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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H05K
管理番号 1081385
異議申立番号 異議2002-70852  
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-04-05 
確定日 2003-04-30 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3215827号「カメラ一体型装着ヘッド装置」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3215827号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。 
理由 【一】手続の経緯
本件特許第3215827号は、平成4年10月8日に出願された特願平4-294024号の一部を特許法第44条第1項に規定する新たな特許出願として出願され、平成13年8月3日に設定登録されたものであり、その後、請求項1及び2に係る発明について、表記特許異議申立人から特許異議の申立てがあり、平成14年7月5日付けで取消理由の通知をしたところ、その指定期間内の平成14年9月17日付けで特許異議意見書及び明細書についての訂正請求書が提出されたものである。
【二】訂正の要旨
平成14年9月17日付け訂正請求は、願書に添付した明細書を上記訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであるところ、その要旨は、次の訂正事項a〜cのとおりである。
[訂正事項a]
特許請求の範囲の請求項1に「前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するもので、側方より前記照明手段からの光の照射を受けるようになっている」とある記載を、
「前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するものであり、
前記照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射する」と訂正する。
[訂正事項b]
明細書の段落【0005】に「【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置は、チップ部品を吸着する吸着ノズルを有する装着ヘッドと、該装着ヘッド側に取り付けられたカメラと、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の背後を明るくする照明手段と、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の影像を前記カメラに入力するための反射手段とを備え、前記反射手段が、前記吸着ノズルの下方位置に傾斜配置された第1の平面鏡と、前記カメラの下方位置に傾斜配置された第2の平面鏡とを備え、前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品下面の影像を、前記第1及び第2の平面鏡で反射して前記カメラに入力できるとともに、前記第1の平面鏡は前記吸着ノズルの下方位置から外れた位置に退避自在であり、前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するもので、側方より前記照明手段からの光の照射を受けるようになっていることを特徴としている。」とある記載を、
「【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置は、チップ部品を吸着する吸着ノズルを有する装着ヘッドと、該装着ヘッド側に取り付けられたカメラと、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の背後を明るくする照明手段と、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の影像を前記カメラに入力するための反射手段とを備え、
前記反射手段が、前記吸着ノズルの下方位置に傾斜配置された第1の平面鏡と、前記カメラの下方位置に傾斜配置された第2の平面鏡とを備え、前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品下面の影像を、前記第1及び第2の平面鏡で反射して前記カメラに入力できるとともに、前記第1の平面鏡は前記吸着ノズルの下方位置から外れた位置に退避自在であり、
前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するものであり、
前記照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射することを特徴としている。」と訂正する。
[訂正事項c]
明細書の段落【0018】に「【発明の効果】 以上説明したように、本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置によれば、装着ヘッド側に部品認識用のカメラを設けることで装着ヘッド移動中に吸着されているチップ部品の影像を撮像可能として装着速度の高速化を図ることができる。また、吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にてチップ部品を吸着保持するもので、側方より照明手段からの光の照射を受けるようになっており、これによりチップ部品の底面側よりみた外形線の内側が暗い影となり背景が明るくなった影像を撮像可能である。」とある記載を、
「【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置によれば、装着ヘッド側に部品認識用のカメラを設けることで装着ヘッド移動中に吸着されているチップ部品の影像を撮像可能として装着速度の高速化を図ることができる。また、吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にてチップ部品を吸着保持するものであり、照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射するようになっており、これによりチップ部品の底面側よりみた外形線の内側が暗い影となり背景が明るくなった影像を撮像可能である。」と訂正する。
【三】訂正の許否判断
1.訂正の目的
(1)上記訂正事項aは、特許請求の範囲において、ノズルキャップが、側方より照明手段からの光の照射を受けるようになっている構成について、照明手段を、「照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射する」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
(2)上記訂正事項b,cは、訂正事項aによる特許請求の範囲の訂正に伴って、発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載と整合するように訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものと認められる。
2.新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
願書に添付した明細書の段落【0012】に、「前記照明手段としての照明具25は、装着ヘッド10が移動している状態(すなわち吸着ノズル11が上昇位置にある状態)のときに前記ノズルキャップ21に横向きの光を照射するためのもので、アルミ等の不透明材からなる円環状照明ブラケット22と、該照明ブラケット22に固定された複数個の発光ダイオード(LED)23とで構成されている。前記円環状照明ブラケット22の内周面にはスリット24が形成され、発光ダイオード23からの横方向の光がスリット24を介し前記ノズルキャップ21に照射されることになる。」との記載があり、【図2】に対応する構成も記載されているものと認められる。
以上のとおり、上記訂正事項a〜cは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
3.まとめ
したがって、上記訂正請求による明細書についての訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、認められるべきものである。
【四】本件特許発明
上記訂正請求による明細書の訂正が認められるから、本件特許の請求項1及び2に係る発明は、訂正請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。
「【請求項1】 チップ部品を吸着する吸着ノズルを有する装着ヘッドと、該装着ヘッド側に取り付けられたカメラと、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の背後を明るくする照明手段と、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の影像を前記カメラに入力するための反射手段とを備え、
前記反射手段が、前記吸着ノズルの下方位置に傾斜配置された第1の平面鏡と、前記カメラの下方位置に傾斜配置された第2の平面鏡とを備え、前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品下面の影像を、前記第1及び第2の平面鏡で反射して前記カメラに入力できるとともに、前記第1の平面鏡は前記吸着ノズルの下方位置から外れた位置に退避自在であり、
前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するものであり、
前記照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射することを特徴とするカメラ一体型装着ヘッド装置。
【請求項2】 前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品側面の影像を、前記第2の平面鏡のみで反射して前記カメラに入力する請求項1記載のカメラ一体型装着ヘッド装置。」
【五】特許異議申立てについて
1.引用例
前記平成14年7月5日付けで通知した取消理由において引用した刊行物「特開平3-270893号公報」(以下「刊行物1」という。)、「特開昭63-106506号公報」(以下「刊行物2」という。)、「特開平3-212999号公報」(以下「刊行物3」という。)、「米国特許第4973216号明細書」(以下「刊行物4」という。)には、それぞれ以下の事項が記載されているものと認める。
(1)刊行物1
刊行物1には、「電子部品検知搬送装置及びその方法」に関し、
(イ)「装着ヘッド1はこのプリント基板5の表面と平行な面、即ち水平面内にX軸、Y軸をもつ天吊型2軸直交ロボット14により動作して、電子部品4を電子部品供給装置15上から吸着ノズル3で真空吸着して、プリント基板5上へと搬送する。」(第6頁下右欄第8〜13行)
(ロ)「本実施例の構成を第4図に示す。装着へッド1には吸着ノズル3と、吸着ノズルの上下(Z軸)動作の駆動装置16、吸着ノズルの中心軸(θ軸)回りの自転動作の駆動装置17、とともに、撮像装置6と、吸着ノズル3の軸線の延長上に保持される反射面7を持つ光学部品8と、撮像装置6に対して反射面を持つ光学部品8を相対運動させる駆動装置9と、伝動装置18とが設けられている。更に、被写体である電子部品4を照らす照明装置19を光学部品8又は吸着ノズル3の周辺に設ける。」(第6頁下右欄第14行〜第7頁上左欄第4行)
(ハ)「搬送動作中に電子部品4の画像が得られ、撮像のために装着ヘッド1が一旦所定の位置に停止する必要がなくなり、反射面を持つ光学部品8だけが退避動作を行うので短時間で退避でき、電子部品を装着するための合計時間が短縮できる。」(第8頁上右欄第9〜14行)
等の記載が認められる。
したがって、刊行物1には、図面と共に、
“電子部品4を吸着する吸着ノズル3を有する装着ヘッド1と、該装着ヘッド1側に取付けられた撮像装置6と、該装着ヘッド1に取付けられて吸着ノズル3で吸着された電子部品4を明るくする照明装置19と、装着ヘッド1に取付けられて吸着ノズル3で吸着された電子部品4の像を撮像装置6に入力するための反射面を持つ光学装置8、23を備え、これらの光学装置が吸着ノズル3の下方位置に傾斜配置された第1の光学装置即ち平面鏡8と、撮像装置6の下方位置に傾斜配置された第2の光学装置即ち平面鏡23とを備え、吸着ノズル3で吸着された電子部品4の下面の像を、上記第1及び第2の平面鏡8、23で反射して撮像装置6に入力できるとともに、第1の平面鏡8は吸着ノズル3の下方位置から退避位置10へ退避自在であり、前記吸着ノズル3はその下端に前記電子部品4を吸着保持する電子部品検知搬送装置。”
が記載されているものと認められる。
(2)刊行物2
上記刊行物2には、「部品認識用照明方法及びその装置」に関し、
(ニ)「前記部品認識手段8は、吸着ノズルに吸着されている部品PのXY方向の位置と、角度位置を検出するもので、側方位置に配設されたCCD認識カメラ11に対して部品Pの影像を投射するために、吸着ノズル3とCCD認識カメラ11の直下位置に配置された一対の反射鏡12a、12bを備えているとともに、後述の本発明に係る照明装置(図示せず)が併設されている。」(第3頁下左欄第12〜20行)
(ホ)「第1図において、21は前記ターンホルダ2に昇降可能に保持された吸着ノズル本体であって、下端部に設けられた前記吸着ノズル3先端に部品Pを吸着して保持するように構成されている。吸着ノズル3の先端から適当間隔をあけてその外周には外面が円錐状の第1の間接照明体23が取付けられている。この第1の間接照明体23は半透明体からなり、これに向かって投射された光の一部をその外面で乱反射するとともに内部に入射した光を乱反射させて、散乱光を外部に照射するように構成されている。」(第3頁下右欄第17行〜第4頁上左欄第7行)
(ヘ)「24は、吸着ノズル本体21が部品Pの認識位置である下降限に位置したとき、前記第1の間接照明体23に水平方向側方から対向するように配設された照明具であり、直径方向に対向して一対設けられている。」(第4頁上左欄第7〜11行)
(ト)「本発明の部品認識用照明方法によれば、以上のように、吸着ヘッドに小型の部品を吸着している場合には第1の間接照明体からの散乱光にて部品を照明することができる。また、吸着ヘッドに大型の部品を吸着している場合には、部品認識位置に定置した第2の間接照明体からの散乱光にて部品を均ーに照明することができる。」(第5頁下左欄第13〜19行)
等の記載が認められる。
(3)刊行物3
上記刊行物3には、「電子部品搭載作業装置」に関し、
(チ)「搭載軸3の下端には、吸着ノズル10を着脱自在に装着する為の着脱機構Dを設けてある。着脱機構Dでは、第1図(b)の断面図に示す様に、先細に形成した搭載軸3の先端部を挟んでその両側に、一対のチャック爪11,11を回動自在に配設してある。」(第2頁下左欄第18行〜同頁下右欄第3行)
(リ)「吸着ノズル10は、被保持部10aとノズル部10bから成り、その中心軸に沿って吸気孔10cを貫通形成してある。被保持部10aの周面には、係合溝10dを凹設してある。この係合溝10dに上述したチャック爪11,11の各先端が係合し、吸着ノズル10を挟持している。」(第2頁下右欄第11〜16行)
(ヌ)「被保持部10aとノズル部10bの境界部には、光を拡散透過させる拡散板15を固着してある。拡散板15の材料としては、半透明の塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂或るいは磨りガラス等を好適に利用できる。」(第2頁下右欄第17行〜第3頁上左欄第1行)
(ル)「照明器16は、ステー17によりヘッド基体1の下面に取り付けてある。この照明器16は、吸着ノズル10によるチップ部品Cpの吸着状態を画像認識する際の撮像用照明器であり、チップ部品Cpに対し、上述の拡散板15を介して光を照射する。照明器16から投射された光は、拡散板15を透過し出射する際に拡散され、この拡散光がチップ部品Cpに照射される。」(第3頁上左欄第6〜13行)
等の記載が認められる。
(4)刊行物4
(ヲ)刊行物4の第3欄第38行目〜第4欄第2行目には、次の主旨の記載が認められる。
「とくにFIG.2から明らかなように、ビデオカメラ7及び光源ボックス8は外側の人工関節アーム4に取付けられている。ビデオカメラ7はブラケット9に取付けられている。ここでブラケット9は上記外側の人工関節アーム4に取付けられている。同様にブラケット9に取付けられている反射ミラー10によって、ビデオカメラ7の光軸0は、Z軸方向に移動する際にグリッパ5によって保持されている部品11が見える位置に導かれる。グリッパ5が最も高い位置に到着したときに、電子部品11の例えばリード11aがビデオカメラ7の影像領域の中心に位置するように、反射ミラー10が配置されることが望ましい。
光源ボックス8は、ビデオカメラ7あるいはミラー10から見たときに、グリッパ5あるいはこのグリッパ5によって保持された部品11に対して背面側に配置される。光源ボックスはブラケット12に取付けられる。このブラケット12は同様に外側の関節アーム4に取付けられる。ブラケット12の表面12aはビデオカメラ7と一緒に移動する背景を形成する。従って部品11のためにその上にギャグマークを備えることが可能になる。
ブラケット12の表面には光源14からの光のための貫通穴12bが形成され、この貫通穴は光源ボックス8の貫通穴と対応して配列されている。光源14からの光は、光学コンデンサ13によって集束されて、部品11の観察位置に焦点を結ばれる。従って部品11のリード11aがビデオカメラ7上でシャープなシルエットを形成する。」
2.対比・判断
2-1.本件特許の請求項1に係る発明について
(1)本件特許の請求項1に係る発明と上記刊行物1に記載された発明とを対比すると、上記刊行物1に記載された発明の“装着ヘッド1”、“撮像装置6”、“第1の平面鏡8”、“第2の平面鏡23”、“照明装置19”が、それらの機能に照らしてそれぞれ、本件特許の請求項1に係る発明「装着ヘッド」、「カメラ」、「第1の平面鏡」、「第2の平面鏡」、「照明手段」に相当し、また、上記刊行物1に記載された発明の“第1の平面鏡8”及び“第2の平面鏡23”が本件特許の請求項1に係る発明の「反射手段」に相当するものと認められる。
そして、本件特許の請求項1に係る発明の「チップ部品」も上記刊行物1に記載された発明の“電子部品”も「部品」という点で共通し、さらに、上記刊行物1に記載された発明の“吸着ノズル3”も、 本件特許の請求項1に係る発明の「吸着ノズル」と同様に、前記部品を吸着保持するノズルである限度で一致するから、本件特許の請求項1に係る発明と上記刊行物1に記載された発明とは、
「部品を吸着する吸着ノズルを有する装着ヘッドと、該装着ヘッド側に取り付けられたカメラと、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着された部品を明るくする照明手段と、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着された部品の影像を前記カメラに入力するための反射手段とを備え、
前記反射手段が、前記吸着ノズルの下方位置に傾斜配置された第1の平面鏡と、前記カメラの下方位置に傾斜配置された第2の平面鏡とを備え、前記吸着ノズルで吸着された部品下面の影像を、前記第1及び第2の平面鏡で反射して前記カメラに入力できるとともに、前記第1の平面鏡は前記吸着ノズルの下方位置から外れた位置に退避自在であり、
前記吸着ノズルは下端にて前記部品を吸着保持するものであるカメラ一体型装着ヘッド装置」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点A]
上記部品が、本件特許の請求項1に係る発明では「チップ部品」であるのに対して、刊行物1に記載された発明では「チップ部品」と明記されたものでない点
[相違点B]
本件特許の請求項1に係る発明では、上記吸着ノズルが、「ノズル本体とノズル本体に交換自在に嵌着されているノズルキャップから」なり、「ノズルキャップ下端にて前記部品を吸着保持する」のに対して、刊行物1に記載された発明では、上記吸着ノズルが「ノズル本体とノズル本体に交換自在に嵌着されているノズルキャップからなる」ものかどうか明瞭でない点
[相違点C]
上記照明手段が、本件特許の請求項1に係る発明では「部品の背後を明るくする」ものであって、「不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射する」に対して、刊行物1に記載された発明では、「部品の背後を明るくする」ものではなく、また、発光ダイオード及びスリットを用いるものではない点
[相違点D]
本件特許の請求項1に係る発明では、ノズルキャップが、光を部分的に透過させかつ乱反射するものであるに対して、刊行物1に記載された発明では、上記吸着ノズルが光の反射手段を備えているものかどうか明瞭でない点
(2)そこで、上記各相違点について検討する。
(2-1)相違点Aについて
「チップ部品」を自動搭載することは、上記刊行物3にも示されるように、本件特許の出願前に周知の事項であるから、上記部品を「チップ部品」とすることは適宜なし得ることである。
(2-2)相違点Bについて
上記刊行物3には、摘示事項(チ)、(リ)に示すように、搭載軸3に着脱自在に取付けられ下端で部品を吸着する吸着ノズル10が記載されているから、吸着ノズルを「ノズル本体とノズル本体に交換自在に嵌着されているノズルキャップから」構成し、「ノズルキャップ下端にて部品を吸着保持する」構成とすることは、上記刊行物3に記載されたものに基づいて当業者が容易に想到し得ることである。
(2-3)相違点C及び相違点Dについて
上記刊行物2には、上記摘示事項(ホ)、(ヘ)に示すとおり、吸着ノズル3の先端から適当間隔をあけて外面が円錐状の半透明体からなる第1の間接照明体が取付けられ、この間接照明体に対して、水平方向側方から対向するように、直径方向に対向して、照明具を一対設ける構成、及び、前記間接照明体が、側方より前記照明具からの光の照射を受けて、その光の一部を外面で乱反射するとともに内部に入射した光を乱反射させて、散乱光を外部に照射し、吸着ノズル3の先端に吸着された部品の背後を明るくするという、前記構成に基づく作用が実質上記載されているものと認められる。
そして、摘示事項(ト)によれば、小型の部品を吸着する場合には前記間接照明体からの散乱光にて部品を照射することができることが記載されているので、前記照明具からの光の照射を前記間接照明体のみに集中させる構成を採用することは、取り扱う部品のサイズに対応して適宜決定し得ることであり、他方で、光を集中させる手段として不透明材に形成したスリットを用いる点、照明手段として発光ダイオードを用いる点は、いずれも、本件特許の出願前に周知あるいは慣用の技術と認められる。また、前記間接照明体の全周に亘り光の照射を行うことが部品を均等に照射する上で有利なことは技術常識である。
そして、前記間接照明体は、散乱光を外部に照射し、吸着ノズル3の先端に吸着された部品の背後を明るくするものであればその機能を果たせるものであるから、吸着ノズル3の先端まで含めて間接照明体として構成することは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。
したがって、上記刊行物1における照明手段を、「部品の背後を明るくする」ものとし、「不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記吸着ノズルに側方より照射する」構成とするとともに、上記刊行物1における吸着ノズルを「光を部分的に透過させかつ乱反射する」ものに構成することは、本件特許の出願前の前記周知あるいは慣用の技術を参考にしながら、上記刊行物2に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得ることである。
(2-4)そして、上記相違点B、Dについて検討したとおり、当業者が容易に適用し得る刊行物2、3の技術事項を、上記刊行物1における吸着ノズルに同時に適用し、吸着ノズルを「ノズル本体とノズル本体に交換自在に嵌着されているノズルキャップ」から構成し、該ノズルキャップを「光を部分的に透過させかつ乱反射する」ものとして構成することは、当業者が容易に想到し得るとするのが相当である。
(3)このように本件特許の請求項1に係る発明の構成は当業者が容易に想到し得るものであり、作用効果も、上記刊行物1〜3及び上記周知又は慣用の技術から予測し得る程度のものである。
したがって、本件特許の請求項1に係る発明は、上記刊行物1〜3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
2-2.本件特許の請求項2に係る発明
(1)本件特許の請求項2に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、両者は、上記相違点A〜D(ただし、上記相違点A〜Dの記載中の「請求項1」を「請求項2」と書き変える。)に加えて、
[相違点E]
本件特許の請求項2に係る発明は「前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品側面の影像を、前記第2の平面鏡のみで反射して前記カメラに入力する」のに対して、刊行物1に記載された発明では、電子部品側面の影像をカメラに入力することについて言及されたものでない点
で相違する。
(2)上記相違点A〜Dにおける本件特許の請求項2に係る発明の構成は、上記「2-1」の「(2-1)相違点Aについて」、「(2-2)相違点Bについて」、「(2-3)相違点C及び相違点Dについて」に説示の理由と同様の理由により、当業者が容易に想到し得たものである。
また、上記相違点Eについて検討すると、上記刊行物4に、カメラの下方に設けた反射鏡のみで反射して、吸着ノズルで吸着された部品側面の影像をカメラに入力することが記載されており、刊行物1に記載されたものにおいても、第2の光学装置即ち平面鏡23の大きさ及びカメラ6の視野範囲を調節することで、吸着ノズルで吸着された部品側面の影像もカメラに入力することが可能であることは当業者にとって技術常識であるから、吸着ノズルで吸着された部品側面の影像を、第2の平面鏡のみで反射してカメラに入力する構成を採用することは、刊行物4に記載されたものに基づいて当業者が容易に想到し得ることである。
したがって、本件特許の請求項2に係る発明は、上記刊行物1〜4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
【六】むすび
以上のとおりであるから、本件特許の請求項1、2に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件請求項1、2に係る発明についての特許は、拒絶の査定をされるべき特許出願についてされたものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
カメラ一体型装着ヘッド装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 チップ部品を吸着する吸着ノズルを有する装着ヘッドと、該装着ヘッド側に取り付けられたカメラと、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の背後を明るくする照明手段と、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の影像を前記カメラに入力するための反射手段とを備え、
前記反射手段が、前記吸着ノズルの下方位置に傾斜配置された第1の平面鏡と、前記カメラの下方位置に傾斜配置された第2の平面鏡とを備え、前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品下面の影像を、前記第1及び第2の平面鏡で反射して前記カメラに入力できるとともに、前記第1の平面鏡は前記吸着ノズルの下方位置から外れた位置に退避自在であり、
前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するものであり、
前記照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射することを特徴とするカメラ一体型装着ヘッド装置。
【請求項2】 前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品側面の影像を、前記第2の平面鏡のみで反射して前記カメラに入力する請求項1記載のカメラ一体型装着ヘッド装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プリント基板上にチップ部品を実装するチップ部品装着機が備える装着ヘッド装置に係り、とくに吸着ノズルで吸着されたチップ部品の影像をカメラで撮像する機能を持つカメラ一体型装着ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のチップ部品装着機においては、部品認識用カメラはチップ部品装着機の本体側に固定されており、このため装着ヘッドは部品認識用カメラ位置に移動し、一旦停止して(又は所定速度で通過して)、当該装着ヘッドが有する吸着ノズルで吸着されているチップ部品を当該部品認識用カメラで撮像できるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チップ部品の撮像のために部品認識用カメラ位置で装着ヘッドが停止(又は所定速度で通過)する動作の場合、チップ部品のプリント基板に対する装着速度は低下してしまう問題がある。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑み、装着ヘッド側に部品認識用のカメラを設けることで装着ヘッド移動中にチップ部品の影像を撮像可能として装着速度の高速化を図ったカメラ一体型装着ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置は、チップ部品を吸着する吸着ノズルを有する装着ヘッドと、該装着ヘッド側に取り付けられたカメラと、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の背後を明るくする照明手段と、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の影像を前記カメラに入力するための反射手段とを備え、
前記反射手段が、前記吸着ノズルの下方位置に傾斜配置された第1の平面鏡と、前記カメラの下方位置に傾斜配置された第2の平面鏡とを備え、前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品下面の影像を、前記第1及び第2の平面鏡で反射して前記カメラに入力できるとともに、前記第1の平面鏡は前記吸着ノズルの下方位置から外れた位置に退避自在であり、
前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するものであり、
前記照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射することを特徴としている。
【0006】
【作用】
本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置においては、装着ヘッド側に照明手段と反射手段と部品認識用のカメラとを設けており、装着ヘッドの吸着ノズルが吸着したチップ部品の影像を、装着ヘッドの移動中に部品認識用のカメラに取り込むことができる。このため、カメラがチップ部品装着機本体(基台等)に固定されている場合に比べてチップ部品のプリント基板上への装着を能率的に実行できる。
【0007】
【実施例】
以下、本発明に係るカメラ一体型装着ヘッド装置の実施例を図面に従って説明する。
【0008】
図1及び図2において、1はカメラ一体型装着ヘッド装置であり、該カメラ一体型装着ヘッド装置1が設置されたチップ部品装着機の本体フレームによってX方向ガイドレール6が水平方向に支持され、このX方向ガイドレール6に対してX方向に摺動自在なX方向スライダ2が取り付けられている。このX方向スライダ2はX方向駆動手段によりX方向に駆動されるようになっている。X方向スライダ2に一体のブラケット2AにはY方向(紙面に垂直)ガイド軸3が固定され、さらにY方向ボール螺子軸4が回転自在に軸支されている。前記Y方向ガイド軸3はY方向スライドブロック5を摺動自在に貫通しており、前記Y方向ボール螺子軸4はY方向スライドブロック5に螺合している。そして、Y方向ボール螺子軸4を回転駆動することでY方向スライドブロック5はY方向に駆動される。
【0009】
前記カメラ一体型装着ヘッド装置1は、前記Y方向スライドブロック5に固定された装着ヘッド10を有するとともに、装着ヘッド10側に取り付けられた部品認識用カメラ(CCDカメラ等)15、照明手段としての照明具25、及び反射手段としての第1及び第2の平面鏡30,31を有している。
【0010】
前記装着ヘッド10は、下部に吸着ノズル11を備えており、該吸着ノズル11は装着ヘッド10の上部に突出した上下軸12と連動してZ方向(垂直方向)に移動できるようになっている。装着ヘッド10には取付金具13,14を介し前記部品認識用カメラ15が取り付けられている。なお15Aはカメラ15のレンズ部である。
【0011】
図2に示すように、装着ヘッド10の下部の吸着ノズル11は、金属製等のノズル本体20と、該ノズル本体20に交換自在に嵌着されたノズルキャップ21とからなっている。ノズルキャップ21は乳白色(半透明)樹脂等からなり、光を部分的に透過させかつ乱反射する機能を持つものである。
【0012】
前記照明手段としての照明具25は、装着ヘッド10が移動している状態(すなわち吸着ノズル11が上昇位置にある状態)のときに前記ノズルキャップ21に横向きの光を照射するためのもので、アルミ等の不透明材からなる円環状照明ブラケット22と、該照明ブラケット22に固定された複数個の発光ダイオード(LED)23とで構成されている。前記円環状照明ブラケット22の内周面にはスリット24が形成され、発光ダイオード23からの横方向の光がスリット24を介し前記ノズルキャップ21に照射されることになる。
【0013】
前記装着ヘッド10の側面には取付板32が固定され、該取付板32に対しリニアガイド33を介し支持アーム34が図2の紙面に垂直な向き、すなわちY方向に移動自在に取り付けられている。そして、前記第1の平面鏡30はその支持アーム34の傾斜した先端面に固着されている。すなわち、通常は第1の平面鏡30は、吸着ノズル11の下方位置に傾斜配置されていて、該吸着ノズル11の中心軸の延長線(すなわち鉛直線)に対して略45度傾斜した位置関係にある。なお、支持アーム34のY方向の駆動は、取付板32上に取り付けられたエアーシリンダ35で行なう。このように支持アーム34及び第1の平面鏡30をY方向に移動自在としたのは、それらの位置を吸着ノズル11の真下から側方にずらせて、吸着ノズル11によるチップ部品40のフィーダ部からの吸着及びプリント基板へのチップ部品40の装着動作の妨げとならないようにするためである。また、第2の平面鏡31は取付金具13に固定の支持アーム36の傾斜した先端面に固着されている。すなわち、第2の平面鏡31は部品認識用カメラ15の下方位置に傾斜配置されていて、その部品認識用カメラ15の中心軸の延長線(すなわち鉛直線)に対して略45度傾斜していて前記第1の平面鏡30からの反射光を受ける位置関係となっている。
【0014】
次に上記実施例の動作説明を行う。カメラ一体型装着ヘッド装置1の吸着ノズル11がチップ部品装着機のフィーダ部の吸着ステージからチップ部品を吸着するときは、装着ヘッド10のX-Y方向の移動により吸着ノズル11は指定された吸着ステージの真上に移動するとともに、エアーシリンダ35の働きで第1の平面鏡30及び支持アーム34は吸着動作の邪魔にならない位置に退避する。その後、吸着ノズル11は下降動作を行って所定のチップ部品を真空吸引によりピックアップして上昇位置に戻り、所定位置に位置決め支持されたプリント基板上の部品装着位置への移動を開始する。
【0015】
前記吸着ノズル11が上昇位置に復帰後は、前記第1の平面鏡30及び支持アーム34も元の位置、すなわち図3のように、第1の平面鏡30が吸着ノズル11の真下位置となるように戻る。そして、前記装着ヘッド10の前記部品装着位置への移動期間中に、照明具25の発光ダイオード23を発光させて吸着ノズル11下端部を構成するノズルキャップ21に横方向の光を照射する。ノズルキャップ21は乳白色(半透明)樹脂等からなり、光を部分的に透過させかつ乱反射する機能を持つものであるから、図2のようにノズルキャップ21の下端で吸着保持されたチップ部品40の背後が明るく光る。この結果、チップ部品40底面側よりみた外形線の内側が暗い影となり背景が明くなった影像(チップ部品底面のもの)が、図3から判るように、第1の平面鏡30で第2の平面鏡31に向けて反射され、さらに第2の平面鏡31で下方に向いた部品認識用カメラ15に向けて反射される。この結果、部品認識用カメラ15はチップ部品40底面の外形線の影像を取り込むことができる。また、同時にチップ部品40の側面の影像は、図3から判るように、第2の平面鏡31で直接反射されて部品認識用カメラ15に入力される。この結果、部品認識用カメラ15による画像は図4のようになり、図中影像(イ)はチップ部品底面のもの、影像(ロ)はチップ部品側面のものである。そして、部品認識用カメラ15のビデオ信号を処理する画像処理装置によって影像(イ)からチップ部品40の吸着姿勢を認識でき、あわせてノズルキャップ21の中心位置Cに対するチップ部品40の位置ずれ(X,Y方向の位置ずれ及び回転方向の位置ずれ)を検出できる(部品認識用カメラ15とノズルキャップ21中心との位置関係は予め既知としておくことができるので)。また、チップ部品側面の影像(ロ)の吸着ノズルと反対側の外形線に接する直線(ハ)の位置から部品高さ検出することができる(吸着ノズル下端面の高さは既知であるから)。この結果、個々のチップ部品の高さを検出して装着時の吸着ノズル下降量の高精度の制御が可能となる。このことは、別個に部品高さ検出用センサを設けたり、該高さ検出用センサの位置へ装着ヘッドが移動する必要がないことを意味し、機構の簡略化や、チップ部品装着の効率化に有効である。
【0016】
前記装着ヘッド10がプリント基板上の部品装着位置に到着する前に上記チップ部品40についての画像認識は終了しており、装着ヘッド10は前記チップ部品40の吸着ノズル11に対する位置ずれを考慮してプリント基板への装着を実行する。すなわち、前記部品装着位置に正確にチップ部品40が載置されるように前記チップ部品40の位置ずれを相殺するように装着ヘッド10の停止位置が決定され、この結果、高精度のチップ部品実装が可能となる。なお、チップ部品装着時も、エアーシリンダ35の働きで第1の平面鏡30及び支持アーム34は吸着ノズル11の装着動作の邪魔にならない位置に退避する。
【0017】
なお、第2の平面鏡31も第1の平面鏡30と同様な機構でカメラ15の真下から退避可能とすれば、カメラ15を用いてプリント基板上の位置決め用基板マーク(プリント基板上の部品装着位置と一定位置関係にある)を撮像することができ、さらにチップ部品実装前のプリント基板上の配線パターンの検査や実装後のチップ部品装着状態の検査を実行するようにできる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置によれば、装着ヘッド側に部品認識用のカメラを設けることで装着ヘッド移動中に吸着されているチップ部品の影像を撮像可能として装着速度の高速化を図ることができる。また、吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にてチップ部品を吸着保持するものであり、照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射するようになっており、これによりチップ部品の底面側よりみた外形線の内側が暗い影となり背景が明るくなった影像を撮像可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係るカメラ一体型装着ヘッド装置の実施例を示す正面図である。
【図2】
実施例の要部拡大正面図である。
【図3】
チップ部品の影像取り込みを示す説明図である。
【図4】
部品認識用カメラで取り込んだ画像の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 カメラ一体型装着ヘッド装置
10 装着ヘッド
11 吸着ノズル
15 部品認識用カメラ
20 ノズル本体
21 ノズルキャップ
23 発光ダイオード
25 照明具
30,31 平面鏡
35 エアーシリンダ
 
訂正の要旨 訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の「前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するもので、側方より前記照明手段からの光の照射を受けるようになっている」と記載されていたものを特許請求の範囲の限縮を目的として以下のように訂正する。
「前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するものであり、
前記照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射する」
これに伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明瞭でない記載の釈明を目的として、明細書段落【0005】【課題を解決するための手段】の欄、及び段落【0018】【発明の効果】の欄を以下のように訂正する。
「 【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置は、チップ部品を吸着する吸着ノズルを有する装着ヘッドと、該装着ヘッド側に取り付けられたカメラと、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の背後を明るくする照明手段と、前記装着ヘッド側に取り付けられていて前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品の影像を前記カメラに入力するための反射手段とを備え、
前記反射手段が、前記吸着ノズルの下方位置に傾斜配置された第1の平面鏡と、前記カメラの下方位置に傾斜配置された第2の平面鏡とを備え、前記吸着ノズルで吸着されたチップ部品下面の影像を、前記第1及び第2の平面鏡で反射して前記カメラに入力できるとともに、前記第1の平面鏡は前記吸着ノズルの下方位置から外れた位置に退避自在であり、
前記吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にて前記チップ部品を吸着保持するものであり、
前記照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射することを特徴としている。」
「 【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカメラ一体型装着ヘッド装置によれば、装着ヘッド側に部品認識用のカメラを設けることで装着ヘッド移動中に吸着されているチップ部品の影像を撮像可能として装着速度の高速化を図ることができる。また、吸着ノズルはノズル本体と該ノズル本体に交換自在に嵌着されていて光を部分的に透過させかつ乱反射するノズルキャップからなり、該ノズルキャップは下端にてチップ部品を吸着保持するものであり、照明手段は不透明材ブラケット及び該ブラケットに固定された複数個の発光ダイオードで構成され、前記ブラケット内周面のスリットを介して前記発光ダイオードの光を前記ノズルキャップに側方より照射するようになっており、これによりチップ部品の底面側よりみた外形線の内側が暗い影となり背景が明るくなった影像を撮像可能である。」
異議決定日 2003-03-11 
出願番号 特願平4-303132
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (H05K)
最終処分 取消  
前審関与審査官 内田 博之  
特許庁審判長 蓑輪 安夫
特許庁審判官 尾崎 和寛
ぬで島 慎二
登録日 2001-08-03 
登録番号 特許第3215827号(P3215827)
権利者 ティーディーケイ株式会社
発明の名称 カメラ一体型装着ヘッド装置  
代理人 村井 隆  
代理人 村井 隆  
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