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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B62J |
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管理番号 | 1078828 |
審判番号 | 不服2001-4336 |
総通号数 | 44 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1999-05-18 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-03-22 |
確定日 | 2003-06-30 |
事件の表示 | 平成10年特許願第182039号「サイクルコンピュータ」拒絶査定に対する審判事件〔平成11年5月18日出願公開、特開平11-129964、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯、本願発明 本願は、平成10年6月29日(パリ条約による優先権主張1997年6月28日、米国)の出願であって、その請求項1〜6に係る発明は、平成13年4月18日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める。 【請求項1】 自転車のハンドルバーに取付可能な取付部が一体で形成されたベース部材と、前記ベース部材に揺動可能に取り付けられ、内表面が前記ベース部材に面する閉じた位置からライダーが見ることができる開いた位置に移動可能なカバーと、前記カバーの内表面の一部を形成し、コンピュータ生成データをライダーに表示するための表示装置と、を備えたサイクルコンピュータ。 (以下、本願発明という) 【請求項2】 前記サイクルコンピュータにデータを入力するために、前記ベース部材及び前記カバーの少なくとも一方に設けられたデータ入力装置をさらに備えた、請求項1記載のサイクルコンピュータ。 【請求項3】 前記データ入力装置は、前記ベース部材上に配置されたデータ入力部材を有する、請求項2記載のサイクルコンピュータ。 【請求項4】 前記データ入力装置は、前記カバーの外表面に配置されたデータ入力部材を有する、請求項2又は3記載のサイクルコンピュータ。 【請求項5】 前記データ入力装置は、前記カバーの内表面に配置されたデータ入力部材を有する、請求項2又は3記載のサイクルコンピュータ。 【請求項6】 前記ベース部材は、自転車のハンドルバーの中央部分に装着可能であり、前記ハンドルバーに装着された状態で前方に向いたヘッドライトを含んでいる、請求項1から5のいずれかに記載のサイクルコンピュータ。 2.原査定の理由 本願を拒絶すべきものとした原査定の理由の概要は、本願の請求項1〜5に係る発明は、下記の引用例1に記載されたサイクルコンピュータに引用例2に記載されたコンピュータの構成を適用することにより当業者が容易に想到しえた、というものである。 3.当審の判断 引用例1: 特開平8-301172号公報 引用例2: 特開平9-166405号公報 引用例1には、自転車のハンドルバーに取付用ブラケットを介して取付られた走行データ記憶装置(本願発明のベース部材に相当)と、前記走行データ記憶装置にスライドさせて取付けられたスピードメータと、前記走行データ記憶装置に配置されたコンピュータ生成データをライダーに表示するための表示装置と、を備えた自転車用走行データ処理装置(サイクルコンピュータ)が記載されているものと認められる。 [本願発明について] 本願発明と引用例1に記載の発明とを対比すると、両者は、以下の3点で相違し、その他の点では一致しているものと認められる。 (1)本願発明では、ハンドルバーに取付可能な取付部が一体で形成されたベース部材としているのに対して、引用例1に記載の発明ではブラケットを介して走行データ記憶装置(ベース部材)を取付けている点 (2)本願発明では、ベース部材に揺動可能に取り付けられ、内表面が前記ベース部材に面する閉じた位置からライダーが見ることができる開いた位置に移動可能なカバーを備えているのに対して、引用例1に記載の発明では、このような構成とはなっていない点 (3)本願発明では、カバーの内表面の一部に表示装置を設けているのに対して、引用例1に記載の発明では、このような構成とはなっていない点 前記相違点について検討すると、引用例2には、携帯用無線電話機であって、機器本体6に揺動可能に取り付けられ、内表面が前記機器本体に面する閉じた位置からライダーが見ることができる開いた位置に移動可能な折り畳み部7を備え、該折り畳み部7の内表面の一部に表示装置を設けているものが記載されており、前記(2)及び(3)に係る相違点の構成が存在するともいえるが、本願発明の前記(1)に係る相違点の構成については記載されていない。また、前記(1)に係る相違点の構成は自明な構成であるともいえないから、結局のところ、前記(1)に係る相違点の構成を備える本願発明は、引用例1及び引用例2に記載の発明に基づいて容易に想到できたものとすることはできない。 [請求項2〜6に係る発明について] 請求項2〜6に係る発明は、本願発明の構成を全て含んでおり、その上さらに構成を限定したものであるから、これらの各発明についても本願発明と同様に進歩性を有するものであるのは明らかである。 4.むすび したがって、本願発明及び本願の請求項2〜6に係る各発明は、引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、本願については原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2003-06-09 |
出願番号 | 特願平10-182039 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(B62J)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小山 卓志 |
特許庁審判長 |
藤井 俊明 |
特許庁審判官 |
尾崎 和寛 鈴木 久雄 |
発明の名称 | サイクルコンピュータ |
代理人 | 宮川 良夫 |
代理人 | 小野 由己男 |