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審決分類 審判 一部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 一部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1086337
異議申立番号 異議2003-70178  
総通号数 48 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-06-02 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-01-22 
確定日 2003-08-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3305070号「カラー画像再現システム」の請求項1ないし3、6ないし8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3305070号の請求項1ないし3、6ないし7に係る特許を維持する。 
理由 1.[手続の経緯]
本件特許第3305070号の請求項1ないし請求項8に係る発明についての出願は、平成5年11月17日に出願され、平成14年5月10日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、特許異議申立人大木茂により特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成15年6月16日に訂正請求がなされたものである。

2.[訂正の適否]
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は以下のa〜eのとおりである。
ア.訂正事項a
請求項6を削除する。これに伴い、請求項7および8の請求項番号 を繰り上げて、新請求項6,7とする。
イ.訂正事項b
請求項1,7(新請求項6)および特許明細書の段落[0007] において、「前記第1画像出力装置および前記第2画像出力装置」を 「前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置」と 訂正する。
ウ.訂正事項c
請求項1,7(新請求項6)および特許明細書の段落[0007] において、「前記デバイスプロファイルである・・・に基づき、画像 データ」を「前記デバイスプロファイルであって、前記第1画像出力 装置における印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる前記印刷 条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用い て、画像データ」と訂正する。
エ.訂正事項d
請求項8(新請求項7)において、「前記カラー画像」を「前記カ ラー印刷画像」と訂正する。
オ.訂正事項e
特許明細書の段落[0041]において、「印刷/共通空間変換プ ロファイル群」を「印刷/共通色空間変換プロファイル群」と訂正す る。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項bは、「前記第1画像出力装置および前記第2画像出力装置の出力条件」を「前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置の出力条件」と訂正するもの、すなわち、第1画像出力装置の「出力条件」を「印刷条件」と訂正するものであるが、願書に添付された明細書の段落[0017]に「画像出力装置14Bにおける種々の印刷条件を考慮した上で」と記載されていることをはじめ、第1画像出力装置である画像出力装置14Bにおいて、考慮されるのは「印刷条件」であることは、明かであるので、前記訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的としたものに該当し、また、訂正事項cは、「印刷/共通色空間変換プロファイル」に含まれるものとして、「印刷条件」とともに、「印刷条件に対応したパラメータを有する変換式」も含めたものであるが、このような「変換式」が含まれることは、願書に添付された明細書の段落[0050][0051][0052]などに記載されているから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、さらに、訂正事項dおよび訂正事項eは、誤記の訂正を目的としたものに該当していて、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。
(3)独立特許要件について
上記のように請求項1が訂正されるので、請求項1を引用する請求項4及び5について、それらの請求項に係る発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか検討する。
平成15年4月3日付けで通知した取消理由1の概要は、本件の請求項1-3、6-8に係る発明は、下記(3)の刊行物1-4に記載された発明に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。また、取消理由2の概要は、本件の請求項1-3、6-8の記載は明確でないので、発明の構成に欠くことのできない事項のみが記載されたものとはいえず、本件出願は、明細書の記載が不備のため、特許法第36条第5項及び第6項に規定する要件を満たしていないというものである。
(1)に示した訂正事項により取消理由2は解消されていて、本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
第1画像出力装置より出力されるカラー印刷画像に対応したカラー再現画像を第2画像出力装置から出力するカラー画像再現システムにおいて、
前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置の出力条件を設定した種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルであって、前記第1画像出力装置における印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる前記印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換する共通色空間変換テーブルを生成する共通色空間変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の出力条件を含む出力デバイスプロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第2画像出力装置の固有色空間データに変換する固有色空間変換テーブルを生成する固有色空間変換部と、
前記共通色空間変換テーブルと前記固有色空間変換テーブルとを合成し、画像変換テーブルを生成する画像変換テーブル生成部と、
を備え、前記画像変換テーブルにより画像データを変換し、前記カラー再現画像を前記第2画像出力装置から出力することを特徴とするカラー画像再現システム。」
一方、当審が通知した取消理由1に引用した刊行物は、次のとおりである。

刊行物1.特表平5-502781号公報
(異議申立人大木茂が甲第1号証として示したもの)
刊行物2.特開平5-227418号公報
(異議申立人大木茂が甲第2号証として示したもの)
刊行物3.松浦晋「見た色をそのままパソコンで扱うマックの「Colo rSync」が登場」日経パソコン第187号(1993.3. 1)p.159-164
(異議申立人大木茂が甲第3号証として示したもの)
刊行物4.特開平5-216452号公報
(異議申立人大木茂が甲第4号証として示したもの)

そして、各刊行物には、以下の記載がある。
刊行物1
「本発明は一般にカラー画像処理システムに関するものであり、特に、第1調整スペースから第2調整スペースに変換するためにルックアップ・テーブルを採用しているカラー画像処理システムに関するものである。」(第5頁下右第5-7行)
「ユーザの要請に答えて、あるモードの演算に於て、変換コントローラ20は前もって決定し、記憶されている変換定義の収集19から一組の変換定義を選択する。前もって決めた変換定義のそれぞれは最初の色空間内の画像の各色を表す値を他の一組の値(例えば、他の色空間の他の色)に写像して、所望の画像変換を得る単一の変換である。ユーザは本発明に従って自分自身の特注の変換定義を作成することもできる。」(第7頁上左第1-6行)
「図3(a)に示したように、各変換定義で画像を順に処理すれば、選択変換は順に実行できるが、本発明に従って急速に処理するときは、コントローラ20は動的に4種類の変換定義12(a)、24,26,15(a)から複合変換定義28を構成する。次に、複合変換定義28に従って単一変換ステップにおいてスキャナ10(a)からの電子画像が処理され、カラー・モニタ16(a)に表示される。(第7頁上右第17-21行)
これらの事項によると、刊行物1には、「スキャナからの電子画像が処理され、カラー・モニタに表示されるようなカラー画像処理システムにおいて、第1調整スペースから第2調整スペースに変換するために、前もって決定し、記憶されている変換定義で順に処理すること。」の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているといえる。
刊行物2
「本発明は、画像を表現するデータを処理する方法および装置に関する。」(段落[0001]の記載)
「例えば、第1のイメージ出力装置は、CRTモニタであって、第2のイメージ出力装置は、カラープリンタであってもよい。」(段落[0020]の記載)
「ここでは、オペレータは、表示されたイメージのハードコピー版を生成したいものとする。このハードコピーはプリンタ7によって印画されるが、ここで、RGBカラー空間からCMYKカラー空間への表現の変換が必要となる。」(段落[0024]の記載)
刊行物3
「このColorSyncで色補正をかけると、実物に近い色調で読み取り、編集、印刷が可能になる(図1,2)」(p.160中欄)
「ColorSyncは、RGB基準、またはCYMK基準を採用した機器からの色情報を、すべてCIE-XYZ基準に変換したうえで色補正を行う。このような一見面倒に思える手続きを踏むのは、どのような補正を行うかを記録したファイル(プロファイル)を、標準化されたフォーマットで記述するため。各色基準ごとに、別々のプロファイルを用意する必要がなくなる。」(p.161右欄-p.162左欄)
「スキャナーにせよプリンターにせよ、再現できる色の範囲には機器固有の制限がある。ディスプレイで見えている色が、カラー・プリンターでは出力できない色であることも十分あり得る。そのような場合、代わりに次善の色を選択して、出力に違和感がないようにしなくてはならない。
ColorSyncでは、人間が見た時の違和感を少なくする、なるべく色が変わらないようにする、など4種類に色の選択手法(アルゴリズム)を用意している。」(p.162中欄-右欄)
「●図3 ディスプレイの補正情報ファイルである「システム・プロファイル」を選択する。ダイアログ・ボックスに各ディスプレイ用のシステム・プロファイルが見えている」(p.161)
「●図4 ColorSyncの働き。スキャナーとプリンターそれぞれの段階で、ColorSyncを使って色補正する」(p.162)
刊行物4
「本発明は、カラー画像の再生、より詳細には、例えば、様々な異なる周囲照明条件下で、CRT モニタ上に表示されるカラー画像と、本システムによって同一の画像の印刷物として生成されるカラー画像との間で、非常に好ましい色の一致を実現する印刷プレビュー機能の実行に使用するのに適した技法に関する。」(段落[0001]の記載)
「従って、本発明の目的は、様々な異なる周囲照明条件の下で、CRTモニタ上に表示されるカラー画像と、このようなシステムによって印刷物として生成される画像との間で、非常に好ましい色合せが得ることのできるカラー電子画像システムにおける印刷プレビュー機能を提供することである。」(段落[0014]の記載)
「前に示したように、本システム及び本発明の方法は、モニタ24のCRTスクリーン上の画像領域と出力装置26によって生成される印刷との間の色彩が、“良好”に一致することを目的としている。このように色彩を一致させるためのステップの多くは従来型のものである。標準化カラースペース(Colorspaces)及び装置に特有な制御値の変換は、従来型の多次元ルックアップテーブル(LUTs)のように実行される。」(段落[0037]の記載)
本件発明1と引用発明1を対比すると、両者は、「カラー画像処理システムにおいて、第1調整スペースから第2調整スペースに変換するために、変換定義で順に処理すること。」において一致し、前者が、「カラー画像処理システムが、カラー印刷画像に対応したカラー再現画像を出力するカラー画像再現システムであって、種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置によって発生された印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換するものである」のに対して、後者は、「スキャナからの電子画像が処理され、カラー・モニタに表示されるようなカラー画像処理システムであって、前もって決定し、記憶されている変換定義で順に処理するものである」点で、相違している。
そして、「第1のイメージ出力装置は、CRTモニタであって、第2のイメージ出力装置は、カラープリンタであること。RGBカラー空間からCMYKカラー空間への表現の変換が必要となること。」が記載されている刊行物2,「ディスプレイで見えている色を、カラー・プリンターで出力すること。RGB基準、またはCYMK基準を採用した機器からの色情報を、すべてCIE-XYZ基準に変換したうえで色補正を行うこと。」が記載されている刊行物3,「CRTモニタ上に表示されるカラー画像と、印刷物として生成される画像との間で、好ましい色合せが得ることのできるカラー電子画像システム。標準化カラースペース及び装置に特有な制御値の変換は、従来型の多次元ルックアップテーブルのように実行されること。」が記載されている刊行物4のそれぞれには、前記相違点のうちの「種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置によって発生された印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換すること」について、何も記載されていなく、示唆もされていない。
そして、この「印刷条件と、印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換すること」により、本件発明1は、明細書記載の「カラー画像データを画像再現装置の色空間データに変換するに際して、印刷条件プロファイルに、種々の印刷条件をパラメータとして設定しておき、所望のパラメータを前記印刷条件プロファイルから選択して、色空間データ変換式に対応させ、この色空間データ変換式によりデータ変換を行うため、種々の印刷条件に容易に対応することができ、これによって印刷物にマッチングした再生画像を得ることができる。」(訂正明細書段落[0064]参照。)といった顕著な作用効果を奏するものと認められる。
してみると、本件発明1は、刊行物1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではなく、請求項1を引用する請求項4及び5に係る発明も、同様の理由により刊行物1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではない。
また、他に本件請求項4及び5に係る発明を拒絶すべき理由を発見しないので、請求項4及び5に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
(4)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.[特許異議の申立ての概要]
特許異議申立人大木茂は、特許第3305070号の請求項1-3および6-8に係る発明は、甲第1号証(特表平5-502781号公報)、甲第2号証(特開平5-227418号公報)、甲第3号証(日経パソコン第187号、159-164頁)、甲第4号証(特開平5-216452号公報)に記載された発明と同一、または、甲第1号証乃至甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項、または、第2項の規定により特許を受けることができないものであり、また、本件特許発明には、その課題を解決する構成が記載されていなく、本件特許発明は特許法第36条に規定される要件を満たしていないものであり、取り消されるべきものである旨主張している。

4.[当審の判断]
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、取消理由2は解消されていて、本件の請求項1-3,6-7に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1、2,3,6、7」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1-3,6-7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
第1画像出力装置より出力されるカラー印刷画像に対応したカラー再現画像を第2画像出力装置から出力するカラー画像再現システムにおいて、
前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置の出力条件を設定した種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルであって、前記第1画像出力装置における印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる前記印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換する共通色空間変換テーブルを生成する共通色空間変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の出力条件を含む出力デバイスプロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第2画像出力装置の固有色空間データに変換する固有色空間変換テーブルを生成する固有色空間変換部と、
前記共通色空間変換テーブルと前記固有色空間変換テーブルとを合成し、画像変換テーブルを生成する画像変換テーブル生成部と、
を備え、前記画像変換テーブルにより画像データを変換し、前記カラー再現画像を前記第2画像出力装置から出力することを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の色再現域・アピアランス条件を含む色再現域・アピアランス変換プロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第1画像出力装置および前記第2画像出力装置間で色再現域およびアピアランスの一致する共通色空間データに変換する色再現域・アピアランス変換テーブルを生成する色再現域・アピアランス変換部を備え、
前記画像変換テーブル生成部は、前記共通色空間変換テーブルと、前記色再現域・アピアランス変換テーブルと、前記固有色空間変換テーブルとを合成し、画像変換テーブルを生成することを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記色再現域・アピアランス変換部は、前記カラー印刷画像と前記カラー再現画像との観察条件の差に係る前記色再現域・アピアランス変換テーブルを生成することを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項6】
第1画像出力装置より出力されるカラー印刷画像に対応したカラー再現画像を第2画像出力装置から出力するカラー画像再現システムにおいて、
前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置の出力条件を設定した種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルであって、前記第1画像出力装置における印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる前記印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換する共通色空間変換テーブルを生成する共通色空間変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の色再現域・アピアランス条件を含む色再現域・アピアランス変換プロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第1画像出力装置および前記第2画像出力装置間で色再現域およびアピアランスの一致する共通色空間データに変換する色再現域・アピアランス変換テーブルを生成する色再現域・アピアランス変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の出力条件を含む出力デバイスプロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第2画像出力装置の固有色空間データに変換する固有色空間変換テーブルを生成する固有色空間変換部と、
を備え、前記共通色空間変換テーブルと、前記色再現域・アピアランス変換テーブルと、前記固有色空間変換テーブルとを用いて、前記カラー再現画像を前記第2画像出力装置から出力することを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、
前記色再現域・アピアランス変換部は、前記カラー印刷画像と前記カラー再現画像との観察条件の差に係る前記色再現域・アピアランス変換テーブルを生成することを特徴とするカラー画像再現システム。」
上記2.で示したように、本件発明1は、刊行物1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものではないし、刊行物1に記載された発明ではない。
さらに、本件発明2,3,6、7も、同様の理由によって、刊行物1に記載された発明でないばかりか、刊行物1ないし4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものでもない。

5.[むすび]
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1-3,6-7に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1-3,6-7に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
カラー画像再現システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像出力装置より出力されるカラー印刷画像に対応したカラー再現画像を第2画像出力装置から出力するカラー画像再現システムにおいて、
前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置の出力条件を設定した種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルであって、前記第1画像出力装置における印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる前記印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換する共通色空間変換テーブルを生成する共通色空間変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の出力条件を含む出力デバイスプロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第2画像出力装置の固有色空間データに変換する固有色空間変換テーブルを生成する固有色空間変換部と、
前記共通色空間変換テーブルと前記固有色空間変換テーブルとを合成し、画像変換テーブルを生成する画像変換テーブル生成部と、
を備え、前記画像変換テーブルにより画像データを変換し、前記カラー再現画像を前記第2画像出力装置から出力することを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の色再現域・アピアランス条件を含む色再現域・アピアランス変換プロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第1画像出力装置および前記第2画像出力装置間で色再現域およびアピアランスの一致する共通色空間データに変換する色再現域・アピアランス変換テーブルを生成する色再現域・アピアランス変換部を備え、
前記画像変換テーブル生成部は、前記共通色空間変換テーブルと、前記色再現域・アピアランス変換テーブルと、前記固有色空間変換テーブルとを合成し、画像変換テーブルを生成することを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、
前記色再現域・アピアランス変換部は、前記カラー印刷画像と前記カラー再現画像との観察条件の差に係る前記色再現域・アピアランス変換テーブルを生成することを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記印刷/共通色空間変換プロファイルは、
画像データを共通色空間データに変換する少なくとも1つの色空間データ変換式を設定する基本プロファイルと、
前記色空間データ変換式の変数に対応して、選択可能な関係式および/またはパラメータを設定するサブプロファイルと、
からなることを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記出力デバイスプロファイルは、
共通色空間データを固有色空間データに変換する少なくとも1つの色空間データ変換式を設定する基本プロファイルと、
前記色空間データ変換式の変数に対応して、選択可能な関係式および/またはパラメータを設定するサブプロファイルと、
からなることを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項6】
第1画像出力装置より出力されるカラー印刷画像に対応したカラー再現画像を第2画像出力装置から出力するカラー画像再現システムにおいて、
前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置の出力条件を設定した種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルであって、前記第1画像出力装置における印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる前記印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換する共通色空間変換テーブルを生成する共通色空間変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の色再現域・アピアランス条件を含む色再現域・アピアランス変換プロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第1画像出力装置および前記第2画像出力装置間で色再現域およびアピアランスの一致する共通色空間データに変換する色再現域・アピアランス変換テーブルを生成する色再現域・アピアランス変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の出力条件を含む出力デバイスプロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第2画像出力装置の固有色空間データに変換する固有色空間変換テーブルを生成する固有色空間変換部と、
を備え、前記共通色空間変換テーブルと、前記色再現域・アピアランス変換テーブルと、前記固有色空間変換テーブルとを用いて、前記カラー再現画像を前記第2画像出力装置から出力することを特徴とするカラー画像再現システム。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、
前記色再現域・アピアランス変換部は、前記カラー印刷画像と前記カラー再現画像との観察条件の差に係る前記色再現域・アピアランス変換テーブルを生成することを特徴とするカラー画像再現システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、印刷物の色を予測するため、印刷用紙、インキ等の印刷条件をパラメータとする色空間データ変換式を設定し、前記色空間データ変換式によりカラー画像データを画像再現装置の色空間データに変換して再生出力することにより、容易且つ高精度な色再現を可能としたカラー画像再現システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、写真や絵画等の原稿からカラー画像を読み取り、あるいは、任意の画像入力装置から供給されるカラー画像データに対して所望の処理を施し、ハードコピーとしてプリンタから出力し、CRTに表示し、あるいは、刷版を介して印刷物を作成するカラー印刷システムが広汎に使用されている。この場合、出力媒体の相違や処理工程等を特に意識することなく、所望の色調からなるカラー画像の得られることが渇望されている。
【0003】
特に、印刷物は、例えば、画像入力装置から供給されたカラー画像データに基づき、Y、M、C、Kの各分色フイルム原版を作成し、前記各分色フイルム原版を用いてPS版(Presensitized Plate)を焼き付け、現像した後、前記PS版を印刷機にかけて印刷を行うという多数の工程を経て作成される。しかも、最終的に得られる印刷物の色は、印刷に使用する紙、インキ、水、印刷機の種類、網点画像を形成する場合におけるスクリーン線数、網形状等の印刷条件に依存する。このように複雑な工程および条件を要する印刷分野においては、例えば、所望の画像処理を施したカラー画像データを一旦CRT等に表示し、CRT上で最終的な印刷物の画像品質を高精度に確認できるシステムが望まれている。
【0004】
そこで、前記の課題を解決すべく提案された従来技術として、米国特許第4,500,919号がある。この従来技術では、カラー原稿から共通の色データ形式である三刺激アピアランス信号を求める手段と、前記三刺激アピアランス信号に対して審美的修正を施す手段と、修正されたカラー画像を表示する手段と、測色的に一致した再現信号を得るためにハードコピーの色材を選択する手段とを備え、前記色材を選択する手段に基づき多数の色材量の組み合わせをプリントし、それを測色計で測定し、その測定結果に基づいて前記再現信号を修正することにより、プリントされたカラー画像と表示されたカラー画像とをマッチングさせるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の従来技術は、印刷物を作成するような複雑な条件を必要とする場合には不適当である。すなわち、印刷物を作成する場合、色材以外にも、印刷物の支持体の種類、何色刷とするのか(色数)、K(墨)版量、スクリーン線数等の出力条件を設定する必要があるだけでなく、印刷機の条件(刷り順、印圧、色材量、印刷速度等)も必要である。従って、これらの多数の条件に夫々対応して測定および修正を行い、高精度な画像を再現させるのは現実的ではない。一方、印刷において再現できる色域は狭く、また、印刷条件の相違により色再現域が異なっており、しかも、カラー画像データからYMCK網%データへの変換は、オペレータや変換に使用される機器に依存しているため、このような状況下において共通の色データ形式、例えば、XYZ表色系の三刺激値を印刷のためのYMCK網%データに一意的に対応させることは極めて困難である。
【0006】
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたもので、印刷条件を考慮し、画像再現装置上において印刷物に対応したカラー画像を容易且つ高精度に再現することのできるカラー画像再現システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、第1画像出力装置より出力されるカラー印刷画像に対応したカラー再現画像を第2画像出力装置から出力するカラー画像再現システムにおいて、
前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置の出力条件を設定した種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルであって、前記第1画像出力装置における印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる前記印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換する共通色空間変換テーブルを生成する共通色空間変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の出力条件を含む出力デバイスプロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第2画像出力装置の固有色空間データに変換する固有色空間変換テーブルを生成する固有色空間変換部と、
前記共通色空間変換テーブルと前記固有色空間変換テーブルとを合成し、画像変換テーブルを生成する画像変換テーブル生成部と、
を備え、前記画像変換テーブルにより画像データを変換し、前記カラー再現画像を前記第2画像出力装置から出力することを特徴とする。
また、本発明は、前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の色再現域・アピアランス条件を含む色再現域・アピアランス変換プロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第1画像出力装置および前記第2画像出力装置間で色再現域およびアピアランスの一致する共通色空間データに変換する色再現域・アピアランス変換テーブルを生成する色再現域・アピアランス変換部を備え、
前記画像変換テーブル生成部は、前記共通色空間変換テーブルと、前記色再現域・アピアランス変換テーブルと、前記固有色空間変換テーブルとを合成し、画像変換テーブルを生成することを特徴とする。
さらに、本発明は、第1画像出力装置より出力されるカラー印刷画像に対応したカラー再現画像を第2画像出力装置から出力するカラー画像再現システムにおいて、
前記第1画像出力装置の印刷条件および前記第2画像出力装置の出力条件を設定した種々のデバイスプロファイルを発生するデバイスプロファイル発生装置と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルであって、前記第1画像出力装置における印刷/共通色空間変換プロファイルに含まれる前記印刷条件と、前記印刷条件に対応したパラメータを有する変換式とを用いて、画像データを共通色空間データに変換する共通色空間変換テーブルを生成する共通色空間変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の色再現域・アピアランス条件を含む色再現域・アピアランス変換プロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第1画像出力装置および前記第2画像出力装置間で色再現域およびアピアランスの一致する共通色空間データに変換する色再現域・アピアランス変換テーブルを生成する色再現域・アピアランス変換部と、
前記デバイスプロファイル発生装置によって発生された前記デバイスプロファイルである前記第2画像出力装置の出力条件を含む出力デバイスプロファイルに基づき、前記共通色空間データを前記第2画像出力装置の固有色空間データに変換する固有色空間変換テーブルを生成する固有色空間変換部と、
を備え、前記共通色空間変換テーブルと、前記色再現域・アピアランス変換テーブルと、前記固有色空間変換テーブルとを用いて、前記カラー再現画像を前記第2画像出力装置から出力することを特徴とする。
【0008】
【作用】
本発明に係るカラー画像再現システムでは、カラー画像データを印刷条件に対応して設定した色空間データ変換式により画像再現装置の色空間データに変換した後、再生出力する。この場合、印刷条件プロファイルに種々の印刷条件をパラメータとして設定しておき、所望のパラメータを前記印刷条件プロファイルから選択して前記色空間データ変換式に対応させ、この色空間データ変換式によりデータ変換を行うことで、印刷条件に対応した再生画像を得ることができる。
【0009】
【実施例】
図1は、本実施例のカラー画像再現システムの全体構成ブロック図である。
【0010】
このカラー画像再現システムは、カラー原稿や外部装置からカラー画像データを読み込む画像入力装置10と、読み込まれたカラー画像データに対して審美的処理を含む画像処理を施す画像編集装置12と、処理された前記カラー画像データを色予測のためにカラープリンタやCRT等に表示出力する画像出力装置14A(画像再現装置)と、処理された前記カラー画像データをカラー印刷物として出力する画像出力装置14Bと、印刷条件等を考慮し、前記カラー画像データを前記画像出力装置14Aに対応したカラー画像データに変換処理する画像処理装置16(変換手段)と、画像出力装置14A、14Bの特性、色再現処理方式、色材や支持体、蛍光体等の色再現媒体の特性等を後述するデバイスプロファイル群として発生するデバイスプロファイル発生装置18とから基本的に構成される。
【0011】
画像入力装置10は、例えば、分光感度の異なる3種以上のセンサを用いてカラー原稿の画像濃度を画素毎に読み取る装置であり、カラー原稿をドラム上に装着し、前記ドラムの回転に同期させてその画像濃度を読み取るドラム型スキャナ、光電変換素子を1列または複数列配列したラインセンサあるいは2次元状に配列した2次元センサによりカラー原稿の画像濃度を読み取るフラットベッド型スキャナ等を用いることができる。
【0012】
画像編集装置12は、画像入力装置10からのカラー画像データに対して審美的処理を含む画像処理を施し、画像出力装置14Bに供給されるYMCK網%データを作成する。
【0013】
画像出力装置14Bは、前記画像編集装置12から供給されるカラー画像データであるYMCK網%データに基づき、印刷物を作成するためのPS版に供するY、M、C、Kの各分色フイルム原版を作成し、次いで、前記分色フイルム原版からPS版を作成し、これから印刷物を得る装置であり、印刷機を含めた装置である。画像出力装置14Aは、例えば、前記画像出力装置14Bにおいて作成される印刷物と同一の色表現、画像品質からなるカラー画像を表示出力するカラープリンタ、CRT等の装置である。
【0014】
画像処理装置16は、画像編集装置12から供給されるカラー画像データであるYMCK網%データを共通色空間のカラー画像データに変換する共通色空間変換部20と、共通色空間での前記画像入力装置10の色再現域を画像出力装置14Aにおける色再現域に圧縮し、あるいは、変換等を行うとともに、観察条件の違いに対応したアピアランスの調整を行う色再現域・アピアランス変換部22と、前記共通色空間のカラー画像データを画像出力装置14Aの固有色空間のカラー画像データに変換する固有色空間変換部24と、共通色空間変換部20、色再現域・アピアランス変換部22および固有色空間変換部24において作成される各変換テーブルの全てあるいは一部を合成した画像変換テーブルを生成するための画像変換テーブル生成部26(以下、LUT生成部26という)とを備える。この場合、前記共通色空間変換部20で作成される共通色空間変換テーブル、前記色再現域・アピアランス変換部22で作成される色再現域・アピアランス変換テーブル、前記固有色空間変換部24で作成される固有色空間変換テーブルおよび前記画像変換テーブルは、夫々データファイル28、30、32および34に記憶される。
【0015】
なお、共通色空間とは、CIEで定めたXYZ表色系、L*a*b*表色系、あるいは、これらと数学的な変換が一意的に行われるYCC表色系、YIQ表色系、CRT等のモニタの蛍光体を定めたRGB表色系等、入出力装置や出力媒体に依存しないデータからなる色空間をいう。従って、この色空間では、入出力装置等を意識することなく所望の画像処理を行うことが可能である。一方、固有色空間とは、画像入力装置10や画像出力装置14Aおよび14Bで取り扱われる特定のデータからなる色空間である。
【0016】
一方、デバイスプロファイル発生装置18は、必要に応じて各物理特性を測定する測定器を有し、前記画像処理装置16におけるデータ処理に用いられる色空間データ変換式や関係式、その他のパラメータをデバイスプロファイル群として設定する装置であり、前記デバイスプロファイル群をデータファイル36に記憶する。
【0017】
ここで、前記デバイスプロファイル群は、画像出力装置14Aおよび14Bにおける色再現処理方式、使用環境条件、カラー原稿や記録媒体の材料等の物理要因とその特性、および、これらを結合する関係式等を共通のデータ形式で記述したプロファイルの集合である。このデバイスプロファイル群は、基本的には、図2に示すように、画像編集装置12から供給されるYMCK網%データを、画像出力装置14Bにおける種々の印刷条件を考慮した上でXYZ表色系、L*a*b*表色系等の共通色空間のデータに変換する共通色空間変換テーブルを作成するための印刷/共通色空間変換プロファイル群(第1色空間データ変換式)と、前記共通色空間のデータに対して画像出力装置14Aにおける色再現域やアピアランスを考慮した上で所望の色再現域・アピアランス変換を行う色再現域・アピアランス変換テーブルを作成するための色再現域・アピアランス変換プロファイル群と、前記共通色空間のデータを画像出力装置14Aの固有色空間のデータに変換するための出力デバイスプロファイル群(第2色空間データ変換式)とに分類することができる。そして、各プロファイル群は、さらに、基本プロファイル、サブプロファイルおよび条件プロファイルに夫々分類される。
【0018】
図3は、印刷機を含む画像出力装置14Bの色再現処理方式に関連して規定される印刷/共通色空間変換プロファイル群を構成する基本プロファイルおよびサブプロファイルの構造の一例を示したものである。
【0019】
先ず、画像出力装置14Bの色再現処理方式に対応して、(1)ノイゲバウワ式を用いた網点変調方式、(2)ルックアップテーブルを用いた変換方式、(3)その他、の中から一つを選択可能な基本プロファイルが共通色空間と画像出力装置14Bの固有色空間との間の色空間データ変換式として設定される。
【0020】この場合、前記ノイゲバウワ式は、CIEの共通色空間におけるXYZ表色系とYMCK表色系との関係を規定する色予測基本関数であり、以下に示す[数1]のように定義される。
【0021】
【数1】

【0022】
なお、[数1]において、X、Y、Zは、XYZ表色系における三刺激値、Xc、Xm、Xy、Xk等は、Y、M、C、Kの各単色インキに対するXYZ刺激値(単色刺激値)、XW等は、印刷物の支持体の三刺激値、Xcm、Xcmy、Xcmyk等は、例えば、Xcmの場合、CのインキとMのインキとが重なった部分のXYZ刺激値(高次色刺激値)、cX、mX、yX、kX等は、等色関数x(λ)等に相当する色光で観測した時のC、M、Y、Kのインキの網%値、cXm、cXmy、cXmyk等は、等色関数x(λ)等に相当する色光で観測した時のCのインキの網%値等であり、例えば、cXmyはMとYのインキの存在に対して補正(高次色ドットゲイン補正)を行った網%値を表す。なお、XYZ表色系は、L*a*b*表色系と一対一に対応しているので、前記ノイゲバウワ式をL*a*b*表色系とYMCK表色系との関係式として規定することもできる。
【0023】
前記基本プロファイルに対応して、所定の関係式あるいは出力条件による設定値等を選択可能なサブプロファイルが設定される。例えば、基本プロファイルとして(1)網点変調方式(ノイゲバウワ式)が選択された場合、その各変数が(1)ドットゲイン変換式(cX、mX、cXm、cXmy等)、(2)単色刺激値(Xc、Xm、Xy、Xk等)、(3)高次色刺激値(Xcm、Xcmy、Xcmyk等)、に分類され、夫々に対してサブプロファイルが設定される。この場合、(1)ドットゲイン変換式に対しては、(1)単一変換式、(2)XYZ独立変換式、(3)その他、の中から所望のサブプロファイルを選択することができる。また、(2)単色刺激値に対しては、(1)単色刺激値テーブル、(2)理論式、(3)その他、の中から所望のサブプロファイルを選択することができる。さらに、(3)高次色刺激値に対しては、(1)高次色刺激値テーブル、(2)理論式、(3)その他、の中から所望のサブプロファイルを選択することができる。なお、(1)単一変換式とは、[数1]において、cX、cY、cZ等をX、Y、Zによらない同一値cn等で代表して処理する方式、(2)XYZ独立変換式とは、前記cX、cY、cZ等をX、Y、Z毎に独立に設定して処理する方式である。
【0024】
前記各サブプロファイルに対応して、さらに、他の関係式等を選択可能なサブプロファイルが設定される。例えば、(1)単一変換式のサブプロファイルに対しては、(1)周囲長変換式、(2)二次式変換式、(3)その他、の中から所望のサブプロファイルを選択することができる。また、(2)XYZ独立変換式のサブプロファイルに対しては、(1)一次色ドットゲイン変換式、(2)高次色ドットゲイン変換式、(3)その他、の中から所望のサブプロファイルを選択することができる。
【0025】
なお、(1)単一変換式のサブプロファイルにおける(1)周囲長変換式とは、形成された網点の周囲長にドットゲインが比例すると考えた場合の網%値cX、cY、cZ等(=cn等)の算定方式であり、ゲイン係数をαp、αm、スクリーン線数をLとして、
【0026】
【数2】

【0027】
と設定したものである。ゲイン係数αpは、印刷する紙に依存するパラメータであり、ゲイン係数αmは、印刷機、インキに依存するパラメータである。
【0028】
また、(2)二次式変換式とは、印刷物上での網%値cn等を、PS版の焼き付け、現像、印刷、光学的散乱効果等を含めた二次式の算定方式として、
【0029】
【数3】
cn=c+g-g/250・(c-50)2
【0030】
【数4】
g=g1+g2+g3+g4+g5
【0031】
と設定したものである。ゲイン係数g1は印刷機に依存するパラメータ、ゲイン係数g2はインキに依存するパラメータ、ゲイン係数g3は印刷物の支持体である紙に依存するパラメータ、ゲイン係数g4はスクリーン線数に依存するパラメータ、ゲイン係数g5は、網形状に依存するパラメータである。
【0032】
一方、(2)XYZ独立変換式のサブプロファイルにおける(1)一次色ドットゲイン変換式とは、上述した単一変換式における周囲長変換式に対しては、[数2]のゲイン係数αpをX、Y、Zの各刺激値毎に夫々αpX、αpY、αpZと独立に設定し、例えば、網%値cXを、
【0033】
【数5】

【0034】
とし、また、二次式変換式に対しては、[数3]に基づき、網%値cXを、
【0035】
【数6】
cX=c+g-g/2500・(c-50)2
【0036】
としたものである。
【0037】
また、(2)高次色ドットゲイン変換式とは、[数1]の二次色項以上の網%値に対して、例えば、網%値cXyを、
【0038】
【数7】
cXy=cX-acXy・yX2+bcXy・yX
【0039】
としたものである。なお、acXy、およびbcXyは、高次色ドットゲイン補正用パラメータである。
【0040】
図4は、印刷/共通色空間変換プロファイル群を構成する印刷出力条件プロファイルの構造の一例を示したものである。この条件プロファイルは、印刷物を作成する場合のものであり、印刷物における支持体である紙に関するパラメータ(αP、αPX、αPY、αPZ、g3、acXy、bcXy等)を規定する支持体プロファイル、スクリーン線数や網形状に関するパラメータ(L、g4等)を規定するスクリーン線数・網形状プロファイル、印刷に使用されるインキの特性に関するパラメータ(g2、αm、単色刺激値テーブル、高次色刺激値テーブル、理論式パラメータ等)を規定するインキプロファイル、後述するK版量に関するパラメータ(p、κ等)を規定するK版量プロファイル、図3に示す基本プロファイルからルックアップテーブル式を選択した際に引用されるルックアップテーブル、上記の各プロファイルで設定されていないパラメータに対して平均的なパラメータを規定する標準プロファイル、その他(印刷機等に関するものを含む)からなる。
【0041】
同様に、色再現域・アピアランス変換プロファイル群は、図5に示すように、非線形変換と3×3マトリックス変換を組み合わせた(1)LMN変換方式と(2)その他、の中から処理方式を選択可能な基本プロファイルと、前記(1)LMN変換方式に対して、さらに、(1)LMN変換マトリックス、(2)非線形変換テーブル、(3)その他、の中から選択可能なサブプロファイルとで構成される。この場合、(2)非線形変換テーブルに対して、(1)入力レンジ、(2)出力レンジ、(3)White Point、(4)Black Point、の各変数が印刷/共通色空間変換プロファイル群、色再現域・アピアランス変換プロファイル群および出力デバイスプロファイル群の条件プロファイルのパラメータを用いて設定される(「Postscriptのリファレンスマニュアル」第2版(アスキー出版局)参照)。
【0042】
また、色再現域・アピアランス変換デバイスプロファイル群を構成する観察条件プロファイルは、例えば、画像出力装置14Aがカラープリンタである場合、図6に示すように構成される。この場合、観察条件プロファイルとして、観察光源に関するパラメータ、その他、が設定される。
【0043】
本実施例のカラー画像再現システムは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、このシステムにおけるデータ処理について図7に示すフローチャートに基づき説明する。
【0044】
先ず、オペレータは、画像出力装置14B、カラー画像を記録した原稿の種類、出力媒体、記録に用いるインキの種類、出力形態等のシステムを決定する(ステップS1)。
【0045】
画像出力装置14B等が決定されると、次に、デバイスプロファイル発生装置18を用いて、図3〜図6に示すデバイスプロファイルの設定を行う(ステップS2)。なお、このデバイスプロファイルは、カラー画像再現システムの構成の決定の前に、所定のデバイスに対応して予め設定してもよい。
【0046】
カラー画像再現システムの構成およびデバイスプロファイルが決定されると、共通色空間変換部20において、画像編集装置12からのYMCK網%データを共通色空間のデータに変換する共通色空間変換テーブルを作成する(ステップS3)。この場合、以下に示す基本プロファイルおよびサブプロファイルの選択は、当該プロファイルに係るパラメータが条件プロファイルに準備されているかどうか、要求される処理速度に対応できるプロファイルであるか等に依存する。従って、プロファイルの全てがオペレータにより任意に選択されるわけではなく、準備されているプロファイルにより自ずと制限される。そのため、所望のプロファイルが設定されていない場合には、例えば、デフォルト値が選択されることになる。
【0047】
そこで、画像処理装置16の共通色空間変換部20において、図3および図4に示す印刷/共通色空間変換プロファイル群より所望の色再現処理方式等を順次選択し、選択された前記色再現処理方式等に基づき、印刷物を得る画像出力装置14Bに対応した共通色空間変換テーブルを作成する(ステップS3)。
【0048】
この場合、画像出力装置14Bから所望の印刷物を得るため、当該画像出力装置14Bの色再現処理方式を特定するとともに、所望の精度や処理速度に応じた基本式を選択する。
【0049】
例えば、画像出力装置14Bの出力方式が網点変調方式である場合、基本式である色予測基本関数として、図3の基本プロファイルから、CIEの共通色空間におけるXYZ表色系とYMCK表色系との関係を規定するノイゲバウワ式を選択することとする。[数1]に示すノイゲバウワ式は、各変数が(1)ドットゲイン変換式(cX、mX、cXm、cXmy等)、(2)単色刺激値(Xc、Xm、Xy、Xk等)、(3)高次色刺激値(Xcm、Xcmy、Xcmyk等)、に分類されており、夫々に対して所望のサブプロファイルを選択する。
【0050】
ドットゲイン変換式に対して、サブプロファイルから単一変換式および周囲長変換式を選択した場合、cX、mX、cXm、cXmy等は、[数2]の補正式によって置き換えられ、そのパラメータαp、αm、Lが図4に示す印刷出力条件プロファイルの支持体プロファイルおよびインキプロファイルによって与えられる。なお、αpは印刷する紙に依存する変数であり、代表的な値として、例えば、アート紙に対して13、コート紙に対して16、上質紙に対して20を設定することができる。また、αmは印刷機、インキに依存するパラメータであり、平均的なオフセット印刷に対しては1、ドットゲインの少ないインキあるいは印刷条件を選ぶ場合には1以下の値を設定することができる。
【0051】
また、単一変換式に対して、サブプロファイルから二次式変換式を選択した場合、cX、mX、cXm、cXmy等は、[数3]および[数4]の補正式によって置き換えられ、そのパラメータであるゲイン係数g1〜g5が、図4に示す印刷出力条件プロファイルの支持体プロファイル、スクリーン線数・網形状プロファイルおよびインキプロファイル等によって与えられる。
【0052】
前記の単一変換式は、X、Y、Zの刺激値に対して共通の網%値を使用する場合であるが、X、Y、Zの刺激値に対して異なる網%値を対応させて精度を向上させる場合には、ドットゲイン変換式に対して、サブプロファイルからXYZ独立変換式を選択する。この場合、cX、mX等は、[数5]または[数6]の補正式によって置き換えられ、cXm、cXmy等は、[数7]の補正式によって置き換えられる。そして、パラメータαpX、αpY、αpZ、αm、L、acXy、bcXy、ゲイン係数g1〜g5等が図4に示す印刷出力条件プロファイルの支持体プロファイル、スクリーン線数・形状プロファイルおよびインキプロファイルによって与えられる。
【0053】
一方、単色刺激値および高次色刺激値に対して単色刺激値テーブルおよび高次色刺激値テーブルを選択した場合、インキプロファイルから所定のインキセットおよび支持体に対するテーブルが夫々選ばれる。なお、上記の処理において、印刷出力条件プロファイルの中に使用するインキセットのデータが登録されていない場合には、標準プロファイルからデフォルト値を選択することができる。
【0054】
以上のようにして、[数1]に示すノイゲバウワ式の各パラメータが決定され、この変換式を用いて、画像編集装置12より供給されるYMCK網%データから共通色空間での三刺激値X、Y、Zを求めることができる。
【0055】
同様に、画像処理装置16の色再現域・アピアランス変換部22において、図5および図6に示す色再現域・アピアランス変換プロファイル群より所望の色再現処理方式等を順次選択し、選択された前記色再現処理方式等に基づき、共通色空間における画像出力装置14Bの色再現域と、前記共通色空間における画像出力装置14Aの色再現域を一致させ、また、視覚順応適性に対応したアピアランスを一致させるための色再現域・アピアランス変換テーブルを作成する(ステップS4)。なお、前記色再現域・アピアランス変換テーブルの作成に際して、画像出力装置14Aがカラープリンタである場合、図6の観察条件プロファイルから観察光源に対応したパラメータが与えられる。
【0056】
ここで、前記のようにして選択された処理方式等により、次のようにして色再現域・アピアランス変換テーブルが作成される。例えば、印刷物の観察条件、カラー画像データの種類に適したLMN変換式を基本プロファイルから選択し、サブプロファイルから非線形変換テーブルを選択し、CIEXYZ表色系からLMN表色系への変換が行われる。そして、前記非線形変換テーブルに対して、色再現域(入力レンジ、出力レンジ等)、観察条件/色温度の違いを補正し、LMN→L*M*N*の変換を行う。最後にL*M*N*→CIEXYZの逆変換を行う。そして、CIE表色系間の変換テーブルが色再現域・アピアランス変換テーブルとしてデータファイル30に格納される。
【0057】
次に、画像処理装置16の固有色空間変換部24において、共通色空間のカラー画像データを画像出力装置14Aの固有色空間のカラー画像データに変換する固有色空間変換テーブルを作成し、データファイル32に格納する。この場合、XYZ表色系からカラープリンタやCRTの表色系への変換には、ルックアップテーブルを用いた公知の方法がある。例えば、その方法が「Printing CIELab imaging on CMYK printing」(SPIE Vol.1670 P316(1992))で述べられている。なお、カラープリンタやCRT等の複数の出力装置を対象とする場合には、複数のルックアップテーブルを切り替えて対応することが可能である。
【0058】
以上のようにして作成された共通色空間変換テーブル、色再現域・アピアランス変換テーブルおよび固有色空間変換テーブルは、LUT生成部26において合成され、あるいは、個々の画像変換テーブルとしてデータファイル34に格納される(ステップS6)。
【0059】
次に、オペレータは、前記の準備作業が完了した後、カラー原稿のカラー画像データを画像入力装置10より読み込む(ステップS7)。画像入力装置10は、前記カラー画像データを、例えば、RGBデータとして画像編集装置12に供給する。画像編集装置12では、前記RGBデータに対して所望の画像処理を施した後、それをYMCK網%データとして画像処理装置16および画像出力装置14Bに供給する(ステップS8)。
【0060】
そこで、画像処理装置16は、画像編集装置12から供給された前記YMCK網%データに対して、画像出力装置14Aおよび14Bに対応して設定された変換テーブルにより変換処理を施す。LUT生成部26は、前記YMCK網%データを共通色空間変換テーブル、色再現域・アピアランス変換テーブルおよび固有色空間変換テーブルに基づいて変換処理し、その処理画像データを画像出力装置14Aに供給する(ステップS9)。すなわち、画像処理装置16では、YMCK網%データが、印刷条件を考慮した[数1]のノイゲバウワ式を規定した共通色空間変換テーブルにより共通色空間のX、Y、Zの三刺激値に変換された後、画像出力装置14Aおよび14B間の色再現域、アピアランスが色再現域・アピアランス変換テーブルにより調整され、次いで、固有色空間変換テーブルにより画像出力装置14Aに対応したカラー画像データに変換される。そして、前記カラー画像データは、画像出力装置14Aにおいて、ハードコピーとして出力され、あるいは、CRTに表示される(ステップS10)。
【0061】
そこで、オペレータは、表示出力されたカラー画像を確認し、色等に問題がなければ、画像出力装置14Bを付勢して、印刷物を作成する(ステップS12)。一方、問題がある場合には、画像編集装置12において再度画像処理を行い、得られたYMCK網%データをモニタする作業を繰り返す(ステップS11)。
【0062】
以上のように、本実施例では、画像出力装置14Bに供給されるYMCK網%データから画像出力装置14Aで表示あるいは出力されるカラー画像データを求めているため、極めて高精度なデータ変換が可能となる。また、前記変換に際して、プロファイルの形式で画像出力装置14Bでの印刷条件、例えば、印刷機の種類、印刷に使用されるインキの特性、印刷用紙の種類、観察条件等を提供しているため、複雑な印刷工程を詳細に反映したカラー画像データを得ることができる。従って、画像出力装置14Aで再生されたカラー画像と、画像出力装置14Bで得られる印刷物とのマッチングの精度が高く、等色度の極めて高い再生画像を観察することができる。この結果、オペレータは、最終生成物である印刷物を得る前にハードコピー、CRT等でそのカラー画像を十分に評価確認することができる。
【0063】
なお、基本プロファイル、サブプロファイルおよび条件プロファイルに対して、変換式や補正式、さらには、パラメータを任意に追加、変更することができるため、当該カラー画像再現システムが適用される範囲を容易に拡張することができるとともに、カラー画像の再現性の精度向上も可能となる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、カラー画像データを印刷条件に対応して設定した色空間データ変換式により画像再現装置の色空間データに変換した後、再生出力しているため、印刷物に対応した高精度な再生画像を得ることができる。また、前記変換に際して、印刷条件プロファイルに種々の印刷条件をパラメータとして設定しておき、所望のパラメータを前記印刷条件プロファイルから選択して前記色空間データ変換式に対応させ、この色空間データ変換式によりデータ変換を行うため、種々の印刷条件に容易に対応することができ、これによって印刷物にマッチングした再生画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施例であるカラー画像再現システムの全体構成ブロック図である。
【図2】
本発明に係るカラー画像再現システムにおけるデバイスプロファイル群の構成説明図である。
【図3】
図2に示す出力デバイスプロファイル群における基本プロファイルおよびサブプロファイルの階層構造の説明図である。
【図4】
図2に示す印刷/共通色空間変換プロファイル群における条件プロファイルの説明図である。
【図5】
図2に示す色再現域・アピアランス変換プロファイル群における基本プロファイルおよびサブプロファイルの階層構造の説明図である。
【図6】
図2に示す色再現域・アピアランス変換プロファイル群における条件プロファイルの説明図である。
【図7】
本発明に係るカラー画像再現システムでの処理過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…画像入力装置 12…画像編集装置
14A、14B…画像出力装置 16…画像処理装置
18…デバイスプロファイル発生装置 20…共通色空間変換部
22…色再現域・アピアランス変換部 24…固有色空間変換部
26…LUT生成部
28、30、32、34、36…データファイル
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2003-07-29 
出願番号 特願平5-288344
審決分類 P 1 652・ 534- YA (H04N)
P 1 652・ 121- YA (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 白石 圭吾  
特許庁審判長 小川 謙
特許庁審判官 江頭 信彦
加藤 恵一
登録日 2002-05-10 
登録番号 特許第3305070号(P3305070)
権利者 富士写真フイルム株式会社
発明の名称 カラー画像再現システム  
代理人 宮寺 利幸  
代理人 宮寺 利幸  
代理人 千葉 剛宏  
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