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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47G
管理番号 1080592
審判番号 不服2000-11317  
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-08-18 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-07-21 
確定日 2003-07-16 
事件の表示 平成 9年特許願第 42985号「揺動枕」拒絶査定に対する審判事件[平成10年8月18日出願公開、特開平10-215993]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は平成9年2月12日の出願であって、その請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。(以下「本願発明」という)
「枕の下側面および頭部の載る上側面がほぼ半円凹状をしており、しかも仰向けになった場合、枕の上側内面と両耳との間に十分な間隔ができる形状をしており、該半円凹状枕の全体が枕として機能する構造となっている構造において、前記枕を頭頂側から見た場合、枕の中央部の下側部が水平状をしていることを特徴とする揺動枕。」

2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前である、昭和54年7月28日に頒布された、実願昭53-3123号(実開昭54-107511号)の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム(以下「引用刊行物」という)には、いびきを止めるために、横から押してころがすことにより頭を横に向かせるための、揺動可能な「少くとも敷布団接触面を円または円弧状となしたことを特徴としてなる枕」(実用新案登録請求の範囲)が記載されており、「頭の接触する面の形状はいかなるものであってもかまわない」(明細書第2頁第10ー11行)の記載があるが、図面には、頭の接触面がほぼ半円凹状に形成され、仰向けになった場合、枕の上面と両耳の間に十分な間隔ができるものが記載されている。

3.対比
本願発明と引用刊行物記載の発明を対比すると、両者は、「枕の下側面および頭部の載る上側面がほぼ半円凹状をしており、しかも仰向けになった場合、枕の上側内面と両耳との間に十分な間隔ができる形状をしており、該半円凹状枕の全体が枕として機能する構造となっている」揺動枕である点で一致し、本願発明が、「枕を頭頂側から見た場合、枕の中央部の下側部が水平状をしている 」のに対し、引用刊行物記載の発明においては、枕の中央部の下側部も円弧状になっていると認められる点で相違する。

4.当審の判断
上記相違点について検討すると、引用刊行物記載の発明も枕である以上、単にいびきを止めるためだけに用いるのではなく寝返りの時にも使用されるものであり、また、ある程度の安定性が必要なことも明らかであるから、枕の下面に柔軟性を持たせるなり、下面を水平状に形成するなりして安定性を持たせること設計上当然のことと認められる。そして、下面を水平状にして安定性を保つことはごく普通に用いられている手段であるから、その手段を採用した上記相違点は格別のものとはいえない。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-05-02 
結審通知日 2003-05-13 
審決日 2003-05-26 
出願番号 特願平9-42985
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A47G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松縄 正登  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 一色 貞好
和泉 等
発明の名称 揺動枕  
代理人 福島 康文  
代理人 福島 康文  

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