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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正する B01D
管理番号 1096956
審判番号 訂正2003-39256  
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1985-10-18 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-12-02 
確定日 2004-04-02 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第1851891号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第1851891号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第1851891号[昭和59年3月31日特許出願、平成5年9月10日出願公告、平成13年8月30日訂正審判審決]の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、即ち下記(1)ないし(4)のとおり訂正することを求めるものである。
(1)訂正事項a:特許請求の範囲の請求項1の「少なくとも流入口と流出口を設けた容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記仕切板に固定された中空糸膜モジュールとから構成された中空糸膜濾過装置において、前記中空糸膜モジュールは取水管と、前記取水管の周囲に配設された多数本の中空糸膜フイルタと、前記取水管と前記中空糸膜フイルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フイルタの中空部の下端から取水管に流れるようにしたことを特徴とする中空糸膜濾過装置。」とあるのを「容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器の上端部の流出口に設けた処理液排出管と、前記容器本体の下端部の流出口に設けた濃縮液排出管と、前記仕切板に固定された中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置において、前記中空糸膜モジュールは取水管と、前記取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フイルタと、前記取水管と前記中空糸膜フイルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フイルタの中空部の下端から取水管に流れるようにしたことを特徴とする中空糸膜濾過装置。」と訂正する。
(2)訂正事項b:特許請求の範囲の請求項2の「少なくとも流入口と流出口を設けた容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記仕切板に固定された複数個直列接続された中空糸膜モジュールとから構成されており、前記中空糸膜モジュールは、取水管と、前記取水管の周囲に配設された多数本の中空糸膜フイルタと、前記取水管と前記中空糸膜フイルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記中空糸膜モジュール相互間はそれぞれ端部材間を液密に固定する固定具で接続し、前記中空糸フィルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フイルタの中空部の下端から取水管に流れるようにしたことを特徴とする中空糸膜濾過装置。」とあるのを「容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器の上端部の流出口に設けた処理液排出管と、前記容器本体の下端部の流出口に設けた濃縮液排出管と、前記仕切板に固定された複数個直列接続された中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置であって、前記中空糸膜モジュールは、取水管と、前記取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フイルタと、前記取水管と前記中空糸膜フイルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記中空糸膜モジュール相互間はそれぞれ端部材間を液密に固定する固定具で接続し、前記液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フイルタの中空部の下端から取水管に流れるようにしたことを特徴とする中空糸膜濾過装置。」と訂正する。
(3)訂正事項c:発明の詳細な説明中「中空糸フィルタ」(特許審決公報第5頁下から5〜4行)とあるのを「廃液中の分散固形物を捕捉する中空糸フィルタ」と訂正する。
(4)訂正事項d:発明の詳細な説明中「非処理水」(特許審決公報第6頁20行)とあるのを「被処理水」と訂正する。
(5)訂正事項e:発明の詳細な説明中「懸濁液」(特許審決公報第6頁21行)とあるのを「懸濁物」と訂正する。

2.当審の判断
2-1.訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項aの訂正は、
訂正事項a-1:「少なくとも流入口と流出口を設けた容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と」を、「容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器の上端部の流出口に設けた処理液排出管と」とする訂正
訂正事項a-2:「中空糸膜モジュールとから構成された中空糸膜濾過装置」を「中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置」とする訂正
訂正事項a-3:「取水管の周囲に配設された多数本の中空糸膜フイルタ」を「取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フイルタ」とする訂正
訂正事項a-4:「中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液」を「液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液」とする訂正
に細分することができる。
そして、訂正事項a-1は、本件特許明細書の記載(特許審決公報第5頁38〜42行)及び第2図に基づき、(i)容器本体に設けられた「流入口」には供給管が、「流出口」には排出管がそれぞれ設けられていること、(ii)「流出口」は、処理液排出管が設けられるものと濃縮液排出管が設けられるものの2つ存在すること、(iii)「流入口」及び「流出口」の設けられる位置が、液体供給管が設けられた「流入口」が「容器本体内の仕切板」の下方位置、処理液流出管が設けられた「流出口」が容器本体の上端部、濃縮液排出管が設けられた「流出口」が容器本体の下端部、であること、をそれぞれ限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
訂正事項a-2は、本件特許明細書の記載(特許審決公報第5頁41〜42行、第6頁12〜15行)に基づき、中空糸膜モジュールが、濾過操作が中止可能で、逆洗により濃縮液が排出可能であるような装置であることを限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
訂正事項a-3は、本件特許明細書の記載(特許審決公報第6頁5〜6行)に基づき、中空糸膜フィルタが、液体中の分散固形物を捕捉するものであることを限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
訂正事項a-4は、本件特許明細書の記載(特許審決公報第6頁5〜9行)に基づき、中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液が、液体中の分散固形物が分離されたものであることを明確にする訂正であるから、明確にするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
したがって、訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、いずれも本件特許明細書に記載された事項であるから新規事項の追加に該当しない。
(2)上記訂正事項bは、
訂正事項b-1:「少なくとも流入口と流出口を設けた容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と」を、「容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器の上端部の流出口に設けた処理液排出管と」とする訂正
訂正事項b-2:「中空糸膜モジュールとから構成されており」を「中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置であって」とする訂正
訂正事項b-3:「取水管の周囲に配設された多数本の中空糸膜フイルタ」を「取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フイルタ」とする訂正
訂正事項b-4:「中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液」を「液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液」とする訂正
に細分することができる。
これら訂正事項b-1ないしb-4は、実質的に訂正事項a-1ないしa-4と同じであり、訂正事項aの訂正に整合するものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、いずれも本件特許明細書に記載された事項であるから新規事項の追加に該当しない。
(3)上記訂正事項cは、訂正事項a-3に伴い、明細書の発明の詳細な説明を特許請求の範囲の記載に合わせ、表現を統一するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、新規事項の追加に該当しない。
(4)上記訂正事項dは、「非処理水」を「被処理水」に訂正するものであるが、「非処理水」が、前後の文章からみて「被処理水」の誤記であることは明白であるから、明らかな誤記の訂正を目的とする訂正に該当し、新規事項の追加に該当しない。
(5)上記訂正事項eは、「懸濁液」を「懸濁物」に訂正するものであるが、前後の文章からみて「懸濁液」が「懸濁物」の誤記であることは明白であるから、明らかな誤記の訂正を目的とする訂正に該当し、新規事項の追加に該当しない。
そして、上記各訂正は、願書に添付した明細書または図面に記載された事項の範囲内であって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。

2-2.独立特許要件
(1)本件発明の認定
訂正後の本件請求項に係る発明は、訂正審判請求書に添付された明細書の請求項1ないし2に記載された事項により特定された次のとおりのものである(以下「本件発明1」ないし「本件発明2」という)。
「【請求項1】容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器の上端部の流出口に設けた処理液排出管と、前記容器本体の下端部の流出口に設けた濃縮液排出管と、前記仕切板に固定された中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置において、前記中空糸膜モジュールは取水管と、前記取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フイルタと、前記取水管と前記中空糸膜フイルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フイルタの中空部の下端から取水管に流れるようにしたことを特徴とする中空糸膜濾過装置。
【請求項2】容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器の上端部の流出口に設けた処理液排出管と、前記容器本体の下端部の流出口に設けた濃縮液排出管と、前記仕切板に固定された複数個直列接続された中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置であって、前記中空糸膜モジュールは、取水管と、前記取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フイルタと、前記取水管と前記中空糸膜フイルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記中空糸膜モジュール相互間はそれぞれ端部材間を液密に固定する固定具で接続し、前記液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フイルタの中空部の下端から取水管に流れるようにしたことを特徴とする中空糸膜濾過装置。」

(2)本件無効審判事件で引用された証拠の記載事項
本件無効審判事件で請求人が提出した甲第3号証(特開昭58-183916号公報)には以下の事項が記載されている。
ア.「本発明は、・・・液体中の懸濁物を濾過する多孔質高分子膜からなる中空糸濾過膜集束体を収納して保護し特に中空糸濾過膜に付着した懸濁物を気体逆洗によって除去、洗浄するに際し有効な中空糸濾過膜集束体の保護外筒に関する。」(第1頁左欄16行〜右欄4行)
イ.「本発明に適用される濾過装置は第1図に示すように、濾過容器1には濾過液帯部Aと原液帯部Bとに分ける仕切板2が設けられている。この仕切板には中空糸濾過膜集束体4を収納した保護外筒3が取付けられている。懸濁物を含む原液は原液供給ライン5から原液帯部Bに導入される。その液は保護外筒3の内部に入り、懸濁物は、中空糸濾過膜集束体4の膜によって阻止され、濾過液は中空糸内を通り、濾過液帯部Aに導かれ濾過液ライン6から濾過容器1外に取り出される。」(第2頁右上欄19行〜左下欄9行)
ウ.「濾過処理時間とともに膜の表面には多量の懸濁物が付着し、濾過能力が低下する。そこで逆洗気体供給ライン7から中空糸濾過膜集束体4の中空糸内に逆洗気体を圧入する。この逆洗用気体によって中空糸濾過膜集束体4の膜表面から無数の気体が発生し付着した懸濁物を剥離し洗浄する。この逆洗用気体は逆洗気体出口ライン8から濾過容器1外に導出される。」(第2頁左下欄9〜16行)

(3)本件発明1との対比
記載ウ及び第1図の記載からみて、逆洗気体供給ライン7から供給される逆洗気体は、中空糸濾過膜集束体のすべての中空糸内に圧入されるのもと認められるから、逆洗操作時においては濾過操作は行われず中断されていることは明らかである。
したがって、記載アないし記載ウ、及び第1図の記載を総合すると、上記甲第3号証には、「濾過容器1と、前記濾過容器内に配設された仕切板2と、前記容器の前記仕切板より下方位置の原液供給ライン5と、前記濾過容器の上方位置に設けた濾過液ライン6と、前記仕切板に固定された中空糸濾過膜集束体4から構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われるようにした装置」が開示されているものと認められる。
甲第3号証には、逆洗操作時に膜表面から剥離された懸濁物の排出手段について具体的な記載はないが、第1図の濾過容器1の下端部に図示されているラインの矢印が排出方向を示しており、該ラインに示される弁の開閉により、剥離した懸濁物を含む液を濾過容器から排出することができることは明らかである。
そして、甲第3号証における「濾過容器1」、「仕切板2」、「原液供給ライン5」、「濾過液ライン6」、「第1図に示される濾過容器1の下端部のライン」、「中空糸濾過膜集束体4」が、その機能に照らし本件発明1における「容器本体」、「仕切板」、「流入口に設けた液体供給管」、「流出口に設けた処理液排出管」、「流出口に設けた濃縮液排出管」、「中空糸膜モジュール」にそれぞれ相当する。
したがって、本件発明1と甲第3号証記載の発明とを対比すると、両者は「容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器の上部の流出口に設けた処理液排出管と、前記容器本体の下端部の流出口に設けた濃縮液排出管と、前記仕切板に固定された中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置」の点で一致し、以下の点で相違する。
相違点a:処理液排出管が設けられる流出口が、本件発明1では容器本体の上端部であるのに対し、甲第3号証記載の発明では上端部とはいえない点
相違点b:本件発明1は、中空糸膜モジュールは取水管と、前記取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フイルタと、前記取水管と前記中空糸膜フイルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フイルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フイルタの中空部の下端から取水管に流れるようにする構成を有しているのに対し、甲第3号証には、このような構成は記載されていない点

(4)判断
【相違点aについて】
処理液排出管が設けられる流出口は、容器本体の仕切板で区画される処理液室内の処理液を容器本体外へ取り出すためのものであるから、該処理室内と連通する位置に設けられればよいのであって、容器本体の上端部に設けることは、当業者がその設計に当たり適宜変更できる程度のことにすぎない。
【相違点bについて】
本件無効審判事件で請求人が提出した甲第2号証(特公昭53-35869号公報)には、「半透性中空フィラメント1を経糸または緯糸とし、これに交叉させて緯糸または経糸に非半透性の例えばポリエチレン製のフィラメント2を使用し形成させた織布の間にコルゲイト式のスペーサ3を挟んで、被処理液導入管4に連通された多数の分散孔5を有する分散管6を中心軸として、のり巻き状に巻き、さらにその表面をポリプロピレン等の織布7によって被覆し、こののり巻き状に巻いた織布中の半透性フィラメント1の両端をエポキシ樹脂等のチューブシート8によって集束し、それぞれ集水室9に連通させてある。また集水室9には流出管10が接続され、集水室9外壁には流路11が形成され」(第2頁3欄34行〜4欄3行)、「被処理液は、加圧されつつ導入管4から分散管6内に送液され、多数の分散孔5からスペーサ3によって形成された間隙内に分散され渦巻状に流過して外端から噴出し、流路11を経て系外あるいはソケット12によって集水室9に連なる流出管10を接続して直列に連結された次のモジュールの導入管4を経て次のモジュールに送液される。この間、半透性フィラメント1の表面から圧力によって膜透過した透過液は、両端の集水室9内に集水され、連通管13を経て流出管10から系外へ取り出される。また隣接したモジュールの膜透過液もソケット12を経て同一流出管10を経て取り出される」(第2頁4欄4〜16行)と記載があり、半透性フィラメントの表面から膜透過した透過液の一部が集水室9から連通管13に流れることが開示され、さらに甲第2号証の第1図ないし第3図の記載も参酌すれば、同号証における連通管13はその周囲に多数本の半透性フィラメント1が配設されていると云える。
ここで、甲第2号証における「半透性中空フィラメント1」、「連通管13」、「チューブシート8」、「モジュール」は、その機能に照らし本件発明1における「中空糸膜フィルタ」、「取水管」、「端部材」、「中空糸膜モジュール」にそれぞれ相当するから、同号証には、上記相違点aのうち「液体中の分散固形分を捕捉する」、「液体中の分散固形分が分離されて」及び「中空部の下端から」という構成を除いた構成が記載されていると云える。
そして、「液体中の分散固形分を捕捉する」、「液体中の分散固形分が分離されて」及び「中空部の下端から」という構成は、甲第2号証に記載されるモジュールを甲第3号証記載の装置に適用すれば当然充足するものであるから、甲第2号証に記載されるモジュールを甲第3号証に記載されるような液体中の分散固形分の分離に適用することが容易か否かを更に検討する。

甲第2号証には、「本発明は、有機性若しくは無機性物質を含有する流体の処理に利用される浸透膜を装備した浸透膜装置、特に浸透膜として半透性のフィラメントを利用したモジュールに関するもの」(第1頁1欄21〜24行)と記載され、モジュールが浸透分離に適用されることを示しており、「浸透」の例として「逆浸透」が説明されている(第1頁1欄30行〜2欄6行)ことから、同号証記載のモジュールは主に逆浸透用のものと解される。
そして、同号証に記載される発明は「膜の充填密度が大で、膜と膜との異常な密着ならびに膜汚染を防止し得る新規な膜モジュールを提供することを目的とするもの」(第2頁3欄18〜21行)であり、「半透性のフィラメントと、非半透性フィラメントとを相互に交叉させて層状とし、該層の単層又は複層をもって浸透膜モジュールの構成要素とし、該層中の半透性フィラメントの少なくとも一端を膜透過水集水部に連通せしめたことにより膜の充填密度が大きく、デッドスペースを防止でき、さらに経糸あるいは緯糸のみに半透性フィラメントを使用すれば、膜透過現象が経糸あるいは緯糸においてのみ行われて膜と膜との異常な密着ならびに膜透過現象に付属して起る膜汚染問題をも適確に防止することができる」(第3頁6欄6〜16行)という作用効果を奏するものである。
第1図ないし第3図に記載された膜モジュールにおいても、半透性中空フィラメントと非半透性フィラメントを経糸または緯糸として交叉させ、織布を形成することにより半透性中空フィラメント同士の異常な密着を防ぎ、該織布の間にスペーサ3を挟んで被処理液導入管4に連通された分散管6を中心軸として、のり巻き状に巻き、集水室9の外壁に流路11を形成することにより、分散管6に設けられた多数の分散孔5から被処理液が、膜モジュールを構成する半透性中空フィラメントの間隙を均一に外側に向け通過するようにして、膜モジュール内にデッドスペースが生じないようにしたものであり、しかも、被処理液の排出流路11が、集水室9の外周面の溝状凹部として示されているように、該モジュールは第8図に示されるように圧力容器の内壁面で直接モジュールの集水室9の外周面を支持することによって被処理水の流路断面をできるだけ小さくし、中空糸膜の表面を通過する被処理液の流速を大きくすることにより、濃度分極の発生を防いでいるものと認められ、そもそも、該モジュールは、集水室9がチューブシート8と一体となっていることから、圧力容器内に処理液室を仕切るための仕切板を必要としないものであり、被処理液の流路断面の増加やデッドスペースの発生の原因となる仕切板による支持固定はむしろ排除されるべきものといえる。
しかも、中空ファイバの間を原液が通る構造の逆浸透膜モジュールでは、原液の濁度、すなわち分散固形物については十分制御することが必要であることは、甲第2号証(第1頁2欄27〜33行)にも記載されるように当該技術分野における技術常識であり、上記甲第2号証に記載される膜モジュールも被処理液は分散固形物を含まないことを前提としているものと解され、したがって、膜面には固形物が付着しないので、通常逆洗操作は行われない。
一方、甲第3号証記載の発明は、膜モジュールの周囲を覆う保護管の発明であることからも理解されるように、むしろ被処理液が流動しない、いわゆるデッドの状態で被処理液中の懸濁物(分散固形物)を中空糸濾過膜の表面に確実に捕捉して分離するものであり、捕捉された懸濁物は逆洗操作により高濃度の状態で排出するものであり、同号証における仕切板は、濾過容器1を濾過液帯部Aと原液帯部Bに分けるとともに、中空糸濾過膜集束体4の脱着の容易化を可能(第3頁左下欄13〜15行)とするものである。
したがって、甲第2号証及び甲第3号証記載の各装置は、中空糸型膜分離装置である点で一致するものの、両者は被処理液の流し方が根本的に相違するものであり、しかも膜モジュールの中心に配置された分散管から被処理液を供給して中空糸膜の間隙を通過させることを必須とする甲第2号証記載の膜モジュールを、甲第3号証記載の膜分離装置に適用することは物理的にも無理がある。

なお、甲第3号証には「中空糸状の多孔質高分子膜は膜面積が大きくとれ、耐圧性及び耐薬品性にすぐれているところから限外濾過や逆浸透用の膜として工業的にも採用されている。」(第1頁右欄5〜8行)との記載もあるが、これは中空糸状の多孔質高分子膜についての一般的な事項を述べたものにすぎず、同号証に記載される濾過装置における中空糸濾過膜を逆浸透用のものに変更して逆浸透分離を行うと、膜表面に生じる濃度分極により急激に濾過流束が低下してしまい、実用的な逆浸透装置としては不適切であることは明らかである。

(4)本件発明2について
本件発明2は本件発明における「中空糸膜モジュール」を「複数個直列接続された」ものに限定した発明であるから、本件発明1が、甲第3号証及び甲第2号証記載の発明を組み合わせても容易に発明することができない以上、本件発明2も同じ理由で甲第3号証及び甲第2号証記載の発明を組み合わせて容易に発明することができない。
また、他に本件発明1ないし本件発明2を無効とすべき理由を発見しない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により構成される発明は、これを無効とすべき理由が見当たらないから、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものである。
3.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条1項の規定により、訂正についてはなお従前の例によるとされる、特許法第126条第1項第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第2項及び第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
中空糸膜濾過装置
(57)【特許請求の範囲】
(1) 容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器本体の上端部の流出口に設けた処理液排出管と、前記容器本体の下端部の流出口に設けた濃縮液排出管と、前記仕切板に固定された中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置において、前記中空糸膜モジュールは取水管と、前記取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フィルタと、前記取水管と前記中空糸膜フィルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フィルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フィルタの中空部の下端から取水管に流れるようにしたことを特徴とする中空糸膜濾過装置。
(2) 容器本体と、前記容器本体内に配設した仕切板と、前記容器本体の前記仕切板より下方位置の流入口に設けた液体供給管と、前記容器本体の上端部の流出口に設けた処理液排出管と、前記容器本体の下端部の流出口に設けた濃縮液排出管と、前記仕切板に固定された複数個直列接続された中空糸膜モジュールとから構成され、かつ濾過操作が中止されて逆洗操作が行われ濃縮液が排出されるようにした中空糸膜濾過装置であって、前記中空糸膜モジュールは、取水管と、前記取水管の周囲に配設された、液体中の分散固形物を捕捉する多数本の中空糸膜フィルタと、前記取水管と前記中空糸膜フィルタの両端を解放状態で接着固定した端部材とから構成され、前記中空糸膜モジュール相互間はそれぞれ端部材間を液密に固定する固定具で接続し、前記液体中の分散固形物が分離されて前記中空糸膜フィルタ内に浸透した処理液の一部が上記中空糸膜フィルタの中空部の下端から取水管に流れるようにしたことを特徴とする中空糸膜濾過装置。
【発明の詳細な説明】
[発明の属する技術分野]
本発明は、濾過装置、特に中空糸膜フィルタを用いた中空糸膜濾過装置に関する。
[発明の技術的背景とその問題点]
原子力発電プラントにおいては、放射線低減対策として腐食生成物の発生の抑制とその除去を行っている。例えば、原子力発電プラントで発生する放射線廃液や一次冷却系の復水中に存在する懸濁物を分解除去するために濾過装置が用いられている。かかる濾過装置として従来は粉末イオン交換樹脂のようなプリコートフィルタを使用する方法、あるいは濾紙、濾布メンブレン膜等の平膜型濾過フィルタを使用する方法、さらには焼結金属、セラミック等の中空管型フィルタを使用する方法等が行われている。
しかしながら、粉末イオン交換樹脂を使用した濾過方法では樹脂廃棄物が多量に発生し、また平膜型フィルタあるいは中空管型フィルタを使用したものでは、大流量の循環流量が必要なため系統構成が複雑となり設備費が大きくなるという不具合がある。さらには二次廃棄物が発生し、濾過効率も低く、スペースおよび設備費等も嵩むという不具合があった。
そこで、最近中空糸膜フィルタを用いた中空糸膜濾過装置により廃液中の懸濁物を分離除去する方法が採用されるようになってきた。第1図は、本発明の先行技術の中空糸膜濾過装置の概略構成図を示すもので、同図に示すように容器本体1内に設けた仕切板3にほぼU字型の中空糸膜フィルタ2を取付固定している。そして、この容器本体1の側面の流入口には廃液を流入する廃液供給管4を設け、また容器本体1の上端部の流出口には供給された廃液を中空糸膜フィルタ2で濾過した後処理液を排出する処理液排出管5を設けている。また処理液排出管5にはこの排出管より分岐し中空糸膜フィルタ2の中空部に逆洗用の加圧気体を供給する気体供給管6を設けている。さらに容器本体1の下端部の流出口には処理液を排出した後の濃縮廃液を排出する濃縮廃液排出管7が設けられている。また仕切板3の取付位置の下方にはオーバーフロー管8が配設されている。そして前記各管には図に示すように、それぞれ開閉弁9,10,11,12,13が設けられている。
しかして、このような中空糸膜濾過装置では、容器本体1内に廃液供給管4を介して廃液を一定圧力で流入させつつ、中空糸膜フィルタ2の濾過差圧が予め定められた値となるまで濾過が行われ、この間処理液は処理液排出管5から排出される。
そして、その後、気体供給管6から中空糸膜フィルタ2の中空部に加圧気体が供給され、中空糸膜フィルタ2の外側に付着した懸濁物の剥離除去に続いて濃縮廃液の排出が行われた後再び廃液供給管4から新たな廃液が容器本体1内に供給され前述した廃液の濾過が繰り返し行なわれる。
ところで、原子力発電プラントにおける立地条件等から廃液濾過装置の設置されるスペースが制限され、また容器本体自体も縦長構造のものの方が横長構造のものより構造上有利であることは知られている。しかし先行技術の中空糸膜濾過装置は濾過面積を大きくするため内径が0.1〜0.5mmφのような糸径の小さな中空糸膜フィルタが用いられているので、その長さは圧損等からみて約1mが限度と考えられていた。そのため、廃液濾過装置としては相当なスペースを必要としており、このスペースをできるだけ少なくするには前述のような縦長構造の中空糸膜濾過装置の開発が望まれていた。
[発明の目的]
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、限られた場所に設置するのに適するとともに高い濾過効率を有し、かつコンパクトな中空糸膜濾過装置を提供するにある。
[発明の概要]
本発明は、上記目的を達成するために、少なくとも流入口と流出口を設けた容器本体内に仕切板を配設し、この仕切板に1個または複数個直列接続された中空糸膜モジュールを固定してなる中空糸膜濾過装置に関するものである。そして、上記中空糸膜モジュールは取水管の両端に配設した端部材と前記取水管の周囲に多数本の中空糸膜フィルタを配置するとともにこの中空糸膜フィルタの両端を解放状態で前記端部材に接着固定したものである。
[発明の実施例]
本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第2図および第3図は、本発明の一実施例の概略図を示すもので、第1図と同一個所には同一符号を附して説明する。同図に示すように、容器本体14内に設けた仕切板17に中空糸膜モジュール15を2個縦方向に直列接続したモジュール結合体を取付固定している。そして、この容器本体14の側面の流入口には廃液を流入する廃液供給管4を設け、また容器本体14の上端部の流出口には供給された廃液を中空糸膜フィルタ19で濾過した後処理液を排出する処理液排出管5を設けている。この排出管5より分岐して中空糸膜フィルタ19の中空部に逆洗用の加圧気体を供給する気体供給管6を設けている。さらに容器本体14の下端部の流出口には処理液を排出した後の濃縮廃液を排出する濃縮廃液排出管7が設けられている。また、仕切板17の取付位置の下方にはオーバーフロー管8が配設されており、前記各管には図に示すように、それぞれ開閉弁9,10,11,12,13が設けられている。
しかして、本実施例の中空糸膜モジュール15は、第3図に示すように取水管18の両端を解放状態で端部材20または21に固定するとともにこの取水管18の周囲に直線状でその外周に微孔を形成した廃液中の分散固形物を捕捉する中空糸膜フィルタ19を多数配置し、この中空糸膜フィルタ19を端部材20または21に接着固定した構成となっている。このように構成された中空糸膜モジュール15を複数個(図では2個)縦方向に図のように適当な空間をあけて接続し、隣接する中空糸膜モジュール15,15の両端部材21,21を固定金具16で固定する。また、中空糸膜モジュール15を複数個縦方向に接続したモジュール結合体の最上端の端部材20(以下端栓という)は仕切板17と結合するように幅広の端部を形成しており、また、そのモジュール結合体の最下端にも固定金具22を設ける。そして端部材21と固定金具16または22並びに端栓20と仕切板17との間にシール材23を設けて廃液と処理液とが混合しないようにする。
次に、本実施例の濾過作用について説明する。
流入口より流入された廃液は中空糸膜フィルタ19の外側より中空糸膜フィルタ19を通してその中側に水のみを浸透させ、廃液中の分散固形物は中空糸膜表面で捕捉されることにより固液分離が行なわれる。中空糸膜フィルタ19内に浸透した水の一部は中空糸膜フィルタ19の中空部を通って固定金具16および22の空間部に流れ取水管18を通って端栓20上に取り出され、また、他の一部は端栓20上に取り出される。そして、これらの水は処理液排出管5を経て装置外へ排出される。そして、濾過操作は容器本体14内に廃液供給管4を介して廃液を一定圧力で流入させつつ、中空糸膜フィルタ19の濾過差圧が予め定められた値となるまで濾過が行なわれ、この間処理液は処理液排出管5を介して排出される。
そして、その後、中空糸膜フィルタ19の濾過差圧が上記所定値以上となると、濾過操作は中止され中空糸膜フィルタ19の逆洗操作が行なわれる。この逆洗は濾過操作とは逆に行なわれる。すなわち、図示しない気体供給源から気体供給管6を介して中空糸膜フィルタ19の内側から外側に水または空気を圧送させて中空糸膜フィルタ19の外表面に付着した分散固形物を除去する。このとき中空糸膜フィルタ19の外側に形成した微孔から気泡が発生するので洗浄効果を高めることになる。そして、洗浄が終れば再び廃液供給管4から新たな廃液が容器本体14内に供給され前述したようにして廃液の濾過が繰返して行なわれる。
上記実施例では中空糸膜モジュールを2個使用した中空糸膜濾過装置について説明したが、中空糸膜モジュールを1個あるいは3個以上使用した中空糸膜濾過装置を構成することができる。また、上記実施例における固定金具は、被処理水で腐食しないもの、例えば樹脂なども使用可能である。また、上記説明では原子力発電プラントにおける廃液についてなしたが、他のプラントにおける廃液あるいは懸濁物を有する液体の固液分離に適用できることは勿論のことでる。
[発明の効果]
以上説明したように、本発明の中空糸膜モジュールは、取水管の周囲に配設された多数本の中空糸膜フィルタを配設してこの取水管と中空糸膜フィルタの両端を解放状態で端部材に接着固定しているので、従来のI形モジュールと比較して約2倍の透水量を得ることができる。また、中空糸膜モジュールを複数個直列接続しても中空糸膜フィルタの圧損の影響を受けることがないので、中空糸膜濾過装置を縦長構造にすることができる。その結果、処理流量を容易に変えることができると共に仕切板の面積、つまり容器の設置面積が同じであっても高さを高くすることによって大量の水を処理することができる。また、洗浄時には中空糸膜フィルタの微孔から気泡または水を吹き出すことにより短時間で多数の中空糸膜フィルタの洗浄を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の先行技術の中空糸膜濾過装置の概略構成図、第2図は本発明の一実施例の概略構成図、第3図は第2図の中空糸膜モジュールを説明するための断面図である。
4…廃液供給管、5…処理液排出管、6…気体供給管、7…濃縮廃液排出管、14…容器本体、15…中空糸膜モジュール、16,22…固定金具、17…仕切板、18…取水管、19…中空糸膜フィルタ、20…端栓、21…端部材、23…シール材。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2004-03-23 
出願番号 特願昭59-62180
審決分類 P 1 41・ 121- Y (B01D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 野田 直人  
特許庁審判長 石井 良夫
特許庁審判官 山田 充
西村 和美
大黒 浩之
金 公彦
登録日 1994-06-21 
登録番号 特許第1851891号(P1851891)
発明の名称 中空糸膜濾過装置  
代理人 森 秀行  
代理人 佐藤 政光  
代理人 吉武 賢次  
代理人 宮嶋 学  
代理人 永井 浩之  
代理人 吉武 賢次  
代理人 森 秀行  
代理人 永井 浩之  
代理人 宮嶋 学  
代理人 佐藤 政光  

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