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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G03G
審判 全部申し立て 2項進歩性  G03G
管理番号 1107840
異議申立番号 異議2003-71900  
総通号数 61 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-02-13 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-07-28 
確定日 2004-09-29 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3372772号「プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置」の請求項1ないし8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3372772号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3,372,772号の請求項1ないし8に係る発明は、平成8年7月22日に出願され、平成14年11月22日にその特許権の設定登録がなされ、その後、野中みのり より特許異議の申立てがなされ、取消の理由が通知され、その指定期間内である平成16年5月31日に異議意見書の提出とともに、訂正請求がなされたものである。
その後、異議申立人に訂正請求書と異議意見書を送付して意見を求めたところ、意見書の提出はなかった。

2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の内容
2-1-1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1ないし8を、
「【請求項1】 駆動源と、本体位置決め部と、前記本体位置決め部より上方に設けられた本体姿勢規定受部と、前記駆動源から駆動力を受けて回転する、軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、を有する画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、 電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、
カートリッジ枠体と、
前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側で、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、前記ドラム軸線方向の一端側において、前記本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、前記凹部に対して位置決めされるカップリング凸部と、前記ドラム軸線方向の他端側で、前記ドラム軸線と同軸線上に、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた位置決めガイドであって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着した際に、前記本体位置決め部と当接して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための位置決めガイドと、
前記ドラム軸線方向の両端側で、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた姿勢規定部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に前記駆動力が伝達された際に、前記ドラム軸線を中心にして重い側で、及び、前記電子写真感光体ドラムより上方に設けられ、前記プロセスカートリッジに生じるモーメントによって前記本体姿勢規定受部と当接して前記プロセスカートリッジが前記ドラム軸線を中心に回転するのを規制するための姿勢規定部と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】 前記カートリッジ枠体は、複数の枠体を結合したものであり、前記姿勢規定部は前記電子写真感光体ドラムを支持し、前記位置決めガイドを備えた枠体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】 前記姿勢規定部は、前記プロセスカートリッジの上部を覆うカバー部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】 前記姿勢規定部は、前記ドラム軸線と平行な軸線を有する円筒形の突起であることを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】 前記姿勢規定部の前記ドラム軸線方向の端部は、前記ドラム位置決めガイドの前記ドラム軸線方向の端部より内側にある請求項1から4の何れか1つに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】 前記ドラム軸線を中心にして重い側は、前記ドラム軸線を中心にして前記プロセス手段としての現像手段が設けられている側であることを特徴とする請求項1から5の何れか1つに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】 プロセスカートリッジを着脱可能で、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(1)駆動源と、(2)本体位置決め部と、
(3)前記本体位置決め部より上方に設けられた本体姿勢規定受部と、
(4)前記駆動源から駆動力を受けて回転する、軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、(5)電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、カートリッジ枠体と、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側で、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、前記ドラム軸線方向の一端側において、前記本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、前記凹部に対して位置決めされるカップリング凸部と、前記ドラム軸線方向の他端側で、前記ドラム軸線と同軸線上に、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた位置決めガイドであって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着した際に、前記本体位置決め部と当接して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための位置決めガイドと、前記ドラム軸線方向の両端側で、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた姿勢規定部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に前記駆動力が伝達された際に、前記ドラム軸線を中心にして重い側で、及び、前記電子写真感光体ドラムより上方に設けら、前記プロセスカートリッジに生じるモーメントによって前記本体姿勢規定受部と当接して前記プロセスカートリッジが前記ドラム軸線を中心に回転するのを規制するための姿勢規定部と、を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(6)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項8】 前記本体姿勢規定受部は、V字形状の溝であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真画像形成装置。」
と訂正する。

2-1-2.訂正事項2
発明の詳細な説明の段落【0005】を
「【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、駆動源と、本体位置決め部と、前記本体位置決め部より上方に設けられた本体姿勢規定受部と、前記駆動源から駆動力を受けて回転する、軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、を有する画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、カートリッジ枠体と、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側で、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、前記ドラム軸線方向の一端側において、前記本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、前記凹部に対して位置決めされるカップリング凸部と、前記ドラム軸線方向の他端側で、前記ドラム軸線と同軸線上に、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた位置決めガイドであって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着した際に、前記本体位置決め部と当接して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための位置決めガイドと、前記ドラム軸線方向の両端側で、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた姿勢規定部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に前記駆動力が伝達された際に、前記ドラム軸線を中心にして重い側で、及び、前記電子写真感光体ドラムより上方に設けられ、前記プロセスカートリッジに生じるモーメントによって前記本体姿勢規定受部と当接して前記プロセスカートリッジが前記ドラム軸線を中心に回転するのを規制するための姿勢規定部と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。」
と訂正する。

2-1-3.訂正事項3
発明の詳細な説明の段落【0007】を
「前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、プロセスカートリッジを着脱可能で、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(1)駆動源と、
(2)本体位置決め部と、
(3)前記本体位置決め部より上方に設けられた本体姿勢規定受部と、
(4)前記駆動源から駆動力を受けて回転する、軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、
(5)電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、カートリッジ枠体と、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側で、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、前記ドラム軸線方向の一端側において、前記本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、前記凹部に対して位置決めされるカップリング凸部と、前記ドラム軸線方向の他端側で、前記ドラム軸線と同軸線上に、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた位置決めガイドであって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着した際に、前記本体位置決め部と当接して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための位置決めガイドと、前記ドラム軸線方向の両端側で、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた姿勢規定部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に前記駆動力が伝達された際に、前記ドラム軸線を中心にして重い側で、及び、前記電子写真感光体ドラムより上方に設けられ、前記プロセスカートリッジに生じるモーメントによって前記本体姿勢規定受部と当接して前記プロセスカートリッジが前記ドラム軸線を中心に回転するのを規制するための姿勢規定部と、を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(6)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置である。」
と訂正する。

2-1-4.訂正事項4
発明の詳細な説明の段落【0048】を削除する。

2-1-5.訂正事項5
発明の詳細な説明の段落【0064】を
「【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、カップリング凸部と、姿勢規定部と、を設けることで、プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に駆動力が伝達された状態で、前記プロセスカートリッジがドラム軸線まわりに生じるモーメントによって、前記位置決めガイドを中心に回転するのを確実に規制することができる。さらに、前記プロセスカートリッジ枠体の前記ドラム軸線方向の両端側、及び、前記位置決め部より上方において、前記姿勢規定部と前記本体姿勢規定受部とが当接するので、前記本体姿勢規定受部のための余分なスペースを確保する必要なく、省スペースでプロセスカートリッジの回転止めをおこなうことができ、画像形成装置の小型化が可能になる。」
と訂正する。

2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項1は、画像形成装置本体が「駆動源から駆動力を受けて回転する軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材」を有するものであると限定するとともに、電子写真感光体ドラムが「そのドラム軸線方向の一端側に電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、ドラム軸線方向の一端側において、本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、凹部に対して位置決めされるカップリング凸部」を有するものであると限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項1に関する構成は願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0045】〜段落【0046】等に記載されており、新規事項の追加には該当しないし、特許請求の範囲を実質的に拡張したり変更したりするものではない。
訂正事項2ないし5は、特許請求の範囲の訂正に伴って発明の詳細な説明をそれに整合させるための訂正であり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項2ないし5はいずれも新規事項の追加には該当しないし、特許請求の範囲を実質的に拡張したり変更するものではない。

2-3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、平成11年改正前の特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項、第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
3-1.申立ての理由の概要
請求項1ないし4、請求項6、請求項7に係る発明は、それぞれ特開平5-297649号公報に記載された発明であり、請求項1ないし4、請求項6、請求項7に係る発明についての特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
また、請求項1ないし8に係る発明は、それぞれ特開平5-297649号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1ないし8に係る発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
さらに、請求項5及び請求項8に係る発明は、特開平5-297649号公報及び特開平3-252667号公報記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項1ないし8に係る発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

3-2.本件の請求項1ないし請求項8に係る発明
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1ないし請求項8に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」、・・・「本件発明7」、「本件発明8」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項(上の2-1-1.訂正事項1参照)により特定されるとおりのものである。

3-3.刊行物記載の発明
異議申立ての理由に引用されるとともに、当審で通知した取り消し理由で引用した刊行物1(特開平5-297649号公報)及び刊行物2(特開平3-252667号公報)には次のような技術的事項が図面とともに記載されている。
[刊行物1(特開平5-297649号公報)]
1a){画像形成装置の全体説明}・・・プロセスカートリッジ4は交換可能なように、装置本体9に対して着脱自在に装填されるものである。(段落【0012】〜【0013】参照)
1b){搬送手段}搬送手段3は給送手段1から給送された被記録材2を画像形成部へ搬送すると共に、定着部6へ搬送するものである。(段落【0017】参照)
1c){プロセスカートリッジ}・・・装置本体9に対して着脱可能に構成している。(段落【0019】参照)
1d)(感光ドラム)本実施例に係る感光ドラム4aは・・・感光ドラム4aの回転軸4a3を中心に回転可能となっており、前記回転軸4a3に取り付けた図示しないギヤに駆動モータの駆動力を伝達することにより、感光ドラム4aを画像形成動作に応じて矢印方向へ回転させるように構成している。(段落【0020】参照)
1e)装置本体9には図4(a),(b)に示すように開閉可能な上部開閉カバー11が設けられており、該開閉カバー11を開いてプロセスカートリッジ4を装填するものである。そして装置本体9内には図5に示すようなプロセスカートリッジ4の支持部材となる本体フレーム12が設けられており、この本体フレーム12の両側壁12aにはプロセスカートリッジ4の装填をガイドするガイド溝12bが形成され、該ガイド溝12bにプロセスカートリッジ4の外面から突出する感光ドラム4aのドラム軸4a3及びガイドボス4e2,4e3を係合させることによってプロセスカートリッジ4を装填するようにしている。(段落【0034】参照)
1f)従って、プロセスカートリッジ4のドラム軸4a3の両端部をガイド溝12bに沿わせると共に、ガイドボス4e2,4e3を沿わせて装置本体9内に挿入し、前記位置決め溝12b3内にプロセスカートリッジ4のドラム軸4a3を落とし込むことにより、装置本体9に対してプロセスカートリッジ4のドラム軸4a3を位置決め出来る。
更に前記ガイドボス4e2,4e3がガイド溝12bに当接し、該溝12bによって支持される。このとき一方側のガイドボス4e2に比べて他方側のガイドボス4e3は小径であるため、該ボス4e3はガイド溝12bに対して浮いた状態になっている。
従って、本実施例にあっては、基本的にはプロセスカートリッジ4は本体フレーム12に対してドラム軸両端と、ガイドボス4e2の3点によって支持されている。(段落【0036】〜【0037】参照)
1g)プロセスカートリッジ4の・・・精度が出し易くなるものである。(段落【0041】参照)
1h)前述した第一実施例では、・・・当接して支持されるようにしてもよい。(段落【0048】参照)
1i)前述した実施例では・・・4点以上で支持されるように構成しても良い。(段落【0050】参照)
1j)【発明の効果】・・・外装等に変形を生じさせるおそれがないものである。(段落【0057】参照)

[刊行物2(特開平3-252667号公報)]
2a)(作用) 本発明によれば、プロセスカートリッジの着脱が、当該プロセスカートリッジを装置本体に対して取り出し又は挿入するための第2の動作に加えて、装置本体からプロセスカートリッジに伝達される駆動力を結合、解除するための第1の動作によってなされるため、プロセスカートリッジの装置本体への装着時にこれを自重で落下させても、ギアの歯面同士が激しく衝突することがなく、ギア歯面の損傷とこれに伴う画質の悪化が防がれるとともに、該プロセスカートリッジを装置本体から容易に取り出すことができ、従来要していたクラッチ等の駆動解除手段が不要となり、装置の構成の簡素化を図ることができる。(第2頁右下欄第19行〜第3頁左上欄第12行参照)
2b)プロセスカートリッジ3には、感光ドラム3aと同軸上で、且つプロセスカートリッジ3の両側壁よりも長さl1だけ突出する形で円筒状の第1の突出部3bが突設されている。又、プロセスカートリッジ3には、前記第1の突出部3bから所定量離れた位置に第1の突出部3bと同径の第2の突出部3cが両側壁より長さl2だけ突出する形で同軸上に突設されている。(第3頁左上欄第20行〜右上欄第7行参照)
2c)プロセスカートリッジ3の突出部3b,3cの突出高さl1,l2との間にはl1>l3>l2なる関係が成立する。(第3頁左下欄第18行〜右下欄第1行参照)

3-4.対比判断
3-4-1.本件発明1について
本件発明1を刊行物1記載の発明と対比すると、両者間には特に次のような相違点がある。
(相違点)
電子写真感光体ドラムへの駆動力の伝達構成について、本件発明1は画像形成装置本体に駆動源から駆動力を受けて回転する軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材を設けるとともに、電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側にドラム軸線と同軸線上のカップリング凸部を設けているのに対して、刊行物1記載の発明は、感光ドラム4aの回転軸4a3にギヤを取り付け、そのギアに駆動モータの駆動力を伝達する構成としている点
(相違点の検討)
画像形成装置本体に軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材を設けるとともに、電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側にドラム軸線と同軸線上のカップリング凸部を設け、本体カップリング部材が回転することによって駆動力が伝達されるように構成する点については刊行物2にも記載されていないし、周知例とした挙げた特開平6-83126号公報や特開平8-16072号公報にも記載されていないから、上記相違点が当業者が容易に考えつくことができた構成の変更であるとすることができない。
(まとめ)
したがって、本件発明1は刊行物1記載の発明ではないし、刊行物1や刊行物2記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることもできない。

3-4-2.本件発明2ないし6について
本件発明2ないし6は、それぞれ本件発明1を全て引用する発明であり、上の3-4-1.で述べたように、本件発明1は刊行物1記載の発明ではないし、刊行物1や刊行物2記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2ないし6も刊行物1記載の発明ではないし、刊行物1や刊行物2記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

3-4-3.本件発明7について
本件発明7を刊行物1記載の発明と対比すると、両者間には特に次のような相違点がある。
(相違点)
電子写真感光体ドラムへの駆動力の伝達構成について、本件発明7は駆動源から駆動力を受けて回転する、ねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側に設けたドラム軸線と同軸線上のカップリング凸部からなるのに対して、刊行物1記載の発明は、感光ドラム4aの回転軸4a3にギヤを取り付け、そのギアに駆動モータの駆動力を伝達する構成としている点
(相違点の検討)
駆動源から駆動力を受けて回転する、ねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側に設けたドラム軸線と同軸線上のカップリング凸部から成る電子写真感光体ドラムへの駆動力の伝達構成については、刊行物2にも記載されていないし、周知例とした挙げた特開平6-83126号公報や特開平8-16072号公報にも記載されていなから、上記相違点が当業者が容易に考えつくことができた構成の変更であるとすることができない。
(まとめ)
したがって、本件発明7は刊行物1記載の発明ではないし、刊行物1や刊行物2記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることができない。

3-4-4.本件発明8について
本件発明8は、本件発明7を全て引用する発明であり、上の3-4-3.で述べたように、本件発明7は刊行物1記載の発明ではないし、刊行物1や刊行物2記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明8も刊行物1記載の発明ではないし、刊行物1や刊行物2記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。

3-5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件発明1ないし8についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動源と、本体位置決め部と、前記本体位置決め部より上方に設けられた本体姿勢規定受部と、前記駆動源から駆動力を受けて回転する、軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、を有する画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、
カートリッジ枠体と、
前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側で、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、前記ドラム軸線方向の一端側において、前記本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、前記凹部に対して位置決めされるカップリング凸部と、
前記ドラム軸線方向の他端側で、前記ドラム軸線と同軸線上に、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた位置決めガイドであって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着した際に、前記本体位置決め部と当接して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための位置決めガイドと、
前記ドラム軸線方向の両端側で、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた姿勢規定部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に前記駆動力が伝達された際に、前記ドラム軸線を中心にして重い側で、及び、前記電子写真感光体ドラムより上方に設けられ、前記プロセスカートリッジに生じるモーメントによって前記本体姿勢規定受部と当接して前記プロセスカートリッジが前記ドラム軸線を中心に回転するのを規制するための姿勢規定部と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】 前記カートリッジ枠体は、複数の枠体を結合したものであり、前記姿勢規定部は前記電子写真感光体ドラムを支持し、前記位置決めガイドを備えた枠体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】 前記姿勢規定部は、前記プロセスカートリッジの上部を覆うカバー部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】 前記姿勢規定部は、前記ドラム軸線と平行な軸線を有する円筒形の突起であることを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】 前記姿勢規定部の前記ドラム軸線方向の端部は、前記位置決めガイドの前記ドラム軸線方向の端部より内側にある請求項1から4の何れか1つに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】 前記ドラム軸線を中心にして重い側は、前記ドラム軸線を中心にして前記プロセス手段としての現像手段が設けられている側であることを特徴とする請求項1から5の何れか1つに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】 プロセスカートリッジを着脱可能で、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(1)駆動源と、
(2)本体位置決め部と、
(3)前記本体位置決め部より上方に設けられた本体姿勢規定受部と、
(4)前記駆動源から駆動力を受けて回転する、軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、
(5)電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、カートリッジ枠体と、前記電子写直感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側で、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、前記ドラム軸線方向の一端側において、前記本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、前記凹部に対して位置決めされるカップリング凸部と、前記ドラム軸線方向の他端側で、前記ドラム軸線と同軸線上に、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた位置決めガイドであって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着した際に、前記本体位置決め部と当接して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための位置決めガイドと、前記ドラム軸線方向の両端側で、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた姿勢規定部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に前記駆動力が伝達された際に、前記ドラム軸線を中心にして重い側で、及び、前記電子写真感光体ドラムより上方に設けられ、前記プロセスカートリッジに生じるモーメントによって前記本体姿勢規定受部と当接して前記プロセスカートリッジが前記ドラム軸線を中心に回転するのを規制するための姿勢規定部と、を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(6)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項8】前記本体姿勢規定受部は、V字形状の溝であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロセスカートリッジ及びプロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置に関するものである。ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置およびワードプロセッサ等が含まれる。
【0002】
また、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。および帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能するものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能とするものをいう。ここで前記プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができるから、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は後述従来の技術を更に発展させたものである。
【0004】
本発明は姿勢を規定するための部材を配設する空間を不要とし、そのスペース分画像形成装置本体の小型化をはかることと、姿勢を規定したことによりクリーニング性能に影響をおよぼすことのないプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、駆動源と、本体位置決め部と、前記本体位置決め部より上方に設けられた本体姿勢規定受部と、前記駆動源から駆動力を受けて回転する、軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、を有する画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、カートリッジ枠体と、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側で、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、前記ドラム軸線方向の一端側において、前記本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、前記凹部に対して位置決めされるカップリング凸部と、前記ドラム軸線方向の他端側で、前記ドラム軸線と同軸線上に、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた位置決めガイドであって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着した際に、前記本体位置決め部と当接して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための位置決めガイドと、前記ドラム軸線方向の両端側で、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた姿勢規定部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に前記駆動力が伝達された際に、前記ドラム軸線を中心にして重い側で、及び、前記電子写真感光体ドラムより上方に設けられ、前記プロセスカートリッジに生じるモーメントによって前記本体姿勢規定受部と当接して前記プロセスカートリッジが前記ドラム軸線を中心に回転するのを規制するための姿勢規定部と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0006】
【0007】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、プロセスカートリッジを着脱可能で、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(1)駆動源と、
(2)本体位置決め部と、
(3)前記本体位置決め部より上方に設けられた本体姿勢規定受部と、
(4)前記駆動源から駆動力を受けて回転する、軸線方向にねじれた凹部を有する本体カップリング部材と、
(5)電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、カートリッジ枠体と、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線方向の一端側で、前記電子写真感光体ドラムのドラム軸線と同軸線上に突出して設けられたカップリング凸部であって、前記ドラム軸線方向の一端側において、前記本体カップリング部材が回転することによって前記駆動力が伝達されるとともに、前記凹部に対して位置決めされるカップリング凸部と、前記ドラム軸線方向の他端側で、前記ドラム軸線と同軸線上に、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた位置決めガイドであって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着した際に、前記本体位置決め部と当接して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための位置決めガイドと、前記ドラム軸線方向の両端側で、前記カートリッジ枠体から突出して設けられた姿勢規定部であって、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に前記駆動力が伝達された際に、前記ドラム軸線を中心にして重い側で、及び、前記電子写真感光体ドラムより上方に設けられ、前記プロセスカートリッジに生じるモーメントによって前記本体姿勢規定受部と当接して前記プロセスカートリッジが前記ドラム軸線を中心に回転するのを規制するための姿勢規定部と、を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(6)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置である。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【従来の技術】
プロセスカートリッジ方式においては画像形成装置本体内でのプロセスカートリッジの位置と姿勢を規定する必要がある。感光体ドラムの装置本体内での位置を正確に規定する必要があるため通常、感光体ドラムの中心軸と同軸に、プロセスカートリッジの両側面から外側に円柱状もしくは円筒状の突出部を設け、この突出部を画像形成装置本体のガイド溝に設けられた位置決め溝で受けることで規定されている。この時突出部はプロセスカートリッジの枠体からだしている場合や、感光体ドラムをプロセスカートリッジの枠体に軸支している部材のプロセスカートリッジ側面から外側の部分を、感光体ドラムの軸線と同軸の円柱もしくは円筒形状とし、この突出部としている場合等がある。
【0025】
このようにして画像形成装置本体内でのプロセスカートリッジ位置が決まるため、あとはプロセスカートリッジの姿勢を規定すればよい。従来は、プロセスカートリッジの枠体上部に装置本体に設けられた規定部材が当接することにより、この規定を行っていた。
【0026】
【発明の実施の形態】
〔発明の実施の形態の説明〕
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
【0027】
次に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、プロセスカートリッジBの短手方向とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する方向であり、記録媒体の搬送方向と一致している。またプロセスカートリッジBの長手方向とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する方向と交差する方向(略直交する方向)であり、記録媒体の表面と平行であり、且つ、記録媒体の搬送方向と交差(略直交)する方向である。たま、プロセスカートリッジに関し左右とは記録媒体の搬送方向に従って記録媒体を上から見て右または左である。
【0028】
図1は本発明の実施の形態を適用した電子写真画像形成装置(レーザービームプリンタ)の構成説明図、図2はその外観斜視図である。また図3〜図8は本発明の実施の形態を適用したプロセスカートリッジに関する図面である。図3はプロセスカートリッジの側断面図、図4はその外観の概略を図示した外観斜視図、図5はその右側面図、図6はその左側面図、図7はそれを上方(上面)ら見た斜視図、図8はプロセスカートリッジを裏返して上方から見た斜視図である。また以下の説明において、プロセスカートリッジBの上面とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ装着した状態で上方に位置する面であり、下面とは下方に位置する面である。
【0029】
(電子写真画像形成装置A及びプロセスカートリッジB)
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態を適用する電子写真画像形成装置としてのレーザービームプリンタAについて説明する。また図3にプロセスカートリッジBの側断面図を示す。
【0030】
このレーザービームプリンタAは、図1に示すように、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するものである。そしてドラム形状の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと称す)にトナー像を形成する。詳しくは、帯電手段によって感光体ドラムに帯電を行い、次いでこの感光体ドラムに光学手段から画像情報に応じたレーザ光を照射して前記感光体ドラムに画像情報に応じた潜像を形成する。そしてこの潜像を現像手段によって現像してトナー像を形成する。そして前記トナー像の形成と同期して、給紙カセット3aにセットした記録媒体2をピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c,3d及びレジストローラ対3eで反転搬送する。次いで、プロセスカートリッジBの有する前記感光体ドラム7に形成したトナー像を転写手段としての転写ローラ4に電圧を印加することによって記録媒体2に転写する。その後トナー像の転写を受けた記録媒体2を搬送ガイド3fで定着手段5へと搬送する。この定着手段5は駆動ローラ5c及びヒータ5aを内蔵する定着ローラ5bを有する。そして通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して転写されたトナー像を定着する。そしてこの記録媒体2を排出ローラ対3g,3h,3iで搬送し、反転経路3jを通して排出トレイ6へと排出する。この排出トレイ6は画像形成装置Aの装置本体14の上面に設けられている。なお、揺動可能なフラッパ3kを動作させ、排出ローラ対3mによって反転経路3jを介することなく記録媒体2を排出することもできる。本実施の形態においては、前記ピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c,3d、レジストローラ対3e、搬送ガイド3f、排出ローラ対3g,3h,3i及び排出ローラ対3mによって搬送手段3を構成している。
【0031】
一方、前記プロセスカートリッジBは、図3乃至図8に示すように、感光体ドラム7を回転し、その表面を帯電手段である帯電ローラ8への電圧印加によって一様に帯電する。次いで光学系1からの画像情報に応じたレーザービーム光を露光開口部1eを介して感光体ドラム7へ照射して潜像を形成する。そしてこの潜像をトナーを用いて現像手段9によって現像する。すなわち、帯電ローラ8は感光体ドラム7に接触して設けられており、感光体ドラム7に帯電を行う。なおこの帯電ローラ8は、感光体ドラム7に従動回転する。また、現像手段9は、感光体ドラム7の現像領域へトナーを供給して、感光体ドラム7に形成された潜像を現像する。なお光学系1は、レーザーダイオード1a、ポリゴンミラー1b、レンズ1c、反射ミラー1dを光学ケース1fに収容され、光学ケース1fが装置本体14に取り付けられている。
【0032】
ここで、前記現像手段9は、トナー容器11A内のトナーをトナー送り部材9bの回転によって、現像ローラ9cへ送り出す。そして、固定磁石を内蔵した現像ローラ9cを回転させると共に、現像ブレード9dによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ9cの表面に形成し、そのトナーを感光体ドラム7の現像領域へ供給する。そして、そのトナーを前記潜像に応じて感光ドラム7へ転移させることによってトナー像を形成して可視像化する。ここで現像ブレード9dは、現像ローラ9cの周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与するものである。またこの現像ローラ9cの近傍には現像室内のトナーを循環させるトナー攪拌部材9eを回動可能に取り付けている。
【0033】
そして転写ローラ4に前記トナー像と逆極性の電圧を印加して、感光体ドラム7に形成されたトナー像を記録媒体2に転写した後に、クリーニング手段10によって感光体ドラム7上の残留トナーを除去する。ここでクリーニング手段10は、感光体ドラム7に当接して設けられた弾性クリーニングブレード10aによって感光体ドラム7に残留したトナーを掻き落として廃トナー溜め10bへ集める。
【0034】
なお、プロセスカートリッジBは、トナーを収納するトナー容器(トナー収納部)11Aを有するトナー枠体11と現像ローラ9c等の現像手段9を保持する現像枠体12とを結合する。そしてこれに感光体ドラム7、クリーニングブレード10a等のクリーニング手段10及び、帯電ローラ8を取付けたクリーニング枠体13を結合して構成している。そしてこのプロセスカートリッジBは、操作者によって画像形成装置本体14に着脱可能である。
【0035】
このプロセスカートリッジBには画像情報に応じた光を感光体ドラム7へ照射するための露光開口部1e及び感光体ドラム7を記録媒体2に対向するための転写開口部13nが設けてある。詳しくは、露光開口部1eはクリーニング枠体13に設けられており、また、転写開口部13nは現像枠体12とクリーニング枠体13との間に構成される。
【0036】
次に本実施の形態に係るプロセスカートリッジBのハウジングの構成について説明する。
【0037】
本実施の形態で示すプロセスカートリッジBは、トナー枠体11と現像枠体12とを結合し、これにクリーニング枠体13を回動可能に結合して構成したハウジング内に前記感光体ドラム7、帯電ローラ8、現像手段9及びクリーニング手段10等を収納してカートリッジ化したものである。そして、このプロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に設けたカートリッジ装着手段に対して取り外し可能に装着する。
【0038】
(プロセスカートリッジBのハウジングの構成)
本実施の形態に係るプロセスカートリッジBは、前述したようにトナー枠体11と現像枠体12及びクリーニング枠体13を結合してハウジングを構成しているが、次にその構成について説明する。
【0039】
図3に示すように、トナー枠体11にはトナー送り部材9bを回動可能に取り付けてある。また現像枠体12には現像ローラ9c及び現像ブレード9dを取り付け、更に前記現像ローラ9cの近傍には現像室内のトナーを循環させるトナー攪拌部材9eを回動可能に取り付けてある。また、現像枠体12には図3に示すように現像ローラ9cの長手方向と対向して、前記現像ローラ9cと略平行にアンテナ棒9hが取り付けられている。そして前記トナー枠体11と現像枠体12を溶着(本実施の形態では超音波溶着)して一体的な第二枠体としての現像ユニットD(図12参照)を構成している。
【0040】
また、図3及び図11に示すようにクリーニング枠体13には感光体ドラム7、帯電ローラ8及びクリーニング手段10の各部材を取り付けて第一枠体としてのクリーニングユニットC(図11参照)を構成している。
【0041】
そして、上記現像ユニットDと上記クリーニングユニットCを丸いピンの結合部材22によって互いに回動可能に結合することによってプロセスカートリッジBを構成する。即ち、図12に示すように、現像枠体12の長手方向(現像ローラ9cの軸線方向)両側に形成したアーム部19の先端19aには現像ローラ9cに平行に丸い形状の回動穴20が設けてある。一方、クリーニング枠体13の長手方向両側2箇所には前記アーム部19を進入するための凹部21が設けてある(図11参照)。この凹部21に前記アーム部19を挿入し、結合部材22をクリーニング枠体13の取付穴13eに圧入し、且つアーム部19端の回動穴20に嵌入して取り付けることにより、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心に回動可能に結合される。このときアーム部19の根本に立設した図示されないダボに挿入して取り付けた圧縮コイルばね22aがクリーニング枠体13の凹部21の上壁に当りこの圧縮コイルばね22aによって現像枠体12を下方へ付勢することにより、現像ローラ9cを感光体ドラム7へ確実に押し付ける。なおクリーニング枠体13の凹部21の上壁は現像ユニットDとクリーニングユニットCを組付ける際に上記圧縮コイルばね22aが非圧縮状態から圧縮を次第に強めるように傾斜が付されている。従って、図12に示すように現像ローラ9cの長手方向両端に現像ローラ9cよりも大径のスペーサコロ9iを取り付けることにより、このコロ9iが感光体ドラム7に押し付けられ、感光体ドラム7と現像ローラ9cとが一定間隔(約300μm程度)をもって対向する。したがって、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心にして互いに回動可能であり、そこで、圧縮コイルばね22aの弾性力によって、感光体ドラム7の周面と、現像ローラ9cの周面の位置関係を保持することができる。
【0042】
このようにアーム部19の根本側において現像枠体12に圧縮コイルばね22aを取り付けてあるため、アーム部19根本以外へ圧縮コイルばね22aの加圧力が及ばず、現像枠体12へ取り付けた部材をばね座とするように、ばね座回りを特に強化しなくても、アーム部19根本側は強度、剛性の大きい部分であるため、精度の維持に効果がある。
【0043】
図3に示すようにクリーニング枠体13の上面はトナー枠体11上まで延出され、トナー枠体11の一部と現像枠体12の上部を覆うカバー部13uを備えている。このカバー部13uは長手方向にわたり上壁が設けられると共にこの上壁の長手方向両端部から、図3の紙面に平行にカバー部側壁13u1が垂下している。このトナー枠体11上まで延出されたカバー部13uの先端は、プロセスカートリッジBを装置本体14に装着した状態で感光体ドラム7の現像ユニットD寄りの斜め上に位置する。
【0044】
(プロセスカートリッジの駆動構成)
感光体ドラム7は両端にドラムフランジ(不図示)を備え、クリーニング枠体(ドラム枠体ともいう)13に回転自在に支持されている。そして感光体ドラム7は一方の上記ドラムフランジと一体のドラムギア7b(図8参照)と現像ローラ9cの端部に固定した不図示の現像ローラギアと噛合っている。又、現像ローラギアはトナー送り部材9b、トナー撹拌部材9eへ回転を伝える不図示の歯車列と噛み合っている。
【0045】
ドラムギア7bを設けたドラムフランジと一体にカップリング凸軸37が設けられ、この凸軸37が右側ガイド部材13Rと一体の軸受に回転自在に支持されている。このカップリング凸軸37の先端にはカップリング凸部37aが設けられている。このカップリング凸部37aは長手方向で円筒形ガイド13aRの内側にある。このカップリング凸部37aは軸方向にねじれた三角柱である。
【0046】
図10に示す装置本体14のガイド部材16Rの位置決め溝16dの中心と同じ中心を持ちこの溝16d中へ突出する位置とこの溝16dから後退した位置をとるように進退するカップリング凹軸39bが設けてある。このカップリング凹軸39bは装置本体14側にあって回転駆動源に動力伝達部材で連結されている。このカップリング凹軸39bの端面には軸方向へねじれた三角筒形のカップリング凹部39aが設けられている。このカップリング凹部39aと前述のプロセスカートリッジBのカップリング凸部37aは係合可能であり、係合時は両者が同方向へねじれていて互いに引き合う。又、両者は夫々が回転中心を中心とする正三角形であるため、回転により自動調心作用を呈する。
【0047】
プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する際、図1に示す支点35aを中心に開閉部材35を開くが、この開閉部材35と上記カップリング凹軸39bを連動する軸継手の係脱装置(不図示)が設けられている。即ち、開閉部材35を開くと、カップリング凹軸39bが位置決め溝16dから後退し、カップリング凸部37aからカップリング凹部39aがぬけて軸方向に離れ開閉部材35を閉めるとカップリング凹軸39bが位置決め溝16d中へ突出し、カップリング凹部39aがカップリング凸部37aに係合するようになっている。従って、装置本体14にプロセスカートリッジBが装着されている状態で装置本体14側の駆動源からカップリング凹軸39bが駆動され、カップリング凸軸37を介して感光体ドラム7が駆動されると図3に示すように感光体ドラム7はY方向に駆動し、プロセスカートリッジBにZ方向のモーメントが加わる。
【0048】
【0049】
(プロセスカートリッジの画像形成装置本体への装着構成)
次に、プロセスカートリッジBを装置本体14に着脱する際のガイド手段と装着した際の位置と姿勢を決める位置決め手段について説明する。
【0050】
まずプロセスカートリッジB側には、クリーニング枠体13の両外側面に、図4、図5、図6、図7に示すように、装置本体14に着脱するときのガイド手段として、位置決め用ガイド手段たる円筒形ガイド13aR,13aLと、姿勢保持用ガイド手段たる回り止めガイド13bR,13bLが設けられている。又装置本体14に装着した際の位置決め手段としては、姿勢規定部として規定突起部13jR,13jLが設けられている。なおプロセスカートリッジBを装置本体14に装着した際の位置規定は円筒形ガイド13aR,13aLにより行う。
【0051】
図5に示すように前記円筒形ガイド13aRは中空の円筒状部材であり、回り止めガイド13bRは前記円筒形ガイド13aRと一体成形であり、円筒形ガイド13aRの円周から一体でほぼ放射方向へ突出している。円筒形ガイド13aRには取付フランジ13aR1が一体に設けられている。このように円筒形ガイド13aR、回り止めガイド13bR、取付フランジ13aR1を有する右側ガイド部材13Rは取付フランジ13aR1の小ネジ用穴を挿通して小ネジ13aR2をクリーニング枠体13にねじ込み固定されている。
【0052】
円筒形ガイド13aLは図6に示すように、クリーニング枠体13の側面に突出する位置決めピン13cに嵌合し、小ねじ13dでクリーニング枠体13に固定された平板状のフランジ29に、外方(図6の紙面に直交して手前方向)へ向って突設されている。このフランジ29の内部側には感光体ドラム7に嵌入したフランジと一体の平歯ギア7nを回転自在に支持する固定のドラム軸を備えている。前記円筒形ガイド13aLとこのドラム軸は同軸である。
【0053】
図6に示すように、円筒形ガイド13aLから少し離れて円筒形ガイド13aLのほぼ放射方向に細長い回り止めガイド13bLがクリーニング枠体13の側方へ突出するようにクリーニング枠体13に一体に成形されている。この回り止めガイド13bLがフランジ29と干渉する部分はフランジ29が切り欠かれてこの回り止めガイド13bLの側方への突出高さは頂面が回り止めガイド13bLの頂面とほぼ一致する程度である。この回り止めガイド13bLは現像枠体12に固定した現像ローラ軸受箱9vの側方へ延出されている。このように左側ガイド部材13Lは金属製の円筒形ガイド13aLと合成樹脂製の回り止めガイド13bLが分かれて別部材で設けられている。
【0054】
また図4〜図7に示すように規定突起部13jR,13jLは中空の円筒状であり、クリーニング枠体13の両外側面に一体に長手方向の外方へ突出して成形されている。規定突起部13jR,13jLの位置はクリーニング枠体13のカバー部側壁13u1にある。これら規定突起部13jR,13jLの中心軸は一直線上に有り、感光体ドラム7の中心線と平行であり、感光体ドラム7の中心軸から充分に離れた位置にある。本実施例では感光体ドラムの中心から規定突起部13jR,13jLの中心まで約75mmである。またこれら規定突起部13jR,13jLの長手方向の長さは円筒形ガイド13aR,13aL以下である。即ち、円筒形ガイド13aR,13aLの長手方向突出端と同位置もしくは以内である。規定突起部13jR,13jL及び円筒形ガイド13aR,13aLと夫々同じ部材であるクリーニング枠体13に設けてあるため、規定突起部13jR,13jL及び円筒形ガイド13aR,13aLに加わる荷重はクリーニング枠体13で担持され、他の部材に影響することがない。
【0055】
画像形成装置本体14側には左右両側の内壁のプロセスカートリッジBの挿入方向Xからみて左側を図9、右側を図10に示すようにガイド部材16R,16Lが各々設けられている。
【0056】
図に示すようにガイド部材16R,16Lには各々プロセスカートリッジBの挿入方向Xから見て前下りになるように斜設したガイド溝16a,16cと、このガイド溝16a,16cに各々つながり、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが丁度嵌入する半円形の位置決め溝16b,16d、そしてその上方に姿勢規定受部16e,16fを備えている。この位置決め溝16b,16dの中心はプロセスカートリッジBを装置本体14に装着時、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLの中心と一致する。従ってまた、感光体ドラム7の中心線とも一致する。この姿勢規定受部16e,16fはガイド溝16a,16cを形成する上壁の上面に設けられている。姿勢規定受部16e,16fへ規定突起部13jR,13jLを導くための導入部16e1,16f1が夫々姿勢規定受部16e,16fの手前に設けてある。
【0057】
ガイド溝16a,16cの幅は、プロセスカートリッジBの着脱方向から見て円筒形ガイド13aR,13aLが遊嵌する幅を有する。円筒形ガイド13aR,13aLの直径よりも夫々せまい幅をもつ回り止めガイド13bR,13bLは当然ゆるく嵌まり込むが円筒形ガイド13aR,13aL、回り止めガイド13bR,13bLはガイド溝16a,16cにより回動を制約され、プロセスカートリッジBは一定範囲の姿勢を保って装着される。プロセスカートリッジBの装着時に円筒形ガイド13aR,13bLがガイド溝16a,16cを進み、位置決め溝16b,16dに近ずくと、規定突起部13jR,13jLは姿勢規定受部16e,16fの手前の導入部16e1,16f1に当たり、導入部16e1,16f1と姿勢規定受部16e,16f間の山部を越えて姿勢規定受部16e,16fに接し、続いて姿勢規定受部16e,16fの斜面を規定突起部13jR,13jLが下がる途中で、円筒形ガイド13aR,13bLが位置決め溝16b,16dに丁度嵌り込んで当接する。
【0058】
即ち、プロセスカートリッジBが画像形成装置本体14へ装着された状態においては、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが各々ガイド部材16R,16Lの位置決め溝16b,16dに嵌合すると共にプロセスカートリッジBのクリーニング枠体13の両外側面に設けられた規定突起部13jR,13jLが装置本体14のガイド部材16R,16Lの姿勢規定受部16e,16fに当接するようになっている。というのも上述したプロセスカートリッジBは円筒形ガイド13aR,13aLの中心を結ぶ中心線のクリーニングユニットC側と現像ユニットD側では、この中心線を水平に保つと、現像ユニットD側がクリーニングユニットC側よりも大きな一次モーメントを生ずるような重量配分となっているからである。
【0059】
また画像形成装置Aの駆動時には、感光体ドラム7は図3に示す矢印Y方向に回動されるためプロセスカートリッジBには矢印Z方向にモーメントがかかる。このため規定突起部13jR,13jLは装置本体14側のガイド部材16R,16Lの姿勢規定受部16e,16fに当接しつづけ、プロセスカートリッジBの姿勢は駆動前と同じ姿勢が保たれる。
【0060】
プロセスカートリッジBの装置本体14内での姿勢規定をこのような構成で行うことにより、姿勢規定のため規定部材をカートリッジ装着スペースS中に別途設けて、この規定部材をプロセスカートリッジBに当接させる必要がないため、図1に示すように光学ケース1fにプロセスカートリッジBを接近させることができ、その分のスペースが不要となる。またこの規定突起部13jR,13jLは、プロセスカートリッジBの位置決め用の円筒形ガイド13aR,13aLよりも長手方向で同じか短くしているため、この長手方向に装置本体14を大きくする必要はない。具体的には、従来例のようなクリーニングユニットC上部を部材で押さえていたものに比べてプロセスカートリッジBの上方にスペースが不要となるため(本実施の形態では光学系1とプロセスカートリッジBの間のスペースが不要となるため(図1参照))その分装置本体14の高さを低くでき装置本体14の小型化がなされる。
【0061】
またこの規定突起部13jR,13jLは感光体ドラムの中心から充分離れたクリーニング枠体13のカバー部13uの側壁13u1の位置(約75mm)にあるため、この規定突起部13jR,13jLや装置本体14側の姿勢規定受部16e,16fの位置がずれていた場合でもプロセスカートリッジBの姿勢に影響しにくい。この感光体ドラム7の中心から規定突起部13jR,13jLの中心までの距離は長い方がよく約60mmで規定突起部13jR,13jLの位置がプロセスカートリッジBの回転方向に1mmずれたときプロセスカートリッジBの姿勢が1°変わる。ただし、成形による誤差はmm単位でコンマ以下であるから、プロセスカートリッジBの姿勢はほぼ一定である。上述の装置本体14側の姿勢規定受部16e,16fはプロセスカートリッジBの規定突起部13jR,13jLの円周が接する傾斜面であり、この傾斜面はガイド溝13a,13cと同方向に傾斜し、ガイド溝13a,13cと平行またはガイド溝13a,13cよりも傾斜が急である。ガイド溝13a,13cよりも規定突起部13jR,13jLの傾斜を急とすると、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する際にクリック感が得られる。なお姿勢規定受部16e,16fは図示V溝の一面、即ち、プロセスカートリッジBの装着方向Xから見て手前側の面であり、プロセスカートリッジBが装置本体14に装着された状態においては、このV溝のプロセスカートリッジB装着方向から見て手前側の面にプロセスカートリッジBの規定突起部13jR,13jLの母線が接すると共にプロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLの外周が装置本体14のガイド部材16R,16Lの位置決め溝16b,16dの内周に当接するものである。
【0062】
上記装置本体14のガイド部材16R,16Lに設けた姿勢規定受部16e,16fは平面となっているが長手方向を軸心とする凹形または凸形の円弧等の二次曲面であってもよい。また、プロセスカートリッジBの姿勢規定部も円筒形突起に限られる訳ではない。
【0063】
上述の実施の形態によれば姿勢規定部は電子写真感光体の中心から60mm以上はなれた位置で、かつ電子写真感光体よりも上方にあることを特徴とするプロセスカートリッジとしたことにより、姿勢規定部の位置の精度がプロセスカートリッジの姿勢に及ぼす影響が少ない。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、カップリング凸部と、姿勢規定部と、を設けることで、プロセスカートリッジを前記装置本体に装着して、前記カップリング凸部に駆動力が伝達された状態で、前記プロセスカートリッジがドラム軸線まわりに生じるモーメントによって、前記位置決めガイドを中心に回転するのを確実に規制することができる。さらに、前記プロセスカートリッジ枠体の前記ドラム軸線方向の両端側、及び、前記位置決め部より上方において、前記姿勢規定部と前記本体姿勢規定受部とが当接するので、前記本体姿勢規定受部のための余分なスペースを確保する必要なく、省スペースでプロセスカートリッジの回転止めをおこなうことができ、画像形成装置の小型化が可能になる。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【図面の簡単な説明】
図面は何れも本発明の実施の形態を示し、
【図1】
電子写真画像形成装置の縦断面図である。
【図2】
図1に示した装置の外観斜視図である。
【図3】
プロセスカートリッジの縦断面図である。
【図4】
図3に示したプロセスカートリッジの右側上方から見た外観斜視図である。
【図5】
図3に示したプロセスカートリッジの右側面図である。
【図6】
図3に示したプロセスカートリッジの左側面図である。
【図7】
図3に示したプロセスカートリッジの左側上方から見た外観斜視図である。
【図8】
図3に示したプロセスカートリッジを左下側を示すための外観斜視図である。
【図9】
装置本体のプロセスカートリッジの装着部の外観斜視図である。
【図10】
装置本体のプロセスカートリッジの装着部の外観斜視図である。
【図11】
クリーニングユニットの斜視図である。
【図12】
現像ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
1…光学系 1a…レーザーダイオード 1b…ポリゴンミラー 1c…レンズ 1d…反射ミラー 1e…露光開口部 1f…光学ケース
2…記録媒体
3…搬送手段 3a…給紙カセット 3b…ピックアップローラ 3c,3d…搬送ローラ対 3e…レジストローラ対 3f…搬送ガイド 3g,3h,3i…排出ローラ対 3j…反転経路 3k…フラッパ 3m…排出ローラ対
4…転写ローラ
5…定着手段 5a…ヒータ 5b…定着ローラ 5c…駆動ローラ
6…排出トレイ
7…感光体ドラム 7b…ドラムギア 7n…平歯ギア
8…帯電ローラ
9…現像手段 9b…トナー送り部材 9c…現像ローラ 9d…現像ブレード 9e…トナー撹拌部材 9h…アンテナ棒 9i…スペーサコロ 9v…軸受箱
10…クリーニング手段 10a…クリーニングブレード 10b…廃トナー溜め
11…トナー枠体 11A…トナー容器
12…現像枠体
13…クリーニング枠体(ドラム枠体) 13aR1…取付フランジ 13aR2…小ねじ 13aR,13aL…円筒形ガイド 13bR,13bL…回り止めガイド 13c…位置決めピン 13d…小ねじ 13e…取付穴 13jR,13jL…規定突起部 13L…左側ガイド部材 13n…転写開口部 13R…右側ガイド部材 13u…カバー部 13u1…カバー部側壁
14…画像形成装置本体
16a…ガイド溝 16b…位置決め溝 16c…ガイド溝 16d…位置決め溝 16e,16f…姿勢規定受部 16e1,16f1…導入部 16R,16L…ガイド部材
19…アーム部 19a…先端
20…回動穴
21…凹部
22…結合部材 22a…圧縮コイルばね
29…フランジ
35…開閉部材 35a…支点
37…カップリング凸軸 37a…カップリング凸部
39a…カップリング凹部 39b…カップリング凹軸
A…レーザービームプリンタ(画像形成装置)
B…プロセスカートリッジ
C…クリーニングユニット
D…現像ユニット
S…カートリッジ装着スペース
Y,Z…矢印
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-09-03 
出願番号 特願平8-211930
審決分類 P 1 651・ 121- YA (G03G)
P 1 651・ 113- YA (G03G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 國田 正久  
特許庁審判長 石川 昇治
特許庁審判官 伏見 隆夫
井出 和水
登録日 2002-11-22 
登録番号 特許第3372772号(P3372772)
権利者 キヤノン株式会社
発明の名称 プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置  
代理人 新井 一郎  
代理人 新井 一郎  

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