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審決分類 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  C08J
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08J
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08J
審判 全部申し立て 発明同一  C08J
管理番号 1077957
異議申立番号 異議2001-73007  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-10-31 
確定日 2003-03-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3187741号「発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物」の請求項1ないし2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3187741号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 [1]手続きの経緯
本件特許第3187741号は、平成9年3月21日に出願された特願平9-87395号の出願に係り、平成13年5月11日にその設定登録がなされた後、穂積忠外1名から計2件の特許異議の申立てがあり、それに基づく特許取消の理由通知に対し、平成14年7月9日付けで訂正請求がなされたものである。

[2]訂正前の本件特許に対する特許異議申立人の主張の概要
(1)特許異議申立人穂積忠は、下記甲第1号証を提示し、本件請求項1〜2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、若しくは甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号若しくは第2項の規定に違反して特許されたものであって、それ故本件請求項1〜2に係る特許は取り消されるべきである旨、主張している。


甲第1号証:特開平9-70913号公報
(以下「刊行物1」という。)

(2)特許異議申立人本名とも子は、下記甲第1号証〜甲第6号証を提示し、本件請求項1〜2に係る発明は、甲第1、第2号証に記載された発明であり、甲第1号証及び甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、甲第3号証に掲載された本件の先願に当たる出願の出願当初の明細書に記載された発明と同一であり、さらに本件明細書には記載の不備があるから、本件請求項1〜2に係る発明は、特許法第29条第1項第3号若しくは同条第2項或いは同法第29条の2の規定に違反して特許されたものであり、または、同法第36条の規定を満足しない出願に対して特許されたものであって、それらの理由により、本件請求項1〜2に係る特許は取り消されるべきである旨、主張している。

甲第1号証:特開平9-70913号公報
(「刊行物1」として既出。)
甲第2号証:特開昭61-4737号公報
(以下「刊行物2」という。)
甲第3号証:特開平10-168212号公報
(以下「先願公報」という。)
甲第4号証:特開平2-300218号公報
(以下「刊行物3」という。)
甲第5号証:特開平6-73246号公報
(以下「刊行物4」という。)
甲第6号証:「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 最新版」ラバーダイ ジェスト社、1989年発行、259〜264頁
(以下「刊行物5」という。)

[3]本件訂正請求
(1)訂正事項
本件訂正請求は、本件明細書を訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものであり、その訂正事項は以下のとおりである。
(1-1)訂正事項a-1
請求項1において「ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマーを20〜70重量%と、150℃以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含むことを特徴とする発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」とあるを「ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴムを20〜70重量%と、150℃以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含むことを特徴とする押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」に訂正する。
(1-2)訂正事項a-2
請求項2において「水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種の主たるエラストマーとともに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した請求項1記載の押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」とあるを「水素添加スチレン・ブタジエンゴムに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した請求項1記載の押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」に訂正する。
(1-3)訂正事項b-1
段落【0001】における「発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物に関する。」を「押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物に関する。」に訂正する。
(1-4)訂正事項b-2
段落【0005】における「押出成形性と粉末成形性に優れ」を「押出成形性に優れ」に訂正する。
(1-5)訂正事項b-3
段落【0006】における「本願の請求項1記載の発明では、ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマーを20〜70重量%と、150℃以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含む発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。」とあるを「本願の請求項1記載の発明では、ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴムを20〜70重量%と、150℃以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含む押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。」に訂正する。
(1-6)訂正事項b-4
段落【0007】における「本願の請求項2記載の発明では、水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種の主たるエラストマーとともに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。」を「本願の請求項2記載の発明では、水素添加スチレン・ブタジエンゴムに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。」に訂正する。
(1-7)訂正事項b-5
段落【0008】における「更に、圧力のかからない粉末スラッシュ成形に用いるには・・・であることが必要である。」を削除する。
(1-8)訂正事項b-6
段落【0009】における「エラストマーとしては、水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体(SEBC)、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体(SVIS)から選ばれた少なくとも1種のエラストマーが選ばれる。」を「エラストマーとしては、水素添加スチレン・ブタジエンゴムが挙げられる。」に訂正する。
(1-9)訂正事項b-7
段落【0011】、【0012】の記載を削除する。
(1-10)訂正事項b-8
段落【0013】における「上記の水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種の主たるエラストマーとともに」を「上記の水素添加スチレン・ブタジエンゴムである主たるエラストマーに」に訂正する。
(1-11)訂正事項b-9
段落【0017】における「他の水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種の主たるエラストマーと」を「他の水素添加スチレン・ブタジエンゴムと」に訂正する。
(1-12)訂正事項b-10
段落【0019】を削除する。
(1-13)訂正事項b-11
段落【0025】における「また、ペレット状・・・得ることができる。」を削除する。
(1-14)訂正事項b-12
段落【0026】、【0027】の記載を削除する。
(1-15)訂正事項b-13
段落【0028】における「実施例1〜5」を「実施例1〜4」に訂正する。
(1-16)訂正事項b-14
段落【0030】の表1における「実施例4」の列を削除し、「実施例5」を「実施例4」に訂正する。
(1-17)訂正事項b-15
段落【0031】〜【0033】を削除する。
(1-18)訂正事項b-16
段落【0034】における「表3」(2箇所)を「表2」に、「実施例1〜5」(2箇所)を「実施例1〜4」に、各訂正する。
(1-19)訂正事項b-17
段落【0035】の記載を削除する。
(1-20)訂正事項b-18
段落【0036】における【表3】を【表2】に訂正すると共に、該表中の比較例5〜7に相当する記載を削除する。
(1-21)訂正事項b-19
段落【0037】における「この結果、実施例1〜5の押出成形したシートから得られた発泡シートや、実施例6〜9の粉末樹脂組成物を用いて粉体成形して得られた発泡シートでは」を「この結果、実施例1〜4の押出成形したシートから得られた発泡シートでは」に訂正する。
(1-22)訂正事項b-20
段落【0038】における「水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマーと、150℃以上の分解温度を有する発泡剤とを含めた発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にあり、上記エラストマーが混練すると微粒子状に分散して押出形成性と粉末成形性に優れ」を「水素添加スチレン・ブタジエンゴムと、150℃以上の分解温度を有する発泡剤とを含めた発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にあり、上記エラストマーが混練すると微粒子状に分散して押出形成性に優れ」に訂正する。
(1-23)訂正事項b-21
段落【0030】の【表1】における「スチレン・オクテン共重合体」を「エチレン・オクテン共重合体」に訂正する。

(2)訂正可否の検討
(2-1)訂正事項a-1は、請求項1において、ポリプロピレン樹脂に混合されるエラストマーの内、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体を削除し、押出成形用との用途を付すものであるが、前者の訂正は、訂正前の明細書に記載した事項の範囲内で特許請求の範囲の減縮をするものであることは明らかであり、後者の訂正は、訂正前の明細書には、例えば「混練した組成物はペレット状にし、押出機によりシート状に成形した後、・・・発泡体シートを得た。」(段落【0025】)等の記載がなされているから、やはり訂正前の明細書に記載した事項の範囲内で特許請求の範囲の減縮をするものである。
(2-2)訂正事項a-2は、請求項2において、請求項1と全く同様の訂正をするものであるから、訂正前の明細書に記載した事項の範囲内で特許請求の範囲の減縮をするものである。
(2-3)訂正事項b-1〜b-20は、上記特許請求の範囲の訂正に対応させて発明の詳細な説明の記載をこれに整合させるものであるから、訂正前の明細書に記載した事項の範囲内で明りょうでない記載の釈明をするものである。
(2-4)訂正事項b-21は、樹脂組成物の組成を示す表において、「スチレン・オクテン共重合体」を「エチレン・オクテン共重合体」に訂正するものであるが、訂正前の明細書には、「また、エチレンとα-オレフィンの共重合体であるEPRとかエチレン・オクテンコポリマーは粒状に分散する性質をもっているが、分散した粒径が大きくなる傾向があるため、単独でポリプロピレン樹脂とブレンドしたものは良い発泡体が得られない。このため、エチレンとα-オレフィンの共重合体は他の水素添加スチレン・ブタジエンゴム・・・と同時に使用することが好ましい。」(段落【0017】)として、エチレンとα-オレフィンの共重合体の一種として「エチレン・オクテン共重合体」は記載されているが、「スチレン・オクテン共重合体」は、エラストマーとしては全く記載されていないから、この訂正は、それ自体明白な誤記の訂正と認めるのが相当である。
(2-5)そして、これら訂正により実質上特許請求の範囲が拡張若しくは変更されるものでもない。
したがって、本件訂正請求は、特許法第120条の4第2項ただし書第1〜3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項で準用する同法第126条第2項、第3項の規定に適合するものである。

[4]本件発明
本件発明は、訂正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜2に記載された事項により特定される以下のとおりのもの(以下、順次「本件第1発明」及び「本件第2発明」という。)と認める。
「【請求項1】 ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴムを20〜70重量%と、150℃以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含むことを特徴とする押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項2】 水素添加スチレン・ブタジエンゴムに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した押出成形用の請求項1記載の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」
なお、ここでいう「水素添加スチレン・ブタジエンゴム」は、本件明細書の記載「スチレンとブタジエンがランダムに共重合しているスチレン・ブタジエンを水素添加したもの」(段落【0010】)から、そのように理解するものとする。

[5]特許異議申立てについて
[5-1]特許法第29条の規定の適用について
(1)刊行物1〜5の記載事項
(i)刊行物1には、「第1層がソリッドの表面層と、第2層が発泡層と、第3層がソリッドの内側層の3層からなる表皮体に、芯体となる合成樹脂を積層した表皮体を有する樹脂成形体において、上記表皮体の第1層がオレフィン系熱可塑性エラストマー、そしてスチレン系熱可塑性エラストマーから選ばれた熱可塑性エラストマーからなり、第2層がオレフィン系熱可塑性エラストマー、そしてスチレン系熱可塑性エラストマーから選ばれた熱可塑性エラストマーに発泡剤を加えて発泡させたものであり、そして第3層がポリプロピレン樹脂単体あるいはポリプロピレン樹脂とエチレン・αオレフィンブロック共重合体の混合物であることを特徴とする表皮体を有する樹脂成形体。」(特許請求の範囲の請求項1)の発明が記載され、「上記表皮体1は、オレフィン系熱可塑性エラストマー、そしてスチレン系熱可塑性エラストマーから選ばれた熱可塑性エラストマーからなる粉末樹脂組成物をスラッシュ成形して得られた第1層のソリッドの表面層2と、上記粉末樹脂組成物に発泡剤を添加したものをスラッシュ成形して得られた第2層の発泡層3と、ポリプロピレン樹脂単体あるいはポリプロピレン樹脂とエチレン・αオレフィンブロック共重合体の混合物からなる粉末樹脂組成物をスラッシュ成形して得られた第3層のソリッドの内側層4の3層からなっている。」(段落【0016】)、「また、表面層2で使用するスチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを重量比70/30〜30/70の割合で混合した組成物である。ここで使用するポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー、α-オレフィンとのブロックあるいはランダム共重合体のいずれでもよいが、特にα-オレフィンとしてエチレンを用いたブロックあるいはランダム共重合体が成形体の柔軟性の面からいって好ましい。また、圧力のかからない粉末スラッシュ成形に用いるためには、表面層と発泡層に使用するポリプロピレン樹脂の溶融流動性の指数としてJIS K7210により230°Cで荷重2.16kgfで測定したMFR(メルトフローレート)が20g/10分以上であることが必要である。」(段落【0019】)、「水素添加SBRは、スチレンとブタジエンがランダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを水素添加している点で、ブロック共重合体であるSEBSと異なっている。」(段落【0022】)、「スチレン系熱可塑性エラストマーが、ポリプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーを重量比80/20〜20/80の割合で混合したもの100重量部に対し、更にエチレン単位を有する熱可塑性エラストマーもしくは樹脂を5〜50重量部混合した組成物であってもよい。この場合、エチレン単位を有する熱可塑性エラストマーとは、エチレン・エチレンブチレン・エチレンブロック共重合体、エチレン・オクテンブロック共重合体、エチレン・αオレフィンブロック共重合体、あるいはエチレン・プロピレンランダム共重合体が挙げられる。」(段落【0023】)との記載がなされている。
(ii)刊行物2には、「ポリプロピレン90〜70重量部、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体10〜30重量部、発泡剤0.3〜0.6重量部を含有していることを特徴とする発泡ポリプロピレン組成物。」(特許請求の範囲)の発明が記載され、「本発明は高度の発泡率を有する発泡ポリプロピレン例えば通信ケーブルの絶縁素線、同軸ケーブルの絶縁隔離体として用いられる発泡ポリプロピレンを得るための組成物に関する。」(1頁左下欄)と記載されている。
(iii)刊行物3には、「数平均分子量が2500〜40000のビニル芳香族モノマーから成るブロック(A)と、イソプレンまたはイソプレン-ブタジエン混合物から成り、数平均分子量が10000〜200000で、3,4結合及び1,2結合含有量が40%以上であり、0℃以上にtanδの主分散のピークを有し、その鎖中の炭素-炭素二重結合の少なくとも一部が水添されたブロック(B)より構成され、ブロックの結合の形態が、A-(B-A)n,又は(A-B)n(nは1以上の整数)で表される、分子量が30000〜300000であるブロック共重合体。」(特許請求の範囲第1項)の発明が記載され、「本発明によるブロック共重合体は、これをベースとして使用されるほか、各種プラスチックにブレンドし使用することも可能である。特に好ましいプラスチックの例としては、ポリオレフィン、ポリアミド、スチレン系プラスチック、ポリエステル、ABS系プラスチック、ポリカーネートがあげられる。これらのプラスチックへのブレンド率は、概ね50重量%以下で用いるのが良い。これらのプラスチックとのブレンドは通常の方法により行われる。」(4頁右下欄19行〜5頁左上欄8行)と記載されている。
(iv)刊行物4には、「(a)少なくとも1個のビニル芳香族モノマーからなる数平均分子量が2500〜40000のブロック(A)と、イソプレンもしくはイソプレン-ブタジエンからなり、3,4結合および1,2結合含有量が25%以上であるブロック(B)より構成される数平均分子量が30000〜300000のブロック共重合体の水添物90〜10重量部、および(b)ポリプロピレン10〜90重量部を含有してなるシート状物成型用組成物。」(【請求項1】)の発明が記載され、「本発明のブロック共重合体のブロック(B)の3,4結合および1,2結合含有量(以下、これらを総称してビニル結合含有量ということがある)は25%以上(100%でも良い)であることが必要である。ビニル結合含有量が25%より少ない場合には、十分な透明性が得られず好ましくない。」(段落【0012】)と記載されている。
(v)刊行物5には、発泡剤について記載され、例えばアゾジカルボンアミドは分解温度が190〜205℃と記載されている。
(2)対比・検討
(2-1)本件第1発明に対する特許法第29条第1項第3号の規定の適用について
刊行物1には、自動車の内装品であるインストルメントパネル、ドアートリム、コンソールボックス等の表皮体を有する樹脂成形体とその製造法に関する発明が記載され、該表皮体については、3層からなること、中間層は発泡構造を有していること、その組成はポリプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを70/30〜30/70の重量比で混合した組成物であること、ここにおけるスチレン系熱可塑性エラストマーには、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレンプロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)等に加え、水素添加スチレンブタジエンゴムも使用されること、がいずれも記載されている。
しかしながら、その成形法に関しては、「表皮体1の製造方法は、先ず最初に約50〜70℃に予備加熱したスラッシュ成形用の金型を300℃前後まで上昇させた後、上記粉末樹脂組成物をこの金型内に投入して一定時間経過後に型を反転し、余分の粉末樹脂組成物を回収箱へ排出して型表面に付着した第1層を形成し、そして発泡剤を添加した粉末樹脂組成物を金型内に投入し排出して第2層を形成し、続いて他の粉末樹脂組成物を・・・して第3層を形成した後、キュアーし、金型を約50〜70℃まで冷却して表皮材料を脱型する。」(段落【0017】)として、粉末樹脂組成物を用いたスラッシュ成形法により成形することが記載されているのみで、特に発泡剤を有する第2層に関し、これを押出成形法により成形体とすることに関しては、全く記載されていないといわざるを得ない。
したがつて、本件第1発明が刊行物1に記載された発明とすることはできない。
刊行物2には、通信ケーブルの絶縁層や同軸ケーブルの絶縁隔離体として用いられる高度の発泡倍率を有する発泡ポリプロピレン組成物に関する発明が記載され、該ポリプロピレンに対し、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体を特定の割合で配合することによって成形時に発泡剤の分解ガスを微細な独立気泡内に留め得たことが記載されている。
しかしポリプロピレンと共に使用される共重合体は、上記のとおり、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体であって、これ以外の共重合体を使用することは全く記載されていないのであるから、この点で本件第1発明は記載されていないといわざるを得ない。
以上の次第で、本件第1発明は刊行物1、2に記載された発明とすることはできない。
(2-2)本件第1発明に対する特許法第29条第2項の規定の適用について
刊行物1,2には、上記のとおり、本件第1発明で規定する組成を有する発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物を押出成形に供することの示唆はなされていない。
刊行物3には、制震性能に優れ、かつ、耐熱性、耐候性に優れるブロック共重合体とその組成物に関する発明が記載されているが、その組成物は、特定のビニル芳香族モノマーからなるブロック(A)とイソプレンまたはイソプレンーブタジエン混合物からなるブロック(B)の水添物からなるもので、これには、他のプラスチックも混合されること、その一つとしてポリオレフィンがあることは記載されているものの、具体的に水添ランダムスチレンブタジエン共重合体を使用することは記載されていない。
刊行物4には、特定の(a)少なくとも1個のビニル芳香族モノマーからなるブロック(A)とイソプレンもしくはイソプレン-ブタジエンからなり、3,4結合および1,2結合含有量が25%以上であるブロック(B)より構成されるブロック共重合体の水添物90〜10重量部、および(b)ポリプロピレン10〜90重量部を含有する組成物に関する発明が記載され、該組成物を押出成形してシート状物に成形することも記載されてはいるが、この組成物は発泡剤を含有するものではなく、ここに押出成形法が記載されているからといって、刊行物1に記載された発明における第2層すなわち発泡層の成形法にこの成形法を採用することが示唆されるものでもない。
刊行物5には、発泡剤の種類とその分解温度が記載されているにすぎない。
以上刊行物1〜5には、本件第1発明で規定する特定の組成からなる組成物を押出成形に供することを示唆する記載を見出すことはできない。
他方本件第1発明は、かかる構成の採用により、明細書記載の、その押出成形体は、表面凹凸、セルの粗さにおいで優れ、発泡倍率においても優れているという効果を奏し得たものと認められる。
したがって、刊行物1〜5の記載事項を根拠に本件第1発明の進歩性を否定することはできない。
(2-3)本件第2発明に対する特許法第29条第1項第3号及び同条第2項の規定の適用について
本件第2発明は、本件第1発明の組成物に更に特定のエラストマーを加えたものに相当するから、本件第1発明と同様、刊行物1,2に記載された発明とも、また、刊行物1〜5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともすることはできない。

[5-2]特許法第29条の2の規定の適用について
先願公報に掲載された、本件の出願前に出願され、本件の出願後に出願公開された特願平8-332164号の出願当初の明細書(以下「先願明細書」という。)には、「成形性に優れるとともに防音性にも優れた架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の製造方法に関する」(段落【0001】)発明として、「動的粘弾性測定により得られるtanδの吸収ピークが-20℃〜40℃の温度範囲にある共役ジエン系重合体又はその水添物10〜40重量%及びポリプロピレン系樹脂90〜60重量%からなる樹脂組成物、熱分解型発泡剤及び架橋助剤からなる発泡性樹脂組成物を電離性放射線照射により架橋させた後に加熱により発泡させることを特徴とする」(【特許請求の範囲】)発明が記載され、より具体的には、当該組成物を溶融混練した後シート状に押出し、得られたシートに電子線を使用者して架橋させ、しかる後に加熱発泡させる発泡体の製造法が記載されている(【実施例】)が、該共役ジエン系重合体については、「例えば、イソプレン又はブタジエンの単独重合体、イソプレンとブタジエンとの共重合体、イソプレン又はブタジエンと芳香族ビニルモノマーとのブロック共重合体、イソプレン又はブタジエンと芳香族ビニルモノマーとエチレンとのブロック共重合体等が挙げられる。」(段落【0006】)、さらに「上記共役ジエン系重合体の中で、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体が好ましい。」(段落【0008】)と記載されているだけで、本件第1発明の水添スチレンブタジエン共重合ゴムについては全く記載されていない。
したがって、本件第1発明が先願明細書に記載された発明と同一とすることはできない。
本件第2発明は、本件第1発明の組成物に更に特定の他のエラストマーを加えたものに相当するから、本件第1発明と同様、先願明細書に記載された発明と同一とすることはできない。

[5-3]特許法第36条の規定の適用について
特許異議申立人は、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体についての発明の詳細な説明における支持は不十分である点で、本件明細書には、特許法第36条第に規定する要件を欠く不備が存在することを主張している。
しかしこの部分は、訂正請求により既に削除されているから、かかる主張はもはや当を得ないものである。

[6]むすび
以上のとおりであるから、本件両特許異議申立人の提示する証拠及び主張する理由によっては、訂正後の本件請求項1及び2に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に訂正後の本件請求項1及び2に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴムを20〜70重量%と、150°C以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含むことを特徴とする押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項2】 水素添加スチレン・ブタジエンゴムに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した請求項1記載の押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリプロピレン樹脂発泡体を製造するに適した発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物に係り、詳しくは成形性に優れ、均一で緻密な独立気泡を有するクッション性に優れた発泡体シートに適する押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりポリオレフィン発泡体の製造方法として、ポリエチレンにアドジカルボンアミドのような発泡剤、パーオキサイドのような架橋剤等を添加して金型内に発泡成形する方法が知られている。しかし、ポリエチレン発泡体は耐熱性に劣るため、ポリプロピレン発泡体が注目されている。
【0003】
ポリプロピレン発泡体はポリエチレン発泡体に比べて、耐熱性や強度に優れており、高温用断熱材である自動車内装品のクッション材料に使用されている。しかし、ポリプロピレン樹脂は溶融粘度が低い性質のために、溶融発泡時に発泡ガスに抗しきれず、気泡が粗くなったり、極端な場合には発泡ガスが逃散して発泡体が得られないことがあった。
【0004】
従来、ポリプロピレン樹脂発泡体を製造する方法としては、電子線により架橋した後、加熱発泡させる方法がとられていたが、特殊な電子線架橋の装置が必要でコスト高になっている。また、ポリプロピレン樹脂を過酸化物で化学的に架橋するのと同時に発泡させる方法がある。
更には、特公平5-62617号公報には、ポリプロピレン樹脂単独の発泡体の欠点である発泡性を改善し、均一な気泡分布をもたせ、成形肌に良好なポリプロピレン樹脂発泡体を得るために、ポリプロピレン樹脂に1-ブテン重合体、ラジカル発生剤、架橋助剤、発泡剤を添加したポリプロピレン架橋発泡体組成物も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のポリプロピレン樹脂発泡体は気泡が粗大になり、発泡倍率も低くてクッション性が悪く、またとりわけ粉末成形では均一な発泡体シートは得られなかった。
本発明はこのような問題点を改善するものであり、押出成形用に優れ、均一で緻密な独立気泡を有する架橋していないポリプロピレン樹脂発泡体シートに適する発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本願の請求項1記載の発明では、ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴムを20〜70重量%と、150°C以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含む押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。
【0007】
本願の請求項2記載の発明では、水素添加スチレン・ブタジエンゴムに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するポリプロピレン樹脂は、プロピレンを単独重合したポリプロピレンホモポリマー、プロピレンとα-オレフィンとのブロックあるいはランダム共重合体のいずれでもよいが、特にα-オレフィンとしてエチレンを用いたブロックあるいはランダム共重合体が発泡体のクッション性の面から好ましい。このポリプロピレン樹脂はエラストマーを微粒子状に分散させるためには、該エラストマーに近い溶融流動性のものが好ましい。
【0009】
ポリプロピレン樹脂と混練すると微粒子状に分散する性質をもつ主たるエラストマーとしては、水素添加スチレン・ブタジエンゴムが挙げられる。
【0010】
水素添加スチレン・ブタジエンゴムは、スチレンとブタジエンがランダムに共重合しているスチレン・ブタジエンゴムを水素添加したもので、例えば日本合成ゴム社製のダイナロン#1000、#2000シリーズがある。
【0013】
本発明では、上記の水素添加スチレン・ブタジエンゴムである主たるエラストマーに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加することができる。
【0014】
他のエラストマーのうちのスチレン系ブロック共重合体エラストマーは、ハードセグメントとしてポリスチレンをもち、ソフトセグメントとしてポリブタジエン、ポリイソプレン、あるいはこれらが水素添加された化学構造を有するエラストマーであり、例えばスチレン・ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレンプロピレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体(SEB)、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体(SEP)、水素添加スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、等を挙げることができる。
【0015】
また、エチレンとα-オレフィンの共重合体のα-オレフィンとしては、プロピレン、ブチレン、ヘキサン、オクタン等が挙げられる。共重合体中のα-オレフィンの量は10重量%以上でエラストマーの性質を有しており、かつポリプロピレン樹脂に微分散するものが好ましい。具体的には、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)とかエチレン・オクテンコポリマーポリプロピレンがある。
【0016】
ポリプロピレン樹脂と上記エラストマーとを混練した場合、粒状に分散(海/島状態)するものと、層状に分散(海/海状態)するものがあり、ソフトセグメントになるモノマーの種類、共重合比率、溶融粘度等により分散構造が変わってくる。例えば、スチレン系ブロック共重合体であるSEBS、SEPSは海/海状態に分散するから粒状に分散するものであり、一概に分散状態の良否を決めにくい。
【0017】
また、エチレンとα-オレフィンの共重合体であるEPRとかエチレン・オクテンコポリマーは粒状に分散する性質をもっているが、分散した粒径が大きくなる傾向があるため、単独でポリプロピレン樹脂とブレンドしたものは良い発泡体が得られない。このため、エチレンとα-オレフィンの共重合体は他の水素添加スチレン・ブタジエンゴムと同時に使用することが望ましい。
【0018】
尚、簡易的に上記エラストマーの分散状態を観る方法としては、発泡剤を添加していないポリプロピレン樹脂組成物を引張試験すると、海/海分散状態のものは破断面が層状に切れており、また粒状で分散しているが粒径の大きいものは伸ばされた部分が白化する現象がみられる。
【0020】
微粒子状に分散する性質をもつ上記のエラストマーは、20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%混合される。この添加量が20重量%未満になると、発泡セルが粗大になり、ガスの逃散により発泡倍率が低くてクッシュン性が乏しくなり、また70重量%を超えると、得られた発泡体の耐熱性が悪く、回復弾性も悪くなる。
【0021】
使用する発泡剤は、150°C以上の分解温度を有しており、ポリプロピレン樹脂と微粒子状に分散する性質をもつエラストマーとを混練する時に分解、発泡しないものが好ましく、有機系熱分解型の発泡剤があり、アドジカルボンアミド、アドジカルボン酸バリウム等のアゾ化合物、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、4,4-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジン、4,4-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3’,3-ジスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体を挙げることができる。なかでも、200°C付近に分解温度をもつアドジカルボンアミドが好ましい。
【0022】
発泡剤の添加量は0.5〜7.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%であり、0.5重量%未満の場合には、発生するガス量が少なくて発泡倍率が低過ぎるため、クッション性が悪くなる。一方、7.0重量%を超えると、発生するガス量が過大になるため、溶融した組成物がガスに抗しきれず、気泡が粗くなったり、極端な場合には発泡体が得られない。
【0023】
また、上記以外にも、顔料、熱安定剤、光安定剤、滑剤、充填剤等を必要に応じて添加される。顔料は通常のオレフィン系に適した有機、無機のものが使用される。更に、脂肪酸金属塩等の滑剤や炭酸カルシウム、タルク等の充填剤等が必要に応じて添加される。
【0024】
これらの配合物の混練は、ポリプロピレン樹脂、微粒子状に分散する性質をもつエラストマー、発泡剤、顔料、安定剤、滑剤をV型ブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサ-等を用いてドライブレンドしたものを二軸押出機で混練するか、あるいはニーダー等で混練することもできるが、混練温度は発泡剤の分解温度以下が好ましく、分解温度より10°C以上低い温度で混練することが好ましい。
【0025】
混練した組成物はペレット状にし、押出機によりシート状に成形した後、熱オーブンあるいは加熱したプレス機により発泡剤の分解温度以上に加熱し、発泡させて発泡体シートを得る。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を具体的な実施例により更に詳細に説明する。
実施例1〜4
表1に示す材料をダンブラーでドライブレンドしたものを、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)の原料ホッパーより供給し、180°Cでスクリュー回転数250rpmで混練押出してポリプロピレン樹脂組成物ペレットを得た。
次に、単軸押出機により170°Cで略1.0mm厚さのシートを押出成形したものを100×100mmに裁断し、280°Cに調節した熱オーブン中の離型紙上で1分間加熱した後、取り出して室温で冷却してポリプロピレン樹脂発泡体を得た。
【0029】
発泡シートの評価は、目視によって表面の凹凸と発泡セルの粗さを観察して粗さの小さい順に優、良、可、不可の4段階で判断した。尚、クッション性の良否もこの判断に比例していた。発泡倍率は発泡体の比重を測定し、ペレットの比重を発泡体の比重で除した値である。これらの結果を表1に併記する。
【0030】
【表1】

【0034】
比較例1〜4
表2に示す材料を実施例1〜4と同様にして混練押出し、ポリプロピレン樹脂組成物ペレットを得て、単軸押出機によりシートを押出成形したものをオーブン中で発泡させ発泡シートを得た。評価は実施例1〜4と同様に行った。その結果を表2に併記する。
【0036】
【表2】

【0037】
この結果、実施例1〜4の押出成形したシートから得られた発泡シートでは、エラストマーが混練すると微粒子状に分散しており、またこれらの各実施例の発泡シートの表面凹凸やセルの粗さは、比較例に比べて少なくて良好であり、また実施例の発泡倍率も比較例に比べて大きくなっていることが判る。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本願の各請求項記載の発明では、ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴムと、150°C以上の分解温度を有する発泡剤とを含めた発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にあり、上記エラストマーが混練すると微粒子状に分散して押出形成性に優れ、また発泡シートの表面凹凸やセルの粗さが小さく、均一で緻密な独立気泡を有する架橋していないポリプロピレン樹脂発泡体シートを得ることができる。
 
訂正の要旨 (1)特許第3187741号公報の請求項1において
「ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマーを20〜70重量%と、150°C以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含むことを特徴とする発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」
とあるのを、特許請求の範囲の減縮を目的として
「ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴムを20〜70重量%と、150°C以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含むことを特徴とする押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」と訂正する。
また、請求項2において
「水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマーとともに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した請求項1記載の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」
とあるのを特許請求の範囲の減縮を目的として
「水素添加スチレン・ブタジエンゴムに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した請求項1記載の押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。」と訂正する。
(2)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第1ページ右欄第9〜10行目にかけての「・・・適する発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物・・」を明りょうでない記載の釈明を目的として、「・・・適する押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物・・」と訂正する。
(3)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第2ページ左欄第27〜28行目にかけて「押出成形性と粉末成形性に優れ」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「押出成形性に優れ」と訂正する。
(4)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第2ページ左欄第33〜40行目にかけて「・・ポリプロピレン樹脂と、水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマーを20〜70重量%と、150°C以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含むことを特徴とする発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「ポリプロピレン樹脂に、水素添加スチレン・ブタジエンゴムを20〜70重量%と、150°C以上の分解温度を有する発泡剤を0.5〜7.0重量%含む押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。」と訂正する。
(5)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第2ページ左欄第41〜49行目にかけて「・・水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマーとともに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「水素添加スチレン・ブタジエンゴムに、スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そしてエチレンとα-オレフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種の他のエラストマーを添加した押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。」と訂正する。
(6)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第2ページ右欄第9〜14行目にかけて「更に、圧力のかからない粉末スラッシュ成形に用いるには、ポリプロピレン樹脂の溶融流動性の指数としてJIS K7210により230°Cで荷重2.16kgfで測定したMFR(メルトフローレート)が20g/10分以上であることが必要である。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(7)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第2ページ右欄第16〜21行目にかけて「水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体(SEBC)、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体(SVIS)から選ばれた少なくとも1種のエラストマーが選ばれる。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「水素添加スチレン・ブタジエンゴムが挙げられる。」と訂正する。
(8)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第2ページ右欄第27〜30行目に「水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体は、スチレンとブタジエンのブロック共重合体を水素添加したものであり、例えば日本合成ゴム社製のダイナロン#4000シリーズがある。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(9)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第2ページ右欄第31〜35行目に「水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体は、スチレンとイソプレンのブロック共重合体を水素添加したものであり、中間ブロックとなるイソプレン30重量%が1,2結合したもので、例えばクラレ社製のハイブラーHVS-3がある。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(10)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第2ページ右欄第36〜40行目にかけて「・・水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種の主たるエラストマーとともに、・・」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「・・水素添加スチレン・ブタジエンゴムである主たるエラストマーに、・・」と訂正する。
(11)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第3ページ左欄第29〜33行目にかけて「・・水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種の主たるエラストマーと」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「・・水素添加スチレン・ブタジエンゴムと」と訂正する。
(12)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第3ページ左欄第41〜48行目に「粉末成形に使用する場合には、上記スチレン系熱可塑性エラストマーのMFRは、大きい方が好ましい。また、ポリプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーの混合比率(ポリプロピレン樹脂/スチレン系熱可塑性エラストマー)は重量比70/30〜30/70であり、重量比70/30を越えると柔軟性が損なわれ、他方重量比30/70未満であると成形体の耐熱性や耐薬品性が低下する。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(13)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第3ページ右欄第41〜49行目にかけて「また、ペレット状組成物をターボミル、ピンミル、ハンマーミル等の衝撃型微粉砕機を用いて微粉砕する方法で粉体樹脂組成物にする。この時通常では液体窒素を用いて冷凍粉砕される。粉砕されたものは篩い等によって粒径が少なくとも500μm以下、好ましくは300μm以下のものを集め、500μmを越えるものは再度粉砕される。そして、粉体樹脂組成物を発泡剤の分解温度以上で粉体成形することによって発泡体シートを得ることができる。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(14)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第3ページ右欄第50行目〜第4ページ左欄第7行目に「上記粉体成形は発泡剤の分解温度以上に加熱された型に粉体樹脂組成物を重力で落下させて投入し、一定時間経過後に型を反転し、余剰の粉体樹脂組成物を回収箱に集める。型表面には粉体樹脂組成物が層となって付着しており、時間経過とともに溶融してスキン層は形成される。次いで、発泡剤が熱分解してガスを発生して発泡体を形成する。そして、型を冷却して発泡体シートを脱型する。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(15)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第4ページ左欄第8〜16行目に「このようにして得られた粉末成形に使用する粉末樹脂組成物が、充分な粉末流動性をもたない場合には、型の複雑形状部に流れ込まずに欠損やピンホールをもつシートを成形することになる。そのため、粉末樹脂組成物の中に流動性改良剤である炭酸カルシウム、シリカ等の充填剤、あるいはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩や脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等の滑剤、あるいは樹脂微粉末などを添加する事ができる。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(16)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第4ページ右欄第1行目に「実施例1〜5」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「実施例1〜4」と訂正する。
(17)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第4ページの表1を訂正明細書の通りに訂正する。すなわち、実施例4を削除して、実施例5を繰り上げて新たに実施例4とする。
(18)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第4ページ左欄第43〜48行目に「 実施例6〜9 表2に示す材料から実施例1〜5と同様にして混練押出したポリプロピレン樹脂組成物ペレットを得て、ターボミルT250-4J(ターボ工業社製)によって、液体窒素に浸したペレットを投入して微粉砕し、1.0mmの篩い通過分のみを集めた。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(19)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第4ページ左欄第49行目〜同ページ右欄第49行目に「次に、上記粉末樹脂組成物を用いて粉体成形を行った。離型用のテフロンシートを貼った150×150×3.0mmのアルミ板をオーブン中で250°Cに加熱し、その上に上記粉末樹脂組成物を約800gのせて10秒間おいて付着させた後、溶融付着しなかった粉体を除いて、300°Cに調節したオーブン中で60秒間加熱し、オーブンより取り出し、そして室温まで冷却して発泡シートを得た。評価は実施例1〜5と同様に行った。その結果を表2に併記する。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(20)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第5ページの表2を削除する。
(21)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第5ページ左欄第21〜25行目に「表3に示す材料を実施例1〜5と同様にして混練押出し、ポリプロピレン樹脂組成物ペレットを得て、単軸押出機によりシートを押出成形したものをオーブン中で発泡させ発泡シートを得た。評価は実施例1〜5と同様に行った。その結果を表3に併記する。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「表2に示す材料を実施例1〜4と同様にして混練押出し、ポリプロピレン樹脂組成物ペレットを得て、単軸押出機によりシートを押出成形したものをオーブン中で発泡させ発泡シートを得た。評価は実施例1〜4と同様に行った。その結果を表2に併記する。」と訂正する。
(22)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第5ページ左欄第26行目〜同ページ右欄第23行目に「比較例5〜7 表3に示す材料を実施例6〜9と同様にしてポリプロピレン樹脂組成物の粉末を作製し、これを用いて粉体成形を行い、発泡シートを得た。評価は実施例1〜5と同様に行った。その結果を表3に併記する。」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として削除する。
(23)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第5ページの表3を繰り上げて新たに表2とするとともに、比較例5〜7を削除する。
(24)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第5ページ左欄第47〜49行目に「この結果、実施例1〜5の押出成形したシートから得られた発泡シートや、実施例6〜9の粉末樹脂組成物を用いて粉体成形して得られた発泡シートでは」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「この結果、実施例1〜4の押出成形したシートから得られた発泡シートでは」と訂正する。
(25)請求項1及び2の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を取るために、特許3187741号公報第6ページ左欄第3行目〜同ページ右欄第3行目に「水素添加スチレン・ブタジエンゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・結晶性エチレンブロック共重合体、そして水素添加スチレン・ビニルイソプレン・スチレンブロック共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマーと、150°C以上の分解温度を有する発泡剤とを含めた発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にあり、上記エラストマーが混練すると微粒子状に分散して押出形成性と粉末成形性に」とあるのを明りょうでない記載の釈明を目的として「水素添加スチレン・ブタジエンゴムと、150°C以上の分解温度を有する発泡剤とを含めた発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にあり、上記エラストマーが混練すると微粒子状に分散して押出形成性に」と訂正する。
(26)特許3187741号公報第4ページの表1を訂正明細書の通りに訂正する。すなわち、表中最も左の列の4行目に「スチレン・オクテン共重合体」とあるのを「エチレン・オクテン共重合体」と訂正する。
異議決定日 2003-03-06 
出願番号 特願平9-87395
審決分類 P 1 651・ 161- YA (C08J)
P 1 651・ 121- YA (C08J)
P 1 651・ 113- YA (C08J)
P 1 651・ 531- YA (C08J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 内田 靖恵  
特許庁審判長 柿 崎 良 男
特許庁審判官 佐 野 整 博
石井 あき子
登録日 2001-05-11 
登録番号 特許第3187741号(P3187741)
権利者 三ツ星ベルト株式会社
発明の名称 押出成形用の発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物  

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