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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09F |
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管理番号 | 1086081 |
審判番号 | 不服2001-16816 |
総通号数 | 48 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2002-07-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-09-20 |
確定日 | 2003-10-30 |
事件の表示 | 特願2001- 8537「記念贈呈用テーブルガイド」拒絶査定に対する審判事件[平成14年 7月31日出願公開、特開2002-215032]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成13年1月17日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成15年7月10日付手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める(以下、「本願発明」という)。 「【請求項1】 テーブル上に載置してそのテーブルを特定すると共に、主賓に対して贈呈することが可能なシート状の記念贈呈用テーブルガイドであって、 上記シート状のテーブルガイドの第一面に、遠目で目視可能な大きさでテーブルを特定するための文字、数字、記号、図形又は色彩等、のうちの少なくとも一つを表示して参会者に対して指定のテーブルを指示すると共に、 上記テーブルガイドの第二面に、参会者から主賓への心情を表わす文字、記号、図形、又は署名、のうちの少なくとも一つを寄せ書き記入しうる欄を予め用意して成り、 参会者が自分の指定テーブルを正しく認識しうると共に、テーブルに着席した状態においてテーブル単位で上記寄せ書き記入が可能なようにテーブル上に載置しうることを特徴とする、記念贈呈用テーブルガイド。」 2.引用刊行物 当審における拒絶の理由において引用された実願昭56-141907号(実開昭58-47881号)のマイクロフイルム(以下、「引用刊行物1」という)には、下記のとおり記載されている。 (A-1)「テーブルナンバープレートはレストラン、宴会場等において、テーブルナンバーを遠くからでも知ることができるようにテーブル上に載置する案内板で、…上部に嵌合溝を有するプレート装着部2を支柱上端に設け、テーブルナンバーを記入したプレート3を前記溝内に嵌着してなるものである。」(第1頁12〜18行) したがって、上記(A-1)の記載を含む明細書及び図面の記載からみて、引用刊行物1には、次のような発明(以下、「引用発明」という)が記載されていると認められる。 「テーブル上に載置してそのテーブルを特定するテーブルナンバープレートであって、 上記テーブルナンバープレートに、テーブルナンバーを遠くからでも知ることができるようにテーブルナンバーを記入したテーブルナンバープレート。」 3.対比・判断 そこで、本願発明(前者)と引用発明(後者)とを比較すると、後者の「テーブルナンバープレート」は、前者の「テーブルガイド」に相当する。 また、後者において、「テーブルナンバーを遠くからでも知ることができるようにテーブルナンバーを記入した」ことは、すなわち「遠目で目視可能な大きさでテーブルナンバーを表示して参会者に対して指定のテーブルを指示する」ものであって、かつ、「参会者が自分の指定テーブルを正しく認識しうるように」したものであるということができる。 さらに、後者における「テーブルナンバー」は、「テーブルを特定するための文字、数字、記号、図形又は色彩等、のうちの少なくとも一つ」である。 そうすると、両者は 「テーブル上に載置してそのテーブルを特定するテーブルガイドであって、 上記テーブルガイドに、遠目で目視可能な大きさでテーブルを特定するための文字、数字、記号、図形又は色彩等、のうちの少なくとも一つを表示して参会者に対して指定のテーブルを指示すると共に、 参会者が自分の指定テーブルを正しく認識しうるようにテーブル上に載置しうることを特徴とする、テーブルガイド。」 の点で一致し、 (イ)前者におけるテーブルガイドは、シート状であって、テーブルに着席した状態においてテーブル単位で上記寄せ書き記入が可能なように第二面に、参会者から主賓への心情を表わす文字、記号、図形、又は署名、のうちの少なくとも一つを寄せ書き記入しうる欄を予め用意して成る記念贈呈用のテーブルガイドであるのに対し、後者におけるテーブルガイドには、そのような構成は存在しない点、 において相違する。 そこで、上記相違点(イ)について検討する。 相違点(イ)について 当審における拒絶の理由において引用された実願昭58-27177号(実開昭59-134164号)のマイクロフイルム(以下、「引用刊行物2」という)には、下記のとおり記載されている。 (B-1)「本考案は結婚式会場等にて使用される芳名板に関し、特に裏面に出席者の寄せ書きを記載する欄を設け、該欄に寄せ書きを記載したものを当事者に贈るようにするものである。」(第1頁9〜12行) (B-2)「この芳名板は結婚式、竣工式、栄転を祝う会、新年会、忘年会、当選祝勝会等の種々の宴会会場を表示する手段として使用される。」(第1頁17〜19行) (B-3)「本考案の芳名板はその裏面に寄せ書きの記載欄を設けたので、該欄に寄せ書きしたものを祝福される人に価値ある記念品を贈呈することができ、」(第4頁12〜14行) ここで、引用刊行物2の芳名板は、結婚式、竣工式、栄転を祝う会、新年会、忘年会、当選祝勝会等の種々の宴会会場を表示する手段として使用されるものであり、その裏面に寄せ書きの記載欄を設けたものであって、該欄に寄せ書きしたものを贈呈することができるものである。 また、引用刊行物2に記載の「寄せ書きの記載欄」は、本願発明における「参会者から主賓への心情を表わす文字、記号、図形、又は署名、のうちの少なくとも一つを寄せ書き記入しうる欄」に相当する。 さらに、引用刊行物2の芳名板は「寄せ書きの記載欄を設けた」ものであり、当該記載欄は、その部分に寄せ書きを行うことができるものであるから、寄せ書きのための記載欄を予め用意してあるということができる。 してみると、引用刊行物2には 「宴会会場を特定すると共に、主賓に対して贈呈することが可能な記念贈呈用芳名板であって、 上記芳名板の第一面に、宴会会場を表示して参会者に対して指定の宴会会場を指示すると共に、 上記芳名板の第二面に、参会者から主賓への心情を表わす文字、記号、図形、又は署名、のうちの少なくとも一つを寄せ書き記入しうる欄を予め用意して成り、 参会者が自分の宴会会場を正しく認識しうると共に、上記寄せ書き記入が可能な、芳名板。」 が記載されていると認められる。 そして、引用刊行物2に記載の「芳名板」も、本願発明における「テーブルガイド」も、ともに場所を特定し参会者に対して指定の場所を指示するために用いられる、案内表示のためのものであるから、上記引用発明に、上記引用刊行物2に記載された発明を適用することは、当業者が容易になし得ることができたものである。 ここで、寄せ書きを行う部材をシート状に形成することは、色紙に寄せ書きを行うことがこの出願前周知慣用されていることからも、当業者が必要に応じて適宜採用し得る程度の事項にすぎない。 また、テーブルガイドそれ自体をシート状に形成することについては、当審における拒絶の理由において周知例として引用された登録実用新案公報第3060733号に、テーブルガイドと同様に案内表示のために用いられる席札をシート状に形成したものが記載されているように、案内表示のために用いられるテーブルガイドそれ自体をシート状に形成することは、当業者が必要に応じて適宜なし得る程度の事項にすぎない。 すなわち、相違点(イ)は、引用刊行物2に記載された事項及び周知技術から当業者が容易になし得ることができたものであり、しかも、かかる事項を備えた本願発明の作用効果は、引用発明及び引用刊行物及び周知技術から予測し得る範囲のものにすぎないものである。 そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び引用刊行物及び周知技術から当業者が容易に予測し得る範囲のものである。 4. むすび 以上のとおり、本願発明は、引用刊行物1に記載された発明、引用刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-08-25 |
結審通知日 | 2003-08-26 |
審決日 | 2003-09-12 |
出願番号 | 特願2001-8537(P2001-8537) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G09F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 塩澤 克利、仁木 浩 |
特許庁審判長 |
小沢 和英 |
特許庁審判官 |
津田 俊明 鈴木 秀幹 |
発明の名称 | 記念贈呈用テーブルガイド |
代理人 | 篠田 文雄 |
代理人 | 津国 肇 |