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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09J
審判 全部申し立て 特29条の2  C09J
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09J
管理番号 1102910
異議申立番号 異議2003-73100  
総通号数 58 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-02-08 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-16 
確定日 2004-09-08 
異議申立件数
事件の表示 特許第3435351号「透明性に優れた湿気硬化型接着剤組成物」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3435351号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 1.本件発明
特許第3435351号(平成10年7月22日出願、平成15年5月30日設定登録。)の請求項1〜4に係る発明は、特許された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定される次のとおりのもの(以下、「本件発明1〜4」という。)と認める。
「【請求項1】(1)珪素原子含有官能基を有するアクリルポリマーとポリ
オキシプロピレン型変成シリコーン樹脂との混合物、(2)上記(1)の硬化剤、(3)疎水性微粉末シリカ及び(4)アミノ基を有するシランカップリング剤を含有する湿気硬化型接着剤組成物。
【請求項2】 上記変成シリコーン樹脂100重量部当り、上記硬化剤が0
.1〜10重量部、上記微粉末シリカが2〜50重量部、上記カップリング剤が0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1記載の湿気硬化型接着剤組成物。
【請求項3】上記微粉末シリカが煙霧質シリカをヘキサメチルジシラザンで処理したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の湿気硬化型接着剤組成物。
【請求項4】上記微粉末シリカがシリカエアロゲルをジメチルシロキサン及び/又はヘキサメチルジシラザンで処理したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の湿気硬化型接着剤組成物。」

2.特許異議の申立ての理由の概要
特許異議申立人本田敦子は、証拠として下記甲第1〜12号証を提示し、本件発明1〜4は甲第1号証に係る特許出願の出願当初の明細書に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであり、本件発明1〜4は甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、本件発明1〜4は甲第2〜12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、したがって、本件発明1〜4の特許は取り消されるべきものである旨主張する。


甲第1号証:特開平11-302527号(特願平10-116748号)公報、平成10年4月27日出願、平成11年11月2日公開
甲第2号証:特開平9-316339号公報
甲第3号証:「TECHNICAL BULLETIN AEROSIL*R シーリング剤用のAEROSIL No.24」、日本アエロジル株式会社、初版96.7.1(*Rは○中Rであって、前文字Lの右肩部にある。)
甲第4号証:特開平9-71411号公報
甲第5号証:特開平8-259216号公報
甲第6号証:特開平7-138014号公報
甲第7号証:特開昭61-148276号公報
甲第8号証:特開平6-256634号公報
甲第9号証:特開平5-279011号公報
甲第10号証:「TECHNICAL BULLETIN AEROSIL*R AEROSILの基本特性 No.17」、日本アエロジル株式会社、初版92.12.(*Rは○中Rであって、前文字Lの右肩部にある。)
甲第11号証:「機能材料」、1998年2月号、vol.18,No.2、p.28-35
甲第12号証:特開昭55-56154号公報

3.特許異議申立人が提示した甲各号証の記載事項
(甲第1号証)
(ア)「【請求項1】(イ)加水分解により架橋可能な反応性珪素基を有し、分子鎖が実質的に(1)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位、(2)炭素数10以上のアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位とからなる共重合体と、(ロ)加水分解により架橋可能な反応性珪素基を有するオキシアルキレン重合体とからなる混合物(A)の100重量部と、粒径0.01〜300μmの非乱反射粉体(B)の2重量部〜300重量部と、を配合することを特徴とする湿気硬化型組成物。
・・・
【請求項3】前記非乱反射粉体(B)が、高分子粉体又は非晶質シリカであることを特徴とする請求項1又は2記載の湿気硬化型組成物。
・・・
【請求項6】前記混合物(A)がシリル基含有重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の湿気硬化型組成物。
【請求項7】前記シリル基含有重合体がシリル基含有アクリル重合体であることを特徴とする請求項6記載の湿気硬化型組成物。」(特許請求の範囲)
(イ)「【発明の属する技術分野】本発明は、透明性を要求される接着剤、シーリング材として好適に用いられる湿気硬化型組成物に関するものである。」(段落番号[0001])
(ウ)「本発明の湿気硬化型組成物に対しては、透明性を有する各種助剤を添加することもできるが、例えば、無機粉体としてシリカ微粉を添加することができる。また、必要に応じて接着付与剤を添加することもできる。粘度調整等の必要に応じ、非乱反射粉体を溶解させない液状物質を添加することができる。」(段落番号[0023])
(エ)「(実施例1〜4及び比較例1〜2)表1に示した配合(単位:重量部)で各成分を・・・混合した後、20℃に冷却し、硬化触媒、接着付与剤を入れて、10分間真空混合してそれぞれの配合に対する室温硬化性組成物を得た。・・・
さらに、このようにして得たそれぞれの室温硬化性組成物について貯蔵安定性、透明性及び接着強さの評価を行い、その結果を表1に示した。
[表1]

表1中の各成分は次の通りである。
サイリルMA450:主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシシリル基を有する重合体と、主鎖がポリメタアクリル酸エステルの共重合物で分子中にジメトキシシリル基を有する重合体との混合物の商品名〔鐘淵化学工業(株)製〕。
サイリルSAX350:主鎖がオキシプロピレンで分子末端にジメトキシシリル基を有する重合体の商品名〔鐘淵化学工業(株)製〕。
・・・
ヒューズレックスE2:非晶質シリカ(平均粒径5μm)の商品名〔龍森(株)製〕。
アエロジル200:シリカ微粉の商品名〔日本アエロジル(株)製〕。
ジブチル錫ジラウレート:硬化触媒
SH6020:接着付与剤〔γー(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン〕の商品名〔東レダウコーニングシリコーン(株)製〕。」(段落番号[0025]〜[0032])
(オ)「【発明の効果】上述の如く、本発明の湿気硬化型組成物は、透明性、作業性、貯蔵安定性に優れ、接着剤、シーリング材として好適に用いられるという効果を奏する。」(段落番号[0041])

(甲第2号証)
(カ)「【請求項1】(a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体、及び(b)オルガノポリシロキサンで表面処理したシリカ微粉末を含有することを特徴とする硬化性組成物。
・・・
【請求項6】(a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体、及び(b)オルガノポリシロキサンで表面処理したシリカ微粉末を含有することを特徴とするシーラント用硬化性組成物。
【請求項7】(a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体、及び(b)オルガノポリシロキサンで表面処理したシリカ微粉末を含有することを特徴とする接着用硬化性組成物。」(特許請求の範囲)
(キ)「【従来の技術】反応性ケイ素基を有するポリマーは湿分存在下で架橋硬化するが、このポリマー中で、例えば主鎖骨格がポリオキシプロピレンであるものを用いた硬化性組成物は、室温では液状で硬化によりゴム弾性体となる特性を有し、建築用シーラント、工業用シーラント、弾性接着剤等に広く用いられている。これら硬化性組成物を・・・タレ防止剤が使用される。・・・また、シリカ表面をヘキサメチルシラザンやジメチルジクロルシラン等のシラン化合物(シリル化剤)で処理して疎水性にした疎水性微粉末シリカを使用すると、増粘性やチキソトロピー性が小さいという問題があった。」(段落番号[0002])
(ク)「この出願発明で用いられる(a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体の主鎖骨格は、本質的に一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。-R1-O-(1)(1)(式中、R1は2価のアルキレン基)」(段落番号[0005])
(ケ)「オキシアルキレン重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にプロピレンオキシドを主成分とする重合体から成るのが好ましい。また、重合体の主鎖にはアルキレン基以外の繰り返し単位が含まれていてもよい。」(段落番号[0007])
(コ)「(a)成分の具体例としては、特公昭45-36319号・・・の各公報に提案されている数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いオキシアルキレン系重合体が例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。上記の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。また、反応性ケイ素基を有するビニル系重合体をブレンドしてなるオキシアルキレン重合体も使用できる。反応性ケイ素基を有するビニル系重合体をブレンドしてオキシアルキレン重合体を製造する方法は、特開昭59-122541号・・・等に提案されている。好ましい具体例は、反応性ケイ素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式(5)で表される炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステル単量体単位および(または)メタアクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(6)で表される炭素数10以上のアルキル基を有するアクリル酸エステル単量体単位および(または)メタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる共重合体に、反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体をブレンドして製造する方法である。-CH2-C(R6)(COOR5)- (5)(式中、R5は炭素数1〜8のアルキル基、R6は水素原子またはメチル基を示す)-CH2-C(R6)(COOR7)-(6)(式中、R6は前記に同じ、R7は炭素数10以上のアルキル基を示す)前記一般式(5)のR5としては、たとえばメチル基、エチル基・・・があげることができる。なお、一般式(5)で表される単量体単位は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。前記一般式(6)のR7としては、たとえばラウリル基、トリデシル基・・・があげられる。なお、一般式(6)で表される単量体単位は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。」(段落番号[0016]〜[0019])
(サ)「この出願発明には、(a)成分の一分子中に少なくとも一個の反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン系重合体の硬化反応を促進する硬化触媒を使用してよい。この触媒は、従来公知のシラノール縮合触媒(硬化触媒)を広く使用することができる。その具体例としては、テトラブチルチタネート・・・ジブチルスズジラウレート・・・γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;・・・が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
これらのシラノール縮合触媒の使用量は、・・・好ましい。オキシプロピレン重合体に対してシラノール縮合触媒の使用量が少なすぎると、硬化速度が遅くなり、また硬化反応が充分に進行しにくくなるので、好ましくない。一方、オキシアルキレン重合体に対してシラノール縮合触媒の使用量が多すぎると、硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られにくくなるので、好ましくない。」(段落番号[0032]〜[0034])
(シ)「【実施例】合成例1 ・・・表面ジメチルポリシロキサン処理シリカ(A)を得た。」(段落番号[0038])
(ス)「実施例1 1分子あたり平均1.4個のメチルジメトキシシリル基-Si(CH3)(OCH3)2を含有する数平均分子量8,000のプロピレンオキシド重合体60重量部と、1分子あたり平均2.2個のメチルジメトキシシリル基を含有する数平均分子量9,000のプロピレンオキシド重合体40重量部の混合物にタレ防止剤として合成例1の表面ジメチルポリシロキサン処理シリカ(A)3重量部を粉末のまま直接添加し、さらに・・・を加えた。・・・23℃にてBS型粘度計を用い粘度とチソトロピー性を測定した。結果を表1に示した。」(段落番号[0043])
(セ)「比較例1〜2 タレ防止剤として、表面シラン処理疎水性処理シリカR972、RX200(日本アエロジル社品)をそのまま用いた以外は実施例1と同様にして実施した。」(段落番号[0046])
(ソ)「【発明の効果】以上述べたように、この出願発明の硬化性組成物は、粘性とチキソトロピー性に優れ、透明性に優れた組成物を提供することができる。」(段落番号[0058])

(甲第3号証)
(タ)「5.1.3.AEROSILの疎水性の影響 ・・・一液型シリコーンシーラントの特性への疎水性シリカの影響を明らかにするために・・・。・・・疎水性シリカのAEROSIL R 972(AEROSIL 130をジメチルジクロルシランで後処理したもの)と比較した。同等の比表面積の高い疎水性の製品として、試作品VP R 810 Sも併せて試験した。このシリカはヘキサメチルジシラザンで後処理して疎水化したものであり、従って表面にトリメチルシリル基を持っている。
疎水化度の尺度としては・・・。・・・シリカ表面の疎水化度が高くなるとともに、AEROSILの増粘作用は低下する。その結果、シリコーンコンパウンドの押出し性は高くなり、粘度および降伏値は低下する。・・・疎水度の増大とともに、シリコーンコンパウンドおよびそれから作られた硬化物の透明性は向上する。

表10:AEROSILの疎水化度と架橋されていないシリコーンシーラントの特性との関係・・・

図7:一液型シリコーンシーラント中の、同等の比表面積を持つ各種グレードのAEROSILの流れ曲線(親水性と疎水性の比較)」

(甲第4号証)
(チ)「【請求項1】乾式法シリカ表面に、アルキルシランを、単位表面積当りの濃度がカーボン換算値で3×10-5〜6×10-5g/m2の範囲となるように存在せしめたことを特徴とする疎水性シリカ。」(特許請求の範囲の請求項1)
(ツ)「本発明は、新規な疎水性シリカに関する。詳しくは、シリコーンオイル等の非極性有機化合物に添加した場合に、高い増粘性を示すと共に、該非極性有機化合物の透明性を維持できる疎水性シリカである。」(段落番号[0001])
(テ)「この乾式法シリカは液体や高分子化合物の充填剤や補強材として用いられているが、これらの用途に乾式法シリカを使用する場合、該乾式法シリカの表面は、通常、シラノール基で覆われているため、該表面をメチル基に置換して疎水化する必要がある場合が多い。
疎水化処理を施した乾式法シリカを使用した場合の効果は、例えば末端がトリメチルで覆われたジメチルポリシロキサンやヘキサメチルジシロキサンに疎水乾式法シリカを使用した場合、シリカ粒子の分散性を高めるため、強度や粘度の経時変化、あるいは透明性を向上させる効果がある。 従来、乾式法シリカを疎水化処理するためのアルキルシランとしては、モノメチルトリクロロシラン・・・が広く一般に用いられる。また、通常、それらで疎水化処理した疎水性シリカ・・・である。」(段落番号[0003]〜[0004])
(ト)「本発明において、アルキルシランは、疎水化剤として使用される公知のアルキルシランが何ら制限なく使用できる。」(段落番号[0010])
(ナ)「【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発明の疎水性乾式法シリカは、非極性有機化合物に添加することにより優れた増粘効果を発揮すると共に、透明性を阻害しないという特徴を有するものである。
特に、末端がトリメチルで覆われたジメチルポリシロキサン等に混合した場合、透明性が損なわれることなく、且つ、優れた増粘効果を得ることが可能である。」(段落番号[0019]〜[0020])

(甲第5号証)
(ニ)「【請求項1】単位表面積当たりの表面のOH基の数が1.5個/nm2以下であるシリカを水蒸気および塩基性ガスの存在下にヘキサメチルジシラザンと接触させることを特徴とする疎水性シリカの製造方法。」(特許請求の範囲)
(ヌ)「【産業上の利用分野】本発明は、表面に十分な量の疎水基を有し、しかもOH基の量は少なく、高い疎水性を示すシリカの製造方法に関する。【従来の技術】・・・一般にはフュームドシリカと呼ばれている。このシリカは樹脂の充填・補強材や粉末の流動化剤として用いられているが、これらの用途に使用するためにはシリカの表面を疎水性にすることがしばしば必要とされている。疎水化処理されたシリカを上記の用途に用いた場合の効果は一概にいえないが、例えば、シリコーン樹脂の充填・補強材として使用した場合にはシリカ粒子の分散性を高めてシリコーン樹脂の伸びや機械的強度を向上させる効果があり、粉末の流動化剤として用いた場合にはその流動性を著しく向上させる効果がある。
このような効果を求め、シリカの表面を高度に疎水化する試みが従来から広く行われており、メチルクロロシランやシランカップリング剤などが疎水化処理剤として用いられてきた。」(段落番号[0001]〜[0004])
(ネ)「【発明の効果】本発明で得られる疎水性シリカは、表面のOH基の量が極めて少なく、しかも、HMDSとの接触によって疎水基が導入されており、極めて疎水性の優れたシリカである。・・・また、本発明で得られた疎水性シリカを各種シーラントや樹脂に増粘剤として混合した場合、粘度やチキソトロピー性の経時的な安定性を高めることができる。
さらに、本発明で得られた疎水性シリカは、上記した用途の他にも、各種粉体・・・に用いることができる。」(段落番号[0025]〜[0026])

(甲第6号証)
(ノ)「【請求項1】疎水性シリカ100重量部に対して発塵防止剤を0.1〜10重量部含有する、疎水性シリカ組成物。」(特許請求の範囲の請求項1)
(ハ)「【産業上の利用分野】本発明は、天然ゴム、合成ゴムに添加したとき、優れた加工性を示す疎水性シリカ組成物に関する。さらに詳しくは、透明又は自由な着色物が得られるという特徴をもつシリカ系充填剤の欠点であった耐水性を改善した疎水性シリカにおいて、ゴムの機械的強度を損なうことなく、粉塵発生の防止、食い込み性の改良等の、優れた加工性を示す疎水性シリカ組成物に関する。
【従来の技術】シリカは、ゴムの補強充填剤、塗料の艶消し剤、消泡剤、固結防止剤等に広く利用されている。しかし、いずれの用途においても、通常の親水性シリカは、その配合物の耐水性が悪くなるという欠点を有する。それに対して、疎水性シリカは、配合物の耐水性を改善できるということから利用されている。」(段落番号[0001]〜[0002])
(ヒ)「本発明で用いる疎水性シリカは、従来から公知のものをそのまま用いることができる。例えば、四塩化ケイ素を高温で加水分解して得られる乾式法シリカ・・・疎水化したものである。」(段落番号[0009])

(甲第7号証)
(フ)「アルキル基またはシクロアルキル基の炭素数が6以上であるアルキルまたはシクロアルキル2-シアノアクリレートとフュームドシリカを含有することを特徴とするメタクリル系またはアクリル系樹脂製成形体の被覆または接着用組成物。」(特許請求の範囲)
(ヘ)「本発明組成物に用いられるフュームドシリカは・・・。フュームドシリカは本発明組成物において増粘剤として用いられるものであるが、得られた本発明組成物の増粘特性例えばチキソトロピック性及び保存安定性の面から、フュームドシリカの表面が疎水性にされた疎水性シリカが本発明において特に好ましいシリカである。」(3頁右上欄1〜17行)
(ホ)「「作用」本発明組成物における・・・。さらにフュームドシリカはその表面にシラノール基が適当に配列しており、増粘効果を示すとともに、シラノール基による立体的な網目構造をつくりゲル構造となってチキソトロピック性を与えるためと推定されるが静止状態でのタレをなくし、接着・固着及び塗布等における作業性を向上させるという優れた効果を本発明組成物に与える。又、本発明組成物の硬化体は透明性を阻害しないという利点をも有する。」(5頁左上欄10行〜右上欄8行)

(甲第8号証)
(マ)「【請求項1】(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、数平均分子量が500〜50,000であるポリオキシプロピレン系重合体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)疎水性シリカ微粉末、及び(E)貯蔵安定性改良剤を主成分とする硬化性組成物。」(特許請求の範囲の請求項1)
(ミ)「本発明の(D)成分である疎水性シリカ微粉末としては、・・・用いることができる。シリカ微粉末の表面にはシラノール基が存在し、親水性を示し・・・欠点をもっている。そこで、表面に存在するシラノール基の50%以上を疎水性を有する置換基で置換することにより表面を疎水性にすることができ、空気中の水分の吸着をおさえ、また組成物のチキソトロピー性を小さくすることができ、粘度が低くなり取扱が容易となる。疎水性置換基としては・・・好ましい。シリカを疎水性にするには、シリカ微粉末をアルキルシラン、例えばジメチルジクロロシラン等で処理することによって、疎水性シリカ微粉末を得ることができる。具体的には、例えば、日本アエロジル(株)のアエロジル、R972、アエロジルR974、アエロジルR202、アエロジルR805、アエロジルR812等が挙げられる。」(段落番号[0034]〜[0035])

(甲第9号証)
(ム)「【請求項1】 骨格が(SiO2)m (mは正の整数)で、かつ、シラノール基を有するポリマーを、前記シラノール基に対して反応可能な官能基と疎水基を併せ持つ疎水化処理剤と反応させて疎水化処理することにより得られた変性ポリマーのゲルを超臨界乾燥させて疎水性エアロゲルを得るようにする疎水性エアロゲルの製造方法。」(特許請求の範囲の請求項1)
(メ)「【産業上の利用分野】この発明は、断熱性等、多孔質材料に特有の機能や、光透過性等に優れ、かつ、疎水性を有するエアロゲルを製造する方法に関する。」(段落番号[0001])
(モ)「この発明で用いられる疎水化処理剤は、原料ポリマーの有するシラノール基に対して反応可能な官能基と、疎水基とを併せ持つ化合物である。」(段落番号[0013])
(ヤ)「この発明の製造方法により得られたエアロゲルは、・・・多孔体であるにもかかわらず光透過性を有する。また、ゲル化物(ゲル体)のシリカ粒子に対して、粒子表面が撥水性を有するように疎水化処理を施すことによって、得られるエアロゲルは優れた疎水性を示し、水分等を吸着しにくいため、水分等の吸着による、断熱性、透明性等の性能劣化を防ぐことができる。ここで透明性とは、たとえば、可視光波長領域等に対する視覚的な透明性であるが、これに限定されない。」(段落番号[0028])

(甲第10号証)
(ユ)「AEROSIL R 972 比表面積の小さい疎水性AEROSIL。粉体の流動性の向上と維持に適する。耐水性付与と系の増粘。防食塗料に使用。オフセットインキの疎水性とレオロジーの改善。常温硬化型シリコーンゴムのための補強シリカ。」

(甲第11号証)
(ヨ)「具体的には、有機シラン化合物による処理を施すこと(疎水性付与)で、・・・性能が経時的にきわめて安定な疎水性シリカエアロゲルの作製を実施した。」(28頁要約の欄)
(ラ)「筆者らは、シリカエアロゲルの骨格形成の基本単位である2〜3nmの一次粒子に対して疎水化(以降、TMSと記載)処理を施すことにより、経時劣化のないシリカエアロゲル(以降、TMSAと記載)を作製することに成功した。本稿では、エアロゲルの基本的な性能とTMSAの製法、および従来のシリカエアロゲルとの比較検討結果について述べる。」(28頁右欄下から8〜末行)
(リ)「シリカエアロゲルは・・・高い透明性を発現する。」(29頁左欄2〜7行)
(ル)「洗浄後・・・TMS修飾を施した。」(30頁左欄下から5〜3行)
(レ)「5.シリカエアロゲルの透明性 図9に・・・TMSA試料(TMSA-70)の波長に対する可視光透過率分布を示した。高波長側では透過率は高くなるが、・・・。6.シリカエアロゲルの耐湿性比較・・・TMSAが耐湿性試験後も良好な状態を維持していたのに対し、CAは著しく収縮し、透明性を失った。」(31頁右欄下から2行〜32頁右欄2行)
(ロ)「

」(32頁図9)
(ワ)「

」(32頁表2)

(甲第12号証)
(A)「(1)少なくとも1つの加水分解性珪素基を含有し、主鎖が本質的に式-R1-O-(R1は2価のアルキレン基)で示される化学的に結合された繰返し単位を有するものであつて、且つ分子量が300〜15000であるポリエーテルとシリカ微粉末とから成る透明硬化性組成物。」(特許請求の範囲の請求項1)
(B)「本発明は、少なくとも1つの加水分解性珪素基を有するポリエーテルとシリカ微粉末とからなる透明硬化性組成物に関する。」(1頁右下欄下から2行〜2頁左上欄1行)
(C)「実施例1 全末端の85%をメチルジメトキシシリル官能基とした平均分子量8000のポリプロピレンオキサイド重合体100重量部に、高純度煙霧質シリカ(平均粒径20mμ)を各々0,4,8,12重量添加し、硬化触媒として、ジブチル錫フタレート1重量部を加えて・・・光線透過率・・・を測定した。その結果を表1に示す。透明性をそこなうことなく、機械的性質が大巾に改善できることが判る。
実施例2 実施例1で用いたポリプロピレンオキサイド重合体100重量部に、シリカ微粉末(平均粒子経3μ)を添加し、・・・。光線透過率をそこなうことなく、機械的性質が改善できることが判る。」(2頁左下欄下から4行〜右下欄下から5行)
(D)「

」(3頁第1表)

4.対比・判断

4-1.29条の2について
上記摘記事項(ア)〜(オ)からみて(特に、(エ)参照)、甲第1号証に係る特許出願の出願当初明細書には、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシシリル基を有する重合体と、主鎖がポリメタアクリル酸エステルの共重合物で分子中にジメトキシシリル基を有する重合体との混合物、硬化触媒であるジブチル錫ジラウレート、平均粒径5μmの非晶質シリカと、接着付与剤であるγー(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを含有する接着剤として用いることのできる湿気硬化型組成物に関する発明(以下、「甲第1号証発明」という。)が記載されている。

そこで、本件発明1と甲第1号証発明とを対比する。本件発明1の珪素原子含有官能基を有するアクリルポリマーは甲第1号証発明の主鎖がポリメタアクリル酸エステルの共重合物で分子中にジメトキシシリル基を有する重合体に相当する。また、本件発明1のポリオキシプロピレン型変性シリコーン樹脂について、本件特許明細書段落番号[0011]には、オキシプロピレンの繰り返し単位を有する重合体であって、珪素原子含有官能基を有している旨記載されているから、甲第1号証発明の主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシシリル基を有する重合体に相当する。つぎに、本件発明1の成分(b)である硬化触媒に関するジブチル錫ジラウレートの記載(本件特許明細書段落番号[0013]及び[0019]参照)からみて、本件発明1の(2)の硬化剤(成分(b))(本件特許明細書段落番号[0017]参照)は、甲第1号証発明の硬化触媒であるジブチル錫ジラウレートに相当する。また、甲第1号証発明の非晶質シリカは、その粒径からみて微粉末であるということができるから、本件発明1の微粉末シリカは、甲第1号証発明の非晶質シリカに相当する。さらに、甲第1号証発明のγー(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランはアミノ基を有するシランである。そして、甲第1号証発明の湿気硬化型組成物は、接着剤として用いるものであるから、湿気硬化型接着剤組成物であるということができる。

したがって、本件発明1と甲第1号証発明とは、(1)珪素原子含有官能基を有するアクリルポリマーとポリオキシプロピレン型変成シリコーン樹脂との混合物、(2)上記(1)の硬化剤、(3)微粉末シリカ及び(4)アミノ基を有するシランを含有する湿気硬化型接着剤組成物である点で一致し、(i)本件発明1の微粉末シリカが疎水性であるのに対し、甲第1号証発明のものは疎水性であるとされていない点、(ii)本件発明1のアミノ基を有するシランがシランカップリング剤であるのに対し、甲第1号証発明では、接着付与剤と表現されている点で相違する。

上記相違点について検討する。

相違点(ii)について
本件特許明細書段落番号[0016]には、本件発明1の(4)アミノ基を有するシランカップリング剤について、その例として、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランが記載されており、これは、甲第1号証発明のγー(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランと同一物質である。また、本件発明1において該カップリング剤は(1)の混合物100重量部当り0.1〜10重量部配合されること、所定量より少ないと接着性付与効果が十分でないことが記載されており(本件特許明細書段落番号[0017]参照)、配合量、配合による作用効果も甲第1号証発明と同様のものである(甲第1号証発明の配合量については上記摘記事項(エ)の表1参照)。したがって、本件発明1及び甲第1号証発明におけるシランの種類、配合量、配合による作用効果は異なるものではないから、両発明はこの点で実質的に相違するとはいえない。

相違点(i)について
本件発明1は、微粉末シリカとして疎水性のものを使用することにより、本件特許明細書中に実施例1〜3および比較例1の比較で示されているように、疎水性でないものを使用した場合に比して、透明性及び作業性に関して異なる効果を奏するものである。
そして、微粉末シリカには、前記本件特許明細書にも示されるように、透明性及び作業性に関する効果を異にする、疎水性のものと、疎水性でないものとの2種類が存在するところ、甲第1号証には甲第1号証発明において用いる微粉末シリカについて、疎水性のものであるとする記載はなく、甲第2〜11号証をみても、そこには、疎水性シリカが、樹脂、ゴム、シーラント等に配合して、透明性等に優れるものを得るのに有効であることが記載されているにすぎず、甲第1号証発明における微粉末シリカが疎水性シリカであるとする記載や示唆はない。
したがって、前記相違点(i)は、甲第2〜11号証の記載を参酌しても、形式的なものであるとすることはできない。

よって、本件発明1が、甲第1号証発明と同一であるとすることはできず、特許法第29条の2の規定によっても特許を受けることができないとすることはできない。

また、本件発明2〜4は、本件発明1を技術的にさらに限定するものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲第1号証発明と実質的に同一のものであるとはいえず、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものではない。

4-2.特許法第29条第1項第3号について
上記摘記事項(カ)〜(ソ)(特に(カ)、(キ)、(ケ)、(サ)及び(ス)参照)によれば、甲第2号証には、1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシプロピレン重合体、硬化触媒、オルガノポリシロキサンで表面処理したシリカ微粉末を含有する湿気硬化型接着剤組成物に関する発明(以下、「甲第2号証発明」という。)が記載されている。

そこで、本件発明1と甲第2号証発明とを対比する。本件発明1のポリオキシプロピレン型変性シリコーン樹脂及び硬化剤は、甲第2号証発明の1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシプロピレン重合体及び硬化触媒に相当する。そうすると、本件発明1と甲第2号証発明とは、(1)ポリオキシプロピレン型変成シリコーン樹脂(2)上記(1)の硬化剤、(3)微粉末シリカを含有する湿気硬化型接着剤組成物である点で一致するものの、(iii)本件発明1が上記シリコーン樹脂が珪素原子含有官能基を有するアクリルポリマーとの混合物であるのに対し、甲第2号証発明ではかかる混合物ではない点、(iv)本件発明1がアミノ基を有するシランカップリング剤を含有するのに対し、甲第2号証発明では含有しない点、及び(v)微粉末シリカについて本件発明1が疎水性のものであるのに対し、甲第2号証発明ではオルガノポリシロキサンで表面処理したものである点で相違するものである。
なお、甲第2号証には、比較例1〜2として表面シラン処理疎水性処理シリカを用いた例が記載されているが(上記摘記事項(セ))、該例の組成物はポリオキシプロピレン型変性シリコーン樹脂と珪素原子含有官能基を有するアクリルポリマーとの混合物を含有せず、硬化触媒も含有しないものである。

したがって、本件発明1は甲第2号証に記載された発明であるとはいえないから、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。

また、本件発明2〜4は、本件発明1を技術的にさらに限定するものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲第2号証に記載された発明であるとはいえず、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。

4-3.特許法第29条第2項について

上記相違点(iii)〜(v)について検討する。

相違点(iii)について
上記摘記事項(コ)によれば、甲第2号証には、反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体は2種以上を併用してもよく、また、反応性ケイ素基を有するビニル系重合体をブレンドしてもよいものであり、ブレンドする際の好ましい具体例として、反応性ケイ素基を有し、分子鎖が炭素数の異なるアルキル基を有する2種の(メタ)アクリル酸エステル単量体の共重合と反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体をブレンドすることが記載されている。
しかしながら、その効果についてみると、本件特許明細書に「【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化に至るまでは、カートリッジ、チューブ等の容器からの良好な押出し性を示し、硬化後は、優れた透明性と硬化物の補強性並びに良好な接着性を与える変成シリコーン樹脂系湿気硬化型接着剤組成物を提供することを目的とする。【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記変成シリコーン樹脂、硬化剤、シリカ微粉末及びアミノシランからなる組成物系において鋭意研究を行った結果、上記変成シリコーン樹脂として珪素原子含有官能基を有するアクリルポリマーを含むポリオキシプロピレン型変成シリコーン樹脂を・・・用いることにより本発明の目的を達成し得ることを見出だして本発明を完成した。」(本件特許明細書段落番号[0003]及び[0004])と記載され、また、本件出願に関して平成14年11月22日付けで提出された意見書3頁3〜10行には「ちなみに、実施例3に対応しますサイリルMA430の代りにMS203を用いた比較例の結果を参考のためにここに示しますが、硬化物の透明性:×,硬化物のダンベル物性:12kgf/cm2 ,アクリル板へのビード接着:×,粘度:30Pa・S,作業性:○であり、実施例3に係ります組成物やその硬化物に比べて性能は明らかに劣っています。特に、硬化物の透明性に劣っており、本願発明の主目的が達成できないばかりではなく、接着剤に絶対的に要求されます接着性(アクリル板へのビード接着)が全く不足し、又、硬化物のダンベル物性も完全に劣っています。」と記載され、これらの記載からみて、本件発明1の成分(1)の混合物とすることで、硬化物の透明性、接着性に優れた組成物とすることができるという効果を奏していることは明らかであり、この点については、甲第2号証のブレンドの際の単なる「好ましい」との記載からは予測し得るものではない。

そして、上記摘記事項(タ)〜(D)からみて、甲第3〜8、10号証は、疎水性シリカ、その製造方法、その物性等について記載するのみであり、甲第9、11号証は、疎水性エアロゲルの製造方法等について記載するのみであり、甲第12号証は、ポリエーテルとシリカ微粉末とから成る透明硬化性組成物について記載するのみであるから、これら甲各号証を総合勘案しても、上述の混合物とした際の効果は予測し得るものではない。

したがって、相違点(iv)及び(v)を検討するまでもなく、本件発明1は甲第2〜12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

また、本件発明2〜4は、本件発明1を技術的にさらに限定するものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲第2号証〜甲第12号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定によっても特許を受けることができないものではない。

5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立の理由及び証拠によっては本件発明1〜4についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1〜4についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2004-08-17 
出願番号 特願平10-206640
審決分類 P 1 651・ 16- Y (C09J)
P 1 651・ 113- Y (C09J)
P 1 651・ 121- Y (C09J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 橋本 栄和  
特許庁審判長 雨宮 弘治
特許庁審判官 冨永 保
井上 彌一
登録日 2003-05-30 
登録番号 特許第3435351号(P3435351)
権利者 コニシ株式会社
発明の名称 透明性に優れた湿気硬化型接着剤組成物  
代理人 岩崎 幸邦  
代理人 高橋 俊一  
代理人 川又 澄雄  
代理人 高松 俊雄  
代理人 三好 秀和  
代理人 伊藤 正和  
代理人 栗原 彰  

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