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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  G02F
管理番号 1089949
異議申立番号 異議2003-71064  
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-01-21 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-04-28 
確定日 2003-12-04 
異議申立件数
事件の表示 特許第3337982号「液晶表示装置」の請求項1ないし3、12、13に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3337982号の請求項1ないし3、12ないし13に係る特許を取り消す。 
理由 【1】手続の経緯
特許第3337982号の請求項1〜3、12、13に係る発明についての出願は、平成10年6月30日に出願され、平成14年8月9日に設定登録され、その後、平居博美より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知に対して、平成15年9月9日に特許異議意見書が提出された。

【2】特許異議の申立てについての判断
【2-1】特許異議申立て、取消理由の理由の概要
異議申立人は、本件の請求項1〜3、12、13に係る発明は、下記刊行物1〜4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである旨、請求項1に係る発明は、刊行物1又は2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない旨、また、請求項1〜3、12、13に係る発明は、刊行物5として出願公開された特許出願(特願平9-248818号)の願書に最初に添付した明細書および図面に記載された発明と同一であるから特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである旨主張している。

刊行物1:特開平9-325715号公報
刊行物2:「Modified drive method for OCB LCD」, CONFERENCE RECORD OF THE 1997 INTERNATIONAL DISPLAY RESEARCH CONFERENCE and INTERNATIONAL WORKSHOPS ON LCD TECHNOLOGY and EMISSIVE TECHNOLOGY, 1997年9月15-19、L-66〜L-69
刊行物3:特開平8-5974号公報
刊行物4:液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1990年10月30日初版第2刷発行、568頁、569頁
刊行物5:特開平11-109921号公報
平成15年6月30日付け取消理由通知書で示した取消理由は、上記特許異議申立の理由と同趣旨である。

【2-2】本件発明
本件の請求項1〜3、12、13に係る発明(以下、順に本件発明1〜3、12、13という。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】 一対の基板間に液晶を挟持し、複数の画素を有する液晶素子と、該液晶素子の駆動回路を有する液晶表示装置であって、任意の画素において、1フレーム期間を連続する第1の期間と第2の期間に分割し、上記第1の期間において第1の輝度を表示し、上記第2の期間においては上記第1の輝度以下の第2の輝度を表示し、1フレーム期間をFr 、上記第1の期間と1フレーム期間との比を時間開口率Tap、最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時に、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間をτoff とした時に、Tap+τoff/1.5Fr =Ts ≦0.65となるように設定したことを特徴とする液晶表示装置。」、
「【請求項2】 上記第1の期間において、液晶層を画像情報に対応した透過率状態として第1の輝度を表示し、第2の期間において、液晶層を第1の透過率以下の透過率状態とすることにより第2の輝度を表示し、該液晶層の最大透過率を100%、最小透過率を0%とした時に、上記τoff が100%透過率状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰する期間である請求項1記載の液晶表示装置。」、
「【請求項3】 上記Ts が0.45以下である請求項2記載の液晶表示装置。
」、
「【請求項12】 上記液晶表示装置が、バックライト光源を備え、上記第1の期間において、該光源を点灯し画像情報に応じた透過率状態の液晶層に該光源からの光を照射して第1の輝度を表示し、第2の期間において、該光源を非点灯して第2の輝度を表示し、上記τoff が、該光源を点灯状態から非点灯した際に該光源の輝度が100%から10%に減衰する期間である請求項1記載の液晶表示装置。」及び
「【請求項13】 上記Ts が0.45以下である請求項12記載の液晶表示装置。」

【2-3】刊行物1〜4の記載事項
刊行物1:特開平9-325715号公報
【特許請求の範囲】
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気信号から表示光への変換動作を一定の表示保持期間継続しながら電気的な画像信号を画像表示光に変換する変換手段と、前記表示保持期間を、画像信号の垂直同期に同期して画像信号の1フィールド期間以内の一定期間に制限する制限手段と、を備えることを特徴とする画像ディスプレイ。
【請求項2】 前記一定期間は、画像信号の1フィールド期間内の後半の期間内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の画像ディスプレイ。
【請求項3】 前記制限手段は、画像表示光の光源から観視者にいたる光路上に設けられたシャッタであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像ディスプレイ。
【請求項4】 前記制限手段は、画像信号の垂直同期に同期して画像信号の1フィールド期間以内の一定期間に光源の発光期間を制限する発光制御手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像ディスプレイ。」
【0001】〜【0002】
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、画像ディスプレイに関わり、特に、TFT(thin film transistor)型液晶ディスプレイなどのホールド型の電気-光変換特性を有する画像ディスプレイに関する。
【0002】[発明の概要]本発明は、画像信号の1フィールド期間にわたり、表示される画像の輝度がほぼ一定に保たれる画像ディスプレイ(以下、ホールド型ディスプレイと称する。)において、シャッタ等を用いて、表示される画像の光を1フィールド期間以内の一定期間に制限することにより、画像ディスプレイで動画像を表示する際に生じる動きぼけ等の画質劣化を改善する。」
【0010】〜【0013】
「【0010】本発明の目的は、動画を表示する際に生じる動きぼけ等の画質劣化を改善することのできるホールド型の画像ディスプレイを提供することにある。
【0011】【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を採用した。請求項1の発明は、直接発光によるもののほか透過率や反射率の変化等による電気信号から表示光への変換動作を一定の表示保持期間継続しながら電気的な画像信号を画像表示光に変換する変換手段と、前記表示保持期間を、画像信号の垂直同期に同期して画像信号の1フィールド期間以内の一定期間に制限する制限手段とを備えることを要旨とする。
【0012】この発明によれば、変換手段で、電気信号から表示光への変換動作を一定の表示保持期間継続しながら電気的な画像信号を画像表示光に変換するにあたり、制限手段が、変換手段により変換される画像表示光についての前記表示保持期間を、画像信号の垂直同期に同期して画像信号の1フィールド期間以内の一定期間に制限するので、前記一定期間についての画像表示光のみが得られる。
【0013】すなわち、画像表示光のインパルス応答の時間的な広がりが減少するため、動画を表示する際に生じる動きぼけ等の画質劣化を改善することができる。」
【0022】〜【0026】
「【0022】図1に示す直視型ディスプレイは、一定の輝度で発光し続ける光源ランプ1、駆動信号に応じて透過率が変化する透過型の表示素子2、シャッタ3、駆動回路4、パルス発生回路5を備える。
【0023】前記表示素子2は、例えば、TFT型の液晶などであり、光源ランプ1からの光の透過動作を一定の表示期間継続しながら電気的な画像信号を画像表示光に変換するもので、光源ランプ1と観視者との間に設けられる。
【0024】駆動回路4は、このディスプレイの入力信号である画像信号と同期信号とにより、表示素子2を駆動するための駆動信号を発生してその駆動信号を表示素子2に出力する。
【0025】駆動信号により画像信号に応じて表示素子2の透過率を変化させ、光源ランプ1からの光を変調することによって画像を表示している。
【0026】シャッタ3は、表示光の透過をオン/オフさせる。シャッタ3としては、例えば、テレビジョン表示に必要な階調表示には適さないが、光の透過を高速にオン/オフできるポリマー分散液晶や強誘電性液晶などが使用できる。」
【0029】〜【0033】
「【0029】図2は図1のシャッタ制御パルスの波形の例を示す図である。図2の上側の信号はVD(垂直同期)信号である。図2において、垂直同期信号の時刻t1から時刻t3までの期間、時刻t3から時刻t5までの期間がテレビジョン画像信号の1フィールド期間Tである。
【0030】下側の信号は垂直同期信号に同期したシャッタ制御パルスである。図2に示すシャッタ制御パルスのオン/オフのタイミングは、シャッタ3における光透過のオン/オフのタイミングに対応する。
【0031】シャッタ制御パルスにおいて、時刻t2から時刻t3までの時間に対応するパルスオン波形(実線で示した部分)は、シャッタ3の開口率(1フィールド期間T内の光を透過させる時間率)が50%の波形である。時刻t6(一点鎖線で示した立上がり部分)から時刻t3までの時間に対応するパルスオン波形は、シャッタ3の開口率が25%の波形である。
【0032】また、時刻t4から時刻t5までの時間に対応するパルスオン波形は、シャッタ3の開口率が50%の波形である。時刻t7から時刻t5までの時間に対応するパルスオン波形は、シャッタ3の開口率が25%の波形である。
【0033】これらのシャッタ制御パルスを用いることにより、図1に示す直視型ディスプレイにおいて観視者に表示される画像表示光は、各フィールドともにフィールド期間T内の後半の50%ないし25%の時間のみに制限される。」
【0052】、【0053】
「【0052】以上の説明から、ホールド型ディスプレイでは画像表示光のインパルス応答が時間的な広がりを持っているため、時間周波数特性が劣化し、画質劣化を生じている。従って、これを改善するためには、画像表示光のインパルス応答の時間的な広がりを縮小すればよいことがわかる。
【0053】図1に示す画像ディスプレイは、この作用、すなわち、画像表示光のインパルス応答の時間的な広がりに対する縮小をシャッタ3により実現している。そこで、次に、実施の形態1の画像ディスプレイの動作を説明する。」
【0061】
「【0061】また、図6ではシャッタが瞬時に動作する理想的な場合を示したが、ある程度の応答時間を要する場合(過渡特性をもつ場合)でも、それが1フィールド期間より充分短ければ同様な改善効果が得られる。そのような応答性のよいシャッタ素子は実際に存在し、利用可能である。」
【0063】〜【0071】
「【0063】<実施の形態2>図8は、本発明の画像ディスプレイの実施の形態2である透過型の背面投写型ディスプレイを示す図である。
【0064】図8に示す透過型の背面投写型ディスプレイは、光源ランプ11、電源12、透過型の表示素子13、レンズ14、スクリーン15、駆動回路16、パルス発生回路17を備える。

【0069】電源12はパルス発生回路17の出力である制御パルスによってそのオン/オフが制御されている。光源ランプ11は、電源12からのパルス状の電力供給によって、点灯率が50%の場合、フィールド期間T内の時刻t1から時刻t2までの期間だけ消灯し、時刻t2から時刻t3までの期間だけ点灯する(図6参照)。
【0070】光源ランプ11は、電源12からのパルス状の電力供給によって、点灯率が25%の場合、フィールド期間T内の時刻t1から時刻t6までの期間だけ消灯し、時刻t6から時刻t3までの期間だけ点灯する(図6参照)。
【0071】すなわち、パルス発生回路17及び電源12により光源ランプ11の発光期間が制御される。この発光期間の制御は、実施の形態1のシャッタ3による画像表示期間の制御と同じである。」

刊行物2:「Modified drive method for OCB LCD」, CONFERENCE RECORD OF THE 1997 INTERNATIONAL DISPLAY RESEARCH CONFERENCE and INTERNATIONAL WORKSHOPS ON LCD TECHNOLOGY and EMISSIVE TECHNOLOGY, 1997年9月15-19、L-66〜L-69
刊行物2は、OCB液晶ディスプレイの修正された駆動方法に関するものであり、甲第2号証の抄訳によれば、L-68及びL-69のFig.4及びFig.5を用いてL-67の「Modified drive」の節に以下の事項が記載されている。
「修正された駆動 インパルス的な高発光をシミュレートするとともに、オフセット電圧の問題を解決してテストを行った。駆動回路は、(1)書き込みパルスで信号データを初めて書き込まれたセルが1フレーム期間内に出力される追加書き込みパルスによって再書き込みされ、(2)下部の半分のスクリーンに対するデータが黒レベルに設定されるように修正された。1フレーム期間内に、このセルは第1書き込みパルスで選択された状態にあり、第2書き込みパルスで黒レベルに切り換えられる。第2データが黒レベルから始まるため、オフセット電圧は,以前のデータに依存しない。図4は、パイセル及びTNセルの高発光プロファイルを示す。図5は、パイセルの詳細を示す。
パイセル液晶ディスプレイでは、ブランキング期間が小さいとき、画像ボケがなお残った。ブランキング期間がフレーム期間の50%より長いときに画像ボケは見えなくなった。パイセルのような高速応答液晶ディスプレイにおいてさえブランキングが必要であることは特筆すべき事実である。同様に、TNセルでは50%以上のブランキング期間で画像ボケは見えなくなった。しかしながら、動物体の輪郭にゴースト画像が存在することがわかった。このゴースト画像は、応答が遅いことに起因するものである。逆に、パイセルのゴースト画像はオフセット電圧によるものであるから、ブランキング駆動操作により除去される。
黒レベル期間の挿入によるブランキングは、平均表示輝度を減少させる。応答時間がほとんど零のパイセルの場合、輝度損失はブランク比に非常に近くなった。ブランク比50%に対して、輝度は連続点灯モードにおいて約40%だった。TN液晶ディスプレイでは、低い応答性が1フレーム期間内のピークホワイトレベルを低下させるため、平均輝度は非常に小さくなった。このように、総輝度は約10%低下した。」

刊行物3:特開平8-5974号公報
【要約】
「【要約】【目的】本発明は、液晶表示セルの最適な応答速度と表示品質の向上を得るため、液晶表示セルの応答特性を自動的に測定して、データの分析処理を行って、迅速に最適な階調駆動方法を得るための液晶試験装置を提供することである。」
【0049】、【0050】
「【0049】これらのテストNo.11〜13の各レスポンス出力の測定結果により、応答速度を評価する際の基準は、立上り時にある輝度レベルに達するまでの基準時間Trn(msec)と、立下り時にある輝度レベルに達するまでの基準時間Tfn(msec)とで示される。
【0050】ここで、立上り時にある輝度レベルに達するまでの時間Tr と、立下り時にある輝度レベルに達するまでの時間Tf を測定する際の定義内容を図5に示す。この図において、立上り時の測定時間Tr は、輝度測定信号による電圧レベルの最大値V0 の90%に達するまでの値であり、立下り時の測定時間Tf は、V0 の10%に達するまでの値である。」

刊行物4:液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1990年10月30日初版第2刷発行、568頁、569頁
刊行物4は、LCDの検査項目について記載したものであり、図8.32にはオン状態の印加電圧の時間変化に対するLCDの相対輝度の時間変化の関係が図示され、相対輝度は、印加電圧の変化の時点からton、toffで示される時間にわたって立ち上がり時0%〜90%、立ち下がり時100%〜10%までの相対輝度変化が進行していくことが示されている。
また、569頁の「(1)表示機能テスト」の節には、LCDの立ち上がり時間と立ち下がり時間が、図8.32のton、toffで定義されること、動作時のコントラスト比が図8.33の用に定義されることが記載されている。

【2-4】対比・判断
【2-4-1】引用発明
刊行物1には、その記載からみて以下の技術事項(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「TFT(thin film transistor)型液晶ディスプレイなどの駆動回路4からの駆動信号に応じて透過率が変化する透過型の表示素子2を備えた画像ディスプレイであって、表示保持期間(1フィールド期間T(t1からt3)内の光を透過させる時間率)を、画像信号の垂直同期に同期して画像信号の1フィールド期間T(t1からt3)以内の一定期間(時刻t2又はt6から時刻t3までの時間に対応する)に制限する制限手段する手段を備え、
制限された表示保持期間である前記一定期間(時刻t2又はt6から時刻t3までの時間)は、1フィールド期間T(t1からt3)の後半の期間内に設けられ、その開口率は例えば50%、25%であり、
前記制限手段は、シャッタ3又は画像信号の垂直同期に同期して画像信号の1フィールド期間T以内の一定期間に光源ランプ1(11)の発光期間を制限する発光制御手段であり、
前記シャッタ3は、ある程度の応答時間を要する場合(過渡特性をもつ場合)、それが1フィールド期間Tより充分短ければ動画表示の画質劣化の改善効果がある画像ディスプレイ。」

【3-4-2】本件発明1について
(1)対比
引用発明における下記A〜Gの技術事項は、本件発明1の下記a〜gの技術事項に相当する。
A:「TFT(thin film transistor)型液晶ディスプレイなどの駆動回路4からの駆動信号に応じて透過率が変化する透過型の表示素子2」、
B:「画像ディスプレイ」、
C:「1フィールド期間T(t1からt3)」、
D:「1フィールド期間T(t1からt3)以内の一定期間(時刻t2又はt6から時刻t3までの時間に対応する)」、
E:「1フィールド期間T(t1からt3)以内の時刻t1から時刻t2又はt6までの時間」、
F: 一定期間(時刻t2又はt6から時刻t3までの時間に対応する)の画像ディスプレイの輝度、及び
G: 時刻t1から時刻t2又はt6までの時間の画像ディスプレイの輝度。
a:「一対の基板間に液晶を挟持し、複数の画素を有する液晶素子」、
b:「液晶素子の駆動回路を有する液晶表示装置」、
c:「1フレーム期間」、
d:「第1の期間」、
e:「第2の期間」、
f:「第1の輝度」、及び
g:「第2の輝度」。
ここで、引用発明において、TFT(thin film transistor)型液晶ディスプレイなどの駆動回路4からの駆動信号に応じて透過率が変化する透過型の表示素子2は、複数の画素からなり、各画素は、表示保持期間が、画像信号の垂直同期に同期して画像信号の1フィールド期間T以内の一定期間に制限されていること、及び前記Dの期間と前記Eの期間とが連続し、前記Gの輝度が前記Fの輝度以下の輝度を表示することは刊行物1の第2図等から明らかである。

従って、両者は、「一対の基板間に液晶を挟持し、複数の画素を有する液晶素子と、該液晶素子の駆動回路を有する液晶表示装置であって、任意の画素において、1フレーム期間を連続する第1の期間と第2の期間に分割し、上記第1の期間において第1の輝度を表示し、上記第2の期間においては上記第1の輝度以下の第2の輝度を表示する液晶表示装置。」の点で一致し、以下の点で相違する。
相違点1
本件発明1は、1フレーム期間をFr 、上記第1の期間と1フレーム期間との比を時間開口率Tap、最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時に、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間をτoff とした時に、Tap+τoff/1.5Fr =Ts ≦0.65となるように設定したのに対して、引用発明は、第1の期間を1フレーム期間Frの後半に設け、開口率を0.5以下とした点。

(2)判断
相違点1について検討するに、刊行物1においては、引用発明について、最大輝度と最小輝度との間の時間的変化(制御パルスの立ち上がり及び立ち下がり時の過渡特性)を省略して説明がなされている。しかし、現実の液晶表示装置(ディスプレイ)において、状態の変化には、ある程度の応答時間を要する(過渡特性を持つ)ことは、刊行物1の段落【0061】の記載や、刊行物3、4に示されるように周知である。ところで、引用発明において、立ち上がり及び立ち下がりの時間(引用発明においてはシャッタ又は光源ランプの応答時間)は、シャッタ、光源ランプ等の具体的特性に応じて様々に変化するが、1フレーム期間に対しての割合は小さいという前提に立ち、立ち上がり及び立ち下がりの時間(引用発明においてはシャッタの応答時間)を省略して説明がなされている。このことは刊行物1の段落【0061】の記載から明らかである。
ここで、現実には僅かな過渡特性が存在することを熟知する当業者にとっては、過渡特性を省略した場合の説明である、段落【0031】の記載及び図2から、引用発明の「開口率」は、本件発明1の「Ts」、すなわち輝度の時間積分を1フレーム期間で規格化したものに相当する概念のパラメータであることは明らかである。そして、引用発明のように、図2のオン状態すなわち最大輝度“1”とオフ状態すなわち最小輝度“0”との間の変化に要する時間(制御パルスの立ち上がり及び立ち下がり時の過渡特性)を省略できるとした前提で本件発明1と引用発明とを比較する。この前提によりτon、τoff は何れも零である。引用発明の場合には、第1期間(Fa)を1フレーム期間Frの後半に設けるので、Fa≦0.5Frである。また、1フレーム期間Frに亘って第1期間(Fa)の最大輝度“1”と第2期間の最小輝度“0”を積分した輝度の時間積分Fa×1は0.5Fr以下となり、この時間積分を1フレーム期間Frで規格化した値(引用発明の開口率)Tsは、Ts=Tap ≦0.5となる。これに対して、本件発明1の場合には、τoff は零であるからTs=Tap≦0.65となる。なお、TapはTap=Fa/Frであり、本願発明1では時間開口率と称している。
また、刊行物1の段落【0061】の記載は、引用発明の、立ち上がり及び立ち下がりの応答時間が零でない場合にも、表示保持時間を制限することが有効であることを示唆しているから、当業者であれば、現実の液晶表示装置のシャッタや光源ランプが有する、立ち上がり及び立ち下がりの応答期間中の過渡的状態の輝度の変化を考慮して、輝度の時間積分を1フレーム期間で規格化したパラメータの範囲を、引用発明と同様に制限することは容易に想到できる事項である。この点を、以下に示す。
引用発明は、光源ランプ、シャッタを含む液晶表示装置がある程度の応答時間を要する場合にも適用できるのであるから、シャッタ又は光源の、期間Faの間のみオンとなるパルスオン波形(刊行物1の図2参照)の開始時に一方の状態(表示光が遮断された最小輝度“0”状態)から他方の状態(表示光が透過する最大輝度“1”の状態)へ変化する時間をτonとし、パルスオン波形の終了時に他方の状態から一方の状態へ変化する時間τoff とすると、前記変化は応答期間中にほぼ一定の割合で変化すると仮定することができ、一方の状態(表示光が遮断された状態)及び他方の状態(表示光が透過する状態)の輝度をそれぞれ“0”及び“1”としているので、応答期間中の輝度の変化を考慮した、1フレーム期間Fr中の輝度の時間積分は、(Fa-τon)×1+(τon×1)/2+(τon×1)/2であり、時間開口率Tap=Fa/Frを考慮し、前記時間積分を1フレーム期間Frで規格化すれば、引用発明の開口率に相当する次のパラメータが得られ、
(輝度の時間積分)/(Fr)=Tap -τon/2Fr+τoff/2Fr
となる。
ここで、本件発明1は、時間積分を小さくする成分を省略して、時間積分を大きくする成分のみに着目して、1フレーム期間Fr中の輝度の時間積分に相当するパラメータをTap+τoff/aFr(aは定数)とみなし、さらに本件発明者等によってaを1.5と設定し、輝度の時間積分を規格化したパラメータに対応するパラメータTsとして定義したものである。
しかし、段落【0002】、【0011】〜【0013】、特に【0052】の記載によれば、輝度の時間積分を規格化したパラメータが小さいほど動画質改善に寄与することは明らかであり、また、τon は輝度の時間積分を小さくする成分であるから動画質を改善するファクターであり、その値はFaに比較して小さく動画質の劣化への影響は少ないことが明らかである。また、経験的に求めた本件発明1のTsのような実験式の定数を様々変更することは当業者が装置の設計を行う際に普通に試みる事項である。してみると、表示装置の過渡特性を考慮した場合に、引用発明から当業者が理論的に容易に導出することのできる動画質改善の指標となる輝度の時間積分を規格化した上記パラメータ(輝度の時間積分)/(Fr)を構成するファクターのうち、τonを省略し、時間積分を大きくして動画質を低下させるファクターであるTapと寄与は小さいが動画質を劣化させるファクターのみを抽出し、経験的に定数aを1.5として、輝度の時間積分を規格化したパラメータに対応するパラメータTsとして定義した点に何ら格別の技術的困難が伴うとは認められない。また、前記理由により両パラメータの間に大きな差が生じることもなく、輝度の時間積分を規格化した上記パラメータ(輝度の時間積分)/(Fr)に代えて、当該Tsを改めて定義したことによる格別の技術的意義も認められない。
そして、刊行物1の段落【0002】、【0011】〜【0013】、特に【0052】の記載から、Tsに対応する表示保持期間の割合(開口率)を、必ずしも0.5以下(実施例では50%又は25%)としなくとも、1フレーム期間に相当する1フィールド期間以内の一定期間に制限することにより動画を表示する際に生じる動きのぼけ等の画質劣化を、表示保持期間を制限しない場合に比べて改善することができ、検知限(刊行物1の段落【0059】を参照すれば検知限界を意味する)を別にすれば、この値が小さいほど動画の画質改善効果が大きいことが明らかである。これらの事情を考慮すると、改善に必要な輝度の時間積分を規格化したもの(引用発明の開口率)に対応することが明らかなTsは、表示装置の具体的な特性、製品仕様に応じて当業者が設計上“0”〜“1”の間で適宜設定できる事項と認められる。よって、輝度の時間積分を規格化したパラメータに対応するTsの範囲を、引用発明のパラメータの範囲を含む0.65以下と設定することは当業者が容易に想到できた事項である。
なお、本件発明1は、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間をτoff としているが、過渡的状態にある立上がり及び立下がりの応答期間をどのように定義するかは輝度の時間積分を近似計算する際、当業者が適宜設定できる事項であり、また、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間をτoff とすることすることは刊行物3、4において公知でもある。
したがって、1フレーム期間をFr 、上記第1の期間と1フレーム期間との比を時間開口率Tap、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間をτoff とした時に、Tap+τoff/1.5Fr =Ts ≦0.65となるように設定することは当業者が容易に想到できた事項である。
以上のとおりであるから、本件発明1は刊行物1、3、4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものと認められ、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

【2-4-3】本件発明2について
(1) 対比
本件発明2は、本件発明1を引用して「上記第1の期間において、液晶層を画像情報に対応した透過率状態として第1の輝度を表示し、第2の期間において、液晶層を第1の透過率以下の透過率状態とすることにより第2の輝度を表示し、該液晶層の最大透過率を100%、最小透過率を0%とした時に、上記τoff が100%透過率状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰する期間である」としたものである。
よって、引用発明と本件発明2とを対比すると、以下の相違点2、3の点で相違し、その余の点で一致する。
相違点2
本件発明2は、第1の期間において、液晶層を画像情報に対応した透過率状態として第1の輝度を表示し、第2の期間において、液晶層を第1の透過率以下の透過率状態とすることにより第2の輝度を表示し、該液晶層の最大透過率を100%、最小透過率を0%とした時に、上記τoff が100%透過率状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰する期間と定義したのに対して、引用発明は、TFT(thin film transistor)型液晶ディスプレイなどの透過型の表示素子2とシャッタ又は光源ランプにより、第1の期間において、液晶層を画像情報に対応した透過率状態として第1の輝度を表示し、第2の期間において、第1の透過率以下の透過率状態とした点。
相違点3
本件発明2は、液晶層の最大透過率を100%、最小透過率を0%とした時に、上記τoff が100%透過率状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰する期間とし、1フレーム期間をFr 、上記第1の期間と1フレーム期間との比を時間開口率Tap、最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時に、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間をτoff とした時に、Tap+τoff/1.5Fr =Ts ≦0.65となるように設定したのに対して、引用発明は、第1の期間を1フレーム期間Frの後半に設け、開口率を0.5以下とした点。

(2) 判断
まず、上記相違点2を検討するに、動画の表示特性を改善するために、第1の期間において、液晶層を画像情報に対応した透過率状態として第1の輝度を表示し、第2の期間において、液晶層を第1の透過率以下の透過率状態とすることにより第2の輝度を表示することは刊行物2において公知である。よって、引用発明のシャッタ又は光源ランプの制御に変えて、第1の期間において、液晶層を画像情報に対応した透過率状態として第1の輝度を表示し、第2の期間において、液晶層を第1の透過率以下の透過率状態とすることにより第2の輝度を表示することは当業者が容易に想到できた事項である。
なお、液晶層(液晶素子)が駆動信号に対してある程度の応答時間を要する(過渡特性を持つ)ことは、刊行物1の段落【0061】の記載や、刊行物3、4に示されるように周知であり、0%透過率状態から100%透過率に転移する際に透過率が0%から90%に達する期間を立ち上がり期間と定義し、100%透過率状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰する期間を立ち下がり時間と定義することも刊行物3、4において公知であり、液晶層の最大透過率を100%、最小透過率を0%とした時に、上記τoff が100%透過率状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰する期間と定義したことは何ら格別の事項とは認められず、引用発明と本件発明2との実質的な相違とはならない。
次に、相違点3を検討する。上記相違点2で検討したように、シャッタ又は光源ランプを制御することなく液晶層の最大透過率と最小透過率とによって、最大輝度と最小輝度とを実現することは刊行物2に基づいて容易に想到できた事項であり、刊行物2のように液晶層のみで輝度の変化が実現される場合に、最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時に、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間を意味するτoff が、同時に、液晶層が100%透過率状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰する期間を意味することは当然である。そして、液晶層のτoffの定義も既に説明したように公知である。結局、相違点3は、本件発明1の相違点1と実質的に変わるところはないので、「【2-4-2】本件発明1について (2)判断」に記載した理由により、液晶層の最大透過率を100%、最小透過率を0%とした時に、上記τoff が100%透過率状態から0%透過率に転移する際に透過率が100%から10%に減衰する期間とし、1フレーム期間をFr 、上記第1の期間と1フレーム期間との比を時間開口率Tap、最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時に、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間をτoff とした時に、Tap+τoff/1.5Fr =Ts ≦0.65となるように設定することは当業者が容易に想到できた事項である。
以上のとおりであるから、本件発明2は刊行物1、2、3、4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものと認められ、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

【2-4-4】本件発明3について
本件発明3は、本件発明2を引用し、本件発明2において「Ts ≦0.65」とあるのを、「Ts が0.45以下」と更に限定したものである。
よって、引用発明と本件発明3とを対比すると、「【2-4-3】本件発明2について (1)対比」に記載した相違点2、相違点3及び相違点3について更に上記限定を付した点で相違し、その余の点で一致する。
そこで、相違点3に更に上記限定を付した点について検討するに、引用発明ではTs に対応するパラメータの値が0.5以下であり、その値が0.25の例も示されている。さらに、刊行物1の記載から、動画質の改善に必要なTsは、表示装置の各要素の具体的な特性と製品仕様に応じて当業者が設計上適宜設定できる事項であることは明らかである。したがって、上記相違点3における、「Ts ≦0.65」を、「Ts が0.45以下」に、更に限定することは刊行物1の記載等に基づいて、格別困難なくなしえたものと認められる。
相違点2、3についての判断は「【2-4-3】本件発明2について (2)判断」に記載したとおりである。
以上のとおりであるから、本件発明3は刊行物1、2、3、4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものと認められ、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

【2-4-5】本件発明12について
本件発明12は、本件発明1を引用し、「上記液晶表示装置が、バックライト光源を備え、上記第1の期間において、該光源を点灯し画像情報に応じた透過率状態の液晶層に該光源からの光を照射して第1の輝度を表示し、第2の期間において、該光源を非点灯して第2の輝度を表示し、上記τoff が、該光源を点灯状態から非点灯した際に該光源の輝度が100%から10%に減衰する期間である」構成としたものである。
ここで、バックライト光源を備え、該光源を点灯し画像情報に応じた透過率状態の液晶層に該光源からの光を照射する場合には、「光源を点灯状態から非点灯した際に該光源の輝度が100%から10%に減衰する」ことによって、「最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時に、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する」ことは明らかである。したがって、本件発明12は、「一対の基板間に液晶を挟持し、複数の画素を有する液晶素子と、該液晶素子の駆動回路を有する液晶表示装置であって、任意の画素において、1フレーム期間を連続する第1の期間と第2の期間に分割し、上記第1の期間において第1の輝度を表示し、上記第2の期間においては上記第1の輝度以下の第2の輝度を表示し、1フレーム期間をFr 、上記第1の期間と1フレーム期間との比を時間開口率Tap、最大輝度を100%、最小輝度を0%とした時に、100%表示状態から0%表示する際に輝度が100%から10%に減衰する期間をτoff とした時に、Tap+τoff/1.5Fr =Ts ≦0.65となるように設定したことを特徴とする液晶表示装置において、画像情報に応じた透過率状態の液晶層に該光源からの光を照射して、バックライト光源の点灯と非点灯とにより、Tap+τoff/1.5Fr =Ts ≦0.65を実現した液晶表示装置」である。
すなわち、本件発明12は、本件発明1の構成に、画像情報に応じた透過率状態の液晶層に該光源からの光を照射して、バックライト光源の点灯と非点灯とにより、Ts の範囲を実現するという構成を付加したものである。
しかし、引用発明の光源ランプは本件発明12のバックライト光源に相当し、かつ、引用発明においては、画像情報に応じた透過率状態の液晶層に光源からの光を照射して、光源ランプの発光期間を制限すること(バックライト光源の点灯と非点灯とを制御することに相当する。)により、Ts に対応するパラメータの範囲を実現しているから、本件発明12と引用発明とは、「【2-4-2】本件発明1について (1)対比」に記載した相違点1の点で相違し、その余の点で一致する。
相違点1についての判断は、「【2-4-2】本件発明1について (2)判断」のとおりであるから、本件発明12は刊行物1、3、4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものと認められ、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

【2-4-6】本件発明13について
本件発明13は、本件発明12を引用し、本件発明12において「Ts ≦0.65」とあるのを、「Ts が0.45以下」と更に限定したものである。
よって、引用発明と本件発明13とを対比すると、「【2-4-2】本件発明1について (1)対比」に記載した相違点1の点及び相違点1のTsについて更に上記限定を付した点で相違し、その余の点で一致する。
そこで、相違点1のTsについて更に上記限定を付した点を検討するに、引用発明ではTs に相当するパラメータの値が0.5以下であり、その値が0.25の例も示されている。さらに、刊行物1の記載から、動画質の改善に必要なTsに対応するパラメータの範囲は、表示装置の具体的な特性に応じて当業者が設計上適宜設定できる事項であることは明らかである。したがって、相違点1における、「Ts ≦0.65」を、「Ts が0.45以下」と更に限定することは刊行物1の記載等に基づいて、格別困難なくなしえたものと認められる。
以上のとおりであるから、本件発明13は刊行物1、3、4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものと認められ、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

【2-5】むすび
以上のとおり、本件の請求項1〜3、12、13に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものに対して特許されたものであるものであるから、特許法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2003-10-17 
出願番号 特願平10-184289
審決分類 P 1 652・ 121- Z (G02F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 井口 猶二  
特許庁審判長 森 正幸
特許庁審判官 町田 光信
吉田 禎治
登録日 2002-08-09 
登録番号 特許第3337982号(P3337982)
権利者 キヤノン株式会社
発明の名称 液晶表示装置  
代理人 山口 芳広  
代理人 渡邉 敬介  

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