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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B01D
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B01D
管理番号 1105936
異議申立番号 異議2003-70514  
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-12-02 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-02-24 
確定日 2004-09-08 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3317876号「中空糸型血液浄化膜の製造方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3317876号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許3317876号の請求項1に係る発明についての出願は、平成9年5月16日になされ、平成14年6月14日に、その発明についての設定登録がなされ、その後、その特許について異議申立てがなされ、平成15年10月7日(発送日)に取消理由が通知され、その指定期間内の平成16年2月10日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の内容
a.本件特許明細書の特許請求の範囲の
「【請求項1】ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホン系ポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した、、粘度が700〜3500mPa・sの紡糸原液を、ドラフト率が1.1〜1.9、吐出線速度が90m/min以下で紡糸することを特徴とするポリスルホン系中空糸型血液浄化膜の製造方法。」を
「【請求項1】ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホン系ポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した、、粘度が700〜3500mPa・sであって、該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体及び該共通溶媒、或いは該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体、該共通溶媒及び水のみからなる紡糸原液を、ドラフト率が1.1〜1.9、吐出線速度が90m/min以下、20〜80cmの空走行で紡糸することを特徴とするポリスルホン系中空糸型血液浄化膜の製造方法」と訂正する。

b.本件特許明細書の段落【0007】の
「適切な粘度を有する紡糸原液から適切な紡糸ドラフト率で製造することにより、」(特許公報第2頁4欄11〜12行)及び「粘度が700〜3500mPa・sの紡糸原液を、ドラフト率が1.1〜1.9、吐出線速度が90m/min以下で紡糸することを特徴とするポリスルホン系中空糸型血液浄化膜の製造方法を提供する。」(特許公報第2頁4欄18〜21行)を「ポリスルホン系ポリマー、親水性重合体及び共通溶媒或いはこれと水のみからなる適切な粘度を有する紡糸原液から適切な紡糸ドラフト率、吐出線速度、落下長で製造することにより、」及び「粘度が700〜3500mPa・sであって、該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体及び該共通溶媒、或いは該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体、該共通溶媒及び水のみからなる紡糸原液を、ドラフト率が1.1〜1.9、吐出線速度が90m/min以下、20〜80cmの空走行で紡糸することを特徴とするポリスルホン系中空糸型血液浄化膜の製造方法を提供する。」と訂正する。

c.本件特許明細書の段落【0010】の
「これら水溶性高分子とポリスルホン系ポリマーを両方の共通溶媒に溶解し、」(特許公報第2頁3欄48〜49行)を
「これら親水性高分子とポリスルホン系ポリマーを両方の共通溶媒に溶解し、均一な紡糸原液を調整する。・・・」と訂正する。

2-2.訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び拡張・変更の存否
(a)訂正事項aは、
a-1:「ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホン系ポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した、粘度が700〜3500mPa・sの紡糸原液」を「ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホン系ポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した、粘度が700〜3500mPa・sであって、該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体及び該共通溶媒、或いは該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体、該共通溶媒及び水のみからなる紡糸原液」とする訂正
a-2:「吐出線速度が90m/min以下で紡糸」を「吐出線速度が90m/min以下、20〜80cmの空走行で紡糸」とする訂正
に細分することができる。
訂正事項a-1は、明細書の段落【0010】の「これら水溶性高分子とポリスルホン系ポリマーを両方の共通溶媒に溶解し、均一な紡糸原液を調整する。・・・」、段落【0011】の「また、孔径制御のため、紡糸原液には水などの添加物を加えてよい。・・・」、段落【0022】の「・・・(実施例1)ポリスルホン(P-1700:AMOCO社製)18重量部とPVP(K-90:IPS社製)3重量部をDMAC40重量部、DMSO38重量部、水1重量部に溶解し、10時間攪拌し、紡糸原液とした。・・・」、段落【0025】の「(実施例2)ポリスルホン(P-1700:AMOCO社製)17重量部とPVP(K-90:IPS社製)2重量部をDMAC73重量部、水1重量部に溶解し、10時間攪拌し、紡糸原液とした。・・・」の記載に基づき、ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホン系ポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した紡糸原液の組成を、ポリスルホン系ポリマー、親水性重合体及び共通溶媒からなるもの(3成分系)、及びポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体、該共通溶媒及び水からなるもの(4成分系)に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
訂正事項a-2は、明細書の段落【0017】の「該紡口から前記紡糸原液と該紡糸原液を凝固させるための中空内液とを同時に空中に押し出し、20〜80cmの空走部を走行させた後、・・・」との記載に基づき、紡糸の条件として、空走行の距離を新たに加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
したがって、訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(b)訂正事項bは、訂正事項aに基づき訂正された特許請求の範囲の記載に、発明の詳細な説明の記載を整合させるものであり、特許請求の範囲で限定された組成からなる紡糸原液からの製造条件として「紡糸ドラフト率」と共に「吐出線速度」、及び吐出後の空走行距離、すなわち「落下長」を適切にすることが重要であることを明確にするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
(c)訂正事項cは、段落【0010】の「水溶性高分子」という語句が本件特許明細書の他の個所に存在せず、段落【0009】の「・・・本発明でいう親水性高分子は・・・」等他の記載からみて「水溶性高分子」が「親水性高分子」の誤記であることは明らかであるから、明白な誤記の訂正を目的とする訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

2-3.結論
したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議申立についての判断
3-1.本件発明
上記2で示したとおり、上記訂正が認められるから、本件請求項1に係る発明(以下「本件発明」という)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホン系ポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した、粘度が700〜3500mPa・sであって、該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体及び該共通溶媒、或いは該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体、該共通溶媒及び水のみからなる紡糸原液を、ドラフト率が1.1〜1.9、吐出線速度が90m/min以下、20〜80cmの空走行で紡糸することを特徴とするポリスルホン系中空糸型血液浄化膜の製造方法」

3-2.申立て理由及び取消理由の概要
特許異議申立人 小川歩は、甲第1号証を提出して、本件発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、本件発明の特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきである旨主張している。

また、平成15年12月12日の取消理由通知における取消理由は、特許異議申立人の上記理由と同趣旨、及び、本件発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるというものである。

3-3.刊行物に記載された発明
平成15年12月12日付け取消理由通知において引用された刊行物1(特許異議申立人 小川歩が提出した甲第1号証:特表平7-504615号公報)には、
(ア)「30.改善されたフラックス(flux)と再湿潤特性を持つ微細孔中空繊維膜の製造方法であって、その方法は、(a)非プロトン性溶媒に溶解した、疎水性ポリスルホンポリマー約5ないし25重量%と親水性ポリビニルピロリドンポリマー約1ないし25重量%からなりそして約100ないし10,000cpsの粘度を持つポリマー溶液を、管内オリフィス・紡糸口金の外側環状オリフィス中に通過せしめて環状液を形成し、(b)(i)有機溶媒約0.1ないし100重量%;および、(ii)非溶媒としての水約0.1ないし100重量%、からなる沈殿溶液を、紡糸口金の内側管を通過して、環状液の中心に通過せしめ;その際、沈殿溶液はポリマー溶液と相互作用して環状のポリマー沈殿物を形成し;(c)ポリマー沈殿物を、ガス媒体(atmosphere)又は増補したガス媒体(atmosphere)を通過して落とし;(d)ポリマー沈殿物を浴中で急冷(quench)して中空繊維を形成し;(e)繊維を、それが形成される速度の約90ないし150%の速度で巻き取り;(f)繊維を切断して束にし;そして(g)束を、低分子界面活性剤約0.001ないし10重量%からなる溶液と接触させる段階からなり;その際、その繊維は少なくとも約5×10-6mL/分/cm2/mmHgのフラックスを持ちそして少なくとも5回の使用と乾燥のサイクルの間上記のフラックス(flux)を維持することにより再湿潤する、製造方法」(請求の範囲)
(イ)「そのような方法は透析を包含していて、人工臓器と水ろ過における血液透析、限外ろ過、血液ろ過、血液分離と薬品放出を包含する。これらの方法は、孔径、強度、生体適合性、費用及び生産速度と再現性等を含むいろいろなことを要求する。」(公報第5頁右上欄第19-24行)
(ウ)「ポリマー溶液は、ブルックフィールド粘度計上、25℃で測定して、約700〜2300cps、好ましくは約1400〜1700cps好ましくは最も好ましくは約1500cpsの粘度を持つ。」(公報第9頁右上欄第6-9行)
(エ)「ポリマードープは、約0.018ないし0.040インチ(約460ないし1.016ミクロン)の外径と約0.008ないし0.010インチ(約200ないし254ミクロン)の内径を持つ環状オリフィスを通過して紡糸される。」(公報第10頁右上欄6-10行)
(オ)「ポリマードープは、実質的に約1.0〜10mL/分、更に好ましくは約2〜5mL/分、最も好ましくは約3mL/分の流速で輸送され、そして、沈殿液は少なくとも約1.0〜10mL/分、更に好ましくは約2〜5mL/分、そして最も好ましくは約2〜3mL/分の流速で供給される。」(公報第10頁右上欄20〜25行)
(カ)「繊維が紡糸口金から出るに従って、それは実質的に下方垂直方向に、約0.1〜10m、更に好ましくは約0.5ないし2.0m、そして最も好ましくは約1.0ないし1.5mの距離にわたって落下する。」(公報第10頁右下欄7〜10行)
(キ)「次いで、繊維は巻取リール上に巻かれる。巻取リールは、繊維が紡糸口金で形成されている速度の90〜150%で繊維が巻かれるような速度で回転しつつあるのが好ましい。更に好ましくは、繊維は、繊維が形成されつつある速度に実質的に等しい速度で巻かれつつある。換言すれば、(i)所望の大きさの繊維を製造しそして(ii)繊維が外気流により影響されないで巻き取りガイド中でぴーんと張られたままになっている。換言すれば「隙間(”draft”)」がないように繊維に十分な張力を適用するのに、十分なスピードで巻き取られる。」(公報第11頁右上欄2〜11行)
(ク)「実施例3 ポリマー溶液を、分子量60,000ないし65,000のポリスルホンポリマー15.1重量%およびK値が約80ないし87のPVP2.8重量%を、ジメチルアセトアミド82.1重量%に溶解することにより製造した。その材料をろ過し、次いで速度3.5〜3.7ml/分、温度約65〜72°Fで管内オリフィス・紡糸口金中へポンプ輸送した。イソプロパノール80重量%、DMAC0重量%および脱イオン化逆浸透水20重量%を含有する希釈溶液を、温度約65〜72°F、速度2.5〜2.6ml/分で紡糸口金へ供給した。ポリマードープ液は、紡糸口金の外径0.020インチ、内径約0.010インチの外側環状オリフィスを通過して供給された。希釈溶液は、環状オリフィス内の内径0.005インチの環状オリフィスを通過して供給された。紡糸口金ヘッドは、室温68〜74°Fに保たれた水浴又は水浴のない水流により、約70°Fに維持された。紡糸口金は、ドープと希釈液のカラムを、下方向に、温度68〜80°F、相対湿度20〜60%の空気を通過して排出する。繊維は、この制御されたガス媒体1.5mを通過して、定温90〜100°Fに維持してある逆浸透水の急冷水浴槽へ落下した。逆浸透水は、急冷浴槽へポンプ輸送されてオーバーフローした。繊維は、約20rpmの速度で、温度90〜100°Fに維持された逆浸透水を含有する2番目の浴槽中へ引かれる。 繊維は、巻き取りリールから外されて、切断され約30.5cmの繊維ほぼ6,000本からなる束に纏められた。次いで繊維を。68°Fないし100°Fに維持してあるエトキシル化(15EO)したココアミン界面活性剤1重量%と水を入れた静置タンク内に24時間にわたり置いた。束を遠心分離し、対流オーブン中38〜50℃で乾燥した。」(公報第12頁右下欄17行-左上欄24行)
(ケ)「実施例3に従って製造したほぼ1.4m2の膜からなるフィルターモジュールを、その再湿潤性能と血液からウシ血清アルブミンを除く性能について試験した。・・・ウシアルブミン拒絶率は80%であった。」(公報第14頁9〜24行)

3-4.当審の判断
(1)引用文献1記載の発明
引用文献1における「親水性ポリビニルピロリドンポリマー」は本件発明における「親水性重合体」として本件特許明細書段落【0009】に例示されている物質であり、記載(イ)からみて、引用文献1に記載された「微細孔中空繊維膜」は「血液透析、血液ろ過、血液分離」に用いられるものであるから「中空糸血液浄化膜」といえ、記載(ク)の実施例3では、ポリスルホンポリマー、PVP(親水性重合体)、及び有機溶剤であるジメチルアセトアミドのみからなる紡糸原液を紡糸している。
また、記載(キ)における「繊維が紡糸口金で形成されている速度」と 「巻取リール上に巻かれる速度」の比が、本件発明における「ドラフト率」に相当することは明らかであり、「巻取リールは、繊維が紡糸口金で形成されている速度の90〜150%で繊維が巻かれるような速度で回転しつつある」とは、ドラフト率が「0.9〜1.50」であることを意味し、また、1mPa・s=1cpsであるから、記載(ウ)における「700〜2300cps」は「700〜2300mPa・s」となる。
さらに、引用文献1には吐出線速度は記載されていないが、記載(エ)から環状オリフィスの断面積が計算でき、記載(オ)のポリマードープの流量から、該オリフィスからのポリマードープの吐出線速度を求めると、約1.3〜86.6m/minとなる。
したがって、引用文献1記載の発明を本件発明の記載に則して表現すると「ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホンポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した、粘度が700〜2300mPa・sであって、該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体、該共通溶媒のみからなる紡糸原液を、吐出線速度が約1.3〜86.6m/minで紡糸することを特徴とするポリスルホン系中空糸血液浄化膜の製造方法」(以下「引用文献発明」という)となる。
(2)対比・判断
本件発明と引用文献1に記載された発明とを対比すると、両者は、上記の構成で一致し、以下の点で相違する。
相違点1:ドラフト率を、本件発明では「1.1〜1.9」としているのに対し、刊行物発明では「0.9〜1.5」としている点
相違点2:空走行の距離を、本件発明では「20〜80cm」としているのに対し、刊行物発明では、「約0.1〜10m(10〜1000cm)」としている点

上記相違点について検討する。
相違点1について:記載(キ)によれば、引用文献1には、紡糸の巻き取り速度について「好ましくは、繊維は、繊維が形成されつつある速度に実質的に等しい速度で巻かれつつある。」と記載され、好ましいドラフト率として「1」が推奨されているのであって、ドラフト率「1.1〜1.9」を示唆する記載はない。
相違点2について:記載(カ)によれば、引用文献1には、空走行距離について「更に好ましくは約0.5ないし2.0m、そして最も好ましくは約1.0ないし1.5mの距離」と記載され、最も好ましい範囲として「1.0ないし1.5m」が推奨され、記載(ク)の実施例においても、紡糸液の空走行距離として「1.5m(150cm)」が採用され、他に空走行距離を「20〜80cm」とすることを示唆する記載は見当たらない。

本件発明は、上記特定のドラフト率及び空走行距離を採用することにより、中空糸内表面に引き裂き構造が無く、分画性がシャープな血液浄化膜を優れた生産性で製造することが可能という、本件特許明細書記載の作用効果を奏するものであり、特に、アルブミンの篩係数について、本件特許明細書の実施例によれば「0.009〜0.013」(第4頁【表1】)であり、上記記載(ケ)の「ウシアルブミン拒絶率は80%(篩係数=0.2)」からみて、引用文献1の記載からは予期し得ない優れた作用効果を奏するものである。

したがって、引用文献1記載の広範な「紡糸ドラフト率」および「落下長」から、本件発明の特定の「紡糸ドラフト率」および「落下長」を選択して組み合わせ、本件発明の構成とすることを、当業者が容易に想到することができたと云うことはできない。

よって、本件発明は、引用文献1に記載された発明と同一と云えないばかりか、引用文献1記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
中空糸型血液浄化膜の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホン系ポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した、粘度が700〜3500mPa・sであって、該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体及び該共通溶媒、或いは該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体、該共通溶媒及び水のみからなる紡糸原液を、ドラフト率が1.1〜1.9、吐出線速度が90m/min以下、20〜80cmの空走部の走行で紡糸することを特徴とするポリスルホン系中空糸型血液浄化膜の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリスルホン系中空糸型血液浄化膜及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリスルホン系ポリマーは疎水性の素材であるために、これを素材とした選択透過性分離膜はセルロース系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系などの親水性素材を用いた選択透過性分離膜に比べて、水濡れ性が悪く、また乾燥すると透過性能が低下する。
そこで、ポリスルホン系ポリマーからなる選択透過性分離膜に親水性ポリマーを含有させた選択透過性分離膜とその製法が提案されている。
【0003】
例えば、特公平2-18695号公報には、ポリスルホン、分子量10万以上のポリビニルピロリドン及びそれらの共通溶媒からなる原液を紡糸して製造された、分離膜内に分子量10万以上のポリビニルピロリドンを5〜70重量%含有し、かつ11%以上の吸水能力を有するポリスルホン系分離膜とその製法が開示されているが、紡糸ドラフト率に関してはなんら記載がない。
また、特公平5-54373号公報には、疎水性ポリマー、親水性ポリマー及びそれらの共通溶媒からなる低粘度の原液を紡糸して製造された、親水性ポリマーを1〜10重量%含有し、かつ3〜10%の吸水能力を有する血液処理用の中空繊維膜とその製法が開示されている。
【0004】
該公報には、紡糸ドラフト率に関しては、紡糸組成物の紡糸口金から出る速度及び生成された繊維の引き取り速度が一般に同じであること、即ち紡糸ドラフト率が1であることが好ましいとある。しかし、実際にドラフト率が1の場合、紡速を上げることが難しい。
しかし、紡速を上げるために原液の吐出量を上げると、紡糸口金前の圧損が大きくなること、紡糸原液の吐出線速度が増大し、紡糸原液の吐出むらが生じ易くなり紡糸が不安定になること、および膜構造が乱れることなどの問題が起こる。
【0005】
また、特開平6-165926号公報には、極端にノズルドラフトを大きくしたり、また小さくすると製造が不安定になるので、ノズルドラフトは通常2〜5の範囲に設定されるとあるが、ドラフト率が2を越えると、中空糸内表面が引き裂かれた構造となり、有用蛋白であるアルブミンがリークし易くなるなどの問題点が指摘される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記ポリスルホン系分離膜は、血液浄化膜用途で見た場合、製造上幾つか問題となる点がある。
即ち、紡糸ドラフトと膜性能、膜構造との関係に対して十分な検討がなされておらず、紡速や膜の寸法、紡口サイズを変更する場合、膜の性能や構造が大きく変化し、速やかな対応をとることができない。
本発明は、親水性が付与されたポリスルホン系中空糸膜であって、高い透過性を維持した上で、アルブミンの様な有用蛋白のリークが起こらず、分子量分画性がシャープである血液浄化膜を優れた生産性で製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリスルホン系ポリマー、親水性重合体及び共通溶媒或いはこれと水のみからなる適切な粘度を有する紡糸原液から適切な紡糸ドラフト率、吐出線速度、落下長で製造することにより、中空糸内表面に引き裂き構造が無く、分画性がシャープな血液浄化膜を優れた生産性で製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明では、ポリスルホン系ポリマー及び親水性重合体を該ポリスルホン系ポリマーと該親水性重合体の共通溶媒に溶解した、粘度が700〜3500mPa・sであって、該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体及び該共通溶媒、或いは該ポリスルホン系ポリマー、該親水性重合体、該共通溶媒及び水のみからなる紡糸原液を、ドラフト率が1.1〜1.9、吐出線速度が90m/min以下、20〜80cmの空走部の走行で紡糸することを特徴とするポリスルホン系中空糸型血液浄化膜の製造方法を提供する。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリスルホン系ポリマーとは下記式(1)又は(2):
【化1】

【化2】

の繰返単位からなるポリマーであるが、官能基を含んでいたり、アルキル系の基を含むものでもよく、特に限定されるものではない。
【0009】
また、本発明でいう親水性高分子は、例えばポリビニルピロリドン(以下PVPという)、ポリエチレングリコール、ポリグリコールモノエステル、デンプン及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロースなどの水溶性セルロース誘導体を使用でき、これらを組み合わせて使用することも可能である。
ポリスルホン系樹脂に対する親和性の観点から、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールが好ましく用いられ、ポリビニルピロリドンの使用が最も好ましい。
【0010】
これら親水性高分子とポリスルホン系ポリマーを両方の共通溶媒に溶解し、均一な紡糸原液を調整する。
このようなポリスルホン系ポリマー及び親水性高分子を共に溶解する共通溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミド(以下DMACと呼ぶ)、ジメチルスルホキシド(以下DMSOと呼ぶ)、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジオキサン等の多種の溶媒あるいは上記2種以上の混合液からなる溶媒が挙げられる。この中、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドの使用が好ましい。
【0011】
また、孔径制御のため、紡糸原液には水などの添加物を加えても良い。
紡糸原液粘度が低すぎる場合、膜内部に大きなマクロボイドが顕著に現れるようになるが、血液浄化用の中空糸膜の場合、こうしたマクロボイドが多数存在すると、血液透析中に血液凝固が起こり易くなり、血液透析に用いる中空糸膜においてはマクロボイドがないことが好ましい。
ここで言うマクロボイドとは、膜内でポリマーが存在しない空間のうち、その最大径が5μm以上のものを言う。
【0012】
一方、原液粘度が高くなりすぎると紡糸口金前の圧力が上がりすぎ、安定な紡糸ができなくなってくる。従って、本発明では、紡糸原液粘度は700〜3500mPa・sの範囲であることが必要であり、1000〜2500mPa・sの範囲が好ましい。
本発明で言う粘度とは、製膜条件下の紡糸口金温度と同温度で紡糸原液を回転式の粘度計で測定したものである。
紡糸原液の粘度は、親水性高分子の分子量、紡糸原液中のポリスルホン系ポリマー及び親水性高分子の濃度、紡糸原液の温度等に依存し、どの要因も膜構造の形成に重大な影響を及ぼす。
本発明では、用いる原料を適切に選択し、濃度および温度の条件を設定することにより、上記の範囲に原液粘度を調整する。
【0013】
ポリスルホン系樹脂の添加量は少なすぎると膜の形成が困難となり膜強度が弱くなりすぎてしまったり、多すぎると紡糸性が悪く孔径が小さくなりすぎる等の現象が生じてくるために、15〜20重量%であることが好ましく、中でも16〜18重量%であることが更に好ましい。
しかしこの範囲であることが絶対ではなく目的とする中空糸膜の性状によってはこの範囲より小さくすることも大きくすることもでき、他の紡糸条件を変化させることによっても膜性状は変化するので、最適な組み合わせを適宜選択すればよい。
【0014】
親水性重合体を紡糸原液へ添加する目的は中空糸膜内に親水性重合体を残存させて膜に親水性を付与することであるので、その分子量の選択は極めて重要なことである。
というのも親水性高分子の分子量が小さすぎると、紡糸原液の凝固時、及び得られた中空糸膜の洗浄時に該親水性重合体は容易に膜から溶出してしまうため、中空糸膜に親水性を付与するのに必要な親水性重合体を中空糸膜中に残存させるためには多量の親水性重合体を紡糸原液へ添加しなくてはならないからである。
【0015】
従って、親水性重合体の中空糸膜への残存率を高めるためには分子量が大きい方が良く、そのことによって紡糸原液に添加した親水性重合体は有効に活用でき、添加量を少なくできるので好ましい。
親水性重合体がポリビニルピロリドンである時にも分子量が大きい方が好ましく、例えば500,000以上の粘度平均分子量を有するポリビニルピロリドンを使用する時には2〜6重量%の添加量であることが好ましい。
【0016】
中空内液は水、または水を主体とした凝固液が使用でき、目的とする中空糸膜の膜性能に応じてその組成等は決めていけば良く一概には決められないが、一般的には紡糸原液に使った溶剤と水との混合溶液が好適に使用される。例えば5〜60重量%のDMAC水溶液などが用いられるが、特に10〜50重量%であることが好ましい。
【0017】
中空糸膜を製膜するに際してはチューブインオリフィス型の二重紡口を用い、該紡口から前記紡糸原液と該紡糸原液を凝固させるための中空内液とを同時に空中に押し出し、20〜80cmの空走部を走行させた後、紡口下部に設置した水を主体とする凝固浴中へ浸漬、凝固させた後巻取る。
【0018】
本発明でいう紡糸ドラフト率とは、チューブインオリフィス型の二重紡口の環状スリット口金から、紡糸原液が吐出される時の吐出線速度と、中空糸の巻き取り速度の比であり、巻き取り速度を紡糸原液の吐出線速度で割った値である。
低い紡糸ドラフト率の場合、紡糸口金のスリット幅をその分狭くする必要がある。血液浄化用の中空糸膜の場合、通常用いられる膜厚の範囲は20〜60μmである。
このため、紡糸ドラフト率が低い場合、紡速を上げると原液の吐出線速度が増大し、紡糸口金での圧損が大きくなるため紡糸が不安定になり易い。また、原液の吐出ムラが生じるため、膜構造が乱れ、透水性能、溶質透過性能のバラツキも大きくなる。
さらに、スリット幅が狭いため、紡糸口金の芯合わせが困難になること、紡糸口金の作成自体が困難になり高コストになることなどの問題が指摘される。
【0019】
逆に、紡糸ドラフト率が高すぎると、中空糸内表面がドラフトによる応力を強く受け、膜内表面の緻密層が引き裂かれたような形状となり、特別大きな孔径を有する孔が生成しやすくなるため、有用蛋白であるアルブミンのリーク問題が生じる。
この問題は紡糸原液の組成を変える、紡糸原液の温度を高くするなどの方法で原液粘度を低く抑えることで、ある程度は改善可能であるが十分でない。従って、本発明では、紡糸ドラフト率は1.1〜1.9の狭い範囲であることが必要で有り、1.1〜1.5の範囲であることが好ましい。
【0020】
ここで言う原液の吐出線速度とは紡糸時に紡糸口金から紡糸原液が吐出される時の線速度で、単位時間当たりの紡糸原液の吐出流量を紡糸口金の原液吐出断面積で割った値である。
原液の吐出線速度が大きくなると、原液の吐出ムラが大きくなり、膜の構造ムラにより大きな孔径を有する孔が形成して、アルブミンのリークが生じてしまう。
本発明では、原液の吐出線速度は90m/min以下であることが必要であり、70m/min以下であることが好ましく、更には60m/min以下であることがより好ましい。
【0021】
上記のようにして、紡糸され、巻取られた中空糸は公知の方法で後処理される。即ち、熱水等による洗浄で溶剤及び過剰な親水性高分子が除去され、必要に応じてグリセリンを付与した後、乾熱乾燥される。
また、中空糸を巻取った後に後処理するのでなく、熱水等による洗浄や乾熱乾燥した後に巻き取る方法も本発明の範囲内であり、本発明で重要なことは、紡糸原液粘度を700〜3500mPa・sに調整し、紡糸口金からの吐出線速度が90m/min以下の条件で、紡糸ドラフト率を1.1〜1.9以下にすることである。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。
(実施例1)
ポリスルホン(P-1700:AMOCO社製)18重量部とPVP(K-90:ISP社製)3重量部をDMAC40重量部、DMSO38重量部、水1重量部に溶解し、10時間攪拌し、紡糸原液とした。この紡糸原液の粘度は、40℃で2600mPa・sであった。
この原液を40%DMAC水溶液を中空内液とし、スリット幅59.5μmの環状口金より吐出して紡速50m/分で巻取った。乾燥時の中空糸膜厚を45μmに合わせるよう原液吐出流量を調整したので、原液吐出線速は35.7m/分となり、ドラフト率は1.4であった。
この膜の内表面の様子を図1に示す。
図1によると、引き裂かれたような形状はなく、平滑な表面になっている。
【0023】
(比較例1)
実施例1と同じ紡糸原液を40%DMAC水溶液を中空内液とし、スリット幅125μmの環状口金より吐出して紡速50m/分で巻取った。乾燥時の中空糸膜厚を45μmに合わせるよう原液吐出流量を調整したので、原液吐出線速は15.6m/分となり、ドラフト率は3.2であった。
この膜の内表面の様子を図2に示す。
図2によると、内表面はドラフトの影響を受け引き裂かれたような形状となっている。実施例1ではドラフト率が低いためこの様なドラフトの影響を受けず、平滑な表面になったと考えられる。
【0024】
(比較例2)
実施例1と同じ紡糸原液を40%DMAC水溶液を中空内液とし、スリット幅50μmの環状口金より吐出して紡速50m/分で巻取った。乾燥時の中空糸膜厚を45μmに合わせるよう原液吐出流量を調整したので、原液吐出線速は49.9m/分となり、ドラフト率は1.0であった。
この膜の内表面の様子を図3に示す。
図3によると、内表面はドラフトの影響は緩和され、引き裂かれたような形状はなくなっているが、原液の吐出線速が速すぎるためか、原液吐出ムラの影響で筋状の凹凸が見られる。また、中空糸が偏芯し易かった。
【0025】
(実施例2)
ポリスルホン(P-1700:AMOCO社製)17重量部とPVP(K-90:ISP社製)2重量部、PVP(K-30:ISP社製)7重量部、をDMAC73重量部、水1重量部に溶解し、10時間攪拌し、紡糸原液とした。この紡糸原液の粘度は45℃で1400mPa・sであった。
この原液を40%DMAC水溶液を中空内液とし、スリット幅59.5μmの環状口金より吐出して紡速50m/分で巻取った。乾燥時の中空糸膜厚を45μmに合わせるよう原液吐出流量を調整したので、原液吐出線速は36.3m/分となり、ドラフト率は1.4であった。
この膜の内表面の様子を図4に示す。図4によると、引裂き構造は見られず、平滑な表面になっている。
【0026】
(比較例3)
実施例2と同じ紡糸原液を40%DMAC水溶液を中空内液とし、スリット幅125μmの環状口金より吐出して紡速50m/分で巻取った。乾燥時の中空糸膜厚を45μmに合わせるよう原液吐出流量を調整したので、原液吐出線速は15.9m/分となり、ドラフト率は3.1であった。
この膜の内表面の様子を図5に示す。図5によると、原液粘度が低いため、ドラフトの影響は緩和されてはいるのだが、まだ引き裂き構造が見られる。
【0027】
(比較例4)
実施例2と同じ紡糸原液を40%DMAC水溶液を中空内液とし、スリット幅50μmの環状口金より吐出して紡速50m/分で巻取った。乾燥時の中空糸膜厚を45μmに合わせるよう原液吐出流量を調整したので、原液吐出線速は50.3m/分となり、ドラフト率は1.0であった。
この膜の内表面の様子を図6に示す。図6によると、ドラフトの影響が緩和され、引き裂き構造は見られないが、原液の吐出線速が速すぎるためか原液吐出ムラの影響で内表面の構造に疎密が見られる。また中空糸が偏芯し易かった。
【0028】
(実験例)
実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた中空糸膜を用い、100本からなるミニモジュール(有効長25cm)を作成し、人血清を用いて分子量の異なる血漿タンパクの篩係数を測定した。その結果を表1に示す。
【表1】

実施例は比較例に比べアルブミンのリークが少ない事が判る。
【0029】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の方法によれば、紡糸ドラフトが1.1〜1.9の範囲で安定で優れた膜性能、膜形状を持つポリスルホン系血液浄化膜を提供することができる。
一方、紡糸ドラフトが2を越える場合、内表面が引き裂かれた様な構造となり、これは原液粘度を下げることである程度は改良可能だが、十分ではない。
また、紡糸ドラフトが1付近になると原液吐出ムラの影響で中空糸内表面に筋状の凹凸ができてしまい、溶質の透過性能も必要以上に大きくなり、血液浄化に用いた場合、有用タンパクのリークが懸念される。また偏芯も多くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施例1で得られた中空糸の内表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)である。
【図2】
比較例1で得られた中空糸の内表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)である。
【図3】
比較例2で得られた中空糸の内表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)である。
【図4】
実施例2で得られた中空糸の内表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)である。
【図5】
比較例3で得られた中空糸の内表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)である。
【図6】
比較例4で得られた中空糸の内表面の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)である。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-08-19 
出願番号 特願平9-141100
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B01D)
P 1 651・ 113- YA (B01D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 齊藤 光子中村 敬子  
特許庁審判長 石井 良夫
特許庁審判官 金 公彦
野田 直人
登録日 2002-06-14 
登録番号 特許第3317876号(P3317876)
権利者 旭メディカル株式会社
発明の名称 中空糸型血液浄化膜の製造方法  
代理人 武井 英夫  
代理人 柿澤 紀世雄  
代理人 鳴井 義夫  
代理人 伊藤 穣  
代理人 伊藤 穣  
代理人 清水 猛  
代理人 清水 猛  
代理人 武井 英夫  
代理人 鳴井 義夫  

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