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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03G
管理番号 1098845
審判番号 不服2001-20849  
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-06-06 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-11-22 
確定日 2004-06-17 
事件の表示 平成7年特許願第302941号「ドラムユニット及びドラムユニットに用いられるアース板」拒絶査定不服審判事件〔平成9年6月6日出願公開、特開平9-146411〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成7年11月21日の出願であって、その請求項1ないし6に係る発明は、平成13年12月25日付け手続補正書によって補正された明細書および図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載されたとおりのものである。(以下それぞれ「本願発明1」〜「本願発明6」という。)

「【請求項1】
両端に開口部を有するドラム素管と、
前記ドラム素管の開口部に圧入されるフランジ部材と、
前記ドラム素管の内径より小さな径の円板基材と、前記円板基材の外周より突設される弾性部材で形成された爪部材とを有し、前記爪部材の先端が前記ドラム素管の開口部内径より外側に位置するように前記フランジ部材内面に取り付けられる導電性のアース板と、
を備え、
前記アース板の板厚をX、前記爪部材の先端とドラム素管の開口部内径との差をYとしたとき、
0.2(mm)≦X≦0.4(mm)、
0.1(mm)≦Y≦-2.5X+1.2(mm)
であるドラムユニット。
【請求項2】
先端位置が前記ドラム素管の内径と同心円上となるように、複数の爪部材が設けられる、請求項1に記載のドラムユニット。
【請求項3】
前記アース板はステンレス製である、請求項1または2に記載のドラムユニット。
【請求項4】
両端に開口部を有するドラム素管と、
前記ドラム素管の開口部に圧入されるフランジ部材と、
前記ドラム素管の内径より小さな径の円板基材と、前記円板基材の外周より突設される弾性部材で形成された爪部材とを有し、前記爪部材の先端が前記ドラム素管の開口部内径より外側に位置するように前記フランジ部材内面に取り付けられる導電性のアース板と、
を備え、
前記アース板の板厚をX、前記爪部材の先端とドラム素管の開口部内径との差をYとしたとき、
0.2(mm)≦X≦0.4(mm)、
0.1(mm)≦Y≦-2.5X+1.2(mm)
であるドラムユニットに用いられるアース板。
【請求項5】
前記爪部材が複数設けられ、各爪部材の先端位置が前記ドラム素管の内径と同心円上となるように前記フランジ部材内面に取り付けられてなる、請求項4に記載のドラムユニットに用いられるアース板。
【請求項6】
ステンレススチールで構成される、請求項4または5に記載のドラムユニットに用いられるアース板。」

2.引用刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物には、次のような技術的事項が図面とともに記載されている。
刊行物1(実願昭63-61247号(実開平1-166376号公報のマイクロフィルム)
1a.「感光体ドラムの端部にアースフランジの円形係入部が係入され、該係入部の先端面にはアースプレートが固着されると共に、該アースプレートの本体部から架設された片部が感光体ドラム内周面に接して感光体ドラムとアースプレートとが導通される感光体ドラムへのアースフランジ取付構造において、
該片部をアースプレートの外縁部から前記円形係入部の周縁よりも外方へ突出する爪片部として設け、該爪片部の先端を感光体ドラムに食い込ませたことを特徴とする感光体ドラムへのアースフランジ取付構造。」(実用新案登録請求の範囲)、

1b.「〔従来の技術〕・・・感光体ドラム1は円筒状であり、アルミニウム又はアルミニウム合金よりなる。該感光体ドラム1の一端にはアースフランジ2が係入されている。・・・該アースフランジ2の先端面にはアースプレート3が固着されている。・・・このアースプレート3は、銅などの耐食性金属よりなるものであり、本体部33と、該本体部の周縁から起立する片部34、35とが一体的に形成されている。・・・従来のアースプレート3では・・・この片部34、35は略「く」字形に折曲されたものであり、途中の屈曲点34a、35aの外周面が第5図の如く感光体ドラム1の内周面に、片部の弾性により押し付けられるようにして接触している。
なお、このアースプレート3は中心に開口36を有し、この開口36の縁からはブラシ37が起立されている。該ブラシ37は前記アースフランジ2の貫通孔23に挿入された導電棒(図示略)の外周面に弾性的に接触し、感光体ドラム1が該アースプレート3及び導電棒を介してアース(接地)される構成となっている。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、アルミニウム又はアルミニウム合金製の感光体ドラム1の内周面には、通常Al又はAl合金が酸化された非導電性の酸化被膜が存在する。このため、従来においては、感光体ドラム1の内周面とアースプレートとの導通不良を起し、感光体ドラムのアース不良をもたらすおそれがあった。
また、アースフランジ2の係入部21を感光体ドラム1に固着するための接着剤が、該アースプレート3の片部34、35の屈曲点34a、35aの外周面に付着することによっても、上記の導通不良が発生し易かった。
さらに、片部34、35の押付弾性が不足した場合(例えば、片部が中心側へ折れ曲がった場合)にも、導通不良が発生する。
本考案は上記従来の問題点を解決し、感光体ドラムとアースフランジとを確実に導通することができる感光体ドラムへのアースフランジ取付構造を提供することを目的とする。」(2頁3行〜5頁6行)、

1c.「〔実施例〕
以下、図面を参照して本考案の実施例について説明する。・・・図示の如く、本実施例のアースプレート3Aは、感光体ドラム内周面に接して感光体ドラムとアースプレート3Aとを導通するための片部が、アースプレート3Aの本体部33の外縁部から、アースフランジ2の係入部21の周縁よりも外方へ突出する爪片部3a、3bとして設けられており、該爪片部3a、3bの先端を感光体ドラムに食い込ませることにより、感光体ドラムとアースプレート3Aとを導通するように構成されている。・・・このような本考案の感光体ドラムへのアースフランジ取付構造においては、爪片部3a、3bがアースフランジを感光体ドラムに装着する際に、感光体ドラム内周壁に食い込むため、仮りに感光体ドラム内周面が酸化被膜で被われていても、この爪片部3a、3bがこの被膜を破って、地金に食い込むようになり、導通が確実になされる。しかして、従来の構造のように、アースプレートの片部の弾性力により導通するものではないので、弾性力低下による導通不良の問題もなく、また、接着剤介入による導通不良の問題もない。
本考案において、アースプレート3Aの爪片部3a、3bの先端を感光体ドラム内周壁に十分に食い込ませ上記効果を確実に得るためには、アースプレート3Aの爪片部3a、3bの突出幅、即ち、第1図のl(エル)が、0.1〜0.5mmであることが好ましい。
爪片部3a、3bの突出幅l(エル)が大き過ぎると、爪片部3a、3bが感光体ドラム内周壁に食い込まずに、アースフランジ2側に回り込んだり、その逆の側にずれあがってしまったり、又は感光体ドラムが変形したりすることがある。一方、突出幅l(エル)が小さ過ぎると食い込みが十分でなく、いずれの場合にも導通不良が生じる恐れがある。
また、爪片部3a、3bの厚さtは、作業性等を考慮した場合、0.1〜0.5mm程度とするのが適当である。
更に、爪片部の幅wは3〜8mm程度とするのが適当である。」(6頁6行〜8頁19行)、

1d.摘記事項1cを参照すると、「第1図〜第4図は、本考案の感光体ドラムへのアースフランジ取付構造の一実施例を示す図であって、第1図はアースプレートを装着したアースフランジの側面図、第2図は同正面図、第3図はアースプレートの側面図、第4図は同正面図である。」(6頁9〜14行)と説明される各図面(転記を省略)には、
感光体ドラム1の一端部の内周面に係入される係入部21を備えたアースフランジ2、及び、アースフランジ2の係入部21の先端面に固着して使用される略ドーナツ形のアースプレート3Aが示されている。
特に、第3〜4図には、連続する1枚の薄板(厚さは均一にtである)からなる「本考案」のアースプレート3Aが側面図、正面図によって詳しく示されており、
略ドーナツ形の本体部33、
本体部の外縁部から、アースフランジ2の係入部21の周縁よりもそれぞれ寸法l(エル)だけ外方へ突出し、厚さがt、幅がwである爪片部3a、3b、
(第1図、第2図と併せて見ると、爪片部3a、3bは、対称位置に設けられており、その各先端位置をなぞる仮想円は、ドラムの内径や、アースプレート本体と同心円上となるように構成されているとみるのが自然である。)
略ドーナツ形の中心開口36の縁から起立し、該中心開口に挿入される導電棒の外周面に弾性的に接触する様に延びる「く」字形の弾性薄板導電ブラシ37、
等の部材構成からなることが明示されている。
そして、「第5図は感光体ドラムの端部の断面図・・・である。」(図面の簡単な説明欄)と説明される第5図(転記を省略)には、感光体ドラム1の一端部に係入されたアースフランジ2が示され、感光体ドラム1の一端部の内周面に係入され密着するアースフランジ2の係入部21の外径サイズが、感光体ドラム1の開口部内径と同サイズであることが明示されている。

3.対比・判断
3-1.本願発明1について
・本願発明1を引用文献1記載の発明と対比すると、
引用文献1の「感光体ドラム1」、「アースフランジ2」、「アースフランジの円形係入部21」、「アースプレート3A」、「アースプレートの略円形本体部33」、「アースプレートの爪片部3a、3b」は、
それぞれ本願発明1の「ドラム素管」、「フランジ部材」、「フランジ部材の圧入部位」、「導電性アース板」、「導電性アース板の円形基材」、「導電性アース板の爪部材」に相当しており(前掲1a〜1d参照)、
また、引用文献1で好適範囲:0.1〜0.5mmとされる「爪片部3a、3bの突出幅l(エル)」は、本願発明1の「爪部材の先端とドラム素管の開口部内径との差:Y」即ち、本願明細書【発明の実施の形態】欄で「圧入代/爪1箇所(mm)」と説明されている値に相当しており(前掲1c〜1d参照)、さらに、
引用文献1で好適範囲:0.1〜0.5mmとされる「アースプレート3Aの厚さ(=爪片部3a、3bの厚さ):t」は、本願発明1の「アース板の板厚:X」に相当しているから、
両者は、
「両端に開口部を有するドラム素管と、
前記ドラム素管の開口部に入れられるフランジ部材と、
前記ドラム素管の内径より小さな径の円板基材と、前記円板基材の外周より突設される弾性部材で形成された爪部材とを有し、前記爪部材の先端が前記ドラム素管の開口部内径より外側に位置するように前記フランジ部材内面に取り付けられる導電性のアース板と、
を備えたドラムユニット。」で一致し、
アース板の板厚:Xに関して、
本願発明1が、「0.2(mm)≦X≦0.4(mm)」と規定し、引用文献1の発明が、Xの好適範囲を「0.1〜0.5mm」としているので、重なる数値範囲で一致し、
爪部材の先端とドラム素管の開口部内径との差:Yに関して、
本願発明1が、「0.1(mm)≦Y≦-2.5X+1.2(mm)」と規定しているが、本願発明1ではXの値を0.2から0.4までと規定しているから、Xの一次関数たるYの上限値は「0.7」となって、本願発明1のYの値の範囲は「0.1(mm)≦Y≦0.7(mm)」となり、引用文献1の発明のYの好適範囲「0.1〜0.5mm」と重なる範囲で一致しており、
結局、ドラム素管開口部へのフランジ部材の入れ方が、
本願発明1では、「圧入」であるのに対して、引用文献1の発明では、「係入」である点でのみ相違している。
・相違点について検討する。
引用文献1には、フランジ部材をドラム素管開口部へ「圧入」することにつき直接の記載や示唆はないが、事務機器程度の大きさの機械の部品の組み立てでは、填め込み、圧入、接着剤固定、ネジ止めなど種々の固着組み立て手段が周知であり、部品形状や、部品材質などに応じて適宜組み立て手段が選択されているから、「圧入」を試みることは当業者にとって容易であると認められる。
出願人は、「圧入」により、組み立ての簡素化や、接着剤介在による導通不良の防止が図られるという効果を強調している。
しかし、ドラム素管(感光体ドラム)は、出力画像の品質に直接結び付く高精密部品であり、わずかな変形も許容されないものであること、また、ドラム素管(感光体ドラム)は、回転駆動される中枢部品であり、常に様々なトルクや応力がかかること、を考慮すると、「圧入」組み立てには、ドラム素管の変形を惹起し易いとか、経時変化で固着がとれる等のディメリットの存在も明らかであり、それらに一切ふれることもなく単に「圧入」を採用した本願発明1が、「係入」組み立てを凌ぐ優れた効果を奏するものとは、認められない。
してみると、組み立て手段として周知の「圧入」は、当業者が適宜試みる程度のことで容易になし得るものであり、その作用効果も、特段のものでないと認めざるを得ない。

・なお、出願人は、審判請求書で、発明容易性や効果予測性について下記の主張をしているので、その検討結果についても述べておく。
《出願人の主張1》
引用文献1の「爪部材(爪片部)は弾性を持たない」のに対して、本願発明1の爪部材は弾性を持つことで導通を確保するもので、構成や作用機構が大きく異なるので、引用文献1のものから容易とはいえない旨の主張。
《出願人の主張2》
引用文献1では、X、Yの値について「大雑把な数値範囲を規定」するのみであるのに対して、本願発明1では、「導通を確実に達成できる」条件を示しているので、引用文献1のものから容易とはいえず、効果も顕著である旨の主張。

・《出願人の主張1》について
出願人は、引用文献1の「仮りに感光体ドラム内周面が酸化被膜で被われていても、この爪片部3a、3bがこの被膜を破って、地金に食い込むようになり、導通が確実になされる。しかして、従来の構造のように、アースプレートの片部の弾性力により導通するものではないので、弾性力低下による導通不良の問題もなく、」(7頁13〜20行)の記載を根拠にして、引用文献1の「爪部材(爪片部)は弾性を持たない」と認定している。
しかし、引用文献1のアースプレートは、厚さ0.5mm以下の連続する1枚の耐食性金属薄板からなり、「く」字形に延びる弾性薄板導電ブラシ(37)を備え、その弾性押圧力で中心支軸の導電棒との導通を確保しているから、同一素材からなる爪部材(爪片部)が弾性を持たないものとは考えにくい。(前掲1c、1d参照)
(引用文献1の「従来の構造のように、アースプレートの片部の弾性力により導通するものではない」とは、爪片部の感光体ドラムへの食い込みで導通が確保されるので、爪片部の弾性力の大小で導通状態が左右されるものでないことを意味していると解される。)
したがって、爪部材の導通確保に係る構成や作用機構に差異はなく、出願人の主張は認められない。

・《出願人の主張2》について
出願人は、引用文献1が「大雑把な数値範囲を規定」するのみであるのに対して、本願発明1が「導通を確実に達成できる」条件を示している旨主張している。
しかし、本願発明1の「導通を確実に達成できる」条件は、その導出過程を検討すると、肉厚0.8mmのドラム素管に対して、図5で示される様な鉛筆形状の爪部材を複数備えたステンレス製アース板を取り付ける場合に限って実証されたものに過ぎず、肉厚0.8mm以外のドラム素管の場合や、鉛筆形状以外の爪部材の場合には、「導通を確実に達成できる」条件として機能するかどうかは不明である。
一方、引用文献1には、「大雑把な数値範囲の規定」のみならず、X、Yの寸法を決めるにあたって考慮すべきポイント、サイズ不適でもたらされる問題点などが詳細に記載されている。(前掲1b参照)
したがって、引用文献1のものから容易とはいえず効果も顕著であるとの出願人の主張は認められない。
・結局、本願発明1は、引用文献1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3-2.本願発明2について
・本願発明2は、本願発明1の全ての構成を引用し、さらに「先端位置が前記ドラム素管の内径と同心円上となるように、複数の爪部材が設けられる」との構成を付加したものであるが、該付加構成も、引用文献1の記載されているものであるから(前掲1d参照)、引用文献1の発明との一致点、相違点、相違点に係る判断等は上記3-1.に示したものと同じである。
・結局、本願発明2は、引用文献1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3-3.本願発明3について
・本願発明3は、本願発明1の全ての構成を引用し、さらに「アース板はステンレス製である」との構成を付加したものであるが、引用文献1には、アースプレートを導電性かつ耐食性の金属製とする旨の該付加構成に繋がる記載があり、ステンレス鋼は構成材料としてよく使われる材料であるから(前掲1b参照)、引用文献1の発明から容易に発明できたものとの判断等は上記3-1.に示したものと同様である。
・結局、本願発明3は、引用文献1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3-4.本願発明4について
・本願発明4(特許請求の範囲・請求項4)は、本願発明1の「ドラムユニット」のうちから「アース板」のみを取り上げて新たな請求項としたもので、発明の具体的な構成は本願発明1と同一であるから、上記3-1.に示したと同様の判断により、引用文献1の発明から容易に発明できたものと認められる。
・結局、本願発明4は、引用文献1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3-5.本願発明5について
・本願発明5は、本願発明4の全ての構成を引用し、さらに「爪部材が複数設けられ、各爪部材の先端位置が前記ドラム素管の内径と同心円上となるように前記フランジ部材内面に取り付けられてなる」との構成を付加したものであるが、該付加構成も、引用文献1の記載されているものであるから(前掲1d参照)、引用文献1の発明との一致点、相違点、相違点に係る判断等は上記3-1.に示したものと同じである。
・結局、本願発明5は、引用文献1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3-3.本願発明6について
・本願発明6は、本願発明4の全ての構成を引用し、さらに「ステンレススチールで構成される」との構成を付加したものであるが、引用文献1には、アースプレートを導電性かつ耐食性の金属製とする旨の該付加構成に繋がる記載があるから(前掲1b参照)、引用文献1の発明から容易に発明できたものとの判断等は上記3-1.に示したものと同様である。

4.むすび
以上のことから、本願発明1〜6は、いずれも刊行物1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論の通り審決する。
 
審理終結日 2004-03-31 
結審通知日 2004-04-06 
審決日 2004-05-06 
出願番号 特願平7-302941
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G03G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉野 公夫松本 泰典  
特許庁審判長 石川 昇治
特許庁審判官 伏見 隆夫
梅岡 信幸
発明の名称 ドラムユニット及びドラムユニットに用いられるアース板  
代理人 小野 由己男  
代理人 宮川 良夫  

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