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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D
管理番号 1103578
審判番号 不服2001-17212  
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-11-02 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-09-27 
確定日 2004-09-15 
事件の表示 平成10年特許願第124057号「キャップの取外装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年11月 2日出願公開、特開平11-301721〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明の特定
本願は、平成10年4月17日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成13年10月29日付け手続補正書により補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める。
「瓶の口部に半強制的に圧入手段にて嵌着されたキャップ本体の上側に上蓋を設け、これらキャップ本体と上蓋との周側板外周面の後側に肉薄なヒンジを掛渡してキャップ本体が開閉自在に設けられたキャップにおいて、瓶の口部外周面の嵌合凹部とキャップ本体の周側板内周面の嵌合突部との嵌合部分より上側にヒンジを設け、内容物の使用後に瓶とキャップとを分別廃棄する際に栓抜きの栓抜部を引掛けるように下向きに設けられた引掛片を、キャップ本体のヒンジから下側に突設した取外手段を設けたことを特徴とするキャップの取外装置。」(以下、「本願発明」という。)

2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に日本国内において頒布された刊行物である登録実用新案第3044922号公報(原査定の拒絶の理由に引用された「実公昭30ー044922号公報」は「登録実用新案第3044922号公報」の誤記と認める。)(以下、「引用例」という。)には、「打込み型のヒンジ付ボトル用キャップ」に関して、次の記載がある。
(1)「プラスチック製となした打込み型のヒンジ付ボトル用キャップに於いて、ボトル側ヒンジ部箇所の下方突出部を断面方形体に形成し、凡そ90゜の張出角を形成させた構成を特徴とする打込み型のヒンジ付ボトル用キャップ。」(【請求項1】)
(2)「【考案が解決しようとする課題】
上記キャップのネジ螺着のものは手による回動で取外すことができるものの、打込み型で瓶や容器頭部へ打込んで止着されているものは、この取外しが事実上不可能となっている。
図3は従来に於ける打込み型のヒンジ付ボトル用キャップ1’の斜視図であり、図4はその取付け状態図である。
該図で示す如く瓶口上部へ打込んでプラスチック材の弾性を利用してそのふくらみ部pを挟持するものとなしたものは、取外すことが不可能で刃物を使用してプラスチック材全体を切断する面倒な作業が要求されるものとなっている。
本考案は該打込み型のヒンジ付のもに於いてその取外し作業が簡便に行われる
よう工夫したものである。」(段落番号【0003】)
(3)「図1は本考案に係るプラスチック製打込み型のヒンジ付ボトル用キャップを示すものであって…図面に於いて1はキャップ本体であって、プラスチック製で瓶口へ打込んで取付けされる下部体1aと蓋部1bとからなり、両者は片側端でヒンジ2により蓋1bを上方に向け開放可能に形成されてなる。」(段落番号【0005】)
(4)「ところで、本考案に於けるヒンジ2は、ボトル側ヒンジ体2aの下方突出部を断面方形体3に形成するのであり…」(段落番号【0006】)
(5)「図2は上記構成のボトル用キャップをボトル4に取付けて使用後、瓶口から該ボトル用キャップ1を除去せんとする作用を説明するものであって、図面に示す通り除去にさいしては市販の栓抜き器具5を使用して行うのであり、このさい栓抜き器具5の開口係止部5aをキャップの下部ヒンジ体2aに形成した断面方形体3の角kの下側内へ当接させるようになし、器具把手5bを上方へ引上げるようにすることにより、ビール瓶などの栓抜き同様に簡便に取除くことのできるものである。」(段落番号【0007】)
(6)「【考案の効果】
…ボトル側ヒンジ部2aを一定大きさの断面方形体3として凡そ90°の角を形成させてあることから、該部に栓抜き器具の開口係止部を当接することにより、これが容易に引掛りとなって簡便且つ確実にキャップの除去作業が行えるものとなるのである。…」(段落番号【0008】)
(7)さらに、図1及び図2から、下部体1aと蓋体1bとの周側板外周面の後側にヒンジ2を掛渡して下部体1aが開閉自在に設けられた点が認められる。
前記(4)、(5)の記載から、前記断面方形体3は、内容物の使用後に瓶とキャップとの分別廃棄する際に用いられる取外手段であることは明らかである。
また、図3及び図4に係る従来例は、前記(2)に摘記したように瓶口部のふくらみpにヒンジ付きボトル用キャップ1’を嵌着し、その嵌着部より上側にヒンジを設ける構成が、その前提となっているため、図1及び図2におけるヒンジ付きボトル用キャップにおいても、そのような構成を採用していることは明らかである。
したがって、上記(1)〜(7)の記載を総合すると、引用例には、
「瓶の口部に打ち込んで嵌着された下部体1aの上側に蓋体1bを設け、これら下部体1aと蓋体1bとの周側板外周面の後側にヒンジを掛渡して下部体1aが開閉自在に設けられたキャップにおいて、瓶口部のふくらみpにキャップを嵌着した部分より上側にヒンジを設け、内容物の使用後に瓶とキャップとの分別廃棄する際に栓抜き器具5の開口係止部5aを引掛けるように設けられた断面方形体3を、ボトル側ヒンジ体2aの下部突出部として凡そ90°の張出角に形成した取外手段を設けたキャップの取外装置。」の発明が記載されているものと認める。

3.対比
本願発明と引用例に記載の発明とを対比すると、瓶の口部にキャップを打ち込むに際しては、半強制的に圧入手段にて行うことは当然のことであるので、後者の「瓶の口部に打ち込んで嵌着された」は前者の「瓶の口部に半強制的に圧入手段にて嵌着された」に相当し、また、後者の「下部体1a」、「蓋体1b」、「栓抜き器具5」及び「開口係止部5a」は、明らかに前者の「キャップ本体」、「上蓋」、「栓抜き」及び「栓抜部」に相当する。
そして、後者の「瓶口部のふくらみpにキャップを嵌着した部分」と前者の「瓶の口部外周面の嵌合凹部とキャップ本体の周側板内周面の嵌合突部との嵌合部分」とは、ともに「圧入手段により嵌着されたキャップ本体と瓶口部との嵌合部分」である点で共通している。
さらに、後者の「内容物の使用後に瓶とキャップとの分別廃棄する際に栓抜き器具5の開口係止部5aを引掛けるように設けられた断面方形体3を、ボトル側ヒンジ体2aの下部突出部として凡そ90°の張出角に形成した取外手段を設けた」と前者の「内容物の使用後に瓶とキャップとを分別廃棄する際に栓抜きの栓抜部を引掛けるように下向きに設けられた引掛片を、キャップ本体のヒンジから下側に突設した取外手段を設けた」とは、ともに「内容物の使用後に瓶とキャップとを分別廃棄する際に栓抜きの栓抜部を引掛けるようにキャップのヒンジに取外手段を設けた」点で共通している。また、後者の「ヒンジ」は、その機能から見て、肉薄であることは明らかである。
してみると、両者は、
「瓶の口部に半強制的に圧入手段にて嵌着されたキャップ本体の上側に上蓋を設け、これらキャップ本体と上蓋との周側板外周面の後側に肉薄なヒンジを掛渡してキャップ本体が開閉自在に設けられたキャップにおいて、圧入手段により嵌着されたキャップ本体と瓶口部との嵌合部分より上側にヒンジを設け、内容物の使用後に瓶とキャップとを分別廃棄する際に栓抜きの栓抜部を引掛けるようにキャップのヒンジに取外手段を設けたキャップの取外装置。」である点で一致し、次の点で相違している。
〈相違点1〉
圧入手段により嵌着されたキャップ本体と瓶口部との嵌合部分が、本願発明では、「瓶の口部外周面の嵌合凹部とキャップ本体の周側板内周面の嵌合突部との嵌合部分」であるのに対し、引用例に記載の発明では、瓶口部のふくらみpにキャップを嵌着した部分である点。
〈相違点2〉
内容物の使用後に瓶とキャップとを分別廃棄する際に栓抜きの栓抜部を引掛けるようにキャップのヒンジに設けた取外手段が、本願発明では、「下向きに設けられた引掛片を、キャップ本体のヒンジから下側に突設した」のに対し、引用例に記載の発明では、断面方形体3を、ボトル側ヒンジ体2aの下部突出部として凡そ90°の張出角に形成した点。

4.相違点の判断
〈相違点1〉について
容器の分野において、瓶の口部に圧入手段によりキャップを嵌合するに際し、その嵌合部分を瓶の口部外周面の嵌合凹部とキャップ本体の周側板内周面の嵌合突部とで構成することは、従来周知の技術(例えば、特開平9-255013号公報、特開平9-142506号公報参照)であるので、引用例に記載の発明において、上記周知の技術を適用して、上記相違点1に係る本願発明と同様な構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

〈相違点2〉について
平成13年10月29日付け手続補正書において全文補正された明細書の段落番号【0011】の記載及び図2によれば、本願発明の「ヒンジ下側から下方に突設された引掛片」は栓抜きの栓抜部を確実に引掛けることができるようにするための構成である。
他方、引用例に記載の「断面方形体3」も前記2.(6)の記載から明らかなように、内容物の使用後に瓶とキャップとを分別廃棄する際に栓抜きの栓抜部を確実に引掛けるようにキャップのヒンジに工夫を施したものであって、両者は、栓抜部の引掛りを確実にし、キャップの取外しを容易にする点で共通している。
そして、栓抜部の引掛かりを容易かつ確実にするために引掛片として突設部を設けることは慣用手段であり、また本願発明の属する瓶とキャップを分別廃棄する分野においても、従来周知の技術(例えば、特開平9-255013号公報の図11及び図12における、「栓抜き21」と「凹部16」の関係;特開平9-142506号公報の「栓抜き22」と「空隙20」との関係参照)であって、格別なものともいえない。
よって、引用例に記載された発明における、内容物の使用後に瓶とキャップとを分別廃棄する際に栓抜きの栓抜部を引掛けるようにキャップのヒンジに設けた取外手段に関して、断面方形体3をボトル側ヒンジ体2aの下部突出部として凡そ90°の張出角に形成したのに代えて、上記周知技術に基づいて、下側に突設した引掛片とし上記相違点2に係る本願発明と同様な構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

そして、本願発明の効果は、引用例に記載された発明及び上記周知の技術から、当業者であれば予測できる程度のものであって格別なものとはいえない。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用例に記載された発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-06-28 
結審通知日 2004-07-06 
審決日 2004-07-22 
出願番号 特願平10-124057
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大町 真義谷治 和文  
特許庁審判長 鈴木 公子
特許庁審判官 奥 直也
溝渕 良一
発明の名称 キャップの取外装置  
代理人 中村 政美  
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