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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C08J
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 C08J
管理番号 1085879
審判番号 不服2001-481  
総通号数 48 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-11-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-01-12 
確定日 2003-10-22 
事件の表示 平成11年特許願第123669号「合成樹脂用模様材」拒絶査定に対する審判事件[平成12年11月14日出願公開、特開2000-313746]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成11年4月30日の出願であって、平成12年12月1日付けの拒絶査定に対し、平成13年1月12日付けで審判請求がなされ、その後平成13年2月6日付で明細書の補正を目的とする手続補正書が提出されたものである。

2.平成13年2月6日付手続補正について
[決定の結論]
平成13年2月6日付手続補正を却下する。
[決定の理由]
当該補正は、特許請求の範囲の請求項1において「アラミド繊維」とあったものを「ナイロンを除くアラミド繊維」にする補正を含むので、以下この補正(以下「本件補正」という。)の適否について検討するに、アラミド繊維とナイロンとは本来別のものであり、アラミド繊維にはナイロンは含まれないのであるから、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと解することはできない。
また、この補正が明りょうでない記載の釈明若しくは誤記の訂正を目的とするものとも解することはできず、当然ながら請求項の削除を目的とするものでもない。
してみれば、本件補正は、特許法第17条の2第4項の各号に掲げるいずれにも該当しないので、これを含む平成13年2月6日付手続補正は、同法第159条第1項の規定により準用する同法第53条第1項の規定により却下する他はない。
よって、上記のとおり決定する。

3.本願発明
上記のとおり、平成13年2月6日付手続補正は却下の決定がなされたので、本願発明は、平成12年2月21日付手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の記載に依るべきところ、その請求項1は以下のとおり、記載されている(以下、この発明を「本願発明」という。)。
「樹脂成形品に模様を形成するための合成樹脂用模様材であって、径1〜200d、長さ0.1〜3mmのアラミド繊維又はポリベンズイミダゾール繊維のいずれか一方又は双方を繊維の基材として使用することを特徴とする合成樹脂用模様材。」

4.引用例の記載事項
これに対し、原査定に引用された本願の出願前頒布された刊行物である特開平2-150459号公報(以下「引用例」という。)には、「熱可塑性樹脂をベースとしてなる石目調を有する樹脂組成物に関する」(1頁左下欄(産業上の利用分野)の下)発明が記載され、「着色された特定の合成繊維を熱可塑性樹脂に配合した組成物は、配合時はもちろんのこと、成形時においても該着色合成繊維が熱可塑性樹脂に溶解しておらず、かつ、繊維中の着色剤も熱可塑性樹脂に溶出しておらず、着色繊維として樹脂中に均一分散していることにより、砂石や御影石の様な石目調を有していることを見出し、本発明に到達したものである。」(2頁左上欄2〜9行)、「本発明においては、繊維長0.1〜10mm、繊維径5〜1000μの着色された合成繊維(B)を熱可塑性樹脂(A)中に分散させる。」(2頁左下欄9〜11行)、「合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。」(2頁右下欄11〜14行)等の記載がなされている。

5.対比・検討
引用例には、特定の合成繊維を熱可塑性樹脂に配合させて石目調の模様を現出させる発明が記載され、該合成繊維として、繊維長0.1〜10mm、繊維径5〜1000μの着色された合成繊維を用いること、当該合成繊維としてアラミド繊維を用いること、がいずれも記載されており、繊維の形状について、本願発明では長さとデニール値で、引用例記載の発明では長さと繊維径で規定されているが、両発明で規定する範囲は計算上明らかに重複しており、この点を実質的な相違点とすることはできないから、結局のところ、本願発明は、引用例に記載された発明とする他はなく、したがって、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。

6.むすび
以上のとおりであるから、本願他の発明については検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-08-07 
結審通知日 2003-08-12 
審決日 2003-08-27 
出願番号 特願平11-123669
審決分類 P 1 8・ 113- Z (C08J)
P 1 8・ 572- Z (C08J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤本 保  
特許庁審判長 柿 崎 良 男
特許庁審判官 舩 岡 嘉 彦
石井 あき子
発明の名称 合成樹脂用模様材  
代理人 井澤 幹  
代理人 井澤 洵  

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