、この水落し空間23は隔壁ピース21Aの下部と低段板4間の充分な空気通路及び、前記実施例同様外障子下方の等圧空間P1と連通してやはり等圧空間になっている。
このような構造によっても、室外からの雨水は隔壁ピース21Aを直接濡らすにとどまり、万一、この隔壁ピース21Aのひれ片21Acと外障子召合せ框22及び内障子召合せ框17との接触面(シール部分)より雨水が水落し空間23へ浸入しても、水落し空間23が室外と等圧なので、雨水は水落し空間23内に溜まらず下枠1の低段板4上へと落下して室外へ排出され、塞ぎ部材18、19を雨水が濡らすことを防止でき、そのシール性を向上させる。」(4頁左上欄20行〜右下欄14行)と記載されている。
(刊行物3)
「図1は本発明に係る引き違いサッシの一部省略横断面図、図2は本発明に係る引き違いサッシの一部省略縦断面図である。引き違いサッシは外障子1と内障子2とから構成され、外障子1は、図示しないガラスを上框7a、下框8a、戸先框9aおよび召合框10aからなる縦框で囲繞して形成され、一方、内障子2も、図示しないガラスを上框7b、下框8b、戸先框9bおよび召合框10bからなる縦框で囲繞して形成される。……下枠4には内外障子1、2の摺動方向に嵌合溝4cが形成されており、嵌合溝4cには外障子1の下框8aに設けたローラ11a、内障子2の下框8bに設けたローラ11bが、それぞれ摺接するレール12a、12bが嵌入敷設してある。」(2欄31〜45行)、
「下枠4は形材4a、4bを係合させて構成されていると共に、所望箇所に外気導入角孔16a、16b、16cを形成して下枠4内に中空状の一体的な空間を形成してある。下枠4の室外に面する所望部位には室外と枠内空間とを連通する外気導入角孔16dを設け、さらに下枠4には下枠4と障子1、2の下框との取り合い部に室内側から臨む外気導入スリット17a、17bが形成してあり、角孔16d、スリット17a、17bから下枠4内に外気を導入して下枠4内を室外と略等圧にしている。……外障子1、内障子2の下框8a、8bと下枠4との取り合い部位から侵入した水滴をスリット17a、17bから外気と略等圧である下枠内に逃がすようになっているので、気密ゴム部18から室内に水滴が侵入しないようになっている。下枠4の底部は室外側に向かって緩い傾斜を有しており、斜面に沿って角孔16b、16c、16dが形成してあるので、上記角孔を介して水滴が排出されるようになっている。」(3欄9〜28行及び図2、3)及び
「図4の平面図に示すように水密ブロック19の中空部19aは召合框10bの中空部10cの下方に位置している。水密ブロック19の中空部19aは下枠内空間と連通されており、召合框10bの中空部10cは上下両端部に形成した外気導入孔22を通じて上枠内空間と連通している。水密ブロック19の室外に面する部位は十分な立上り寸法を有しており、水密ブロック19は召し合わせ部位下方における水滴の侵入に対する堰となり、水返しとしての機能を有する。水密ブロック19の背面の下枠4には水抜き用孔20が形成してあり、万一、水滴が水密ブロック19の背面にまで侵入した場合であっても、水抜き用孔20から排出され、室内に侵入しないようになっている。尚、本実施例においては、水密ブロック19とその背面に位置し水抜き用孔20を形成した部位は一体として形成され、下枠4に一体的に組み込まれている。」(4欄27〜42行及び図1、3、4)と記載されている。

4.対比・判断
本件請求項1に係る発明と刊行物1記載の発明とを対比すると、
刊行物1記載の発明の「窓枠」、「引違い障子」、「風止め材5を備えた風止め基板6」、「内障子下部案内レール3」及び「外障子下部案内レール3」は、本件請求項1に係る発明の「サッシ枠」、「引違いサッシ」、「風止部材」、「内下レール」及び「外下レール」に相当しており、両者は、
「サッシ枠に内障子と外障子を面内方向に移動自在に装着した引違いサッシにおいて、前記サッシ枠を構成する下枠における内・外障子の召合せ框と対向した位置に風止部材を取付け、下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、前記凹部における内・外障子の召合せ框と対向した位置に風止部材を取付け、内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密にした引違いサッシの召合せ部水密構造。」である点で、一致しているが、
(1)本件請求項1に係る発明は、風止部材が、上面が長手方向に不連続で、その不連続部分を下面まで連続する排水部を有するものとしているのに対して、刊行物1には、そのような構造が記載されていない点、及び
(2)本件請求項1に係る発明は、凹部の下方に風止部材の排水部を中空部に開口する第1次排水孔を形成し、さらに、この第1次排水孔を下枠の下方に設けた中空部の室外側に開口する第2次排水孔に連通させるようにしているのに対して、刊行物1には、そのような構造が記載されていない点、で相違している。
そこで、上記相違点について検討すると、
相違点(1)について
刊行物2には、ひれ片18a、18b、19bを備えた塞ぎ部材18、19とひれ片21Acを備えた隔壁ピース21Aとの間に水落し空間23を設け、隔壁ピース21Aのひれ片21Acと内障子召合せ框17及び外障子召合せ框22との接触面より雨水が浸入しても、雨水を水落し空間23より下枠1の低段板4上へ落下して外レール6の室外側に開口した排水孔25から室外へ排出し、そのシール性を向上させた引違いサッシの召合せ部水密構造という発明が記載されている。そして、刊行物2記載の発明の「水落し空間23」は、本件請求項1に係る発明の「排水部」に相当し、刊行物2記載の発明も塞ぎ部材18、19と隔壁ピース21Aとで、内・外障子の召合せ部の水密手段を構成するものであり、隔壁ピース21Aのひれ片21Acと塞ぎ部材18、19のひれ片18a、18b、19bは長手方向に不連続で、その不連続部分に排水部を設けたものということができるから、上記相違点における本件請求項1に係る発明の事項は、刊行物1記載の発明に刊行物2記載の発明を適用することによってなし得られるもので、かくすることは、当業者であれば必要に応じて容易になし得ることにすぎない。
相違点(2)について
刊行物3には、サッシ枠を構成する下枠4は、内障子用のレール12bと外障子用のレール12aを有し、これらレール12a、12bの間の下部を中空部とした形状であって、下枠4における内・外障子2、1の召し合わせ部と対向した位置に、水密ブロック19を取付け、水密ブロック19の中空部19aと水抜き用孔20を、下枠4の前記中空部の空間と連通し、さらに、下枠4の下方に設けた前記中空部の室外側に開口する外気導入孔16dで室外に連通した引き違いサッシの召合せ部水密構造という発明が記載されている。そして、刊行物3記載の発明の「水密ブロック19の中空部19aと水抜き用孔20」、「室外側に開口する外気導入孔16d」は、本件請求項2に係る発明の「第1次排水孔」、「第2次排水孔」に対応するものということができ、そして、相違点(2)における本件請求項1に係る発明の排水構造に格別な作用効果が認められず、刊行物1記載の発明の下枠構造に刊行物3記載の発明を適用することによってなし得られるものであり、かくすることは、当業者であれば、必要に応じて容易に想到できることにすぎない。
よって、本件請求項1に係る発明は、刊行物1〜3記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本件請求項1に係る発明の特許は、特許法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
引違いサッシの召合せ部水密構造
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 サッシ枠に内障子と外障子を面内方向に移動自在に装着した引違いサッシにおいて、
前記サッシ枠を構成する下枠における内・外障子の召合せ框と対向した位置に、上面が長手方向に不連続で、その不連続部分を下面まで連続する排水部を有する風止部材を取付け、また、前記下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、
前記凹部における内・外障子の召合せ框と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の下方に風止部材の排水部を前記中空部に開口する第1次排水孔を形成し、さらに、この第1次排水孔を前記下枠の下方に設けた前記中空部の室外側に開口させる第2次排水孔に連通させる構成にし、
内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密にしたことを特徴とする引違いサッシの召合せ部水密構造。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サッシ枠に内障子と外障子を面内方向に移動自在に装着した引違いサッシにおいて召合せ部から雨水が室内側に浸入しないようにする召合せ部の水密構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
引違いサッシにおいては、内・外障子を閉じた時に内障子の召合せ框と外障子の召合せ框との間を水密しているが、各召合せ框の下面と下枠との間に空間があるので、その空間より雨水が室内側に浸入する。
【0003】
このために、例えば実開昭61-22891号公報に示すように、下枠の召合せ部に風止部材を取付け、内・外障子の各召合せ框の下面を風止部材に接して雨水が室内側に浸入しないようにしてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
外障子の召合せ框下面と風止部材との接触部は室外側に露出しているから、その接触部分を伝わって雨水が毛細管現象により室内側まで浸入することがあり、十分な水密性能が得られない。
【0005】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにした引違いサッシの召合せ部水密構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、サッシ枠に内障子と外障子を面内方向に移動自在に装着した引違いサッシにおいて、
前記サッシ枠を構成する下枠における内・外障子の召合せ框と対向した位置に、上面が長手方向に不連続で、その不連続部分を下面まで連続する排水部を有する風止部材を取付け、また、前記下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、
前記凹部における内・外障子の召合せ框と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の下方に風止部材の排水部を前記中空部に開口する第1次排水孔を形成し、さらに、この第1次排水孔を前記下枠の下方に設けた前記中空部の室外側に開口させる第2次排水孔に連通させる構成にし、
内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密にしたことを特徴とする引違いサッシの召合せ部水密構造である。
【0007】
【作 用】
第1の発明によれば、風止部材の上面が長手方向に不連続であることから、その風止部材の上面と外障子の召合せ框の下面との接触部に毛細管現象で浸入した雨水は不連続部分に滴下して室内側まで浸入しない。
また、風止部材には不連続部分を下面まで連続した排水部が形成され、その排水部は下枠に形成した排水孔で室外側に開口していることから、前記不連続部分に滴下した雨水は排水部、排水孔より下枠の室外側に排水される。
これによって、内・外障子の召合せ部から雨水が室内側に浸入することを確実に防止できるので、水密性の優れた召合せ部水密構造となる。
さらに、風止部材の不連続部分に滴下した雨水が第1次排水孔で中空部に流れ落ち、その中空部内に流れ落ちた雨水が第2次排水孔から室外側に流出するので、雨水をスムーズに室外側に排水できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、サッシ枠1は上枠2と下枠3と一方の縦枠4と他方の縦枠5を方形枠組みしたものである。このサッシ枠1の室内寄りに内障子6、室外寄りに外障子7が面内方向に移動自在にそれぞれ装着されて引違いサッシを構成している。
【0009】
前記内障子6は上框8、下框9、召合せ框10、戸当り框11を方形框組みし、その内部にガラス12が取付けてある。前記外障子7は上框13、下框14、召合せ框15、戸当り框16を方形框組みし、その内部にガラス17が取付けてある。
【0010】
前記内障子6の戸当り框11、外障子7の戸当り框16にはハンドル18が取付けてあり、このハンドル18を矢印方向に回動すると内障子6、外障子7が上方に移動し、ハンドル18を図1に示す状態とする内障子6、外障子7が下方に移動して図1に示す状態となるようにしてある。この構造は例えば実公平3-17038号公報に示すように従来周知である。
【0011】
前記下枠3の形状を図2と図3に基づいて説明する。
室内側縦板20の下部寄りに下横板21を一体的に設け、この下横板21に室内寄り中間縦板22と室外寄り中間縦板23を一体的に設け、室内寄り中間縦板22の上端部と室内側縦板20の上端部とに亘って室内側横板24を一体的に設け、その室内側横板24に室内側立上り片25を一体的に設けてある。
【0012】
前記室内寄り中間縦板22の上下中間部と室外寄り中間縦板23の上下中間部とに亘って中間横板26を一体的に設けて中空部27を構成している。この中間横板26の室内寄りに内立上り片28、室外寄りに外立上り片29をそれぞれ一体的に設けて内レール取付凹部30と外レール取付凹部31と凹部32を形成している。
【0013】
前記内レール取付凹部30には中空形状の内下レール33が嵌合して取付けられ、外レール取付凹部31には中空形状の外下レール34が嵌合して取付けてある。前記凹部32は閉塞部材、例えばプレート35で閉塞してあり、凹部32とプレート35で補助中空部36を構成している。
【0014】
前記内立上り片28の上部と外立上り片29の上部に係止部となる突片37が相対向して一体的に設けてあり、前記プレート35の幅方向両側下面には被係合となるL字片38がそれぞれ一体的に設けてあり、このL字片38を前記突片37に長手方向よりスライドして係合することでプレート35を取付けてある。
【0015】
前記内障子6の召合せ框10(以下内召合せ框10という)は図2に示すように本体40と、この本体40の外面41と室外面42に沿って取付けたアタッチメント43より成る。このアタッチメント43の本体40室外面42に沿った部分43aには内煙返し44が一体的に設けてあると共に、内召合せシール材45が装着してある。
【0016】
前記アタッチメント43の本体40外面41に沿った部分43bの下部内面には図2と図4に示すようにシール材46が裏板47を介してビス48で取付けてあり、このシール材46の下部はほぼ下向きV字状となって内下レール33と後述する風止部材に接するようにしてある。前記アタッチメント43の本体40外面41に沿った部分43bの下部外面には図2と図4に示すように下部小口隠し49が取付けてある。
【0017】
前記外障子7の召合せ框15(以下外召合せ框15という)は図2に示すように本体50と、この本体50の外面51と室内面52に沿って取付けたアタッチメント53より成る。このアタッチメント53の本体50室内面52に沿った部分53aには外煙返し54が一体的に設けてあると共に、外召合せシール材55が装着してある。
【0018】
前記アタッチメント53の本体50外面51に沿った部分53bの下部内面には図2と図4に示すようにシール材56が裏板57を介してビス58で取付けてあり、このシール材56の下部はほぼ下向きV字状となって外下レール34と後述する風止部材に接するようにしてある。前記アタッチメント53の本体50外面51に沿った部分53bの下部外面には図2と図4に示すように下部小口隠し59が取付けてある。
【0019】
前記内・外障子6,7の下框9,14は図3に示すように下向凹部9a,14aを有し、この下向凹部9a,14aの両側下部に下横シール材60がそれぞれ装着してあると共に、戸車61が上下動可能に取付けてある。
【0020】
図3は戸車61を下框9,14に対して上方に移動した状態を示し、それによって内・外障子6,7が相対的に下方に移動して下横シール材60が内・外下レール33,34に接している。前述の状態より戸車61を下框9,14に対して下方に移動すると内・外障子6,7が相対的に上方に移動して下横シール材60が内・外下レール33,34と離隔し、内・外障子6,7を開閉する際の力が小さくて良い。
【0021】
前記内・外召合せ框10,15の下部は切欠きされ、その切欠きした部分より下框9,14を挿入して連結してあり、下框9,14に装着した下横シール材60は内・外召合せ框10,15の本体40,50の外面41,51まで連続してシール材46,56と接している。これにより、内・外障子6,7の下部と内・外下レール33,34との間を確実に水密できる。
【0022】
前記プレート35は図5に示すように、召合せ部を境として外障子側プレート35aと内障子側プレート35bに分割され、下枠3の凹部32は召合せ部において開放しており、その開放した下枠3の凹部32に風止部材70が図5,図6,図7に示すように取付けてある。
【0023】
前記風止部材70は、凹部32に一対の風止ブロック71を長手方向に間隔を置いてビス72で取付け、各風止ブロック71の上面にシリコーンスポンジ等より成る柔軟性プレート73を接着剤又は両面テープなどでそれぞれ貼着してある。前記風止ブロック71の室内外方向の両側面には凹溝74が形成され、この凹溝74と内立上り片28、外立上り片29との間に湿式シール材75をそれぞれ充填して水密してある。
【0024】
前記柔軟性プレート73の室内外方向両側上面は図8に示すように上向き斜面73aとしてある。これにより、内・外障子6,7を下方に移動して下横シール材60を内・外下レール33,34に接した時に、その下シール片60aが上向斜面73aに接して水密性が向上する。
【0025】
つまり、下横シール材60の下シール片60aは内・外下レール33,34に接することで上向きに変形するので、柔軟性プレート73と接しなくなるので、その柔軟性プレート73の室内外方向両側上面を上向き斜面73aとして変形した下シール材60aが正しく接するようにしてある。
【0026】
前記下枠3の中間横板26(凹部32の底部)における一対の風止ブロック71間には第1次排水孔76が形成してある。この第1次排水孔76は中空部27に開口し、その中空部27は室外寄り中間縦板23に形成した第2次排水孔77で室外側に開口している。この第2次排水孔77と前記第1次排水孔76は長手方向に位置がずれている。
【0027】
このようであるから、内・外障子6,7を閉じて下方に移動すると内召合せ框10の下面及び外召合せ框15の下面が柔軟性プレート73にそれぞれ接して下枠3と内・外障子召合せ部下面との間を水密する。
【0028】
前述の状態で外召合せ框15の下面と柔軟性プレート73との接触部から雨水が毛細管現象で浸入すると、その浸入した雨水aは外側の風止ブロック71より図6,図7に示すよう凹部32における一対の風止ブロック71間に滴下し、第1次排水孔76より中空部27内に落下し、中空部27に沿って流れて第2次排水孔77から室外側に排水される。また、召合せ部で生じた結露は内召合せ框10の室外面、外召合せ框15の室内面に沿って流れて前記一対の風止ブロック71間の凹部32に滴下し、前述と同様にして室外側に排水される。
【0029】
また、第2次排水孔77と第1次排水孔76の位置が長手方向にずれていることにより、第2次排水孔77より中空部27内に吹き込まれた空気は中空部27内で拡散して空気の流れがゆっくりとなる。この中空部27内の空気は第1次排水孔76より凹部32にゆっくりと吹き出す。
【0030】
したがって、強風によって雨水が凹部32内に吹き込むことがない。
【0031】
前記風止部材70は図9に示すように、一対の風止ブロック71の下部を一対の連結材78で一体的に連結し、その連結部分に開口部79を有するものとしても良い。
【0032】
前記風止部材70は図10に示すように、一対の風止ブロック71の下部をプレート80で一体的に連結し、そのプレート80に排水用の孔81を形成したものとしても良い。
【0033】
つまり、風止部材70は上面が長手方向に不連続で、その不連続部分を下面まで連続する排水部を有するものとすれば良い。
【0034】
以上の実施例では内・外障子6,7を上下に移動する特殊な形式の引違いサッシについて述べたが、下枠に内・外下レールを一体的に設けて内・外障子6,7を面内方向にのみ移動して開閉する通常の引違いサッシでも良いことは勿論である。
【0035】
【発明の効果】
第1の発明によれば、風止部材の上面が長手方向に不連続であることから、その風止部材の上面と外障子の召合せ框の下面との接触部に毛細管現象で浸入した雨水は不連続部分に滴下して室内側まで浸入しない。
また、風止部材には不連続部分を下面まで連続した排水部が形成され、その排水部は下枠に形成した排水孔で室外側に開口していることから、前記不連続部分に滴下した雨水は排水部、排水孔より下枠の室外側に排水される。
したがって、内・外障子の召合せ部から雨水が室内側に浸入することを確実に防止できるので、水密性の優れた召合せ部水密構造となる。
【0036】
さらに、風止部材の不連続部分に滴下した雨水が第1次排水孔で中空部に流れ落ち、その中空部内に流れ落ちた雨水が第2次排水孔から室外側に流出するので、雨水をスムーズに室外側に排水できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例を示す引違い窓の全体正面図である。
【図2】
召合せ部の横断面図である。
【図3】
下枠部分の縦断面図である。
【図4】
図2のA-A断面図である。
【図5】
下枠の召合せ部分の平面図である。
【図6】
図5のB-B断面図である。
【図7】
図5のC-C断面図である。
【図8】
内下レールと下横レール材と風止部材の上部を示す縦断面図である。
【図9】
風止部材の第2実施例を示す斜視図である。
【図10】
風止部材の第3実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…サッシ枠、3…下枠、6…内障子、7…外障子、9…下框、10…召合せ框、14…下框、15…召合せ框、27…中空部、32…凹部、33…内下レール、34…外下レール、35…プレート、70…風止部材、71…風止ブロック、73…柔軟性プレート、76…第1次排水孔、77…第2排水孔。
 
訂正の要旨 ▲1▼ a.訂正事項
請求項1を削除する。
▲2▼ b.訂正事項
訂正前の請求項2を請求項1とし、構成「前記下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、
前記凹部における内・外障子の召合せ部と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の底部に風止部材の排水部を中空部に開口する第1次排水孔を形成し、
前記下枠には中空部を室外側に開口する第2次排水孔を形成した請求項1記載の引違いサッシの召合せ部水密構造。」を
「サッシ枠に内障子と外障子を面内方向に移動自在に装着した引違いサッシにおいて、
前記サッシ枠を構成する下枠における内・外障子の召合せ框と対向した位置に、上面が長手方向に不連続で、その不連続部分を下面まで連続する排水部を有する風止部材を取付け、また、前記下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、
前記凹部における内・外障子の召合せ框と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の下方に風止部材の排水部を前記中空部に開口する第1次排水孔を形成し、さらに、この第1次排水孔を前記下枠の下方に設けた前記中空部の室外側に開口させる第2次排水孔に連通させる構成にし、
内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密にしたことを特徴とする引違いサッシの召合せ部水密構造。」と特許請求の範囲の減縮を目的として訂正する。
▲3▼ c訂正事項
特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明りょうでない記載の釈明を目的として、段落番号[0006]第6行〜16行目「この風止部材の排水部を室外側に開口させる排水孔を下枠に形成し、
内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密したことを特徴とする引違いサッシの召合せ部水密構造である。
第2の発明は、第1の発明の下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、
前記凹部における内・外障子の召合せ部と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の底部に風止部材の排水部を中空部に開口する第1次排水孔を形成し、
前記下枠には中空部を室外側に開口する第2次排水孔を形成した引違いサッシの召合せ部水密構造である。」を
「また、前記下枠を、内下レールと外下レール、この内下レールと外下レールとの間の凹部、この凹部よりも下部に中空部を有する形状とし、
前記凹部における内・外障子の召合せ框と対向した位置に前記風止部材を取付け、前記凹部の下方に風止部材の排水部を前記中空部に開口する第1次排水孔を形成し、さらに、この第1次排水孔を前記下枠の下方に設けた前記中空部の室外側に開口させる第2次排水孔に連通させる構成にし、
内障子の召合せ框下面と外障子の召合せ框下面を前記風止部材の上面に接して水密にしたことを特徴とする引違いサッシの召合せ部水密構造である。」と訂正する。
▲4▼ d訂正事項
段落番号[0007]第10行目及び段落番号[0036]第1行目「第2の発明によれば、」を「さらに、」と訂正する。
▲5▼ e訂正事項
段落番号[0012]第4行目「下レール」を「外レール」と訂正する。
異議決定日 2003-01-15 
出願番号 特願平8-15122
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (E06B)
最終処分 取消  
前審関与審査官 山田 忠夫  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 安藤 勝治
山口 由木
登録日 2001-06-08 
登録番号 特許第3196064号(P3196064)
権利者 ワイケイケイエーピー株式会社
発明の名称 引違いサッシの召合せ部水密構造  
代理人 浜本 忠  
代理人 佐藤 嘉明  
代理人 佐藤 嘉明  
代理人 高橋 邦彦  
代理人 浜本 忠  
代理人 高橋 邦彦  
代理人 湯田 浩一  

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