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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B66B
審判 訂正 2項進歩性 訂正する B66B
管理番号 1105022
審判番号 訂正2004-39149  
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-08-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2004-06-25 
確定日 2004-08-25 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3353032号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3353032号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 【1】手続の経緯の概略
(1)出願日 平成10年2月10日
(特願平10-28549号)
(2)設定の登録 平成14年9月20日
(3)特許異議申立 平成15年6月3日
(特許異議申立人:天沼 正光)
(4)取消理由通知 平成15年8月12日
(5)異議の決定 平成16年3月2日
当該異議の決定の結論は、「特許第3353032号の請求項4、5、7に係る特許を取り消す。同請求項1〜3、6に係る特許を維持する。」というものである。
(6)本件訂正の審判の請求 平成16年6月25日

【2】請求の要旨、訂正の内容
本件訂正審判請求により請求された訂正の内容は、訂正の審判請求書に添付された全文訂正明細書の記載からみて、下記(1)〜(7)のとおりである。
(1)訂正事項1
設定の登録時の明細書(以下、「登録明細書」という。)の特許請求の範囲の請求項4に、
「【請求項4】 昇降路内に設置されている複数のガイドレール、綱車及びブレーキを有し、上記昇降路内の上部に配置されている巻上機、上記綱車に巻き掛けられている主索、上記主索に吊り下げられ、上記ガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、及び 上記かご上から上記巻上機の保守作業を行う際に上記ガイドレールに対して上記かごを連結し上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材を有しているかご保持装置を備えていることを特徴とするエレベータ。」とあるのを、
「【請求項4】 昇降路内に設置されている複数のガイドレール、綱車及びブレーキを有し、上記昇降路内の上部に配置されている巻上機、上記綱車に巻き掛けられている主索、上記主索に吊り下げられ、上記ガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、及び 上記かご上から上記巻上機の保守作業を行う際に上記ガイドレールに対して上記かごを連結し、上記かごが移動しないように上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材を有しているかご保持装置を備えていることを特徴とするエレベータ。」、
と訂正する。
(下線は、新たに付け加えられた訂正個所を明確にするため、当審で付したものである。以下同様。)
(2)訂正事項2
登録明細書の特許請求の範囲の請求項5の「【請求項5】……」を削除する。
(3)訂正事項3
登録明細書の特許請求の範囲の請求項7の「【請求項7】……」を削除する。
(4)訂正事項4
上記訂正事項2に伴って、登録明細書の特許請求の範囲の請求項6の「【請求項6】」(特許公報第3欄第17行参照)とあるのを、「【請求項5】」と訂正する。
(5)訂正事項5
上記訂正事項1に伴って、登録明細書の段落【0009】に、「かごを連結し巻上機に対して所定の位置に」(特許公報第4欄第50行〜第5欄第1行参照)とあるのを、「かごを連結し、かごが移動しないように巻上機に対して所定の位置に」と訂正する。
(6)訂正事項6
上記訂正事項2に伴って、登録明細書の段落【0010】を削除する。
(7)訂正事項7
上記訂正事項3に伴って、登録明細書中、段落【0011】に記載される「また、連結部材を着脱可能とし、非使用時の連結部材を保管するための保管部を設けた。」(特許公報第5欄第20〜22行参照)を削除する。

【3】訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
「上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材」を、「上記かごが移動しないように上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材」とする訂正事項は、登録明細書の段落【0004】の記載である「かご7が移動しないように、かご7を所定の位置に保持し」に基づくものである。
したがって、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当し、かつ実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、変更するものでもない。
また、この訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内でなされたものであり、新規事項の追加にも該当しない。
(2)訂正事項2、3について
この訂正事項2、3は、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当し、かつ実質上特許請求の範囲を拡張するものでも、変更するものでもない。
また、これらの訂正は、請求項を削除するものであり、新規事項の追加にも該当しない。
(3)訂正事項4、6について
訂正事項4、6については、上記訂正事項2による特許請求の範囲の訂正に対応させるものであり、これらの訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
しかも、これらの訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも変更するものではなく、かつ新規事項の追加にも該当しない。
(4)訂正事項5について
訂正事項5については、上記訂正事項1による特許請求の範囲の訂正に対応させるものであり、この訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
しかも、この訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも変更するものではなく、かつ新規事項の追加にも該当しない。
(5)訂正事項7について
訂正事項7については、上記訂正事項3による特許請求の範囲の訂正に対応させるものであり、この訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当する。
しかも、この訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも変更するものではなく、かつ新規事項の追加にも該当しない。

【4】独立特許要件について
上記のとおり、訂正事項1〜3による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する(但し、訂正事項2、3は、請求項5、7の削除である。)ので、以下、訂正後の特許請求の範囲の請求項4に記載された事項により特定される発明が、特許法第126条第5項の規定に適合するものであるかどうか、即ち、特許出願の際独立して特許を受けられるものであるかどうかを検討する。
(1)本件発明4
本件特許第3353032号の請求項4に係る発明(以下、「訂正発明4」という。)は、本件審判により訂正請求された訂正明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められる。(上記【2】の「(1)訂正事項1」の箇所参照)
(2)引用刊行物
特許異議申立の証拠として異議申立人より提示された刊行物(甲第1〜7号証刊行物)は、以下のとおりである。
・特開平7-10434号公報(甲第1号証。以下、「刊行物1」という。)
・特開平6-191761号公報(甲第2号証。上記「刊行物2」と同じ。)
・特開平6-239565号公報(甲第3号証。以下、「刊行物3」という。)
・特開平7-133085号公報(甲第4号証。以下、「刊行物4」という。)
・特開平9-124252号公報(甲第5号証。以下、「刊行物5」という。)
・特公平5-30755号公報(甲第6号証。以下、「刊行物6」という。)
・特開平7-10420号公報(甲第7号証。以下、「刊行物7」という。)
(3)各刊行物記載の発明
上記刊行物1〜7には、以下のような技術的事項が記載されている。
・刊行物1;
「【0013】 図2は、本発明によるエレベータをエレベータシャフト15に配置した図である。機械装置6、ならびにおそらくはモータへの給電用およびエレベータ制御用に必要な機器を含む制御盤8も、エレベータシャフトの壁または天井に固定されている。機械装置6および制御盤8は、工場において単体の一体化装置装着することができ、その後、エレベータシャフトに設置される。エレベータシャフト15には各階ごとに乗降ドア17が設けられ、エレベータカー1は、その乗降ドアに面した側にカードア18を有する。巻上げロープ3がエレベータカー1の下を通っているため、機械装置6は、エレベータカー1の最上部がその通路の最上端に到達する高さより下に配置することができる。提示した解決方法により実現されるエレベータでは、機械装置6および制御盤8での通常の保守作業は、エレベータカー1の最上部の上に立ちながら行なわれる。図2は、機械装置6、トラクションシーブ7、エレベータカー1、カウンタウエイト2、ならびにカーおよびカウンタウエイト用の案内レール10および11のエレベータシャフト15の断面における配置を平面図で示す。同図はまた、エレベータカー1およびカウンタウエイト2を巻上げロープに懸架するために用いる転向プーリ4、5、9も示している。巻上げロープは、ローププーリ4、5、9およびトラクションシーブ7の溝内にその断面で示されている。」
「【0019】 ……エレベータシャフト15の頂上付近には装着ビーム16があり、これには、モータへの給電とエレベータ制御に必要な機器を含む制御盤8が固定されている。装着ビーム16は、これに機械装置6および制御盤8を工場で固定することによって製造でき、あるいはこの装着ビームは、本機械のフレーム構体の一部として実現することができ、したがって機械装置6をシャフト15の壁または天井に固定するための「ラグ」を形成している。ビーム16にはまた、巻上げロープ3の少なくとも一端用の固定部材13が設けられている。……(中略)……機械6および制御盤8での通常の保守作業は、エレベータカーの最上部に立ちながら行なわれる。……」
「【0020】 好ましい駆動機械は、電気モータを有するギアレス機械からなり、その回転子および固定子は、一方がトラクションシーブ7に対して、また他方は駆動機装置6のフレームに対して不動となるように装着されている。しばしばこのモータの主要部分は、トラクションシーブのリムの好ましくは内側にある。エレベータの作動ブレーキの動作は、このトラクションシーブに加えられる。この場合、作動ブレーキは好ましくはモータと一体化されている。……」
以上の記載、及び、図1〜4の記載からみて、刊行物1には、
「エレベータシャフト15内に設置されている複数の案内レール10、11、トラクションシーブ7及びブレーキを有し、上記エレベータシャフト15内の上部に配置されて、装着ビーム16により支持されている機械装置6、上記トラクションシーブ7に巻き掛けられている巻上げロープ3、及び、上記巻上げロープ3に吊り下げられ、上記案内レール10、11に案内されて上記エレベータシャフト15内を昇降されるエレベータカー1及びカウンターウエイト2、を備えているエレベータにおいて、上記エレベータカー1上から上記機械装置6の保守作業を行うエレベータ。」、
という発明(以下、「刊行物1に記載された発明」という。)が記載されているものと認められる。
・刊行物2;
「【0011】 まず、乗りかご9と釣合おもり16の高さ位置が同じになるように、もしくは後者16が前者9よりも若干高くなるように設定して、乗りかご9を釣合おもり16と略同等の高さに位置させてから、乗りかご9を停止させ、両者9,16の各主索保持棒15の調整代を最大に設定する。次いで、乗りかご9を最上階乗場に停止させた状態で、釣合おもり16とピット内の緩衝器(図示せず)との間隔を測定し、さらに、所定の長さの主索22を新設したときに釣合おもり16と該緩衝器間に必要とされる新間隔の値と、前記間隔の値から、両間隔の差を吊り上げ代として決定する。しかる後、乗りかご9を下降させて再び釣合おもり16と略同等の高さに位置させてから、非常止め装置30を動作させて乗りかご9をその主レール31にて支持する。この状態で、既設の主索14を新規の主索22に交換する作業が、次のようにして開始される。」
「【0012】 まず、既設の3本の主索14を、1本の主索14aと2本の主索14b,14cとの2グループに分け、第1グループである主索14aの釣合いおもり16側に、その主索保持棒15に近い上下2個所で主索14aを把持する一対の把持具24を取り付けて、両把持具24どうしをチェーンブロック12で連結する。次いで、このチェーンブロック12を操作して、前記吊り上げ代の寸法分だけ釣合おもり16を吊り上げ、主索14aを該寸法分だけ短縮させた状態にする。これにより、釣合おもり16は1本の主索14aだけで懸吊支持されることになり、残り2本の主索14b,14cは緩んだ状態となるが、既設の主索14の安全率は10以上に設定されているので、釣合おもり16を1本の主索14aのみで懸吊しても断線による落下事故を招来する心配はない。なお、乗りかご9は前記したように非常止め装置30を動作させているので、主レール31に支持されており、主索14には懸吊支持されていない。」
・刊行物3;
「【0001】 本発明は既設エレベーターの主索を新しい主索に交換するエレベーターの主索交換方法に関する。」
「【0015】 次いでステツプS3で再び乗かご6を運転して、図1に示すようにつり合いおもり9の上部が乗かご6の上部より高い所定の位置で乗かご6を停止させ、図示しない非常止め装置を作動させて乗かご6を固定する。……」
・刊行物4;
「【0019】 30はかご側及び釣合重り側のガイドレール21,22のジョイント部(継ぎ目)に裏側から固定された補強目板、31は各ガイドレール21,22の補強目板30上部に取り付けられた吊り金具固定治具、32は金具固定治具31に取り付けられたチェンワイヤ、33,34はチェンワイヤ32に取り付けられ、各ガイドレール21,22からかご7及び釣合重り8を吊り下げるための玉掛けワイヤ及びチェンブロックである。」
「【0023】 この後、かご7を昇降行程の中間まで下降させてから、その天井部に乗り、釣合重り8側の保持器9の作業が可能な位置を確認したら、上記天井部から見てガイドレール21,22のジョイント部の近くまでかご7を上昇させる。そして、計4カ所の補強目板30上にそれぞれ金具固定治具31を固定し、そのチェンワイヤ32に玉掛けワイヤ33及びチェンブロック34を掛ける。また、絡み防止チェン治具25,26も、かご7側と釣合重り8側とにガイドレール取付ブラケット(図示せず)等を用いて設置しておく(ステップS3)。」
「【0024】 次に、釣合重り8側の保持器9を着脱し易い位置までかご7を下降させ、その位置をかご7側及び釣合重り8側ともにガイドレール21,22に罫書いて(印して)おく。この後、ピット1aで測定した間隔寸法から算定した主索交換後の新しい間隔寸法に基づいて、かご7側及び釣合重り8側の吊り上げ代の位置を上記のように罫書いておき、その位置までチェンブロック34により平行に吊り上げる(ステップS4)。これにより、全部の旧主索6はぶらぶらに遊んだ状態となる。このとき、かご7は、非常止め装置を作動させて停止させておくのが好ましい。」
・刊行物5;
「【0003】 ところで、ダムウェータ100を安全に運行するためには、定期的に点検作業やメンテナンスを行うことが好ましい。例えば、各階の開閉扉を固定しているボルトの締め付け具合の確認やかご室102や昇降路壁108に取り付けられた各種センサの動作確認等である。このような点検作業やメンテナンスは、前記かご室102の上、すなわち上梁104の上に作業者が乗り昇降路内で行う場合が多い。通常、ダムウェータは数百Kgの積載能力を有し、作業者が乗った場合でもその重量に十分に耐え得る構造になっているが、作業の安全性を考慮すると作業時にかご室102を主レール110に固定する処置を行うことが望ましい。そこで、従来は図6に示すように、主レール110を昇降路壁108に固定しているブラケット114にかご吊りチェーン116を巻き付け前記上梁104と連結してかご室102を吊り下げ固定している。このかご吊りチェーン116を用いることによって、もし、かご室102に荷物が積載されたまま点検作業を行ってしまった場合でもかご室102を安定に維持して安全に作業を行うことができる。」
「【0013】 図1は本実施形態のかご室吊り固定装置を装着し、かご室を固定したダムウェータを説明する説明図である。図6に示すものと同様に主レール110は所定間隔に配置されたブラケット114によって昇降路壁108にほぼ垂直に固定されている。」
「【0014】 また、ダムウェータ100のかご室102はガイドシュー112によって主レール110に係合し、ワイヤロープ106の駆動によって、前記主レール110に沿って上下にスムーズに昇降できるようになっている。」
「【0015】 本実施形態の特徴的事項はかご室102をかご室吊り固定装置10によって主レールのどの位置にでも固定できるところである。」
「【0016】 図2にかご室吊り固定装置10の斜視図を示し、図3には該かご室吊り固定装置10を主レール110に装着した時の略断面図が示されている。かご室吊り固定装置10は図2に示すように炭素鋼などで形成された断面略L字型のハウジング12と、該ハウジングに一辺に平行に配置された回動自在な偏心ローラ14と、該偏心ローラ14に接続され、かご室102の自重によって前記偏心ローラ14を回転させる動作レバー16とから構成されている。この他、ハウジング12の端部には長孔12aによってスライド調整可能な補助板18,20が装着されている。」
「【0020】 前記動作レバー16の一端側(ネジ部が形成されていない側)には、かご室102を吊り下げる吊り下げ手段、例えばチェーン116等と係合するかご吊り下げ部が形成されている。……」
・刊行物6;
「この発明は既設エレベーターの主索を新しい主索に交換する工法に関するものである。」(第1頁第1欄第28行〜第2欄第1行)
「21は昇降路1底部に設置されたかご側緩衝器、22は最下階23の一つ上の階の乗場からつり合おもり8の上枠上面に載置された導板、24は昇降路1の壁に固定して立設されかご6を案内するガイドレール、25はガイドレール24の背面に係着されたつり上げ具で、固定板25aにガイドレール24把持用の把持具25bが複数列配置されそれぞれボルト25cで締結されている。また、固定板25aの下端にはU字状の懸吊具25bが装着されている。26は懸吊具25dとかご枠6aの上はり6cをチェーンブロック27を介して結合するロープ、……」(第2頁第4欄第25〜36行)
「まず、第1図〜第3図に示すように、かご6側ガイドレール24の最上階10の上部につり上げ具25を取り付ける。次にかご6の上で運転し、かご6を最上階10の床面とかご枠6aの上はり6cの上面がほぼ一致した位置で停止させる。一方、つり合おもり8の下部に、所要長さの間隔材11を挿入して、つり合おもり8を固定する。なお、つり合おもり8の固定はつり合おもり8側の非常止め装置(図示しない)を作動させるようにしてもよい。そして、つり合おもり8の上枠上面と、最下階23の一つ上の階の乗場の間に導板22を載置する。次に、第2図に示すように、かご枠6aの上はり6cとつり上げ具25の懸吊具25dとをロープ26で連結し、チェーンブロック27を操作して、上はり6cの上面と最上階10の床面とを一致させる。……次いで、上はり6cと最上階10の床面の間に導板12を載置し、つり合おもり8側のガイドレールに主索固定具28を取り付ける。」(第3頁第5欄第11〜31行)
・刊行物7;
「【0010】 図において、1は乗かご、2はカウンタウェートで、これら乗かご1とカウンタウェート2は昇降路3内に設けられ、機械室4に取付けられた巻上機(図示せず)のシーブ5に巻掛けられた主ロープ6により吊持ちされている。7は昇降路下端に設けられたピットで、このピット7には、乗かご用バッファ8、カウンタウェート用バッファ9が設けられている。10は乗かご1の下部に設けられた支持金具、11は支持金具10に取付けられるワイヤロープである。12はチェーンブロック、13は機械室4の床下部に設けられたフックである。」
「【0011】 しかして今、旧主ロープを取外し、新主ロープへと取換える手順について説明する。まず、図1に示すように、乗かご1を最下階まで運転し、ピット7にいる作業員が支持金具10にワイヤロープ11を取付ける。次いで、図2に示すように乗かご1を最上階まで運転し、フック13に掛けられたチェーンブロック12によって乗かご1をカウンタウェート2がバッファ9に当たるまで上昇させる。次に、乗かご1上に乗った作業員が旧主ロープ6の連結を外し、同時に、ピット7に入った作業員がワイヤロープ11をよじ登り、カウンタウェート2と旧主ロープ6との連結を外す。この後、旧主ロープを取外し、新主ロープを逆の方法で取付ける。新主ロープ取付け後、チェーンブロック12をゆるめ、最上階のレベルまで乗かご1を下降させ、この状態で、チェーンブロック12を取外す。次に、乗かご1を最下階まで運転し、ワイヤロープ11を取外し、作業を終了する。」
(4)対比・判断
そこで、訂正発明4と刊行物1に記載された発明とを対比すると、
刊行物1に記載された発明の「エレベータシャフト15」、「案内レール10、11」、「トラクションシーブ7」、「機械装置6」、「巻上げロープ3」、「エレベータカー1」、「カウンタウェイト2」は、その機能からみて、それぞれ、訂正発明4の「昇降路」、「ガイドレール」、「綱車」、「巻上機」、「主索」、「かご」、「釣合重り」に相当する。
したがって、両者は、
「昇降路内に設置されている複数のガイドレール、綱車及びブレーキを有し、上記昇降路内の上部に配置されている巻上機、上記綱車に巻き掛けられている主索、上記主索に吊り下げられ、上記ガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重りを備え、上記かご上から上記巻上機の保守作業を行うエレベータ」、
で一致し、以下の点で相違するものと認められる。
・相違点:
訂正発明4が、かご上から巻上機の保守作業を行う際にガイドレールに対してかごを連結し、上記かごが移動しないように巻上機に対して所定の位置にかごを保持する連結部材を有している「かご保持装置」を備えているのに対し、刊行物1に記載された発明は「かご保持装置」を備えていない点。
・相違点の検討:
そこで、上記相違点について検討する。
通常のエレベータにおける釣合重りの重さは、かご自重に積載荷重の50%程度を加えたものに設定されるものであり、それゆえ、このようなエレベータでは、かご内に乗客がいない保守作業時にブレーキを開放すると、かご側よりも釣合重りの方が重いことから、かごが上昇するものと認められる。
したがって、訂正発明4の「かご保持装置」は、かご上から巻上磯の保守作業(例えばブレーキの摩擦材交換作業)を行う際に、「上記ガイドレールに対して上記かごを連結し、上記かごが移動しないように上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材」を有していることにより、前述したような、かごの上昇を阻止することができるものといえる。
これに対し、刊行物5には、作業者がかご上から保守作業を行う際に、作業の安全性を考慮して、ガイドレールに対してかごを連結し、かごを所定の位置に保持する「かご吊りチェーン116」(図6参照)や「かご室吊り固定装置10」(図1〜5参照)を用いることが記載されているものと認められる。
しかるに、この「かご室吊り固定装置10」は、「かご吊りチェーン116」と同様に、チェーン116によりかごを保持するものであるから、刊行物5記載の発明の「かご吊りチェーン116」や「かご室吊り固定装置10」は、単にかごを吊り下げて保持するものであって、巻上機の保守作業を行う際に巻上機のブレーキが開放されると、釣合重りの重さによりかごの上昇が起こるため、かごがガイドレールに対して固定されなくなり、かごが移動しないようにかごを保持できるものではないことは明らかである。
また、刊行物2、3記載の発明は、主索の交換時に、ガイドレールに対してかごを連結し、所定の位置にかごを保持する「非常止め装置」を有するものであるが、非常止め装置を開放する際にはかごを上昇させることが、当業者にとって技術常識であることを鑑みれば、いずれも、(かご上から巻上機の保守作業を行う際の)かごの上昇を全く考慮していない発明というべきものであって、上記「非常止め装置」は、かごが移動しないようにかごを保持できるものではない。
また、刊行物4、6記載の発明は、主索の交換時に、ガイドレールに対してかごを連結し、所定の位置にかごを保持する「チェーンブロック」を有するものであるが、いずれも、(かご上から巻上機の保守作業を行う際の)かごの上昇を全く考慮していない発明であって、上記「チェーンブロック」は、かごが移動しないようにかごを保持できるものではない。
さらに、刊行物7記載の発明は、主索の交換時に、天井に対してかごをチェーンブロックにより吊り下げるものであり、この発明も、(かご上から巻上機の保守作業を行う際の)かごの上昇を全く考慮していないものである。
してみると、刊行物1記載の発明は勿論のこと、刊行物2〜7記載の発明のいずれも、訂正発明4の特定事項である「かご上から巻上機の保守作業を行う際にガイドレールに対して上記かごを連結し、上記かごが移動しないように上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材」を備えていない。
しかも、そのような「連結部材」を、刊行物1〜7記載の発明から当業者が容易に想到し得る、とする何らの根拠も見いだせない。
したがって、訂正発明4は、刊行物1〜7に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
・効果について:
そして、訂正発明4は、当該特定事項を備えることにより、刊行物1〜7に記載された発明から当業者が予測し得ない、登録明細書記載の「巻上機5に対する保守作業のうちでも、ブレーキ(図示せず)の摩擦材交換などを行う場合には、ブレーキを開放してもかご7が移動しないように、かご7を所定の位置に保持し、安全に停止させておく」(段落【0004】参照)という効果を奏するものである。
(5)まとめ
したがって、訂正発明4は、刊行物1〜7に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
それゆえ、訂正発明4は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

【5】むすび
以上のとおり、本件訂正の審判の請求による訂正事項1〜7による訂正は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書き、第3項ないし第5項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
よって結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
エレベータ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 昇降路内に設置されている複数のガイドレール、
上記ガイドレールの上部に固定されている機械台、
綱車及びブレーキを有し、上記昇降路内で上記機械台により支持されている巻上機、
上記綱車に巻き掛けられている主索、
上記主索に吊り下げられ、上記ガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、及び
上記かご上から上記巻上機の保守作業を行う際に上記機械台に対して上記かごを連結し上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材を有しているかご保持装置
を備えていることを特徴とするエレベータ。
【請求項2】 上記連結部材は着脱可能であり、上記かご保持装置は、上記機械台に上記連結部材が取り付けられていることを検出する検出器と、この検出器からの信号に応じて上記巻上機の運転を制御する制御装置とを有していることを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
【請求項3】 上記連結部材は着脱可能であり、かつ上記連結部材には上記機械台に係止される係止部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】 昇降路内に設置されている複数のガイドレール、
綱車及びブレーキを有し、上記昇降路内の上部に配置されている巻上機、
上記綱車に巻き掛けられている主索、
上記主索に吊り下げられ、上記ガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、及び
上記かご上から上記巻上機の保守作業を行う際に上記ガイドレールに対して上記かごを連結し、上記かごが移動しないように上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材を有しているかご保持装置
を備えていることを特徴とするエレベータ。
【請求項5】 昇降路内に設置されている複数のガイドレール、
綱車及びブレーキを有し、上記昇降路内の上部に配置されている巻上機、
上記綱車に巻き掛けられている主索、
上記主索に吊り下げられ、上記ガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、及び
上記かご上から上記巻上機の保守作業を行う際に上記乗場敷居に対して上記かごを連結し上記巻上機に対して所定の位置に上記かごを保持する連結部材を有しているかご保持装置
を備えていることを特徴とするエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、昇降路に設けられた巻上機の保守作業をかご上から行うエレベータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来のエレベータの一例を示す構成図である。図において、1は昇降路、2は昇降路1内に設置されている一対のかご用ガイドレール、3は昇降路1内に設置されている一対の重り用ガイドレール、4はガイドレール2,3の上部に固定(架設)されている機械台(支持梁)、5は昇降路1内で機械台4により支持されている巻上機である。
【0003】
6は巻上機5の綱車に巻き掛けられている主索、7は主索6の一端部に吊り下げられ、かご用ガイドレール2に案内されて昇降路1内を昇降するかご、8は主索6の他端部に吊り下げられ、重り用ガイドレール3に案内されて昇降路1内を昇降する釣合重り、9,10はそれぞれ昇降路1の底部に立設されているかご用緩衝器及び重り用緩衝器、11は釣合重り8と昇降路1の底部との間に連結され、釣合重り8を重り用緩衝器10に当接した位置に保持する連結具である。
【0004】
上記のように構成された従来のエレベータでは、巻上機5が昇降路1内の上部に配置されているため、巻上機5に対する保守作業は、かご7上から行われる。また、巻上機5に対する保守作業のうちでも、ブレーキ(図示せず)の摩擦材交換などを行う場合には、ブレーキを開放してもかご7が移動しないように、かご7を所定の位置に保持し、安全に停止させておく必要がある。
【0005】
このような場合、図8に示したように、釣合重り8を最下位置まで下降させた状態で、連結具11により釣合重り8と昇降路1の底部との間が連結される。これにより、主索6を介してかご7の位置が保持される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来のエレベータにおいては、かご7上からの巻上機5の保守作業時に釣合重り8を最下位置に保持する必要があるため、昇降路1の底部とかご7上の2箇所での作業が必要となり、作業効率が低いという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、かご上からの巻上機の保守作業の作業効率を向上させることができるエレベータを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータは、昇降路内に設置されている複数のガイドレール、ガイドレールの上部に固定されている機械台、綱車及びブレーキを有し、昇降路内で機械台により支持されている巻上機、綱車に巻き掛けられている主索、主索に吊り下げられ、ガイドレールに案内されて昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、及びかご上から巻上機の保守作業を行う際に機械台に対してかごを連結し巻上機に対して所定の位置にかごを保持する連結部材を有しているかご保持装置を備えたものである。
また、連結部材を着脱可能とし、機械台に連結部材が取り付けられていることを検出する検出器と、この検出器からの信号に応じて巻上機の運転を制御する制御装置とを有するかご保持装置を用いた。
さらに、連結部材を着脱可能とし、機械台に係止される係止部を連結部材に設けた。
【0009】
また、この発明に係るエレベータは、昇降路内に設置されている複数のガイドレール、綱車及びブレーキを有し、昇降路内の上部に配置されている巻上機、綱車に巻き掛けられている主索、主索に吊り下げられ、ガイドレールに案内されて昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、及びかご上から巻上機の保守作業を行う際にガイドレールに対してかごを連結し、かごが移動しないように巻上機に対して所定の位置にかごを保持する連結部材を有しているかご保持装置を備えたものである。
【0011】
また、この発明に係るエレベータは、昇降路内に設置されている複数のガイドレール、綱車及びブレーキを有し、昇降路内の上部に配置されている巻上機、綱車に巻き掛けられている主索、主索に吊り下げられ、ガイドレールに案内されて昇降路内を昇降されるかご及び釣合重り、及びかご上から巻上機の保守作業を行う際に乗場敷居に対してかごを連結し巻上機に対して所定の位置にかごを保持する連結部材を有しているかご保持装置を備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。図において、1は昇降路、2は昇降路1内に設置されている一対のかご用ガイドレール、3は昇降路1内に設置されている一対の重り用ガイドレールである。
【0013】
4はガイドレール2,3の上部に固定(架設)されている機械台(支持梁)、5は昇降路1内で機械台4により支持されている巻上機、6は巻上機5の綱車に巻き掛けられている主索、7は主索6の一端部に吊り下げられ、かご用ガイドレール2に案内されて昇降路1内を昇降するかご、8は主索6の他端部に吊り下げられ、重り用ガイドレール3に案内されて昇降路1内を昇降する釣合重りである。
【0014】
21は巻上機5の保守作業時にボルト等の締結具22を介して機械台4とかご7との間に連結され、かご7を巻上機5に対して所定の位置に保持するための連結部材、23は機械台4に搭載され、機械台4に連結部材21が取り付けられていることを検出する検出器であり、この検出器23としては、例えばリミットスイッチが使用される。24は巻上機5の運転を制御する制御装置であり、この制御装置24には、検出器23が接続されており、機械台4に連結部材21が取り付けられているときには巻上機5の運転が不能となる。
【0015】
このようなかご保持装置においては、機械台4及びかご7への連結部材21の着脱作業をかご7上で行うことができ、またかご7は巻上機5に対して所定の位置に保持されるため、巻上機5に対する保守作業をかご7上から容易に行うことができる。従って、巻上機5に対する保守作業は、全てかご7上のみで行うことができ、作業効率が向上する。
【0016】
また、連結部材21が機械台4に取れ付けられると、それが検出器23により検出され、検出器23からの信号に応じて制御装置24が巻上機5を運転不能とするので、連結部材21を取り付けた状態で巻上機5が運転されるのが防止され、安全性が向上する。
【0017】
さらに、通常の運転時、即ち非使用時には、連結部材21は、機械台4及びかご7から取り外され、図2に示すように、機械台4上に設けられた保管部4a上に締結具22を介して締結され保管される。これにより、昇降路1内への連結部材21の搬入・搬出作業及び連結部材21の運搬作業を省略することができ、作業効率をさらに向上させることができる。また、連結部材21をかご7上に保管すると、かご7が重量化し、これに伴い釣合重り8も重量化し、巻上機5が大形化してしまうが、機械台4上に保管部4aを設けることにより、かご7及び釣合重り8の重量化、巻上機5の大形化が防止される。
【0018】
実施の形態2.
次に、図3はこの発明の実施の形態2によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。図において、25は巻上機5の保守作業時に締結具22を介して機械台4とかご7との間に連結され、かご7を巻上機5に対して所定の位置に保持するための連結部材であり、この連結部材25には、機械台4に係止される断面コ字状の係止部25aが設けられている。
【0019】
このようなかご保持装置では、実施の形態1と同様に、機械台4とかご7との間に連結部材25が連結され、巻上機5に対する保守作業がかご7上から行われるが、連結部材25に係止部25aが設けられており、この係止部25aが機械台4に係止されているため、連結部材25の着脱作業中に連結部材25を誤って昇降路1内に落下させるのを防止することができる。
【0020】
実施の形態3.
次に、図4はこの発明の実施の形態3によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図、図5は図4の要部平面図である。図において、26は巻上機5の保守作業時にボルト等の締結具27を介してかご用ガイドレール2とかご7との間に連結され、かご7を巻上機5に対して所定の位置に保持するための連結部材である。
【0021】
このように、連結部材26はかご用ガイドレール2に対してかご7を保持するものであってもよく、連結部材26の着脱作業をかご7上で行うことができ、保守作業の作業性が向上する。
【0022】
実施の形態4.
次に、図6はこの発明の実施の形態4によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。図において、28は巻上機5の保守作業時にボルト等の締結具29を介して昇降路1の壁部1aとかご7との間に連結され、かご7を巻上機5に対して所定の位置に保持するための断面L字状の連結部材である。また、壁部1aの所定の位置には、締結具29が締結される埋金(図示せず)が予め埋設固定されている。
【0023】
このように、連結部材28は壁部1aに対してかご7を保持するものであってもよく、連結部材28の着脱作業をかご7上で行うことができ、保守作業の作業性が向上する。
【0024】
実施の形態5.
次に、図7はこの発明の実施の形態5によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。図において、30は最上階の乗場敷居、31は巻上機5の保守作業時にボルト等の締結具32を介して乗場敷居30とかご7との間に連結され、かご7を巻上機5に対して所定の位置に保持するための連結部材である。
【0025】
このように、連結部材31は乗場敷居30に対してかご7を保持するものであってもよく、連結部材31の着脱作業をかご7上で行うことができ、保守作業の作業性が向上する。
【0026】
なお、実施の形態2〜5の連結部材についても、その保管部を機械台4上に設けることが可能である。
また、連結部材の形状や材料は特に限定されるものではないが、かごを安全に保持するための強度を要するのは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のエレベータは、巻上機に対して所定の位置にかごを保持する連結部材を用い、保守作業に際し機械台にかごを連結するので、巻上機の保守作業をかご上のみで容易に行うことができ、巻上機の保守作業の作業効率を向上させることができる。
また、連結部材を着脱可能とし、機械台に連結部材が取り付けられていることを検出する検出器を設け、この検出器からの信号に応じて巻上機の運転を制御するようにしたので、機械台に連結部材を取り付けた状態で巻上機が運転されるのを防止することができ、安全性を向上させることができる。
さらに、連結部材を着脱可能とし、機械台に係止される係止部を連結部材に設けたので、連結部材の着脱作業中に連結部材を誤って昇降路内に落下させるのを防止することができる。
【0028】
また、この発明のエレベータは、巻上機に対して所定の位置にかごを保持する連結部材を用い、保守作業に際しガイドレールにかごを連結するので、巻上機の保守作業をかご上のみで容易に行うことができ、巻上機の保守作業の作業効率を向上させることができる。
【0029】
また、この発明のエレベータは、巻上機に対して所定の位置にかごを保持する連結部材を用い、保守作業に際し昇降路の壁部にかごを連結するので、巻上機の保守作業をかご上のみで容易に行うことができ、巻上機の保守作業の作業効率を向上させることができる。
【0030】
また、この発明のエレベータは、巻上機に対して所定の位置にかごを保持する連結部材を用い、保守作業に際し乗場敷居にかごを連結するので、巻上機の保守作業をかご上のみで容易に行うことができ、巻上機の保守作業の作業効率を向上させることができる。
また、連結部材を着脱可能とし、非使用時の連結部材を保管するための保管部を設けたので、昇降路内への連結部材の搬入・搬出作業及び連結部材の運搬作業を省略することができ、作業効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。
【図2】 図1の連結部材の保管状態を示す側面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。
【図5】 図4の要部平面図である。
【図6】 この発明の実施の形態4によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。
【図7】 この発明の実施の形態5によるエレベータのかご保持装置の使用状態を示す側面図である。
【図8】 従来のエレベータの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 昇降路、2 かご用ガイドレール、3 重り用ガイドレール、4 機械台、4a 保管部、5 巻上機、6 主索、7 かご、8 釣合重り、21,25,26,28,31 連結部材、23 検出器、24 制御装置、25a 係止部、30 乗場敷居。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2004-08-13 
出願番号 特願平10-28549
審決分類 P 1 41・ 856- Y (B66B)
P 1 41・ 121- Y (B66B)
最終処分 成立  
特許庁審判長 大橋 康史
特許庁審判官 飯塚 直樹
清田 栄章
登録日 2002-09-20 
登録番号 特許第3353032号(P3353032)
発明の名称 エレベータ  
代理人 伊達 研郎  
代理人 梶並 順  
代理人 高橋 省吾  
代理人 高橋 省吾  
代理人 鈴木 憲七  
代理人 梶並 順  
代理人 曾我 道照  
代理人 鈴木 憲七  
代理人 古川 秀利  
代理人 伊達 研郎  
代理人 曾我 道治  
代理人 曾我 道照  
代理人 曾我 道治  
代理人 古川 秀利  

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