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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A41B
管理番号 1102308
審判番号 不服2001-9770  
総通号数 58 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-02-20 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-06-11 
確定日 2004-08-27 
事件の表示 平成11年特許願第223590号「ガードル」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 2月20日出願公開、特開2001- 49501〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成11年8月6日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成13年6月11日に補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める(以下、「本願発明」という。)。

「弾性編地より成り、丈長のレッグ部を有するガードルにおいて、前記レッグ部を、その基部から開口縁に向けて緊迫力を段階的に弱くして、連続して編成したことを特徴とするガードル。」


2.引用例
これに対して、当審において平成16年1月29日付けで通知した拒絶の理由に引用された本願の出願前である昭和47年4月14日に頒布された実公昭47-9944号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、次の事項が図面と共に記載されている。

(1) 「数種のデニールポリウレタン系弾性糸で股上部1、股下上部2、股下下部3の順に強から弱へと段階的に弾力を持たせて経編機を用いて連続編成したパワーネットで構成したパンティ・ガードル」(実用新案登録請求の範囲)

(2) 「・・・実施例を図面について説明すれば股上部1 560デニール、股下上部2は420デニール、股下下部3は280デニールのポリウレタン弾性糸によって経編機を用いて連続編成されたパワーネットを使用する。このように、太、中、細とデニールを変えて数段階を適宜幅で連続編成したパワーネットにおいては各段階をおってストレッチが強まる反面、パワー(弾力)は弱まる。・・・」(第1欄下3行乃至第2欄5行)

(3) 「・・・股下下部3は圧迫感をさらに緩和し、着脱が容易で無理がないように280デニールを用いる。」(第2欄10行乃至12行)

(4) 「・・・各部分に用いるポリウレタン弾性糸は編成工程で切替えながら連続編成するため、体裁がよく着用感も優れている。・・・」(第2欄16行乃至同欄18行)

(5) 「・・・パワーネットは・・・これを・・・4段階にしても本考案の目的を達することが出来ることは当然である。」(第2欄21行乃至同欄24行)

(6)第1図には、股上部1がレッグ部の一部を成し、連続して股下上部2と股下下部3が編成されている点が示されている。

これらの記載事項によると、引用刊行物には、「パワーネットより成り、丈長の、股上部、股下上部及び股下下部からなる部分を有するパンティ・ガードルにおいて、前記股上部、股下上部及び股下下部からなる部分を、その股上部から開口に向けて、弾性糸の太さを変えることにより、パワー(弾力)を段階的に弱くして、連続して編成したパンティ・ガードル。」が記載されていると認められる。


3.対比
本願発明と引用刊行物記載の発明とを対比すると、本願発明における「弾性編地」、「レッグ部」、「ガードル」並びに「緊迫力」はそれぞれ、引用刊行物記載の発明における「パワーネット」、「股上部、股下上部及び股下下部からなる部分」、「パンティ・ガードル」並びに「パワー(弾力)」に相当しており、両者共、弾性編地より成るガードルのレッグ部の緊迫力を、開口に向けて変更するものである点で共通している。
また、引用刊行物記載の発明における「股上部」は、引用刊行物の第1図に示されるように、レッグ部の一部を構成していることから、本願発明の「基部」は、引用刊行物記載の「股上部」に相当する。
したがって、両者は、「弾性編地より成り、丈長のレッグ部を有するガードルにおいて、前記レッグ部を、その基部から開口に向けて、緊迫力を段階的に弱くして、連続して編成したことを特徴とするガードル。」である点で一致し、次のとおりの点で相違する。

相違点:レッグ部について、本願発明では、「その基部から開口縁に向けて、緊迫力を段階的に弱くして、連続して編成している」のに対し、引用刊行物記載の発明では、実施例を示す第1図において、その開口縁に何らかの加工が施されているようにもとれる図面の記載となっている点


4.当審の判断
上記相違点について検討すると、引用刊行物の第1図に示される開口縁における何らかの加工に関して、引用刊行物中、実用新案登録請求の範囲及び考案の詳細な説明のいずれにも何ら説明がなされておらず、引用刊行物記載の発明が、その股上部から開口に向けて緊迫力を段階的に弱くして、連続して編成したガードルであると共に、開口に近い股下下部3に至っては圧迫感をさらに緩和し、着脱が容易で無理がないように構成していることからして、引用刊行物記載の発明が、その開口縁において殊更に緊迫力を増大させる加工を施すものであるとは認められず、第1図に示される何らかの加工は引用刊行物記載の発明において必須のものではなく、適宜省略可能な構成であると認められる。
さらに、編地を用いた下着等において、このような何らかの縁処理を行ったもの、行っていないものの、いずれのものも引用例をあげるまでもなく周知であって、引用刊行物記載のような開口縁に加工を施すか否かは当業者が必要に応じて容易に選択し、変更できる設計的な事項であると認められ、引用刊行物に記載の発明において開口縁の加工を省略し、本願発明のように構成することに格別の困難性があるとは認められない。
してみれば、本願発明は、引用刊行物に記載の発明および周知の事項から、当業者であれば、容易に想到し得たものである。
したがって、出願人は、平成16年4月23日に提出された意見書において、「引用刊行物1には、開口縁の緊迫力について何ら記載されておらず、第1図から明らかなように、開口縁の編組織がその上方と異なっているため、股下下部の緊迫力が股上部及び股下上部の緊迫力より弱いとしても、股下下部に連続した開口縁が最も弱い段階の緊迫力を有するとは言えず、開口縁の食い込みを防ぐ効果は期待できない。これに対して、本願発明は、レッグ部の基部から開口縁に向けて緊迫力を段階的に弱くしてあり、開口縁は、段階的に弱められた緊迫力の最も弱い段階にある。」という旨の主張を行っているが、この主張は採用できない。


5.むすび
したがって、本願の請求項1に係る発明は、引用刊行物に記載の発明および周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、請求項2乃至6に係る発明について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-05-18 
結審通知日 2004-06-08 
審決日 2004-06-22 
出願番号 特願平11-223590
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A41B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 水野 治彦植前 津子  
特許庁審判長 鈴木 美知子
特許庁審判官 山崎 豊
奥 直也
発明の名称 ガードル  
代理人 竹本 松司  
代理人 魚住 高博  
代理人 塩野入 章夫  
代理人 手島 直彦  
代理人 杉山 秀雄  
代理人 湯田 浩一  
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